侑「私には秘密がある」【SS】
侑 「あっ、しずくちゃん!」
しずく 「ごめんなさい、待たせちゃいましたか?」
侑 「ううん、私も今来たところだから」
歩夢 「……」
歩夢 (知らなかった。まさか侑ちゃんがしずくちゃんとデートしてるなんて……!)
侑 「うん! 楽しみだなあ~。しずくちゃんのおすすめの映画!」 ギュッ
歩夢 (手繋いでる……やっぱり、そういうことなのかなぁ……)
歩夢 (——私には秘密がある)
歩夢 (それは、侑ちゃんの様子が気になって今日こっそりつけてきちゃったことだ!)
歩夢 (でも、ちょっとだけ後悔してる。こんなことを知っちゃうくらいだったら、家にいたままの方が)
しずく 「ふふ、どうやらさつまいものアイスクリームみたいですね」
侑 「買っちゃおうかな~。しずくちゃんと一緒に食べたら数十倍美味しく感じると思う!」
しずく 「もう侑先輩ったら」 ニコニコ
しずく (——私には秘密がある)
しずく (それは、同好会の憧れの先輩『侑先輩』とお付き合いをさせてもらってることだ)
しずく (侑先輩と私だけの秘密。まるで映画みたいな状況につい、心が舞い上がってしまう)
侑 (それは、同好会の可愛い後輩『しずくちゃん』と付き合っていることだ)
侑 (素直で優しくて、そんなしずくちゃんと付き合えてることは私にとって誇りだよ)
せつ菜 「あれ? 侑さん!? しずくさん!?」
侑 「せ、せつ菜ちゃん」
しずく 「せつ菜さん!?」
歩夢 「せつ菜ちゃん……?」
しずく 「そ、そんな……/// デートだなんて……///」 テレテレ
せつ菜 (——私には秘密がある)
せつ菜 (それは、私をもう一度スクールアイドルにしてくれた大切な人『侑さん』と付き合っていることだ)
せつ菜 (同好会のみんなを困らせないように、このことは私と侑さんの秘密にしている)
せつ菜 「ふふ、冗談ですよ。二人で映画でも見に行くんですか?」
侑 「……」
歩夢 (あ、なるほど! そうだよ、二人で出かけてるからってそれがデートとは限らないよね! 前だってそうだったんだから!)
歩夢 (良かったぁ、安心したよ~……)
侑 (——私には秘密がある)
侑 (それは、私にときめきをくれる『せつ菜ちゃん』とも付き合っていることだ)
侑 (秘密ってヒーローみたいでかっこいいですね! とせつ菜ちゃんが喜んでくれたおかげで、誤魔化せてきたのに、今最大のピンチを迎えてる)
しずく 「えっ、そ、それは」
せつ菜 (侑さんに限ってありえないとはいえ、二人きりで映画館なんて流石に私もイヤです!)
しずく (ゆ、侑先輩~!! デートなんですから、流石に断りますよね!? 頼みますよ、侑先輩~!!)
侑 「……」
侑 「さつまいものアイスクリーム、みんなで食べようよ!」
せつ菜 「さつまいものアイスクリーム?」
しずく (あからさまに話を逸らした……)
歩夢 (そう思ったら隠れる必要もないよね。前に出てネタバレしちゃお……)
愛 「あれ? せっつーにしずくにゆうゆ? 三人でどうしたの?」
歩夢 (愛ちゃん!?)
愛 「A•ZU•NAだったら、歩夢がいないし」
せつ菜 「それはですね」
せつ菜 (せっかくですから、少し侑さんを揶揄ってみますか。ふふ、どんな顔するんでしょう)
侑 「!?」
愛 「えっ? 二人付き合ってたの?」
せつ菜 「そうなんです! ずっと秘密にしてたんですけど!」
せつ菜 (秘密にするのもヒーローみたいでかっこいいですが、同時にずっと侑さんとのお付き合いを隠すことにモヤモヤしてました。だからこのくらい良いですよね) モギュッ
侑 「せせせせせせつ菜ちゃん!?」 アセアセ
愛 「へー……そうなんだ。二人付き合ってたんだねえ」
愛・しずく 「「あはは」」
しずく 「せつ菜先輩! いくらなんでも演技があからさますぎますよ~」
愛 「背伸びしたい気持ちはわかるけどさ~ww」
せつ菜 「なっ、本当に本当なんですよ!!」
愛・しずく 「「あはは」」
愛 「そんなわけないじゃん」 ボソッ
侑 「ひぃぃぃ!」
せつ菜 「侑さん……?」
愛 (それは、同好会に楽しいを溢れさせてくれる『ゆうゆ』と付き合ってること!)
愛 (ダジャレもいつも笑ってくれるし、いつも愛さんを励ましてくれる。そんなゆうゆが二股なんてするわけないじゃん!)
愛 「ね?」 ニコッ
侑 「え、えへへ……」
侑 (——私には秘密がある)
侑 (それは、もはやバレバレだと思うが、虹ヶ咲の部室棟のヒーロー『愛ちゃん』と付き合ってることだ)
侑 (本当にごめん! まじでごめん! みんなが可愛くてごめん! ヒトリダケナンテエラベナイヨー!!!)
璃奈 「歩夢さん、知りたい?」
歩夢 「えっ璃奈ちゃん!? あ、いや、これは、別にストーキングってわけじゃなくて!」
璃奈 「——私には秘密がある」
歩夢 「えっ?」
璃奈 「侑さんにこっそり盗聴器やGPSをつけてることだ」
歩夢 「突然のとんでもないカミングアウト!?」
璃奈 「でも、そんな愛さんを弄ぶのは、侑さんでも許さない」
歩夢 「えっ?」
璃奈 「ポチッとな」 ポチッ
『ゆうゆ、カップル限定の飲み物だって~!』
『おおっ! じゃあ頼もうか!』
『それとあとは食べ物を頼んでーと……デートだけに!』
『ぷっ、ははははははっ!ww もう愛ちゃんったら!』
愛 「これって愛さんたちの会話!?」
『せつ菜ちゃんは本当に大好きに一生懸命だよね!』
『もちろんです! 好きには遠慮せず飛び込んでゆきます!』
『それならさ』 ギュッ
『侑さん!?』
『私とのこれからも、DIVEしてきてほしいな』
侑 「あ……あ……あ……」
せつ菜 「懐かしいですね~このやりとりも。それより今はさっきの愛さんとの会話について教えてくれませんか」
『別に構わないですけど、今私と侑さんでデートしてるのに、他の女性の名前を出さないでください』 ギュッ
『……そうだね。ごめんね、しずくちゃん。大好きだよ』
しずく 「まあ本物のせつ菜さんともデートしてたわけですけども」
侑 「あばばばばばば……!」
『エマさんの優しさ、私大好きになっちゃうな♪』
『かすみちゃんの可愛さって本当に無敵だよね~! もうときめいちゃう!』
『果林さん今どこにいるの!? えっ九州!?』
『ランジュちゃんの無邪気さに、私、いつも元気を貰ってるんだ!!』
『彼方さんの手料理、美味しいなあ。毎日この味噌汁飲みたい』
『ミアちゃんと私、きっとハモれるよ』
『璃奈ちゃん、何股しても隠し通せる装置とかないかな? あっ、別に深い意味はないけどね!』
璃奈 「……」
璃奈 「実際に付き合ったのは、しずくちゃん、せつ菜さん、愛さんの三人だったみたいだけど、他の同好会メンバーにもたくさんキザなセリフを放ってる」
璃奈 「うん。侑さんは大好きだけど、少し痛い目にあうべき」
果林 「ちょっと、流石に無いんじゃないの? 侑」
せつ菜 「なぜ果林さんがここに!?」
果林 「……最近、侑の様子がおかしく感じてね。キザな言動だとは思ってたけど、まさか三股してるなんて。こっそりついてきて正解だわ」
果林 (——私には秘密がある)
果林 (それは、今日一日ずっと迷子で、もう泣く寸前だったことだ)
果林 (見知った顔が見えてきて、本当にホッとしたわ。隠れて話聞いてたらとんでもない修羅場だったけど)
侑 「ごめんなさいっ!!!! 許してください!!!! 勘弁してください!!!!」 ドゲザ
しずく 「……謝ってほしいわけではありません」
せつ菜 「……はい。これは真摯さの問題です」
愛 「……はっきり決めちゃってよ。この三人の誰と付き合うか」
侑 「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
侑 「しずくちゃんは後輩力が高すぎるーーーーーーーー!!!!!」
侑 「そして尻が大きい! 葉月ルーペも多分壊れるくらい!!!!」
しずく 「侑先輩!?///」
侑 「そして子供っぽいところと大人っぽいところ!! ギャップがビクトリー!!!!」
せつ菜 「侑さん!?///」
侑 「愛ちゃんは非実在性ギャルが実在した感動ーーーーーーーー!!!!!」
侑 「愛ちゃんのダジャレも、照れくさそうに笑う姿も大好き!!!!」
愛 「ゆうゆ!?///」
歩夢 「侑ちゃん」
歩夢 (——私には秘密がある)
歩夢 (それは)
歩夢 「ふっ!」 バシッ
侑 「うぎゃ!」
歩夢 「はいや!」 ブンッ
侑 「うっ!」
侑 「うがあああああああ!」
侑 「」 チーン
歩夢 「……侑ちゃんの女癖の悪さは知ってたよ。だからずっとこういうときのために練習してたの」
歩夢 「……ゲームでのコンボが実際にできるように」
侑 「マイリマシタ……」
その後、侑ちゃんは責任をとって四人と暮らしていったとさ。
おわり
面白い企画なので、微力ながら参加させていただきました。
軽症で済んだなw
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1685791242/
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