花帆「さやかちゃん、ここ教えて!」さやか「いいですよ。このステップはですね…」梢「……」
代行ありがとうございます
蓮短編です
花帆「えっと……こう、こう?」
さやか「ちょっと硬いですね…もう少し大きく振りましょうか」
花帆「よ〜し、こう……こう!」
さやか「良いと思います。あとは慣れればもっと早くできるはずです。重心を意識することを忘れないで下さい」
さやか「花帆さんの飲み込みが早いんですよ。その吸収力は羨ましいです」
花帆「そんなことないよ〜!さやかちゃんがすごいんだって!」
さやか「いえ、花帆さんですよ」
花帆「えへへ、そうかなぁ〜」
さやか「ふふっ…それじゃあ続きに行きましょうか。えっと、その後は……」
梢「……」
梢「そんなことないわ?」
綴里「え、疑問形…?最近、さやとかほは二人で教え合ってるみたいだよ」
梢「そうなの…そっちの邪魔にはなってない?」
綴理「大丈夫。今みたいに休み時間とかで、ちょっと振り返ってる位だから。オーバーワークにもなってないと思う」
梢「なら、良いのだけれど……」
綴里「……やっぱり、気になる?」
梢「いいえ?やり過ぎでなければ、二人が切磋琢磨するのは良いことよ。そうでしょう?」
綴里「そうだね…?」
この後は総修正かけますが見落としあったらすみません
梢「そしたら、今日はダンスの練習ね。と、その前に…花帆さん。朝練を見ていて、ここの振り付けが少し気になったのだけれど……」
花帆「あ!あたしもなんです!それで、ちょっと見ててください!」
梢「え?ええ」
花帆「えっと……こう、こう……こう!」
花帆「どうですか!?」
梢「驚いたわねえ…花帆さん、すごく綺麗になってる。練習したの?」
梢「む、村野さんから…?」
花帆「はい!さやかちゃん、すっごく教えるのが上手で…助かっちゃいました!」
梢「そうなのね……」
花帆「梢センパイ?」
梢「い、いえ。なんでもないわ。それじゃあ練習に入りましょうか」
花帆「はい!」
梢「……」
梢(さっきの振り付けだけじゃない。重心や体幹の意識もしっかりしてる)
梢(順に教えていくつもりではあったけれど、私の教え以上のペースで成長していってる……これも、村野さんからのアドバイスなのかしら……?)
梢「…?」ズキッ
梢(花帆さんが成長するのは嬉しいはずなのに……なんだか、すっきりしないような)
花帆「……センパイ!梢センパイ!」
梢「きゃっ、花帆さん?ど、どうしたの?」
花帆「もしかして体調悪いんですか!?保健室?救急車?でもここまで来られるのかな……そしたら、ドクターヘリ!?」
梢「お、落ち着いて、花帆さん。大丈夫だから。安心してちょうだい」
梢「そう、生徒会に提出する書類のことを考えてたの。だから花帆さんが心配することじゃないわ」
花帆「そ、そうですか…?」
梢「ええ。綴理に書いてもらう書類があったのを思い出したの。ちょっと綴里のところに行ってくるから、申し訳無いけど一人で練習続けてて貰えるかしら?」
花帆「?はい、わかりました…」
綴理「あ、こず。どうしたの?」
さやか「あっ、乙宗先輩。お疲れ様です!」
梢「お疲れ様、村野さん。ちょっと綴理と話すけど、気にしないで頂戴ね」
さやか「はい、わかりました」
綴理「話?あんまり怒らないであげてね」
梢「怒らないわよ…花帆さんと村野さんのことなのだけれど」
梢「昼間にも話したじゃない。二人で自主練をしてるって。村野さんも、花帆さんの影響で上達してたりするかしら?」
綴理「う〜ん……そうだ、さや」
さやか「はい!なんですか?」
綴理「さや、踊ってみて」
さやか「今からですか?良いですけど…唐突ですね」
綴理「うん。こずがさやの踊り、見たいって」
さやか「そうなんですか?」
梢「え、ええ。悪いわね。お願いできるかしら」
さやか「わかりました。それじゃあ……」
綴理「どうだった?」
梢「素敵だったわ。前と比べて演技にも余裕があるみたいだったし…良いと思うわ」
さやか「ありがとうございます!」
綴理「こんな感じ」
梢「こんな感じって…私は村野さんを毎日見てあげられてる訳では無いし、日々の進歩はあまりわからないわよ」
綴理「でも、さやは表現力が上がったと思う。牛すじくらい」
梢「ぎ、牛すじ…?それは、花帆さんの影響ということ?」
綴理「うん」
梢「そう……それは、良いことよね」
綴里「うん。ボクも嬉しい」
梢「……」
梢「そ、そんなこと無いわ。花帆さんたちが成長していくことこそ、この上ない喜びだもの」
梢「でも、もしかしたら…私より、村野さんの方が……」
綴理「……こずは、ちゃんと話した方が良い。と思う」
梢「え?」
綴理「こずは、ボクより伝えるのが上手だ。なら、伝えたほうがいい」
梢「……綴理」
綴理「?」
梢「いいえ。貴女、ちゃんと先輩してるのね」
綴理「む…ボクも先輩。さやの前だけかもしれないけど」
梢「ええ。けれど……村野さんにとっては、良い先輩よ。きっとね」
綴理「そうかな?」
梢「もちろんよ。……お邪魔したわね。村野さんも、ありがとう」
綴理「うん」
さやか「はい!花帆さんによろしくお願いしますね」
花帆「あっ、梢センパイ……」
梢「座り込んで、どうしたの?まさか、どこか怪我とか…」
花帆「いえ!大丈夫です!大丈夫です、けど……」
花帆「梢センパイ……あたし、何か悪いことしちゃいましたか…?」
梢「!」
花帆「あたし、センパイを怒らせちゃったり……」
花帆「えっ。でも…」
梢「花帆さん。最近、村野さんと教え合ってるみたいね」
花帆「は、はい。…あっ、でもオーバーワークにはならないよう気をつけてます!ちょっとだけステップの確認とか、歌い方の改善をしてるだけで…」
梢「安心して。怒ってる訳じゃないの。ただ…どうしてやり始めたのか、聞いてもいいかしら?」
花帆「そ、それは…」
花帆「いえ!えっと……実は」
花帆「梢センパイって…ステップとか、振り付けとか、あたしが新しくできるようになった時に褒めてくれるじゃないですか」
梢「…そうね」
花帆「それがあたし、すっごく嬉しくて……それに最近、ライブの申込みとか作曲とかで忙しくされてたじゃないですか」
花帆「だから、梢センパイに苦労をかけずに、新しくできることを増やせたら…梢センパイ、もっと喜んでくれると思って」
花帆「さやかちゃんとは、前から時々練習の配信を見せ合って、意見交換はしてたので。その延長でやってみようってことになって、それで……」
梢「……わかったわ。ありがとう、花帆さん」
花帆「ごめんなさい!私、また梢センパイを裏切るみたいな真似を……」
花帆「え?」
梢「私、二人に嫉妬しちゃってたのね。花帆さんが私より……村野さんに教わる方が良いなら。って」
花帆「ま、まさか!そんなことないですよ!そりゃあさやかちゃんも教えるのは上手ですけど、梢センパイが一番です!」
梢「私のくだらない思い込みで…随分と不安にさせてしまったわね。本当にごめんなさい」
花帆「そんな、くだらないなんて。あたし、嬉しいです!」
梢「嬉しい?」
花帆「梢センパイが、その……嫉妬するくらいあたしを気にかけてくれてたって、わかりましたから」
梢「……」
花帆「センパイ?」
梢「そんな直接自分の気持を晒されると、流石に恥ずかしいわねえ…」
花帆「わぁ!ごめんなさい!」
梢「どうしたの?」
花帆「あたしも、梢センパイも…まだまだお互いの知らないところがあったんだなって思って」
梢「…!そうね」
花帆「じゃあ、こうしましょう!」
梢「?」
花帆「あたし、これから自分の思ったこと、どんどん梢センパイに伝えていきます!だから、梢センパイもあたしに思ってること、何でも教えてください!」
梢「…わかったわ。一緒に、二人でやっていきましょう」
花帆「はい!」
梢「……じゃあ、まず私からね」
花帆「なんですか?」
梢「先輩っていうのはね。後輩の成長も大きな楽しみなのだけれど……後輩のために苦労するのも、同じくらい楽しいことなのよ」
梢「だから……村野さんとの自主練を止めろとは言わないけれど、私にももっと頼ってくれると嬉しいわ」
花帆「梢センパイ…はい!あたし、これからもーっとセンパイと頑張っていきたいです!」
梢「私もよ。そしたら……時間も少ないけど、練習再開しましょうか。効率的にやっていきましょう」
花帆「うぐ……」
梢「私も一緒にやるから。ね?」
花帆「わ、わかりました…!よーし、一緒に頑張りましょう!」
花帆梢「「おー!」」
二人がお互いを思い合っているからこその悩みがしっかり描かれていて感情移入してしまいますわ
お二人にはこれからも良い関係を築いていっていただきたいわね
普通のほのぼのssは初めてでした。書いてて楽しかったです
表記ミス等すみませんでした、またリベンジするのでよろしくお願いします
次にも期待していますわ
梢さんは悩める先輩をしているのが実に似合います
いいssをありがとうね
また気が向いたら花帆さんとわた梢先輩とのお話を書いてくださらないかしら
桜内が擬態してて草
次回はもっと花帆さんと梢センパイとの濃厚な絡みを描写したらより素敵だと思うのだけれど
ᶘイ^⇁^ナ川
ノートに書き残しておくわね
次も待ってます
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