かのん「グッドバイ・ワンスアゲイン」【誕生日記念SS】
「さようなら」
「また、どこかで会えたら」
「会えたら、ね」
「せめて、この雪みたいに消えて無くならないで」
「きっといつか、巡り巡って会えると思う」
「分かってる……さよなら」
「……さよなら、またね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
テクテク…
かのん「…ほう」
口をついて出るのはここ最近ずっと白い息
音楽事務所に入る為の練習を毎日重ねてる
でもたまに遊んで、いつもは練習して、曲を作って、クレープ食べたり
かのん「さむっ、帰ろっ」
高校を卒業してそのままココに留まり、いつか咲かせる音楽の芽を育てている
この先に不安がないと言えば嘘になるけど
それは冬の寒さのせいにして、それを白いため息にして吐き出してしまう
テクテク…
かのん「…うぇ?」
恋「かのんさん!私です、葉月恋です!!」
かのん「…恋ちゃん……え、恋ちゃん!?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
恋「ハンバーガーって美味しいんですね…」モグモグ
かのん「初めて食べるの…?」
恋「もぐ……まさか、かのんさんとこんな所でお会いするとは思いませんでした」
かのん「こっちもだよ。1、2年振りくらい?」
恋「その位でしょうか。お変わりないですね」
かのん「恋ちゃんこそ。あでも髪切ったんだ?」
恋「大学デビューという訳ではありませんが、心機一転です!可可さんも一緒に勉学に励んでますからね!」
かのん「いいじゃん、似合ってるよ。そっかぁ、くぅくぅちゃんもキャンパスライフ楽しんでるんだ」
かのん「ほら、音楽で売れたいから事務所のオーディション受けまくってるって感じ。1個結果待ちかな」
恋「卒業してからずっと一途に頑張ってらっしゃるんですね!尊敬です…」
かのん「そんな大それたもんじゃないよー。ずっと一心不乱って訳でも無いしさ。遊んだり遊んだり、遊んだりしてるし」
恋「す、凄い遊んでますね……まあ、そういう時期ありますよね」
高校の時と変わらない会話を続けているとまるで昔に戻ってきたような感覚に陥る
恋ちゃんもそうなんだろう
それは楽しいし嬉しいけど
この流れのままだと出来れば聞いて欲しくない事を聞いてきそうで、ちょっとだけ不安がーーーー。
的中。まあ、そうなるよね
恋「テレビでもじわじわと露出が増えてきましたね。深夜番組が多いですが……」
かのん「でしょ。中々会おうと思って会える感じじゃないよ」
恋「もしお会いしましたら、また皆で集まりましょうとお伝え下さい」
かのん「勿論。LINEでもグループに伝えようね」
恋「はい!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
恋「仕方ないです。理想なんて、うまく届かないものですから」
かのん「お、いいねそれ。歌詞にしていい?」
恋「ふふ、こんなので良ければ」
かのん「絶対使うよ」
恋「ありがとうございます、かのんさん」
恋「また会いましょうね」
かのん「うん、勿論」
「お疲れ様でしたー」
<テクテク…
かのん「……またね」
ピロン
かのん「…」スッ
『アロープロモーション
ミュージシャン部門選考担当の園田です。マンスリーオーディションにご応募頂き有難うございます。
つきましては、オーディション結果の御連絡をーーーー』
『それが桜内梨子の場合』
~♪
梨子「……」
四季「少しテンポ早いです」
梨子「ん、こうかな」
~♫
四季「……良いと思います。あとはラスサビに向けてですね」
梨子「ありがとう、四季ちゃんに言われると心強いね」
四季「私は素人ですから。出しゃばってごめんなさい」
梨子「とんでもない。どんどん新しい意見を聞かないと音楽って凝り固まって、立ち止まっちゃうから」
四季「成程」
梨子「…んもう。淡白なんだから」
四季「そういう性分なので。それじゃあ、ご飯でも行きましょう」
梨子「うん、いつものとこ?」
四季「行きたいところあります?」
梨子「ないね」
四季「じゃあ、いつものとこで」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
四季「はい」
<こちらのお座敷どうぞー!
四季「梨子さん、靴」
梨子「ありがと」
<お飲み物お決まりでしたか?
四季「私は……バイスで」
梨子「トマトサワーお願いします」
<かしこまりましたっ!
四季「……それで梨子さん、新曲の事で…」
梨子「もう四季ちゃん。せめてお酒来てからにしようよ」
四季「…確かに」
梨子「仕事熱心だね。いい事だけどさ」
四季「…」
梨子「アローはそんなにブラックじゃないでしょう?」
四季「実は超ブラックです」
梨子「えぇ!?」
四季「うそ」
梨子「ちょっと!」
四季「ありがとうございます、はい梨子さん」
梨子「ありがとっ」
<ごゆっくりどうぞー!
四季「乾杯です」
梨子「ん、お疲れ様」
キンッ…
四季「…」グイッ
梨子「…っはぁ…」ゴクッ
梨子「はいはい、『YOUR STORM』の新曲についてね。全く仕事熱心も考えものね……」
四季「仕事熱心もそうだけど、梨子さんのマネージャーの権利を乱用する。1ファンとして新曲が聞きたい」
梨子「一番ダメな事ハッキリ言うわね……嬉しいけど」
四季「進捗としてはいい感じです」
梨子「ヒップホップダンスグループに合わせるピアノ曲なんて初めてだからね、どうしても遅くなるけど」
四季「そんな事ない。普段に比べれば遅いかもだけどその分2人に寄り添った曲が出来てきてる」
梨子「なら良かったわ。でも嵐さんのマネージャー業務は大丈夫なの?」
四季「その点は大丈夫。園田さんが代わりについてくれてるから」
梨子「ならいいけど。でもウチそろそろオーディションあるわよね?園田さんってそれの担当じゃなかったっけ?」
四季「そう」
梨子「激務ね……」
四季「本人は楽しんでる。新人を登った事の無い山と例えて登山してる」
梨子「……う、うんよく分かんないけど」
四季「それで」
梨子「?」ゴクッ
梨子「……っ!」
梨子「…」
四季「元々高校の同級生だとか……まあ別に特別仲良くしろというわけでは無いですけど、ウチは小さい事務所だから出来れば確執は取り除きたい」
梨子「…まあ、そうよね」
四季「1度話す場を設けて…」
梨子「待って。そこまでしてくれなくて良いから」
四季「…」
梨子「事務所に心配かけてしまってるのはごめんなさい。でもこれは結構複雑な問題だから、私に解決させて」
四季「…」
梨子「迷惑はかけないから、ね?」
四季「……分かりました、梨子さんがそう言うなら」
四季「良いんです。私も突っ込みすぎました」
梨子「心配してくれての事でしょ、ありがとう」
四季「いえ……」ゴクッ
梨子「…」グイッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
四季「ほえ~…」
梨子「仮でもマネージャーでしょ。酔っ払ってどうするの」
四季「酔ってないれす」
梨子「酔ってるの」
四季「タクシーは呼んでます。あと五分くらいで、来る」
梨子「じゃあ乗って先に帰りなさい、私はまだ電車あるし」
四季「それは…」
梨子「いいから。何か言われたら私が言っとくから」
四季「…ごめんなさい」
梨子「謝らないでよ。相談も聞いてくれたし、それに謝るのはこっちよ」
四季「……梨子さん」
梨子「ん」
四季「1人で抱え込まないで」
梨子「…」
四季「ウチのタレントとしても、ファンとしても梨子さんを失いたくないから…」
梨子「……分かってる。ありがとう」
<ププー
四季「……また」
ガチャッ
バタンッ
<ウィーン
四季「See you…」
梨子「ん、ぐっばい」
<ブーン…
ピッ
ーLINEー
『よーちゃんに着信しますか?』
梨子「…」
スッ
梨子「……そういう訳にはいかない」
『それが絢瀬絵里の場合』
カシャッ
絵里「……うん、いいかも」
善子「どれどれ……確かに」
絵里「夕方から夜に移り変わる一瞬…って感じ?」
善子「もう30分くらい待ってもいいかもね。そしたら月と太陽が並行に見えるかも」
絵里「それ良いわね。じゃあ暖かいコーヒーでも買ってきましょ」
善子「りょーかい」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
~♪
絵里「18時か…」ゴクッ
善子「ん、絵里さんコレ。チョコまん」
絵里「ありがとう、善子のは?」
善子「買ったわ。ありがと」
絵里「ん♪」モグモグ
善子「…」カチッ
ジジ…
善子「…ふー……」プカー
絵里「チョコだらけね」
善子「ブラックデビルがいちばん美味しいのよ」
絵里「ふふ、まあ嫌いじゃないけど」
絵里「ええ、新人のデビュー曲だって。オーディションを最優秀で合格したから何とかで…」
善子「へぇ。にこさんもいたりしてね」
絵里「……はぁ」
善子「なぁに頬杖ついたりして。絵になるからやめなさい」カシャッ
絵里「普通絵にならないから辞めさせるんじゃないのそういうの……」
善子「…にこさん、今は何してるのかしらね」
絵里「さあね。またどっかのアイドルグループのマネージャーしてるんでしょ」
善子「…絵里さん」
絵里「ヨハネ、何言おうとしてる?」
善子「とっととヨリ戻せばって言おうとしてる」
絵里「悪魔だからか、1番痛い事を言うのね」
絵里「そう言うけど私たち、テレビとか取材以外で面と向かって話した事ないわよ」
善子「え、じゃあ番組とかでは話してたけど終わったら無言?!」
絵里「ええ、大体」
善子「うっわ、えぐ」
絵里「色々あるの、ヨハネには分からないわよ」
善子「でもまた2人でやりたいんでしょ、カメラマン崩れよりもさ」
絵里「……アナタね、少しは歯に衣着せた方が良いと思うわ」
善子「いつも着せてるわよ。絵里さんの前では脱いでるだけ」
絵里「なんで」
善子「私の師匠だから」
絵里「……それだけで」
絵里「……」
善子「私もあんなのが撮りたくて、最初の気持ちシカトして弟子入りさせてもらったのよ。知ってるでしょ?」
絵里「私への目線のところは初めて聞いたけどね……」
善子「そう思われてもしょうがないでしょ」
絵里「……そりゃね」
善子「もしにこさんに会ったらちゃんと話す事。良い?」
絵里「会ってどうなるものでも」
善子「それで絵里さんのわだかまりが消えて、そしたらアレ以上の作品が生まれるも知れない。そう思ったら、口出さずにはいられないでしょ」
善子「愛弟子、第1号として」
絵里「……」ポリポリ
絵里「…ん」
<スタスタ…
絵里「…」
<絵里さん
絵里「ん…?」
<にこさん、今はアロープロモーションにいるわよ
『それが平安名すみれと渡辺曜、矢澤にこの場合』
ー第1会議室ー
海未「それで、こちらのスタジオでですね……」
絵里「成程、となるとカメラは…」
曜「ねぇちいちゃん、かのんちゃんと話さなくていいの?」ボソッ
千砂都「さっきしこたま話してきたよ。まさか同じ事務所になるなんて思ってなかったから死ぬ程ビックリしてたねぇ」
曜「あ、ちいちゃんがいるって知らなかったんだ?」
千砂都「とにかく色んなオーディション受けまくってたから所属キャストまで見てなかったっぽい…」
曜「頑張ってたんだねぇかのんちゃんも」
海未「曜、千砂都!ちゃんと聞いていますか!?」
曜「あいっ!?」
海未「今1度MVのストーリーを話しますよ、いいですね?!」
千砂都「はひいっ!!」
絵里「ふふふ…」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
にこ「かのん、スタッフに挨拶は済んだ?」
かのん「は、はいっ!しっかり回ってきました!」
にこ「宜しい。あと5回目だけど敬語要らないって」
かのん「あっすいません…!あっごめんなさい!あ゛っ?!」
にこ「……落ち着いたらでいいわ」
梨子「かのんちゃん、お茶飲む?」
かのん「あ、ありがとう梨子さん…」ゴクゴク
にこ「ストーリーについてもおさらいしとくわよ。かのん座って。四季、資料あるわね?」
四季「ここに」
かのん「は…うん!」
かのん「……へ?」
かのん「…こんな、急に……」ボソッ
梨子「かのんちゃん?」
四季「…」
かのん「いえ、なんでもないです。続きを…」
にこ「ストーリーとしては『売れない女優、ダンサーの日常風景の後、とあるアーティストのライブに来て人生が変わる…』って感じ。噛み砕いて言うとね」
かのん「そのアーティストって言うのが…」
梨子「私とかのんちゃんだね。平安名さんだけのシーンはもう撮ってるんですか?」
にこ「現在進行形ね。今頃はダンサーの方じゃないかしら」
<トントン
にこ「はーい」
<ガチャッ
絵里「失礼します、監督の絢瀬絵里…で、す……」
にこ「……こんにちは、宜しくお願いします」
梨子「宜しくお願い致します」
絵里「…もうそろそろ桜内さんだけのシーンですので、お願いします」
四季「了解しました、大丈夫ですね?梨子さん」
梨子「うん。いつでも」
絵里「ダンサーの方がこっちのスタジオ移動してくるので、出来ればもう移動をお願いしても?」
梨子「……はい、了解です」
四季「にこさん、先に行ってきます」
にこ「ん、また後でね」
にこ「…どうしました?」
絵里「いえ、何も」
<行ってきますねー
にこ「頑張ってね」
<ガチャッ
<バタンッ
かのん「取り敢えず、私のシーンはまだですね」
にこ「ええ。となると平安名さんには現場で挨拶になるかもね」
かのん「…分かりました」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
善子「かのんさん入られまーす!」
観客エキストラ『宜しくお願いしまーす』
絵里「かのんさん、こちらへ」
かのん「はひっ!!」
絵里「緊張しないの、ほら桜内さんもそこでピアノついてくれてるし」
梨子「やっほ」フリフリ
かのん「ふー……はいっ、大丈夫です!」
絵里「宜しい!それじゃ平安名さんと挨拶して頂戴」
かのん「…宜しく、お願いします」
すみれ「こちらこそ、宜しくお願いしますね」
花陽「マネージャーの小泉です!かのんさん、宜しくお願いします!」
かのん「あっ、はい!宜しくです!」
千砂都「かのんちゃんっ」
かのん「ち、ちいちゃん!みんないるんだね!」
千砂都「そうだよー!ダンスシーンは撮ったしあとはかのんちゃんのライブシーンだね」
曜「宜しくねかのんちゃん!」
かのん「うん!」
梨子「…」
四季「何弾いてるの?」
梨子「…分かんない、新曲」
曜「…」
すみれ「久しぶりね。千砂都」
千砂都「また、かのんちゃんと会えて良かったね」
すみれ「……そうね」
千砂都「私は応援するから」
すみれ「………誰を?」
千砂都「勿論、2人をね」
すみれ「…ありがと」
絵里「この後かのんさんがステージ上がってもらって……観客エキストラの皆さんの後方に嵐さんと渡辺さん、バーカウンター横ピアノの桜内さん、バーカウンターに平安名さんという配置ね」
善子「カメラとしてはかのんさん正面にありますから。都度カットしてアングル変えていきますね」
かのん「はい、目線とかは…」
善子「基本正面の時は見ちゃっていいです。でも横にある時とかはチラ見したりしないで下さいね」
海未「嵐と渡辺両名はライブシーンで前に進んだりというシーンもありますよね?」
絵里「そうね。助監督の津島が合図したら前に出るような感じで…」
花陽「となると平安名も多少の動きが…」
千砂都「おお…しかしマネージャー陣に制作陣が一堂に会してるとそうかんだねぇ」
曜「…」
千砂都「…?何で桜内さん見てるの?」
曜「えっ?あ、いや、何でもないよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かのん「ふー…緊張するなぁ」
すみれ「かのん、さん」
かのん「えっ……あ、すみれさん」
すみれ「……宜しく」
かのん「…こちら、こそ」
すみれ「………思い出話でもする?」
かのん「…したら、もう撮影出来ないよ」
すみれ「それも……そうよね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「善子ー!Bカメもう少し横で!」
<はーい!
にこ「…」
絵里「えーと、矢澤さん。何で横にいるのかしら」
にこ「ステージ準備中で邪魔にならないとこに避けてんですよ絢瀬さん」
絵里「私にとっては少々邪魔なんだけど」
にこ「ちょっと聞こえないですね、ドタバタしてるもんで」
絵里「……その減らず口、高校と変わらないわね」
にこ「そりゃアンタがいるんなら変わる事ないわよ。二度と会わないって思ってたのにデュオ組まされたあの時から」
絵里「これも運命なんじゃない?あ、善子!エキストラの皆さん配置につけて!」
にこ「……何かが変われば、変わるかもね」
絵里「何か言った?」
にこ「何も」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「園田と申します、ご挨拶遅れてしまい申し訳ありません」スッ
花陽「頂戴します、こちらこそ遅れてしまって……」
四季「海未さん。桜内、渡辺、嵐については配置完了です」
海未「分かりました。その旨監督にお伝えしますね」
花陽「…あの」
海未「はい?」
花陽「かのんさんのマネージャーの矢澤さんと絢瀬監督って、アイドルデュオやってましたよね?」
海未「そうですね。先代社長が組ませたそうです。解散後矢澤さんはウチに残留しマネージャーに、絢瀬さんはカメラマンに転向してます」
花陽「…仲、良くなかったんですかね」
海未「何故です?」
四季「ずっと口喧嘩みたいなのしてます。あんな感じで」
海未「…私から見れば、ただの強情の張合いですがね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
善子「ええ、あとはかのんさんの演奏で始まるわね」
かのん「…」
絵里「かのんさん、1つ要望つけるわね」
かのん「あ、はい!」
絵里「好きにやって。以上」
かのん「え」
絵里「なるべくリアリティのあるライブシーンにしたいの。ここにいる人達全員の心が動く様な」
かのん「…成程」
絵里「園田さんから聞いたわ。オーディションでは後に5組くらい控えてたのに、かのんさんの演奏聞いた瞬間合格確定したって」
かのん「ありがたいです」
絵里「それをもう一度、ここでやって。私達もその演奏、聞きたいから」
絵里「桜内さんにYOUR STORMの2人、私にも平安名さんにもエキストラさんにも、全員に届けて」
かのん「……分かりました」
かのん「はい……」
かのん「いつでも」
絵里「OK、善子!!」
善子「Aカメ回して!Bカメはカット後に!」
四季「梨子さん、流れ確認しますか?」
梨子「かのんさんの演奏に感動して、ピアノを弾くのを辞めて見入る…でしょ。簡単よ」
四季「宜しくです。あと別に、観客の方に入ってっても構いませんから」
梨子「え随分急ね!?」
四季「では」スタコラ
梨子「ちょっ、四季ちゃんたら!」
梨子「……そっちの方行ったら、会っちゃうじゃん」
すみれ「桜内さんとやる事は一緒だもの。セリフ無いだけ楽だわ」
花陽「ふふ。でもあった方がいいでしょ?」
すみれ「そりゃあそうよ。一応俳優だし、セリフはいつだって欲しいわ」
すみれ「ま取り敢えず、かのんさんの演奏聞いときゃいいんでしょ」
花陽「うん、お願いね。後は……状況見て」
すみれ「……分かってるわ」
千砂都「勿論!サビあたりで前に行けば良いんですよね?」
海未「はい。表情もしっかり作るんですよ」
曜「了解であります!」
海未「…曜さん」
曜「え?」
海未「自分の心のまま、動いてくれて良いですからね」
千砂都「…?」
曜「…」
にこ「悪い?」
絵里「別に」
にこ「じゃいいでしょ。アンタもかのんの演奏は初?」
絵里「ええ……”も”?」
にこ「私だって初よ。オーディション担当は海未だし、あのカタブツが1発合格出したほどだから期待はしてるけど」
絵里「……まあ、どんなもんかすぐ分かるわ」
にこ「…ええ、心動くかどうか。見物ね」
「……」
「よし、行くわよ」
「絵里さん、こっちカメラ回ったわ」
「おっけ……」
「……よーい!!!」
「…」
「…はいっ!!」カチンッ
~♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
曜「別れるべきだよ」
梨子「…っ」
曜「それが梨子ちゃんの為でもある」
梨子「…」
曜「これ続けてたら、いつか負う必要のない傷を2人は食らうよ」
梨子「私は」
曜「私はそれでいいけど、梨子ちゃんが傷付くのだけは見たくない」
梨子「……私だって」
曜「なら、尚更」
梨子「…さよなら」
曜「また、いつか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かのん「離れるのは嫌」
すみれ「私だってそうに決まってるでしょうが」
かのん「それでもさよならするんだ、すみれちゃんは」
すみれ「したい訳無いでしょうが」
すみれ「でもそれが2人の為」
かのん「本能では分かってても、理性では受け入れたくないけどね」
かのん「……さようなら」
すみれ「またいつか、会えるなら」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「何でまた会っちゃったのかしら」
絵里「知らないわ。カミサマのイタズラじゃない?」
にこ「出来ればもう会いたくないけど」
絵里「私もよ。一応理由聞いてもいい?」
にこ「何で?」
絵里「多分同じだから」
にこ「……あんたが傷付くから」
絵里「そう」
絵里「同じだわ」
にこ「……そっか」
絵里「…」
<本番始まりまーす!
絵里「…行くわよ、にこ」
にこ「ええ、絵里」
絵里「また会いましょうね」
にこ「会ってるじゃない」
絵里「会いたいのは、素顔のあなた」
にこ「……その内ね」
<はい本番!!3、2……
にこ「……さよなら」
絵里「ええ」
絵里「さようなら」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…ねえ、曜ちゃん」
「喋らない方が、良いんじゃ」
「音で分かりゃしないよ。そんな事より」
「……うん。ヤバい」
うおおおおお……!!/
「これ、演技とか抜きに前行くよね」
「行くでしょ、観客と一緒に」
「あはは、勝手に押されちゃってるし」
「押されなくたって行くよ」
「…向こうの方に」
演技とかどうでもいい、勝手に見ちゃう
歌い方も、歌詞も、演奏も
全部噛み合って、1つの曲になってる
……私も前行こうかな
別にいいよね。リアルな演技って事で
「私の演技の事、聞いてた?」「飲む手を辞めて聞き入るんでしたっけ?」
「そう。今はステージに背を向けてアナタと話してるけど」「カメラに撮られてるのにですね」
「…何でかしら。涙が止まらないの」「知ってます」
「……全くもってその通り」コトッ
「照明暗いので、足元にお気をつけて」
「そうね」
「何で背中合わせになってるの?」
「勝手に動いたの」
「こっちはこれでも監督よ、カメラマンでもあるけど」
「でも今この場では、タダの客でしょ」
「…じゃあそういう役って事にしとくわ」
「……にこ」
「私とまたくっ付く『役』、演じてくれる?」
「……善処してやるわ」
『その場合、高校生の時』
かのん「さようなら」
すみれ「また、どこかで会えたら」
梨子「会えたら、ね」
曜「せめて、この雪みたいに消えて無くならないで」
絵里「きっといつか、巡り巡って会えると思う」
にこ「分かってる……さよなら」
「……さよなら、またね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーCASTー
アーティスト:澁谷かのん
女優:平安名すみれ
ダンサー:渡辺曜
ピアニスト:桜内梨子
カメラマン:絢瀬絵里
かのんのマネージャー:矢澤にこ
すみれのマネージャー:小泉花陽
『YOUR STORM』マネージャー:園田海未
YOUR STORMダンサー:嵐千砂都
絵里の助手カメラマン:津島善子
梨子のマネージャー:若菜四季
同級生:葉月恋
同級生:唐可可(友情出演)
(奥多摩町18時チャイム – オータム)
(toe – グッドバイ)
ーBased On A Story Byー
ラブライブ!
ラブライブ!サンシャイン!!
ラブライブ!スーパースター!!
toe – グッドバイ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『今、現在進行形で』
かのん「久しぶり」
すみれ「また会う日が来るなんて」
梨子「もう二度と会うつもり無かったのに」
曜「勝手に導かれて、またあなたの隣に」
絵里「消えて欲しかったのに、アナタは晴れ間の太陽みたいに笑ってて」
にこ「会いたくないのに、気付いたらまたあんたの横にいてさ」
曜「この声が上手く届かないかもしれないのに」
にこ「また、あの時みたいに不安がって離れるの?」
梨子「さようなら、またね」
絵里「……それじゃあ、また明日」
言いたい事分かってます
曲聴いた瞬間ラストシーン思いついたんでそれ書きたかっただけなんです
出来ればグッドバイ聞きつつもう一度最初から読んで欲しいです
良いお年を
過去作抜粋
絵里「雨の日のコーヒー」
穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」
絵里 「ゲームセンターに行きましょう!」 にこ 「拒否」 希 「話を聞こう」
絵里 「真夜中に」 にこ 「愚痴を肴に」 希「姦しく」
花陽「都市伝説!」 絵里「対決よ!」
絵里「ノッキン・オン」 にこ「ヘブンズ・ドア」
海未「ふぁ~あ・・・眠いな・・・」 ことほの「「!?」」
絵里「ただ、ありふれた夜」
聖良「夜も更けて」 ダイヤ「姉会ですわ」
絵里「壊れた世界で、ただ1人」
海未「あなたは」 ことり「サマーガール」
希「ライブ?」 真姫「そうよ」
LINEグループ 9人の女神達
穂乃果「ここどこ!?」 カイマン「ん?ここは”ホール”だぜ」 ニカイドウ「ギョーザ、食うかい?」
にこ「あなたの目には」絵里「私たちの姿が」
かのん「雨の日のコーヒー」
善子「覚えてる?9月の事」梨子「そう、あの夜の事」
恋「ひっぷほっぷを聞きます!」すみれ「良いんじゃない?」
曜「水飛沫が光って」 梨子「月の光が輝いて」
果南「やらせクレーマー撃退選手権!!」絵里「お陰様で生きております!!!」
すみれ「カップ焼きそばのヤサイ程美味しいものは無い」
かすみ「ブレイキング・ラブ?」
絵里「スモーク」聖良「インザ」かのん「ナイト」
穂乃果「作戦名『Love-A-Live!』」絵里「状況開始よ!!」
かのん「危ない綱渡りを」すみれ「今夜だけは」
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1672224140/
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