【SS】ミア「帰らないでよ…ランジュ…」【ラブライブ!虹ヶ咲】
2期9話Ifです
ランジュに呼ばれてきた虹ヶ咲学園──そこでの活動はボクの…ボクたちの音楽を世界中に知らしめるためのものだった
でも…それは突然終わりを告げられたんだ
曲も、もうつくらなくていいわよ
そのランジュの一言はボクを日本に来させた時と同じくワガママで一方的で
・・頭にきたボクはランジュを問い詰める
やりきった?手が届かない?
I can’t understand…
ボクの…ボクたちの音楽を知らない人はまだたくさんいる
ベイビーちゃんたちの曲、パフォーマンスは確かに素晴らしかったけど…
でも、完全に負けた…なんて思ってないし、仮に負けたとしてもまた挑めばいいだろう?
なんて、思うところはあったけど上手く口に出せない…
どうしたら…ランジュをここに留まらせることができる──?
そんな焦燥感とか困惑とか怒りとか色々な気持ちが詰め込まれたボクは
ミア「帰らないでよ…ランジュ…」
ミア「ボク…やだから!キミが望むことならなんだってする!」
ボクの…ボクたちの音楽を知らない人はまだたくさんいる
ベイビーちゃんたちの曲、パフォーマンスは確かに素晴らしかったけど…
でも、完全に負けた…なんて思ってないし、仮に負けたとしてもまた挑めばいいだろう?
なんて、思うところはあったけど上手く口に出せない…
どうしたら…ランジュをここに留まらせることができる──?
そんな焦燥感とか困惑とか怒りとか色々な気持ちが詰め込まれたボクは
ミア「帰らないでよ…ランジュ…」
ミア「ボク…やだから!キミが望むことならなんだってする!」
ミア「だから、帰らないでよ……」
ボクに居場所を与えてくれるかもしれない存在──
必死になって引き留めるボクの口からは自分でもなんで言ってたのかよく覚えてない
ただ、その言葉をランジュは聞き逃してなかったみたいで・・・
ランジュ「なんでも…?」
ランジュ「ミア…なんでもしてくれるの?本当に?」
明らかにこれまでの何処か冷めきった様子のランジュとは違う
そんな表情でボクを見つめてくるランジュにたじろぎつつ、ボクは無言で首を縦に振り肯定する
ボクの耳に飛び込んできたのは想定外の一言だった
Why?
確かに業界でそういうのがある…聞かない話ではないボクとは無縁の話だと思ってたし、受けるなんてあり得ない
何よりそうして勝ち取られたものには力がない、心に響かない・・なんて思ってた
普段のボクならきっと断ってただろう…普通に考えてあり得ないし
でも、この時のボクは何より結果、そしてランジュが必要だった──
ミア「分かったよ、ランジュがそんなこと言うなんて思わなかったけど」
ランジュ「・・・!!!」
なんだよ──そんな顔するなら最初から提案なんてしないでよ
つい言ってしまった失言だけど…ボクだってそれなりの覚悟はして肯定したんだ
そんなランジュへの失意と自分がどうなるのか分からない不安な気持ちを抱えて寮に戻る
璃奈「ミアちゃん、大丈夫?」
ミア「No problem ランジュはこのボクが帰らせないよ」
ランジュから荷物を取ってくるように促されたボクを待っていたのは璃奈とベイビーちゃんだった
2人ともボクを心配してくれていたみたいで──
侑「ミアちゃん。私で良かったらランジュちゃんなんて言ってたの?必要なこととかあったら手伝わせてもらえないかな…?」
侑「ミアちゃんからしたら私の協力なんて必要ないかもしれないけど・・」
璃奈「それなら、私も」
ミア「大丈夫。ボクがランジュと話をつけてくるよ」
ランジュとベイビーちゃんたちは同じ同好会ではないけど・・
関係性は悪くない。だからボクに対しても色々と関わってくれる
だからかな──?
その優しさがこんなにも苦しいなんて思わなかった…
ミア (何が話をつけてからだ…これからボクは……ボクは…)
ミア (・・ランジュがいなくなると悲しいのはベイビーちゃんたちも同じ……か)
覚悟を決めたボクはランジュの住む家を再度訪ね
ボクを待ってましたとばかりに開け放たれている扉の先にランジュはいた
ランジュ「おかえり、ミア♪」
さっきまで入浴していたのか石鹸のいい香りが鼻をくすぐる
ラグジュアリーなパジャマも合わせてその佇まいはまさにQueenだ…
ベイビーちゃんやボクが心配しているのを他所に上機嫌なランジュを見るとムッとしてしまう
ランジュ「ちゃんと荷物は持ってきたみたいね。それじゃあ…」
ランジュがボクに手を伸ばす
思わず身構えて身体が後ろに跳ねる
ランジュ「なによぅ…荷物くらいランジュ預けて早くお風呂に入っちゃいなさい?」
ミア「・・うん」
ランジュに促されてお風呂に入る
寮のお風呂とは比べ物にならない広さに圧倒される
まあ──ボクの家のお風呂も同じくらい広いんだけど
ミア「はあ……」
普段なら絶対気にならないお風呂のことに気が行くのは気持ちが乱れてるから──
浴槽の水面に映る顔を見つめてそんなことを考える
ボクはこれから………
ランジュ「ミア〜!!!!いつまで入ってるのー!?」
ミア「きゅ、急に大声出さないでよ!!」
ランジュ「だって…時間が長すぎるんだもの」
ミア「い、良いだろ別に!!」
ミア (くっ…ランジュのやつとんだHentaiだよ……)
ランジュの大声に思考をかき乱されたボクは
ランジュの気が変わってしまってはまずいと感じたのか素早く着替えを済ませてランジュの待つ寝室に向かう
ランジュ「きゃあっ!ミアのそのパジャマとっても可愛いわ♡」
ミア「別に可愛いとかそんなことないよ」
ミア「さっ、始めるんだろ」
ここまで来てしまってはどうしようもない──
そう思ったボクはいつも以上にぶっきらぼうにランジュに接する
でも、ランジュはそんなボクの態度にもお構いなくて・・
ランジュ「待ちなさい!」
ミア「!?」
ランジュ「ミア…まだ髪の毛少し湿ってるんじゃない?ランジュが乾かしてあげるわ♡」
ミア「はあ!?いや、いいから…それくらい自分でやるし」
そんなボクの意見はランジュの耳に入ってないみたいで
ボクを捕まえたランジュは人形を手にした子供みたいな満足げな表情でボクの髪を乾かす
こんな状況だといつもは耳障りに聞こえるドライヤーの音さえ落ち着かせてくれるメロディに感じた──
ランジュ「ふふ、ミアったら意外と子供っぽいところあるのね♪」
ミア「・・別にそんなことないだろ大体これからだって……///」
ランジュ「あら?少し顔が赤くなってるわ。近すぎたかしら?」
そう言ってボクからドライヤーを離すランジュ──
ボクの髪に触れる手もランジュなりにボクに遠慮してくれてるっていうところを感じさせる・・あんな提案をするヤツは人をとことんぞんざいに扱うっていう話も聞いたことがあるけれどランジュはそんなヤツじゃないと安心する自分がいた
ミア (まあ…そもそもそんな提案するヤツって時点で幻滅なんだけどさ)
ミア (受けたボクもボクだけどね・・)
ランジュ「もー!!ミアってば乾いたわよ!」
ボクを落ち着かせていたドライヤーの音が止むとランジュは不満げにボクを見つめる
そんなランジュに一言Sorryと謝るとランジュは浮き足だって自分のベッドにボクを招く
ミア「ふ、服は脱ぐ…?」
ボクだってどうすれば良いか分かるわけじゃない──
そもそも、ランジュとボクは女の子同士って訳で年だって少し離れていて…
でも、ボクの行動一つでランジュがまた帰るって言い出すんじゃないか
そう思うと──声の震えが止まらなかった
ランジュ「えっ?ミアったらもしかして暑かったのかしら?」
ランジュ「・・・冷房つける?」
ミア「いや、別にそれは良いけど……」
ランジュ「変なこと聞くのねミアったら♪ほら、早くランジュの横に来なさい♡」
ミア「・・・・」コクリ
寝転んだランジュの横に向き合う形でボクも寝転ぶ
ランジュのベッドは広くて2人分のスペース以上はあっただろうけど
ランジュに可能な限り密着した
ランジュ「ミ、ミア…その……近くないかしら?」
ミア「…別に、これくらい普通だろ」
ランジュ「・・そ、そう…普通なのね///」
ミア (そっちから提案してきたのに恥ずかしがらないでよ…///)
ベッドの中を沈黙が包み混む──
Why?ランジュはどうしても何もしないんだ?
そんなことを考えてると沈黙に耐えかねたみたいにランジュが口を開く
ランジュ「ね、ねえ…ミア……」
ミア「・・・何」
ランジュ「その…良かったら…お話ししましょ…?」
ミア「良いけど」
ランジュ「ランジュね、嬉しかったわ。ミアが本当にこうやって一緒のベッドで寝てくれて…」
ベッドの中を沈黙が包み混む──
Why?ランジュはどうしても何もしないんだ?
そんなことを考えてると沈黙に耐えかねたみたいにランジュが口を開く
ランジュ「ね、ねえ…ミア……」
ミア「・・・何」
ランジュ「その…良かったら…お話ししましょ…?」
ミア「良いけど」
ランジュ「ランジュね、嬉しかったわ。ミアが本当にこうやって一緒のベッドで寝てくれて…」
ランジュ「ミアは知らないと思うんだけれど…栞子、ずっとランジュのお友達でいてくれたの」
ランジュ「だから栞子がいなくなってからランジュはずっと1人…最初は良くてもみんないなくなっていったわ…」
ランジュ「同好会なら…ソロアイドルならランジュでも上手にできるかなって思ってた」
ランジュ「でも、みんな仲良しで……ランジュにはあの中に居場所はないんだって思い知らされたわ」
ボクの知らないランジュ…ステージ上で魅せるパーフェクトなパフォーマンス
それを裏付けるトレーニングをパーフェクトにこなすランジュ…
曲に対しても一切の妥協はせずボクにずけずけと迫ってくる…
そんなランジュがボクに弱さを見せてる…?
It can’t be….
ランジュ「ランジュ…いつもひとりぼっちで……」
ミア「Stopだランジュ。キミは……居場所が欲しかったの?」
ランジュ「・・・」コクリ
ミア「ボクも同じさ。ボクもこの世界に居場所が欲しかった」
ミア「だからキミの誘いに乗ったんだ。歌えなくても…ボクの……ボクたちの音楽を世界に知らしめることができたらって」
ミア「・・・うん、分かったよキミとボクは似てるんだ」
ランジュ「ミア……?」
ミア「・・・・キミがしようとしてたことは置いておいて……」
ミア「ボクの隣じゃ…ダメなの?」
ランジュ「・・・・!!」
自分でも何を言ってるかよく分からない──
でも、ランジュが見せてくれた弱さはボクに通ずる部分があったのも事実で
何より見たことない弱気な表情のランジュを──ボクは放っておけなかった
ミア「キミの幼馴染の栞子と同じくらい…になれるかは分かんないけどボクの隣がキミの居場所…ってことでどうかな?」
ランジュ「ミア…お友達になってくれるの?」
ミア「・・・うん」
ランジュ「ほんと…?本当の本当にお友達になってくれる?」
ミア「・・・・キミがボクの歌を歌ってくれるならね」
ランジュ「・・そうね」
ミア「…もちろん、これまでのビジネスパートナーじゃなくて」
ミア「と、友達としてでもあるけど…///」
ボクのその言葉を聞くとこれまであったランジュの翳りが無くなったみたいに
表情がみるみる明るくなって──
ランジュ「それじゃあ、鐘嵐珠復活ライブなんてどうかしら!?曲だって…作ってくれるんでしょ?」
ミア「of course。その前にランジュが帰らないならの話だけどね」
ランジュ「もう、ミアったら意地悪なんだから!!」
ミア「別に?大体……ほら、まだ………」
ランジュ「?」
ミア「ね、寝てないだろ!!それが目的でボクを呼んだんだろ?!」
過程はどうであれランジュが歌おうって気でいてくれる
それが嬉しかったボクは・・ちょっぴり変な気分になってるみたいで──
ランジュ「そうね。それじゃあ…」
ミア「・・・」ゴクリ
ランジュ「電気を消して今日はもう寝ましょう♡」
ミア「What!?」
ランジュ「!?」
ランジュ「変かしら?電気を消さないと眠れないでしょ?」
ミア「・・・そ、そうだね」
ランジュの一言で目が覚めた
こいつ──ボクをどうこうしようとかそんな考えはなくて…寂しいから一緒にいてほしかったからボクを呼んだんだ
そう気づいたのはランジュが電気を消した後・・
顔から火が出るってまさにこのことってくらい恥ずかしくて…でも、ランジュが帰らない…それだけでとても嬉しかった…
ミア (全く──人騒がせなヤツだよ…でも、ついていくよ)
どういう訳かランジュよりも近くでベイビーちゃんたちを見てきた・・
そんなボクだからこそ分かる──
ランジュが栞子やベイビーちゃんたちに受け入れられない訳がない
ただ話し足りなかっただけなんだって
ランジュが1人で伸ばして届かないなら・・ボクが一緒に伸ばしてあげよう
そんなことを考えながら…ランジュの隣で眠りにつく
さてと…ランジュ・・ううん、ボクたちの居場所のために……ベイビーちゃんたちと話しをしないといけないかな
だから──
ミア (帰らないでよ、ランジュ?)
おわり
見てくださったみなさんありがとうございます!!
ランミアに飢えてるのでこういうの見たいとかあれば教えてもらえたら嬉しいです…!
ランジュは良い子ラァ
乙
乙
ミア→ランジュの感情って結構重いよね
乙
中々読ませる文章だわね
面白かった
ランミアやっぱり良いわ乙カレー
純粋なランジュ可愛い
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1684582699/