しずく「もし私がこのプールで溺れたらどうする?」栞子「え…?」【SS】
しずく「栞子さんは助けてくれないの?」
栞子「非力な私では困難だと思うので…」
しずく「ふーん、合理的だなぁ相変わらず」
栞子「プールには溺れた人を救助する適正を持った人がいますから」
栞子「しずくさん?」
しずく(…じゃあさ、こうしたら?)
バチャン
栞子「え…?」
栞子「しずくさん!?」
栞子(いえ、わざとでしょう…)
栞子(しずくさんのことです。私を試すためにわざとプールに落ちたんです)
栞子(ここは足もつく深さです)
栞子(溺れることはないでしょう)
栞子(私が何もしなければ自力で戻ってくる…はずです)
しずく(今私溺れてるよ)
しずく(助けを呼びに行く?)
しずく(ううん、栞子さんなら自分で助けにきてくれるでしょ?)
しずく(待ってるからね…)
栞子(本当に落ちて…)
栞子(いえ、そんなはずはありません)
栞子(あの話の流れで直後に偶然アクシデントが起こるなんて、そんなこと…)
栞子(これはしずくさんの演技です)
しずく(まさか気づいてないとか?)
しずく(そんなわけない)
しずく(しゃべってた私が急にいなくなってるんだから)
しずく(栞子さんはちゃんと助けに来てくれるもん)
栞子(そんなわかりきった演技に私は付き合いませんよ)
栞子(それとも我慢比べでもするつもりですか?)
栞子(そんなの陸にいる私が圧倒的有利に決まってます)
栞子(私はしずくさんの息が続かなくなるのを待てばいいだけなのだから…)
しずく(まだ?)
しずく(ほら、私こんなに苦しいんだよ?)
しずく(ほんとに溺れちゃうよ)
しずく(早く助けに来てよ…)
栞子(どれほど経ったでしょうか?)
栞子(しずくさんの肺活量はどの程度でしたっけ…?)
栞子(そろそろ限界だと思うのですが…)
栞子(いくらしずくさんでも…)
しずく(まだ…?)
しずく(もしかして私を見捨てて…)
しずく(ううん、ぜったい助けに来てくれるもん…)
しずく(早く…!)
栞子(いくら何でも…)
栞子(私だったらこんなには…)
栞子(まさかすでに…!)
栞子(しかし…)
しずく(もう…いきが…)
しずく(むり…)
しずく(なんで…)
しずく(しおりこさ…)
栞子(…っ)
栞子(私の…負け、です!)
ザブン
栞子「しずくさんっ」
しずく(ほらやっぱり、しおりこさんは…)
しずく「かふっ」
しずく(やばっ…水を…)
しずく(しおりこさん…たすけ…)
ザバッ
しずく「ごほっ…けほっ…」
栞子「しずくさん!大丈夫ですか!?」
しずく「こほっ…しおりこさん…」
栞子「それでそこまで我慢を?」
しずく「栞子さんは来てくれるって信じてたから」
栞子「確かにしずくさんが溺れそうになっていたら私は自分で助けに行くようです」
しずく「でしょ」
しずく「かもね」
栞子「…本気ですか?」
しずく「そうしたら栞子さんが人工呼吸してくれるんじゃない?」
栞子「…そういう時は人工呼吸よりは心臓マッサージのほうがいいそうですが」
しずく「そうなの?」
栞子「救命行為をそんな目で見ないでください」
栞子「はぁ…そういう軽口を叩けるなら大丈夫そうですね」
栞子「プールから上がりますよ、しずくさん」
しずく「待って」
栞子「え?」
栞子(しずくさん!?何を…!)
栞子(私ごと水の中に倒れこむなんて…)
栞子(…んむっ!?)
栞子(キス…?)
栞子(いえ、これは…)
しずく(映画とかであるでしょ?)
しずく(口移しで空気わけるやつ)
しずく(栞子さんの空気をもらって…)
しずく(あれ…?)
しずく(じゃ、じゃあ私の空気を…)
しずく「何で…」
しずく「うまくいかない…」
栞子「まあ、そうでしょう」
栞子「よく考えてください」
栞子「水を飲まないように空気だけ渡すなんて、どう見ても難しいでしょう」
栞子「はい?」
しずく「練習してできるようになっておけば、いざというとき助かるでしょ?」
栞子「そもそもそんな事態になる確率がどれだけ低いかと…」
しずく「いいから。栞子さんは私と口移しで空気分け合いたくないの?」
栞子「…仕方ないですね」
これは栞子の判定勝ちだな
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1685105090/
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