【SS】花帆「あたし、妊娠しちゃったかも……」さやか「えっ、大変じゃないですか」【ラブライブ!蓮ノ空】
さやか「どうしたんですか、ため息なんてついて」
花帆「あっ、さやかちゃん……」
花帆「実はあたしね、学校やめなきゃかもしれないんだ」
さやか「学校を!? どうして──」ハッ
花帆『あたしね、小さい頃は体が弱かったの』
さやか「まさか──」
花帆「うん、そのまさかだよ、さやかちゃん」
さやか「そんな……」
花帆「あたし、妊娠しちゃったかもしれないんだ」
さやか「……はい?」
さやか「え? いや、妊娠……?」
花帆「……」コクッ
さやか「えぇっ!? 大変じゃないですか!」
さやか「相手は誰なんですか!?」
花帆「……」
さやか「言いたくない、ですか?」
花帆「……さやかちゃん」
さやか「? はい」
花帆「相手はさやかちゃんだよ!」
さやか「さやかちゃん、ってわたしですか!?」
さやか「いや、さすがに別のさやかさんですよね?」
花帆「村野さやかちゃん! 蓮ノ女学院の! スクールアイドルクラブの! DOLLCHESTRAの!」
さやか「わたしじゃないですか!?」
花帆「覚えてないんだ……」
さやか「覚えてないも何も、わたしと花帆さんの間にそんなことなかったですよね?」
花帆「あたし、初めてだったのに……」ポロポロ
さやか「ちょ、ちょっと泣かないでください! きっと何かの間違いです、何かの間違いですから!」
花帆「間違いじゃないもん! あたしさやかちゃんとしたもん!」
さやか「落ち着いてください、落ち着いて、ちゃんと説明をしてください!」
花帆「……」グシグシ
さやか「子供ができるようなことを花帆さんとした記憶はありませんね」
花帆「……そっかぁ」シュン
さやか「いつしたんですか?」
花帆「前、一緒にスケートリンクに行った時……」
さやか「一緒にスケートしただけですよね?」
花帆「行く前に、その、しちゃったでしょ?」
さやか「しちゃった……?」
花帆「そ、その……ちゅー」モジモジ
さやか「ちゅ──!? た、確かに唇は当たりましたけど、あれは事故じゃないですか!?」
花帆「でも、昨日の夜ね、戻しちゃって……」
さやか「戻し──まさか!」
花帆「調べたら、つわりって4,5週間くらいで始まるんだって……」
さやか「……確かに時期は合っていますね」
花帆「だから、きっとさやかちゃんの子を妊娠しちゃったんだって思って……」
さやか「……そうでしたか」
花帆「ごめんね、さやかちゃん。あたしがさやかちゃんに突進しちゃったから……」
さやか「い、いえ……」
さやか「……」
花帆「……」
こういうのも良いものね
花帆「さやかちゃん?」
さやか「責任は取ります」
花帆「責任……?」
さやか「乙宗先輩のところにいきましょう」
さやか「もし、本当に妊娠していたらわたしも学校をやめます」
さやか「だから、その報告に」
花帆「えっ、さやかちゃんもやめるの!?」
さやか「だって、花帆さんのお腹の中にいる子の親はわたしでもあるんですよ?」
さやか「だから、わたしが2人を養います」
花帆「!」
さやか「むぎゅ!」
花帆「あたしね、さやかちゃんが知らないって言った時怖かったの……」
花帆「認知してくれないんじゃないか、って」
さやか「もう、そんなわけないじゃないですか」ナデナデ
花帆「でも、元々はあたしのせいだから、って思って──」
さやか「心配しすぎですよ」
花帆「でも、いいの? それってあたしと結婚するってことだよね……?」
さやか「……はい」
さやか「わたし、花帆さんのこと好きですから」
さやか「大体、好き同士がキスしないと妊娠しないじゃないですか」
花帆「それは、そうなんだけど……」
さやか「ほら、行きますよ。まずは乙宗先輩、次に綴理先輩、それに花帆さんのご両親や私の両親にもしっかりお話をしないとですよ」
花帆「うんっ!」
梢「……そう、話はわかったわ」
さやか「こんなことになってしまってごめんなさい!」
花帆「さやかちゃんは悪くないんです! あたしが──」
梢「その前に、ひとつ質問してもいいかしら?」
さやか「は、はい!」
梢「あなたたち、妊娠ってどうすればするかは知っている?」
花帆「好きな人とキスすると妊娠するんですよね?」キョトン
梢「……なるほどね」
さやか「だから、その、わたしは花帆さんに好意を寄せていたので……」
花帆「あたしも、さやかちゃんのこと好きだから……」
梢「……結論から言うわね。花帆さん、あなたは妊娠していないわ」
さやかほ「!?」
花帆「もしかしてお医者さんの知識もあるんですか!?」
梢「その、ね。実はキスだけじゃ妊娠はしないの」
さやか「そうなんですか!?」
花帆「でも昔お母さんに聞いた時はそう言ってましたよ!?」
梢「保健体育で習ったと思うのだけれど……」
花帆「あたし体育は好きだけど保健は苦手で……」
さやか「わ、わたしもなんだか恥ずかしくなってしまって、あまり……」
梢「なるほど、そういうことね……」
花帆「原因? なんですか?」
梢「昨日、練習の前に綴理からお菓子をもらって食べていたでしょう?」
花帆「ぎくっ!」
梢「食べてから動いたから気持ちが悪くなったの」
さやか「そうだったんですか?」ジトッ
花帆「そ、そっかぁ、あれが原因だったんだぁ……」
さやか「花帆さん?」ジトッ
花帆「ごめんなさーい……」
梢「とにかく、花帆さんは妊娠していないし、あなたたちは学校をやめる必要もない、ということ」
花帆「よかったぁ……」
さやか「安心しました……」
花帆「へ? なにがですか?」
梢「あなたたち、両想いなのでしょう?」
さやか「えっ、あっ、確かにそういうこと、ですよね? 花帆さん?」
花帆「そ、そういうことだね、さやかちゃん……」
花帆「……えっと、つまり、恋人、ってこと?」
さやか「わたしと花帆さんが?」
梢「そういうことよね?」
花帆「……」ジッ
さやか「……」ジッ
さやか「そ、そうですね」モジモジ
花帆「えっと、さやかちゃんは、いいの?」
さやか「いいも何も、わたしはあなたのことを養う覚悟をしたばかりですよ」
さやか「花帆さんこそ、いいんですか?」
花帆「あたしも、さっきまでさやかちゃんと結婚するんだ、って思ってたし……」
花帆「えっと、その、これからもよろしく、でいいのかな……?」
さやか「改めてよろしく、の方がいいかもしれませんね」
花帆「そ、そうだね、改めてよろしくね、さやかちゃん!」
さやか「は、はい、恋人としてよろしくお願いします!」
さやかほ「/////」
おわり
高校までちゅーで子供作るんだと思ってた
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