梢「予約投稿する時間を間違えてしまったわ…」【SS】

梢「あっ少し効くわね」

コメント『なんか活字の本みたい』
　
綴理「あれ、コメントあるね……うーん、こずの投稿、ちょっと読みにくいの？」

梢「えっ？」

花帆「梢センパイらしくて良いと思うけどなぁ、長い文章だとあんまり読まれないのかな？」

さやか「読みにくいとは思いませんが…確かにSNSですと、短くてくだけた文章の方が主流かもしれません」

梢「そうなのね……確かに他の投稿は、もっと短くて簡潔で、絵で修飾もされてるわね」

花帆「じゃあじゃあ、梢センパイも絵文字とかいっぱい使ってみたらいいかも！」

綴理「こず、がんばれ」

花帆「楽しみにしてますね！」

さやか「ふふっ、わたしも楽しみです」
　

さやか（……？）
　
さやか（どうしてでしょう。な、なんだか少し嫌な予感がしました）

梢「今日もとても良いライブだったわ…！」

梢（花帆さんは日に日に成長して、私まで活力が貰えちゃう）

梢（綴理と村野さんも、どんどんキレが良くなってる。本当に息がぴったりで、スリーズブーケとして負けていられないわ）

梢「……」

梢「ああ、そうだわ。熱が冷めないうちに今日の投稿を書きましょう」

梢「楽しみにしてるって可愛い後輩たちに言われてしまったんだもの、気合を入れなくちゃダメね」

梢（ありがとうございました。と……いえ、これでは堅いのかしら）

梢（ありがとう、いえ。ありがとー。これにしましょう！ なんだか少し恥ずかしいのだけれど……）
　
梢「それから、絵文字だったわね。これで彩りを加えていけば、確かに字面が華やかになりそう」

…

……

梢「あら？ 新しい投稿…綴理のだわ」

『みんな聞いて。今日もさやおいしかった。』

梢「」

梢「まったくもう、綴理は……」

梢（……いえ。でも、確かに私も花帆さんのことを書いてみようかしら）

梢「最後に付け足す形で……花帆さんの魅力はこれでは足りないわね。少し本文を要約しましょう」

……

………

梢（投稿、と。意外と時間経ってしまったし早く寝ないと……）

～

花帆「あっ！ 見て見てさやかちゃん！ 新梢センパイの投稿来たよ！」

さやか「花帆さんったらずっとワクワクしてましたもんね、さてどんな風に変わったのでしょうか───」

来てくれたコたち、ありがとー😘😘
今日のライブ💐はどうだったカナ～❔
私達もとっても楽しくて🤗🌟同じように楽しんでいてくれていたら嬉しいナ🎵🎶

私が言うのもナンだけど😥😥
最近は私達自身で確かな成長を感じているの🤩✨✨

花帆さん💗は本当に素敵なスクールアイドルだから、皆さんももっと注目👀してあげて欲しいワ😎
隣に並び立つだけで、私もいつも元気付けられてるの😚😚😚

さやか「あ、乙宗先輩おはようございます」

綴理「こず、おはよう」

梢「あら、二人ともおはよう」

綴理「こず、おじさんだった」

さやか「ちょ！！」

梢「……」

梢「！？」

さやか「綴理先輩っ、流石に駄目ですって！」

綴理「ううん。こず、真面目だから。張り切り過ぎちゃったのかなって思ったよ」

花帆「おはようございます……」

梢「あ、あら。おはよう花帆さん。どうかしたの？ 少し元気が無さそうに見えるけれど───」

花帆「梢センパイぃ……ご、ごめんなさいぃ～……私のせいで…」

梢「花帆さん！？？」

梢「ほ、本当ね。物凄く…おじさん？と言われてしまっているわ」

花帆「そうなんです、あたしがもっとちゃんとセンパイに教えていればーって……」

梢「花帆さん…そんな、気にしないで。何も悪くないのだから」

さやか「話題になったと言えばなってはいるのですが…」

綴理「このままだとおじさん系スクールアイドルになるかもね、変えよう。こず」

梢「……分かってる。失敗は受け止めるわ」

花帆「あ、あたしも手伝います！ 嫌です、梢センパイが誤解されちゃうのは…」

梢「ありがとう、でも平気よ。私は気にしていないし、これくらい学んでみせるわ」

さやか「乙宗先輩、応援してます」

綴理「これ平気かな…」

梢「心配は無用よ、ええ。大丈夫」

……

蓮ノ空の日野下花帆、最高のスクールアイドルなんだよな。全力で楽しんでるから見ているだけで釣られて嬉しくなるし、幼い中に確かなバブみと尊みを感じる。そんな可愛いが過ぎる後輩とユニットを組んでいるワタクシは毎日しんどい状況にあるので是非次のライブでその様子をご覧下さい。

さやか「た、確かに慣れてる感は出ましたが……なんか方向性がおかしくないですか！？」

【応援しがいのある後輩がいた！】
おいィ？花帆さんをまだ見つけてない奴はｶｶｯと注目するべきなのは確定的に明らか
わたくしは毎日一緒の時間を過ごしているわけだが
黄金の鉄の塊みたいな笑顔でいつも致命的な致命傷を与えられている
しかしﾏｼﾞひたむきで謙虚だから絶望しひややせかきながらﾕﾆｯﾄを組んでいる
順調に成長していけばラブライヴにてひっそりと伝説が幕を開ける

綴理「ボクのログには何もないね」

「カワイイヤッター！カホ＝サンヤッター！」「アーイイ…遥かに良い…」
スリーズブーケのヒノシタがウインクをするとハスノソラ・ガールズ・ハイスクールの生徒達が歓声を上げた。
彼女はヤバイ級スクールアイドルであり、太陽めいて煌めく笑顔でファンの心を精確に射抜いていく。
しかし、真に彼女を見入ってるのは並び立つオトムネに他ならない。彼女はスクール・アイドル・クラブの活動を通して常にカホの魅力を浴び続けており、既にニューロンはオタッシャ重点なのだ。おお、ブッダ！

花帆「アイエエエ……」

using System;

class Kahosan{
static void Main(){
Console.WriteLine(“ハロー、花帆さん”);
}
}

沙知「あれ～梢ちゃんの様子が……まあ基礎は大事だからねぃ」

さやか「乙宗先輩、なんだかんだ話題になりましたね」

梢「不本意なのだけれど……」

綴理「よくがんばった、こず。もう休もう？」

花帆「梢センパイ……あの、その…」

梢「ごめんなさい、根を詰め過ぎてしまったみたいだわ」

梢「花帆さん…」

花帆「あたしはスクールアイドルは楽しくて、楽しいのを色んな人に知ってもらいたくて、写真とか動画とか投稿してるんです」

花帆「だからきっと、梢センパイは梢センパイが良いなって思ったことをそのまま発信するだけでいいんだと思います！」

花帆「少なくともあたしは、それが見たいですもん！」

さやか「ふふっ、そうですね。わたしも同じように思います。見てくれる人も大事ですが……自分が発信したいから、発信しています」

綴理「ボクなんてこずと違って、あんまり悩んだり考えて使ってないや」

花帆「ね、いいよねさやかちゃん！ あたしも好きだなぁ」

梢「ぁ……」

梢「ふふ、ふふふっ。ありがとう」

梢「ええ。最初に立ち返るわ。もちろん今回の失敗も無駄にはしないけれど、私が揺らいでしまったらいけないもの」

綴理「よかったね、こず」

梢「そうね、……綴理もありがとうね？」

綴理「うん。でも、投稿予約の時間は間違ないようにね」

梢「わ、わかってるわ！」

梢（発信して、伝えたいって思うこと…）

梢（もっと、素直に。）

花帆「お疲れさまでした！」

梢「お疲れ様、花帆さん……少しいいかしら」

花帆「？ はい、なんですか？」

梢「写真を撮りたいの。ツーショットよ。それを投稿してね、私の可愛い可愛い後輩を自慢したいの」

花帆「え、わ、もちろん良いですけど…」

梢「じゃあ決まりね？ ほら、もっとこっちに来て？」

梢「ふふ、とっても可愛らしく撮れたわ」

花帆「えへへー！ あたしも撮りたいです」

梢「もちろん……あぁ、そうだわ。ねえ花帆さん」

梢「撮った写真、二人で同じ時間に投稿しましょう？ 今度は予約投稿を失敗しないように…って練習も兼ねて、ね？」

花帆「！ わかりました！ あたしもそうしたいです！」

梢「ふふ、本当に可愛いんだから」

……

………

綴理「た、大変ださや。こずのコメント欄が変な投稿を求める声でいっぱいだ」

さやか「そっ、そのうち落ち着きますって…たぶん…おそらく……」

花帆「うわぁ～！梢センパイの評判がぁ～…！」

～BONFIRE LIT～