【SSコンペ】かのん「ちぃちゃんどうしよう私……人をころ」【ラブライブ!スーパースター!!】
部室
可可「うーん」
かのん「可可ちゃん、なんだか難しい顔してるね。どうかした?」
可可「かのん! 実は前に使った衣装にたくさんホコリがついてマシテ」
可可「クリーニングに出したくても手作りの服は受け付けてくれないデスし、どうしたものかと悩んでいるのデス」
かのん「それならあれ使えばいいじゃん。コロコロ」
可可「ほぇ? コロコロ?」ポカン
かのん「知らないの? こう、ころころしてホコリとかをキレイに取れる道具」
かのん「ほら、スマホで調べたらすぐ出るけど、こんな感じのやつ」スマホスッ
可可「おぉー! 日本にはそんな便利な製品があるのデスね!」キラキラ
かのん「じゃあ明日、家にあるやつ持ってくるよ!」
可可「ありがとうデス!」
翌日
かのん「持ってきたよ!」ジャジャーン
可可「わぁ、すごいデス。これが噂のコロコロ!」パァ
かのん「早速衣装に使ってみてよ!」
可可「はいデス。こうデスか?」コロコロ…
かのん「ちょっと慎重すぎるかな。もっと思いっきり押し付けたほうがいいよ!」
可可「初めてで力加減がよくわからないデス」
かのん「ちょっと貸してみて」
かのん「ほら、このくらい強くころころする!」グリッコロコロ!
可可「おほぉー! ホコリがどんどん取れていきマス!」キラキラ
可可「近くでよく見させてクダサイ!」ジーッ
かのん「えへへ、すごいでしょ! こうやって端っこの方も!」コロコロ!
ズルッ
かのん「あっ」
かのん(勢い余って体勢を崩して、コロコロが飛び出しちゃった!)
かのん(近くで見ていた可可ちゃんにぶつかる!)
ガッ! ベタッ
可可「!?」
可可(コロコロがククの頭に!?)
かのん「ご、ごめんっ!」グイッ
可可「イタタタ!!痛いデス痛いデス!」ギャー
かのん「やばっ可可ちゃんの髪の毛にくっついちゃった!」アセアセ
可可「かのん早くとってデス!」
かのん「うん!」グイーッ
可可「あぁー! 痛いデスやめるデス!」ギャー
かのん「ごめん!でも可可ちゃんが早く取ってって」ピタッ
可可「優しくとってクダサイ!」
かのん(このままだと可可ちゃんの髪の毛がどんどん絡んじゃう!)
かのん(かわいそうだけど、勢いよくやらないと取れないよね……)
かのん(許して!)
かのん「可可ちゃん、好きな色は何?」
可可「ほぇ、色デスか? なんで今その話を」
かのん「ふん!」グイッ!
ベリベリブチブチ!!
可可「アーーーッ!!」
かのん「よし、取れたよ!」ニコッ
可可「なんてことするデスか!」プンプン
かのん「ごめんごめん、気をそらして一瞬でやったほうが怖くないと思って」
かのん「でも取れてよかったー!」スッキリ
可可「うぅ、ククの髪の毛が何本も抜けてしまいマシタ……」シクシク
かのん「だ、大丈夫だよ! あまり見た目は変わってないから!」
可可「少しは変わってるんじゃないデスか!」ガーン
可可「かのんひどいデス! もうたくさんデス!」ダッ
可可「わぁぁぁん!」ビエー
かのん「あっ可可ちゃん!」
かのん「泣いちゃった……」
廊下
可可「うわああーん!」ダッダッダツ
すみれ「えっ何!?」ビクッ
部室
かのん「こうしちゃいられない、可可ちゃんを追いかけなきゃ!」スック
ガラガラ!
すみれ「ちょっと! 今廊下で叫びながら走ってる可可とすれ違ったんだけど!?」
すみれ「何なのったら何なのよ!」
かのん「すみれちゃん!」
かのん「実は私が可可ちゃんを怒らせちゃって……」
すみれ「へえ、かのんに怒るなんて珍しいわね」
すみれ「何があったのよ?」
かのん「このコロコロで髪の毛を抜いちゃった」シュン
すみれ「どういう状況!?」
かのん「言葉だと説明しにくいんだよね」
かのん「ちょっと再現するからすみれちゃん、その机の前にしゃがんで置いてある衣装を近くで見てて」
すみれ「……こう?」ジッー
かのん「すみれちゃんの位置に可可ちゃんがいて、私がこんな感じで衣装にコロコロをかけたら」コロコロ
かのん「勢い余ってこう飛び出しちゃって!」
ズルッ
かのん「あっ」
ガッ! ベタッ
すみれ「ギャラッ!?」
かのん(やばい!)
かのん(寸止めして再現しようとしたら力の調整を間違えてそのままぶつけちゃった!)
すみれ「ぎゃー! コロコロが髪の毛にぃ!」ヒィィ
かのん「ごめん! すぐ取るね!」グイッ
すみれ「いだだただ!! 痛いったら痛いわ!」
かのん「で、でも早く取らないとすみれちゃんの髪の毛がどんどん絡まっちゃう!」
すみれ「……わ、わかったわ! 我慢するから早くとって!」ギュッ
かのん(すみれちゃん、目をつぶって震えてる。怖いんだね)
かのん(ここはやっぱり気を逸らしてから一気に取ろう!)
かのん「すみれちゃん、好きな食べ物は?」
すみれ「は? 何で今そんなこと」
かのん「ふんっ!」グイーッ!
ベリベリブチブチィ!
すみれ「ギャラァァー!!」
かのん「ふう、よし取れたよ!」ニコッ
すみれ「うぅ、セットに何時間もかかってるのに!」ジワッ
すみれ「かのんの馬鹿! もう帰る!」プンスカ
ガラガラ ピシャン!
かのん(怒って帰っちゃった……)
かのん(可可ちゃんとすみれちゃんを2人も傷つけて……最悪だ私)
かのん(早く謝らないと!)
ガラガラ
恋「おや、かのんさんだけですか」
かのん「恋ちゃん!」
恋「先ほど、廊下で号泣しているすみれさんとすれ違ったのですが」
かのん「それは……私のせい」
恋「そうだったのですか? てっきり可可さんとまた喧嘩したのかと」
かのん「可可ちゃんも私が泣かせちゃった」
恋「可可さんも!? どういうことですか!?」
かのん「コロコロで髪を抜いちゃったんだ」
かのん「あ、恋ちゃんコロコロって知ってる?」
恋「そのくらい知ってますっ」プクー
恋「漫画雑誌ですよね?」
かのん「そっちのコロコロじゃなくて掃除に使うやつ」
恋「掃除に……?」ポカン
かのん(知らないんだ……可愛い)
かのん「ほら、これだよ!」ジャーン
恋「これが掃除に使うコロコロ……」
恋「どうやって使うのですか?」ワクワク
かのん「ちょっと実演してみるね」
かのん(ん? これまたぶつけるパターンでは?)
かのん「恋ちゃんちょっと離れたところから見ててね!」
かのん(これでよし!)
恋「このくらい離れればよろしいですか? はやくやってみせてください!」ワクワク
かのん「じゃあ行くよ、ほらこうやって使うの」コロコロ
恋「そうやって掃除するのですか。面白いですね!」
かのん「でしょー?」
恋「わたくしにもやらせてください!」トコトコ
かのん「あっ!」
かのん「近づいたら危ないよ! 来ちゃダメ!」
恋「むっ」
恋「かのんさんだけズルいですっ!」
かのん「いや、だって危ないんだよ」
恋「危ないって、そんな子供じゃないんですから!」
恋「わたくしもコロコロしたいですっ!」
かのん「うーん……じゃあちょっとだけだよ?」
かのん「はい、じゃあここをちゃんと持ってね」
恋「ありがとうございます!」
恋「これがコロコロ……ではさっそく!」
コロコロ!
かのん「あっ! そんな強くやったら危ないから!」
かのん「ゆっくりね、ゆっくり」
恋「もう、さっきから過保護すぎですよ。わたくしは平気ですから」
コロコロ!
恋「まぁー! 見る見るうちにホコリが取れていきますね!」キラキラ
恋「見てくださいかのんさん! こんなに取れましたよ!」ホラホラ
かのん「あはは……恋ちゃん楽しそう」
かのん(恋ちゃんにはここで遊んでてもらおうかな)
かのん「ちょっと私、可可ちゃんとすみれちゃんに謝りに行ってくるから、待っててもらえる?」
恋「はい、いってらっしゃいませ!」コロコロ
かのん「じゃ!」タタッ
恋(……おや?)
恋(ホコリがたくさんついて、くっつかなくなりました。どうすれば良いのでしょう)
恋「かのんさん待ってください! 粘着力が無くなってしまったのですが!」
かのん「あ、そうなったらそのシートを剥がせば良いんだよ」
恋「シート? こうですか?」
ベリベリ
かのん「そうそう!それでまたくっつくようになるから!」
恋「まぁ! すごいです! 本当に粘着力が戻りました!」
恋「楽しいですね!」ピョンピョン!
かのん「あ、そんなにはしゃぐと」
ベタッ
恋「!?」
かのん(振り回された恋ちゃんのポニーテールがコロコロにくっついた!?)
恋「ふぇっ!? どうなってるんですか!?
かのん「恋ちゃんあまり動かないで! 今助けるから!」
恋「わ、わたくしのポニーテールにコロコロが!」ヒィィ
恋「いたたたた! 痛いですぅ!」
かのん「動かないでってば!」
恋「でもっ」
かのん「動けば動くほど抜ける髪が増えちゃうよ! じっとしてて!」
恋「髪が抜ける!?」
恋「まさか可可さんとすみれさんもこうやって!?」
かのん「うん。自爆したのは恋ちゃんのみだけどね!」
恋「はぅぅ、かのんさん助けて下さい!」ウルウル
かのん「恋ちゃん、好きな動物は?」
恋「好きな動物を言えば助かるのですか!?」
恋「好きなのは犬と、う」
かのん「ふんっ!」グイッ!
ベリベリ ブチチチ!!
恋「マァーーー!!!」
かのん「よし、恋ちゃんもう大丈夫! 取れたよ!」ニコッ
恋「わ、わたくしのポニーテールが!」ワナワナ
かのん「ほら、このシート見て! ちょっと抜けただけで済んだよ!」ビッシリ
恋「うぅ、くっついたのはわたくしのせいとはいえ……」
恋「なんで変な質問してから抜いたのですか! 痛みと意味のわからなさで二重苦ですっ!」プンプン
かのん「あれは気を逸らすために……」
恋「逸らしてどうするのですか!?」
かのん「あれ、なんでだっけ? 何回かやってるうちに忘れてきちゃった」アハハ
恋「もうっ!」プンスカ
恋「ひどいことになった髪を整えてきますから。失礼しますっ!」
ガラガラピシャン!
かのん(また怒らせちゃった)
かのん(3人に謝ろう……!)
かのん(っと、その前に片付けとかないとね)
かのん(コロコロは危ないから私の鞄にちゃんとしまっておいてっと)
かのん「あとはこのシートか……」
ズラッ
かのん「可可ちゃん、すみれちゃん、恋ちゃんの髪がたくさんくっついた3枚の粘着シート)
かのん(さすがに普通にゴミ箱に捨てるのは違うよね?)
かのん「うーん……」
ガラガラッ
千砂都「ういっすー!」
かのん「あ、ちぃちゃん」
千砂都「まだかのんちゃんだけ?」
かのん「うん、実は大変なことになっちゃって」
かのん「相談に乗ってくれる?」
千砂都「もちろん! どうしたの?」
かのん「すごく困ってて……」ドンヨリ
千砂都(かのんちゃんのこの様子……ただ事じゃない!)
かのん「ちぃちゃんどうしよう私……人をころ」
千砂都「!!」
千砂都「言わないで!」ガシッ
かのん「むぐっ!?」
かのん(いきなり口を押さえられた!?)
かのん(人をコロコロで傷つけちゃった。髪の毛を抜きまくっちゃった……って言おうとしたんだけど)
千砂都「誰かに聞かれてるかもしれないから。言っちゃダメ」
かのん「そ、そうかな?」
千砂都「かのんちゃん……私は絶対にかのんちゃんの味方だから」
かのん「ちぃちゃん……!」ジーン
千砂都「私以外には言ってない?」
かのん「うん」
千砂都(かのんちゃんがまさか人をころ……)
千砂都(信じたくない。でも嘘を付いてるようには見えない。きっとやむを得ない理由があるんだよね)
千砂都「それで、かのんちゃんはどうしたい?」
千砂都「警察に言う?」
かのん「け、警察!? そこまではちょっと!」
千砂都「……わかった。なら私も言わないね」
千砂都「これは私とかのんちゃんだけの秘密だよ」
かのん「う、うん」
かのん(ちぃちゃん、察しが良いなあ)
かのん(こんなこと後輩に知られたら恥ずかしいし、秘密にしてくれて助かる!)
かのん「そ、それでさ。処分に困ってて」
かのん(3人の髪がついた粘着シートをどうやって捨てよう)
千砂都「処分か……確かに問題だね」
千砂都「素人の私には山奥に埋める、くらいしか思いつかないけど」
かのん「山奥に!? そっか、でもそのくらいはしないとだめか」
かのん「普通に捨てるなんて失礼だもんね」
千砂都「そうだ。夜中に、たこ焼きの販売車を使って運ぼう」
千砂都「バイト先には結構信頼されてるし、なんとかごまかせると思う」
かのん「そんな、わたしのためにそこまでしてもらわなくて良いよ!」アセアセ
千砂都「かのんちゃんのためだからするんだよ!」
かのん「!」
千砂都「かのんちゃんの力になりたい……!」
千砂都「誰から責められても良い。お願い、協力させて」
かのん「う、うん……」
かのん(すごい迫力でつい了承しちゃったけど、さすがに大げさじゃない?)
千砂都「ひとつだけ教えて……犠牲者は、私の知ってる人?」
かのん「あー、うん……」チラッ
千砂都「!」
千砂都(かのんちゃんの視線の先にあったものは)
千砂都(髪の毛がたくさんついた3枚のシート)
千砂都(髪の色は金色に、グレーに、黒……まさか!)
千砂都(嘘でしょ……!?)
千砂都(かのんちゃんは、可可ちゃんとすみれちゃんと恋ちゃんをころ……!)
千砂都(なんであの3人をかのんちゃんが……)
千砂都(私はかのんちゃんを許すことができるだろうか?)
千砂都(いや、許す許さないじゃない。絶対に味方するって決めたんだから)
千砂都(でも……それがかのんちゃんのためになる?)
かのん「?」
千砂都(弱いな私……こんなんじゃ全然だめだ)
千砂都「かのんちゃん、私もっと強くなるよ」
かのん「?」
ガラガラッ
すみれ「久しぶりねぇ、かのん!」
恋「かのんさん、この新いオモチャで遊んであげますよ」
可可「かのん! 覚悟するデス!」
かのん「み、みんな!?」
千砂都「え」
千砂都「ええええーっ!?」
かのん「ど、どうしたの?」
すみれ「さっきは怒ったりして悪かったわ」
恋「わたくしたち、かのんさんと仲直りしたくて」
可可「戻ってきマシタ! これを持って!」
かのん(3人ともコロコロを持ってる!?)
すみれ「ふふふ……」ジリジリ
かのん「な、なんか怖いんだけど」
恋「ふふ、かのんさんの制服、ホコリがたくさんついていますね」
可可「掃除してあげるデス!」
かのん「工 ょっとまさかっ!」
可可「行きマス!」
可可・すみれ・恋「「「せーのっ」」」
コロコロコロコロ
かのん「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!///」ヒー
かのん「一斉に体をコロコロしないでっ、ひひっ、くすぐったっ///」
かのん「あひゃゃはははは!!///」
コロコロコロ
すみれ「ほーらまだまだ」
コロコロコロ
かのん「ひゃあああ///」
かのん「ちぃちゃん助けてー!」
千砂都「……」
かのん「ち、ちぃちゃん?」
千砂都「ふふっ」ニコッ
ガシッ
かのん「!?」
千砂都「みんな! 私がかのんちゃんを押さえておくからもっと掃除してあげて!」
かのん「ひっ、ちいちゃんなんでっ」
恋「ありがとうございます!」
可可「恩にきるデス!」
コロコロコロ
かのん「あひゃひゃひゃひゃー!!///」ヒー
かのん「や、やめっ、ひゃあっ//」
コロコロコロコロ
かのん「ちょっと誰っ!?/// スカートの中をコロコロしてるのっ!//」
かのん「や、くすぐったっひゃははははっ///」ヒー
かのん「ぜえ、ぜえ、はあ、はあ……//」グッタリ
千砂都「かのんちゃん、顔真っ赤で可愛い♪」
恋「あ、あれを聞くのを忘れてました」
すみれ「何の意味があるかわからないけど一応やっときましょうか」
可可「はいデス。かのん質問デス、好きな人は誰ですか?」
かのん「みんな、キライ……」グッタリ
おわり
おわりです。ありがとうございました
SSコンペ楽しみです!
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1685952785/
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