【SS】花帆「蓮ノ空にガンダムを誘致したいと思うの!」【ラブライブ!蓮ノ空】
花帆「こないだみんなで横浜に行った時にさ」
さやか「花帆さん?」
花帆「あたし思ったの。やっぱり本物の都会ってすごいなあって」
さやか「それは私も思いましたけど……」
花帆「何より一番驚いたのがね、ガンダムが立ってたことなの」
さやか「ガンダム?あのロボットでしたっけ。確かにあの大きさのロボットが動くのは、なかなかの迫力でしたね」
花帆「あたしも気圧されちゃったよ……」
花帆「あれからあたしずっとあのガンダムのことが気になって、いろいろ調べてみたの」
さやか「そうなんですね」
さやか「一応聞きますけど、何ですか?」
花帆「ガンダムって横浜以外にもいるんだよ!」
さやか「そうなんですね。それは知りませんでした」
花帆「あたしたちが見た横浜以外にもお台場とか福岡とか、なんと!中国の上海にもいるの!ガンダムが!」
さやか「……」
花帆「それで気づいたんだ。都会だからガンダムが立ってるんじゃないと思うの」
さやか「あのそれはどういう……」
花帆「言い換えればね、ガンダムが立ったその場所こそが都会になるんだよ!」
さやか「はあ?」
さやか「果たしたそうでしょうか?」
花帆「そうなんだよ!」
さやか「…………よくわかりませんが、わかりました」
さやか「それで今度は一体何を始めるんですか?」
花帆「まずは生徒会に掛け合ってくる!」ダッ
さやか「あっ!花帆さん!」
さやか「……行ってしまいました……」
さやか「生徒会長は今から私と同じ感情を抱くのでしょうね……」
花帆「駄目だったよ……」
さやか「でしょうね、という感想しか出てこないのですが」
さやか「ちなみにどういう理由で断られたんですか?」
花帆「あたしがガンダムのこと全然知らなかったから……」
さやか「……はい?」
梢「やっぱりそういうことだったのね」
花帆「梢センパイ!?」
綴理「ボクもいるよー」
さやか「綴理先輩まで」
>梢「やっぱりそういうことだったのね」
やっぱり一流だよなぁ梢先輩は
気圧(けお)されるや
大気圧とは違うんやで
花帆「は、はい!」
梢「あなたはガンダムについてどこまで知っているのかしら?」
花帆「えっと……昔のロボット?」
梢「そうね。でもそれだけかしら?」
花帆「う~んと…………あっ!安室!安室なら知ってます!」
梢「それはどんなキャラクターかわかる?」
花帆「『安室行きまーす!』っていうくらいなんで、きっとアウトドア派だと思います!」
梢「……不正解よ」
花帆「ええっと……う~ん……」
さやか「あの……シャーっていますよね?」
花帆「あっ!ザク専用シャー!!」
梢「逆よ。シャア専用ザク」
梢「つまりガンダムについてほどんど知らないということね」
花帆「すみません……」
梢「別に謝ることではないわ。知らないということは恥ずべきことではないのだから」
綴理「こず」
梢「ええ、綴理が言いたいことは分かるわ」
梢「でも遅かれ早かれ知ることになるわ。いえ、知らなければいけないわ」
さやか「あのー……話が見えないのですが……」
梢「花帆さん、本当にガンダムをここに、蓮ノ空女学院に誘致したいと思ってるかしら?」
花帆「それはもちろん!」
梢「花帆さんの誘致に対する想いはわかったわ」
梢「でも、想いだけでも力だけでも駄目なのよ」
花帆「?」
梢「だから花帆さんの願いに、行きたいと望む場所にこれは不要かしら?」ゴトッ
花帆&さやか「「!?」」
梢「ブラウン管テレビとベータマックスよ」
さやか「テレビの方はなんとなく解りますが、ベータ?なんですか?それ」
梢「簡単に言ってしまえば昔の録画機器ね」
梢「そしてこのビデオテープには『機動戦士ガンダム』の初回放送が全話録画されてるわ」
花帆「なんだかよくわからないけどすごい……」
さやか「どうしてそんなものがスクールアイドルクラブの部室に……?」
綴理「それは昔この部活がガンダムクラブだったから」
さやか「はい?」
花帆「えっ!?そうなんですか!?」
梢「ええ。そこで廃部の危機を迎えた当時の部長が編み出した打開策が――」
綴理「ガンダム」
花帆&さやか「「ガンダム……」」
梢「そう。彼女がとったのは、同時期に流行していた『機動戦士ガンダム』に便乗することだったの」
花帆&さやか「「…………」」
梢「彼女たちは一時的にガンダムクラブを名乗って表向きはガンダムの考察や二次創作やガンプラ作り、裏でスクールアイドルを続けていたらしいわ」
さやか「そんなことが……」
花帆「そうだったんですね。だから……えっと……」
梢「ベータマックスよ」
花帆「ベータマックスがここにあるんですね」
梢「そういうことで花帆さん、村野さん」
花帆&さやか「「はい?」」
梢「これから二人には『機動戦士ガンダム』を観てもらうわ」
花帆&さやか「「……はい?」」
さやか「あの……わたしもですか?」
梢「言ったでしょう?伝統だ、って」
綴理「ボクも去年観させられたし書かされた」
さやか「そうなんですね」
梢「村野さんはいわゆる初代だけでいいのだけれど、花帆さんは誘致を望む以上最低でも『逆シャア』までは観てもらいたいわね」
花帆「うっ……わかりました!」
梢「いい返事ね。じゃあテレビとビデオデッキは後で花帆さんの部屋に持ってくわね」
花帆「ありがとうございます」
綴理「さやにはDVD貸すね」
さやか「ありがとうございます」
花帆「えっ?あたしもDVDがいい……」
梢「花帆さん、事は全てエレガントに運ぶものよ」
花帆「はあ……?」
ガンダム感想文とか昔あった関智のラジオを思い出す
やっぱり思い出す人いたか
花帆「さやかちゃんおはよう」
さやか「おはようございます。花帆さん」
花帆「ガンダムどこまで観た?」
さやか「えっと……28話。ちょうどミハルが死んでしまうところですね」
花帆「え、待ってそれネタバレ?」
さやか「あっ!すみません。花帆さんはどこまで観たんですか?」
花帆「あたしは「坊やだからさ」のところなんだけど」
さやか「ちょうどガルマ編が終わったところですね」
花帆「さやかちゃん早くない?ちゃんと観てる?」
さやか「ちゃんと観てますよ!まあ……倍速ですけど」
花帆「倍速!?ばばば倍速!?」ガーン
花帆「それができないんだよ~。それにさ、1話見終える毎にいちいちガッチャンガッチャンテープ替えなきゃいけないんだよ」
さやか「それは……なんというかアナログですね」
花帆「でしょ!?」
花帆「これじゃあ、蓮ノ空にガンダムが立つ頃にはあたしおばあちゃんになってるよ~」
さやか「さすがにそこまでではないとは思いますけど……」
えな「あっ!花帆ちゃん。さっき注文してたEGガンダム入荷したって購買部の人言ってたよ」
花帆「ホント!?今行く!」
花帆「さやかちゃんあたしちょっと行ってくる!」ダッ
さやか「もしかして結構ハマってます?」
花帆「梢センパイ!書けました!!」
梢「ついに初代を観終えたのね。偉いわ」
花帆「ありがとうございます!」エヘヘ
梢「それで、どうだったかしら?」
花帆「とても良かったです!」
花帆「なんていうかモビルスーツでの戦闘シーンもよかったんですけど、アムロの成長が感じられて――」
梢「そうよね!『ガンダム』はただのロボットアニメではないの」
梢「この作品の肝は“少年少女が戦争を通してどう成長していくか”だと思うの」
花帆「わかります!」
花帆「えっと……確か続きがあるんですよね?」
梢「ええ。『機動戦士Zガンダム』というのだけれど」
花帆「あたしそれ観ます!アムロは出るんですよね?」
梢「そうね。『Z』では主役ではないし、出てくるのも割と中盤なのだけれども出てくるわ。あとシャアも」
花帆「シャア生きてるんですか!?」
梢「別にネタバレではないわ。シャアは味方として1話から出てくるわ」
花帆「味方!?」
花帆「そう言われると早く観たくなってきました」
花帆「ま、またベータマックスですか!?」
梢「安心して頂戴。今度はDVDよ」
花帆「よかった……」ホッ
梢「ところで花帆さん。話は変わるのだけれど、今夜の配信は……」
花帆「練習配信ですよね。任せてください!あたしがセッティングしますから!」
梢「それを聞いて安心したわ。なら今からは筋トレよ」
花帆「が、頑張ります!精一杯」
梢「元気のGは始まりのGよ、花帆さん」
花帆「?」
―――
――
綴理「かほ、観終えたんだ」
梢「ええ。普段から本を読んでいるだけあって、とても興味深い感想文になっているわ」
綴理「さやの感想文もよく書けてた」
梢「とても村野さんらしい着眼点だったわね」
梢「まさか『ORIGIN』未読なのにザビ家とダイクン家に言及するなんてね」
梢「……」
綴理「こず?」
梢「本当にこれで良かったのかと思ってしまってね……」
綴理「……?」
綴理「……」
梢「だからわたくしは伝統として『初代』を勧め、そして今『Zガンダム』を勧めた」
綴理「……」
梢「わたくし……怖くなってしまったの……」
綴理「こず?」
梢「花帆さんがこのまま宇宙世紀信者になってしまわないかって」
綴理「んん……?」
梢「『Vガンダム』まで観た花帆さんが、次に『Gガンダム』を観てしまったら拒絶反応が出てしまうのではないかしら」
梢「『Z』ではなくアナザーを勧めるべきではなかったかしら……」
綴理「待ってほしい」
梢「そういえば綴理、村野さんは今何を観ているの?」
綴理「……『ビルドダイバーズ』……」
梢「!?」
梢「『ビルドシリーズ』は何作か観てからの方がいいと思うのだけれど、確かにガンプラから元ネタを観るというのも……」
綴理「こず」
梢「綴理」
綴理「その喜びは嘘じゃない。だからこずは間違ってない」
梢「綴理……」
綴理「ボクはガンダム詳しくないけど、今のかほははんぺんたいだ」
梢「はんぺん……」
綴理「だからボクたちは見守っていこう」
梢「そうよね……」
梢「過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが先輩の特権ね」
綴理「ごめん。よくわからない」
~~♪
花帆「ど、どうでしたか?」
梢「ええ。本当によく頑張ったわね。花丸よ!」
花帆「ありがとうございます!」
花帆「みんなもどうだったかな?」
花帆「…………ふんふん……。ふんふん……」
花帆「わあ!みんなあたしたちのこと褒めてくれてるー!」
花帆「“ボンちゃん”さん、「二人のシンクロ、キレッキレ」だって!!」
梢「そうね、花帆さんも相当練習した成果が表れているわ」
花帆「ありがとうございます!」
梢「さらにできるようになったわね」ニコッ
花帆「あっ!それシャアですか!?」
>『シャア草』
>『花帆ちゃんガンダム知ってるの!?』
>『シャア?』
>『シャア先輩w』
>『梢先輩もガンダム詳しいんだ』
>『シャアwww』
>『乙宗梢、キャスバル説』
>『私はガンダムの中で種が好き!』
>『認めたくないものだな』
>『シャアじゃん』
梢「あわわわわ……」アタフタ
花帆「?」
梢「ガンダム?なんのことかしら?」
花帆「え?」
梢「花帆さん、そろそろ終了の時間よね……」
花帆「えっ?まだ……」
梢「これ以上はオーバーワークになってしまうわ」
花帆「あ、あの……」
梢「花帆さんこれではまた怪我をしてしまうわ」
花帆「は、はい!」
花帆「えっと……というわけで、今日の練習はここまでなので、今度のライブ楽しみにしててください!」
花帆「それじゃあ、みなさんおやすみなさーい」
花帆「ぽちっ?」
―――
――
梢「花帆さん」
花帆「は、はい!」
梢「どうしてあんなことを……いえ、わたくしが迂闊だったわ」
花帆「あのー……」
花帆「ひょっとしてあたし何かマズいことでも……」
梢「確かにスクールアイドルクラブはガンダムが必修よ」
梢「でもそれはクラブ内でのもの。外に持ち出してはいけないの」
花帆「でもさっきの配信、梢センパイがシャアの真似してからコメントの勢いすごかったですよ?」
梢「それはシャアに対してのコメントであって、スリーズブーケへのコメントではないわ」
梢「あと、真似でもないわよ」
花帆「す、すみません」
花帆「はい」
梢「でもね花帆さん、みんながみんな真っ当な……心優しいファンというわけでないの」
花帆「そうなんですか?」
梢「軽はずみな発言が誤解を招いてしまうこともあるのよ」
花帆「…………」
花帆「すみませんでした」
梢「まあ……わたくしも誤解を招いてしまったことは反省するわ」
花帆「センパイ……」
梢「とにかく今後ガンダムの話をするときは、時と場合を考えて頂戴」
花帆「はい……」
花帆「――っていうわけだったんだ」
さやか「なるほど。それで昨日の配信、どこか変な感じだったんですね」シャカシャカ
花帆「あたしさ……たくさんコメントもらって嬉しかったんだ……」
花帆「あぁ、『ガンダム』ってこんなにもたくさんの人に愛されてるんだなあって」
花帆「それ見てたら、あたしももっとっと頑張らなきゃって思ったの!」
さやか「そうですね。わたしも『ガンダムシリーズ』の奥深さには驚きました
」シャカシャカ
花帆「さやかちゃんは今何観てるの?」
さやか「わたしは『ダイバーズRe:RISE』ですね」シャカシャカ
さやか「アナザーというか……ガンプラを題材にした作品なので、宇宙世紀ともアナザーとも違いますね」シャカシャカ
花帆「へぇ~」
さやか「花帆さんは『Z』ですか?」シャカシャカ
花帆「そうなの。まだ1話だけどね」
さやか「面白いですか?」シャカシャカ
花帆「う~ん……まだよく分からないかな?主人公が情緒不安定なくらい」
さやか「そうですか」シャカシャカ
花帆「うん!」
さやか「…………」シャカシャカ
花帆「…………」
花帆「え?」
さやか「フィギュアスケートをやってると、ファンの方から応援をもらうことがあるんですが……」
さやか「中には、あの選手は良かったけどこの選手は駄目だとか、ファン同士で対立することがあるんです」
花帆「そう……なんだ……」
さやか「きっとそれはスクールアイドルもガンダムでも同じなんだと思います」
さやか「どのジャンルにも言えることですが、そういう……誹謗中傷しか言えない人はいるんです」
花帆「……」
さやか「乙宗先輩はそういう争いを見てほしくなかったんじゃないかなって思います」
花帆「そうだったんだ……」
さやか「わたしの想像ですけどね」
さやか「花帆さん?」
花帆「あたしやっぱりガンダムの話がしたい!」
さやか「えっ?」
花帆「梢センパイの気持ちも嬉しい……けど」
花帆「でも『ガンダム』が好きな気持ちを隠してみんなとお話なんてできないよ!」
さやか「花帆さん……」
花帆「あたしもう一回梢センパイと話してくる!」
さやか「……そうですね。それがいいと思います」
花帆「さやかちゃんありがとう!」
さやか「あ、やすり掛けです。わたしもガンプラ始めてみたんです」
花帆「さやかちゃんも!?」
さやか「なんていうか……無心になれていいですね」
さやか「普段スクールアイドルのことやフィギュアスケートのこと、学校のことを考えてしまうんですが……」
さやか「やすり掛けをしてる時だけは無心になれるんです」
花帆「へぇ~」
さやか「まあ、綴理先輩の受け売りですけどね」
花帆「そうなの!?」
さやか「はい!綴理先輩はとてもガンプラ製作が上手いんです!」
花帆「あぁ……あれ?あたしはもういいかなぁって」
さやか「え……」
花帆「1個作ったけど、あたしはやっぱり完成品でいいや」
さやか「そうですか……」
びわこ「村野さん村野さん!」
さやか「はい?」
びわこ「購買部で注文してた『MGディープストライカー』入荷したって」
さやか「ホントですか!?」
花帆「ねえねえ、あたしの注文した『解体匠機サザビー』は……」
びわこ「う~ん……まだみたい」
花帆「そっか……。せっかくだしあたしも購買部でなんか『METAL BUILD』買っちゃおうかな」
さやか「花帆さんは乙宗先輩のところに行ってください」
とんでもねえモノ購買に頼むなw
―――
――
梢「――!?――」ピキューン
梢「ふふっ。花帆さんがわたくしの心を触った感じね」
花帆「梢センパーイ!」
梢「花帆さん」
梢「どうかしたの?もうすぐ授業が始まるわよ?」
花帆「あの!あたしやっぱり『ガンダム』語りたいです!」
梢「か、花帆さん!?」
花帆「昨日一晩すっと考えてたんですけど、やっぱり好きなことを秘密にしたくないです!」
梢「花帆さんちょっと落ち着いて!」
花帆「あっ……」
梢「わかったわ。でもそれはお昼休みに聞かせてちょうだい。紅茶飲みながら、ね」
花帆「はい」
ガラッ
花帆「梢センパイ!」
梢「来たわね」
花帆「はい!」
梢「紅茶も淹れたことだし、聞かせてくれるかしら?」
花帆「はい」
―――――
―――
――
梢「花帆さんの言いたいことは分かったわ」
花帆「だからあたし……今度の配信でみんなとガンダムトークしたいんです!」
梢「…………」
花帆「やっぱり駄目ですか……?」
梢「……去年ね」
花帆「え?」
梢「去年私たちも先輩から『ガンダム』を勧められたっていう話はしたわね」
花帆「はい」
梢「去年も今の花帆さんと同じように、『ガンダム』にハマった子がいたの」
花帆「ええっ!?」
梢「彼女も同じように配信で『ガンダム』の話をしたわ」
花帆「そうなんですか」
梢「でもね……ある時、彼女がタブーを犯してをしまったの」
花帆「……それって……?」
梢「彼女はよりにもよって配信でキャラクターのカップリングの話をしてしまったの」
花帆「は…………」
梢「彼女は“イザアス”について語った直後炎上してしまってね……」
梢「それっきり彼女は『ガンダム』の話をしなくなり、結局スクールアイドルも辞めてしまったわ……」
花帆「そんな……」
梢「わたくしはせっかく楽しんでいる花帆さんに炎上なんてしてほしくなかったの」
梢「あの時は配信の場でカップリングトークをしためぐ……彼女の過失なのだけれど……」
梢「花帆さんがいつか炎上してガンダムを嫌いになってしまうか心配で……」
花帆「大丈夫ですよ!」
花帆「だってあたしには梢先輩がついてますから!」
梢「!?」
花帆「そりゃああたしも炎上は怖いですけど、みんなとガンダムの話もしたいし……」
花帆「そう考えたら、隣に梢センパイがいれば大丈夫かなぁって」
梢「花帆さん……」
梢「そう……わたくしのエゴだったのね」
花帆「梢センパイ?」
梢「わたくしが間違っていたわ」
花帆「そんな!センパイは私を心配して……」
梢「あの、一つだけお詫びをしてもいいかしら?」
花帆「いい!いいですよ!別に気にしてません!」
梢「花帆さん、一緒に配信をしましょう。今度は『ガンダム』の話を」
さやか「昨日の配信観ましたよ」
花帆「ホント!?ありがとう!さやかちゃんのガンプラ製作回を参考にしてみたの」
さやか「花帆さんも『アナザー』に手を出したんですね」
花帆「そうなの!『逆シャア』まで観たから次どうしようかなって思ってたんよね」
さやか「『UC』には行かなかったんですか?」
花帆「アムロとシャア出てこないんでしょ?キリもいいし『アナザー』にも興味あったし」
さやか「なるほど。だから『SEED』に行ったんですね」
花帆「それにピンク髪のキャラが可愛いなあって思って」
さやか「ピンク髪……ああ、ラクスですね」
花帆「多分その子!まだ本編に出てきてないけど」
さやか「ラクスは……ちょっと先ですね」
花帆「?」
さやか「蓮ノ空にMSを誘致するという話です」
花帆「…………!!」
さやか「完全に忘れてたんですね」
花帆「さやかちゃん思い出してくれてありがとう!」
さやか「いえ別にただの確認で、記憶を呼び起こしたわけじゃ……」
花帆「あたし行かなくちゃ」
さやか「一応聞きますけど、どこに?」
花帆「もう一度、会長と決闘してくる!」フィックスリリース!
さやか「あ、『水星』は観てるんですね……じゃなかった!花帆さーん!」
花帆「駄目だったよ……」
さやか「でしょうね、という感想しか出てこないのですが」
さやか「ちなみに今度はどういう理由で断られたんですか?」
花帆「決闘に負けっちゃった……」
さやか「は?」
花帆「あたしのサザビーが一瞬だったよ……」
さやか「何の話ですか?」
梢「あ、ゲームの話」
さやか「それならそうと早く言ってください。一瞬ガンプラバトルが実装されたのかと」
花帆「梢センパイ!そうなんですよー!聞いてください!」
梢「ふふっ。会長に『ガンダムバーサス』で勝負しただけでもすごいことなのよ」
花帆「そうなんですか?」
梢「だって沙知会長は――」
綴理「『クロブ』の北陸代表」
梢「――だもの」
花帆「え?」
さやか「そ、そうだったんですか!?」
綴理「“ガンダムバエルの大賀美”って知ってる?」
さやか「うそっ!?彼女が……!?」
梢「ええ。会長、その人よ」
さやか「そうだったんですか……」
花帆「でも……」
さやか「ちなみに何のガンダムを立てたかったんですか?」
花帆「……キュベレイ」
3人「…………」
さやか「た、確かにあの曲線は金沢にぴったりですね」
梢「そうね。村野さんの言う通りなのだけれど……ちょっと……」
綴理「無理無理」
花帆「ですよね…………」ズーン
さやか「ああっ!花帆さん、元気出してください!」
さやか「なりたいんですか?ハマーン様に」
花帆「あたしはモブ兵士……。「そこか!」しかセリフのないモブ兵士……」
さやか「どうしましょう。花帆さんの蛍光灯が……」
梢「わたくしに任せてちょうだい」
さやか「乙宗先輩?」
梢「花帆さん。誘致の件は残念だったけれど、いい話を持ってきたわ」
花帆「いい話ですか?」
梢「村野さんも良いかしら?」
さやか「?はい」
梢「実は次のライブが決まったの」
梢「ええ」
花帆「いつ!?いつですか!?」
梢「2023年10月21日、22日。11月18日、19日よ」
花帆「4日も!?」
さやか「4日というよりこれは……」
綴理「ツアーだね」
花帆「ツアー!?」
さやか「花帆さん落ち着いて」
梢「東京と福岡よ」
花帆&さやか「「!!??」」
花帆「県外!!」
さやか「違いますよ!いえ、違うわけではありませんが……」
さやか「その場所は……」
梢「さすがね、村野さん。この場所は全て――」
花帆「ガンダム!!」
梢「正解よ。花帆さん」
梢「スクールアイドルの練習の合間に『ガンダム』を勉強する二人を見て、わたくしも力添えをと思ってね」
花帆「梢センパイ……」
花帆&さやか「「ありがとうございます!」」
梢「ふふっ。ライブの後はみんなでガンダムを見に行きましょう」
【公演名】
ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 1st Live Tour ~RUN!CAN!FUN!~
<福岡公演>
【日程】
Day.1 2023年10月21日(土)
Day.2 2023年10月22日(日)
【会場】福岡・西日本総合展示場 新館
<東京公演>
【日程】
Day.1 2023年11月18日(土)
Day.2 2023年11月19日(日)
【会場】東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
【出演】
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
楡井希実(日野下花帆役)、野中ここな(村野さやか役)、花宮初奈(乙宗 梢役)、
佐々木琴子(夕霧綴理役)、菅 叶和(大沢瑠璃乃役)、月音こな(藤島 慈役)
おしまい
オチが素晴らしい・・・。
花帆さんの感想・リアクションはほぼ実話
フッ…やり込みだな!
お台場のユニコーンと横浜のガンダムは見たことあるから今度は福岡のνガンダムを見てみたいわね
同じ都県内とは言えガンダム立ってる場所距離あってさ
見たって言いふらしてくれ!
地元だけど帰省時に福岡νもサザビーもすぐ買いに行けて助かった
ゲート後処理してるとき無心になれるのなんかわかる
スパチャでウハウハ
実物大デンドロビウムで勝負だな
最後にライブの宣伝始まって草
北九州と福岡市は微妙に遠いけどな
Vガンをスルーされ大激怒
SDGOみたいな百式バリエーション使えるゲーム出んかなあ
すごい
ガンダム語っても許されると思うわ
腐ってやがる…(SEEDは)早すぎたんだ…
やっぱ先にXを見せて少年少女のボーイミーツガールを学ばせるべきだったんや…
コメント