【SSコンペ】歩夢「ここは飲食禁止だよ!」【ラブライブ!虹ヶ咲】
代行
ラブライブ!SSコンペを開催します!
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侑「歩夢~」
歩夢「ん?どうかしたの侑ちゃん」
侑「そこの漫画とって~」ゴロゴロ
歩夢「も~っ、それくらい自分でとってよ」
歩夢「はいっ」
侑「ありがとう」
歩夢「いつからこんなぐうたらさんになっちゃったの?」
侑「それくらい許してよ~」
侑「歩夢にとってもらえる幸せを感じたいんだよ」
歩夢「もう!適当なこと言って」ポムッ
侑「本当なんだけどなぁ」ゴロゴロ
歩夢「ねぇ侑ちゃん」
侑「ん~なに?歩夢」
歩夢「いつまでここにいるの?」
侑「ん~?」
歩夢「早く帰らなきゃだめだよ?」
侑「いいじゃん。もうちょっと」
侑「私が歩夢のとこに泊まるのなんていつものことでしょ?」
歩夢「いやぁ、うん。そうだけどね…」
歩夢「もう何日にもなるじゃない!流石に心配されちゃうよ!」
侑「い~や~だ~」
歩夢「もう、いつまでいるつもり?」
侑「勿論ずっとだよ」
歩夢「ずっと!?」
侑「病める時も健やかなる時も」
歩夢「それちょっと違くない?」
侑「歩夢は嫌?」
歩夢「………///」ハッ
歩夢「いやいや、そう言う問題じゃなくってね」
侑「歩夢と私の仲じゃん?」
歩夢「う~ん、そうなんだけどねぇ」
歩夢「流石にずっとっていうのは…」
侑「兎に角、私は歩夢の近くにいるの!」
侑「歩夢ってば何言ってるんだかまったく」プンスコ
歩夢「逆ギレ!?」
歩夢「えっ、今のやりとりでどうして私の方が悪いみたいに言えるの?」
侑「?」キョトン
歩夢「私がおかしいのかなぁ」
侑「そうだよ」
歩夢「そうなのかなぁ…」
歩夢「…」
歩夢「いや、それはないと思うな」
侑「くっ、押し切れないか」
歩夢「さすがにね」
侑「私は押し倒されたけどね」
歩夢「!?」
侑「そんなことより早くご飯出してくれない?」
歩夢「そんなこと!?」
歩夢「私がいうのも何だけど結構大事じゃない?」
侑「オムライスが良いな~」
侑「ハートも描いてね」
歩夢「しかもちょっと図々しい!」
侑「お願い歩夢ぅ」
歩夢「うぐっ///」ハッ
歩夢「いやいやいや」
歩夢「何回も言ってるでしょ?侑ちゃんに出せるご飯はありませーん」
侑「いつもなら言わなくてもくれるのに~」
歩夢「ずっとお部屋に篭ってるのに食べたら太っちゃうよ!」
侑「えっ?でも」
歩夢「ダメなものはダメっ」
侑「え~」
侑「特製のオムライス作ってくれる約束だったじゃん」
歩夢「あ~、それは本当にごめんね」シュン
侑「あっ…いや、責めてるわけじゃなくってね」アセアセ
歩夢「ふふっありがとう」
歩夢「次の機会までにいっぱい練習しておくから」
侑「別に今のままでも美味しくできるんじゃないかなぁ」
歩夢「せっかく楽しみにしてくれてるんだもん最高のを作るよ!」ムンッ
歩夢「古今東西存在するありとあらゆるレシピを試して侑ちゃんの口に合うのを作れるようにしておくね」
侑「練習っていうかそれもう修行じゃない!?」
侑「何年かかるの…」
歩夢「さあ?」
侑「さあ!?」
歩夢「大体80年くらい?」
侑「長いよ!」
侑「私オムライスにそこまでのものを望んでないからね!?」
侑「それにその頃には私もうおばあちゃんだよ」
歩夢「大丈夫。それでも完食できる出来にするから」ムンッ
侑「情熱の燃やし方がおかしいよ…」
歩夢「ところでもう帰ら」
侑「いーやーだー」
歩夢「も~侑ちゃん!」
歩夢「ねえ、覚えてr」
侑「覚えてるよ」
歩夢「何を!?」
侑「小学5年生の夏休みお化け屋敷に入れない私に」
侑「勇気の出るおまじないって言って頬にキスしてくれたことでしょ?」
歩夢「違うよ!?」
歩夢「どういう流れでそんな話になるって思ったの!?」
侑「勘かな?」
歩夢「私脈絡もなくそんなこと言わないよ!」
侑「あれぇ?」
侑「おかしいなぁ…私が歩夢の質問に間違えるなんて」
歩夢「質問聞く前なんだから当然だよねぇ!」
歩夢「あと、その記憶は忘れてくれると嬉しいな!」
侑「どの記憶?」
歩夢「私がしたおまじないのやつ!」
侑「キスしてくれたこと?」
歩夢「そうそ…」
侑「それとも」
歩夢「ん?」
侑「そのくせお化け屋敷入ってからずっと私の腕に抱きついて涙目だった歩夢の可愛らしさのこと?」
歩夢「!?」
歩夢「ちょっ!えっ///」
侑「後日借りた漫画からそれの影響って気がついて甘酸っぱい気持ちになったこと?」
歩夢「あぅ///」
侑「それとも…」
歩夢「…侑ちゃんきらい」
侑「いやぁ!」ダキツキ
歩夢「!?」
侑「歩夢に嫌いって言われた」
侑「もうムリ」
歩夢「ごめんごめん!言葉の綾だから!」
歩夢「嫌いになんかならないから!」
侑「…本当に」ギュッ
歩夢「本当に!」
歩夢「でも…あれは恥ずかしいから忘れてよぉ///」
侑「あの記憶のおかげで今まで頑張れたんだから忘れないよ」グググ
歩夢「忘れてぇ」
侑「いやだぁ~」
侑「あと、歩夢!」
歩夢「ん?」
侑「何で押し倒されないの?」
歩夢「あっ抱きついてるだけじゃなくって倒そうとしてたんだ…」
侑「えっ?」
歩夢「ってまた話しが逸れちゃった」
歩夢「もう、仕方ないなぁ話を戻すよ」
歩夢「違くてね、ほら私が言いたかったのは」
歩夢「離れてても背中を押した温もりは残るって話だよ」
侑「ああ…」
侑「ニアピンだったかぁ」
歩夢「空振りして尻もちつくレベルの間違いだと思うよ」
侑「押した手の温かさかぁ」
侑「でも私はやっぱり1番近くでその温もりを感じていたいよ」ギュッ
侑「ねえ歩夢」
侑「何で先に行っちゃうの」ギュッ
侑「どうして私を置いて行っちゃったの…」
歩夢「ごめんね」
侑「謝んないでよ」
侑「歩夢は悪くない」
侑「誰も悪くなんてない」
侑「ただ私が我儘なだけ」
歩夢「我儘なんかじゃないよ。立場が逆なら私もきっと帰れないと思うから」
歩夢「でもね」
歩夢「ねえ、侑ちゃん」
歩夢「それでもあなたはここにいちゃダメなんだよ」
侑「私がいちゃ嫌なの?」
歩夢「そんなことない!」
歩夢「私だって侑ちゃんといつまでもこうしていたいよ」
歩夢「離れたくなんてない」
侑「ならっ!」
歩夢「でも、それでも」
歩夢「ずっと侑ちゃんをここに居させるわけにはいかないの」
侑「なんでさ」
歩夢「だってね侑ちゃん」
歩夢「夢ができたんでしょ?」
歩夢「音楽」
歩夢「とっても頑張ってたの、知ってるよ」
歩夢「演奏も作曲もやって、本当に凄いなって」
侑「そんなの歩夢がいないならどうでも良いよ」
歩夢「嘘」
侑「嘘なんかじゃ」
歩夢「ふふっ」
侑「なにさ笑って!私は本気で」
歩夢「ねえ覚えてる?」
侑「…何を」
歩夢「せつ菜ちゃんのライブを初めてみた時のこと」
侑「?」
歩夢「みんなのライブを見た時のこと」
歩夢「あの時のトキメキを」
侑「…」
歩夢「それは侑ちゃんの感情でしょ」
歩夢「私がそこに居なかったとしてもそれはきっと変わらない」
歩夢「きっと変わらず同じ夢を持ったんじゃないかなって思う」
歩夢「踏み出せる踏み出せないの違いはあるかもしれないけどね」
侑「何でそんなことわかるのさ」
歩夢「だって」
歩夢「ずっと一緒にいたんだもん」
歩夢「ずっと見てたんだもん」
歩夢「侑ちゃんの最初のファンなんだもん」
歩夢「ねえ」
歩夢「だからね侑ちゃん」
歩夢「私のせいで夢を諦めないで」
歩夢「私、侑ちゃんのファンなんだから」
歩夢「私を今まで支えてくれたみたいに同好会のみんなを…」
歩夢「ううん。世界中の人を音楽の力で励ましてあげて」
歩夢「侑ちゃんならきっとできるから」
侑「無理だよ…だって私」
侑「歩夢がいるからカッコつけなきゃって思ってやってこれたんだもん」
侑「歩夢がいなきゃ勇気なんて出せないよ」
歩夢「そっか」
歩夢「…」チュッ
侑「!?」
歩夢「ふふっ///」
歩夢「勇気の出るおまじない」
侑「あっ…えっ…え?」ホホオサエ
歩夢「私はもう侑ちゃんに会えない」
侑「…」
歩夢「みんなともね」
侑「っ!?」
歩夢「侑ちゃんにはみんながいるんだよ」
歩夢「そしてみんなには侑ちゃんがいる」
歩夢「仲間でライバル。助け合って高め合っていって欲しいの」
歩夢「私はみんなに感謝を返しきれてないから」
歩夢「みんなのこともお願いね」
侑「…歩夢わがままだよ」
歩夢「えへへ、そうだよ」
歩夢「わがままな私も可愛いんでしょ?」
侑「可愛いよっ!」
侑「あはは…歩夢には敵わないや」
侑「………」スゥー…ハァー
侑「わかったよ」
侑「勇気貰えたからね!頑張ってみる」
歩夢「良かったぁ」
歩夢「じゃあ、もう向こうに戻れる?」
侑「…うん」
歩夢「この部屋から出れば向こうに戻れるから」
歩夢「じゃあまたね」
侑「うん…またね」グスッ
歩夢「あっ!そうだ」
歩夢「素敵な曲が出来たら絶対に聴かせてね」
歩夢「あとね…」
溢れそうになってきた言葉をグッと飲み込む
いいや、これを言うのは今じゃない
もう私にこれをいう資格は無い
それを先へ先へと後回しにしてきたことを後悔する
侑「?」
ほら、勇気を出してくれた侑ちゃんの足を止めちゃってるよ
偉そうなこと言っておいて私ってダメな子だなぁ
歩夢「えへへ、やっぱりナイショ」
この気持ちを伝えてしまったらそれはきっと侑ちゃんにとって呪いになるから
歩夢「いってらっしゃい」
秘密の言葉は胸に秘める
その隣にいるのが私じゃなくっても
嫉妬しちゃうけど
羨ましいって思っちゃうだろうけど
それでも
あなたが笑顔でいてくれることが私の幸せなんだから
でも、心の中で言うことくらいは許してね
歩夢「幸せになってね侑ちゃん」
大好きだよ侑ちゃん
あなたを愛してます
侑「…うん!」
侑「行ってきます!」
侑「の前に」ダッ
歩夢「えっ…」
振り向いた侑ちゃんの顔が近付いてきて
チュッ
唇に暖かな感触が触れる
歩夢「ふえぇっ」
歩夢「あっ…えぇっ///」
侑「私だって歩夢の言いたいことくらいわかるよ」
侑「好きだよ歩夢」
侑「私の方がずっとね」
そう言って彼女は扉の外へ一歩踏み出した
………
歩夢「もう、侑ちゃんったら」
言うがはやいかそのまま光に消えていった彼女を思い返してそっと唇に触れる
歩夢「もうっ!もうっ!」
まだ温かさが残っているみたいで
指先が燃えるみたいに熱くなる
歩夢「あんなことされちゃったら…」
無いはずの鼓動が早鐘を打つみたいに
顔が紅くなる
歩夢「///」
ひとりぼっちの部屋だけどこの熱があれば寂しくないな
歩夢「頑張ってね」
ぽつりとつぶやく言葉は誰の耳に届くこともないけど
無意味じゃないってそう思えた
『次のニュースです』
『昨晩作曲家として知られる高咲侑(活動名義:上原侑)さん9…歳が心筋梗塞で倒れているのが入居先施設で見つかり間も無く…が確認されました』
『彼女の代表曲………は今も尚多くの人々の心にトキメキを与え励まし続けています』
『また地球と緊張状態にあった火星の先住人へスクールアイドル活動を広げたことで星間戦争を回避し交流の場を設け良好な関係を構築したことから初代火星親善大使として…』
『認知症になりながらもペンを握り続けた…』
歩夢「あっ侑ちゃん!」
歩夢「お帰りなさい。待ってたよ」
歩夢「いや…待ってたっていうと誤解がありそうかな」アセアセ
侑「ア………ウ」
歩夢「ふふっすっかりおばあちゃんになっちゃった」
円卓に座る彼女は意識があるのか無いのか
小柄な体はあの時よりさらに小さくなっちゃってる
歩夢「おばあちゃんになった侑ちゃんもかわいいね」
歩夢「…」
歩夢「意識がある内はずっと私のこと覚えてくれてたんだってね?みんなが教えてくれたの」
歩夢「嬉しいな」
侑「………ウ」
歩夢「さ、お話しするためにも頑張っちゃうよ」
歩夢「ペンネームのこととか色々と聞き出したいことがあるんだから」
歩夢「今の私の腕なら侑ちゃん史上最高の料理を作れるよ」
といっても今から作るのは高めた腕を使わないんだけど…
ねえ侑ちゃん
ずっと頑張って頑張って頑張って
疲れちゃったんだよね
ありがとう
お疲れ様
今度は私が侑ちゃんを癒すよ
歩夢「はい、どうぞ」
我ながら手際よく作ったオムライスを食卓に出す
勿論ハートを描くのも忘れない
歩夢「ってスプーン持てないか」
歩夢「あーん」
歩夢「ゆっくり食べてね」
わずかに震えるその口元にあてがう
侑「ア…」
しばらく待つとゆっくりその口を開いてくれた
ゆっくりスプーンを口に入れる
侑「……」
侑「…!」
ここでは身体や脳なんかそんなものの歳は関係ない
心のあり方で姿が変わる
姿が変われば心も変わる
一欠片の記憶さえ戻れば順繰りに記憶が戻っていく
思い出しさえできれば
また1番なりたい時の姿に…
おばあちゃんになっても侑ちゃんは侑ちゃん
好きなことに変わりはないけど
でも
せっかくなら一緒に歳を取りたいから
侑「おい…しい…」
侑「おいしい…」
侑「美味しいよ、歩夢」
歩夢「うん」
歩夢「ありがとう。その言葉が聞きたかったの」
侑「本当にずっと練習してたの?」
歩夢「うんいろいろなお料理をね」
歩夢「でもね、今作ったのは学生の時食べてもらったのとおんなじ味だよ」
歩夢「私のことを思い出してもらえるように」
侑「そうなんだ…ありがとう歩夢」
歩夢「どういたしまして」
歩夢「はいっあーん」
侑「自分で食べられるから良いよ///」
歩夢「えぇー!」
歩夢「侑ちゃん、納得いく曲は作れた?」
侑「うん」
歩夢「良かったぁ。早速だけど聴かせてもらっても良いかな?」
歩夢「疲れてるなら後で良いよ」
侑「今すぐやりたいよ」
侑「演奏したくってウズウズしてるもん」
侑「ただね1番力を入れて作ってたのはまだ未完成なの」
歩夢「?」
侑「意識がある最期にやっと形になったんだけどね」
侑「これは歩夢が歌って完成するんだ」
歩夢「どんな歌なの?」
侑「ちょっと待ってね」カキカキ
侑「はい、これが歌詞だよ」
侑「タイトルはね」
侑「生まれ変わっても結婚してください」
侑「歌ってくれるかな?」
歩夢「…はいっ!」
終わり
😭😭😭
切ないけど読後感がとても良かった
お別れして終わりかぁと思ったけどその後死んで会えるところまであったのが凄くいい
練習期間がやたら長いのもここで回収されてるのも気持ちいい
読んで良かったありがとう!
切ないけど幸せな終わりで最高だった
泣いた😭
ゆうぽむは永遠なんだよね…
乙です
甘いだけじゃないけど良い味わいのゆうぽむでした…🙏
スレタイからは想像できない泣けるゆうぽむだった
おつ
最高やった
いいSSがたくさん出るきっかけになったコンペに感謝
引用元: https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1687070738/
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