愛「『攻略してほしい女がいる』……?」璃奈『無理なら絶対に返信しないように』#1 かすみ編
璃奈「愛さんなら、そう言ってくれると思ってた」
愛「りなりー! 何ですぐ近くにいるのに、わざわざLINEしたの?」
璃奈「こっちの方が、カッコいいと思ったから」
愛「確かに……。これから何かが始まる! って感じはしたけどー」
璃奈「うん。それで、LINEで送った通り、愛さんには、これからある女の子たちを攻略してほしい」
璃奈「昨日作った心の隙間センサーを使って校内を歩き回ってみたら、どうやら数人の女の子の心に隙間があって、そこに何か悪いものが入り込んでいるみたいなの」
愛「悪いもの? それってほっとくとどーなっちゃうの?」
璃奈「鬱状態になったり、自傷行為に走ったり……。最悪死ぬ可能性もある」
愛「! 早く何とかしないと!」
璃奈「うん。愛さんには皆の心の隙間を埋めて、悪いものを押し出してほしい」
愛「わかった! 任せて!」
璃奈「それじゃあまずは、スクールアイドル同好会の中州かすみちゃんを攻略してほしい」
かすみん推しなのにありえんミスしてしまったエタりそう
>>7
かみのみパロです
かすみ「ふんっ! ふんっ!」
かすみ「……。こんなんじゃ駄目。ちっとも可愛くない!」
かすみ「せつ菜先輩よりもすごいスクールアイドルになって、皆に戻って来てもらおうと思ったのに……」
かすみ「やっぱり、せつ菜先輩には努力しても追いつけないのかな……」
愛「中須かすみちゃんだよね?」
かすみ「ひゃー!!!」ビクッ
愛(元気な子だな……。でも、何だか寂しそうにも見える。よぉし!)
愛「あはは、そうなんだ! アタシ、宮下愛! かすかすの大ファンで」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんですー!」
愛「ごめんごめん。ところでかすみん、プライベート中もダンスの練習してるんだ?」
かすみ「こ、これは、趣味でやってるだけです! 別に練習とかでは……」
かすみ「え!?(パァ) ……! い、嫌ですよぉ! かすみんは一人で踊るのが好きなんですぅ!」
愛「そうなの? じゃあいいや」クルッスタスタ
かすみ「え? えっと、あの……」
愛「じゃ、アタシはここでかすみんを応援してるから」ジメンストン
かすみ「! じゃ、邪魔はしないでくださいね?」
愛「うんうん! かすみん頑張れ~」
多分そんなに長くは書かないと思われ
ゆっくり書いていくから、長編になりそうだったらスレ分ける
愛(それからアタシは、運動部の助っ人を断って、毎日かすみんの歌やダンスの練習を見に行った。それはつまり、かすみんは毎日練習してるってことで――)
かすみ「愛先輩、今日も来たんですか……」
愛「もちのろんっ! 愛さんはかすみんのファン第1号だからねー!」
かすみ「かすみんには既にファンが沢山います! 愛先輩は多分500号くらいです~」
かすみ「……///な、何言ってるんですか! かすみんは世界一可愛いんですから、皆同じくらい可愛いと思ってくれてますぅ!」
愛「そっかそっか~。ねね、かすみん。ライブとかはしないの?」
かすみ「……そのうち見せてあげますよ」
愛「うんうん、楽しみにしてるよ!」
かすみ(愛先輩と話してると、調子狂うなあ……)
璃奈「……」ムスッ
愛「おーっすりなりー!」
璃奈「愛さん」
愛「取り敢えず、かすかすとは接触できたよ! 多分友達にもなれると思う!」
璃奈「流石だね愛さん。でもちょっと時間かけ過ぎじゃない?」
愛「そうかな? あ、そうそう。心の隙間を埋めるって、具体的に何すればいーの?」
璃奈「……キス」
璃奈「人間の心の隙間を埋めるのに1番手っ取り早いのは、愛情で頭がいっぱいになった瞬間に、心と身体に大きな衝撃を与えること。だから、キスが最適」
愛「そ、そうなんだ。じゃあ愛さんは、かすみんがアタシを好きになってくれた後、キスをする必要があるんだね?」
璃奈「うん。余計なイチャイチャはしなくていいから、サクッと決めてほしい」
愛「あいあいさー!」
愛(キスかぁ……。案外ハードル高いね。りなりーはサクッとなんて言ってくれちゃってるけど、人間の心は難しいんだよ……)
かすみ「愛先輩」
愛「ん? どしたん?」
かすみ「たまには……、一緒にやりませんか?」
愛「……! かすみーん!」ダキッ
かすみ「ちょっ! かすみん今汗かいてますからぁ!///」
愛「汗かいてない時は良いんだ?」
かすみ「だめです!」
愛「えー、ケチー。こんなに可愛かったら、すぐ抱きつきたくなっちゃうよ」
かすみ「むぅ……」
愛「あはは! じゃ、一緒に踊ろっか!」
更新中のレス大変励みになる。あざます
いえいえ
頑張ってください
かすみ「……って、愛先輩ダンス上手すぎませんか!? 何かやってたんですか?」
愛「んー、まあダンス部の助っ人に行ってたことあるし、かすみんの練習をずっと見てて、家でも真似してたからかなー?」
かすみ「ぐぬぬ……」
かすみ(どうしよう……。また手強いライバルが現れちゃった……。やっぱり私って才能ないのかな……)
愛「楽しいね、かすみん!」ニコッ
かすみ「そ、そうですね……」
かすみ(あ! そうだ! 皆が戻ってくるまで一人で頑張ろうと思ってたけど、まずは愛先輩と二人でやっていくってのもありかも! 私一人だけじゃ厳しくても、二人でならせつ菜先輩にだって……!)
かすみ「愛先輩、私と二人でスクールアイドルやりませんか? 特別に、かすみんの引き立て役にしてあげます!」
愛「んー、それは良いけど……」
かすみ「けど?」
愛「い、いや何でもないよ! 一緒に頑張ろーね、かすかす!」
かすみ「だから~! かすかすじゃなくてかすみんです!」
愛「あはは」
璃奈「……何してるの」ムスッ
愛「ええっと……。やってるうちに愛さんも楽しくなってきちゃって……」
璃奈「ターゲットと必要以上に仲良くなる必要はない」
愛「そーだよね、もしかすみんを攻略した後、次の子の攻略に支障がでちゃうし」
璃奈「……それは、心配いらない」
愛「?」
璃奈「ちゃんと攻略が完了したら、私の機械で記憶だけなら多少いじれる。心は満たしたまま、攻略中の愛さんの記憶だけ消すこともできる。流石に最初から心の隙間を埋めるような機械はまだ作れなかったけど……」
愛「す、すごいねりなりー! ……でも、それって悲しいことだよね」
璃奈「うん。だからサクッと攻略してほしい」
愛「なるほどね、そーゆーことだったんだ」
璃奈「だからもうそろそろ決めてきてほしい」
愛「おっけ! 任しといて!」タッタッタッ
璃奈「……愛さんの、馬鹿」
愛「ライブの日程が決まった!?」
かすみ「はい! かすみんは生徒会に睨まれているので校内は無理でしたが、近くの公園でやることにしました! ちゃんと許可も得ましたよ~!」
愛「すごいねかすみん! 愛さん最前列で応援しちゃう!」
かすみ「何言ってるんですか、愛先輩も一緒に出るんですよ」
愛「えぇ!?」
かすみ「当たり前じゃないですか、かすみんたちは二人で活動するスクールアイドルになったんですから」
愛「そ、そうだよね……!」
愛(ま、楽しそうだしいっか! それにしても……)
愛「ねね、かすみん。何か疲れてる?」
かすみ「え? そんなことないですけど……」
愛「ふーん、ならいーけど」
愛(私と二人で練習を始めてから、かすみんは疲れているように見える……。前とそんなに練習量は変わってないはずなのに)
愛「まずいまずい、りなりーと話してたらかすみんとの練習の時間に遅れちゃった」
愛「おーい! か」
愛(……!)
かすみ「届け! 届け! 地球の果ての果てまで~♪」
愛(かすみん、私と組む前に練習してた一人曲を……?)
かすみ「はぁ、はぁ……。ううん、大丈夫。これは戦略なんだから! かすみんはいつかきっと一人でもNo.1スクールアイドルに……!」
かすみ「ちょっとだけ休憩しよ……」ゴロン
愛(アタシと初めて会った時よりも、格段に上手くなってる……! すごいよかすみん!)
愛「かーすみーん!」
かすみ「あ! 愛先輩! 遅刻は駄目ですよぉ!」プンッ
愛「あはは! ぷんぷんしてるかすみんも可愛いよ!」ナデナデ
かすみ「なっ! 勝手に撫でないでくださいー!///」
愛「このこの~!」
愛(決めた。やっぱり今度のライブは……!)
ザワザワ
愛「すごいねかすみん! 結構人来てるよ!」
かすみ「20人くらいでしょうか? ま、ほとんどゲリラライブみたいなものですし、こんなもんでしょ」
愛「よぉし、じゃあ頑張ろっか!」
かすみ「はい!」
~♪(前奏中)
かすみ(なんだかんだで初めてのステージ。そういえば、同好会のお披露目ライブってどうなるんだろう? 場所はもう予約してたはずなのに、皆バラバラになっちゃって……)
かすみ(……。今はそんなこと気にしてる場合じゃないか! とにかくこのライブ、成功させなきゃ!)
愛「」ピョンッ
かすみ「……!? 愛先輩!?」
愛「ごめんねかすみん。私やっぱ、かすみんとは組めない」
ザワッ
愛「ずっと見てたよかすみん! 本当は自分の力だけで1番になりたかったんだよね! 最近疲れてたのも、私との練習が終わった後でソロの練習もしてたから。そーでしょ?」
かすみ「……はい。 でも」
愛「大丈夫! 愛さんずっと見てた! 強がりだけど本当は臆病で、自分に自信が無くて、それでも前に進むことを絶対にやめない頑張り屋なかすみんを!」
かすみ「でもでも……、かすみんは……。私は!」
愛「折角お客さんが来てくれてるんだよ? 皆に見せてあげて、私の最高のスクールアイドル、世界一可愛いかすみんを! りなりー!」
璃奈「おーけー」
~♪(Poppin’Up!)
かすみ「……! この曲は」
愛「もちろん、愛さんは最前列で応援してるからね!」ブイッ
かすみ「あ、愛せんぱぁい……」グスッ
かすみ「……。皆がかすみんに惚れちゃっても、後悔しないでくださいよ!」
~♪
かすみ(いける……! 今までに無いほど喉も身体も調子が良い! もう私はめげない! 絶対誰にも負けない!)
愛(すごい、すごいよかすみん! どんどん人が集まってきてる!)
愛「良かった……!」
???(あれは……。かすみさん?)
かすみ「も~! 一時はどうなることかと思いましたよ!」
愛「あはは、ごめんって」
かすみ「まあ、結果的に大成功でしたけどぉ~? やっぱりかすみんは世界一ですね!」
愛「うん、間違いないね! 愛さんが保証する!」
かすみ「それってあんまり効力ないんじゃ……」
かすみ「でも、ええっと、その……。愛先輩、ありがとうございました」
愛「愛さんは何もしてないよ! かすみんが自分を信じられた結果だし!」
かすみ「……愛先輩」ダキッ
愛「!? どうしたのかすみん!?」
かすみ「これからも、一緒にいてくれますか?」
愛「かすみん……」
愛(上目遣いにアタシを見上げるかすみんの瞳。それはとっても綺麗で……)
愛(ずっと眺めていたいのに、かすみんはゆっくりと目を閉じる。駄目、絶対に逃さない! ……そう思って追いかけたら――)
スッ
愛(かすみんとのキスは、少しだけ汗の匂いがした)
璃奈「お疲れ様」ムスッ
愛「かすみんは私のこと、忘れちゃうんだよね……」
璃奈「うん。面倒なことが起きないように、絶対に、完全に、間違いなく忘れてもらう」
愛「そうだよね……」
璃奈「……。でも」
愛「?」
璃奈「きっとかすみちゃんの埋められた心の中には、愛さんがいる……。と思う」
愛「そっか……!」
かすみ編 完
次はせつ菜編の予定です。書けたらまた投下します。
あとssでありがちなりなえもん設定なのか原作準拠の悪魔設定なのかが分からん
りなえもん設定寄りですね。仮に「悪いもの」の正体が原作と同じでも、りなりーはそれを知る術はないので、悪魔や女神は出てきません。
マジで好きだった
アニメ全編通して曲も好きだった
後半に行くほどどんどん面白くなる、長編アニメでは稀有な作品でしたね。
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