【長編SS】海未「移り変わる季節と」絵里「心模様」【ラブライブ!】

ラブライブ

【長編SS】海未「移り変わる季節と」絵里「心模様」【ラブライブ!】

1:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 21:56:20.64 ID:uSFBfTSb.net

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1  Saturday, Oct. 4th 16:00

絵里「―――心地よい秋晴れね」

海未「そうですね、暑さもすっかり引いて過ごしやすくなりました」

絵里「……それにしても、音の木坂の近くにこんな高台があるなんて知らなかったわ」

絵里「見晴らしが良いし、こんな晴れた日の散歩にはもってこいの場所ね」

海未「はい。小さい頃はよくことりと穂乃果と来たものです」

海未「三人だけの秘密基地ということにして、よく遊んでいました」

絵里「そうなんだ。思い出の場所なのね」

絵里「……でもそれなら、良かったの? 私に教えてしまって」

海未「はい、もう秘密基地なんて歳でもありませんし……」

絵里「うふふ、それもそうね」

 

3:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 21:59:00.15 ID:uSFBfTSb.net

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絵里(そのうち私も、穂乃果を誘って……)

絵里(こんな素敵な場所を、二人で散歩したいものだわ)

海未「……今、誰のことを考えていますか?」

絵里「えっ?」

海未「……想い人のこと、ですか」

絵里「い、いやあ、そういうわけじゃ……あはは」

絵里「高くから眺める街がきれいで見とれていただけよ」

海未「隠さなくても良いですよ……穂乃果のこと、ですよね?」

絵里「なっ……///」ドキッ

海未「ふふ、わかりやすい反応をありがとうございます」

海未「絵里が穂乃果のことを好きなのは承知しています」

 

4:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:03:23.13 ID:uSFBfTSb.net

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絵里「な、なんで……///」

海未「……それは、その……絵里のこと、よく見ていますから」

絵里「よく見てって……」

海未「私が今日、この場所を選んだのは……単に景色がきれいだからだけではなく、もうひとつ理由がありまして」

海未「この場所は、小さい頃のような素直さ、思っていることを口に出せる率直さを思い出させてくれる、そんな気がするんです」ニコッ

絵里「? ……素敵な話ね」

海未「少々飾った言い方をしてしまいましたが……今から伝える私の言葉で、あなたを困惑させてしまったら申し訳ありません」

絵里「……?」

海未「あなたが穂乃果を好いていると承知の上で、言わせてください」

絵里「えっ……」

海未「わたしは、絵里のことが……」

海未「……好きです――――――」

 

6:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:08:18.61 ID:uSFBfTSb.net

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2 Monday, Oct. 6th 15:30

キーンコーン カーンコーン

凛「よーし! やっと今日の授業も終わったにゃー!」

凛「かよちんかよちん! 今日は何してあそぶー?」

花陽「んーと、えへへ、そうだねえ……」

真姫「はあ。あんたたち、余裕そうね」

真姫「明日は英語の小テストがあるって言ってたわよ? ちゃんと勉強してるの?」

花陽「まあ、そこそこ……」

真姫「花陽はなんだかんだしっかりしてそうだからいいわ。凛よ、凛」

 

8:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:10:08.78 ID:uSFBfTSb.net

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凛「何を言うか、凛はね……」

凛「まったくやってないにゃっ!!」エヘン

真姫「威張っていうんじゃないわよ……」

凛「あーっ! じゃあ、いいこと思いついた!」

凛「真姫ちゃんの家でみんなで勉強すれば良いんだにゃー!」

凛「真姫ちゃんに教えてもらえば早いよね!」

真姫「はあ!? 勝手に決めないでよ!」

凛「あれ? 真姫ちゃんできないの~? 実は真姫ちゃんが一番やばいとか……」

真姫「そんなわけないでしょっ!! わかったわよ、教えてあげるわよ!!!」バン

凛(ちょっとちょろすぎないかにゃ~?)

 

9:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:12:36.64 ID:uSFBfTSb.net

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3 Monday, Oct. 6th 17:30

凛「えーと、この文は……関係副詞がここまでかかってるから……」カキカキ

凛「『ジェーンは昔からよく行く場所でナンシーに愛を伝えた』って意味だにゃ!」

真姫「うん、合ってるわ。飲み込みが早いわね」

花陽「すごーい凛ちゃん!」

凛「えへへ~、もっと褒めてほしいにゃ~///」

真姫「調子に乗るんじゃないの! ほらもう一文いくわよ!」

凛「えーっ、もう疲れたにゃ! ちょっと休憩~」ゴロン

真姫「んもう!」

花陽「あはは……」

 

12:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:14:38.12 ID:uSFBfTSb.net

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凛「ねえねえ真姫ちゃん、なんか面白い話してよー!」

真姫「はあ……そんなこといわれて急に浮かぶわけないでしょ」

真姫「凛は私への無茶ブリが過ぎるわよ」

花陽「確かに、いきなり面白い話はハードルが高いよね……」

真姫「……あっ、そういえば」

凛「なになに、あるのー?」

真姫「今朝、噂で聞いたにすぎないんだけど……」

凛「うん!」

真姫「この前、海未が絵里にね……」

花陽「わわわっ、真姫ちゃん、その話はっ!!!」

 

13:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:18:24.50 ID:uSFBfTSb.net

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真姫「告白したらしいわよ。好きだって」

花陽「………っっ!!!」

凛「…………」

真姫「まあ、フったみたいだけどね」

花陽「……り、凛ちゃん……」

凛「それ、本当なの?」

真姫「前置きした通り、ただの噂だってば。本人たちに聞かなきゃ真偽はわからないわ」

真姫「でも、火のないところに煙は立たないわね」

花陽「ちょっと真姫ちゃん、いい加減に……!!!」

真姫「なによ花陽、さっきからどうしたの?」

 

16:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:21:02.05 ID:uSFBfTSb.net

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凛「……かよちんは、知ってて凛に気をつかってくれたんだね」

花陽「あ、う、うう……」

凛「もしその話が本当だとしたら……全然面白くないにゃ」

真姫「なによ、凛が無茶ブリするからでしょ!」

花陽「真姫ちゃんお願い、これ以上凛ちゃんを辛くしないで……!」

凛「いいよかよちん、真姫ちゃんは悪くないって」

真姫「ど、どういうことなの……?」

花陽「えっと、その……」チラッ

凛「大丈夫、もうはっきり言うにゃ」

凛「……だって、凛は……」

凛「…………海未ちゃんのこと、好きなんだもん―――――」

 

17:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:29:41.76 ID:uSFBfTSb.net

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4  Wednesday, Oct. 8th 10:45

絵里「……」ソワソワ

希「どうしたん絵里ち? 今日は朝から落ち着きが無いなあ」

絵里「えっ、そ……そうかしら?」

希「元生徒会長、授業は集中して受けなあかんよ~」

絵里「わかってるわよ、もう……」

絵里(でも、穂乃果に放課後二人で話したいことがあるなんて言われたら……)

絵里(落ち着いてなんていられないわよ……)

希(……なんや絵里ち、ずいぶん嬉しそうやな……)

希(ちょっとタロットで占ってみようかな?)

パララララ

希(……正位置、塔のカード……意味は災害、崩壊、悲劇)

希(最も不吉と呼ばれるものをひいてしまったけど)

希(どうか、当たりませんように……)

絵里「~♪」

 

19:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:33:41.81 ID:uSFBfTSb.net

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5 Wednesday, Oct. 8th 16:00

穂乃果「……ごめんね、絵里ちゃん、急に呼び出しちゃって」

絵里「いいえ、全然構わないわ」

絵里「……それで、二人きりで話したいことって、何かしら……?/////」ソワソワ

穂乃果「まあまあ絵里ちゃん、そんなに焦らずに……」

穂乃果「とりあえずさあ、穂乃果の質問にひとつひとつ答えてくれない?」

絵里「質問? ええ、わかったわ」

穂乃果「……海未ちゃんに告白された?」

絵里「え、ええ!? なにをいきなり……」

穂乃果「いいから答えて」

絵里「うっ……ええ、された、わよ」

 

20:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:36:43.57 ID:uSFBfTSb.net

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穂乃果「……で? 今付き合ってるの?」

絵里「……いいえ、付き合ってないわ……」

穂乃果「フったってこと?」

絵里「いいえ、そもそも付き合ってと言われなかったから……」

穂乃果「じゃあなんて言われたのっ?」

絵里「あ、あの穂乃果、目が怖いわよ? どうしたの?」

穂乃果「…………」ジロッ

絵里「わかったわ、答えるから……」

絵里「えっと、絵里に好きな人がいることは分かっているので、交際を申し込むようなことはしませんが」

絵里「どうかこれからも、絵里のことが好きな私でいさせてください……みたいな感じよ」

穂乃果「……海未ちゃんの決死の告白を、『みたいな感じ』で済まさないで!」

 

22:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:43:54.30 ID:uSFBfTSb.net

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絵里「え、あ、ごめんなさい……?」

穂乃果「……で、なんて返したのさ?」

絵里「これからもよろしくね、って……」

穂乃果「……絵里ちゃん」

絵里「は、はい?」

穂乃果「見損なったよ」

絵里「……!?」

絵里「なっ、なんで……!?」

穂乃果「そんな期待を持たせたようなフり方、むしろ海未ちゃんが可哀想だよ」

 

23:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:46:26.36 ID:uSFBfTSb.net

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絵里「じゃあ、強く拒絶すればよかったの? そのほうが酷いんじゃ……」

穂乃果「……この先も付き合う可能性は無いって、しっかり言ってくれたら」

穂乃果「海未ちゃんが、穂乃果に振り向いてくれるかもしれないのに……っ!!」ギリッ

絵里「なっ、えっ、もしかして、穂乃果って……」

穂乃果「そうだよっ!! 私は海未ちゃんのことが好きなのっ!!」

穂乃果「海未ちゃんが絵里ちゃんと会うずーっと前から!!!」

穂乃果「なのに、横から入ってきて、海未ちゃんをたぶらかして……」

絵里「そ、そんないいかた……」

穂乃果「合ってるじゃん! もう絵里ちゃんなんて大嫌いっ!!」

 

24:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:49:03.40 ID:uSFBfTSb.net

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絵里「あ……ああ……そ、そんな……」

絵里「わ、私は……穂乃果のことが……好き、なのに……」プルプル

穂乃果「……え?」

絵里「はっ!?」

絵里「えっと、い、今のは……///」

穂乃果「……海未ちゃんのセリフの中で出てた、絵里ちゃんの好きな人って……」

穂乃果「ふーん♪ なるほどね……」

絵里「な、なるほどって、なに、が……」

穂乃果「さっきは嫌いなんて言ってごめんね絵里ちゃん」

絵里「……?」

穂乃果「だから、穂乃果の頼み、きいてほしいんだけど……♪」ニヤッ

 

27:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 22:57:05.36 ID:uSFBfTSb.net

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6 Wednesday, Oct. 8th 16:10

凛「あれは……絵里ちゃんと穂乃果ちゃん?」

凛「こんなところで何を話してるんだろう……」

穂乃果『そうだよっ!! 私は海未ちゃんのことが好きなのっ!!』

穂乃果『海未ちゃんが絵里ちゃんと会うずーっと前から!!!』

凛「!?」ビクッ

凛(穏やかでないみたいだにゃ……)

凛(穂乃果ちゃんがあそこまで激昂してるの初めて見た)

凛(……そっか、やっぱり、穂乃果ちゃんも海未ちゃんを……)

絵里『わ、私は……穂乃果のことが……好き、なのに……』プルプル

凛(……!)

凛(随分と複雑な展開だにゃ)

 

29:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 23:01:09.75 ID:uSFBfTSb.net

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穂乃果『さっきは嫌いなんて言ってごめんね絵里ちゃん』

穂乃果『だから、穂乃果の頼み、きいてほしいんだけど……♪』ニヤッ

絵里『たの、み……?』

穂乃果『うん、簡単だよ……とりあえず、しばらく海未ちゃんとの接触禁止ね』

穂乃果『もちろん物理的な接触だけじゃないよ。会話も』

凛(!? 何を言い出して……)

絵里『そっ、そんな……無理よ、そんなの!』

穂乃果『できないと、穂乃果、絵里ちゃんのこと嫌いになっちゃうよ』

絵里『えっ……あ、う……』

凛(そうか、惚れた弱味につけこもうとしてるんだにゃ)

凛(まず海未ちゃんと絵里ちゃんを引き離そうって魂胆か……)

凛(こんなメンバー同士のいさかいなんて見たくなかったけど)

凛(穂乃果ちゃんもそれだけ本気で海未ちゃんのことを……)

 

33:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 23:05:14.10 ID:uSFBfTSb.net

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穂乃果『大丈夫! μ’sに関する事務的な話なら最低限は許してあげる!』

穂乃果『ただし、穂乃果の前だけね……わかった?』

絵里『…………』

穂乃果『……早く、返事』

絵里『はい……』

穂乃果『ありがとっ! 絵里ちゃん大好きだよっ!』ニコッ

穂乃果『じゃ、また放課後で! 今日の練習も頑張ろうね♪』タタッ

絵里『……え、ええ……』

絵里『…………穂乃果ぁ……』

凛(……凛も海未ちゃんを諦めるつもりはないにゃ)

凛(この状況、どう動くべき……?)

 

34:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 23:10:35.34 ID:uSFBfTSb.net

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7 Wednesday, Oct. 8th 16:20

絵里「…………穂乃果ぁ……」

絵里「こんな、の……いやよ……」グスッ

凛「……え~りちゃん」

絵里「!」ビクッ

絵里「凛……」

絵里「な、なにしてるの、こんなところで」ゴシゴシ

凛「ごめんね、たまたま通りかかったら、話が聞こえちゃったの」

絵里「えっ、話って……今の、聴いてたの!?」

凛「うん、大変なことになっちゃったね」

絵里「…………」

凛「大丈夫、凛は絵里ちゃんの味方だにゃ! 絵里ちゃんの恋を応援するよ」

絵里「……本当に?」

凛「もちろん!」

 

35:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/05(木) 23:13:56.89 ID:uSFBfTSb.net

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凛「でもとりあえず、穂乃果ちゃんを安心させるために、数日だけ海未ちゃんと一定の距離を置いた方がいいかも」

絵里「……やっぱり、そうなのかしら……」

凛「でも、μ’s内でゴタゴタしないように、その点はしっかり凛がサポートするにゃ」

凛「あと、辛くなったらいつでも凛に相談していいから」ニコッ

絵里「……凛」

凛「にゃ?」

絵里「ありがとう……」

凛「どういたしまして♪」

凛(凛が絵里ちゃんの味方をして、たぶん悪いことは無いよね?)

凛(それに、絵里ちゃんと海未ちゃんの接触を切るのはある程度は賛成だけど)

凛(穂乃果ちゃんがあまりに絵里ちゃんに圧力をかけて、絵里ちゃんの気持ちが海未ちゃんに移ったりなんかしたら大変だにゃ)

凛(とりあえず、しっかり見張ってないと……)

 

52:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 22:41:23.84 ID:ccptzD2L.net

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8 Friday, Oct. 10th 17:30

海未「はい、皆さん綺麗なダンスだと思います」

海未「今日の練習はここまでにしましょうか」

花陽「ふう、疲れました……」

凛「でもかよちん、前と比べて体力もついたし、かなりキレが出てきたよね!」

花陽「えへへ、そうかなあ……? 半年間の成果だね」

凛「うん! 半年……か」

凛(凛と海未ちゃんも、会ってまだ半年……)

凛(絵里ちゃんがうまく穂乃果ちゃんと付き合えれば最高なんだけど)

凛(もし、海未ちゃんが絵里ちゃんを完全に諦めたときに、海未ちゃんの立場から考えると)

凛(たぶん凛より付き合いの長い穂乃果ちゃんが一歩有利……だよね)

凛(頑張らなくちゃ……っ!)

 

53:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 22:45:47.73 ID:ccptzD2L.net

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海未「絵里、明日のご予定はいかがですか」

海未「その、もしよろしければ……また一緒に、お出かけなど……///」ソワソワ

絵里「えっ、ああ、それは素敵なお誘いだけど……」チラッ

穂乃果「……」ジー

絵里「うっ……」

絵里「ごめんなさい……明日は用事があって……」

海未「……そう、ですか」シュン

海未「では、せっかく3連休なので、祝日の月曜など……!」

絵里「そっ、その日も……亜里沙と2人で約束をしていて……」

 

54:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 22:55:26.12 ID:ccptzD2L.net

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海未「……すみませんでした、お忙しいのに、毎週のように誘ってしまって……」

絵里「いえいえ、全然構わないわ、是非また誘ってね……」

海未「はい! よろしくお願いします!」パアァ

穂乃果「…………」ジロッ

絵里「…………」ブルブル

絵里(また海未に期待を持たせるようなことを言ってしまった……)

絵里(本来すごく自然な会話のはずなのに)

絵里(つらいわ、こんなの……)

 

56:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 22:58:16.56 ID:ccptzD2L.net

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凛「海未ちゃーん! それなら、明日は凛と遊ばない?」

穂乃果「!!」

絵里「えっ……」

絵里(まさか、凛……穂乃果からの責めを肩代わりしてくれるために?)

絵里(なんていい人なの……)

海未「凛……ですか? ええ、構いませんけど、珍しいですね」

凛「うんっ! 約束だにゃ~♪」

穂乃果「じゃ、じゃあ、月曜日は穂乃果とっ!」

海未「え? ええ、わかりました……」

海未「ふふふ、人気者になった気分です」

真姫「みんな一緒に遊べばいいじゃない、もう……」

 

58:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:03:39.55 ID:ccptzD2L.net

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海未「では、月曜日、ことりもいかがですか?」

ことり「えっ!? 私は……うーん……」チラッ

穂乃果「……」サッサッ

ことり(あれは、どっちでもいいよ、のサイン!)

ことり(どうしようかな、日曜には予定が入ってるんだけど……)

ことり「うん、じゃあことりも入れてもらおうかな♪」

海未「はい、ではそうしましょう」

海未「凛、明日の詳細については今夜、メールででも話しましょう」

凛「わかったにゃ~♪」ルンルン

穂乃果(……凛ちゃん、まさか……)

穂乃果(いや、さすがに考えすぎかな……)

 

59:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:15:58.44 ID:ccptzD2L.net

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9 Saturday, Oct. 11th 13;00

真姫「いらっしゃい、待ってたわよ」

にこ「お邪魔しまーす」

希「お邪魔するで~」

真姫ママ「あら、今日は二人なのね」

真姫「うん。お茶菓子を3人分おねがい」

真姫ママ「うふふ、わかったわ」

真姫「大したおもてなしもできないけど、どうぞくつろいで」

にこ「ありがとにこ~♪」

真姫「……で、どうしたの、希? 私たちに話しておきたいことがあるって」

希「……いや、そんなにかしこまって話すようなことではないんよ……たぶん」

にこ「たぶん?」

 

60:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:22:56.43 ID:ccptzD2L.net

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希「いやな、ちかぢか……人間関係においてトラブルが起きる気がするんよ」

真姫「人間関係って……μ’sの?」

希「うん。まあ、ウチが知ってる少しの情報と、占いでの結果から予測しただけなんやけど……」

にこ「なによ、曖昧な言い回しが多いわね。具体的にどうなるのよ」

希「……なんとも言えん」

真姫「じゃあ、希の知ってる少しの情報っていうのを聞かせてよ」

希「うん。他言せんように頼むで……」

希「まあ、簡単な話なんやけど、海未ちゃん、絵里ち、穂乃果ちゃんの三角関係は知ってる?」

にこ「???」

真姫「……一方通行の三角関係ね」

希「その通りや。にこっちは何も知らんみたいやなあ」

 

61:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:26:52.23 ID:ccptzD2L.net

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にこ「ちょっと! なんで部長の私が何も知らないのよ!」

希「まあ、それはタイミングの問題やろ……たぶん」

にこ「話を聞きながら理解していくから良いわよ」

にこ「つまり、海未が絵里を好きで、絵里が穂乃果を好きで、穂乃果が海未を好きなの?」

希「うん、理解が早くて助かるわ」

希「今までその状態で、三すくみで留まっていたんやけど……最近ついにひとつ動きが現れた」

にこ「……」

真姫「……海未の告白」

希「ザッツライト、真姫ちゃんも情報通やね」

真姫「にこちゃんが知らなすぎるだけよ……」

にこ「うるさい!」

希「恐らく海未ちゃんとしては、ケジメをつけるくらいの意味合いだったんや」

希「だけど、それを知った穂乃果ちゃんは……何もせずにはいられなかった」

 

62:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:31:38.21 ID:ccptzD2L.net

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10 Saturday, Oct. 11th 13:10

雪穂「おねーちゃん、3連休だからって昼にゴロゴロしてないで、店番手伝ってよー」

雪穂「最近ずっと私がやってるじゃん!」

穂乃果「えーっ、やだ~ マンガ読みたいんだも~ん」グダグダ

穂乃果「だいたい、先月のお彼岸でおまんじゅうのピーク過ぎたじゃん!」

雪穂「それでもやることはあるでしょ、今日はお母さんいないから大変なの!」

穂乃果「ん~もうちょっとしたら下に行くよ~」

雪穂「まったくもう! 私、月曜日は亜里沙と遊ぶ予定入れたからよろしくね」

穂乃果「ええっ! ダメだよ、穂乃果だって海未ちゃんたちと予定入れたもん!」

雪穂「またタイミング悪い……じゃあ2人ともいないってお母さんに言っておいてよ」

穂乃果「んー、それくらいならやっとく~」

 

63:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:34:22.11 ID:ccptzD2L.net

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雪穂「じゃあ、私店に戻るから」

穂乃果「…………」

穂乃果「ねえ、待って雪穂」

雪穂「ん?」

穂乃果「……日曜日、亜里沙ちゃんと遊ぶの?」

雪穂「うん、そうだけど?」

穂乃果(なるほど、絵里ちゃん嘘ついてまで海未ちゃんの誘いをかわしてくれたんだね……)

穂乃果「どこで?」

雪穂「新宿だけど……なんでそんなこと聞くの?」

穂乃果「ふーん、いや、なんでもないよ、ごめんね引き留めて」

穂乃果「後でもっと詳しく聞かせて」

雪穂「? 変なの……」

穂乃果「…………月曜日、新宿か」

穂乃果「なるほどね……」ニヤッ

 

65:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:46:54.51 ID:ccptzD2L.net

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11 Saturday, Oct. 11th 13:30

にこ「まあ穂乃果がそんな簡単に諦めるわけないわね」

希「せやね。だけど……やり方に問題がある」

真姫「どういうこと?」

希「ここからはあくまでウチの推測や。自信はあるけどな」

希「海未ちゃんが絵里ちに告白したことを知り、穂乃果ちゃんは絵里ちに嫉妬した」

希「そこで、絵里ちを呼び出して……海未ちゃんと関わるな、こう言ったんや」

希「言うことを聞かないと嫌いになっちゃうぞ、って」

にこ「……本気ね」

にこ「あの穂乃果がそんなことを……」

希「想い人の穂乃果ちゃんに嫌われるのを恐れ、絵里ちは断れない」

 

67:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:49:12.08 ID:ccptzD2L.net

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真姫「そういうものかしら」

真姫「って待ってよ、結局は希の想像での話でしょ?」

希「まあな。でも何の確信も無くこんな想像はしないし、わざわざ二人を呼び出して話もしない」

希「水曜日、絵里ちゃんが穂乃果ちゃんに呼び出された前後で、テンションが180°変わってたのは事実やし」

希「ここ数日、絵里ちは海未ちゃんと話すとき、穂乃果ちゃんの視線ばっかり気にしてた」

希「なんとなく海未ちゃんを避けてる感じがしなかった?」

真姫「……うーん、そう言われてみれば……」

にこ(えっ? そうなの?)

 

68:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:52:03.02 ID:ccptzD2L.net

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希「たぶん穂乃果ちゃんは、海未ちゃんに絵里ちへの好意を冷まそうとさせてる」

希「この先もどんな手を使うかわからん。お人好しのことりちゃんにも圧力をかけてるみたいやしな……」

にこ「ええ……嘘でしょ」

希「嘘だと良いんやけどな……」

真姫「それで、希は何を憂いてるの?」

希「もちろんμ’s内でのトラブルや。9人でのグループで憎悪が連鎖するのはアイドル活動上避けたい」

希「単純に仲間たちに喧嘩してほしくないしな」

にこ「まあ、一番の問題は穂乃果ってことね」

希「……それはどうなんやろ」

にこ「えっ?」

 

69:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/06(金) 23:57:42.00 ID:ccptzD2L.net

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希「危惧すべきはその3人だけじゃなくなったんよ」

にこ「……どういうことよ」

希「たぶん、凛ちゃんが動き出すと思う」

真姫「なっ……どうしてわかるのよ」

希「凛ちゃんも、海未ちゃんのこと好きやん?」

真姫「……はあ、なんでもお見通しね。私だって最近知ったのに」

希「ごめん、今のはカマをかけさせてもらったわ。やっぱりそうなんやね」

真姫「ヴエェ!? ……敵わないわね」

希「昨日、珍しく凛ちゃんが海未ちゃんをデートに誘ってたから、そうかなって思っただけや」

にこ(絶対それだけじゃないわね……)

希「もっとも、穂乃果ちゃんみたいな強行手段に出るかはわからんけどな」

 

70:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:09:14.29 ID:Ug5EJPPO.net

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12 Saturday, Oct. 11th 13:50

凛「海未ちゃーん、こんにちはにゃー!」ダダダ

海未「はい、こんにちは」ニコッ

凛「海未ちゃん早いね、凛も早く出てきたつもりなのに……」

海未「はい、いつも待ち合わせには早く来てしまうタチなので」

海未「凛も素晴らしいですね、まだ集合時刻の10分前なのに」

凛「えへへ、いつも厳しい海未ちゃんに褒められると照れちゃうにゃ~///」

海未「いつも厳しい……ですか。最近は優しくしているつもりなのですが」

凛「凛はどっちの海未ちゃんも好きだよ?」

海未「ふふ、ありがとうございます」

凛(流れにまかせて、好きって言っちゃったにゃ……///)

海未(凛のような元気な妹がいたら、我が家がもっと楽しくなるかもしれませんね)

 

73:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:17:32.33 ID:Ug5EJPPO.net

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海未「さて、珍しく凛と二人きりですが、何をしましょうか」

凛「海未ちゃん、実は凛、新しく服を買おうと思ってるの」

凛「それで、女の子らしい服を海未ちゃんに選んでほしくて……///」

海未「女の子らしい服……ですか?」

海未「そんなの、私に務まるかどうか……」

凛「務まるよ! 凛ね、いつも海未ちゃんの服のセンス良いなあって思ってるにゃ!」

海未「ええ!? 褒めても何も出ませんよ……///」

凛「凛も、海未ちゃんみたいな可愛い服を着てみたくて……」

凛「だから、その……お洋服屋さんに、つきあってくれる?」

 

74:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:22:39.44 ID:Ug5EJPPO.net

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海未「はい。本当に私でよろしければ」ニコッ

凛「えへへ……///」

凛(今度は付き合ってって言っちゃったにゃ!)

凛「海未ちゃんはいつもどこで服を買ってるの?」

海未「そうですね、決まっていつも同じではないですが……銀座のデパートなど、たまに利用しますよ」

凛「なるほど! じゃあそこまでお散歩しながら行くにゃー!」

海未「まあ、歩いていけない距離ではないですが……」

凛「海未ちゃんとおしゃべりしながらお散歩したいの!」

海未「わかりました、これも鍛錬のひとつですね、ふふふ」

 

77:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:28:39.15 ID:Ug5EJPPO.net

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13 Saturday, Oct. 11th 14:00

希「穂乃果ちゃんは、普段明るく優しくウチらを引っ張ってくれるとってもいい子なんやけど」

希「海未ちゃんの話になると別や……重々承知しておいてな」

にこ「そうね……今度は凛が穂乃果と対立するかもしれないのね」

希「その可能性は大きいなあ、もはや全く不和を生まないのは不可能に近い」

希「表面だけでなく、心から仲の良いグループとして、ラブライブ優勝を目指したいものや」

真姫「……ひとつ確認なんだけど」

希「うん?」

真姫「どうして私とにこちゃんにその話を打ち明けたの?」

真姫「もし私たちが希の知らないところで当事者になってたら、あなたの立場が危なくなるかもしれないわよ」

 

79:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:34:31.88 ID:Ug5EJPPO.net

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希「……これもウチの推測でしかなかったんやけど」

希「にこっちと真姫ちゃんは、たぶん巻き込まれる心配ないやろ?」

にこ「どういう……意味よ」

希「最後まではっきり言わんとあかんの?」

希「さっき真姫ちゃんのママも言ってたで……今日は二人なのね、って」

にこ「……もう何も言わないわ」

にこ「一応内緒にしてるつもりだから、広めないでおいてね」

希「わざわざ言いふらしたりはせえへんよ」

真姫「はあ……私とにこちゃんみたいに、みんながみんな」

真姫「お互いを好きになれたなら、どんなに幸せだったか……」

にこ「そ、そうね……」

にこ(希に勘付かれていたなんて迂闊だったわ……)

にこ(大丈夫、まだ全部はバレてない―――)

 

80:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:39:32.59 ID:Ug5EJPPO.net

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14 Saturday, Oct. 11th 15:30

シャッ

凛「え、っと……どうかな?」

海未「はい、女性らしいデザインの一方で、凛の元気さも見られて、よくお似合いですよ」

凛「海未ちゃん、褒めてくれるのは嬉しいんだけど、そんなに店員みたいに褒めてばっかりじゃ……選べないにゃ……///」

海未「そうですか……しかし、どの服も絶妙に凛の可愛らしさを引き立てているので、甲乙つけがたいですね」

凛「か、かわいらし……」

凛「もう! 真顔でそんな恥ずかしいこと言わないでっ!///」

凛(自然に言ってるのが恐ろしいにゃ……穂乃果ちゃん以外にライバルがいっぱいいてもおかしくないよ)

 

81:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:43:31.03 ID:Ug5EJPPO.net

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海未「やはり、凛が自分でよく似合っていると思うものを買えば良いと思いますよ」

凛「むむむ……じゃあ……」

凛「こっち……かな」

海未「はい。私もそう思います」

凛「ええ!? じゃあそう言ってよー!!!」

海未「ふふふ、すみません。やっぱり最後は凛自身に選んで欲しかったものですから」

凛(どうせ何を選んでもそう言っただろうってわかってるのに)

凛(好みが一致したことで素直に嬉しくなっちゃうにゃ)

海未「では、ちょっとその服を渡してもらっていいですか?」

凛「?」ヒョイ

 

82:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:46:14.98 ID:Ug5EJPPO.net

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海未「凛、少し早すぎるかもしれないですが、もうすぐ誕生日でしたよね」

海未「この服は私からのプレゼントにさせてください」

凛「ええっ!? そんなの悪いにゃ!」

海未「誕生日プレゼントを遠慮することはないでしょう」

海未「あと、私とあなたで一緒に選んだ思い出の意味でも……良いかと思います」ニコッ

凛「うっ……/// 海未ちゃんが良いなら……」

海未「ありがとうございます、ではぜひ」

凛(ああもう! こんなに凛の心を弄んで、ずるいにゃずるいにゃ!!)

凛(絶対に海未ちゃんを振り向かせて……恋人同士になってやる)

凛(絵里ちゃんにも穂乃果ちゃんにも、絶対渡さないんだ……!!!)メラメラ

凛(どんなことをしてでも!)

 

84:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:56:39.64 ID:Ug5EJPPO.net

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15 Sunday, Oct. 12th 12:00

凛「それでね、海未ちゃんに服を買ってもらっちゃったの」ズルズル

花陽「良かったね凛ちゃん!」モグモグ

花陽「でも、今着てるやつ……じゃないよね?」モグモグ

凛「うん! これはもとから持ってるやつだよ」

凛「本当は今日も着てきたかったんだけど、ラーメンのスープ飛ばしたりするの怖いからやめておいたにゃ~」

花陽「なるほどね。賢明だと思うよ」

凛「うん、だからその服は、次のデートに持ち越しだにゃー」

凛(デートなんて言っちゃったにゃ……///)カアァ

花陽「自分で言って自分で照れちゃってるね」

凛「うん、昨日からこんなのばっかりだにゃ」

凛「海未ちゃんがその気分にさせるの上手いから、つい凛も舞い上がっちゃうよ」

 

87:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 00:59:06.43 ID:Ug5EJPPO.net

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花陽「確かに、だから海未ちゃんモテるよね」

花陽「私たちのクラスの一部でもファンクラブみたいなの結成されてるみたいだし」

凛「そうなの!? ますます闘志に火が付くにゃ~!」

花陽「凛ちゃんなら大丈夫! きっと上手くいくよ」

花陽「実は私、メンバーの中でも凛ちゃんが一番魅力的だと思ってるもん」

凛「えへへ、ありがと! お世辞でも嬉しいにゃ」

凛「もぐもぐ……ごくん、ふぅ、ごちそうさま!」

花陽「今日はいきなりご飯誘っちゃってごめんね?」

凛「ううん! 嬉しかったよ」

凛「でも午後から家族と出かけるから、この後は遊べないにゃ」

花陽「じゃあ、また火曜日に会おうね」

凛「うん! また学校でね!」

 

88:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 01:03:48.03 ID:Ug5EJPPO.net

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花陽「じゃあね……」

花陽「…………くっ」ズキン

花陽「胸が苦しい、けど……」

花陽「私は凛ちゃんの恋を…………応援するって決めたんだ……」

ダダダダダッ

花陽「ん?」

花陽「今、誰かが猛スピードで逃げていったような……?」

 

89:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/07(土) 01:08:23.29 ID:Ug5EJPPO.net

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にこ(あぶなっ! もう少しで花陽と凛に見られるところだったわ……)ハァハァ

にこ(昨日、希に真姫と付き合ってるって知られちゃったし、これ以上どっちの関係も知られるわけにはいかないものね……)

ことり「いきなり走りだしてどうしたの、にこちゃん?」

にこ「あはは、なんでもないのよ」

ことり「じゃ、次はどこに行こっか♪」ギュッ

にこ「そうね、秋葉原のアイドルショップにでも付き合ってもらおうかしら」

ことり「うん! もちろんいいよ」

ことり「にこちゃんの行きたいところがことりの行きたいところです!」

にこ「ふふん、可愛いわよ、ことり」

ことり「えへへ……///」

 

106:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:08:46.67 ID:jxP88NaW.net

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16 Monday, Oct. 13th 13:30

海未「新宿とは珍しいですね、久しぶりに来ました」

ことり「うん! 秋葉原駅集合っていうのも新鮮だったよね」

穂乃果「えへへ、いつも誰かの家ばっかりだったから、3連休の最終日くらいパーっとね!」

ことり「穂乃果ちゃん、観たい映画があるんだっけ?」

穂乃果「うん! ベイ○ックスってやつ!」

海未「最近話題ですもんね、あの白いの」

穂乃果「だから流行には乗っておこうかと思ってね」

穂乃果(もちろんそれが本来の目的じゃないけどね)

海未「なるほど、私も見てみたいと思っていました」

穂乃果「よかったー♪ 行こっ、海未ちゃん!」ギュッ

 

107:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:11:32.85 ID:jxP88NaW.net

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海未「わざわざ手を繋がなくても……」

穂乃果「だめ?」ウルウル

海未「……はいはい、仕方ないですね」ギュッ

穂乃果「えへへ///」

ことり「…………」

ことり(昔なら私もここで手を繋ぎにいったんだけどなあ……)

ことり(最近、穂乃果ちゃんの嫉妬が怖くて下手に動けないや)

ことり(絵里ちゃんってライバルが出たことでさらにピリピリしてるみたいだし)

ことり(難しい立場だな……はあ)

ことり(幼馴染面子はこれはこれで楽しいけど、昨日のデートはもっと楽しかったな……なんて考えちゃダメか)

 

108:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:21:01.23 ID:jxP88NaW.net

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海未「そういえば、一昨日は凛と二人で買い物に行ってきたんですよ」

穂乃果「……ふうん、そういえばそうだったね」

ことり(あわわ!)

海未「女の子らしい服が欲しいということだったので、一緒に選びました」

海未「もうすぐ誕生日ってこともあり、一番似合っているものをプレゼントしてあげたのですが」

海未「異様なまでに感謝してくれました……顔を赤らめている凛も可愛らしかったですね」

穂乃果「……そうなんだ。良かったね」ピクピク

ことり(全然良かったって顔してないよ!!!)

ことり「う、海未ちゃん穂乃果ちゃん!」

ことり「見てあのビル、すごく大きいね! なんの建物か知ってる?」

海未「えっ、なんですかいきなり……ドコモタワーでは?」

穂乃果「そうなんだ! 知らなかったよ~」

 

109:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:24:42.38 ID:jxP88NaW.net

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海未「ずっと東京で暮らしてきたのに、知らなかったんですか?」

ことり「ちなみにね、あれは大きいけど本社じゃないんだよ!」

ことり「あと、2011年までは世界一高い時計台でね……ペラペラ」

海未「……ほう、そうなんですか、勉強になりました」

穂乃果「穂乃果もー! ことりちゃん物知りだねっ!」

ことり「うん、まあね……」

ことり(なんとか話を完全にそらせたよ)

ことり(凛ちゃん、これから大丈夫かな……)

穂乃果(凛ちゃん、大丈夫じゃないね……)

穂乃果(どうして横から割って入ろうとする輩が多いんだろ)

穂乃果(早急に手を打たねばならぬ)

海未「ん、どうしたんですか穂乃果……怖い顔してますよ」

穂乃果「そ、そんなことないよっ! ファイトだよっ!」

海未「そうですか……ならいいのですが」

 

111:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:32:31.23 ID:jxP88NaW.net

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亜里沙「ハラショー! 新宿という場所は音の木坂より人が多いね!」

雪穂「うん、新宿駅の乗降者数は世界一だからね」

亜里沙「日本人はなぜこうも狭いところに集まりたがるのか……不思議です……」

雪穂「あれ? 今聞きなれた声がどこからか……」

亜里沙「雪穂、はやくベイ○ックス観に行こうよ!」

雪穂「ん、うん……」キョロキョロ

ことり(……あれ、あそこにいるのって……雪穂ちゃんと亜里沙ちゃん?)

ことり(亜里沙ちゃん、今日は絵里ちゃんと用事があるはずじゃ……)

ことり(とりあえず声をかけて来ようかな?)

 

112:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:34:12.76 ID:jxP88NaW.net

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穂乃果「えーっと……」キョロキョロ

海未「何をキョロキョロしているんですか?」

穂乃果「うん、ちょっとね……」

穂乃果(雪穂たちと映画館前で出くわす算段だったんだけど、見つからないなあ……)

穂乃果(まあ本来は偶然を装う必要もないし、後で連絡して落ち合おうっと)

穂乃果(私が『絵里ちゃんは嘘ついてたんだよー』って言うより)

穂乃果(海未ちゃんと亜里沙ちゃんが直接会ったほうが良いもんね!)

ことり(……待てよ)

ことり(なんで絵里ちゃんはあの時嘘をついたんだろう?)

ことり(言えない用事があったのか、それとも……)

ことり(……まさか、穂乃果ちゃん……)

ことり「よーし、穂乃果ちゃん、海未ちゃん、早く映画館いこっ!」

ことり「良い席とられちゃうよ!」

海未「そうですね、映画を観に来て、映画を楽しめなかったら台無しです」

穂乃果「う、うん……そうだね……」

 

113:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:41:43.37 ID:jxP88NaW.net

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17 Monday, Oct. 13th 16:00

『そんなの嫌だ。△△に続いてベイ○ックスまでも失いたくない!』

『××、わたしはいつでも××と一緒です』

穂乃果「……うわーん」ドバーッ

ことり「……うう、ええん……」ゴシゴシ

海未「すみません、私はちょっとトイレに……」ガタッ

穂乃果「薄情者っ!?」

海未「仕方がないでしょう……これでも我慢したほうなのです」

穂乃果「すぐ戻ってきてね?」

海未「はい……良いシーンですしね」

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海未「ふう、スッキリしました、早く戻りましょう」タタッ

ドン

海未「わっ」

 

114:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:45:21.66 ID:jxP88NaW.net

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亜里沙「きゃあっ、すみま、せ……って」

亜里沙「海未さんじゃないですか!? ハラショー!」

海未「亜里沙! 何してるんですか、こんなところで?」

亜里沙「何してるって……映画館では映画を観ますし、トイレでもすることは決まってますよ!」

海未「うっ、そうですね……すみません」

海未「よろしければ後で絵里も交えて、みんなで感想を語り合いましょう」

亜里沙「いえ、今日はお姉ちゃんじゃなくて、雪穂と来ているんです!」

海未「……え? 絵里と二人で用事があったのではないのですか?」

亜里沙「いいえ、今日は初めから雪穂との約束でしたよ! たぶんお姉ちゃんは家でひとりでお留守番してます」

亜里沙「では、失礼します!」

海未「……ひとりで、お留守番……??」

海未「…………」

海未(嘘をついてまで、教えたくない用事があったのでしょうか)

海未(それとも……もしかして……)

 

115:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:50:31.34 ID:jxP88NaW.net

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18 Monday, Oct. 13th 17:30

ガタンゴトン

海未「……」シュン

ことり(まさかバッタリ会うなんて油断した……)

雪穂「もう、ビックリしたよ! お姉ちゃんも同じ映画見てるなんて」

雪穂「私たちに合わせたの?」

穂乃果「うん! 雪穂が新宿に映画見に行くって言ってたから、穂乃果も久しぶりに映画観たいなって思ってね」

雪穂「だいたい途中で寝ちゃうのにね……」

ことり(やっぱり、雪穂ちゃんから情報を得た穂乃果ちゃんの作戦……!)

ことり(もう絵里ちゃんに手を回していたってことなんだ)

ことり(絵里ちゃん、弱味か何か握られてるのかな……?)

 

117:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:53:38.77 ID:jxP88NaW.net

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穂乃果「でも今日のは面白かったからちゃんと最後まで見たもん!」

穂乃果「大泣きしちゃったよ~、ね、ことりちゃん!」

ことり「う、うん、そうだね! ティッシュなくなっちゃったよ~」

穂乃果「海未ちゃんはどうだった?」

海未「……まあまあ、ですかね……」

穂乃果「そっかー、じゃあ今度は海未ちゃんの要望も聞いてから映画見に行こう!」

海未「……ありがとうございます」

穂乃果(うふふふふ、いい感じに弱ってる……♪)

穂乃果(ここで穂乃果が支えになってあげれば、私の株が上がるよね!)

ことり(確かに穂乃果ちゃんの恋を応援するって言ったけど)

ことり(本当にこれを黙って見ていて良いのか、疑問だよ……穂乃果ちゃん……)

 

118:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 22:58:25.71 ID:jxP88NaW.net

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19 Friday, Oct. 17th 17:30

絵里「っ、はぁ、はあ……」

絵里「練習が終わってすぐに走って出てきちゃったわ」

絵里(穂乃果と海未の邪魔をしないように……)

海未「……絵里」

絵里「はい……う、海未!?」

絵里「な、何かしら?」キョドキョド

絵里(近くに穂乃果はいないわよね……)

海未「月曜、新宿で亜里沙と会いました」

絵里「あら、そう……確かに新宿に行くって言ってたわね」

絵里「……はっ!!」

 

119:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:04:03.47 ID:jxP88NaW.net

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海未「……なぜ私の誘いを断るとき、嘘をついたのですか」

海未「どんな理由であれ、正直に言ってくださればよかったのに……」

絵里「えっ、あ、それは……その」オロオロ

絵里「ごめんなさい……」

海未「何か言えぬ事情があったのだろうと信じようとしたのですが」

海未「ここ数日、挨拶もそっけないですし、会話中に目を合わせてくれませんし……」

海未「……申し訳ありません、私が告白なんてしたから……」ウルウル

海未「絵里が私を……避けるようになったのですよね……」ポロ…

絵里「ち、ちがうっ!! そんなことはないわ!」

海未「うっ、ひうっ、ごめ、んなさ……あ、ううう」ポロポロ

絵里「ちょっと海未、落ち着いて!」

海未「……好きになってもらわなくて良いので、どうか、どうか」

海未「嫌いにならないでください……お願い……」

 

120:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:08:10.90 ID:jxP88NaW.net

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絵里「大丈夫よ! 全然嫌ってないわ、安心して!」

海未「……本当ですか……?」

絵里「もちろん、当たり前でしょう!?」

海未「……では、ひとつだけわがままを言わせてください」

絵里「え?」

海未「私を嫌ってない、その証拠に……今回だけで良いので……」

海未「頭を撫でてくれませんか……?」

海未「……その……憧れていたので……///」

絵里「なんだ、それだけのこと……」

絵里「良いわ、頭を下げて」

海未「……はい……///」

絵里「まったく、変に心配しちゃって……」スッ

ジー…

絵里「!?」ゾクッ

 

121:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:10:21.41 ID:jxP88NaW.net

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絵里「う……あ……」ブルブル

絵里(この視線、尋常じゃない……!)

絵里(そっと、そっと……)チラッ

穂乃果「…………」ギリッ

絵里「!!!」

海未「あ、あの……絵里? まだ、でしょうか……///」

絵里「……ごっ……」

絵里「ごめんなさい、海未……やっぱりまた、今度で……」

海未「なっ……」

海未「なん……で……」

絵里「ごめんなさいっ!!!」ダーッ

海未「……」ドサッ

海未「や、はり……私はっ……」ポロポロ

海未「もう……嫌われてしまって……」

 

122:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:24:53.99 ID:jxP88NaW.net

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20 Friday, Oct. 17th 18:00

絵里LINE『穂乃果、さっきのは違うの!』

絵里LINE『決して海未に思わせぶりな態度をとるつもりなんてなかったわ』

穂乃果LINE『わかってるよ、絵里ちゃん』

穂乃果LINE『信じてるからね♪』

絵里「…………」

絵里「……私は、好きな人の……穂乃果の」

絵里「言う通りにしていればいいの」

絵里「そう、よね……?」

 

123:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:40:31.37 ID:jxP88NaW.net

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21 Monday, Oct. 20th 18:00

絵里(さて、今日もそそくさと退散を決め込んで……)

ことり「……絵里ちゃん、ちょっと話があるの」

絵里「えっ?」

ことり「ちょっと、二人きりになってもらって良いかな」

絵里「ことりが……?」

.

ことり「……絵里ちゃんはさ」

ことり「このままでいいと思ってるの……?」

絵里「……」

絵里「なんのことかしら?」

絵里「ちょっと、あなたの言ってる意味が取れないのだけれど」

ことり「……私の勘違いだったらごめんね」

ことり「穂乃果ちゃんに、脅されてる?」

 

124:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:44:11.65 ID:jxP88NaW.net

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絵里「……っ」

ことり「脅されてるなんて言い方じゃ肯定しにくいかな」

絵里「どこまで、わかってるの……?」

ことり「私もね、穂乃果ちゃんに、海未ちゃんとの必要以上の接触をしないよう言われてるの」

ことり「最初は可愛い嫉妬からくるものだと思って、穂乃果ちゃんに協力してみたけど」

ことり「最近の穂乃果ちゃんのやり方は目に余ると思うの」

絵里「……私も、そう思うわ」

絵里「たまに、私のしていることは間違っているんじゃないか……って感じてはいる」

ことり「なら、どうして穂乃果ちゃんに意見しないの?」

ことり「穂乃果ちゃんと対立するのがそんなに怖いってこと?」

ことり「そんなの、全然……生徒会長時代の絵里ちゃんらしくないよ」

絵里「……ええ、そうね、怖いわ」

絵里「今の私にとって、穂乃果に嫌われるのは、何より恐ろしいことよ」

 

125:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:49:27.90 ID:jxP88NaW.net

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ことり「……!! それって、つまり……」

絵里「……」

ことり「なるほど、事情は察した……けど」

ことり「海未ちゃんにとっても、絵里ちゃんに嫌われるのが一番怖いんだよ」

ことり「少しは海未ちゃんの立場になって考えてあげてよ!」

絵里「……そうしたいのはやまやまなんだけど」

絵里「恋なんて、いわばエゴとエゴのシーソーゲームよ」

絵里「そこに入り込む第三者への気づかいまで考えていられないわ」

ことり「……こんなこと言うのも申し訳ないんだけど」

ことり「このまま穂乃果ちゃんの言いなりになって、穂乃果ちゃんが絵里ちゃんに振り向いてくれると思うの?」

絵里「……っ!」

絵里「そんなの、わからないじゃない!」

 

126:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/08(日) 23:51:51.41 ID:jxP88NaW.net

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絵里「人からなんて言われようと、穂乃果が私の太陽なのよ!」

絵里「私はただ……わずかな可能性を信じて、あの子を中心に回るしかないのよ……」

ことり「……わかったよ」

ことり「絵里ちゃんが、人道にはずれてまでその道を行くんだとしたら……」

ことり「私ひとりで、この状態を解決してみせるから」

絵里「…………」

ことり「じゃあね」

絵里「ことり」

ことり「……なに」

絵里「気を付けて……」

ことり「あなたに心配されることじゃないよ」

ことり「絵里ちゃんこそ気を付けて」

ことり「近々、大きな罰があたるかもしれないよ」

 

138:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:07:30.90 ID:98aBLXHy.net

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22 Tuesday, Oct. 21st 12:30

凛「だから、次は来月の頭にでも、デートに誘おうと思ってるにゃ~」

花陽「うん、良いね! どこに行くか決めてるの?」

凛「んー、今度は海未ちゃんの行きたいところをリクエストとりたいね」

凛「というか、次回はそうしようって約束したんだ!」

花陽「そうなんだ! その決め方、本物のカップルみたいだよ」

凛「えへへ、照れるにゃ~///」

花陽「でも、もし山頂アタックとかだったらどうする?」

凛「ん~……海未ちゃんと一緒なら、それでもいい気がしてきたよ」

凛「もうそれほど、海未ちゃんのことを好きになっちゃったから……///」

花陽「そっか……」

凛「じゃートイレ行ってくるから、凛が戻ったらお弁当食べようね!」

花陽「う、うん……」

 

140:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:13:07.82 ID:98aBLXHy.net

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花陽「凛ちゃん……」

花陽「今の凛ちゃん、すごく楽しそうな顔してた」

花陽「……よかった、ね……」

穂乃果「よくないでしょ?」

花陽「ピャァ!?」

花陽「ほ、穂乃果ちゃんか……」

穂乃果「ごめんね、ビックリさせちゃって」

花陽「ううん、私がボーっとしてただけだから」

穂乃果「で、今の花陽ちゃんの独り言、聴いちゃったんだけど」

花陽「キイテタノォ!?」

穂乃果「本当に、凛ちゃんが今のを実らせて良いと思ってる?」

花陽「え、ええ!?」

 

141:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:16:43.96 ID:98aBLXHy.net

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花陽「……もちろん……思ってるよ」

穂乃果「花陽ちゃん、もっと素直になったほうが良いんじゃない?」

花陽「そ、それはどういう……」

穂乃果「自分が一番わかってるでしょ?」

花陽「うっ……」

花陽「……私は、凛ちゃんが幸せになることが一番の幸せだと思ってるの」

花陽「だから、これでいいの……」

穂乃果「じゃあ、花陽ちゃんが幸せにしてあげれば良いんじゃない?」

花陽「えっ?」

穂乃果「そういう道もあると思うんだよ」

穂乃果「それに今はそんなこと言ってても、後で絶対に後悔すると思うな」

穂乃果「なんであの時私は諦めちゃったんだろうって」

 

142:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:23:45.83 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果「だから、本当の気持ちに素直になってさ、頑張って凛ちゃんを振り向かせようよ」

花陽「……もう、いいんだってば……」

穂乃果「おっと、そんな訝しげな目で見ないでよ」

穂乃果「私はね、海未ちゃんを奪い合うライバルを減らしたいからってこう言ってるわけじゃないの」

穂乃果「私なりに、花陽ちゃんのことを考えてだよ!」

花陽「…………」

穂乃果「それに、幼い頃からずーっと一緒にいた花陽ちゃんに、凛ちゃんが離れていっちゃったときのことを想像できるの?」

凛『かよちんごめんね、今日も一緒に帰れないにゃー』

凛『かよちん、やっぱり明日の約束キャンセルしていい? デートが入っちゃって……』

凛『かよちんより、大切なひとが見つかったにゃ……///』

穂乃果「……とか?」

 

144:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:27:02.29 ID:98aBLXHy.net

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花陽「……っっ!!」

花陽「り、凛ちゃんは、そんなこと……言わない……」ブルブル

穂乃果「どうしてそう言い切れるの? みんな恋人を優先すると思うけどな~」

穂乃果「だからさ、凛ちゃんと海未ちゃんが付き合って、花陽ちゃんと私が辛い思いするより……」

穂乃果「花陽ちゃんが凛ちゃんを振り向かせて付き合えば、すべて円満に収まると思うんだよね」

花陽「……」

穂乃果「穂乃果、間違ってることは言ってないでしょ?」

穂乃果「花陽ちゃんには、一歩踏み出す勇気が必要なんだよ」

穂乃果「現状を受け入れるだけで我慢するよりは、ちょっとは頑張ってみても良いと思うよ」

穂乃果「私が、サポートするからさ」

 

146:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:30:58.56 ID:98aBLXHy.net

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花陽「……確かに、今まで、凛ちゃんからの相談を受けるだけで辛かった……」

花陽「海未ちゃんを好きになったって打ち明けられた夜は、ひとりになってから何時間も泣いた」

花陽「私には凛ちゃんの背中を押すことだけしかできないと思ってたけど」

花陽「もし、まだ、私と凛ちゃんが愛し合える可能性があるんだとしたら……」

穂乃果「うん、あるさ。壁は壊せるもの、倒せるものなんだよ」

花陽「…………」

花陽「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「おっ、良い目になったね♪」

花陽「一緒に、頑張りましょう」

穂乃果「うん、喜んで!」

 

147:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:36:30.81 ID:98aBLXHy.net

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凛「あっ、穂乃果ちゃん!? ……なんの用だにゃ?」

穂乃果「ううん、別に~」

穂乃果「たまたま花陽ちゃんを見かけたから、ちょっとお米の素晴らしさについて話してただけだよ」

凛「……本当なの? かよちん」

花陽「えっ、……うん……」ツンツン

凛(指先を合わせる仕草……嘘ってことだね)

凛「凛たち、これからクラスの人と用事があるからこれで失礼するにゃ」

凛「いこっ、かよちん!」グイッ

花陽「きゃっ、そんな強引に掴まないで……///」

穂乃果(……凛ちゃんとの冷戦は避けられないからこそ)

穂乃果(とりあえず花陽ちゃんを味方に付けられたのは良い収穫だったよ)

 

148:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:42:50.21 ID:98aBLXHy.net

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23 Tuesday, Oct. 21th 17:30

希「それでは、絵里ちの誕生日を祝して……」

希「かんぱーい♪」

全員「かんぱーい!!」

希(もちろんソフトドリンクやで)

絵里「みんな、ありがとう……わざわざこんな会を開いてくれて嬉しいわ」

希「いやいや、絵里ちには普段からμ’sに多大な貢献をしてもらっとるし」

希「その感謝を考えれば当然やん、なあ?」

凛「そうだよ! あの時絵里ちゃんが入ってくれなかったら、μ’sはここまで成長できなかったと思う!」

真姫「そうね。私たちにとって必要不可欠な仲間だってこと……認めざるを得ないわね」

にこ「ふんだ! このにこにーと一緒にアイドル活動できることに感謝しなさい!」

絵里「うふふ、ありがとうみんな」

 

149:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:48:15.58 ID:98aBLXHy.net

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海未「あ、あの……絵里」

ことり(おっ、行った!)

絵里「な、なにかしら……」

海未「その……プレゼントなんですが、ぜひ受け取ってもらえたらと……」

絵里「……!?」

絵里「こ、これは、ピエールマルコリーニの高級チョコレート!」

絵里「ありがとう! ぜひいただくわ!」パアァ

海未「本当ですか! お気に召してもらえたようで嬉しいです!」

絵里「もちろんよ! ……って、はっ!?」

穂乃果「…………」

絵里「あ……あう……」

穂乃果「どうしたの絵里ちゃん? せっかく海未ちゃんが一生懸命選んでくれたんだから、もっときち と感謝したほうがいいよ」

 

150:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 22:53:40.25 ID:98aBLXHy.net

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絵里「……は、はい……」ブルブル

絵里「う、海未、ありがとうございました……」

海未「え、ええ? そんな恐縮なさらずに……?」

凛(さすがに穂乃果ちゃんも、海未ちゃんの好意を踏みにじるようなことはさせないか)

ことり「にこちゃん、先月ことりの誕生日にくれたペンダント、まだちゃんと大切に飾ってあるからね……///」ボソボソ

にこ「あ、ああうん、ありがと……」ボソボソ

ことり「えへへ、にこちゃん大好きだよ」ヒソヒソ ギュッ

にこ「ちょっと、人前では絶対にやめてって言ってるでしょ!」バッ

真姫「…………」ジー

真姫(……にこちゃん、最近ことりとベッタリしてるような……?)

真姫(まあ、にこちゃんは誰にでも優しいから仕方ないわね)ハァ

 

151:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:02:04.71 ID:98aBLXHy.net

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凛「凛からはジョギング中でも音楽が聴きやすいイヤホンだにゃー!」

凛「実は凛と色違いなの!」

絵里「あら、そうなの? 自主練習のときに、ぜひ使わせてもらうわ」

穂乃果(好きな人以外にオソロイをあげるなんて……変なの。そのまま絵里ちゃんとでもくっついちゃえば良いのに)ジー

凛(とか考えてるんだろうな~、別に変じゃないでしょ。そんな縛られた考え方ばっかりしてちゃ恋愛も上手くいくわけないにゃ)サッ

穂乃果(一瞥された……敵じゃないとか思われてる? 今に見てなよ……)

花陽(運動向けのイヤホンか……凛ちゃんは運動好きだから、スポーツグッズ関係が評価高いのかな?)

花陽(いや、女の子らしさに憧れてるなら、それに合ったものの方が良いのかな?)

花陽(もうすぐ凛ちゃんの誕生日だから、早く考えないと……)

花陽(とりあえずは、海未ちゃんからプレゼントされたっていう服よりも良いものを!)

海未(よかった……誕生日プレゼントまで受け取ってもらえなかったらどうしようかと思いました」

希(なんや、この空間……えらい空気が張りつめてるような気がするなあ)

 

152:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:11:28.85 ID:98aBLXHy.net

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24 Tuesday, Oct. 21th 21:00

絵里(穂乃果……ねえ、いつまでこうしていればいいの?)

絵里(この状態でいれば、いつか穂乃果は振り向いてくれるの?)

絵里(ことりの言っていたように……もしかして……)

絵里(……なんて、弱気になってちゃダメね)

絵里(穂乃果を信じるのよ、ただひたすらに……)

絵里「さて、夜に食べるのはニキビとか不安だけど、海未からもらったチョコレートをいただこうかしら」

絵里「んーと、バッグにしまったはず……」ガサゴソ

絵里「……ん……」

絵里「あれ……? おかしいわね」

絵里「亜里沙ぁ! ちょっとー!!」

 

153:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:13:16.95 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果(……海未ちゃんをこれ以上精神的に追い込むようなことはしたくなかったけど)

穂乃果(もう攻めて行くしかないよね……ごめんね海未ちゃん)

穂乃果(絵里ちゃんのことは、きれいサッパリ諦めてもらうよ)

ピンポーン

海未「む、来客ですか」

海未「母上は今忙しいようなので、私が出ますか」

海未「はーい……あれ?」

海未「誰もいないみたいですね……」

海未「……と、郵便受けに何か入って……って」

海未「これは……!!!」

海未「……あ……あああ……」ガクン

 

156:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:22:03.30 ID:98aBLXHy.net

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25 Wednesday, Oct. 22nd 15:30

絵里「この机の下とか……落ちてないかしら……」キョロキョロ

ことり「どうしたの? 何か探し物?」

絵里「あっ……なんでもないのよ……あはは」

ことり「ふうん……?」

絵里(どうしよう、海未からもらったチョコ、部室にも無かったわ……)

絵里(感想を聞かれたらなんて答えよう……美味しかった、とかしか言えないわね)

絵里(あ~あ、食べたかったわね……)

真姫「練習を始めたいところだけど、海未がいないわね……」

ことり「海未ちゃんなら今日学校を休んでるよ?」

ことり「体調を崩しちゃったみたいなの」

 

157:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:28:54.88 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果「普段から健康管理にうるさい海未ちゃんが珍しいよね」

にこ「昨日はすごく元気そうだったのに、怖いわね」

希「寒くなってきとるからなあ。皆も気をつけなくちゃいかんよ~」

絵里(海未が休み……? なるほど、それならチョコについて突っ込まれないから一安心ね)

穂乃果「じゃあ穂乃果が帰りに海未ちゃんの家に行って様子を見て来るよ!」

ことり「あ、じゃあことりも一緒に……」

凛「凛もー!」

絵里(うっ……まずい、今はあまり海未と会いたくないのに、みんなで行くことになったら……)

穂乃果「ううん、ひとりで大丈夫だよ! 穂乃果の方が家も近いし……ね?」

ことり「うっ……うん……」

凛「えーっ! 行きたいにゃー」

絵里「まあ、その……何人も押しかけたら迷惑かもしれないし、ね?」

 

159:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:34:29.56 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果「だよねー! だから穂乃果だけでいいよ、さすが絵里ちゃん!」

絵里「……///」

凛(穂乃果ちゃんの発言にそのまま賛同……か)

凛(……絵里ちゃん、どこまで穂乃果ちゃんの肩を持つ気なんだろ)

凛(今の発言、自分の首を絞めるだろうって気づかないのかにゃ?)

ことり(穂乃果ちゃんのサイン見るの忘れてた! 今日は同行はダメな日か……)

ことり(いいもん、にこちゃんと帰るから……)

真姫(普通なら一緒に行きそうなものだけど……ことりを突き放したってことは)

真姫(希が言ってた、穂乃果がことりに圧力をかけてるって話、本当みたいね)

真姫(絵里も小さくなってるし……複雑な人間関係って煩わしいわ)

真姫(私はにこちゃんと睦まじく過ごしていくから関係ないけどね)

にこ(……二人から視線を感じるわね)

にこ(今日はどっちと帰ろうかしら)

 

160:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:37:55.19 ID:98aBLXHy.net

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26 Wednesday, Oct. 22nd 18:30

穂乃果「こんばんは! 海未ちゃん、いますか?」

海未ママ「あらこんばんは。海未さんなら部屋にいますよ」

海未ママ「どうしてか、朝から深く落ち込んでしまっていて……どうか元気づけてあげてください」

穂乃果「はい、わかりました!」

穂乃果「海未ちゃーん、入るよ」ガラッ

穂乃果「って、真っ暗じゃん……海未ちゃん、いるよね? 寝てる……?」

海未「…………起きてます……」

穂乃果「なんだ、じゃあ電気つけるよ」カチッ

海未「……」

穂乃果「うわっ、なんでそんな隅に縮こまって……」

穂乃果「目、すごく赤いよ? 大丈夫?」

海未「……大丈夫では、ないです」

 

161:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:39:36.44 ID:98aBLXHy.net

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海未「穂乃果ぁ……もう、私は……ダメです……」

海未「好きな人に、ここまで嫌われるなんて……」

海未「……いっそのこと、死んでしまいたい……」

穂乃果「な、なに言ってるの!? そんなの嫌だよ!」

穂乃果「穂乃果、海未ちゃんがいなくなった世界なんて考えられない!」

穂乃果「いったい何があったの!?」

海未「……あれを……」

穂乃果「えっ……あれは……昨日、海未ちゃんが絵里ちゃんにあげた……?」

穂乃果「なんでここに?」

海未「……昨夜、届けられました」

海未「受け取ってさえもらえないみたいです」

 

162:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:40:45.92 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果「……ひどいっ! ひどすぎるよ!!」

穂乃果「それでこんなにも……落ち込んでるんだね……」

海未「自業自得なのです、私が……今の関係を壊すようなことを言ってしまったから……」

穂乃果「……好きって、言ったんだよね」

海未「……」コクン

穂乃果「そんなの、海未ちゃんは絶対に悪くないよ!」

穂乃果「それで嫌いになっちゃうなんてありえないよ」

海未「ですが……絵里は……絵里はもう……」

穂乃果「じゃあ、その海未ちゃんの傷ついた心を……穂乃果が治療してあげるよ」

海未「……それは、どういう……」

穂乃果「過去の恋愛から立ち直るためには、新しく好きな人を見つければいいって、本に書いてあったよ」

海未「新しい……?」

 

163:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:42:05.70 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果「うんっ! そうすればいつか絵里ちゃんのことを忘れられるよ」

海未「そんな……忘れるなんて……」

穂乃果「だからさ、よく聞いて、海未ちゃん」

ギュッ

海未「えっ……?」

穂乃果「穂乃果が、その役になりたい」

穂乃果「さっきも言ったけど、海未ちゃんの心を癒してあげたいの……」

海未「な、な……///」

穂乃果「海未ちゃん、好きだよ」

穂乃果「ずっと、海未ちゃんと、恋人同士になりたいって思ってた」

海未「ほ、のか……?/////」

 

164:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:43:59.49 ID:98aBLXHy.net

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穂乃果「海未ちゃんが誰から嫌われたって、穂乃果だけは海未ちゃんを愛してる」

穂乃果「今はまだ穂乃果を好きって言ってくれなくても良いから」

穂乃果「いつかそうなれるように、形だけでも穂乃果と恋人になってほしいの」

穂乃果「……返事、ちょうだい」

穂乃果「私じゃダメかな?」

海未「あっ、うっ……え……?」

海未「はわわ……///」ボンッ

穂乃果「……ごめんね、いきなりすぎたかな」

穂乃果「でも、穂乃果、長く待ってられる性格じゃないから……できるだけ早く聞かせてね」

海未「……は、はい……」

穂乃果「……」ニヤッ

 

165:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/09(月) 23:45:38.60 ID:98aBLXHy.net

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27 Wednesday, Oct. 22nd 21:00

穂乃果「うーん、告白なんて、ちょっと焦りすぎちゃったかな……」

穂乃果「あと、さすがにやりすぎた感もあるけど……」

穂乃果「まあいっか! これで海未ちゃんは穂乃果を意識してくれるだろうし」

穂乃果「絵里ちゃんは離れて行く一方だから」

穂乃果「きっと私と海未ちゃんが結ばれるのも、時間の問題だよね……♪」

穂乃果「今日はよく寝られそうだーっ!」ゴロン

穂乃果(それにしても、海未ちゃんはいい子だね)

穂乃果(海未ちゃんは絵里ちゃんが穂乃果を好きって知ってるから、海未ちゃんにとって穂乃果は邪魔者だろうに)

穂乃果(私に冷たい態度を取らずに、私の話もしっかり聞いてくれるんだから)

穂乃果(はあ……かわいいよお……いとしいよお……)

穂乃果(穂乃果と海未ちゃんのラブストーリーを邪魔する人は、誰だって許さない)

 

181:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:45:17.48 ID:AneoEv6x.net

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28 Thursday, Oct.23rd 19:00

ことり「どうしたの海未ちゃん、相談って……?」

海未「……ハロウィン用の衣装造りのなか、時間を割いてもらってありがとうございます」

海未「実は……穂乃果のことなんですが」

ことり「穂乃果ちゃんが、どうかしたの?」

海未「その……告白されたんです、昨日、家で……」

ことり「えっ、告白って……」

海未「はい、愛の告白です……///」

ことり(なっ……もう!? 思った以上に早い!!)

ことり(顔を赤らめてるってことはもしかして!?)

ことり「つ、付き合い始めた……の? 穂乃果ちゃんと……」

海未「いいえ、明確な返答は待ってもらいました」

ことり「ほっ、そっか……って、なんで!?」

 

182:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:47:03.38 ID:AneoEv6x.net

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海未「なんで……とは?」

ことり「海未ちゃんは絵里ちゃんのことが好きなんだから、そう言ってハッキリ断るべきだったんじゃないの?」

海未「……はい、私は絵里のことが好きです……しかし」

海未「絵里は私のことが相当嫌いになったみたいです……」

ことり(!!! これはおそらく勘違い……恐れていた事態が……)

ことり「……どうして嫌われてるって思ったの?」

海未「……まず、体育の日の予定の件で……」

海未「あのあと、絵里にきいてみたんです。私を嫌ってないなら、頭を撫でてくれませんかって」

海未「そうしたら、逃げられてしまいました……それさえしたくないそうです」

ことり「……他には?」

海未「昨日、誕生日プレゼントとして渡したチョコレート……返されてしまいました」

 

183:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:49:18.73 ID:AneoEv6x.net

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ことり「えっ!?」

ことり「あのとき、ちゃんともらってくれてたじゃん……」

海未「ですが、一昨日の夜、同じものが家の郵便受けに入っていました」

海未「皆の前だから受け取ったものの、本当はもらいたくなかったのでしょう」

海未「……絵里の好きなチョコなら、喜んでくれると思ったのですが……」ジワッ

海未「うっ、ううう……すみません……」ゴシゴシ

ことり「大丈夫だよ……落ち着いて」

海未「そういうことなので、絵里への恋心は断ち切ることにしようかと思います」

ことり「なっ……ちょ、ちょっと待ってよ!」

海未「叶わない恋をいつまでも追いかけられるほど、私は強くないです……」

海未「だから、できるだけ早く忘れるべきかと思いまして……」

ことり「だめっ!」

海未「え、えええ……」

 

184:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:52:56.97 ID:AneoEv6x.net

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ことり「ちょっと聞きたいんだけど……」

ことり「頭撫でられるの断られたとき、そのあとすぐに誰かに会った?」

海未「……たしか……穂乃果が駆け寄って来てくれましたが……」

ことり「……じゃあ、チョコの話なんだけど、蒸し返してごめんね」

ことり「返されたとき、誰の顔も見てないってこと?」

海未「はい、そうですね……家のドアホンがなったので、時間はわかりますが……」

ことり「……なるほどね……」

ことり(この前の絵里ちゃんとの話からして、絵里ちゃんが自ら海未ちゃんを突き放す行為をすると考えにくいし……)

ことり(昨日の練習前に、絵里ちゃんが部室で探してたものって……)

ことり(……穂乃果ちゃん……)

ことり(もう、容赦は無用だね)

ことり「海未ちゃん、よく聞いて」

海未「……?」

 

185:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:55:12.18 ID:AneoEv6x.net

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ことり「その、絵里ちゃんが海未ちゃんを避けてるのって、きっと穂乃果ちゃんのせいなの」

ことり「穂乃果ちゃんが、絵里ちゃんの好意を利用して……言うことを聞かせてるの」

海未「……な、なにを……」

ことり「きっとその二つの件も、穂乃果ちゃんが裏で手を回してるんだよ!」

ことり「騙されちゃだめ!!」

海未「……あの優しい穂乃果がそんなことをするとは思えません」

海未「想像の段階で穂乃果を悪く言うなんて、ことりらしくないですよ」

ことり「確かに証拠があるわけじゃないけど、事実だよ! 私だって海未ちゃんと関わらないよう言われてるんだもん!」

海未「……たった今、私とことりが話しているではないですか」

ことり「それは、頑張って穂乃果ちゃんの目を盗んでいるからこそっ!」

 

186:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/12(木) 23:59:02.98 ID:AneoEv6x.net

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海未「……では、絵里にきいてみるのが早いですか?」

ことり「絵里ちゃんに聞いてもダメだよ、たぶん穂乃果ちゃんが不利になるようなことは言わないもん」

海未「……絵里も私と口をききたくないでしょうしね……」

ことり「だから、それは勘違いで……!」

海未「……まあ、あなたがそんな嘘をつくとも思えませんから、ある程度は真実なのかもしれませんが」

海未「確証がない以上、大切な幼馴染を疑いたくないです……」

ことり「くっ……」

ことり(やっぱり鵜呑みにはしてもらえないか……)

海未「今日の私の主な話というのは、穂乃果が私を好いていても」

海未「その基底にある私たち3人の友情は変わらない、ということです」

海未「……ことり、これからもよろしくお願いしますね」

ことり「う、うん……是非仲良くはしてもらいたいんだけど……」

ことり(……もっと何か無ければ、このまま海未ちゃんを説得しても無駄な気がしてきた……)

ことり(絵里ちゃんには一人で解決するって啖呵切ったけど、やっぱり協力者は必要か)

ことり(にこちゃんを巻き込みたくないし、そうなると、穂乃果ちゃんを止めるのに最適なのは……)

ことり(もうひとり、海未ちゃんを好きであろう……あの人……)

 

188:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:01:18.18 ID:V0FxWdto.net

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29 Monday, Oct. 27th 12:30

凛「あっ、穂乃果ちゃんだ」

穂乃果「あっ、凛ちゃんだ……こんにちは!」

凛「うん、こんにちはにゃ」

凛「…………」ジー

穂乃果「どうしたの? 何か言いたげだね」

凛「……海未ちゃんに、告白したんだってね」ボソッ

穂乃果「!!!」

凛「風の噂で聞いちゃったにゃ~」

穂乃果「……そうだね、告白したよ」

凛「返事、もらえた?」

穂乃果「凛ちゃんには関係ないでしょ」

凛「大アリだね。凛の気持ちもわかってるくせに」

 

189:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:07:35.45 ID:V0FxWdto.net

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穂乃果「……ならなおさら、私から言うことは無いよ」

凛「まあ、その場でフラれなかっただけすごいと思うよ」

凛「どんなトリックを使ったの?」

穂乃果「私から言うことは何もないって言ってるでしょ」

凛「……ちゃんと罪悪感は感じてるみたいだね」

凛「犯罪まがいのことしてまで、海未ちゃんのヒーローになろうとして」

凛「で、そのまま告白してみたけど……返事は保留中、と」

穂乃果「……随分よくしゃべる猫ちゃんだね」

凛「絵里ちゃんへの想いを断ち切ってくれたことで、凛にもチャンスができたにゃ」

凛「ありがとう穂乃果ちゃん♪」

穂乃果「……チッ」

穂乃果「わざわざそれを私に言うなんて……凛ちゃんも性格歪んできたね」

凛「穂乃果ちゃんには敵わないにゃ~」

穂乃果「購買のパン、売り切れちゃうから……行くね」

凛「うん! お互い頑張ろうね」

ほのりん「……」ニコッ

 

190:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:08:54.32 ID:V0FxWdto.net

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穂乃果「……」テクテク

穂乃果「……」

穂乃果「んああああああああっ!!!!!」

穂乃果(腹立つ~!! なんで勝ちを確信したような顔してるの!?)

穂乃果(というか、待てよ……風の噂とか言ってたけど……)

穂乃果(あの猫に私が告白したって教えたの誰なの!?)

穂乃果(穂乃果は誰にも言ってないから……海未ちゃんが誰かに打ち明けたんだろうけど……)

穂乃果(凛ちゃんに直接打ち明けてたら、さっきのタイミングで『海未ちゃんに教えてもらったにゃ~』とか言いそうなもんだし……)

穂乃果(今の状況で、穂乃果のことについて海未ちゃんが相談する相手と言ったら……)

穂乃果(…………)

穂乃果(鳥も鳴かずば撃たれまいものを……)

穂乃果(こういう時の穂乃果は、人一倍勘が冴えるんだからね)

 

191:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:14:00.00 ID:V0FxWdto.net

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30 Wednesday, Oct. 29th 18:00

凛「それでね、やっぱり穂乃果ちゃんが告白したって話は本当だったみたいなの」トコトコ

凛「ちょっと喧嘩腰になったけど、本人から確認とれたにゃ」

花陽「そ、そうなんだ……」トコトコ

凛「返事はしてないみたいだけど、海未ちゃん、穂乃果ちゃんと話すとき、前よりソワソワしてるように見える」

凛「だから、今は海未ちゃんの気が穂乃果ちゃんに向いてる恐れもあるんだけど……」

凛「こうなったら凛も対抗して、告白したほうが良いのかな!?」

花陽「…………そうなのかも、ね……」

凛「やっぱり? むむむ、緊張してきたにゃ!」

凛「じゃあ、今度ふたりで遊ぶ時にでも挑戦してみるよ!」

花陽「…………」

 

193:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:18:10.66 ID:V0FxWdto.net

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花陽(凛ちゃんが、海未ちゃんに、告白……)

花陽(とめなきゃ、とめなきゃ……!!)

花陽(私、前に進むって、穂乃果ちゃんと約束したんだ!)

ピタッ

凛「お、とと……かよちん?」

凛「急に立ち止まってどうしたにゃ?」

花陽「……やっぱり、ダメだよ」

凛「え? その、告白の話?」

花陽「うん……」

凛「そうかにゃ? でもこのままだと穂乃果ちゃんに先をこされたまま終わってしまうんじゃないかって思って」

花陽「ごめんね、凛ちゃん」

凛「……えっ?」

花陽「もう、凛ちゃんの味方になれそうにないや」

 

194:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:19:35.94 ID:V0FxWdto.net

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凛「ど、どういう……」

花陽「……つらいの……すごく、つらいの!」

花陽「凛ちゃんが目を輝かせながら、海未ちゃんの話をするのを聞くのが、もう私、我慢できないの!!」

凛「えっ……ご、ごめんね? 凛が一方的に話してたから……」

花陽「そうじゃ、なくて」

花陽「……もし凛ちゃんが、海未ちゃんから、絵里ちゃんと上手く付き合うための相談を持ち掛けられたら……どうする?」

凛「……な、なんの話……?」

凛「そんなの、真剣に乗れるわけがないにゃ」

花陽「……そういう、ことなの」

花陽「いい加減、私の想いにも気づいてよっ……!!」ウルウル

 

195:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:21:35.41 ID:V0FxWdto.net

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凛「……へっ……?///」

ギュッ

凛「な、なな……かよちん……///」

凛(いつも凛の方から、戯れで抱きつくことはあるけど)

凛(かよちんから抱きついてくるなんて初めてだにゃ!?)

花陽「ごめん凛ちゃん、ごめんね……」

花陽「応援するなんて言ったけど……耐えられなくなっちゃった」

花陽「秘めておくつもりだった想い、言わせてね」

花陽「……わたしは……あなたのことが……」

花陽「……ずっとずっと、好きでした――――――」

 

196:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:26:12.95 ID:V0FxWdto.net

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31 Friday, Oct. 31st 17:30

にこ(週末は忙しいわね、今日は真姫の家にお泊りかぁ)

にこ(最近、真姫もことりも周りの目をはばからずにくっついて来すぎよ)

にこ(一度強く言っておく必要があるかもね……)

にこ(にこだって、どっちの関係も壊したくないもの)

にこ(二人とも、愛し合っていたいもの!)

にこ(この関係は、決して間違ってなんていないわ……)

凛(……穂乃果ちゃんのこと、人の機微がわかってないとか馬鹿にしてたけど)

凛(凛は、ずっとすぐ近くにいてくれたかよちんの気持ち、全然わかってあげられなかった)

凛(凛のこと好きなのに、ずっと凛の恋愛相談に乗ってくれてたんだ……)

凛(ごめんね、かよちん)ハァ

 

198:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:28:43.93 ID:V0FxWdto.net

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にこ「あれ? 凛じゃない」

にこ「なにこんなところで一丁前にたそがれてんのよ」

凛「……にこちゃんかあ」

凛「凛だって考え事をすることくらいあるにゃ」

にこ「ふうん。どんな考え事?」

凛「……秘密」

にこ「恋愛がらみでしょ」

凛「……秘密って言ってるんだから詮索しないでよ」

凛「なんでそう思ったの?」

にこ「ま、なんとなく? そんな顔してたからよ」

凛「キザったらしいにゃ……」

にこ「海未ちゃんとの仲が進展しないにゃー、って感じかしら」

凛「今回はそっちの話じゃないよ。おせっかいだなあ」

 

200:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/13(金) 00:31:24.77 ID:V0FxWdto.net

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にこ「わかったわ、あまり老婆心を働かせても迷惑なものよね」

にこ「……でも、これだけは言っておくわ」

凛「にゃ?」

にこ「恋愛は、楽しむものよ」

にこ「落ち込んでばかりじゃなくて、その悩みも、自分を進歩させる糧だと前向きに考えなさい」

凛「……何様だにゃ」

にこ「もちろんにこ様よ。悩んで、自分の正しいと思う道を進みなさい」

にこ「たとえそれが、一般的には非難されるものであっても……ね」

凛「はいはい、参考にならないアドバイスをありがと」

にこ「気にしないで。自分に言い聞かせたようなものだから」

凛「えっ?」

にこ「じゃあね。明日のあんたの誕生日会、楽しみにしておいてね」

凛「う、うん……じゃあね、ありがとう……」

凛(みんなそれぞれ、悩みを抱えているものなんだね……)

 

207:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 21:59:41.26 ID:FBU4k67g.net

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31 Saturday, Nov. 1st 17:00

花陽「では凛ちゃん……誕生日、おめでとうございますっ!」

全員「おめでとーっ!!!」

凛「ありがとにゃー!!」

凛「大好きな皆に囲まれて、凛はとても幸せ者だにゃ」

希「せやなあ、これからもよろしくな、凛ちゃん」

凛「うん!」

ことり(大好きなみんな……か)

ことり(好きにもいろいろあるよね)

ことり(今の状況を考えると、言葉通り素直に受け止められないや)

真姫「凛、今日の服……なんだかオシャレね。とてもいいセンスだと思うわ」

凛「えへへ……/// ありがと! 凛もそう思う!」

 

208:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:02:15.02 ID:FBU4k67g.net

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真姫「何よ自分で……」

海未「…………///」

穂乃果「……」

ことり(そっか、たぶんあれが、海未ちゃんにプレゼントとして買ってもらった服)

ことり(穂乃果ちゃん、案の定怖い顔してるよ……)

ことり(まさか、汚してやろうとか思ってないよね?)

ことり(しっかり見張っておかないと!)

穂乃果「……」ジロッ

ことり「!?」ビクッ

穂乃果「……」ニコッ

ことり(な、なんだろう)ニコッ

ことり(今一瞬、穂乃果ちゃんににらまれたような気がしたけど……)

 

210:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:08:57.79 ID:FBU4k67g.net

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穂乃果「…………」

にこ「穂乃果、どうしたの? 今日はいつになく静かね、いつもうるさいくらいなのに」

穂乃果「えー! うるさいなんて酷いよ!」

花陽「えっとね、凛ちゃん……これ、プレゼントなんだけど……///」

凛「あ……かよちん……///」

凛「う、うん、その……ありがとにゃ……///」

凛(一昨日の件以来、かよちんの顔をまともに見られないよ)

凛(好きな人は別にいても、つい意識してしまって……///)

穂乃果「あれれ、凛ちゃんも花陽ちゃんもすごく顔赤いよ~?」

凛「にゃっ!?」

花陽「ぴゃあ!?」

穂乃果「もしかして、ふたりって……両想いだったり!?」

 

211:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:13:58.92 ID:FBU4k67g.net

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花陽「えっ……///」

凛「そ、そんなこと……っ!」

花陽「……///」チラッ

凛(うっ……)

凛(あんまり強く否定するのも、かよちんが可哀想かな……)

凛「……へ、変なからかい方しないでほしいにゃ……」

穂乃果「えへへ、ごめんね~?」

海未(……穂乃果がこんなジョークを言うなんて珍しいですね)

海未(でも、確かにさっきの二人の妙に照れた様子から……)

海未(もしかして、本当に凛と花陽は互いを好きな状態なんでしょうか)

海未(……先日の女の子らしい服が欲しいと言ったのも、幼馴染の花陽を最近意識し始めたから……とか)

海未(ふふふ、微笑ましい限りですね)クスッ

海未(二人の幸せを願いましょう)

 

212:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:19:44.21 ID:FBU4k67g.net

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希(凛ちゃんは海未ちゃんのことが好きなはず……やけど)

希(さっきの反応は何やろ? いつものりんぱならしくないなあ)

希(ウチの知らないところで、動きが現れてるのかも……)

希(……考えすぎかな?)

凛(うぐぐ、ちょっと動きにくくなったにゃ……)

凛(でも、穂乃果ちゃんが絵里ちゃんを利用するようになんてできない)

凛(かよちんのことも大切にしながら、自分の恋愛を成功させるには……?)

穂乃果(ライバルの穂乃果には挑発しても、基本的に凛ちゃんもお人好しだからね)

穂乃果(きっと、かよちんを突き放せないにゃ~とか考えてるんでしょ)

穂乃果(甘いよ甘い、恋愛ってそんなきれいごとばかりでなんて進まないの)

穂乃果(そのまま板挟みで縛られてなよ)

 

213:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:25:15.82 ID:FBU4k67g.net

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にこ「ちょっと、どうしたのよ! みんなで黙り込んじゃって」

にこ「今日は凛の誕生日会なんだから、パーッといくわよ!」

絵里「そうね、もっと盛り上がっていかなくちゃね」

絵里「じゃあ、ケーキにろうそくでも立てましょう」

にこ「それならにこは火をつけるにこ~♪」

カスッ カスッ

にこ「あれ、上手くいかないわね……」

希「にこっち、ライターつけたことあるん?」

にこ「それくらいあるわよ! もっと力を込めて……」

にこ「よっ!」

シュボッ

にこ「よしでき……あっつうっ!?」

 

214:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:27:31.59 ID:FBU4k67g.net

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真姫「ちょっ、にこちゃん大丈夫!?」

にこ「だ、大丈夫よ……親指の先が近かっただけよ」

真姫「で、でも、念のため冷やした方が……」

にこ「もう……大げさね」

希「やれやれ、ウチがやっちゃうで?」シュボッ

ことり(……)

ことり(真姫ちゃんなら、まったく間抜けね……とか言ってもおかしくないと思うんだけど)

ことり(いつも妙ににこちゃんに対してだけは優しい気がするんだよね)

ことり(もしかして、真姫ちゃん……にこちゃんのこと好きだったりして?)

ことり(もしそうなら、にこちゃんと付き合ってる私が恨まれちゃいそうだな……)

 

215:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:37:10.59 ID:FBU4k67g.net

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32 Tuesday, Nov. 4th 16:30

ことり「でね、今月から、クリスマスに向けたイルミネーションがちょっとずつ始まるの」

ことり「クリスマスって気分には、まだまだ早いけど……その時期にはラブライブの最終予選もあるから練習漬けだろうし」

ことり「ハロウィンのライブが終わったばかりで今日は練習休みになったし、これからお散歩しながら見に行かない?」

にこ「ふうん……どこか宛てがあるの?」

ことり「うん、えっとね、夜遅くなってもいけないから」

ことり「近場で、お茶の水ソラシティでどうかな?」

にこ(近っ!)

ことり「規模は、秋葉原駅前と、大して変わらないかもだけど……」

にこ「まあ……良いわよ。最近行ってないから、行ってみましょう」ニコッ

ことり「やった♪」

にこ(一般的に女の子ってクリスマスとかの浮かれたイベント好きよね)

にこ(真姫からは、今月下旬から始まる中目黒の青の洞窟ってのに誘われてるし)

にこ(でも、ラブライブのおかげで当日に私を取り合うことにならなくて良かったわ)

 

216:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:42:21.34 ID:FBU4k67g.net

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にこ「じゃ、行きましょうか」

ことり「うん! ……手、握っていい?」

にこ「まーだ。もっと学校から離れたらね」

ことり「はぁい」

にこ「ことりは凛の誕生日に何かあげたの?」

ことり「手袋だよ。指先がちょっと出てて、そのままスマホも使える、みたいなの」

ことり「いちいち取るのがメンドクサイにゃーって呟いてたことがあったから、それにしたの」

にこ「へえ、気が利くプレゼントね。そういう何気ない発言にも配慮できるの、すごいと思うわ……さすがことりね」

ことり「えへへ、それほどでも……///」

ことり「最初は手編みのつもりだったんだけど、ちょっと失敗しちゃって……結局買っちゃったの」

にこ「まあ、たぶん凛もそこまでは望んでないはずよ」

 

217:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:43:44.05 ID:FBU4k67g.net

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ことり「うーん、でも悔しいから……もう一回挑戦して、できたらにこちゃんにあげるね!」

にこ「あら、ありがと。楽しみにしてるわ」

ことり「頑張っちゃいます♪」

「…………」

ことり「っ!」バッ

にこ「ん、どうしたの?」

ことり(うーん……実は先週から、たまにどこからか視線を感じるんだけど)

ことり(いつも誰もいないし……気のせいかな)

ことり「ううん、なんでもないよ!」

にこ「そう……?」

ことり(それに、もし誰かに見られてるなんて言ったら、にこちゃんデート中止とか言いかねないもん!)

ことり(私たちのためにも、忘れるのが一番だよね)

 

218:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:51:13.82 ID:FBU4k67g.net

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33 Tuesday, Nov. 4th 17:00

ことり「わぁ~♪ にこちゃん、クリスマスツリー綺麗だね!」

にこ「そうね。この時間でもすっかり暗いし、冬の訪れを認識するわね」

ことり「ク~リスマスが今年もやってくる~♪」

にこ「悲しかった、出来事を、消し去るように~♪」

ことり「ねえ、にこちゃん、もう良いでしょ……?」スッ

にこ「もう、仕方ないわね」ギュッ

ことり「~♪」

にこ「じゃあ、ちょっとそこのベンチでくつろいだあとに」

にこ「せっかくだから店を回ってみましょう」

ことり「うん!」

 

219:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 22:54:43.49 ID:FBU4k67g.net

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にこ「……よいしょっと」ドサッ

ことり(恋人とクリスマスツリー見ながら二人の時間を過ごすの……幸せ……///)

ことり(時間が経つにつれて寒くなっていくはずだけど、心までポッカポカだね!)

にこ「……なんか最近、μ’sでトラブってる噂きくけど、ことり、何か知ってる?」

ことり「……え?」

にこ「人間関係というか……まあ、私も小耳に挟んだ程度なんだけど」

ことり(にこちゃんも話には聞いてたか……)

ことり(でも、にこちゃんを巻き込みたくないしなあ……)

ことり(知らぬが仏ってことわざもあるしね)

ことり「んー……海未ちゃんが絵里ちゃんを好きって話は聞いたけど、それくらいしか知らないよ~」

にこ「そう。ならいいわ、なんだかんだ仲の良いグループだし、きっとそのうちなるようになるでしょ」

ことり「うん!」

 

220:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 23:02:45.35 ID:FBU4k67g.net

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ことり「そのグループの仲でも、ことりとにこちゃんは特に仲良しだもんね!」

にこ「ふふん、当然でしょ。愛してるわよ、ことり」

ことり「私も、にこちゃんを愛してます……///」

ことり「に、にこちゃん……」

にこ「……こ、ここで?///」

ことり「……///」コクン

にこ「もう、しょーがないわね~……」キョロキョロ

チュッ

ことり「んっ……」

ことり「……もう、終わり?」

 

221:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 23:03:55.04 ID:FBU4k67g.net

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にこ「当り前でしょ、にこたちはアイドルなのよ?」

にこ「こんな場面、知らない人にだって見られるわけにはいかないわ」

ことり「う、うん……」

にこ「まあまあ、次に家に遊びに行ったときに続きをしてあげるから」

にこ「今は我慢しなさいよ……ね?」

ことり「はぁい」

にこ「やれやれ……ことりったら、どんどん大胆になっていくんだから」

ことり「だって、にこちゃんのこと、大好きすぎて……///」

にこ「はいはい、ほら、お店回ってみるわよ」

ことり「うん!」

「…………」

 

223:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 23:12:05.77 ID:FBU4k67g.net

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34 Friday, Nov. 7th 12:30

希「よーし、お昼の時間や……絵里ち、ご飯食べよ?」

絵里「そうね、食べましょう」

絵里「その前に、ちょっとトイレに行ってくるわ」

希「あ、ウチも行く~」

絵里「……あ」

希「?」

絵里「…………」

希(……なるほどね、中庭に)

希(ご飯を食べてる穂乃果ちゃんと海未ちゃんか……)

希(絵里ちはいつまでこの状態でいるつもりなんやろ)

 

224:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/15(日) 23:20:28.78 ID:FBU4k67g.net

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絵里(最近、海未が全く話しかけてくれなくなったわ……当たり前ね)

絵里(で、穂乃果とばっかりいて……って、これは私の主観が入ってるかもしれないけど……)

絵里(穂乃果が幸せそうなのは喜ばしいけど……今更だけど、私のやってきたことはなんだったのかしら)

絵里(凛も、最近私のことを気にかけてくれないし……)

絵里(……孤独ね……)

絵里「はあ、ごめんなさい、なんでもないわ」

希「…………」

希(何か役にたってあげたいけど、ウチに何かできるんやろか……)

 

234:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 22:31:16.60 ID:mUM1S6rU.net

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35 Saturday, Nov. 8th 13:00

海未「さて、今日は私が行きたいところを決めるという約束でしたね」

凛「うん……」

海未「ん? どうしたんですか? 元気が無いように見えますが……」

凛「そそ、そんなことないにゃー!!」

凛「今日も海未ちゃんと遊ぶの、楽しみで仕方ないよ!!」

海未「それならいいですが……」

海未「もし体調が悪かったりしたら遠慮なく言ってくださいね」

凛「うん!」

凛(変に心配されちゃったにゃ……)

凛(今日だけはかよちんのことを一旦置いて、海未ちゃんとのデートを楽しまなきゃ!)

 

235:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 22:34:48.88 ID:mUM1S6rU.net

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海未「で、私の行きたいところなんですが、なかなか思い浮かばなくてですね……」

海未「一度、凛の部屋に行ってみたいかな、なんて思っています」

凛「え、凛の……えええ!?」

海未「いきなりですみません……もちろん凛の事情に合わせますから」

凛「う、ん……何も無い部屋だけど、それで良いなら……」

海未「では、お邪魔させてもらいましょうか」ニコ

凛(わわわ、これはまたドキドキする展開になったにゃ……///)

凛(海未ちゃんとおうちデート……)

凛(ちゃんと片づけてあったかな?///)

 

236:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 22:44:01.46 ID:mUM1S6rU.net

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36 Saturday, Nov. 8th 13:30

真姫「……にこちゃーん」ペラペラ

にこ「……ん~?」モグモグ

真姫「μ’sの夏休み取って~」

にこ「んー」ヒョイ

真姫「……」ゴロゴロ

真姫「にこちゃーん」

にこ「んー?」ポチポチ

真姫「膝枕して~」

にこ「んー」

真姫「……」パフッ

 

237:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 22:47:34.10 ID:mUM1S6rU.net

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真姫「……にこちゃーん」

にこ「……なに~?」パクパク

真姫「キ、キスして~……///」

にこ「ん~……」パサッ

チュー

真姫「……ぷはっ///」

にこ「変な誘導に乗せようとしなくたって、いつだってしてあげるわよ」

真姫「それはそれでつまらないわ……」

真姫「あと、なんか、今日のキス、甘いわね」ペロ

にこ「今クッキー食べてるからね……」

真姫「ねえねえ、にこちゃん」

にこ「何よ、まだあるの?」

 

238:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 22:50:52.66 ID:mUM1S6rU.net

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真姫「今日は家にだれもいないからって呼ばれたんだけど」

にこ「そうね」

真姫「それって……つまり、その……」

真姫「……そ、そういうことじゃないの……?////」

にこ「そういうことって、どういうこと?」

真姫「さ、最後までなんて言わせないでよ!!」

にこ「えーだってにこわかんない~」

真姫「そんなぶりっ子になったってダメよ!」

真姫「……もう! やっぱり何でもないわ!」ゴロン

にこ「……真姫ちゃんって」

真姫「なに!?」

にこ「工  な子♪」

真姫「…………」

真姫「////」ボンッ

 

239:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 22:55:37.24 ID:mUM1S6rU.net

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37 Saturday, Nov. 8th 14:00

海未「とても可愛らしい部屋ですね、私も見習いたいものです」

凛「えへへ、そうかな……///」

海未「ご両親はご不在ですか?」

凛「今日は家に誰もいないにゃ!」

海未「なるほど、凛にはいつもお世話になっておりますとご挨拶申し上げたかったのですが……」

凛「そ、そんなのいいよ!///」

海未「はい、では二人きりということですね」ニコ

凛(発言のひとつひとつ、やっぱりワザとじゃないかにゃ……?///)

凛(ドキドキして止まらない……心臓が熱いにゃ~)

凛(……って、あれ?)ドキドキ

凛(……体中が熱いような……気がする……///)

 

240:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:00:54.75 ID:mUM1S6rU.net

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凛「はあ、はあ……?///」

海未「どうしました、凛?」

凛「ううん、なんでも……」ウルウル

海未(この症状……)

海未「……ちょっと失礼」ズイッ

凛「な、ななな///」

海未「……」ピトッ

凛「―――!!!」

海未「やはり、熱があるみたいですよ!」

凛「ひゃわわ///」

凛(近い近い近い―――!!!)

海未「体温計の場所を……」

凛「ふ、にゃ~~……///」バタリ

海未「あっ……凛! りーん!!」

 

241:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:05:41.43 ID:mUM1S6rU.net

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38 Saturday, Nov. 8th 15:00

にこ「あっ……ま、きちゃん、はあっ! にこ、もう……あああっ、」

にこ「んんんんんんんんんっっ!!!!」ビクン

真姫「……はぁ、はぁ……///」

まきにこ「んっ、ちゅっ……ぷは……」

にこ「はぁ……ま、真姫…………激しすぎよ……///」

真姫「にこちゃんが悪いんだから!! 挑発するような態度とって!」

にこ「だからって、こんな真っ昼間からシなくても……いいじゃない……///」

にこ「カーテンも開けっ放しだし……急に襲ってくるからビックリしたわよ」

真姫「ふんっ、にこちゃんもちゃーんと気持ちよくなってたじゃない」

にこ「んもう……否定はできないけど……///」

 

242:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:07:21.68 ID:mUM1S6rU.net

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真姫「……じゃ、攻守交代。こんどはにこちゃんが攻めで」

にこ「えっ!? ま、まだやるの……」

真姫「なによっ! だめ!?////」

にこ「……工  な彼女を持つと辛いわね~」

真姫「ちょっと、さっきから淫乱みたいに言わないでよ!」

真姫「こんな姿見せるの……にこちゃんだけなんだから……///」

にこ「……うふふ……もちろん分かってるわよ」

にこ「真姫、愛してるわ」

真姫「にこちゃん……私も、愛してる……///」

にこ「それでは……」

にこ「…………いただきます♪」ペロ

 

244:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:15:02.35 ID:mUM1S6rU.net

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39 Saturday, Nov. 8th 15:30

凛「…………にゃ?」パチリ

凛「あれ、凛は……」

海未「あ、起きましたか。気分はどうですか?」

凛「……はっ! もしかして、さっきそのまま寝ちゃって……!!」

凛「海未ちゃんごめんなさい!」ガバッ

凛「……え?」フラッ

海未「おっと!」

ギュッ

海未「危ないですよ、かなり熱があるみたいなので安静にしておいてください」

凛「……にゃあ///」

凛(今日もこんなのばっかり……海未ちゃんかっこよすぎだよ)

 

246:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:16:54.89 ID:mUM1S6rU.net

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海未「たくさん汗をかいていたので水分補給をしましょう」

海未「スポーツドリンクを買ってきたのでどうぞ飲んでください」

凛「あ、ありがとう……」

凛「って、そこまでされちゃ申し訳なさすぎるにゃ!!」

凛「うつすといけないから帰って!」

海未「いえ、私が勝手にやっていることですから」ニコッ

海未「それに、今は家の方がいらっしゃらないのですから……戻られるまでは、帰るわけにはいきません」

海未「困ったときはお互い様ですよ……ね?」

凛「……うん……」

 

247:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:23:32.68 ID:mUM1S6rU.net

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海未「そんなに落ち込まないでください。また遊ぶ機会を近々設けましょう」

海未「だからまず、今日は安静にして、早く風邪を治しましょう」

海未「私がそばにいますから」

凛(海未ちゃんがそばにいると、熱が上がっちゃいそうだにゃ……///)

凛(これでまた、海未ちゃんに借りひとつかぁ……)

凛(このままじゃ情けなくて、凛が海未ちゃんにとって頼られる存在になれるまで)

凛(告白なんて、できないにゃ……)

凛「……海未ちゃん、凛、頑張るから」

海未「はい、頑張って風邪を治してください」

凛「……そういうことじゃないんだけどなあ……」ボソッ

海未「?」

 

248:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:29:29.04 ID:mUM1S6rU.net

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40 Tuesday, Nov. 11th 15:30

凛「よーし! 今日も練習頑張るにゃー!!」

花陽「凛ちゃん本当に大丈夫なの? 昨日風邪ひいて休んでたのに……」

凛「大丈夫! もう完全に回復したよ!」

にこ「まったく、アイドルなんだから体調管理くらいしっかりしなさいよ」

真姫「そうね。またライブ中に倒れる人がいたら困るし」クルクル

穂乃果「」グサッ

海未「しかし、すぐに良くなって本当に安心しました」

海未「ラブライブの最終予選も着々と迫っていますから、一丸となって頑張りましょう」

にこ(海未も先月体調不良で休んでたわね……)

にこ(でかい口叩いてにこが風邪ひかないように気をつけよ)

 

249:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 23:32:32.23 ID:mUM1S6rU.net

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希「せやね。よーし、じゃあ絵里ち、今日の練習メニューはどうする?」

絵里「どうしましょう……とりあえず、柔軟から始めましょうか」

ことり(穂乃果ちゃん、最近おとなしいなあ……)

ことり(海未ちゃんから一向に返事をもらえないから諦めた?)

ことり(あそこまで手段を選ばずやって来て……このタイミングで諦めるなんてことはないと思うけど)

ことり(とりあえずは一安心ってことで良いのかな?)

ことり(でも、なんだろう……このいわれのない不安は……)

穂乃果「…………」

 

258:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:10:00.74 ID:Zu3qvX/c.net

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41 Tuesday, Nov. 11th 18:30

にこ「~♪」ルンルン

にこ(真姫ったら、今日はポッキーの日だからポッキーゲームしなきゃいけないのよなんて言い張って)

にこ(キスしたいならそう言えばいいのに……可愛いわね)

にこ(ことりは今日もデートに誘ってくるし……余程私と一緒にいたいのね)

にこ(真姫もことりも、一途ににこを愛してくれて、私は幸せ者にこ~♪)

にこ(……これは浮気なんかじゃないわ……にこは皆のアイドルとして、皆に愛情を分け与えているだけにこ~♪)

にこ(まあ、バレるわけにはいかないんだけどね)

にこ「ただいま~」ガチャ

ここあ「あっ、にこにーおかえり!」

こころ「お姉さま、お帰りなさいませ」

 

260:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:12:46.72 ID:Zu3qvX/c.net

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にこ「うん、ママは?」

こころ「今日は遅くなるそうですよ」

にこ「そうなの? じゃあ急いでご飯の支度するわね」

ここあ「ここあも手伝う!」

にこ「ありがと! 何がいいかしら?」

こころ「そういえば、お姉さま宛てに封筒が届いていましたよ」スッ

にこ「封筒? 随分厚いわね……差出人不明か、きっとファンレターね」

ここあ「さすがにこにー! 大人気だね!」

にこ「当り前でしょ。じゃあ荷物を置いてくるから、献立でも考えておいてね」

にこ「はーっ、アイドルはつらいわね、住所まで特定されるなんて……」ビリビリ

バラバラ

にこ「ん? 写真……?」

にこ「――――――!!!」

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261:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:19:25.73 ID:Zu3qvX/c.net

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にこ「あ……あ、あああ……これは……」ガクガク

にこ「なんで、こんな……ものが……」

にこ(こっちはことりとデートしてる写真……)

にこ(……キスしてるとこまで……鮮明に写って……)

にこ(で、この束は……真姫との写真で……)

にこ(この家で工  した時のものまで!?)

にこ(最近のにこの写真が、全部合わせて、ざっと50枚はある……)ガクガク

にこ(ここ数日、誰かに尾行されてたってこと……?)

にこ(ま、ずい……アイドルの、スキャンダル漏れ……)ブルブル

にこ「……だ、だれが、こんな……こと……」

にこ「!! そうだ、て、手紙には……なんて……」ピラッ

 

262:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:25:36.07 ID:Zu3qvX/c.net

.
『μ’s 矢澤にこ様』

『私はなんでも知っている』

『これらの写真をばらまくことで、あなたに罰を与える』

にこ「い……や……」ジワッ

『ただし、こちらの要求を飲めば、それを中止し、写真をすべて破棄する』

にこ「え……?」

『南ことりと、別れなさい』

『期限は明日。私は常にあなたを監視している』

『賢いあなたの選択を期待している』

にこ「…………」ゾーッ

にこ(ことりと、別れろですって……!?)

にこ(そうか、これはことりのファンの仕業!)

 

263:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:26:35.92 ID:Zu3qvX/c.net

.
にこ(でもそんな……あのこの気持ちを裏切るなんて……)

にこ(でもでも、言うことを聞かないと、全部バラされて……)

にこ(……スキャンダル発覚……周囲の信頼の喪失……責任をとって脱退……)

にこ(結局、二人とも離れて行く可能性が高い!)

にこ(この差出人の言いなりになるのは癪だけど、やっぱり私のとるべき行動は……)

ここあ「にこにーまだー? 今日はカレーがいいー!」

にこ「わ、わかったわー! ちょっと待ってー!」

にこ(そうよ、やっぱり二人と付き合うってのが最初から変だったのよ!)

にこ(自分を、第一に守らなきゃ……)

 

264:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:36:34.06 ID:Zu3qvX/c.net

.
42 Wednesday, Nov.12th 17:30

ことり「なあに、にこちゃん? 練習後に話したいことがあるって……」

ことり「今日はデート……してくれるの?///」

にこ「……」

ことり(!? なんだろう、この表情……)

にこ「……ことり」

ことり「は、はい!」

にこ「別れましょう」

ことり「…………」

ことり「え?」

ことり「今、なんて……」

にこ「ごめんね」

にこ「もう、あんたと付き合っていられなくなったの」

 

265:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:43:03.24 ID:Zu3qvX/c.net

.
ことり「そ、そんな……」

ことり「……う、そ……でしょ……?」

ことり「嘘って言ってよ、にこちゃあああん!!!」ガシッ

にこ「離して」バシン

ことり「あっ……!?」ドサッ

にこ「私が別れるって言ったら別れるのよ」

にこ「あんたも十分楽しんだでしょ」

ことり「わ、私は……まだ……にこちゃんと一緒に……」

にこ「はあ……しつこいわね」

にこ「これ以上話すことはないわ。私とあんたは今からただのグループメンバーよ」

にこ「この先、絶対に恋人面しないで」

 

266:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:50:40.63 ID:Zu3qvX/c.net

.
ことり「な……なんで、なの……」ポロポロ

ことり「にこちゃん…………私とは遊びだったの……?」

にこ「……その通りよ」クルッ

スタスタ

ことり「……う、あ、ひっ……んううう……」

ことり「ああああああああ!!??」ガクッ

ことり「私が……何をしたの……何を……」

ことり「うわああああああああああああん」

穂乃果「…………」クスクス

穂乃果(私に逆らったら、こうなっちゃうんだよ……♪)

 

267:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:55:16.45 ID:Zu3qvX/c.net

.
43 Thursday, Nov. 13th 16:00

穂乃果「今日はことりちゃんが休みだって!」

希「そうなんや……体調不良?」

穂乃果「うん、さっきLINEで聞いたら、そうって言ってたよ!」

にこ「……」

花陽「μ’sの中で風邪が流行ってるんでしょうか……」

海未「確かに、私も先ほどから寒気がするような気がします……気のせいだと思いたいのですが」

真姫「海未は先月も体調崩してたわよね。最近、健康管理を怠ってるんじゃない?」

海未「先月……? はっ、ああ、そうですね……」

凛「もしかして凛が流行らせたのかにゃ……」

花陽「そ、そんなことないよ、たぶん……」

 

268:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:03:38.26 ID:Zu3qvX/c.net

.
希「……本当に体調不良なんかなあ……」

にこ「」ビクッ

絵里「どうしたの、希?」

希「うーん……いや、昨日もピンピンしてたから、驚いてる意味で言っただけや」

絵里「そうね、ビックリだわ」

にこ「……真姫、今週末、二人で出かけましょ」ボソボソ

真姫「えっ……またにこちゃんから誘ってくれるなんて嬉しい……///」ボソボソ

にこ「……真姫とは、もっと仲良くなりたいんだもの」ボソボソ

真姫「うん、私もにこちゃんと……///」ボソボソ

穂乃果(にこちゃん、どっちに対しても優位に立ってる風を装ってたけど)

穂乃果(やっぱり二人とも失うのは怖いから、ことりちゃんがいなくなったら、真姫ちゃんに擦り寄るんだね)

穂乃果(それで良いと思うよにこちゃん♪ ことりちゃんは完全に突き離しちゃってね)

穂乃果(……人間の感情なんて、わかりやすいものだよ)

 

269:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:14:57.87 ID:Zu3qvX/c.net

.
44 Thursday, Nov. 13th 18:00

コンコン

海未「……ことり、いますか……?」

海未「お見舞いに参ったのですが……」

海未「入らせていただきますよ……?」ガチャ

ことり「…………」

海未「真っ暗ですね……」

海未(……そういえばこの状況、先月の自分にそっくりです……)

海未「ことり……そばに座らせていただきますね」

ことり「……」

海未「顔色は悪いですが、体調不良では……ないようですね」

 

270:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:16:39.90 ID:Zu3qvX/c.net

.
海未「なにがあったか、話していただけませんか?」

海未「ことりのことが心配なのです」

ことり「……さい」

海未「はい?」

ことり「うるさいっ!」

海未「!!」ビクッ

ことり「海未ちゃんに私の気持ちなんてわからないよ!」

ことり「上辺だけで同情されたくないっ!!」

海未「な、ななな……」

海未「私は、本当にことりのことが……」

ことり「私だって、なにがあったかわからないの!!」

 

271:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:24:27.13 ID:Zu3qvX/c.net

.
ことり「海未ちゃんにはわからないでしょ! 愛する人に、いきなり捨てられた悲しみが……」

ことり「どれだけ、辛いものか……っ!!」

海未「は、う、ええと……」

ことり「海未ちゃんは良いよね、両想いではないけど、穂乃果ちゃんが全力で愛してくれるから」

ことり「私にはもう、愛してくれる人が……いないんだよ……」

海未「…………」

ことり「お願いだから、帰って……」

ことり「これ以上、海未ちゃんに……ひどい言葉も言いたくないから……」グスグス

ことり「うっ……うううああ……」ポロポロ

 

272:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:26:11.84 ID:Zu3qvX/c.net

.
海未「……また、元気にお会いできる日を待っています……」

海未「失礼します」バタン

ことり「…………ごめんね、海未ちゃん……」

海未「愛してくれる人がいるから良いよね……ですか」

海未「誰といざこざがあったのか気になりますが、これ以上掘り下げるのは不可能ですね」

海未「……おっと」フラッ

海未「自分の心配もした方が良さそうですね……」

 

274:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:33:29.60 ID:Zu3qvX/c.net

.
45 Friday, Nov.14th 15:30

絵里「……あれ? 2年生、だれもいないわね……」

希「集会でもあるんかな?」

にこ「いいえ、穂乃果から伝言を預かってるわ」

にこ「ことりが昨日に引き続いて休み、海未が昨夜から熱を出して休み」

にこ「穂乃果は学校には来てたけど、これから二人のお見舞いに行くって練習を休むみたいよ」

凛「……また海未ちゃんが休み……」

花陽「凛ちゃん、責任を感じることはないよ」

花陽「凛ちゃんが海未ちゃんに看病してもらったのは5、6日前の話だし、きっと凛ちゃんがうつしたんじゃないよ!」

凛「……だとしても、凛も練習が終わったら海未ちゃんのお見舞いに行くにゃ」

凛「その時に言われたんだ。困ったときはお互い様だって」

凛「……かよちんも、行く?」

花陽「……うん……」

花陽(お見舞いの最中に良い雰囲気になったら、嫌だもんね)

 

276:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:41:45.44 ID:Zu3qvX/c.net

.
46 Friday, Nov.14th 17:30

海未「……zzz」スヤスヤ

穂乃果「……海未ちゃんなかなか起きないなあ……」

穂乃果「それだけ、身体が弱ってたってことなんだね……海未ちゃんはいつも頑張り屋さんだから……」

海未「う……んん……」ゴロン

穂乃果「……」

穂乃果(きれいな顔……)

穂乃果(ちょっとだけ、触ってみてもいいかな?)

プニッ

穂乃果(ほっぺ、柔らか……)プニプニ

海未「あう…………」

穂乃果「!」ビクッ

海未「……zzz」

 

277:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:46:01.15 ID:Zu3qvX/c.net

.
穂乃果(ビックリした……)

穂乃果(ちょっとやそっとじゃ起きないよね)

穂乃果(…………)

穂乃果(つまり、ほっぺなら……大丈夫かな……)

穂乃果(…………////)ドキドキ

海未(……ん……?)パチリ

チュッ

海未「…………」

海未「!?!?!?」

穂乃果「……はあ……///」

海未「……ほ、のか……?///」

穂乃果「うひゃあっ!?」

海未「な、何を……して……」

 

278:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:52:24.42 ID:Zu3qvX/c.net

.
穂乃果「お、おおおおはよう海未ちゃん! その……お見舞に……」

海未「そ、そう、ですか……」

ほのうみ「…………///」

穂乃果「……海未ちゃんが、悪いんだもん」

海未「へ?」

穂乃果「穂乃果が告白してから、結構経つのに……全然返事くれないし……」

穂乃果「もう、待ちきれないよ……」

海未「うっ…………すみません」

穂乃果「私じゃ、駄目なの?」

穂乃果「ずっと海未ちゃんと支えあって生きたい」

穂乃果「こんなに海未ちゃんを愛せる人は、他にいないってくらい自信あるもん」

 

279:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:55:14.59 ID:Zu3qvX/c.net

.
海未「穂乃果……///」

海未(愛してくれる人がいるのは、幸せなこと……)

海未(最近、誰かに教わった気がします)

穂乃果「う、海未ちゃん……///」ギュッ

海未「なっ///」

穂乃果「これから、海未ちゃんの返事を……形で示してもらおうかなって思います」

海未「それは、どういう……///」

穂乃果「無理やりはしない。嫌だったら、背けてくれればいいから……」

穂乃果「いくよ……」ズイッ

海未(ほ、穂乃果の顔が……だんだん近づいてきて……)

海未(このままでは、今度は口にキスされてしまいます!///)

 

280:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 23:03:26.12 ID:Zu3qvX/c.net

.
海未「そんな、風邪がうつってしまいますから……」

穂乃果「……そんなの、なんてことないよ……?///」

海未(……穂乃果は、仲の良い幼馴染で……)

海未(今までそんな目で見たことはなかった、のですが)

海未(こうして改めて近くで見ると……か、可愛い……ですね)

海未(って、それと恋人になるかは別の話で……!)

穂乃果「……///」ジリジリ

海未(しかし、いつでもそばにいてくれた穂乃果なら……)

海未(これからも、私のことを……第一に考えてくれるはず……)

海未(……しかし、本当に、このまま受け入れても良いのでしょうか……?///)

 

281:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 23:06:21.50 ID:Zu3qvX/c.net

.
海未「はあ、はあ……///」

海未(迷っている時間は無いのに)

海未(頭が、ボーっとして……///)

海未(もう何も、考えられない……!!)

穂乃果「んむっ……///」

海未「……んっ///」

チュー

ほのうみ「…………///」ギュッ

海未(ああ……穂乃果のぬくもりが…………愛しい……)

凛「海未ちゃーん!」ガラッ

凛「お見舞いに来っ……た…………にゃ……?」

 

296:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:06:14.69 ID:+gowTxqU.net

.
47 Friday, Nov.14th 17:50

ほのうみ「……ぷはっ///」

海未「なっ……り、凛……!?」

穂乃果「…………」

凛「う、海未ちゃんと……穂乃果ちゃん……今、何して……!?」

穂乃果「はあ、良いところだったのに」

穂乃果「……凛ちゃん、ちょっと一緒に来ようか」グイッ

凛「わわっ」

花陽「ぴゃあ! 穂乃果ちゃん……?」

穂乃果「あ、花陽ちゃんも一緒だったんだ。じゃあ、二人とも一旦外に出て、ちょっとお話しよ?」ニコッ

穂乃果「海未ちゃーん、ゆっくり休んでてね~」フリフリ

海未「は、はい……///」

 

297:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:09:33.31 ID:+gowTxqU.net

.

穂乃果「ということで、海未ちゃんは穂乃果がとっちゃったから」

凛「そ……んな……」プルプル

凛「認められないにゃっ! 熱で浮かされた海未ちゃんをたぶらかせて!」

穂乃果「……その海未ちゃんが、熱で苦しんでるのは誰のせい?」

凛「にゃっ…………ぐうう……」

凛「でも、人のものを奪ったりまでしてる穂乃果ちゃんに言われたくないにゃ!」

穂乃果「え~? 何の話?」

凛「!! このっ……」

穂乃果「凛ちゃん、あなたは負けたんだよ。恋愛の勝負に」

穂乃果「残酷だけど、もし手段や過程が倫理観から外れていても、勝ったものが正義なの」

穂乃果「海未ちゃんは穂乃果を受け入れたんだ。この事実は覆らないよ」

凛「ちが、う……こんなの……許せない……」ジワッ

 

298:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:21:50.90 ID:+gowTxqU.net

.
穂乃果「あーあ、負け惜しみなんて見ていて醜いなあ……」

花陽「ちょっと穂乃果ちゃん! い、言い過ぎですっ!」

穂乃果「ん? あ、花陽ちゃん、私に協力してくれてありがとうね」

凛「……え?」

花陽「なっ……」

穂乃果「花陽ちゃんが応援してくれたから、穂乃果、ここまで頑張れたよ」ニコッ

穂乃果「花陽ちゃんも、自分の恋が実るよう頑張ってね! 引き続き応援するから!」

凛「……か、かよちんは……穂乃果ちゃんの味方だったの……?」

花陽「えっ、あ、そんな、味方ってわけじゃ……!」

 

299:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:25:21.23 ID:+gowTxqU.net

.
穂乃果「……あとね、これを言うのは性格悪いかもしれないけど」

穂乃果「花陽ちゃんの告白で凛ちゃんの積極性が鈍ったのも私の勝因のひとつかなって思うの」

穂乃果「凛ちゃんは本当に優しい子だからね♪」

花陽「あう……私は……そんな、つもりじゃ……」ガクガク

凛「…………」ポカーン

穂乃果「じゃ、私はこれから海未ちゃんの看病に戻るから、またね」

穂乃果「ふたりはことりちゃんのお見舞にでも行ってあげなよ」

穂乃果「今日も、『体調不良』らしいからさ……」ニヤ

穂乃果「~♪」クルッ

凛「…………」ポロポロ

花陽「あ、の……凛ちゃん、私は、本当に、凛ちゃんのことが……好きで……」

 

300:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:29:33.71 ID:+gowTxqU.net

.
凛「……でも、結局は……凛の幸せよりも、穂乃果ちゃんの幸せを願ったんでしょ……」

花陽「そ、それは……! お互いの恋愛が上手くいくよう頑張りましょう、って社交的に言っただけで……」

凛「……そっか……」

花陽「あ、う、ちがうの、今の、更に勘違いさせるようなこと言っちゃったかもしれないけど! その……」

凛「凛にも、非があったかもしれないけど……」

凛「……ごめん、かよちん…………いえ、小泉さん」

花陽「こい……っ!?」

凛「気持ちが落ち着くまで…………しばらく、顔を見たくないです……」フラッ

フラフラ

花陽「り……んちゃ、ん……」

花陽「あ……あああ……なんで……」

花陽「私、は……精一杯、凛ちゃんと結ばれようと……したの、に……」

花陽「なんで……! なんでよおおおおおおおおおお」ガクッ

 

302:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:31:49.54 ID:+gowTxqU.net

.
海未「今、外から叫び声がしたような……」

穂乃果「そう? たぶん気のせいだよ! それより何か食べたいものとかない?」

海未「え……? 食べたいもの、ですか?」

穂乃果「うん! 簡単なものなら穂乃果がつくってあげたいって思って」

海未「そ、そんな……悪いです……///」

穂乃果「もう、遠慮しないでよ~! 私たち、恋人同士なんだから……ね?」

海未「う、あう……///」

穂乃果「……海未ちゃん」ボソッ

海未「ひゃ、ひゃい///」

穂乃果「好きだよ……///」

海未「……ほ、穂乃果……///」

海未「…………私も」

海未「……好きです――――」

 

304:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:38:26.31 ID:+gowTxqU.net

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48 Tuesday, Nov. 18th 12:30

モブ「園田先輩!高坂先輩! 応援してます!」

穂乃果「えへへ、ありがと」ニコ

海未「……///」ペコ

海未「……あっという間に広まってしまいましたね」

穂乃果「どこから漏れてるのか、不思議だね~」

海未「まあ、噂は一人歩きしますからね……」

穂乃果「ところで海未ちゃん、体調はもう完全に大丈夫なの?」

海未「はい。病は気からと言いますからね……気力で治しましたよ」

穂乃果「……あと、穂乃果の看病のおかげ?」

海未「そっ、それ、も……あるかもしれませんね……///」

穂乃果「えへへ///」

 

305:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:42:30.92 ID:+gowTxqU.net

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絵里「あ、あの……穂乃果、海未……」

希「こんにちは、やん?」

穂乃果「あっ、絵里ちゃんと希ちゃん! こんにちは!」

海未「……こんにちは」サッ

絵里「えっと、その……本当なの? 二人が、付き合い始めたって……」

絵里「噂で、聞いちゃったんだけど……」

穂乃果「…………」

穂乃果「うんっ! 本当だよ!!」ニコッ

絵里「……っ!」

海未「……」

希「……」

絵里「……よかった、わね……」

穂乃果「えへへ、ありがとう!」

 

307:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:45:51.16 ID:+gowTxqU.net

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穂乃果「でも、これからもμ’sのメンバーとしてよろしくね、絵里ちゃん!」

絵里「…………そう、ね……」

希「ほら絵里ち、行こう? 理事長室に呼ばれてるんやで」

絵里「えっ……うん……」

穂乃果「……」ギュッ

海未「!」

穂乃果「穂乃果たちも、ご飯食べに行こう?」

海未「は、はい……///」

絵里「……希……」

希「うん?」

 

308:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:48:18.06 ID:+gowTxqU.net

.
絵里「……これで、良かったのかしら……」

希「……自分の胸に聞いてみい」

絵里「…………」

絵里「うっ、ひっ……」ポロポロ

希(ウチは、誰にもなにもしてあげられんかったけど)

希(これで良くはないよなあ……)

希(しかし、穂乃果ちゃんと海未ちゃんが付き合って、絵里ちと凛ちゃんが落ち込んでるのは理解できるけど)

希(ことりちゃんや花陽ちゃんまで死んだような顔してるのはどういうことなん……?)

希(……いつだか、情報屋と自負してるなんて啖呵切ったけど……情報屋が聞いてあきれるなあ)

希(神よ……どうか、このままで終わらせんといてや……)

.

 

319:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:50:12.98 ID:2iF61ky0.net

.
49 Tuesday, Jan. 13th 16:00

穂乃果「はあ~、今日も学校疲れたよ~!」バフッ

海未「もう……宿題をするために私の家に来たんですよね?」

海未「だいたい、午後の授業はほとんど寝ていたくせに……」

穂乃果「そうだけど、まず一休みは大切だよ!」ゴロゴロ

穂乃果「う~ん、海未ちゃんのベッド、いつもいい匂いだよね~」クンクン

海未「嗅がないでください!? 変態みたいですよ!」

穂乃果「海未ちゃんの前では、穂乃果は変態になっちゃうんだよ」ニヤ

海未「まったく、何を言ってるんですか……」

穂乃果「とりあえず頭なでなでして~~」スリスリ

海未「はあ……」ナデナデ

 

320:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:56:20.34 ID:2iF61ky0.net

..
海未(……これじゃ、なんだかんだ幼馴染のころとあまり変わりませんね)

海未(やっぱり穂乃果は穂乃果ですね。悪いことではないですが)

海未(……ただ、私もたまにはこんなふうに……誰かに思いきり甘えてみたいものですが……)

海未(相手が穂乃果だとやりにくいですね)

海未(それも、仲が深いしるしと考えれば、そうなのかもしれません)

穂乃果「えっへへ~♪ 気持ちいい~♪ あったかい~♪」

海未「……そういえば穂乃果」

穂乃果「ん~?」

海未「昔、私たちが秘密基地にしていた高台……近々あの場所に、工事が入るらしいです」

海未「景色が一変してしまうと、寂しいものがありますね……」

穂乃果「……ふーん……」

穂乃果「……ごめん海未ちゃん、秘密基地ってどこだっけ?」

 

321:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:03:23.50 ID:2iF61ky0.net

.
海未「えっ……? ほら、小学校の裏の方にある高台ですよ、狭い階段を上って、景色が良くて……」

穂乃果「えっと、いつぐらいの話?」

海未「私たちが会って、あまり間もないくらいですが……」

海未「もしかして、忘れてしまったのですか!?」

穂乃果「う~ん…………あの頃って、いろんな友達といろんな場所に基地作ってたし……」

穂乃果「ちょっとピンとこないや! あはは~」

海未「…………」

海未「そう、ですか……」スッ

穂乃果「ありゃ、なでなでもう終わり?」

海未「はい。宿題に取り組もうと思いまして」

穂乃果「そっか、じゃあ穂乃果もやらなきゃ~……海未ちゃん教えて~!」

海未「…………」

 

322:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:06:45.30 ID:2iF61ky0.net

.
50 Wednesday, Jan. 14th 17:00

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん、一緒に帰ろ!」

ことり「うん……」

海未「えっと、すみません。今日は弓道部の方に少々顔を出さなければいけないので、お二人は先に帰っていてください」

穂乃果「ぶー……わかったよ~」

穂乃果「じゃあ、今夜また遊びに言って良い?」

海未「ダメです。あまり夜に遊び歩くのは感心できませんので」

穂乃果「前は快諾してくれたのに……」

海未「癖になってしまうといけないので。失礼します」

穂乃果「海未ちゃんのケチ! ことりちゃん、行こう?」

ことり「はーい」

 

323:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:14:25.00 ID:2iF61ky0.net

.
51 Wednesday, Jan. 14th 17:30

穂乃果「でね、観覧車乗った時の海未ちゃんが可愛くて~♪」

ことり「あはは、そんな一面もあるんだね……」

穂乃果「うん、あと、お化け屋敷入ったときは……♪」ペラペラ

ことり(海未ちゃんと付き合い始めたときは、穂乃果ちゃんはこんな日は意地でも海未ちゃんを待ってたけど)

ことり(順調に交際が進んで余裕ができたのか、穂乃果ちゃんは私と二人でも帰ってくれるようになった)

ことり(話の内容は海未ちゃんのノロケばっかりだけど、幼馴染についての話と考えれば悪いものではない、と思う)

穂乃果「ことりちゃんは、最近は浮いた話はないのー?」

ことり「えっ!? あ、うん……無いかな、あはは」

穂乃果「そっか、あれ以来かあ……好きな人とかできたら是非私たちに相談してね!」

ことり「う、うん……そうだね。穂乃果ちゃんと海未ちゃんが羨ましいよ」

 

324:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:15:59.34 ID:2iF61ky0.net

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穂乃果「うん、私と海未ちゃんは世界一幸せなカップルだからね~♪」

ことり「……」ニコッ

ことり(少し前までは、あんなやり方で通してなにが幸せだ、と反感を抱いただろうけど)

ことり(もうそんな気力も失ってしまった……)

ことり(にこちゃんも、今は真姫ちゃんと付き合ってるみたいだし)

穂乃果「ことりちゃんもすぐにいい人が見つかるよ!」

ことり「だといいけど……」

穂乃果「じゃあ、また明日ね! ばいばーい!」

ことり「ばいばーい」フリフリ

ことり「…………あれ?」

ことり「私からは、何も言ってないはずなんだけど……」

ことり「……『あれ以来』って、どういうこと?」

 

325:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:22:00.23 ID:2iF61ky0.net

.
52 Monday, Jan. 19th 15:50

海未「はい、皆さん基本のリズムを良く取れていると思います」

海未「では今日はこれからユニットごとの練習にしましょう」

絵里「ゆ、ユニット? もう良いんじゃない? 最近かなり練習したし……」

海未「そうでしょうか? リリホワはもう少し見直したいのですが……」

海未「今週末の校内ラストライブまではご容赦願いたいです」

絵里「うーん、わかったわ……」

絵里(ユニット練習にすると、あの二人が私を置いてすぐいちゃつこうとするから、ちょっとやりにくいのよね……)

希(海未ちゃんと絵里ち、普通に話すくらいには戻ったんや)

希(もうきっと穂乃果ちゃんも絵里ちゃんを縛る必要が無いし、時間で解決されたんやね)

海未「では、それぞれいつもの練習場所で始めてください」

 

326:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:26:59.90 ID:2iF61ky0.net

.

穂乃果「よーし、今日は何をやる?」

ことり「うーん……最終確認として全体を通したいかな」

穂乃果「わかった! じゃあまず永遠フレンズからで!」

穂乃果「花陽ちゃんもそれでいい?」

花陽「っ! は、はい……」

花陽(……まだ穂乃果ちゃんがちょっと怖いです……)

ことり(やっぱ、あの時期からの花陽ちゃんの反応、穂乃果ちゃんに対してだけ変だよね)

ことり(穂乃果ちゃん、花陽ちゃんにも何かしたのかな……)

 

328:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:30:39.86 ID:2iF61ky0.net

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真姫「ねえにこちゃん、今日も私の家にこない?」

にこ「えー、おうちに連れ込んで何する気~?」

真姫「え、っと……/// た、ただご飯でもと思っただけよ!」

にこ「本当に~? 真姫ちゃん工  だからなあ~♪」

真姫「んもう! からかわないデッ!」

絵里「あの……冬がくれた予感から始めたいんだけど……」

真姫(にこちゃん、いつの間にか私たちの関係をオープンにしてるわね)

真姫(それだけ認められたってことなのかしら……幸せ……♪)

にこ(ことりには悪いことをしたけど、やっぱり一人に絞った方がコソコソしなくて良いわね)

にこ(脅迫犯の存在は怖いけど、何も起こってないから大丈夫よね!)

 

329:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:32:58.83 ID:2iF61ky0.net

.

海未「さて、我らがリリホワの練習ですが」

希「まあ、秋のあなたの空遠くはさんざんやった気がするから、ふたりハピネスかなあ」

凛「凛もそれでいいと思うにゃ~」

海未「はい、ではそうしましょう」

希(みんな表面上ではほぼ元通りになったけど、まだ心の奥では何らかの禍根を残しているんやろなあ)

希(それも長い時間が解決してくれるんやろけど)

希(このまま卒業、解散……なんて嫌すぎるなあ)

海未「ほら、凛、これでは腕の角度がひとりずれてしまいますよ」グイッ

海未「こう、腰を引かずにですね……」ギュッ

凛「にゃ、にゃあ……///」

凛(……やめてよ、海未ちゃん……)

凛(いっそ、冷たく接してもらえないと)

凛(このままじゃ、凛、いつまでもこの気持ちを捨てられないよ……///)

希(…………)

 

330:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:53:16.36 ID:2iF61ky0.net

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53 Monday, Jan.19th 17:30

希「なあ、凛ちゃん、ちょっとええ?」

凛「にゃ?」

希「……海未ちゃんのことなんだけど」

希「凛ちゃん、このままでええの?」

凛「何を言い出すかと思えば……」

凛「希ちゃんがどこまで知ってるかわからないけど、余計なお世話ってやつだにゃ」

希「……せやろか……」

希「このまま終わるの、気持ち悪いと思わん?」

凛「……そりゃ、気持ち良くはないけど」

凛「今更凛たちにできることなんてないよ」

 

331:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 22:57:34.97 ID:2iF61ky0.net

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希「……ウチは凛ちゃんを応援したいんよ」

凛「え?」

希「ここ数週間、いろんな人から話を聞きながら考えてみたんだけど、やっぱり穂乃果ちゃんのやり方は間違っていると思うんよ」

希「絵里ちへのチョコの件しかり……話を聞く限り、許されることじゃない」

希「それに、一方的な印象操作によって絵里ちや花陽ちゃんをたくさん傷つけたようやし」

希「たぶんことりちゃんが落ち込んでたのも穂乃果ちゃんが一枚噛んでるんや!」

希「その穂乃果ちゃんだけが自分の望みを叶えて幸せそうにしてるのはおかしいと思う」

希「だから、ウチは凛ちゃんに幸せになってほしい」

凛「…………もう、無理だってば」

希「なんでなん!? 諦める理由もないやろ!」

希「凛ちゃん、まだ海未ちゃんのこと―――」

 

332:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:01:22.03 ID:2iF61ky0.net

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凛「うるさいっ!! 無理だって言ってるでしょっ!!!」

希「っっ!!」

凛「そうだよ、凛は海未ちゃんのことが好きだよ! 相変わらず醜く固執したままだにゃ!」

凛「今凛はせっかくその想いを振り払おうとしてるのに! なんで邪魔するの!?」

凛「中途半端な希望を与えようとしないでよ!! もう諦めちゃう方が楽なんだよ!」

凛「希ちゃんにとっては、所詮は他人事でしょ!」

希「うっ……そ、そんなことないって!!」

希「本当に他人事だと思ってたら、こんなこと言い出さないやん!」

凛「とにかくっ!!」

凛「……凛の進退は凛が決めるにゃ」

凛「また明日……」スタスタ

希「…………」

ことり「希ちゃん……」

 

333:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:10:36.01 ID:2iF61ky0.net

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希「!?」

希「わ、ことりちゃんか……」

ことり「ごめん、盗み聴きするつもりはなかったんだけど」

ことり「ふたりが言い争ってるのが珍しくて、つい……」

希「ああ、聞いてたんか……別に問題はないで」

ことり「あのね、ひとつ訂正させてほしいんだけど」

希「訂正?」

ことり「うん。さっきの話。ことりが落ち込んでたことについてだけど……」

ことり「あれは穂乃果ちゃんのせいじゃないよ。別の問題」

希「ああ……ごめん」

希「さっきは何の確証もなく、穂乃果ちゃんが関わってるとか言ってしまったけど、そうやったんか」

希「……もし辛くなければ、あの時期に何があったか……聞かせてもらっていい?」

 

334:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:14:07.88 ID:2iF61ky0.net

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ことり「……」

ことり「いいよ、話してあげる。もうことりも割り切ってるし……」

ことり「……あのね、私、夏休み前くらいから、11月の前半くらいまで……付き合ってたの。にこちゃんと」

希「……え? にこっち……?」

ことり「うん。意外だったかな? にこちゃんが絶対に口外しない方針だったから皆が知らないのも普通だよ」

希「……え、いや、その……あれ……?」

ことり「で、ある日、いきなり一方的にフラれちゃって……ショックを受けてたの」

ことり「そのうち、真姫ちゃんと付き合ってるのがわかって……真姫ちゃんと付き合うために私は捨てられたのかもしれないって、もっと落ち込んだよ」

希「……な、なるほど……」

ことり「だからこれは穂乃果ちゃんとは関係無い話」

 

335:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:17:39.43 ID:2iF61ky0.net

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ことり「ことりも穂乃果ちゃんのやり方には賛成できなかったから、陰ながら凛ちゃんの応援に回ってたんだけど……惨敗だった」

ことり「私も今から逆転目指して頑張る気にはなれないや。ごめんね」

希「ああ、うん、それはええんやけど……」

ことり「ことりが絵里ちゃんから受けた警告、そのまま伝えることになるけど」

ことり「……穂乃果ちゃんには、気を付けてね」

ことり「私とにこちゃんの関係についての情報も、どこからか入手してたみたいだし……」

ことり「……じゃあ、また明日……」スタスタ

希「……にこっち…………」

希「一度、話を聴かないといけないみたいやね」

 

336:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:25:53.61 ID:2iF61ky0.net

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54 Tuesday, Jan. 20th 15:30

海未(……はあ、今日は最初に弓道部の方に行きますか……)

海未(μ’sの方の練習は、絵里が引っ張ってくれるでしょうし)

絵里「……」

海未(っ!? 噂をすれば窓際に絵里の影……噂はしてないですが)

絵里「…………はあ」

海未(何か考え事でしょうか……)

フワッ

絵里「!」

 

337:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:28:09.72 ID:2iF61ky0.net

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海未「……!」

海未(風に金色の髪がなびいて……)

絵里「……」サラッ

海未(…………自然な立ち振る舞いも、上品で、大人っぽくて……)

海未(やっぱり絵里は……)

海未(……綺麗……ですね)

海未(…………)

海未(はっ!? 私は何をボーっと見とれて……)

海未(はやく弓道部に行きましょう、鍛錬あるのみです)スタタ

 

338:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 23:33:24.25 ID:2iF61ky0.net

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絵里「……あれ……海未?」

絵里(走り去る海未の後ろ髪が見えたような気がしたけど……)

絵里(私もそろそろ練習に行かなきゃ……)

絵里(……はあ、穂乃果と海未……か)

絵里(今更だけど、やっぱりお似合いよね)

絵里(祈りましょう、心から、あの二人の幸せを……幸せ、を……)

絵里「…………」

絵里「ありふれたかなーしみ、ありふーれたいたーみと~……」ボソッ

 

349:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:00:12.44 ID:b9Lq52Tq.net

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55 Tuesday, Jan. 20th 18:00

にこ「希が家に呼んでくれるなんて珍しいわね」

にこ「一人が寂しくて、にこが恋しくなっちゃったの?」キャルーン

希「…………」

にこ「……ちょっと、何も反応がないなんてひどいじゃない」

希「ああ、ごめんな……」

にこ「どうしたの、そんな暗い顔して? 悩み事?」

希「にこっち、ひとつ聞きたいことがあるんよ」

にこ「ん? 私とあんたの仲じゃない、なんでも話しなさいよ」

希「……あのさ、にこっち……」

希「浮気って、どう思う?」

 

350:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:06:55.81 ID:b9Lq52Tq.net

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にこ「うわ、き……!?」

にこ「いきなりね。どうしてこんなこと聞くの?」

希「……ちょっと悩んでるんよ」

にこ「……ふうん、あんたのそういう話、聞いたことないから新鮮だわ」

にこ「基本的に、浮気なんて許されることじゃないと思うわ」

にこ「自分を真剣に愛してくれる人を裏切って、他の人に目移りするなんてね」

希「……本当にそう思う?」

にこ「ええ。希、もしかして浮気されたの? そんなろくでもない人、やめなさいよ」

希「…………」

にこ「ん?」

希「……もう……やめてや、にこっち……」ブルブル

にこ「え!? な、なによ、どうしたの!?」

 

351:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:14:07.19 ID:OdSsXZjI.net

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希「そんなこと言われたら、ウチ、にこっちの言葉……信用できなくなっちゃうから……」

にこ「……ど、どういう、意味…………はっ!」

希「自覚、あるんよね?」

にこ「…………」

にこ「……なんのことかしら」キリッ

希「なっ!?」

希「認めて、くれへんの……?」

にこ「認めるも何も、希が何を言いたいのかわからないわ」

希「嘘や! にこっち自身がちゃーんと知ってるはずや!!」

希「昨日、ことりちゃんからきいたんや、夏から秋にかけてにこちゃんと付き合ってたって」

希「ある日こっぴどくフラれて、それが酷く落ち込んだ原因だったって」

にこ「……虚言よ。私が付き合ってるのは真姫よ。あんただってそう認識してたはずよ」

 

352:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:22:03.67 ID:syz9PEFe.net

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希「ウチだって、にこっちは浮気なんてしない、そう信じたかった……」

希「じゃあどうして、あんなにひた隠しにしてた真姫ちゃんとの関係を、今は大っぴらにしてるん?」

にこ「……別に、心境の変化とかあるでしょ」

希「でも、ことりちゃんが病んでいた時期と、にこっちが他人の面前で真姫ちゃんといちゃつき始めた時期も重なるし……」

希「何より、ことりちゃんが嘘をつく理由が見当たらないんや」

にこ「……」

希「にこっち、さっきウチとにこっちの関係ならなんでも話そうみたいなこと言ってくれたやん」

希「それでもにこっちは、浮気なんてしてない……そう言いとおすん?」

にこ「……」

希「……」ウルウル

にこ「…………はあ」

にこ「私の負けよ」

 

353:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:28:37.77 ID:syz9PEFe.net

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希「……え?」

にこ「確かに、同時期にふたりと交際していたことは認めるわ」

希「!! じゃあ、やっぱりうわ……」

にこ「でも、浮気なんて言葉で表現してほしくないの!!」

にこ「ふたりから告白されたのは同時期だった。……真姫のほうが数日早かったかしら」

にこ「ことりから告白されたとき、私も最初は断るべきだと思ったわ」

にこ「でも、仲間のあんな切なそうな顔見せられたら……そんなことできなかったわよ」

にこ「だから、私は誰も傷付けないようにって思って、二人を全力で愛することにした」

にこ「二人とも本気だった。だから……浮気なんてものじゃない」

希「……そんなやり方、その時はみんな幸せかもしれんけど」

希「結局、だれかがもっと傷つくときがくる」

にこ「頭ではわかってたけど、もう引き返せなかったわ」

 

354:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:35:07.20 ID:qAJjrOsk.net

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希「……じゃあどうして、急にことりちゃんをフったんや?」

にこ「んぐっ……」

にこ「…………」

にこ「もうこの際、すべて話すわ」

希「ありがとう……お願い」

にこ「11月のある日よ。一通の手紙が送られてきたの」

にこ「差出人不明、内容物は一通の手紙と数十枚の写真」

希「写真……?」

にこ「そうよ。私が二人と交際してる証拠が盗撮されたもの……」

にこ「直前の数日間、私は尾行されてたみたいね」

希「び、尾行!?」

にこ「そして、手紙の文面は……」

にこ「この写真を公開してほしくなければ、南ことりと別れなさい」

希「……!!」

 

355:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:44:09.73 ID:qAJjrOsk.net

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にこ「おそらく、ことりのファンからだと思う。私に嫉妬したんでしょう」

にこ「希、あんたは二人と同時に付き合うことはしないと思うけど」

にこ「あんたが私の立場だったらどうする?」

にこ「ばらまかれたときの損失を考えたら、絶対に従うと思うわ」

希「…………」

にこ「ことりには悪いことをしたと思ってる」

にこ「でも、こうするしかなかったのよ……」

希「……いつか罰がくるよ」

にこ「そうかもね。今のところは何もないけど」

にこ「……あと、今更誰かに言いつけたって良いことは無いわよ」

にこ「私がいくら責められたって、今の真姫が私から離れそうにはないし」

にこ「ことりの感情に更に負荷をかけるだけよ」

 

356:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:53:22.20 ID:ozlNEDji.net

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希(にこっちの罪は一旦置いても……じゃあ、ことりちゃんのこの件と穂乃果ちゃんは本当に無関係?)

希(ことりちゃんが穂乃果ちゃんに抗戦し始めた時期と、その脅迫文が来た時期が一致してるのも、ただの偶然なん?)

希「にこっち、ことりちゃんと真姫ちゃんとの関係について、ウチのほかに知ってる人は?」

にこ「……少なくとも私からは言わないわ。だから、当時は……真姫との関係をあんたに勘付かれたくらいだと思うけど」

希(……そうなると、昨日のことりちゃんの、穂乃果ちゃんに関する発言について)

ことり『私とにこちゃんの関係についての情報も、どこからか入手してたみたいだし……』

希(これが気になる……にこっちとことりちゃんの関係を知ってる人が他にもいないとおかしい)

希(……もしかして、そのことりちゃんのファンと穂乃果ちゃんが通じてる?)

希(そんな突飛な考えで良いんやろか……)

希「……あっ!?」

 

357:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 18:59:57.63 ID:1eKTm+iI.net

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にこ「ど、どうしたの、希?」

にこ「今日はやけに長く考えこむわね」

希「そうか、もっと単純に考えればいいんや」

にこ「え? え?」

希(にこっちに脅迫文を送りつけてきた人物、その人こそが……!)

希(……浮気を否定する考え方からなら、少しは意を酌んであげるけど)

希(穂乃果ちゃん……ちょっと、余罪が多すぎるな……?)

にこ「……?」

にこ(希が、何かをたくらんでいるときの顔をしているわね……)

 

358:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 19:30:15.41 ID:7p4mB2Zq.net

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56 Friday, Jan. 23rd 17:30

海未「先日お勧めしてもらった本を返しに来ました」

穂乃果「ありがとー! とりあえず上がってよ!」

海未「はい、ではお言葉に甘えて……」

穂乃果「海未ちゃ~ん♪」ゴロゴロ

海未「……はあ、まったくいつまでも子供っぽいんですから」ナデナデ

穂乃果「えへへ~……///」

海未(……私が熱を出したときの穂乃果は、とてもしっかりして頼りがいのあるように見えたのですが……)

海未(最近、穂乃果のこと、本当に恋人として好きなのか、結局は幼馴染として好きなのか、わからなくなって……)

海未(いえ! そんな考え方ではいけませんね、一度付き合い始めた以上は、責任を持たなければ!)

 

359:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 19:36:17.31 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「そういえばさっきの漫画どうだった?」

穂乃果「海未ちゃんがあまり読みそうにない、少女漫画にしてみたんだけど」

海未「あ、はい、そうですね……」

海未「ちょっと、ところどころ目を当てられなかったというか……///」

穂乃果「相変わらず恥ずかしがり屋さんだね♪」

海未「……でも、6巻あたりの……主人公が付き合い始める直前、どうかと思います」

穂乃果「ええ? 一番盛り上がるシーンでしょ」

海未「さまざまな心情描写で巧みに誘導されますが、結局は、他の人と交際中の人を半ば無理やり奪い取った形ですよね」

穂乃果「……うん、まあ、そうだね」

海未「そんなこと、許されるのでしょうか……疑問です」

海未「好きと伝えるくらいに留めておくべきかと思います」

穂乃果「……それが一番綺麗かもしれないけど」

穂乃果「私は主人公のやり方に賛成する、かな」

海未「ほう?」

 

360:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 19:44:57.81 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「恋愛ってさ、みんな絶対に想いを叶えたいって強く感じるだろうし、そんな綺麗なことばっかりじゃ全然進まないよ」

穂乃果「自分の恋を叶えるためなら、それが一般的な倫理から外れてても、強気で行動しちゃって良いと思う」

海未「……そういうものでしょうか……」

穂乃果「うん。穂乃果なら、そうしちゃうかも」ニコッ

海未「……穂乃果、なら……?」

海未「…………」

海未(そういえば、いつしか……ことりがおかしなことを言ってましたね)

ことり『その、絵里ちゃんが海未ちゃんを避けてるのって、きっと穂乃果ちゃんのせいなの』

ことり『穂乃果ちゃんが、絵里ちゃんの好意を利用して……言うことを聞かせてるの』

海未(チョコが返された点についても尋ねられましたが)

海未(……まさか……ですよね)

海未(ことりの想像にすぎません。忘れましょう)

 

362:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 19:53:05.56 ID:7p4mB2Zq.net

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海未「ほら、穂乃果、今日もせっかくなので一緒に宿題を片付けてしまいましょう!」

穂乃果「ん~……」

海未「はい、バッグの中からプリントを出す!」

穂乃果「え~……」

海未「いずれしなければならないことです。貸してください、私が手伝いますか……ら……」

ヒラッ

海未「…………なんでしょう、これ……?」

海未「包装用リボンの切れ端みたいですが……」

穂乃果「ん~? リボ……」

穂乃果「っっ!!!」

パシッ

海未「!?」

 

363:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 20:04:58.53 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「……はあ、はあ……」ドキドキ

穂乃果(しまった! つい焦って奪ってしまった……!)

穂乃果(なんでこんなものが今更!? 状態は確認したはず!)

穂乃果(というか、ラッピングリボンがバッグの中で切れるなんてことがあるの!?)

海未「……穂乃果……? どうしました……?」

穂乃果「な、んでも、ないよ……」

穂乃果「こんなの、ただのゴミだよ、うん! 捨てちゃうね~」

海未「……?」

穂乃果「は、はい、続きに取り掛かろうよ!」

海未(……今の、私好みの色合いのリボン、どこかで…………?)

 

364:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 20:11:32.67 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「えっと~、こっちの数学のプリントはもういらないかな~?」

海未(たしか……いつだか、私自身が選んだような……)

穂乃果「あっ、この英語のプリントは来週のテスト範囲だよね~!」

穂乃果「ちょっと海未ちゃん、聞いて……」

海未「……ピエールマルコリーニ……」

穂乃果「うっ!?」

海未「…………絵里への誕生日プレゼント」

海未「その包装用リボンにそっくりです……」

穂乃果(な、なんで海未ちゃんも、3か月も前のことを覚えてるの……!?)

穂乃果(まずい、何か言い訳を考えなくちゃ!)

穂乃果「そ、それは偶然だね……」

 

366:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 20:19:20.98 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「でもあのリボンはたぶん、私が雪穂への誕生日プレゼントを買った時のものだよ!」

海未「そうなんですか……? 何をあげたんですか?」

穂乃果「っ! え、と……化粧水、だったかな……」

穂乃果「なんて、そこまで聞かなくて良いじゃん!」

穂乃果「いつまでもあの日のことを引っ張らない方が良いって!」

穂乃果「というか、あの時の状況は海未ちゃんが教えてくれたじゃん!」

穂乃果「あのチョコは、絵里ちゃんが夜9時過ぎに海未ちゃんの家の郵便受けに入れたんでしょ!!?」

海未「……え?」

穂乃果「え?…………あっ」

海未「……夜9時過ぎなんて……誰にも、言ってないですよ……?」

海未「私ですら、曖昧な記憶なのに……」

 

368:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 20:26:45.25 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「……い、や、その…………」

海未「なんでそこまで……はっきりした時間を言えるんですか……?」

穂乃果「……ちがっ、今のは、ちがって……」

海未「何が違うんですかっ!?」

穂乃果「っ!」ビクッ

海未「まさか……まさか!!」

海未「絵里が私から離れて行ったのも、本当に全部、あなたの……せいだったんですか!?」

穂乃果「あ、あ……ぐっ……」

穂乃果「…………」ダラダラ

海未「黙秘、ですか」

 

371:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 20:33:22.01 ID:7p4mB2Zq.net

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穂乃果「私は……仕方なかった!!」

穂乃果「私はただ、海未ちゃんと愛し合う関係になりたくてっ!!」

海未「っ!」

バシンッ

穂乃果「……あ……うぁ……」ブルブル

海未「好きな人と結ばれるためなら、何をしてもいいんですか……」

穂乃果「……あう、ごめん、なさい……」ポロポロ

海未「……何度謝られても許せると思いません」

穂乃果「ごめ……うっ……うわああああああああん」ビエェ

海未「……あなたがそんな人だとは思いませんでした」

海未「最低です……」

海未「あなたは…………あなたは最低ですっ!!」

 

373:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:03:41.10 ID:OUQ7fxTJ.net

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57 Thursday, Jan. 29th 12:30

希(結局、海未ちゃんと穂乃果ちゃんは破局した)

希(海未ちゃんのためには、これが良かったんや、きっと……)

希(しかし、こんなに思い通りになるとは思わなかったわ……)

希(やっぱりウチにはスピリチュアルな力が宿ってるんかな)

凛「……希ちゃん」

希「あ、凛ちゃんやん」

凛「最近あったことの顛末、噂で聞いたにゃ」

凛「ほのうみの別れと、その理由について」

希「……うん」

凛「そのきっかけとなったリボン、穂乃果ちゃんのカバンに入れたの……希ちゃんでしょ」

 

374:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:09:58.76 ID:OUQ7fxTJ.net

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希「へ?」

希「……なんのことやろなあ~」

凛「……希ちゃんの観察力をもってすれば、あのときのリボンの色、覚えてるかと思ったんだけどね」

希「さすがに買いかぶりすぎや。……まあ、海未ちゃんの好みの色くらいは知ってるけどな」

凛「うん、それは凛も知ってるにゃ。そこから推測したの?」

希「……もう何も言わんよ」

凛「そっか……」

希「……でも、これで凛ちゃん、もう一度チャンスが来たやん」

希「凛ちゃん、もう一度海未ちゃんを狙ってみようよ」

凛「…………」シュン

希(ん?)

 

376:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:20:17.10 ID:OUQ7fxTJ.net

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凛「海未ちゃんなら、昨日、絵里ちゃんに会いに行ったよ」

希「えっ? 絵里ち?」

凛「希ちゃんが何も聞いてないとは意外だにゃ」

凛「絵里ちゃんのこと、勘違いしていてごめんなさいって言ったの」

凛「絵里ちゃんは、私の方が酷いことをしてしまって申し訳ないって返したけど」

希「……まあ、そうやろなあ」

希「穂乃果ちゃんから圧力をかけられてたとはいえ、絵里ちの行いもどうかと思う」

希「それで完全に仲直りして終わり?」

凛「ううん、そのあと、海未ちゃんがまた言ったんだ」

凛「やっぱり絵里ちゃんのことが好きですって」

希「……むう……」

 

377:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:24:40.08 ID:OUQ7fxTJ.net

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希(それで、凛ちゃんすこし落ち込んでるんかな……)

希「ていうか、凛ちゃんやけに詳しいなあ」

凛「……うん、その場に出くわしたからね」

希「えっ……!」

希(残酷なもんやなあ……)

凛「で、絵里ちゃん、なんて返したと思う?」

希「なんてって……ごめん、わからん」

凛「……えっとね」

絵里『そう。……人に好かれるのは嬉しいことだわ、ありがとう』

海未『……///』

絵里『でも、もうあなたは例外よ』

海未『えっ……?』

 

382:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:36:00.66 ID:OUQ7fxTJ.net

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絵里『海未、あなたは私の想い人を取っていって、これまで二人で幸せそうな顔を振りまいて……』

絵里『私もしっかりそれを受け入れようとしてたのに……!』

絵里『なんで今になって穂乃果を見捨てるのよ!?』

海未『な、そ、それは…………』

絵里『確かに穂乃果のしたことは人間としてどうかと思うわ』

絵里『でも、もう付き合い始めたんだから……もう私なんて忘れて、』

絵里『ずっと、穂乃果を好きでいて……穂乃果を笑顔のままにしてほしかった!』

海未『そんなっ!』

海未『穂乃果は、私にも絵里にも、人として最低なことをしたんですよ……!?』

絵里『……私の考え方が異常よね。わかってる』

絵里『でも、それでも穂乃果の幸せを願うほど……穂乃果を、好きになってしまってたということよ』

 

385:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:42:28.44 ID:OUQ7fxTJ.net

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海未『う、ええ……!?』

絵里『つまり、私を好きにならないでほしかった』

絵里『……そうこう言っても、あなたがもう一度、私を好きになったのはもうそれで仕方ないわ』

絵里『だけど、私はもはや……あなたを好きにはなれない』

絵里『だから、私みたいなこんな変な女、早く忘れなさい』

海未『…………』

絵里『ごめんね、そして……さよなら』クルッ

海未『あ、ああ、ぐっ……』

海未『好きに、なれない、なんて……』

海未『むごい、むごっ……すぎるっ……!!』

海未『あああああああああああ』ガクッ

 

388:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:48:03.98 ID:OUQ7fxTJ.net

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凛『う、海未ちゃん!』ダッ

海未『っ!』

凛『しっかりし……』

海未『寄るなあっ!』バシン

凛『いっ!? にゃあ……っ!?』

海未『……あ、ははははははは、もう……ダメなんですよ』

海未『もう、誰を愛しても、ダメなんです……自分の恋は叶わない……』

海未『なら、私は……だれも、好きになんてならないです』ヨロッ

凛『あ、あああ……』

海未『……手を貸さないでください』

海未『私は……ひとりで……歩むので』フラフラ

 

389:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 21:56:43.35 ID:OUQ7fxTJ.net

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希「な、なんやて……!?」

凛「……」

凛「もう、海未ちゃんが凛を好きになることはない……」

凛「かよちんとの仲も、進める気は起きない……」

凛「恋愛って難しいにゃ。凛、すっごく多くのことを学んだよ」

希「…………」

凛「……今日も、練習、頑張ろうね」

希「な、んて……ことや……」ガクガク

希「ウチのしたことは……正義だと思ってた……けど……」

希「だれも、幸せにならんかった……」

希「皆を不幸にする行いが、果たして……正義、なんやろか……」

希「…………ごめんな」

希「みんな、ごめんなっ……!!!」

 

391:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:04:23.97 ID:OUQ7fxTJ.net

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Last Saturday, Jan.31st 10:00

真姫「ねえ、また最近グループ内でゴタゴタしてない?」

にこ「……さあね。わからないわ」

にこ「それより、そろそろ家出ないと、練習始まっちゃうわよ」

真姫「……先週、校内ラストライブ終わったばっかりだし、のんびりやりましょうよ」

真姫「なにより、私まだにこちゃん養分が足りてないもの」ギュッ

にこ「……はあ」

にこ(それにしても、真姫も恋愛で変わっちゃったわね……最近重く感じるわ)

にこ(もうすぐ卒業だし、潮時かしら……)

にこ「ほら、そんなこと言ってないで、さっさと行くわよ!」

真姫「ああん、もう~」

私たちは今日もアイドル活動を頑張っている。

ハリボテの笑顔を貼りつけて―――――

 

393:(芋)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:08:47.64 ID:OUQ7fxTJ.net

完結です。ありがとうございました……

うみえりをくっつけるつもりでこのスレタイにしたのにいつの間にかこうなってしまった
穂乃果ちゃんにこちゃんファンの方々申し訳ありませんでした

読んでくださった方々、もしまたss書くことがあればぜひよろしくお願いします

 

395:(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:10:06.47 ID:Bxnocm8X.net

乙!
海未ちゃん凛ちゃんことりちゃんはマジで可哀想
面白かったです

 

399:(笑)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:33:27.66 ID:8tZ0AU9p.net

乙だよ
楽しく見させてもらった

 

403:(ちゃんぽん)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:36:07.53 ID:PCnRnChO.net

これはいい作品

 

引用元: undefined

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