【SS】海未「海で泳ぐと胸が軽くなりますね！」【ラブライブ！】

ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

ｻﾞﾊﾟｧｯ

海未「ふぅ。やはり……夏の海は最高です！」

海未(暑中お見舞い申し上げます、園田海未です）

海未（今私は、ひとりで海に泳ぎに来ています）

海未（目的ですか？そうですね。強いて言えば、やり残しのない夏休みを過ごすためです）

海未（μ’sの合宿の際に海で遊ぶことはできましたが、みんなの反対にあってしまい、結局遠泳はできませんでしたからね）

海未（熱いハートがあれば！問題なくこなせる距離だと思うのですが……オーバートレーニングを危惧したメンバーの考えももっともでしたし、練習自体は充実していましたので良しとしましょう）

海未（とはいえ、物足りなさを感じてしまったのも事実。このまま夏を終えるわけにはいきません）

海未（なので今日は、気の済むまでとことん泳いでみたいと思います！）

海未「上がる人が増えてきたのを見るに、そろそろお昼時でしょうか？」

海未(ちょうどいいですね。休憩して昼食をとりましょう)

海未(いったん砂浜に戻りましょう)

ｻﾞﾌﾞｻﾞﾌﾞ…

海未(泳ぐ前より、胸が軽くなったように思えます。心残りを無くすことで、ここまで締め付けがなくなるとは。新たな発見です)

海未(しかし、体が濡れているにしても、いささかスースーとしすぎるような……？)ﾁﾗｯ↓

ほよよん♡

海未「……っっ！！！？？//////」

ｻﾞﾌﾞﾝｯ!!

海未（む、胸が！丸見えではないですかっ！？///）ｶｧｧｧｱ

海未(まさかつけ忘れた？いえ、そんなハズありません。泳ぎ始める前は間違いなくありました。そこまでドジではないと思いたいです)

海未(顧みるに、私に解放感をもたらしていたのは、めいっぱい泳げたことによる満足ではなく)

海未(水着のトップスが脱げ落ち、風が直に胸を撫でていたことによって生まれた、快感だったのですね……////）

海未（って、それではただの痴女ではありませんかっ！！！違いますっ！！これは言葉のあや！！）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

海未（そんなことより、立ち上がったとき、歩いているとき、誰かに見られていたら……/////）ｷｮﾛｷｮﾛ

海未（私を見ている人は、おそらくいませんね。時間帯と、他の海水浴客の邪魔にならない少し深めの場所で泳いでいたのが幸いしましたか）ﾎｯ

海未(念のため、もう少し深い場所へ移りましょう……とりあえず肩が浸かるくらいまでは)ｻﾞﾌﾞｻﾞﾌﾞ

海未(まずは一安心。ですが、流された水着も同じく見当たりません)

海未(つまるところ私は、それなりに長い間、胸をさらけ出したまま泳いでいたということに。既に大勢に見られている可能性も……）

海未「///」ﾎﾞﾝｯ

海未（い、いけません、そんなことを考えている場合ではありません！あくまで万一の話。その時はその時！)ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

にこ『いい？オフの日に泳ぎにいくのは勝手だけど、アイドルはポ口リ御法度よ。水着はきち　とつけること！』

にこ『写真なんて撮られたら一発アウトなんだからね！秒でネットに拡散されるわよ！』

凛『ネットに悪口書いてた張本人が言うと説得力が違うにゃー』

にこ『その件は何度でも謝るから勘弁してほしいにこぉ……』

海未「……で、済むことじゃないです。アイドルとしても、ひとりの女子としても」

海未「なんとしてでも、誰にも胸を晒すことなく無事に戻らねば！」

海未「水着を失った以上、何か代わりになるもので隠して上がるしかありませんね」

海未「どこかに都合のいいものは流れていないものでしょうか？」ｷｮﾛｷｮﾛ

海未「できれば浮き輪のように大きく、胸を完全に覆いつつ不自然でないものが望ましいですが」

海未「この際ハンカチ程度のサイズでも構いません。私のささややかな胸ならなんとかなるでしょう」

海未(自分で言ってて悲しくなってきますが、事実小さい方なので、致し方ありません……！)ﾎﾛﾘ

海未「おや、これは」

っ水泳ゴーグル

海未(ハンカチどころか……いくらなんでも小さすぎます)

海未「とはいえ、バンドはなかなかの伸縮性がありますね」ﾋﾞﾖﾝ

海未「めいっぱい引き伸ばして、胸を寄せて詰め込めば」ﾋﾞﾖﾖｰﾝ

海未「アイカップがさながらブラジャーのような役目を……あっ！」ﾌﾞﾁｨｯ!

海未(ちぎれてしまいました。漂流物ゆえ、かなり劣化していたみたいです）

海未（冷静に考えれば、頭に装着するゴーグルをどれだけ伸ばしたところで、肩や胴体が通るほど広がるはずありませんでした)

海未(そしてよくよく見れば。レンズは色がついているものの若干透けた素材。これでは仮に装着できたとしても)

海水浴客子ども『おかーさーん！あのおねーちゃん、へんなみずぎー！お　　いのさきっちょすけすけだよー！』

海水浴客親『こらっ！指さしちゃいけません！！』

海未『えっ？きゃぁあああ！？///』

海未「ちぎれてくれて、よかったかもしれません……」

海未(何か他にいいものは……あっ！)ﾌﾞｸﾌﾞｸ

っ貝がら2枚

海未「そこそこの大物です。ある意味、定番といえば定番のようですが……仕方ありません、この藁にもすがれるか考えましょう」

海未(この場合、どうやって取り付けるかが問題です)ｳｰﾝ

海未(単に胸に乗せたところで、落ちるだけです。貝がらに粘着力はありません)

海未(結ぶ紐になる素材はなく、加工するための道具もなし)

海未(どうにか付けられたところで、固いので擦れて痛いだけのような気もします)

海未「これもダメですね。ホタテ水着なるものも実在するそうですが、あくまで個人的に雰囲気を楽しむためのものであって、実用品ではないでしょうし」ﾎﾟｲｯ

海未(……雰囲気)

海未『き、着ましたよ！どうですか……？』ｶｲｶﾞﾗｰ

ことり『海未ちゃんかわいいーっ♪やっぱりこういうのも似合うっ！』ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

海未『撮らないでください！///話が違います！』

ことり『恥ずかしがってる姿もいいなぁ……もっとローアングルから！』ﾊﾟｼｬｼｬｼｬｼｬｯ！

海未『ちょっ、そこは隙間になってますから、見えちゃいます！やめ////』

海未「ハッ！？」

海未（わ、私としたことが、なに破廉恥なことを考えて……ことりまで巻き込んで///）

ｼﾞﾘｼﾞﾘ

海未(水の中とはいえ炎天下、加えて上半身裸という危機的状況に、思考力が奪われているのを感じます……)

海未（それなりに深いですが、いつまでも誰も来ない保証もない、一刻を争う事態。決定打になるものを見つけなければ！）ｻﾞﾌﾞﾝｯ

海未(巻けそうな海草などがあれば良いのですが、あいにくそのようなものは見当たりません）ﾌﾞｸﾌﾞｸ

海未（砂を固めて身につける？砂浜ならまだしも、海底のものでは水を含みすぎていて、とても固まりそうにありません）ｻﾞﾊﾟｧｯ

海未「はぁ……もはや最後の手段。手ブラのままで戻る以外に道はないのでしょうか？」ｼｭﾝ

「えっと……海未ちゃん？」

海未「！？」ﾋﾞｸｯ

海未(う、嘘っ。あれこれ模索する間に誰か背後に！）

海未(名前を呼ばれたということは……よりによってファンの方！？最悪です、こんな姿で/////）

海未(とても聞き覚えのある声に感じますが……そうあって欲しいと願う私の耳が、都合よく変換している可能性も大いにあります）

海未(逃げ出すには近すぎます。せめて、μ’sのイメージダウンだけでも避けなくては)

海未「ち、違いますっ！！人違いです！！似てるとはよくいわれますけど私は園田さんでは」ｻﾞﾌﾞﾝｯ

穂乃果「そんなわけないよ！後ろ姿でも、海から顔だけが出てても、私が海未ちゃんを間違えるわけないもん！」

海未「え……ほ、穂乃果？」ｸﾙｯ

穂乃果「う、うん。こんなところで会えるなんて偶然だね」ｱﾊﾊ

海未「ほっ……」

海未(良かった。本当に良かったです。なぜ穂乃果がここにいるのかはさておき、最悪の事態は避けられました）

海未（それどころか、心強さすら感じられます。事情を話し、協力してもらいましょう。持つべきものは友とはよくいったものです）

穂乃果「……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

海未（なんだか様子がおかしいですね）

穂乃果「……みちゃったよね？///」

海未「はい？いえ、その、何をでしょうか？」ｷｮﾄﾝ

穂乃果「だ、だから、見たんでしょ？///潜ってた時にさ、わたしの……」ﾁﾗｯ↓

海未(先ほどから、しきりに視線を下に向けていますね……はっ！まさか穂乃果も手ブラ状態なのでは）

ｻﾞﾌﾞﾝｯ

穂乃果「あっ！？」

穂乃果「(あるべき場所に水着が無く、前を両手で隠すように押さえている)」

海未(ごぼぉおおっ！？////）ﾌﾞｸﾌﾞｸﾌﾞｸ

ｻﾞﾊﾟｧｯ

海未「はぁ……はぁっ……！」

穂乃果「う、海未ちゃんの工　　ー！！///」ｶｧｧｧ

海未「な、なにがですかっ！！不可抗力です！！」

海未「私はただ、穂乃果も同じように困っているのか確認しようとしただけで！そんなことになっているとは思わなかったんです！」

穂乃果「わざわざ潜ってまで確かめることないじゃんっ！！///」

穂乃果「そうだよ！訳あってビキニのパ　　が流されちゃって、どうしようって困ってたんだよっ！///もうっ！！」

穂乃果「……って。同じってことは、海未ちゃんもノーパンってこと？」

海未「いえ、私はその……上の方です」

穂乃果「」ｻﾞﾌﾞﾝｯ！

海未「ちょっと！なんで潜るのですか！？///」

ｻﾞﾊﾟｯ

穂乃果「お返しだよっ！穂乃果だって急に見られて恥ずかしかったんだから、それくらいいいでしょ！」

海未「それは……そうですけど」

かくかくうみうみ

穂乃果「あれで泳ぎ足りない……あはは、海未ちゃんらしいね」

海未「穂乃果はどうしてここに？」

穂乃果「ええっと、まぁ、ちょっと色々あって」

海未（穂乃果にしてはやけに歯切れが悪いですね）

海未「ほう、色々とは一体どのような経緯でそうなったのでしょう。詳しくお聞かせ願いたいものですね」

穂乃果「うっ……ど、どうしてもいわなきゃだめ？///」

海未「ええ。協力しあうにあたって、ぜひ聞いておきたいところです」

海未「もしや、何かやましいことがあったのではないですか？」ｼﾞﾄｰ

穂乃果「うぐっ……べ、別にそんなことないけどさぁ」

穂乃果「海未ちゃん……聞いて怒ったり、バカにして笑ったり、しない？」

海未「もちろん。それが悪事でない限り約束します」

穂乃果「ありがと。あのね……」

穂乃回想

ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ

穂乃果『つ、ついに買っちゃった……！』ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ｶﾞｻｶﾞｻ

ﾄﾞﾝ!

っ紐パン

穂乃果『おぉー……すごい。持ってるだけで、一気に大人になった気分。いい買い物したぁ……』ﾎﾟﾜｰ

穂乃果『いやダメダメ！買ったとこで満足しちゃ！使わなきゃ！』

穂乃果『前に希ちゃんが穿いてるの見て、大人っぽくていいなぁって思ったんだもん』

穂乃果『今から慣れておけば、来年には穂乃果だって、これが似合う大人になれてるはず！』ﾌﾝｽ

穂乃果『でもこれ、私に穿けるの……？』ﾋﾟﾗｯ

穂乃果(買えたのはいいけど、いざつけるとなると。もうちょっと勇気が欲しいかも）

穂乃果『そうだ！水着にも似たような紐のパ　　があるよね！』ﾋﾟｺｰﾝ!!

穂乃果『そっちで練習してから本番に臨もう！まずはひとりで、こっそり海で！』

穂乃果「というわけでして」

海未「つまり、大人っぽい下着に慣れるため、このような行動に出たと」

穂乃果「うん……」

海未「おそらくいつものようにはしゃいで、紐がほどけて失くしてしまったというところでしょうね」

穂乃果「うぐっ」ｸﾞｻｯ

海未「そうでしたか。話してくれてありがとうございます」

穂乃果「あれ？怒んないの？そのような下着は破廉恥ですー！って」

海未「怒る理由がありませんからね。デザインは……聞いた感じ少々過激そうですが」

海未「私がそういったものにあまり免疫がないだけですので、人に見せびらかしたりしなければ特に問題ありません。憧れる気持ちにとやかく言うほど野暮じゃありませんよ」

穂乃果「海未ちゃん……！」ﾊﾟｧｧ

海未「第一、不本意であれ上半身裸となってしまった私に節度を問われても、説得力に欠けるでしょう？」ｸｽｯ

穂乃果「そうだね。穂乃果も下が脱げちゃってるから、今お説教されても困っちゃうな」ｴﾍﾍ

海未「上下は違えど、お互い様ですね」

穂乃果「じゃあさ、このことは2人の秘密ってことでいいかな？」

海未「そうしましょう。では、この話をおしまいにするために」

穂乃果「うん！力を合わせて、海から上がる方法を見つけよう！」

海未「穂乃果は何か、体を隠せそうなものを持って……はいないんですよね」

穂乃果「持ってたらとっくに腰に巻いてるよっ」

穂乃果「海未ちゃんの持ってるそれは？」

海未「水泳ゴーグルです。さっき拾ったのですが、伸ばしたらバンドがちぎれてしまいました」

穂乃果「ボロボロだもんねぇ」

穂乃果「そうだ！これブラジャーの代わりにならないかな？お　　い全体は無理でも、乳　くらいなら隠れるかも！」

海未「私も考えたけどダメでした。レンズだってほら、透けているでしょう？」

穂乃果「ちょっと貸してみてね。どれどれ」ｿｰｯ

海未「宛がおうとしないで下さいっ！///」ﾊﾟｼｯ

穂乃果「あーん、ひったくるなんてひどいよー」

穂乃果「ほんの冗談だってばぁ。それより、他にはもうないの？」

海未「さっき足元に捨てた大きめの貝がらなら」

穂乃果「それを捨てるなんてとんでもないっ！！貝がらブラは定番だよ！？」

海未「そうみたいですが、穂乃果は付けてみたいと思いますか？それを」

穂乃果「んー、付けたいような、付けたくないような……似せた衣装は可愛いけど、本物の貝がらはちょっと痛そうというか、なんというか」

海未「でしょう？だからやめておいたほうが賢明ですよ」

穂乃果「だよねー……あれ？」

穂乃果「どうして貝がらは使えないって捨てたのに、ゴーグルはまだ持ってるの？」

海未「貝は自然のものですから。ゴーグルの方は拾った以上、きち　と持ち帰って捨てないといけません」

穂乃果「なるほど。さすが海未ちゃん、こんな時でも真面目だね」

海未「当然です。そのためにも、早くこの状況をなんとかしないと」

穂乃果「道具は良いのがないから……よし！私と海未ちゃんで隠しっこしよう！」

海未「隠しっこ？」

穂乃果「うん。お互いに見えちゃまずいところを、体で隠しあえばいいんじゃないかなって思って」

海未「ふむ。隠せる面積は増えそうですね。具体的には？」

穂乃果「ふふーん♪いい作戦があるんだ。後ろ向いててもらえるかな？腕はいったん外してね」

海未「う、腕をですか！？うぅ……わ、わかりました……」

ｸﾙｯ

ｽｯ

ぽろん♡

海未（誰にも、もちろん穂乃果からも見えてないと、分かっていても……野外で胸を完全にさらけ出すのは、やはり心臓に悪いですっ！///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

穂乃果「じゃあいくよ？名付けてバカップル大作戦！せーのっ！」

もぎゅーっ！

むにぃっっ♡

海未「ひゃあんっ！！」ﾋﾞｸｯ

海未「ちょ、ちょっと！どこに腕を回しているのですか！！////」ｶｧｧｧｱ

穂乃果「え？胸だけど」

海未「そんな当たり前みたいな顔して言わないで下さい！」

穂乃果「後ろにいるのに分かるの？」

海未「声の調子で察しはつきます！！」

穂乃果「だってこうしなきゃ、海未ちゃんお　　い丸出しになっちゃうんだよ？」

海未「そ、それはそうですが……だからっていきなり抱きつかなくても良いでしょう！」

穂乃果「えっ……わしわしした方がよかった？」

海未「そういうことではなく！というか余計にダメです」

穂乃果「ごめんごめん。でもこうするとね、海未ちゃんの腕がフリーになるんだよ！」

穂乃果「密着すれば私のあそこも自然に隠せるし、一石三鳥でしょ♪まさにバカップル！」

海未「あなたのお尻は誰が隠すのですか？」

穂乃果「えっ？」

穂乃果「……海未ちゃんの手？」

海未「幼馴染といえど、お互い気軽に触れて良い所とそうでない所があります」

穂乃果「ご、ごめんね(胸を直に触るのは、ギリギリセーフ判定なのかな……？)」

穂乃果「じゃ、じゃあさ。海未ちゃんが後ろに回るのはどうかな？それならセーフじゃない？」

海未「それもダメですっ！」

穂乃果「えー、なんでー？」

海未「言わないと分かりませんか？私の手は穂乃果のどこを隠せと？」

穂乃果「どこってそれは……あ、穂乃果は水着無いのパ　　だから」

穂乃果「……あ、あそこに？」

海未「」ﾌﾟﾂﾝ

ｸﾙﾘ

海未「新手の変態ですか私たちはっ！///手ブラならぬ手パンですとでも言いたいんですか！？」

海未「だいたいいつも穂乃果は！もっとよく考えてから」

穂乃果「お、落ちついてよぉ。私が全面的に悪かったけど、そこまで言わなくてもいいじゃんかぁ～……」ｸﾞｽｯ

海未「あっ……穂乃果！ごめんなさい！つい感情的になってしまいました……」

海未「人に節度を問える姿ではないと、先ほど自分で言ったばかりなのに」ｼｭﾝ

穂乃果「ううん。だいぶ大目に見てくれてたよ。いつもなら、海未ちゃん絶対に腕外さないと思う」

穂乃果「私こそごめん。こんな時なのに海未ちゃんと会えたら安心しちゃって、ちょっと調子に乗りすぎちゃった」

海未「(穂乃果も……)いえ、私も言い過ぎました。すみませんでした」

海未「ただその、いくら非常事態とはいえ、恋人でもない相手の秘所を触るという行為は、越えてはならない一線であることだけは忘れないで下さいね」

穂乃果「うん。じゃあ……手パン？はやめよっか」

海未「はい……って、そ、それは真似しないでいいです！///」

穂乃果「触っちゃうから隠しっこはダメ、相変わらず道具も見当た……あーっ！」

海未「どうしたのですか？」

穂乃果「あるじゃん道具！はみ出したり透けたり痛かったりしない、触る必要もない最高のやつ！ずっと持ってるじゃん！」

海未「え？ずっと持ってる？さっき穂乃果、何もないと」

穂乃果「手にはね！」

ｼｭﾙｯ

ぽよんっ♡

海未「な、なぜ自ら脱いでいるのですかぁ！？////」

穂乃果「は、はい。海未ちゃん、これ使って///」っ脱ぎたてビキニ(ブラ)

海未「使えるわけないでしょう！！」

穂乃果「どうしてぇ！？ちゃんとした水着だよっ！上下のデザイン違っちゃうけど、これで海未ちゃんは戻れるでしょ！！」

海未「確かに戻れますよ！でもそうしたら、穂乃果はどうするのです！？」

穂乃果「私はここで待つ！恥ずかしいけど……海未ちゃんのこと信じてるから大丈夫！何か持ってきてくれるまで待てるよ！」

海未「そういう問題ではないのです！下半身裸でさえ一大事というのに、少しの間とはいえ、あなたを全裸で置いていくことなどできません！」

ﾇｷﾞﾇｷﾞ

ｽﾙﾘ

海未「どうしてもというのなら……わ、私のを穂乃果が、穿けばいいじゃないですか……///」っ脱ぎたてビキニ(パ　　)

穂乃果「なんでそうなるのさ！？///」

穂乃果「さっき節度がなんとかって言ってたのにぃ……！大人しく穂乃果のビキニを使ってくれればいいじゃんかー！」

海未「そちらが全裸、こちらが半裸なら私に言う権利が生まれます！あなたこそ早くこれを穿きなさい！」

穂乃果「海未ちゃんも脱いじゃったからそれ消えたよ！もうイーブン！」

海未「なら、先に怒ってしまった私に非があるので。せめてものお詫びとして受け取ってください」

穂乃果「それも私の方が悪かったから、受け取るのは海未ちゃんの方だよ！」

海未「もう、ここは素直に私に甘えて下さい」ｸﾞｲｸﾞｲ

穂乃果「いつも甘えてるよ。たまには穂乃果にカッコつけさせて」ｸﾞｲｸﾞｲ

海未「穂乃果にはいつも助けられていますよ。自覚がないだけで、あなたが思っている以上に私も甘えているのですから」

穂乃果「そ、そうかなぁ。てへへ。でも海未ちゃんの方が恥ずかしがり屋さんだし、人に見られたらショック死しちゃうよ？待つのは私の方が向いてるって絶対！」

海未「なめないで頂きたいですね。もし裸を見られたら、その時は道連れに爆発四散してやります」

穂乃果「海未ちゃんニンジャか何かなの？どっちにしても死んじゃってるけど！」

海未「埒が明かないですね……このままでは日が暮れてしまいます」

穂乃果「そうだね……なら、じゃんけんで負けた方が両方着るってことでどう？」

海未「いいでしょう」

ほのうみ「じゃーんけー」

ｻﾞﾊﾞｧｧｧ…

ほのうみ「ん？」

ﾊﾞｯｼｬｧｧｱﾝ!!

海未「きゃぁっ！？」
穂乃果「うわっぷ！？」

ｻﾞｻﾞｰﾝ……

海未「けほっけほっ……無事ですか、穂乃果？」

穂乃果「う、うん。海水飲んじゃったけど、大丈夫だよ」

海未「よかった。では、仕切り直しといきましょうか」

穂乃果「ちょっと待って。ないっ、ない！水着がないよぉ！！」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

海未「えっ？どういうことですか？まさか今の大波で、流されてしまった……？」

穂乃果「ど、どうしよう！これじゃあじゃんけんしても意味ないよ！」ｱｾｱｾ

海未「諦めてはいけません。こうなったら、どちらかが手ブラで、残ったこれを穿き」ｽｶｯ

穂乃果「へ？」

海未「これを……これ、を……」

海未「………」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

穂乃果「う、海未ちゃんのまで……」

海未「うぅぅ……ぐすっ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「な、流されちゃったものはしょうがないよ。元気出して！」ﾖｼﾖｼ

海未「わたっ、私のせいで……一縷の望みを、失いましたぁ……」

穂乃果「それは違うよ！悪いのは急におっきな波を起こした海！」

海未「う゛みはわた゛じです～……！」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

穂乃果「ああっ、違うんだよ！？海未ちゃんを責めてるんじゃなくてね！海のせいだからね！」

海未「っ～～！！うわぁぁぁん！もう泡になって消えてしまいたいです～！」ﾋﾞｴｰ!

穂乃果「人魚姫みたいなこと言わないでよぉ。ゴーグル持ち帰って捨てるんでしょ？」

海未「それだって今失くしたから……帰れなくたって構いませぇぇん！！」ｳﾜｰﾝ!

穂乃果「泣かないでぇ！私がどうにかするよ！大事なとこだけ隠して、猛ダッシュすればきっとなんとかなるっ！」

海未「そんなの穂乃果が危ないですよぉっ……！絶対嫌ですっ！」ｸﾞｽｯ

穂乃果「じゃあどうすればいいのさ！このままじゃ一緒に海のもず……もくずだよ！」

穂乃果「だったらホントのホントに、最後の手段を使うしかないよっ！恥ずかしいには恥ずかしいけど、たぶん一番マシなやつ！」

海未「ま、まだ何かあるのですか……？」ｸｽﾝ

穂乃果「すぅー……はぁーっ……よし、覚悟決めた！いくよ！」

穂乃果「誰か助けてくださぁぁいっ！！！」

海未「！？！？？」

穂乃果「よしっ」ｸﾞｯ

海未「よしじゃないでしょう！？なぜ人を呼ぶのです！？」

穂乃果「だって……他に方法がないもん」

海未「確実に見られてしまいますが！？」

穂乃果「じゃあ砂浜全裸ダッシュにする？私はいいけど」

海未「絶対にダメです！自ら大勢の前に裸を晒すなど言語道断ですっ！」

穂乃果「でしょ？でも、これなら見られるのはほんのちょっとだけで済むし」

海未「に、人数の問題では」

穂乃果「大丈夫。私、盾になるから。だから海未ちゃんは安心して、後ろに隠れてていいよ」

海未「…………わかりました。お願いします、穂乃果」ｷﾞｭｯ

穂乃果「任せて。絶対、穂乃果が守るから」

ﾊﾞｼｬｼｬｼｬｼｬ

穂乃果「大丈夫……大丈夫だからね」

海未(声の主がこちらに近づいてくるごとに、心臓がバクバクと脈打ちます）

海未（穂乃果に抱きついているおかげで、なんとか平静を保てていますが……穂乃果だって、怖くないわけがないですよね）

海未（本当に申し訳ありません……私のせいで、こんな目に……スクール水着で来ればよかった）

海未(せめて、悪い人でありませんように！)

ｻﾞﾊﾟｱｯ!

「ぷはぁっ！お待たせしました！」

穂乃果「あっ！」

穂乃果(ついに来ちゃった……！よ、よしっ！……とにかく、まず事情を、それから）

穂乃果「す、すみません！私たち、水着を無くしちゃって困ってるんです！何か巻いたり、羽織れるものを貸していただけませんか？」

穂乃果「それと、後ろの子の方は見ないであげてください！」

凛「……にゃっ？」

穂乃果「え？」

海未「へ？」

凛「凛は家族で遊びに来たんだけど、穂乃果ちゃんなんでここに？後ろの子……って海未ちゃんだよね？」

海未「凛ーー！！」ｷﾞｭｰｯ
穂乃果「凛ちゃぁぁぁん！！」ｷﾞｭｰｯ

凛「にゃあっ！？？この感触、もしかして2人してポ口リ……いやまさか下もすっぽんぽん？？？なんか両足にフワッとしたのが当たってるにゃっ！！///」

海未「ありがとうございます、ありがとうございます！あなたはヒーローです！」ｶﾞｼｯ　ｼｭﾙｯ

穂乃果「ホントによかった凛ちゃんで！ちょっとこれ貸してもらうねっ！」ｶﾞｼｯ　ｽﾞﾙﾘ

凛「え、ちょっ、今着てるやつはダメぇぇぇ！！////代わり取ってくるから返してー！！///」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

おわり

乙
セリフの解像度が高くて面白かった

すごく久しぶりのほのうみＳＳ良かった・・・

過去作あったら教えてほしい

ほのうみ可愛い
凛ちゃん可哀想で草

脳内再生余裕だった
面白かったわ

季節に沿ったほのうみSS大変良き
乙

(＾8＾)♡♡

哀れにゃ