よしこ「ママなんてだいっきらい！」【SS】

クラスメイトＡ「津島さんテストどーだったー？」

よしこ「見て見て！100点！」

クラスメイトＡ「えっ、すごーい！」

よしこ「でしょー！」

クラスメイトＢ「うお、すげー！不登校のくせにー！」

よしこ「うっさい！不登校とか関係ないし！100点は100点なの！」

よしこ（ともかくこれで……）

よしこ「……むふふふふん♪」

～一週間前～

よしこ「っ……！いけっ……！もう少し……っ！」

よしこ（何回やり直したと思ってんのよ！もう100回は挑戦してる！）

よしこ「いけっ！いけいけっ……！」

よしこ（秘技！編み出したカチカチ戦法！絶対レベル不足でもボス撃破してやるんだから！）

よしこ「んにゃっ、んにゃぁぁぁぁぁ……！いけーっ！」

よしこ（きたぁぁぁ～～！！あとはザコを撃破すれば！）

ﾌﾞﾁｯ!

よしこ「え！！！？」

善子ママ「……」

よしこ「ちょっと！ママ！」

善子ママ「いつまでゲームやってるのよ！！！！」

よしこ「な！！！？」

善子ママ「約束したはずでしょ！！ゲームは一日２時間までって！！」

よしこ「でもっ！！」

善子ママ「でもじゃありません！！約束は約束！！破ったら没収って言ったわよね！！？」

よしこ「む～～～！！返して！！セーブまだなの！！」

善子ママ「そう言ってこの前もゲームばっかやって漢字テスト勉強して行かなかったでしょ！！」

よしこ「う！？」

善子ママ「約束も守れない人にゲームをやる資格なんてありません！！約束通り没収します！！」

ﾌﾞﾁﾝ!!

よしこ「あっ！？うぅぅぅ～………！！パパ～！！」

善子ママ「あなたがそうやって善子のこと甘やかすから成績がどんどん落ちていくんでしょ！！！！？」

善子パパ「」ｼｭﾝ…

よしこ「うぅ～！！勉強するから返してよ！！」

善子ママ「ダメよ！！100点とるまで返さないって約束でしょ！！」

よしこ「ぐ、ぐぬぬぬぬ～～！！ママのいじわる！！おばさん！！ふんだ！絶対ぜったぜぇ～ったい次のテスト100点とってぎゃふんと言わせてやるんだから！あっかんべぇ～～！！」

◇———◇

よしこ（ふふふふふ……♡）

よしこ（まさか一回で100点がとれちゃうなんて！くぅ～～！！ちゃんと勉強したかいがあった～！）

よしこ（さて～、家に帰ったらゲーム、ゲーム～♪）

よしこ「～♪」

よしこ（……とその前に、ママをぎゃふんと言わせとかないとよね。またしょーこりもなく私に歯向かってくるかもだし）

よしこ『ママー！見て見て！100点とった！』

善子ママ『まあ。すごいじゃない』

よしこ（……だめだめだめ。ぜんっぜんクールじゃない。もっとカッコよく振舞わないと。威厳がないし）

善子ママ『そういえば善子、この前の漢字テスト、どうだったの？』

よしこ『……』

善子ママ『善子？』

よしこ『ん』

善子ママ『えっ？』

よしこ『当然、100点だったけど。何か文句ある？』

よしこ「……」

よしこ（こ、これだ……！）

よしこ「くっ、くっ、くっ、くふっ……！」

よしこ（るるるるる～ん！そうと決まれば！早く帰って！ママが帰ってくる前に色々と準備を

よしこ「たっだいま～！」ｶﾞﾁｬﾝ!

善子ママ「あら、おかえり善子」

よしこ「えっ！？」

善子ママ「？」

善子ママ「今日は早めに終わらせて帰ってきちゃった♪」

よしこ「そ、そう」

善子ママ「♪」

よしこ「……」

よしこ（さては、テストの結果見てお説教するために早く帰って来たな……でも！）

よしこ（見てなさい！今日のテストは100点なんだか

善子ママ「あ、そうだ善子」

よしこ「？」

善子ママ「じゃじゃ～ん！この前ね、パパが買ってきてくれたの！新作のゲーム！」

よしこ「えっ！？」

善子ママ「お夕飯まではまだ時間があるし、お部屋で遊んできてもいいわよ」

よしこ「うん！やる！」ﾃﾃﾃﾃｯ!

ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ

よしこ「ふふ～ん♪」

よしこ（なにこれ！新作のゲーム！ちょー初体験なんだけど！？）

よしこ（たっのし～！！さっすがパパ！私のことわかってるぅ～！）

よしこ「……」

よしこ「……あれ？」

よしこ（ってママのことぎゃふんと言わせるんだった！！）

よしこ（ママにまだ怒ってることすっかり忘れてた……こほん。クールに振舞ってママをぎゃふんと言わせる大作戦、まだ続いてるんだった）

よしこ（というか、ゲームもいつの間にか元の置き場戻ってるし……）

よしこ（もしかして……ママ、約束のこと忘れてる？？おばさんは物忘れが多くなるって言うし、こーねんき？にんちしょー？？）

よしこ「……」

善子ママ『こら！善子！！』

よしこ『……』ﾋﾟｺﾋﾟｺ

善子ママ『思い出したわよ！100点取るまでゲームやっちゃいけない約束だったでしょ！！』

よしこ『ん』ﾋﾟﾗﾘ

善子ママ『えっ？』

よしこ『100点、とりましたけど？』

善子ママ『……』ﾎﾟｶｰﾝ

よしこ「……これだ」

よしこ（というわけで、ママが思い出すまではゲームしてよ～っと♪）

善子ママ「善子？」ｺﾝｺﾝ

よしこ「んあ……？」

善子ママ「ご飯、出来たわよ」

よしこ「え……？」

よしこ（もうそんな時間……？）

よしこ「……」

よしこ（あ、そっか。私疲れて寝てたんだ……）

善子ママ「早く食べましょ♪」

よしこ「ん、ちょっと待って……」

よしこ（あれ、何か忘れてるような……）

よしこ「……あ、そうだ」

よしこ（ゲーム片付けておかないと）

善子ママ「うんうん」

よしこ「男の子よりも走るの早くてね、びっくりしたの！」

善子ママ「まあ、すごいじゃない」

よしこ「でしょでしょ！あとはあとは～、××ちゃんが……」

よしこ「……」

よしこ（……はっ！？）

善子ママ「？」

よしこ「む……」

よしこ（すっかり忘れてたぁ！ママってば全然テストのこと聞いてこないじゃない！）

よしこ（なんなの？ほんとに忘れちゃったの？ってゆーか私！ママとはまだケンカ中なんだからっ！）

善子ママ「あ、そうだ善子。じゃじゃ～ん！さっきコンビニでアイス買ってきたの！」

よしこ「！」

善子ママ「食べる？」

よしこ「たべるー！」

よしこ（……！）

よしこ（って危ない危ない！また騙されるとこだった！）

善子ママ「？」

よしこ「……らない」

善子ママ「えっ？」

よしこ「いらない！そうやって私のこと騙す作戦でしょ！」

善子ママ「えっ？」

よしこ「この前ゲーム隠されたこと、まだ怒ってるんだからね！だからアイスいらない！」

善子ママ「まあ、そうなの？せっかく善子が久しぶりに100点とった記念で買ってきたのに」

よしこ「えっ！？」

善子ママ「？」

善子ママ「そんなのママだからに決まってるじゃない。ママはなんでもお見通しなの」

よしこ「なにそれ！意味わかんない！」

善子ママ「それにちゃーんと約束したじゃない。善子この前、次のテストでは絶対に100点とるって」

よしこ「う……」

善子ママ「でしょ？」

よしこ「……」

ｶﾞｻｶﾞｻ

よしこ「……ん、これ。100点」

善子ママ「まあ、すごいじゃない！」

善子ママ「ふふっ、さすがはママの自慢の娘だわ～」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

よしこ「……」

善子ママ「あ、そうだ！今度100点とれたらご褒美にパパと三人でお外に食べに行きましょ！」

よしこ「……」

善子ママ「善子？」

よしこ（……♪）

よしこ「うん！」

頑張って次も100点取りましたとさ