曜「夏休みの宿題ってめんどくさいよねー」梨子「……」【SS】

曜「むー、だって全然わかんないし、聞いてると眠くなるし……」

ダイヤ「せめて聞こうとする意志は見せて下さい。それで先生方が、最後のチャンスだと。夏休みの宿題さえちゃんとやってくれば、今までのことは全部水に流して留年の話は取り消してやると、そう伝えてくれと頼まれたのです」

曜「……」ﾎﾟｶｰﾝ

ダイヤ「まさか夏休みの宿題すらやらないつもりじゃないでしょうね？」

曜「え！？いや～、はは……」

ダイヤ「……」

曜「あはははは～……」

ダイヤ「はぁ……とにかく、私はちゃんと伝えましたからね。あとは自己責任でどうにかして下さい。いいですわね」

曜「よーそろー！」

梨子「……」

曜（なーんて、言われたのはいいんだけど）

曜（ま、当然まだ１ページもやってないけどね！）

曜「～♪」

梨子「曜ちゃん？」

曜「ん、なあに？」

梨子「今日こそ数学の宿題やってきた？」

曜「ん？あー……ごめん忘れちゃった！」

曜（だって最終日にやればなんとかなるし～）

梨子「……」

曜「というわけで梨子ちゃん！今日こそ私水泳部に！」

梨子「だめ！！」

曜「ええっ！？」

曜「む～～！！なんで梨子ちゃんがそういうこと勝手に決めるの～！！」

梨子「なんでもったらなんでもなの！！」

曜「梨子ちゃんには関係ないじゃん！！」

梨子「関係ありますっ！！ほんとに留年なんてすることになっちゃったらどうするのよ！！」

曜「んー、その時は今の一年生と

梨子「それがダメだって言ってるの！！」ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞ

曜「いてててて！！」

梨子「いーい！！？とにかく！！数学の宿題終わるまで逃げ出すの禁止！！私と一緒に終わらせるんだからね！！」

曜「むー……」

梨子「……」

曜（うぅ。ってな感じで、今年の夏はずーっと梨子ちゃんに監視されてばっかりだよぉ……）

曜「……」

梨子「……」

曜（はぁ……あーあ、いいなー。陸上部の子たちは）ﾁﾗﾘ

曜（私もああやって思いっきり走り回り

ﾍﾟﾁﾝ!

曜「いてっ！」

梨子「曜ちゃん今他のこと考えてたでしょ」

曜「……」

曜「むー……」

梨子「ほら。問題に集中する」ﾄﾝﾄﾝ

曜「む～！！」

善子「え、まだ宿題やってんの？一ヶ月間連続で？？」

曜「うぅ……だって梨子ちゃんが

ﾍﾟﾁﾝ!

曜「いてっ！」

梨子「おしゃべり禁止！ちゃんと宿題に集中して！！」

曜「……」

曜（む～～！！梨子ちゃんのイジワル～！！）

梨子「あっ。なに、千歌ちゃん？」

曜「？」

千歌「あのねあのね、新曲の相談があるんだけど」

梨子「あっ……ごめんね千歌ちゃん！私いまちょっと手が放せなくって

曜「行ってきなよ、梨子ちゃん」

梨子「えっ？」

曜「私のことはいいよ。一人でも大丈夫だから」

梨子「……」

曜（きりっ！）

梨子「……本当に一人でも大丈夫でしょうね？」

曜「うん！」

梨子「……」

曜（むふ～♪）

梨子「……はぁ、わかった。じゃあちょこっとだけ音楽室に行ってくるから」

曜「よーそろー！」

曜「うん！」

千歌「梨子ちゃーん」

梨子「あっ、ごめん！すぐ行くー！」

ﾊﾟﾀﾝ

曜（……）

曜「………ふぅ。さてと～」

ｶﾞﾀﾝ!

曜「ん～！じゃ、私水泳部に行ってくるね！」

善子「いいの？宿題やらなくって」

曜「いいのいいの～！どーせ梨子ちゃん戻ってこないし！」

善子「けど

曜「も～！善子ちゃんってば堅苦しいなぁ～！こーゆーのは、少しくらいサボっててもバレ

ﾊﾞﾀﾝ!

梨子「……」

曜「な……」

梨子「……」

曜「……」

曜「……えっ。な、なんでいるの？？」

梨子「曜ちゃんのことが心配だから戻って来たの」

曜「そ、そっか」

梨子「うん」

曜「」

梨子「……」

曜「……」

梨子「……それで？」

曜「ひっ！？」

曜「そ、それは、その……」

梨子「さっきバレなきゃ約束破っていいとか言おうとしてなかった？？」

曜「いや、えっと……」

梨子「曜ちゃんバレなきゃいいと思ってたんだ。ふ～ん」

曜「ぅ……」

梨子「ふーん……」

曜「よ、よーそろー……」

梨子「……」

曜（ぅ、ぅぅ………）

………
……
…

曜「うぅ～！梨子ちゃんが隣でうるさすぎて集中なんかできないよ～！！」

梨子「それは曜ちゃんが隙を見てサボろうとするからでしょ！？」

曜「宿題くらい一人でも出来るってばぁ～！！」

梨子「嘘つき！！さっき逃げ出して水泳部行こうとしてたくせに！！」

曜「むぅぅ～～～！！」

梨子「とにかくやって！！宿題終わるまでぜぇ～ったい曜ちゃんのこと逃がさないんだからね！！」

曜「そんなぁ～！！」

梨子「ほら！！手が止まってる！！ちゃんと宿題に集中してっ！！」

曜「むぅ～……」

曜（うぅ……）ｶﾘｶﾘｶﾘ

梨子「……」

花丸「あれ、曜ちゃんこんなところで何やってるの？」

善子「夏休みの宿題、終わらないと留年の危機らしいわよ」

ルビィ「へ～」

花丸「大変だね～」

曜「うぅぅぅ～……！！三人とも見てないで助けてよ～～！！このままだと梨子ちゃんに

ﾍﾟﾁﾝ!

曜「いてっ！」

梨子「おしゃべり禁止！手が止まってる！！」

曜「むぅ……」

花丸（なんか思った以上に大変そうずら）

ルビィ（うゆ）

梨子「えっ？あっ……」

千歌「梨子ちゃんに言われたとこまで歌詞出来上がったよー」

梨子「う、うん！えっと……！」

曜「……」ｶﾘｶﾘ

梨子「……」

曜「さいん、こさいん、たんじぇんと……」ｶﾘｶﾘｶﾘ

梨子（……）

梨子「……わ、わかった！すぐ行く！」

千歌「うん。音楽室で待ってるね～！」

ﾊﾟﾀﾝ

梨子「……」

梨子「……曜ちゃん」

曜「なあに？」

梨子「ちょっと音楽室行ってくるけど……次逃げ出そうとしたら承知しないからね」

曜「よーそろー！」

梨子「……」

ﾊﾟﾀﾝ!

曜（……）

曜「……ふぅ～！」

花丸「いいの？」

ルビィ「やらないと梨子ちゃんに怒られない？」

曜「いいのいいの！せっかくの夏休み、勉強ばっかりしてたらもったいないよ～！」

ルビィ「でも

曜「それより私、今度こそほんとに水泳部行かないとだから！」

善子「あんたほんと懲りないわね」

花丸「梨子ちゃんに見つかっても知らないずら」

曜「ふふっ、私を誰だと思ってるのさ！今度こそちゃーんと策は考えてるよ！善子ちゃん！」

善子「は？」

善子「……」

曜「じゃ、善子ちゃんお願いね～！」

善子（ったく、なんで私が……）

善子「……」ｷｮﾛｷｮﾛ

曜「どうどう？廊下に梨子ちゃんの影は見当たらない？」

善子「ええ。少なくとも私には見えないわ」

曜「よし！この隙に！」

ｻｻ!

曜（ささっ！）

ｼｭﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

曜（さささささっ！）

ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

曜（……ふぅ）

曜「さてと、部室棟は～」

梨子「どこ行くの？」

曜「どこって、もちろん水泳部……」

ｸﾙﾘ

梨子「……」

曜「ひっ！」

梨子「ふ～ん。へぇ～……」

曜「う、ぁぁ……」

梨子「ふ～ん……」

曜（ぅぁぁぁぁぁぁ………！！！？）

曜「……」

梨子「ほーら。この問題、こっちは余弦定理を使う問題でしょ？」

曜（……）

梨子「？」

曜「……って！！」

曜「なんで！！なんで私椅子に縛り付けられてるの～！！！？」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

曜「うぇぇぇ！！？」

梨子「ばかばかばかばか！！ほんっと信じられない！！いつもいつもそうやってすぐ逃げ出そうとするなんて！！」

曜「むぅぅぅぅ……！！ってバレないように見張っててって言ったじゃん！！よーしこー！！」

善子「言われた通りちゃんと廊下は見張ってたわよ」

梨子「曜ちゃんならぜったいそうするだろうと思ってベランダから様子見に来たの」

曜「うぅぅぅ～～！！梨子ちゃんズルい！！ズルいズルいズルいズルい！！」

梨子「監視をかいくぐって逃げ出そうとする曜ちゃんには言われたくないですっ！！いいから早く問題解いて！！このペースだと夏休みの間に宿題終わらなくなっちゃうから！！」

曜「イヤ！！やらない！！」

曜「やだ！！」

梨子「宿題やって！！」

曜「絶対にイヤ！！」

梨子「むぅっ！！」ﾌﾟｸｯ

曜「ふん！」

梨子（むぅぅぅ～～～！！）

曜「……」ﾌﾟｲｯ!

梨子「……」

曜「む……」

梨子（……）

梨子「……はぁ、じゃあわかった。もし曜ちゃんが今日中に宿題終わらせられたら、明日からの３日間は私のこと忘れて、自由に過ごしてもい

曜「……」ｶﾘｶﾘｶﾘｶﾘ

梨子「えっ？」

曜「くにじゅうはち、いちくりあがって……」

梨子「……」

曜「……で、ここが120°になるから」

梨子「よ、曜ちゃん？？」

曜「話しかけないで。集中途切れる」

梨子「あ、うん。ごめん……」

曜「……」

梨子「……」

曜「……」ｶﾘｶﾘｶﾘ

梨子（……むぅっ。なんか複雑）ﾌﾟｸｰｯ

梨子「……」

曜「……」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

梨子「……ねえ、曜ちゃ

曜「ごめん。今本気出してる最中」

梨子「あ、うん……」

曜「……」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

梨子「……」

梨子（……む～～！！）

ｶﾞﾀﾝ!

梨子「いいもん！私、音楽室行ってくるっ！」

曜「よーそろー！」

曜「うん！」

ﾊﾞﾀﾝ!!

曜「……」

ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

曜「む………」

ルビィ「すごい集中力だね」

善子「普段からその集中力を発揮しなさいよね」

曜「……」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

ｺﾝｺﾝ

ダイヤ「……あら？」

ダイヤ「皆さん集まって……何をしてるのです？」

ルビィ「曜ちゃんが数学の宿題、頑張ってるんだって」

曜「……」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

ダイヤ「まあ！感心ですわね。すごい集中力ですわ」

曜「ふぅ……えへへ、でっしょ～！今日中には終わらせる予定なんだ～！」

ダイヤ「終わりそうなのですか？」

曜「うん！あと少しで……」

ダイヤ「なるほど、それは困りましたわね……」

曜「えっ？」

ダイヤ「……そうですわ！曜さんがそこまで勉強にやる気があるのなら、私が直々に追加の課題を

曜「いや～～！やっぱ夏休みの宿題ってのは溜めて最終日にやるものだよね～！！」

ダイヤ「えっ？」

曜「今日の分はおしまい！や～めた！ダイヤさんが言うようにコツコツやることが大切だよね！だから残りは

梨子「ふーん」

曜「えっ？」

曜「……」

梨子「……」

曜「り、梨子ちゃんどしたの？？」

梨子「……宿題、今日はもうやらないつもりなんだ」

曜「えっ？あ、いや、それは……」

梨子「言ったわよね？もし今日中に宿題終わらせないのなら、残りはずーっと私と一緒に毎日やるって」

曜「えっ………え゛！！？あ、いや、えっと、あの……」

梨子「そっか。曜ちゃんそっちを望むんだ。ふーん……」

曜「や、ちが……」

梨子「ふーん」

曜「うっ」

梨子「ふ～ん………」

曜（ぅ、ぅぅぅ………）

梨子「……」

曜「よ、よーそろー………」

曜「……」

梨子「……」

曜「……」

曜（……はぁ、いいなぁ。陸上部の子たちは）

曜（うぅ～……やっぱり夏は遊んでこそだよねー。私もあんな風に、グラウンドを思いっきり駆け回りた

ﾍﾟﾁﾝ!

曜「いてっ！」

梨子「ちゃんと集中して！！よそ見禁止！！」

曜「むぅぅ～……！！」

梨子「約束したでしょ！！？昨日数学の宿題終わらなかったらずーっと一緒に宿題やるって！！」

曜「むむむむむ……！！」

梨子「ほら！さっさと終わらせる！！じゃないと留年

曜「ん！！数学終わらせた！！」

梨子「えっ？」

曜「終わらせたから解放して！！」

梨子「……」

曜「梨子ちゃん！！」

梨子（……）

梨子「……イヤ」

曜「えっ！？」

曜「え……き、聞いてないよ～！！数学だけの約束のはずじゃん！！」

梨子「そんな約束してません！！いっからさっさとやって！！」

曜「うぅぅぅ～～！！ズルいズルいズルいズルい～～！！」

梨子「ズルくないですっ！！曜ちゃんの宿題全部終わらせるためなんだからね！！」

曜「む～～～！！梨子ちゃんの鬼教官～～！！」

よしまるびぃ「………」

この後もめちゃくちゃ捕獲された