かすみ「特訓しますよ、歩夢先輩!」【SS】
ランジュ「ええ、異論はないわ」
せつ菜「はい!これがベストかと」
ミア「今回は歩夢と子犬ちゃんのパートが鍵になりそうだね」
かすみ「なっ……子犬じゃないもん!」ガルルル
しずく「かすみさん、どうどう」
歩夢「あ、あはは……」
果林「ええ、出来れば食事制限中に歌うのは避けたいわね」
彼方「そっかぁ、モデルは大変だねぇ」
愛「パフェを食べた後、運動してカロリー消費すればパーフェクトっしょ!なんつって!」
侑「ぶっ!あっははははははは!!!」ゲラゲラ
栞子「侑さんが笑いのツボに嵌まってしまいました……」
璃奈「愛さんのダジャレ、侑さんへのピンポイントメタだから」
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──
歩夢「かすみちゃん、ちょっといい?」
かすみ「なんですか?」
歩夢「ここの歌詞なんだけど……1番はかすみちゃんが、2番は私が歌うじゃない?かすみちゃんがどんな風に歌うのか、気になって」
かすみ「そりゃあもちろん、かすみんらしくかわいさ全開で歌いますよ!こんな感じで──『テンプテイション!』」キャピ
歩夢「やっぱりそうだよね……かすみちゃん、そもそもtemptationってどういう意味か知ってる?」
かすみ「うーん、何でしょう。テンプテイション……テンプレートみたいな感じですか?」
歩夢「少し響きは似てるけど、templateとは別の単語だね。temptationは“誘惑”って意味だよ。」
かすみ「そうなんですか、さすが歩夢先輩!」
かすみ「もちろんです!ふっふっふ、かすみんは小悪魔系スクールアイドルなんですよ?誘惑なんてお手のものです♪」
歩夢「そっかぁ、、さすがかすみちゃんだね。……私はね、歌うのがちょっと恥ずかしくて……」
かすみ「何言ってるんですか?歩夢先輩だってかわいいんですから、自信を持って誘惑すればいいんですよ!」
歩夢「えっ!?……そ、そうかな///」
かすみ「そうですよ!このかすみんが言うからには間違いなしです!……でも、どうしても自信が持てないなら──特訓しますよ、歩夢先輩!」
歩夢「え、えぇ~~!?」
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──
歩夢「それで、特訓って何するの?」
かすみ「まずは、形から入りましょう!」ビシッ
歩夢「形から?」
かすみ「はい。いきなり誘惑してみようといっても難しいと思うので、まずはそういう気分になる衣装を着てみましょう」
歩夢「そ、そんな衣装あったっけ……?」
かすみ「あるじゃないですか。肩と胸元を大胆に出した、とっておきの衣装が」
歩夢「肩と胸元……?え、もしかして……」
ファサッ
歩夢(夢への一歩衣装)「こ、これでいいかな?」
かすみ「うんうん、やっぱり歩夢先輩といえばこれですね!」
歩夢「私は、純粋に可愛い衣装として着てるんだけど……」
果林「……歩夢にとってはそうかもしれないけど、第三者から見るとかなり刺激的よ?」
歩夢「そ、そうかな……って果林さん!?どうしてここに?」
かすみ「かすみんが呼んだんです!誘惑といえばセクシー、セクシーといえば果林先輩ですから」
果林「ええ、任せてちょうだい♪」
歩夢(うぅ、話がだんだん大きくなってる……)
果林「そうね、じゃあこの雑誌を参考にポーズを取ってみましょうか」スッ
歩夢「それって、、果林さんも載ってるモデル雑誌ですよね?」
果林「ええ。モデルもスクールアイドルも、ここぞという時にポーズを決めて見る人を魅了する、という点では同じなの。だから参考になると思ってね」
歩夢「なるほど……分かりました。やってみます!」
果林「じゃあ始めるわね。まずはこのポーズから……」
歩夢(うぅ、写真まで撮られて恥ずかしい///)
果林「もう少し背筋をまっすぐに。顔の角度も意識して!」
歩夢「こ、こうですか?」
パシャッパシャッ
果林「そう、いい感じよ。次に、見てる人全員を虜にするつもりで表情を作って!」
歩夢(虜に……こんな感じかな?)
果林「まだ恥じらいがあるわね。自分は誰よりも美しいという気持ちを持って!」
歩夢「は、はい!」
パシャッパシャッ
果林「大胆に、胸元も見せて!」
歩夢「……はい!」
パシャッパシャッ
かすみ(スイッチが入った果林先輩、予想以上に本気だ……)
歩夢「あ、ありがとうごさいました!」
果林「最後の方はだいぶ自信を持ってポーズが取れてたんじゃない?」
歩夢「はい、最初は恥ずかしかったですけど……自分を少しでも魅力的に見せたいという思いはありますし、果林さんに指導してもらえてるなら大丈夫かなって」
果林「あら、嬉しいこと言ってくれるわね。まあ、歩夢がスクールアイドルになりたての頃を知ってる身としては、力になりたいと思ってね?」ウサギポーズ
歩夢「そ、それはもう忘れてください///」カアァ
果林「そんなに照れなくてもいいじゃない。可愛かったわよ?」ウィンク
歩夢「も、もぉ~~~///」ポカポカ
かすみ「……?なんの話ですか?」キョトン
果林「知りたい?実は──」ニヤッ
歩夢「ダメです!」クチオサエ
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──
かすみ「次は実践です!実際に身近な人を誘惑してみましょう」
歩夢「……本当に、やらないとダメ?」
かすみ「はい、これは特訓ですからね。という訳で今度はこちらの二人を呼びました!」
しずく「歩夢さんのためにお話を書いてきたんです!」ウキウキ
せつ菜「一緒に演じましょう!」ペカー
歩夢「……いつものA・ZU・NAだね」
かすみ「こほん。。これからA・ZU・NAのみなさんには演劇をしてもらいます!歩夢先輩の演じる役が、しず子とせつ菜先輩の役を誘惑するシーンがあるので、演じきってください」
歩夢「うーん、大丈夫かなぁ……」
しずく「大丈夫です、歩夢さんならできますよ!」
せつ菜「始まったのなら、貫くのみです!」
歩夢「分かった、やってみる!」
しずく「くっ……獣人の分際で、近寄らないで!」
歩夢「なぁに、私が怖いの?獣ので人語を操る、この私が」
せつ菜「……それ以上近づくと、この刀で斬りかかりますよ!」
歩夢「そんなに、怖がらなくてもいいじゃない。ほら、二人ともこっちにいらっしゃい♪」サッ
「「!?」」
せつ菜(こ、これは……女豹のポーズ!?)ゴクリ
しずく(歩夢さん、こんな妖艶な演技ができるようになったんですね……)ゴクリ
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歩夢「そ、そうだった?」
しずく「はい!私から見ても見事な演技で……惹き込まれました!」
かすみ「かすみんも、見ててドキドキしちゃいました!」
歩夢「三人とも、ありがとう!特訓の成果かな、スッと役に入り込めたよ」
かすみ「うんうん、これにて特訓完了ですね!」
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──
歩夢「かすみちゃん、今日はありがとうね」
かすみ「いえいえ。私は大したことしてませんよ」
歩夢「そんなことないよ。特訓がうまくいったのは、かすみちゃんのおかげなんだから」
かすみ「それなら、よかったです」
歩夢「うんうん」
かすみ「──私、ずっと歩夢先輩に謝りたかったことがあるんです」
歩夢「謝りたい、こと?」
かすみ「歩夢先輩が同好会に入った頃、自己紹介動画を撮ろうって流れになったじゃないですか。あの時は、自分の思う“かわいい”を押しつけちゃって、ごめんなさい。私、部長なのに周りが見えてなくて……」
歩夢「ううん、気にしてないよ。……ちょっとトラウマになりかけたけど、それも今となってはいい思い出だから」
かすみ「歩夢先輩……」
かすみ「なっ、かわいい!?」
歩夢「うん、かわいい。……あの時のことを反省して、今日は果林さんやしずくちゃん、せつ菜ちゃんに協力を呼びかけたんでしょ?一人で突っ走らないように」
かすみ「……はい、その通りです」
歩夢「ちゃんと周りを見て、私のために動いてくれた。紛れもなく、かすみちゃんは立派な部長だよ!」
かすみ「……うぇええ~~ん!歩夢せんぱぁ~い……」グスッ
ギュッ
歩夢「ほらほら。大丈夫だから、ね?」ナデナデ
かすみ「ううぅ……」グスッグスッ
────
──
歩夢「どう、落ち着いた?」
かすみ「はい、おかげさまで……見苦しいところを見せちゃいましたね」
歩夢「見苦しくなんか、ないよ。泣き顔も、笑い顔も……たまに出る変な顔も、全部かすみちゃんの魅力だから」
かすみ「それ、褒めてます……?」
歩夢「うん、褒めてる。私ね、ずっと思ってるの。。あの日、かすみちゃんが同好会に誘ってくれて、本当によかったって!」
かすみ「かすみんも……最初の部員が歩夢先輩でよかったです!何事もコツコツ頑張って取り組む先輩の姿勢に、いつも勇気を貰ってましたから」
歩夢「ふふっ、そう言ってもらえて嬉しい。これからもよろしくね!」
かすみ「はい、よろしくお願いします!……あと、一つだけ、、ワガママ言ってもいいですか?」
歩夢「ワガママ?……うん、私にできることなら言って?」
歩夢「へっ?」
かすみ「さっきの歩夢先輩の身体、とても柔らかくて、いい匂いで……ぬくもりに包まれたような感じだったから……ダメ、ですか?」ウワメ
歩夢(いつの間にか、私が誘惑されてる!?いやいや、落ち着いて。あくまで抱きしめるだけ……何もやましいことはないんだから)
歩夢「……いいよ。一回だけ、だからね?」
かすみ「……!ありがとうございます!」パアァ
歩夢「じゃあ、いくよ……」
────
──
~ライブ当日~
副会長『本番1分前です!』
かすみ「歩夢先輩!特訓の成果、出し切りましょう!」スッ
歩夢「うん、かすみちゃん!」スッ
パンッ!(ハイタッチ)
~~~~~~~~~~~~
~♪
ランジュ「独り占めしたい…」
「ダメかな?」
かすみ「テンプテイション!」キャピ☆
Fuuuuu!!!/
キャー!カスミーン!!/
カスミチャーン!カワイイYo!!/
~♪
果林「食べ尽くしても…」
「イイかな?」
歩夢「テンプテイション!」キュルルン♡
Fuuuuu↑↑!!!/
アユムチャーン!ステキー!!/
アユムー!サイッコウニカワイイYo!!!/
~~~~~~~~~~~~
从cι˘σ ᴗ σ˘* @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ライブは大成功でした!
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──
~ライブ数日後~
しずく「こんな大胆なポーズまで……」ゴクリ
せつ菜「表情がエッチすぎます!」ジロジロ
かすみ「にしし、もっと写真ありますよ~」
ガラッ
歩夢「こんにちはー」
「「「!?」」」ビクッ
バタン
かすみ「歩夢先輩!?……き、今日は練習休みですよ?どうしてここに?」サッ
歩夢「昨日、忘れ物しちゃってね……かすみちゃんたちこそ、どうしたの?」
かすみ「か、かすみんたちはライブの感想を語ってたんです!」
歩夢「うんうん、いいライブだったもんね……ところで、その後ろ手に持ってるのは、何?」ジロッ
かすみ(ば、バレてる……)
せつ菜「歩夢さんの特訓に付き合ったお礼として、写真を見せてもらう約束をかすみさんとしていたんです」
かすみ「……」ダラダラ
歩夢「……かすみちゃん、あの時の写真は誰にも見せない──私と果林さんとかすみちゃん、三人だけの秘密だって、言ったよね?」ゴゴゴ
かすみ「あ、あわわわ……」
しずく「……そういえば私、演劇部に用事があるんでした!」ガタッ
せつ菜「……私も、栞子さんに用があるんでした!」ガタッ
「「失礼します!」」ササッ
かすみ「ちょっ、しず子!せつ菜先輩!」
ガラッ
バタン
歩夢「ふーん、それはいいけど……私ばかりじゃ悪いし、かすみちゃんの魅力も知ってもらわないとね?」ニッコリ
かすみ「へっ?」
歩夢「私もかすみちゃんに“ワガママ”言っちゃおうかな。ちょうどここにカメラと雑誌もあるし……かすみちゃんにもポーズ取ってもらうね」ズイッ
かすみ「ひ、ひいぃ……」
歩夢「さあ……特訓するよ、かすみちゃん!前に言ったよね?泣き顔もかすみちゃんの魅力だって」
かすみ「なんか意味違くないですか!?ひえぇぇ~~ごめんなさ~い!!」
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ それから三日間、みっちりかすみちゃんを特訓したよ♪
从cι˘= _ =˘* もうこりごりですぅ……
おしまい
おつやで
かわいさも尊さもオチもあってめっちゃよかった
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1691927811/
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