栞子「最近、ランジュとかすみさん、仲良いですね……」【SS】
かすみ「あ~ん、ランジュ先輩すきすき!」スリスリ
栞子「……」
しずく「2人ともすっかり仲良しだね! かすみさん、あんなにランジュさんに懐いちゃって」
栞子「そうですね。2人は相性が良いんじゃないかと前から思っていました。微笑ましいです」ニコッ
ランジュ「あら? もしかして栞子もランジュにナデナデされたいのかしら?」フフッ
栞子「いえ、そんなことは全く考えていませんが……」
ランジュ「なっ……! なによう、栞子ったら! ……いいわよ、その分かすみを可愛がるんだから!」グシャグシャ
かすみ「ら、ランジュ先輩……? ちょっとナデナデが雑じゃないですか?」
栞子「……?」
栞子(ランジュは、いったい何を怒っているんでしょうか?)
ランジュ(はぁ……栞子ったら、昔に比べてほんっと可愛げがなくなったわね……)
ランジュ(それに比べてかすみは可愛いし、これからもかすみとたくさん仲良くするようにしましょ!)
かすみ「あっ! ランジュせんぱ~い!」
ランジュ「かすみ! どうしたの?」
かすみ「近くに新しくスイーツショップができたみたいなんですが、よかったら一緒に行きませんか?」
ランジュ「きゃぁっ! もちろん行くわ! かすみとデートよ! 楽しみね!」ワクワク
かすみ「ふふっ、そうですね!」ワクワク
栞子「どうしたんですか?」
かすみ「あ、しお子! ついさっきランジュ先輩とスイーツ食べに行く約束してたんだ~」
ランジュ「そう! かすみとデートよ!」フフン
栞子「……そうなんですね」
栞子「いいえ、私は特に興味ないですね。お二人だけで行ってきてください」
ランジュ「なっ……なによう……! ……栞子は、その……ランジュがかすみとデートしても、何とも思わないの……?」
栞子「……? はい、別に何とも思いませんが……」
ランジュ「……ふんっ! もう栞子なんて知らないわ! 行きましょ、かすみ!」プイッ
かすみ「ちょ、ランジュ先輩! 引っ張らないで~」ズルズル
栞子「あっ……ランジュ……」
栞子(またランジュを怒らせてしまいました……私の何がいけなかったのでしょうか……)シュン
ランジュ「……」ムスー
かすみ「ランジュ先輩! せっかく可愛いかすみんとデートしてるのに、何でそんなに不機嫌そうなんですか!」
ランジュ「あっ……對不起(ごめん)……ちょっと栞子のことを考えてたらイライラしちゃって……」
かすみ「確かに……しお子っていつも塩対応ですもんね~」
ランジュ「そうなのよ! かすみと仲良くしてても無反応だなんて……もっと嫉妬とかしてくれてもいいのに……」ボソッ
かすみ「……! へぇ~」ニヤニヤ
ランジュ「……あっ///」ドキッ
かすみ「しお子に嫉妬して欲しいだなんて、ランジュ先輩も可愛いところ、あるんですね~」フフッ
ランジュ「だ、だって栞子ったら全然ランジュのこと気にしてくれないし……幼馴染なんだし、少しくらい気にしてくれても……なんて思ったり……///」ゴニョゴニョ
かすみ「わかりました! ここはかすみん部長に任せてください! いいドッキリ大作戦があるんですよ!」ニシシ
ランジュ「ドッキリ?」
かすみ「しお子~!」
ランジュ「ちょっと話があるんだけど」
栞子「何でしょうか?」
かすみ「実はかすみん、ランジュ先輩とお付き合いすることになったのー!」
ランジュ「そ、そうなのよー!」
栞子「……え?」
栞子(ランジュが……かすみさんと……!?)
かすみ(さすがのしお子も、これには動揺するはずでしょ……)ニシシ
かすみ(……あ、あれ? やっぱり塩対応?)
ランジュ(……栞子、やっぱりアタシのこと、全然気にしてくれないのね……)シュン
栞子「お二人ならお似合いですし、きっと理想のカップルになれると思います」ニコッ
栞子(ランジュなら、きっと、かすみさんと幸せに……あれ……?)ジワッ
ランジュ・かすみ「!?」
栞子「あ、あれ……す、すみません! えっ……あれっ……?」ポロポロ
栞子(何故でしょう……涙が……止まりません……)ポロポロ
栞子(幼馴染が幸せになれて、嬉しいはずなのに、どうして、こんなに悲しい気持ちになるんでしょうか……)ポロポロ
栞子「す、すみません! 少しお手洗いに行ってきます!」ダッ
ランジュ「あっ……! ま、待って栞子!」
かすみ「ど、どうしよう……」ダラダラ
しずく「かすみさん……今、栞子さんを泣かせてるように見えたけど……」ゴゴゴゴゴ
かすみ「ひっ……! し、しず子……」ビクッ
しずく「どういうことか、説明してくれる?」
しずく「なるほど……ランジュさんが栞子さんの気を引きたくて2人で嘘をついたと……」ハァ
ランジュ「まさか、泣くだなんて思ってなくて……」
しずく「栞子さんにヤキモチ妬いて欲しいって気持ちもわかるけど、それは悲しませるってことなんですよ?」
ランジュ「うっ……」ズキッ
しずく「……私だって、かすみさんがランジュさんと付き合ったなんて聞いたら、泣いちゃうかもだし」ボソッ
かすみ「えっ……///」ドキッ
しずく「と、とにかく! ランジュさんは、もっと素直に自分の気持ちを伝えるべきです!」
ランジュ「……そうよね。アタシ、栞子の誤解を解いてくるわ!」ダッ
かすみ「……もしかして~! しず子も、かすみんがランジュ先輩と仲良くしてたから、嫉妬してたの~?」ツンツン
しずく「……かすみさんには、もう少し、しつけが必要みたいだね」ゴゴゴゴゴ
かすみ「ひえっ……ごめんなさい……」ビクッ
栞子(私は、どうして泣いてしまったのでしょうか……自分の気持ちがわかりません……)
ランジュ「栞子っ!」
栞子「ら、ランジュ……」ビクッ
ランジュ「その……かすみと付き合ってるっていうのは、ドッキリで……嘘なのよ! 栞子を悲しませるつもりはなかったのよ!」
栞子「嘘……?」
ランジュ「對不起(ごめん)、栞子!」
ランジュ「……ええ、幼馴染、だものね」
栞子「だから、あなたがこんな嘘を吐くような人じゃないことくらい、わかっています」
ランジュ「……え?」
栞子「私が泣いてしまったから、気を遣って嘘だと言ってくれたんですよね?」
ランジュ「ち、ちがっ……本当に嘘で……!」
栞子「ランジュがかすみさんのことが大好きなのは知っていますから……いつも怒らせてばかりの私なんかよりも……」ウルッ
栞子(駄目です……ランジュといたら、また泣いてしまいます……)
栞子「すみません。用事があるので、これで失礼します。どうか、お幸せに」ダッ
ランジュ「ま、待って栞子っ!」
しずく「ランジュさん……大丈夫かな……」
かすみ「しず子……かすみん、いつまで正座していたらいいのぉ……いいかげん許してよぉ~」プルプル
しずく「仕方ないなぁ……じゃあ……き、キスしてくれたら許してあげるっ! ///」
かすみ「な、なななな、何言ってんの!? ///」
しずく「あっ……違う、ほっぺ! ほっぺにだから! ///」
かすみ「な、なんだ……ほっぺか……」
しずく「ほ、ほら! 早くして!」
かすみ「はいはい……」
「……」
かすみ・しずく(よく考えたら、ほっぺでもけっこう恥ずかしかった……///)
かすみ「ん……」チュッ
しずく「……んっ///」
栞子「……かすみ、さん……?」
かすみ・しずく「!?」
しずく「し、栞子さん!? 今の見てた……///」
栞子「はい……はっきりと……見ていました……」
かすみ「そ、その……今のは、みんなには内緒に──」
栞子「かすみさん……あなたは、最低です!!」
かすみ「えっ」
栞子「ランジュとしずくさんで二股しているだなんて!! あなたには恋愛をする適性がありません!!」
かすみ・しずく「……ええっ!?///」
かすみ「誤解が解けていないし、更に誤解が生まれてる!?」
かすみ「ち、違うの! しお子! 全部誤解なんだって!!」
栞子「誤解……?」
かすみ「そう! ランジュ先輩と付き合ってるっていうのは、ただのドッキリで……」
栞子「え?」
しずく「そう! かすみさんとランジュさんのいたずらで……かくかくしかじか!」
栞子「では、ランジュが言ってた通り……付き合ってるっていうのは……」
かすみ・しずく「嘘嘘!!」
栞子「そ、そうだったんですか……」ホッ
かすみ「でも嘘ついたのは本当にごめん! しお子!」ドゲザッ
栞子「でも、どうしてこんな嘘なんか……」
かすみ「それは……しお子が……あまりにもランジュ先輩に対して、塩対応だから……」ゴニョゴニョ
栞子「塩対応……」
栞子(きっとそれでまた、ランジュを傷つけてしまったのですね……ですが、それであんな嘘を……?)
栞子(それに、どうしてランジュの嘘で私は、こんなに悲しい気持ちに──)
栞子「っ!!」ハッ
かすみ「し、しお子……?」オロオロ
栞子「……かすみさん、私、やっと自分の気持ちに気付きました!」
かすみ「え? し、しお子?」
栞子「私、ランジュに、伝えなければならないことがあるので……これで失礼しますっ!」ダッ
ガチャ バタン
しずく「……行っちゃった」
かすみ「あれ? そういえば、ランジュ先輩との誤解は解いたけど……しず子との誤解は解いてないような気が……」
しずく「……いいじゃない、解かなくて」
かすみ「えっ」
ランジュ「──栞子! やっと見つけた!」
栞子「私も……あなたを探していました……」ハァ ハァ
ランジュ「あのね、栞子! もう一度聞いて! アタシ本当に──」
栞子「はい。かすみさんに、全部聞きました。私の気を引くための、嘘だったって……」
ランジュ「……えっ!? ///」
栞子「私は、ランジュがかすみさんの恋人になったと聞いて、とても悲しい気持ちになりました」
ランジュ「それは……戸惑わせて、本当にごめんなさい……」
栞子「ですが、あなたのおかげで、私は、自分の気持ちに気付くことができました」
ランジュ「そ、それって……もしかして……///」ドキッ
ランジュ「……///」ドキドキ
栞子「妹だと思っています」
ランジュ「……え?」
栞子「ランジュは幼馴染で、手のかかる存在なので、ほっとけないと思ってます。つまり、私にとって、あなたは妹なんです!」
ランジュ「……」
栞子「ランジュも私のことを妹のように思ってるので、気を引きたくて嘘をついたんですよね? ふふっ、言わなくてもわかってますよ」ニコッ
ランジュ「……」
栞子「今後も、姉妹のように、仲の良い幼馴染でいましょう、ランジュ」
ランジュ「……」
栞子「え……?」
ランジュ「栞子が妹のように思っていても、アタシは、違うのよ」
栞子「そ、そうなのですか!?」
ランジュ「……鈍感な栞子に、アタシの気持ち、教えてあげるわ」
栞子「教えるとは……何を──」
チュッ
栞子「──!?」
ランジュ「……どう? ///」
栞子「ら、ランジュ……? ///」
ランジュ「これでも、わからない……?」
栞子「え?」
ランジュ「……まだわからないのなら、今からたっぷりと教えてあげるわ」
栞子「な、何を──」
ランジュ「今日は覚悟しなさい、栞子」ガバッ
栞子(どうやら私は、ランジュの気持ちにも、自分の気持ちにも鈍感だったようです)
おしまい
でも肝心の気持ちを理解するシーンが抜けてるのが気になるなぁ……前戯までで良いから書いたりしてない?
ランしおっていいな
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1681313544/
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