【SS】絵里「レッド」ミア「ブル」【ラブライブ!】

【SS】絵里「レッド」ミア「ブル」【ラブライブ!】

2:>>1です(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:00:59.45 ID:f4wekGA6

今夜のラブライブ洋画劇場は

赤のカーテンの向こうから、ソ連が一人でやって来た!

ステイツはもう眠れない! NYを舞台に、犯罪者VS越境刑事のコールドウォー勃発!

東西の型破りデカが夢の合体! 二人でウチーラ人の野望を打ち砕け!

絢瀬絵里主演 ラブライブ!×レッドブル 

このあとすぐ!

 

3:※作中の人名・地名は全て架空のものです(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:06:11.75 ID:f4wekGA6

~ソルゲ連邦のド田舎にある女サウナ~

女ホルモン滴る熱気の中で、赤ふん一丁の女たちが筋トレに勤しんでいる

入口が開き、湯煙を裂いて現れた金髪の美女に、全員の視線が釘付けとなった

曜「ヒュー…敵機来襲であります。大型機、11時の方向」

千歌「上げ底に見える? それとも本物かな?」ヌフフ

梨子「確かめてみましょうか 」ヌヘヘ

絵里「……」

 

4:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:11:32.97 ID:f4wekGA6

梨子「こんにちは新入りさん 入浴前に身体検査させて?」

絵里「…この恰好で、必要ある?」

梨子「あるわ(断言)。手を見せて」

梨子「……冷たい手。やっぱりね」

梨子「あなたが来てから、ここの空気が冷えてたまらないのよ」

梨子「だから特別に……暖めてあげるわ♪」ジュウウウ
 

ボイラーで熱した焼石を掌に乗せられる絵里

彼女は一切表情を変えぬまま、それを握りしめ

絵里「あっつ!!!」ボコ!

梨子「ぐえ!!」

曜「こいつ、よくも梨子ちゃんを!」

千歌「みなのしゅー、かかれー!」

犯ッチマイナー! ヨーソロー!…

 

5:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:15:43.56 ID:f4wekGA6



曜「ぐへぇ」

千歌「前が見えねぇのだ…」

絵里「カナン・マツーラはどこ?」ガシッ

梨子「あなた、サツだったのね…」ハァハァ

梨子「知らないわ…アカの手先に話すことなんて」

絵里「真っ赤になってるのはそっちでしょ」ギュッ

梨子「あぁん そこそこ 」ビクンビクン

梨子「は、話すわ。あの人はさっきシヴーヤのカフェに出かけるって」

絵里「…協力に感謝するわ」

梨子「ね、ねえ!それよりこの後二人でお茶でも///」

絵里「いいわよ。あとで尋問する時、ゆっくりね!」ボコ!

 

6:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:19:53.58 ID:f4wekGA6

   
 EЯI AYASE  
    ×
 MIA TAYLOЯ

 【ЯED BULL】

 

7:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:24:23.75 ID:f4wekGA6

~シヴーヤのカフェ前~

希「聞いたよエリち。また大暴れしたんだって?」

絵里「その成果がこれよ。文句はこの国にを持ち込む連中に言って」

絵里「このままだと10年後には、母なる大地は西側からの毒吹雪に覆われてしまうわ」

希「お先真っ白やね。とはいえ、ウチも相棒への陰口には参っとるんよ」

希「エリちのあだ名、ちょっと前までは”氷の女”だったけど、今じゃ”鋼鉄まん”だってさ。ほら英語に直すと(ワシッ)あいやーん…」ズルズル

絵里「くだらないこと言ってないで、とっとと連中を逮捕しに行くわよ」

絵里「いつも通り私が正面、あなたが裏手。いい?」

希「わかった、わかったから。その前にウチのオ   を保釈してな?」イチチ…

 

8:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:29:09.67 ID:f4wekGA6

~カフェ内~

ガヤガヤ

ダイヤ「では、取引は予定通りに?」

果南「向こうのグループと渡りをつけたよ。明日出発しよう」

ルビィ「ウユウユ」

シーン…

ルビィ「ウユ…?」

   
コツコツ…ザッ

絵里「カナン・マツーラとそのお仲間ね?」

絵里「モスカウ市警のエリーチカ・アヤセンコフ大尉よ。あなた達を逮捕するわ」

 

9:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:33:30.22 ID:f4wekGA6

果南「へえ、罪状は何かなん?」

絵里「……」

ダイヤ「答えられませんの? ふん、思った通りですわ」

ダイヤ「貴女方はいつもそうです。わたくし達がウチーラ人というだけで目の仇にぁ痛だだだっ!?」

絵里「……」わしわし

ダイヤ「い、いきなり何をするのですか!? ああちょっと!どこを触って……んんっそこは 」

絵里「――!」ビリビリ

絵里「 に詰め物の袋……中身は」ペロッ

ダイヤ「あ…あぁぁ 」

絵里「コカインね」

ダイヤ「そ、そうです…… ここがいいんです… 」ビクビク

果南「ちっ、みんなズラかるよ!」

 

10:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:38:27.86 ID:f4wekGA6

店内にいた果南の仲間たちが、銃を手に一斉に立ち上がる

同時に応援の警官たちが踏み込み、激しい銃撃戦が始まった

ダイヤ「ああんエリーチカ 早くわたくしを捕まえてくださいまし 」クネクネ

ルビィ「…もうお姉ちゃんの妹やめていい?」

絵里の手で既に骨抜きにされたダイヤと元妹は秒で取り押さえられた

果南「くそ、この借りは必ず返すからね!」タタタ

絵里「マツーラが裏口の方へ行ったわ! 誰か追いかけて!」

 

11:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:43:22.40 ID:f4wekGA6



タタタ…

「そこまでよ!」

果南「…!」ピタッ

希「銃を捨てて、大人しくすることやね」チャキ

希「カードが言ってたんよ。キミがこっちの方へ逃げてくるって」

果南「……」ポイッ

希「よしよし、いい子ね。今手錠を…」

果南「――!」ジャキン

希「ッ!? 仕込み銃――!?」

   
――BANG!BANG! ヤァァァァァァン…

 

12:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:47:52.17 ID:f4wekGA6

   
――

―――――

――――――――

【ノゾーミン・トージョ大尉 ここに眠る】

絵里「ノゾミ……こんな結果になるなんて」

海未「……彼女のことは残念でした」

絵里「同志ウミーミ……やつは」

絵里「カナン・マツーラは今どこに…」

海未「…彼女は仲間たちと国外脱出に成功したそうです」

海未「同志エリ。なんとしても彼らを逮捕して、国家と同志への罪を償わせるのです」

絵里「ダー、無論そのつもりよ…!」

 

13:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:53:55.53 ID:f4wekGA6

~数週間後、ステイツ合衆国 NYシティ~

プルルルルルルル――ガチャ

果南「もしもし、マツーラだよ」

 
『マルガレーテよ。電話ボックスに挟んだ割符は手に入れた?』

『それを持って、来週の同じ時間にもう一度ここに来て』

『ブツは金の入ったロッカーの鍵と交換で渡すわ』

『それと教祖様から伝言。私たち”まんまるヘッド団”は、今回の取引を歓迎する』

『せいぜいお互いにまぁーるく新しい月を迎えられるようにすることね。……くれぐれも、おかしなことは考えないで』プツ

ツー…ツー…

果南「……」ニヤッ

 

14:(おにぎり) 2023/11/03(金) 00:59:08.39 ID:f4wekGA6

――ブロロロロロ!

果南「道がなくてもDriving~♪ マップなくても……んー?」

ファンファンファン ソコノクルマ、トマレー!

果南「……」チッ

ーーー

ーー

 

15:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:05:37.06 ID:f4wekGA6



絵里「マツーラがステイツで逮捕された!?」

海未「今朝大使館から連絡がありました。…そしてここからはオフレコですが」

海未「どうやら彼女は向こうでコカインを買い付け、こちらに送ろうとしていたようですね。それも尋常でない量を」

海未「同志エリ、貴女は至急ステイツへ。マツーラを連れ戻してください」

海未「我が国の恥をこれ以上触れ回られる前に。くれぐれも、現地の方々には内密でお願いします」

絵里「任せて同志。その言葉を待ってたのよ」

 

16:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:10:32.94 ID:f4wekGA6

絵里「ところであの頭さかなかは、どんな罪でとっ捕まったの?」

海未「スピード違反で停められ、銃と干物(隠語)の不法所持が見つかってお縄だそうです。ここに資料が」

絵里「担当、NY市警ミア・テイラー刑事……たったこれだけ?」

海未「詳しくは向こうでその方に訊けとのことで」

絵里「誰なのよこの鬼太郎は」

海未「向こうでの、貴女の世話係だそうですよ」

 

17:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:15:35.43 ID:f4wekGA6



~二日後、NYシティの空港~

ミア「Hiベイブちゃん、今夜ヒマかい?」

女「クソして寝ろめぐ」スタスタ…

ミア「Shit…最近のJKはキツイな」

栞子「ミアさん…こんな時にナンパはやめてください」

ミア「栞子か。頼んでたものは買ってきてくれた?」

栞子「私の仕事はパシリではないのですが…」ガサガサ

ミア「よしよし、こいつが欲しかったんだ。モンスターバーガーのL!L!L!サイズセット、レタス抜きで…」

ミア「ってなんだよこれ!ヘルシーバンズに、ドリンクもふぬけのダイエットコークになってるじゃないか!?」

ミア「ちょっと栞子! どうして注文通りに買ってきてくれないのさ?」

栞子「パートナーの健康を気遣うのも仕事の内ですから」クスッ

 

18:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:20:12.02 ID:f4wekGA6

ミア「ちぇ、嫌になるよまったく。それならベシリア女の赤いお を拭いてやるのも仕事の内なの?」

栞子「そう腐らないでくださいよ……っと、来たようですね」

絵里「……」キョロキョロ

栞子「では、ご挨拶してきます」

ミア「通訳が必要なら呼んでよ。ボディランゲージは得意なんだ」モグモグ

 

19:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:25:48.43 ID:f4wekGA6

栞子「あの、エリーチカ大尉ですか?」

絵里「そうよ」

栞子「初めまして、NY市警の三船です。向こうにいるのは相方のテイラー刑事」

ミア「どふも」モグモグ

栞子「長旅お疲れ様でした。この国は初めてですか?」

絵里「ええ」

栞子「飛行機は揺れませんでした?」

絵里「いえ、快適よ」

栞子「お腹の方は」

絵里「空いてないわ」

栞子「では…お飲み物でも」

ミア「Heyお二人さん、初々しいロマンスの最中悪いけど」

ミア「レッドゾーンに車停めてるんだ。続きはそっちでしてくれない?」

絵里「…彼女は何て?」

栞子「市内までは30分のドライブだと。駐禁を切られてなければですが…」

 

20:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:31:46.85 ID:f4wekGA6



ブロロロロロ

栞子「涼しい夜で良かったです。このところNYは蒸し暑くて」

栞子「特に湿度が高いのには参ってしまいます」

ミア「湿度って分かる? 空気のジメジメ度のことだよ」

絵里「…………」

栞子「そ、そちらの夏はいかがですか?」

絵里「暑いわ」

絵里「ジメジメはしてないけど。そちらと違ってね」ジトッ

栞子「…ミアさん、やっぱり窓は閉めてもらえますか。急に寒気が」ブルッ

 

22:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:37:26.39 ID:f4wekGA6

ミア「ねえ、どこでボクたちの言葉を習ったの? 当てようか、スカイネットの工場でしょ?」

絵里「…キーウの外語学校よ」

ミア「ああ知ってるよ! チキンキエフバーガーで有名なとこだろ? 姉さんの結婚式で食べたんだ」

ミア「ところでさ、あのマツーラってやつが一体何をやらかしたのか教えてくれない?」

ミア「わざわざキミみたいなHasta la vista babyちゃんを送り込むなんてよっぽどだよね。赤いドームの壁に立小便で落書きでもしたの?」HAHAHA

栞子「ミアさん!いい加減にしてください!」

栞子「申し訳ありません……相方がとんだ御無礼を」

栞子「ですがこれは彼女なりのフランクな接し方でして、決して悪気があるわけでは…」

ミア「~♪」

 

23:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:42:27.27 ID:f4wekGA6

絵里「あなたがマツーラを逮捕したの?」

ミア「そうだよ。報告書を読んだでしょ?」

絵里「ええ。子供のお使いメモかと思ったわ」

ミア「…は?」

絵里「あれじゃ何も分からない。捕まえた場所を教えて」

栞子「彼女が泊まっていた宿の近くです。ハー  地区の」

ミア「売人、ポン引き、 売どもの巣窟さ。なんならキミも泊まってけば?」

絵里「そうさせてもらうわ」

ミア「…ワッツ?」

 

24:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:47:17.89 ID:f4wekGA6

~ハー  の安宿『トチマン○』~

ミア「…本気でここに泊まるの? 糞溜めみたいなところじゃないか」

栞子「出張費が厳しいのなら私が上に掛け合っても…」

絵里「結構よ。ここがいいの」

ミア「…物好きもいたものだね」ヤレヤレ

栞子「では……明日の9時にお迎えにあがりますので」

栞子「それまでどうか御無事で……ミアさん行きましょう」

ミア「楽しかったよCaptain. 明日も会えるといいね」

ブロロロ…

 

25:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:52:56.33 ID:f4wekGA6

プ~ン…パシン!

美渡「チッ…この虫けら、私の顔にばっかとまんなっての」

カランカラン

美渡「…らっしゃい」チッ

絵里「部屋を取りたいの」

美渡「じゃあ宿帳に名前書いて」

絵里「…少し前までマツーラという女が泊まっていたはずよ」カキカキ

美渡「ああ、あのロシア人」

絵里「ソ連人よ。同じ部屋にしてちょうだい」

美渡「へえ、アンタもあいつのセフr痛だっっ!?」パシーン

絵里「失礼。頬にハエがとまってたから」

絵里「鍵、もらっていくわ」

美渡「…どーも」ヒリヒリ

 

26:(おにぎり) 2023/11/03(金) 01:58:10.54 ID:f4wekGA6

~303号室~

絵里(手がかりは……流石に残ってないか)

絵里(他に情報収集できそうなものは……コイン式のテレビ)

絵里「ふん…いかにも資本主義らしい設備ね」チャリン

<パッ オォン アォン

絵里「っ!?」

<ンァー イクッ イクデスッ グソクムシィ

絵里「……これだから、資本主義者は嫌いなのよ」

絵里「…………」

 

27:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:02:21.68 ID:f4wekGA6

金曜
ロードショー

             
             ラブライブ!×レッドブル

 

28:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:08:37.84 ID:f4wekGA6

~翌日、NY市警ダイバ分署 署長室~

絵里は分署長の菜々から容疑者引き渡しの説明を受けていた

彼女の趣味なのか、室内は一面が深紅にコーディネートされている

菜々「ではこのあと拘置所でマツーラを引き渡し、空港までミアさんたちに送らせます」

菜々「それで本件は落着です。遠路はるばるご苦労様でした」

絵里「……」ジー

菜々「…何か気になることでも?」

絵里「いえ…この部屋にいると祖国を思い出して」

絵里「この本はなんて読むのかしら。アカ…?」

菜々「紅蓮の剣姫ですね。愛読書なんです」

菜々「……幼稚と思われるかもしれませんが、仕事のストレスで分裂病になるよりはマシですから」クスッ

菜々「ところでエリーチカさん、あなたの国ではどうやってストレスを…」

絵里「ウォッカよ」

菜々「な、なるほど」

 

29:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:14:04.34 ID:f4wekGA6

~拘置所~

果南「やぁ…また会ったね」

絵里「これが最後よ」

絵里「立ちなさい。仲間たちのところに還してあげる」

果南「やれるもんならやってみなよ、このクソ  」

絵里「……!」

ガシャァァン!

ミア「……お友達みたいだね。ボディランゲージで愛情示してる」

栞子「マッチョの遊びには付き合えませんよ…」

 

30:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:19:15.53 ID:f4wekGA6

ガチャリ

ミア「返却物はロッカーの鍵が一つだけ。質素な生活してるねキミたちは」

絵里「ちょっと。あの鍵は何よ」

果南「さあ? あんなハイカラなもの初めて見たよ」

絵里「ふざけてるとベシリア送りを待たずに両の指が使えなくなるわよ」

ミア「Hey,その馬鹿でかい糞を流すなら北極点の上を飛んでる時にしてよね」

ミア「ボクたちの仕事はキミらを空港に送り届けるまでだ。その間、面倒はゴメンだからね」

ミア「栞子、先にこの二人を連れて出ててよ」

栞子「あ、ミアさんどこへ行くんです?」

ミア「あっちでハンバーガーとお馬さん新聞買ってくる。すぐ戻るからさ」

 

31:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:24:45.09 ID:f4wekGA6

   
お団子頭の警官1~4「……」ザッザッザッ

栞子「全くもう…ミアさんときたら」ブツブツ

絵里「…前を歩いてくるのはお仲間?」

栞子「いえ…特に聞いてませんが」

果南「……」ニヤッ

お団子頭の警官1「かかったわね! 堕天使奥義、トンファーキィ~ック!!」ボコォ!

絵里「ぐっ!?」

 

32:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:29:59.20 ID:f4wekGA6

   
瞬く間にこちらを取り囲んだ偽警官らに警棒で滅多打ちにされ、絵里が昏倒する

それを見た栞子はとっさに銃を抜くも

お団子頭の警官2「危ねぇ!」BANG!BANG!

栞子「がっ…!?」

栞子「ぅぐ……」ドサッ

 

33:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:35:14.29 ID:f4wekGA6

お団子頭の警官3「なにやってるんすか! 早く逃げるっすよ~!」

果南「待って、ロッカーの鍵が要る…!」ガサゴソ

絵里「うぅ……(鍵…?)」

果南「こいつが持ってる鍵が必要なの!」

お団子頭の警官4「そうかな?」

お団子頭の警官2「おい、もう限界だ! 鍵は諦めてずらかろうぜ?」

「Hey,Badass!」

お団子頭の警官1「あ! アイツ――」チャッ

ミア「」BANG!BANG!BANG!

お団子頭の警官1「ぎにゃあああ~~!!」バタリ

お団子頭の警官2「クソ、逃げろ逃げろ!!」BANG!BANG!

タッタッタ…

 

34:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:40:44.55 ID:f4wekGA6

ブロロロ――キキィ!

運転手「なにしてるずら! 早く乗り込むずら!」

お団子頭ズ「よっしゃ、乗れ乗れ!」

果南「……」チッ

ブロン――ブォォォォォォォ…

   

ミア「Damn…!あれだけ離れちゃ当たらない…!」

 

35:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:46:19.04 ID:f4wekGA6

ミア「栞子…! しっかりしろ、聞こえてるか? おい!」

栞子「ミア……さん……」

栞子「そんなにくっついたら…折角のハンバーガーが、血で…」

ミア「…何言ってんだ、これはケチャップだよ…」

ミア「とびっきりlargeなのを買ったからさ……あとでキミにも分けてやるよ」

栞子「それは……楽しみですね……」

栞子「…くれぐれも……食べすぎは……」ガクッ

ミア「栞子……? おい、栞子!?」

     
ミア「クソ……!!」 

 

36:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:51:38.68 ID:f4wekGA6

~病院~

絵里「……!」ハッ

ミア「おはよう。モスカウじゃ早朝かもだけど、こっちはいま夜の10時だよ」

絵里「…撃たれた人はどうなった?」

ミア「……死んだよ。クソッ、まんまるヘッド団のやつらめ!」

絵里「マンマル…?」

ミア「ここら一帯を縄張りにしてるギャング共さ。いや、カルト教団の方が正解か」

ミア「教義とやらで全員がお団子ヘアーにしてる、ふざけた連中だよ」

絵里「…あなたが撃ったやつもそうだったわね」

ミア「ああ…あいつはまた別口さ」

ミア「ヨハンネ・トゥーシマ。身分証を見たらウチーラ人だった」

ミア「やつもこの病院でおねんねしてる。意識が戻ったら、どうしてまんまるヘッドの連中といたのか絶対に吐かせてやるよ」

 

37:(おにぎり) 2023/11/03(金) 02:56:52.92 ID:f4wekGA6

ミア「ところで、寝てる間にボディチェックさせてもらったよ」ゴトッ

絵里「……」

ミア「こんな馬鹿でかい拳銃、どうやって税関をパスしたんだい?」

絵里「…外交特権よ」

ミア「…空港の警備もアテにならないね」

ミア「キミには選択肢が二つある。ボクにこのデカブツを没収されるか、マツーラの正体を話して見逃してもらうかだ」

絵里「…没収しなさい」

ミア「オイオイそれじゃ身も蓋もないだろ? ここは自由の国だ、隠し事は……ん?その服は?」

絵里「私服よ。これでマツーラを追う」バサッ

 

38:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:02:21.15 ID:f4wekGA6

ミア「私服だって? あの郵便配達みたいな制服の方がずっとマシだよ!目立ってしょうがないや」スタスタ

絵里「…なに? 着いてくる気?」

ミア「目が離せないんだよキミは。マツーラを追うならボクもいくぞ、パートナーがやられてるんだ」

絵里「そう。じゃあまず署に連れてって」

ミア「タクシーサービス始めた覚えはないんだけどな。ボクはキミの運転手かよ」

絵里「違うの?」

ミア「コイツ…」

 

39:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:07:40.25 ID:f4wekGA6

~ダイバ分署 取調室前~

ミア「いいかい? キミのためにまんまるヘッド団と関わりのあるタレコミ屋を呼んでやった」

ミア「会う前に注意しとくけど、ボクらの国ではたとえクズでもしっかり人権が保障されてる」

ミア「ミランダ法っていって、警官はうかつに容疑者の にも触れないんだ」

絵里「海を超えて痴漢しに来たわけじゃないわ。口を割らせたいの」

ミア「もののたとえだよ。とにかくここはボクに任せてくれ」

絵里「……」

 

40:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:13:04.48 ID:f4wekGA6

ガチャ

夏美「あ、ミアさん! これは一体何のマネですの!?」

ミア「久しぶりだねナッツ。景気はどう?」

夏美「ケーキもカツ丼もないですの! 私これっぽっちもしょっぴかれる理由なんてナッ痛ゥ!?」バシーン

絵里「うだうだ言ってないで、知ってることを吐きなさい」グググ

ミア「二人とも落ち着けって! エリーもその手を放せよ!」

夏美「なんてことしますの! 暴行罪で訴えてやりますのよこの野蛮人!」ゼェハァ

絵里「ソ連人よ」

ミア「まあまあ座りなって。今日はまんまるヘッド団についてちょいと訊きたいだけさ」

ミア「協力には相応の礼をするよ。資本主義ってのはサイコーだろ?」スッ (※札を ポケットにねじ込む音)

夏美「…近々大きな取引があるって話ですの。それしか知りませんの」

絵里「思い出すの手伝いましょうか?」パキポキ

ミア「おっと、人権尊重を忘れないでよね」

 

41:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:18:23.59 ID:f4wekGA6

ミア「……ん?」

ミア「何か臭うぞ」スンスン

夏美「?? け、今朝納豆は食べましたけど、ちゃんと歯磨きを…」

ミア「いや違う。これは」サッ (※夏美の ポケットから札に包まれた白い袋を取り出す音)

ミア「ヘロインの臭いだ」

夏美「は、はぁ!? 知らないですのそんなもの!!」ガタッ

ミア「スムージーの粉に見えるかい? 警察にヤクを持参するなんて、とんだジャンキーちゃんだなキミも」

夏美「き…汚いですの!! 無辜の庶民をハメようなんて、これは立派な人権侵害ですのよ!!」 

ミア「Hey,本物の臭飯を食いたくなきゃここからは言葉を選べよ。取引はいつどこで、相手は誰なんだ?」

夏美「うちのチャンネルの視聴者は警察をナチ扱いしてますの」

夏美「こんなことが知れた日には二人とも吊るし上げの大炎上! 開示祭りで即☆告訴ですの!」

絵里「……」ツカツカ

夏美「覚悟の準備をしておくんですの! 誰が喋ってやりますのぉごっ!!??」ゴキン☆

 

42:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:23:38.54 ID:f4wekGA6

夏美「わ、分かりました!話します!話しますから!」

夏美「取引は嵐千砂都がまとめましたの! 2~3日中にブツが届く予定ですの!」

絵里「誰なのそいつは」モギュウウ

夏美「まんまるヘッド団の教祖! 刑務所の中から指示を出してるフィクサーってやつですの!!お願いだからそろそろ人権を尊重して…」

絵里「人権ね。我がソルゲ連邦でも、容疑者は逮捕後2日目に弁護士を呼べるわ」

ミア「それまで生きてられればだろ?」

夏美「ほ、ホントにこれ以上は知りませんの!! 神とマネーに誓いますのよ~~!!! うぅぅ…」シクシク

絵里「……ね? ソ連式の方が能率的よ」

ミア「何のために人権の説明したと思ってるんだよ…このスーパーソ連人め」ハァ

絵里「行くわよ。嵐千砂都のいるブタ箱に」

ミア「あ、おい待てよ。ったく…」チラッ

ミア「…ナッツ、キミもドジっ子だね。入口のドアに”腰”を挟んじゃうなんてさ」

夏美「さ、流石にそれは無理がありますの…」ズキズキ

 

43:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:28:51.07 ID:f4wekGA6

~刑務所~

ミア「さっきはよくもボクの見てる前で情報屋にバックブリーカーきめてくれたな。少しは人の立場も考えてよ」プンスコ

絵里「情報屋のポケットにヤクをねじ込むのは合法なの? これでおあいこよ」

ミア「Crap…頼むからここではミランダちゃんのこと忘れないでくれよ…」

 

44:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:34:10.39 ID:f4wekGA6

   
刑務所の一角で、ダンスの練習に勤しむお団子ヘアーの集団がいた

その輪の中心で、ラテンラップを聴きながら拍子をとっているのが、ここの”王”たる嵐千砂都

コーラ片手にグラサンをかけた彼女と絵里は5分の面会を許された

 

45:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:39:44.89 ID:f4wekGA6

     
千砂都「…いつの時代も、私みたいな革命的マルキストは迫害に甘んじてるんだよねー」ゴクゴク

千砂都「ぷはっ。で、マルクス主義の本場から来た赤いお姉さんが、私に何の用かな?」

絵里「マツーラの鍵を持ってるわ」

絵里「くれてやるから、彼女の居所を教えなさい」

千砂都「単刀直入だね。いいよいいよ、好きだなーキミみたいなさっぱりした子」

千砂都「でもダメかな。それはマルの理に反するから」

 

46:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:45:27.09 ID:f4wekGA6

絵里「あなた達みたいな悪党にも仁義があるっていうの?」

千砂都「全人類にだよ。みんながまぁーるく生きれれば、この世はまるっとパラダイスなんだよね」

絵里「生憎だけど私たちは違うわ」

絵里「我が国にを送れば、ある朝目覚めるとベッド脇のコップにあなたの大事なお団子が浮かぶことになるのよ」

千砂都「まんまるは心の所作だよ。心が正しくマルなら、それが形になって輪を結ぶの。髪も仏もほんとは必要ないんだよ」

絵里「…ではその についてる二つのマルを千切り取ってあげましょうか?」チラリ

千砂都「………」無ネーン

絵里「………」

 

47:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:50:53.04 ID:f4wekGA6

千砂都「…私はね。ここの病院で生まれて、人生のほとんどをここで過ごしてきたんだ」

千砂都「そして気付いたの。この世界では、あなた達みたいな存在に私たちは搾取されてるって」

絵里「…?」ボイーン

千砂都「これはだけの問題じゃないの。政治の問題…経済の問題…そして魂の問題なんだYo」

千砂都「私はさ、世界中のボイン達をヤクに溺れさせてやりたいんだ」

千砂都「それでこそマルクスの夢見た社会、格差の是正された真の平等が訪れるってものでしょ、あはははは」

絵里「…もう一度訊くわ。マツーラはどこ?」

千砂都「会いたきゃ会えばいいよ。このまぁーるい世界でなら、私が教えなくても会えるでしょ」

千砂都「私はマツーラちゃんを。マツーラちゃんは鍵を必要としてる。そこから導き出される答えは」

千砂都「この完璧な方程式にお姉さんの存在は大きなバッテンってこと。せいぜい気を付けてね」バイバーイ

スタスタ…

絵里「……」

 

48:(おにぎり) 2023/11/03(金) 03:56:18.12 ID:f4wekGA6



ブロロロロロ…

ミア「あんまり話が長いから、キミも頭をマルめられてるのかと心配したよ」

絵里「…むしろ、そっちに似合いそうだけどね。あいつらの教義は」

ピーッピーッ

ミア「ん? 何の音?」

絵里「腕時計のアラーム。モスカウ時間に合わせてたの」ピッ

ミア「肉の配給時間かい?」HAHAHA

絵里「ワンコに餌をやる時間よ」

ミア「子犬ちゃんに餌? 逆じゃないの? 餌として子犬ちゃんを…おっと、失礼」

絵里「…なによ。ワンコを飼って悪い?」

ミア「あいや…そんなことないさ。そんな目で見るなよ…マジだって」

ミア「ボクの友達も犬を飼ってるよ。……いや、あれはそういうプレイってやつか…」

絵里「ワンコを飼うのは変態の趣味だって言いたいわけ?」

ミア「ちがっ…誰もそんなこと言ってないだろ!?」

ミア「いい趣味だよ、掛け値なしに……キミって、見た目ほど冷たいやつじゃないのかもね」

絵里「………」

絵里「……スパシーバ」ボソッ

ミア「……どーも」

 

49:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:01:32.08 ID:f4wekGA6

金曜
ロードショー

             
             ラブライブ!×レッドブル

 

50:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:06:43.21 ID:f4wekGA6

~NYシティ エアロビ教室前~

とある理由から建物に横付けした車の中で

絵里は街並みを眺めながらミアの帰りを待っていた

絵里「………」

絵里(あの橋、本で見たことあるわね)

「ねえアンタ!」コンコン

絵里「?」

にこ「ここに車停めるんじゃないわよ! ここはニコの敷地よ、そこに住んでんの!」

にこ「とっととボロ車動かすか、駐車代25ドル寄越すニコ!//」ヒック

絵里「…あなたは何を言ってるの?」

にこ「とぼけんじゃないニコ! 車をどけるか25ドル払うか、それとも車をブチ壊されるか、どうするニコ!?」

絵里「ミランダ法は知ってる?」

にこ「あによそれ。みだらなのはそっち(バキィ!)ブふぇッ!?」

ドサッ

絵里「そう。安心したわ…タコが」

 

51:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:12:04.63 ID:f4wekGA6

ガチャ

ミア「カナディアンベーコンセット買ってきたよ。…そこで伸びてるやつは何だい?」 ニゴォ…>

絵里「そこに住んでるんですって」

ミア「ハッ…呆れたやつだねキミは」

ミア「さてと、張り込みを再開するか」

ミア「対象者は女性、163センチ、髪はブロンド、お  いムチ  イルカ声の工 ビ講師だ」

絵里「エアロビでしょ…彼女は何者?」

ミア「マツーラが捕まってた時面会したやつが二人いて、一人はボクが撃ったヨハンネ」

ミア「もう一人がこの中で工 ダンス踊ってるマリー・オハラ。ステイツ人で、マツーラのフィアンセだってさ」

絵里「…手が早いわね」

ミア「同感だよ。こっちがムショにブチこむ前にブチ込んでたとはね」

 

52:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:17:25.15 ID:f4wekGA6

ミア「マツーラと何を話したのか、キミが病院で寝てた時に一度任意聴取したんだけど」

絵里「オハラは何て言ったの?」

ミア「見た目の割に上の口は堅かったけど、ムショへのファストパスをチラつかせたらようやくゲロったよ」

ミア「自分は頼まれて届け物をしただけだって」

ミア「マツーラのパスポートと半分にちぎれた100ドル札をあいつのお友達にね」

ミア「お友達の住所や電話番号は捨てちゃって覚えてないってさ」

ミア「見上げた根性だよ。完全にフィアンセを庇ってる」

絵里「心配せずとも、すぐに離婚調停させるわ」

ミア「とはいえこいつはちょっと骨だよ。だからこうして張り込んでるんだろ」

絵里「こんな見え見えの場所で?」

ミア「わざとだよ。バッドコップとバッドコップが出待ちしてるんだぞ。向こうが正気なら何かアクションを起こすはずさ」

ミア「ま、コーヒーでも飲んで気長に待とうよ。欲しければキミの分もあるけど?」モグモグ

   

~エアロビ教室内~

鞠莉「……」チラッ

鞠莉「……」ピポパ…プルルルル

 

53:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:22:35.72 ID:f4wekGA6

絵里「ハラショー…」モグモグ

ミア「なんだよ、ハンバーガー食べるのは初めてかい?」

絵里「…これ、中身は何なの?」

ミア「知らない方がいいかもね」

鞠莉「……」トコトコ

絵里「!…オハラが出てきたわ」

    
鞠莉「ヘイ、タクシー!」

キキィ…バタンッ…ブロロロロロロ

   
絵里「よし、追うわよ」ブロォン

ミア「おいおいちょっと待て、コーヒーをまだ…あちち!!」バシャッ

ミア「Shit!アソコを火傷しちゃったじゃないか!なんだよもぅ…ちっくしょう」

ブロロロロロ…

 

54:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:27:50.58 ID:f4wekGA6

ミア「どうしてくれるんだよこのザマ! 車は汚れる! スーツは台無し! おまけにクリは焼き栗になっちゃったよ!」

ミア「ああもぅ…まるで漏らしたみたいじゃないか、みっともない……あオイぶつけるなよ? 定年まで始末書書きはゴメンだ!」 ブッブー>

絵里「大丈夫よ。車の運転には自信があるの」

ミア「言うと思ったよ…大方そいつもキーウの学校で習ったんでしょ? ついでに事故の処置と保険の交渉も習った?」

絵里「ソ連では保険なんてものは必要ないの。すべて国が払ってくれるのよ」フフン

ミア「それ、生きてる間にもらえるんだろうね?」

ブロロロロロロ…

   
鞠莉「…あいつら尾けてくるわよ?」

花丸「それがこっちの狙いずら」

 

55:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:33:10.11 ID:f4wekGA6

    

~地下駐車場~

ブロロロロロ

絵里「タクシーはここに入ったわ」

ミア「……ん? 何だあのワーゲンバス、こっちに来るぞ?」  

キキィ…ガチャッ

かのん・きな子・メイ「……」ジャキッ

すみれ・四季・マルガレーテ「……」ザッザッザッ…

ミア「Oh…勘弁してくれ…まんまるヘッドの団体様かよ、それも銃持ちの」

ミア「…なあ、ソ連に肥溜めはあるかい? ボクらは今そこにハマってるんだ、全身糞まみれの罠にね」

絵里「…ひとまずこっちも降りましょう」

 

56:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:38:21.36 ID:f4wekGA6

鞠莉「……」モジモジ

ミア「Hey,夢の国にご招待どーも」

鞠莉「か、勘違いしないで。これは宣戦布告じゃなく休戦交渉よ」

鞠莉「まんまるはあなた達と和平を結びたいんですって。カナンの鍵と引き換えにね」

マルガレーテ「ほら、さっさと寄越しなさいよ」ズィ

ミア「……やれやれ。読みが当たったね」

ミア「キミたちやっぱりマツーラと組んでたんだな。ウチーラの連中とヤクパーティかよ。そのためにあの鍵が必要なんだろ?」

ミア「危ない危ない、鍵を持ち歩いてたら〇されてたところだ。隠しといて正解だったよ、あれがボクたちの命綱だ」チラッ

絵里「……」

ミア(オイ分かってるんだろうな? 本当はキミが鍵を持ってるのがバレたらこの場でブッ〇されて臓器を売られちまうんだぞ??ハッタリだよハッタリ!!)

 

57:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:43:32.39 ID:f4wekGA6

マルガレーテ「チッ、使えない凸凹コンビね」

マルガレーテ「いいわ、二人とも銃を寄越して。マツーラに会わせてあげる」

マルガレーテ「ただしチビっ子の方は人質よ。下手なマネするとお友達の顔にマルが一つ増えることになるわ」チャキッ

ミア「痛てッ…! 気を付けろよっ、その頭に除草剤まいてやろうか?」

鞠莉「わ、私、7時半からエアロビ教室があるの。もう帰るよ?」

鞠莉「怒らないでね? こうするしかなかったの…!」タッタッタ…

マルガレーテ「フン、バカな女……そのだっさい服、爆弾詰まってないわよね?」

絵里「普通の服よ……じゃあ、マツーラと”話して”くるわ」

ミア「頼むよミランダ…キミは裏切らないでくれよな」

 

58:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:48:55.89 ID:f4wekGA6



果南「また会えたね同志。それとも、またこれが最後とか言うのかなん?」

絵里「……」

果南「ここにハジキがなくてよかったよ。そうじゃなきゃ君はとっくに死んでるから」

果南「まあ…10年前なら素手でも捻り〇してたかもだけど」

絵里「…試してみる? 私だって元スチェンカチャンプよ」

絵里・果南「…………」

果南「…はは。それもいいけど、そんなことしなくても私たちはもっと仲良くなれると思うんだ」

果南「君は私の友達を大勢ムショに送ってくれた。その罪滅ぼしに、君が私の新しい友達になってよ」

果南「お互いこれまでのことは水に流してさ。私の鍵を返してくれたら、お礼はたっぷりするよ。だから…ね?」サッ

果南「仲直りのハグ…しよ?」

 

59:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:54:10.10 ID:f4wekGA6

絵里「…ソ連では、友人とハグなんてしないの」

絵里「相手がウチーラ人なら尚更よ」

果南「……君ってやつは、場外ホームラン級のおバカさんだね」

果南「ソ連人ってのはみんなそうなの? どいつもこいつも、死ぬのだけが救いって顔しちゃってさ」

果南「そんな哀れな人たちを救ってあげようとしてるんだよこっちは。自由とコカインの味でね」クルッ

果南「また会おうね同志。…絶対だよ」スタスタ…

絵里「……」

 

60:(おにぎり) 2023/11/03(金) 04:59:20.16 ID:f4wekGA6



ブロォォン!

ミア「クソ! 面白くもない!」

ミア「銃もボクたちも無傷で帰してくれてThank you, FRIENDS!!略してセフレ!!とはならないよ!」

ミア「あいつらボクのパートナーを〇したんだぞ! そんなやつらに見逃されるなんて、この落とし前はどうつければいいんだよ!!」ガンガン!

絵里「…気持ちは分かるわ。私もマツーラに相棒を〇されたの」

ミア「……そうなの? 初耳だよ」

絵里「ここからはお互い隠し事はなしよ。協力してオトシマエってやつをつけましょう」

ミア「そうだね………とにかく、今はまた同じ思いをせずに済んでよかったよ…」ボソッ

絵里「……ええ」

ミア「……そ、そうだ! クソ病院から連絡があってさ、例のヨハンネが目覚めたらしいんだ」

絵里「早速”話しに”向かいましょう」

絵里「…お願いできる? 運転手さん」

ミア「…OK,ボス」フッ

 

61:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:04:28.60 ID:f4wekGA6

金曜
ロードショー

             
             ラブライブ!×レッドブル

 

62:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:09:39.52 ID:f4wekGA6

~病院~

鞠莉「……――エサに使われるなんて聞いてないわよ! 結婚する前と約束が違うじゃない!」

電話ボックスの中では、”とある事情”で果南の仲間と病院に来ていた鞠莉が受話器に叫んでいた

と、入口の方から、先ほど自分がハメた刑事二人が歩いて来るのが見え、彼女は凍りついた

ミア「ヨハンネの病室はこの先だよ」

絵里「手早く静かにやりましょう。誰かに見られると面倒よ」

絵里「移動は5メートル間隔、音を立てないで」

ミア「ここはジャングルじゃないんだけどな…」

 

63:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:14:45.67 ID:f4wekGA6

ピッ…ピッ…ピッ

善子「……」スースー

看護師「……」フキフキ

絵里「あの看護師が失せてからにしましょう」

ミア「…そそる身体つきしてるよ。医者に転職もアリかもな」

看護師「……」チュー

ミア「お注射の時間かな? あとでボクにも…」

善子「…!」ビクンビクン

ピッ…ピッ…ピーーーーーー

ミア「!? おい、アイツ…!」

ミア「静脈にのっぽパンを詰めてるぞ! 誰かやめさせろ!!」

絵里「ぬおあああああああああああああああああ!!!!!!」ダッ

ガシャァァァァァァァァン

 

64:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:19:54.45 ID:f4wekGA6

花丸(看護師)「!!!」

突如ガラスを突き破って飛び込んできたソ連人に仰天し、口封じを済ませた刺客は廊下を一目散に駆けていく

ミア「待てよナイスバディちゃん…! 空力学的にはこっちが有利だぞ!」ダッ

 

65:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:24:59.97 ID:f4wekGA6

   

タタタッ…

    
花丸「!――」キキィ

ミア「諦めなよ、そっちは行き止まりだ! 銃を捨てて観念しろ!」チャキッ

ミア「ボクが一番身軽で速かったのは癪だけど、早撃ちでも署内トップなんだ。キツイお注射されたくないだろ…ってなんだキミは!?」

鞠莉「やめて!お願いよ、あの子を撃たないで!あの子はカナンの仲間で…」

ミア「放せよ!ボクは警察のミア・テイラーだぞっ!?」

花丸「――隙ありずら!」チャキッ

ミア「しまっ…」

 

66:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:30:03.69 ID:f4wekGA6

    
――BANG!BANG!BANG!

ミア「ッ――!!」ギュッ

   
ミア「………?」パチッ

    
花丸「じゅらぁぁぁぁ…」ドサリ

   
絵里「……」シュウウウウウ

     
ミア「…遅いよ、ミス・ユニバース」ハァ

     
ミア「………あの女はどこ行った?」

     
絵里「!――」ダッ

 

67:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:35:08.86 ID:f4wekGA6



鞠莉「ハァ…!ハァ…!」タタタッ

銃撃の混乱に乗じてその場を走り去った鞠莉は、裏口から逃げようとするも

鞠莉「チェーンロック!? もう、こんな時にぃ…!」ガチャガチャ

チャキッ

鞠莉「!……」クルッ

絵里「…あなたは大馬鹿よ」

鞠莉「だって……カナン、私のこと大事にしてくれるって…」

絵里「マツーラには女が9人いて、みな死んだか刑務所よ。10人目になりたいの?」

鞠莉「わ、私、どうしたら……」

絵里「……」チャキッ

鞠莉「ひっ…!」

――BANG!  バキィン!

 

68:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:40:09.52 ID:f4wekGA6

     
チェーンロック『』シュウウウウウ

鞠莉「……え?」

絵里「…行きなさい」

絵里「行くのよ!」

鞠莉「っ……!」ダッ

タッタッタッ…

絵里「……」

 

69:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:45:16.80 ID:f4wekGA6

~ダイバ分署 署長室~

ミア「ドンパチの後にオハラを見失ったのは仕方ないにしても、あの発砲はマズかったね」

ミア「さすがに今度ばかりは署長もおかんむりだよ。おっと噂をすればだ」 ガチャ>

菜々「…事情はおおむね聞きました」

菜々「言いたいことは山ほどありますが、まずはエリーチカさん。不法に持ち込んだ銃をここで預けてください」

 

70:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:50:23.77 ID:f4wekGA6

絵里「悪いけどお断りよ」

菜々「もう一度言います、”大尉”。今すぐ銃を、預けなさい」

絵里「………」ゴソゴソ

ゴトッ

菜々「……この馬鹿でかい銃が一緒にいて目に入らなかったんですか?ミアさん」

絵里「彼女にも隠していました」

ミア「……」フッ

菜々「…いいでしょう。栞子さんのこともあって、ミアさんを捜査から外すことはしませんでしたが、私の見立てが甘かったです」

菜々「ミアさんは今から内勤です。大尉には明日、赤のカーテンの向こうにお帰りいただきます」

 

71:(おにぎり) 2023/11/03(金) 05:55:30.06 ID:f4wekGA6



ミア「校長室の説教タイムは終了だ。同時にボクたちの捜査もね」

ミア「これで手がかりは全部消えちまった。こっちの未来と一緒にさ」

絵里「新しい銃が要るわ」

ミア「話を聞いてたのかよ?もう捜査はできないんだってば!」

ミア「……そんな目で見つめても無駄だからね? 諦めて車に乗りなよ、宿まで送るから」ガチャ

バタンバタンッ

ミア「はぁ……」

絵里「……ソ連の社会にも、あの署長みたいな子がたくさんいるわ」

ミア「なんだよ…今度は共感からの泣き落としかい?」

絵里「いえ…ただ気持ちがよくわかるってだけ。…口惜しいわよね。あのやり口、まるでKG…」

ミア「わかった、わかったよ! しょうがないな、もう!」

ミア「キミには命を救われた借りがあるしね…そこのグローブボックス開けてよ」

 

72:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:00:35.75 ID:f4wekGA6

絵里「……」ジャキン

ミア「いいかいエリー。キミが手にしてるのは世界一強力な拳銃だ」

絵里「…生憎だけど、ソ連製のポドヴィリン9.2mmオートマが世界一強力なピストルよ」

ミア「バカ言え、世界一はこのステイツ製M500マグナムで決まりさ! なにせシュワちゃんも使ってるんだ」

絵里「誰よその女」

ミア「未来の畑でとれる〇人サイボーグさ。血が出る相手ならそれで倒せるはず。…よし行こうか」

ブロロロロ…

 

73:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:05:43.94 ID:f4wekGA6

~ハー  の糞宿『トチマン○』~

ミア「OK,ボクは署に戻るよ」

ミア「キミはシャワーでも浴びて女…じゃなくて仮眠をとりなよ、あとで迎えに来るからさ。今夜は長くなるぞ」

絵里「望むところよ」ガチャ

バタン…ブロロロロ

 

74:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:10:59.98 ID:f4wekGA6

カランカラン

美渡「…らっしゃい」チッ

絵里「伝言はある? 303号室に」

美渡「愛想のないやつだな…なんでこんなのがモテるのかね」ガサガサ

美渡「山ほどあるよ。どれも同じ女から、ほとんど10分おきにラブコールが来てる」

絵里「電話を貸りるわ」

美渡「貸してくださいだろ」チッ

 

75:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:16:06.97 ID:f4wekGA6

プルルルルル…ガチャッ

『――もしもしカナン!?』

絵里「エリーよ。そっちは?」

『私、マリーよ!どうしてあなたがこの電話に?』

絵里「今、マツーラはこの宿を使ってないわ。そんなことも知らされてないの?」

『…………………』

『………あなた、どんなことがあってもマリーのこと守るって約束してくれる?』

 

76:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:21:26.77 ID:f4wekGA6

絵里「言ってる意味が分からないわ」

『今夜、あの人が欲しがってるブツがこっちに着くの。それと引き換えに私たちのこと見逃して…!』

絵里「…どうして心変わりしたの?」

『もううんざりなのよこんなの…!カナンは結婚したら堅気になるって約束したのに! それも全部あのヤクのせいなのよ…』

 

77:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:26:40.19 ID:f4wekGA6

『今夜中にあの人から連絡が入る予定なの。そしたらブツの取引場所と時間を聞いてまた電話するわ』

絵里「彼女が口を割るとは思えないけど」

『マリーはフィアンセよ? 信頼されてるの!』

『…………お願い。黙ってないで何とか言ってよ…!』

絵里「……話は分かったわ」

絵里「あなたの身の安全は私が保障する。信じて」

『…………みんなそう言うのよね………』プツ

ツー…ツー…

絵里「……」

 

78:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:32:05.68 ID:f4wekGA6



四季「盗聴と探知成功。ソ連人の居所が分かった」

果南「んじゃ、戦争しよっか」ジャキン

ジャンキン…ジャキンジャキンジャキン…!!

 

79:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:37:14.40 ID:f4wekGA6

金曜
ロードショー

             
             ラブライブ!×レッドブル

 

80:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:42:24.24 ID:f4wekGA6

~トチマン○ 303号室~

絵里「……」チャリン

敵の探し求めるロッカーの鍵を、絵里は部屋の電灯の中に隠した

このあと、自分が最も無防備になる時間に備えての用心であった

   

    
~向かいの建物~

果南「なるほどね…鍵はそこか」っ双眼鏡

果南「さてと、革命への扉をこじ開けに行きますか」

かのん・メイ・きな子・すみれ・四季「……」コクッ

 

81:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:47:39.39 ID:f4wekGA6

カランカラン

美渡「チッ、らっしゃ…」

美渡「…ああ、アンタか」

果南「……」ニヤッ

美渡「今日はずいぶんと団体様で来たな…乱交パーティの予約は聞いてないけど」

美渡「そうだ、前使ってた部屋にソ連のセフレ様がお越しだよ。ほら、30(バキィ!)うぶッ!?」

ドサッ

果南「失礼。顔にハエがとまってたからさ」

 

82:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:53:13.49 ID:f4wekGA6

     
~女ホルモンが一戦交えた後の臭いがムンムンする廊下~

武装したまんまるヘッド団は、果南から教えられた部屋の前に集結した

当の本人は一服してくると席を外していたが

すみれ「あいつ、終わった頃にまた来るですって。いいご身分ね」

かのん「じゃあさっさと片付けちゃおっか」

メイ「いくぞ? 3、2、1…」

ドアバキィ!!!

しずく( 売)「きゃあああ!?」

きな子「オラァ!!観念するっす!!」チャキッ 

室内のベッドではルームサービス(隠語)の 売が突如飛び込んできた武装集団を見て悲鳴を上げた

四季「部屋の主はどこ?」チャキッ

しずく( 売)「ば、バスルームでシャワーを…」プルプル

メイ「……」チラッ

シャァァァァァ…

かのん「よーし…」

 

83:(おにぎり) 2023/11/03(金) 06:59:57.77 ID:f4wekGA6

シャァァァァァ…

メイ「よし撃て!」BANG!BANG!

きな子「最後にいい思いしたんだから心置きなくイ っすよ!」BANG!BANG!

BANG!BANG!BANG!……ドサリ

    
彼方「…すやぴ」死ーん

すみれ「誰よコイツ!?」

四季「人違い…? でもソ連人はこの”302号室”にいるって…」

メイ「部屋の番号を間違って教えられたのか!?」

すみれ「……あいつ、まさかわざと」

かのん「え?え? どういうこと!?」

 

84:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:05:09.68 ID:f4wekGA6

~女ホルモン(略)廊下~

絵里「……」ジャキン

“303号室”でシャワーを浴び終えた絵里は、隣からの銃撃音を聞きつけ慎重に廊下へ出た

メイ「あ! いたぞ、いたぞおおお!」BANG!BANG!

秒で発見され、廊下がドンパチにぎやかになる

     
果南「しめしめ、この隙に…」

狙い通りまんまるヘッド団を囮にした果南は、303号室に滑り込んだ

果南「…あった。これで金もコカインも私のだ」チャリン

 

85:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:10:16.87 ID:f4wekGA6

     
絵里「」DOM!DOM!

すみれ「ぎゃらぁ!?」バタリ

メイ「ダメだ、もう動けねぇ…」ガクッ
四季「Me too…」ガクリ
きな子「っす…」チーン

絵里(…口ほどにもないカカシどもね)

かのん「そうかな?」チャキッ

絵里「!!」

――BANG!BANG!

かのん「ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?」ドサリ

しずく( 売)「はぁ…はぁ…!」シュウウウウウ

絵里「…助かったわ。あなた何者?」

しずく( 売)「た、ただのルームサービスです…この銃も護身用にパパが…」プルプル

しずく( 売)「私、何も関係ないんです…! 部屋で寝てたらこの人たちが突然…警察が来る前に逃げないと…!」

絵里「安心なさい。私がそうよ」

しずく( 売)「そんなぁ…」

 

86:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:16:16.05 ID:f4wekGA6

~303号室前~

しずく( 売)「一体何が起きてるのか教えてください! 私のことちゃんと守ってくれるんですか!?」

絵里「しっ。静かに」

果南「……」チャキッ

しずく( 売)「…中に誰かいるんですか?」

絵里「……」

ピーッピーッ

絵里(!!腕時計のアラームが)

果南「そこかッ!!」BANG!BANG!

絵里「ッ――!!」フセッ

しずく( 売)「ひゃああん! 今日は厄日だよ~!!」

 

87:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:21:29.46 ID:f4wekGA6

果南「おりゃああッ!!」BANG!BANG!

絵里「地獄に堕ちなさい!」DOM!DOM!

しずく( 売)「いやぁぁぁ! 誰か助けてー!」BANG!BANG!

果南「ッ――!?」

しずく( 売)「もうやだぁぁ!怖いよ~!!」BANG!BANG!BANG!

絵里「あなたもね…!」DOM!DOM!

果南「くそっ、なんなのあの 売!」ダッ

絵里「…待ちなさい!」

果南「どおりゃあああああああ!!!」ガシャァァァァン

二人に銃撃され、形勢不利と見た果南は窓から下の川へDIVE!して行方をくらました

絵里「っ……」ギリッ

 

88:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:28:59.53 ID:f4wekGA6

~ダイバ分署~

TV『――続いてのニュースです。本日未明にハー  地区の糞溜めで銃撃事件が発生しました』

TV『生存者の 売によりますと、筋肉モリモリマッチョマンのヒロインが銃撃犯から身を挺して守ってくれたとのことです』

TV『逃走した犯人が飛び込んだとされる川の下流からは、市内のエアロビ教室講師マリー・オハラさんとみられる水死体があがっており、警察は事件との関連を――』

ミア「Shit…やってくれたな、マツーラ…」

同僚「ミア子~、内勤にされたからっていつまでも浮かない顔してるとお肌シワシワになっちゃうよ?」ツンツン

ミア「ミア先輩、だろ? うるさいからあっち行っててよもう…」

同僚「あーひどい! 折角さっき留守電入ってたの教えてあげようと思って来たのに!もう知らないから!」スタスタ…

ミア「……どーも」カチッ

『ピーッ――ミアちゃん私!義姉の侑だよ! 実はさ、お姉さんに払ってる慰謝料のことで折り入って相談が(バキィン!)』

ミア「Crap!またあのロクデナシの自称作曲家からだ!」

ミア「一昔前のティッシュ配りみたいに所構わず侑性遺伝子をばら撒いてるクセに、なんて図々……いや、待てよ」

ミア「そうか…! こいつは使えるかもしれないぞ!」

 

89:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:34:30.92 ID:f4wekGA6

ガチャ

絵里「ミア!」

ミア「エリー! 聞いてよ、いいニュースだ」

絵里「こっちは悪いニュースよ。マツーラに鍵を盗られたわ」

ミア「なんだって…いや、話は後だ、すぐボクと来てくれ!」

右月「あ、ここは通しませんよ!」

左月「署長からあなたを監視しろと命令を受けてるんです!私たちの目の黒いうちは…」

絵里「……」ギ口リ

左右月「外へはそこの階段を使った方が早いですよ」

ミア「アドバイスどうも。長生きしなよ」ポン

 

90:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:39:40.90 ID:f4wekGA6



侑「ミアちゃん!さっそく会いに来てくれて嬉しいよ!」

ミア「こっちは二度とそのシルエットを拝みたくなかったよ…ステイツに巣食うゴキブリ野郎だキミは」

ミア「どうせ今も日替わりレディース定食の食べ歩きにご執心なんだろ? 姉さんも含めて30股もかけやがって、前世はムカデか何かかよ?」

侑「違うよ」

侑「今はもうちょい増えて47…くらいかな?おかげで月々の支払いが大変でさー」ポリポリ

ミア「自業自得だね。クーリングオフできる楽器ばかりじゃないってことさ」

ミア「…でも、それだけ色んな音を出す鍵盤を知ってるならその力をボクたちのために使ってもらうぞ」

ミア「聴きたいのは鍵の音色だ。キミのプレイリストの中にそのキーはあるかい?」

 

91:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:44:48.72 ID:f4wekGA6

侑「うーん…それなら花さんのところかな」

侑「一家でハヅkeyっていう鍵屋をやっててね。ほら、自宅の玄関から新設校の宝箱までが謳い文句の」

侑「手広く商売してて、その気になればNY中の合鍵を渡せるって、私もたまにお世話になってるんだ」

ミア「今のは聞かなかったことにしてあげるよ。エリー?」

絵里「盗られた鍵の形状と登録番号は記憶してるわ」

ミア「OK,それなら業者の保管記録から場所を辿れるな」

ミア「早速渡りをつけてくれ。そしたら来月の支払いくらいは待ってやるよ」

 

92:(おにぎり) 2023/11/03(金) 07:57:37.32 ID:f4wekGA6

金曜ロードショー

             
             ラブライブ!×レッドブル

 

93:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:05:45.31 ID:f4wekGA6

~NYシティバスターミナル~

果南「…失礼。100ドル札を両替してもらえないかなん?」

マルガレーテ「ふん…コインでいいかしら?」スッ

大勢の客でごった返すターミナルで、割符とロッカーの鍵を交換する二人

そのまま貸しロッカーへ向かい、中から取り出した鞄の中身を確認するため、トイレに入った

 

94:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:11:45.36 ID:f4wekGA6

果南「ちゃんと全額あるでしょ?」

マルガレーテ「…そのようね」バタン

マルガレーテ「ブツは工 パソ行のバスの中よ。チェックしなさい」

マルガレーテ「せいぜいベシリアの果てまで売りまくることね。教祖様もそれを望んで…

果南「ああ、だろうね」ジャキン

マルガレーテ「(仕込み銃!?) 何のマネよ一体!? 私たちを裏切るつもり!?」

果南「うん。君たちも本望でしょ? 360度、マルっと一回転だ」

マルガレーテ「そ…それを言うなら180度でしょ!?一回転したら元の位置に(BANG!BANG!)ぎゃあっ!?」ドサッ
              マル
果南「添削どうも。二重弾丸あげるよ」シュウウウウウ

 

95:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:17:38.97 ID:f4wekGA6

~バス乗り場~

果南「ステキな~旅に出よう~♪」フンフーン

跳ねるような足取りで、発車を待機するバスの列へ向かう果南

――その進路を塞ぐように、一台の車が彼女の手前で急停車した

     
絵里「今度は逃がさないわよ、マツーラ」ジャキン

ミア「Gotcha,どうやらパーティには間に合ったみたいだね」チャキッ

   
果南「…しつこいね。君たちも」

 

96:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:23:21.20 ID:f4wekGA6

絵里「国へ帰るわよ。死刑にしてあげる」

ミア「待てよエリー、こいつはボクの獲物だ。こいつのせいでパートナーが死んだんだ」

絵里「…それはこっちも同じよ」

絵里・ミア「…………」

果南「なになに、ここまで来て仲間割れ?」

ミア「うるさいな。キミは黙って両手を上げなよ、ゆっくりだぞ」

果南「…いい解決法、教えてあげようか?」ソロ~

果南「また相棒を失えばいいんだよ。二人仲良くね!!」ジャキンジャキン

絵里「!!仕込み銃よ!」

ミア「危ない伏せろッ」

 

97:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:29:42.03 ID:f4wekGA6

――BANG!BANG!BANG!BANG!

絵里「ッ――!!」

ミア「Damn it!」

二人が回避行動をとった一瞬の隙を突き、両手の仕込み銃を乱射しながら逃走する果南

絵里「バスの方へ逃げたわ!」

ミア「ボクは右から!キミは向こうから回れ!」ダッ

 

98:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:35:11.90 ID:f4wekGA6

チャッ

ミア(どこだ…どこに隠れたんだ)

ミア(確かにこのバスとバスの間に逃げたはず)

   
<ブロォン

絵里「……!」

ブロロロロロロ!

ミア「あいつ、バスを奪ったのか…!」

絵里「っ……!」DOM!DOM!

マグナムの銃撃をものともせず、ブツと果南を乗せたバスは他の車両を蹴散らしながら車道へ飛び出していった

 

99:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:40:50.34 ID:f4wekGA6

ミア「Jesus!あいつボクの車をオシャカにしてきやがった!」

<ブロロロ

絵里「……!」ダッ

タイミングよく乗り場に到着した別のバスのフロントに体当たりを食らわせるようにして強引に停車させる絵里

運転手「ちょっと!? 危ないのだけれど!」

絵里「どきなさい!この玉なし浮かれポンチ!」オシノケッ

プシュー…ブロロロロロ

ミア「おいおいおいちょっと待て!待てったら!!」トビノリッ

絵里「早く座りなさい」

ミア「ボクをおいてくなよ!」

絵里「来ると思ってたわ」

ミア「…ったく」

 

100:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:46:47.51 ID:f4wekGA6

果南「♪~…」チラ

果南「…!?」チラッ 

果南「…追いかけてくるよ、あのバカ」

――ブロロロロロロ!

ミア「バスの運転なんてどこで習ったのさ!」

絵里「キーウで軍隊に」

ミア「交通ルールは習わなかったのかよ!?反対車線走ってるぞ!」

ミア「右だ!右に寄せろ!ぶつかっちゃ(ガシャァァァァン)Wow!?」  

絵里「騒がないで、気が散るでしょ?」

ミア「ならもっと気を付けろ!今ぶっ壊したのはNY名物の噴水だぞ!?誰が弁償すると思ってるんだよ全く!」

絵里「あとで交際費に付けておいて」

ミア「Gosh! とんだ国際交流だよ…!」

 

101:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:53:08.87 ID:f4wekGA6

<ププー!   キキィ!>

ミア「他のパトカーは何してるんだ!? いつもは信号無視するとすぐ出てくるクセに、肝心な時はこれだ!」

絵里「突っ込むわよ!つかまって」

高架のスレスレを火花を散らして走行し、歩道脇のパーキングメーターを片端からへし折って

閉店中のショッピングモールに突っ込む果南とそれを追う絵里たち

果南「どけええええええええ!!!」

バリィィィィン!ガツンドカッ ガシャァァァァァン!!!

   
遮る物すべてを蹴散らす暴走は、貨物列車がのそのそと走行する二重踏切の前に阻まれた

   
果南「ええい、もう!」キュルキュル

    
Uターンをかけた果南の視界に飛び込んできたのは、数十メートル先でこちらを睨み付ける大型バスの鼻面

    
絵里「………」

 

102:(おにぎり) 2023/11/03(金) 08:58:19.42 ID:f4wekGA6

   

果南「……」ブロンブロン

     
絵里「……」ブロォォン

   
エンジンを吹かしながら無言で対峙する両者の手前――もう一つの踏切の警報機が鳴り響く

西部劇で決闘前のガンマンの間を転がる枯れ草めいて、遮断機が下りはじめる

――それが合図だった

   
果南「ふん――!」グッ

     

絵里「ッッ――!」ブォォォン

ミア「おいおいマジかよ!? こんなのはChiken raceっていうんだ!でもバスでやる遊びじゃない!」

 

103:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:12:11.55 ID:f4wekGA6

ブオオオオオオオオオオオ

ミア「ぼちぼちハンドルを切りなよ!? このままじゃ激突するぞ!」

絵里「これは遊びじゃない…!」

ブオオオオオオオオオオオ

ミア「ハンドルを切れって!!!」

絵里「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

果南「負けるもんか…!うおおおおおおおおおおおお!!!!」

絵里「あああああああああああああああああ!!!!!!!!」

ミア「避けろバカヤローーー!!!!」グィ

ドガァ! ガシャァァァァァァァァァン

 

104:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:18:11.53 ID:f4wekGA6

衝突の寸前で急ハンドルを切った絵里たちのバスは、そのままミサイルのような勢いで脇の建物に突っ込んで横転した

果南「あははは!!!!私の勝ち…えっ!?」  プァァァァァァン>

視線を戻した果南が見たのは、反対から突っ込んでくるもう一両の貨物列車だった

ドガシャアアアアアアアアアン   キィィィィィィィィィ――……!!!!

 

105:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:23:54.97 ID:f4wekGA6


プシュー…ドアガヒラキマス

絵里「ゴホゲホッ…なにしてるのよこのバカ!! дура!!! ×××!!!」フラフラ…

ミア「×××はそっちだろ!? もう少しで目的地があの世になるとこだったんだぞ!?ちょっとはボクに感謝しろってんだ!……痛っっ」ヨロヨロ…

絵里「マツーラはどこよ!!?」ゼェハァ

ミア「一足先に行ったさ!! アレを見なよ!列車とバスの結婚式だ!中から何が生まれてくると…」

   
「バカヤロー!」

 

106:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:29:05.94 ID:f4wekGA6

機関士「お前何やってるちゅん!これでまた脱線ちゅん!」

機関士「ダイヤは乱れてデートにも遅刻!!ついでに枕も家に忘れてきて、この責任はどうとってくれるちゅんなぁ!」

機関士「聞いてるのかちゅん!? そこのお前に言ってるちゅんよ!!」

ミア「オイ、まさか…」

チュンナァ!チュンナァ!――BANG!BANG!――シーン…  

   
「…まよわずーのったらー…ぱーてぃぱーてぃとれいんとぅごー…」ジャリッ

     
果南「意外なーひとがーそばにいた……」フラフラ

    
ミア「My Gosh…ソ連人ってのはみんなターミネーターなの…?」

絵里「……」

 

107:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:34:16.38 ID:f4wekGA6

果南「エリーーーチカぁ!!!」ヨロヨロ

果南「来なよ!! 決着をつけよう!!!」

果南「私のこと、死刑にしたいんでしょ?? 女らしく勝負しろぉ!!!」

   
ミア「ヤクでもやってるのかあいつ……ねえ、あんなのに構うことなんて」

絵里「…………」ジャキン

ミア「……本気なの?」

絵里「…………」ザッ…ザッ

ミア「あ、オイ!」

 

108:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:39:50.35 ID:f4wekGA6

   
ザッ…ザッ…

果南「はぁー…はぁー……しねッ!」BANG!

暗がりと蒸気の中から幽鬼のようにゆらゆらと現れた果南が、仇敵目がけて怨弾を放つ

されど目は霞み骨も軋むこの状態では、まともに狙いを付けることは困難で、弾はあさっての方向へ逸れた

絵里「……ッ……ッ」フラフラ

一方の絵里も、横転時のダメージが抜けきらない身体では、この巨銃を持ち上げることすらおぼつかなかった

ザッ…ザッ…

よしんば狙いを付けられたとしても、この身体でマグナムの強大な反動を制御する自信はない

勝負は最初の一発――それを確実に命中させるしかない、そのためには

   
絵里(もっと――)

   
果南(あいつに近づかなきゃ…)

     
接敵必〇の思惑が一致した両者は、吸い寄せられるように互いの距離を詰めていく

 

109:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:45:17.62 ID:f4wekGA6

果南「ぐっ……!!」BANG!――BANG!――

絵里「っ………」ザッ…ザッ…

果南の凶弾が、周囲で次々と火花を散らす

近付いているはずなのに、彼女のぼやけたシルエットのブレが酷くなる

もっと近づかねば――敵の弾が頬をかすめて肉が弾け飛ぶ――もっと――…!

     
絵里「はぁ…はァ…!」プルプル

   
もはや敵は数尺先――満身の力を振り絞って何とか持ち上げた銃口はぶるぶると戦慄き、その半透明の姿に焦点が合わない

幽霊が自分を連れ去ろうとしている――冷たく重い引き金にかけた指が、凍り付いたように動かなくなる

目の前では、果南の銃口がまるでブラックホールのようにこちらを見つめ――……

   

「ったく…しょうがないなキミは」

 

110:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:50:27.37 ID:f4wekGA6

ダキッ

ミア「いいか…ボクが支えるからしっかり狙え。外すなよ」

絵里「……!」

パートナーの温度を肌に感じ、一気に像が結ばれ視界がクリアになる

二人で構えた銃から重さが消失し、硬直した指先が添えられた掌の温もりに解けていく

果南「お゛あ゛あ゛あ゛ア゛ア゛ア゛ッ――」チャッ

ミア「…今だ!」

絵里「ッッ――!!」DOM!DOM!

   
果南「がッ…!!」

   
――DOM!DOM!

     
果南「ぐぅ……このぉっ」ヨロ…

絵里「」DOM!

   
…ドサッ

 

111:(おにぎり) 2023/11/03(金) 09:55:30.43 ID:f4wekGA6

     
果南「」

絵里「……」ハァハァ

ミア「…終わったの?」

絵里「……ええ」

ミア「…いい腕してるよ。みんな急所だ」

絵里「…ありがとう」

絵里「…これ、返す」チャッ

絵里「やっぱりソ連製の方がいいわ」

ミア「…そういうとこだよ、キミは」

    

――BOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!

 

112:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:00:37.56 ID:f4wekGA6

絵里「!?」

ミア「Jesus!!! 今ごろになってバスが爆発したのかよ!?」

    
パラパラパラ…

     

 ヒラ…

     ヒラ…

   
絵里「ハラショー…」

絵里(爆風で舞い上がったコカインの粉が、雪みたいに…)

ミア「……懐かしいでしょ、エリー?」

ミア「見なよ、一足早いホワイトクリスマスだ…」

絵里「………」

絵里「………」クス

ミア「…ハッ、ようやく氷が溶けたね」

ミア「キミみたいなやつのそんな顔が見られるのなら、案外コカインも悪くないのかもね」

ミア「……そんな顔するなって、ジョークだよ」

絵里「…わかってる」フ

ミア「ふっ…アハハ!」

ハハハ…

――

―――――

――――――――

 

113:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:05:51.07 ID:f4wekGA6

~NYシティ空港~

ザワザワ ガヤガヤ

ミア「……」ハンバーガーモグモグ

絵里「……」ハンバーガーモグモグ

TV『打った! 左中間への平凡なフライだ――捕りました!』

ミア「よーし、いいぞ! その調子だ」

絵里「このスポーツはよく分からないわ」

ミア「トーゼンだよ、いかにもステイツ的だ」

ミア「そっちならバレエとかになるのかな。なんでも国によって色々さ。今回のことで勉強になったよ」

絵里「…そうかもね。けど最近はソ連でもこのスポーツが流行ってるのよ」

ミア「Really?そりゃいいや! いつか世界の舞台で対戦できるといいね」

ミア「ただし、勝つのはボクたちだけどね。これはステイツの国技なんだ。残念だけどこれだけは譲れないよ」

絵里「…ソ連が勝つわ」フ

 

114:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:11:07.69 ID:f4wekGA6

ミア「…ねえエリー」

ミア「一つ確かめときたいんだけどさ……ほら、地下駐車場でボクが人質になって、キミがマツーラとサシで会った時」

ミア「あの時ボクは、キミなら素手でもマツーラとやりあうんじゃないかって…だって千載一遇のchanceだったでしょ?」

ミア「…けどそうしなかったのは、もしかして……ちょっと聞いてるの? なんだよその手は」

絵里「動かないで。髪に何かついてる」

ミア「Huh?…まさかあの時のコカ…がつく粉か?」

ミア「やばい早くとってくれ! 帰りがパトカーの後部席なんて冗談じゃない!」

絵里「………」サラサラ

ミア「もうとれたっ? なんとか言ってよ、ねぇ」

絵里「ええ…綺麗な髪ね」

ミア「は…はぁ!?//」

 

115:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:16:23.13 ID:f4wekGA6

絵里「初めてあなたを見た時、どこか気になる感じだった」

絵里「今その理由が分かったわ。あなたの髪、祖国の雪に似てるの」

絵里「鈍く陰鬱で…けど何にも侵されない美しさの芯をもった白金…私の好きな色よ」

ミア「なっ…///」

ミア「っ…!」ゴクゴク

ミア「ぷはぁ…!ぬ、ぬるいコーラみたいな講評どーもっ!// けなしてるのか褒めてるのか中途半端なんだよ…//」プィ

ミア「って、それより早くヤバいコークの方を…」

絵里「…いえ、どうも私の見間違いだったみたい」

ミア「は…? 見間違いってキミ…」

絵里「ところでさっき何か言ってなかった?」

ミア「……いや、もういいよ……なんか疲れちゃった」

ミア「ったく……ソ連人ってのは誤魔化し方も捻くれてるのかよ……はぁ…」

絵里「……」クス

 

116:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:21:29.80 ID:f4wekGA6

ミア「と…そろそろ搭乗の時間だね」

ミア「じゃあ……色々あったけど、向こうでも元気でね」

ミア「……えっとさ、お別れのハグでもしようか? なんて…」

絵里「…ソ連では友人と別れる時、身に着けてるものを交換するの。……友情の証としてね」

絵里「この腕時計…受け取ってもらえる?」

 

117:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:26:53.97 ID:f4wekGA6

ミア「へえ、いい習慣だね! よし、ボクのと交換だ」

ミア「こいつはちょっと自慢の品だよ。西欧テクノロジーの結晶、時計機能の他に150種のボイスと168のLED、楽曲も7つ搭載してる優れもの」

ミア「発明家の友達に安く作ってもらったんだけど、普通に買おうとすれば1000ドルはくだらない逸品さ」

ミア「でそっちのは……東ドルケ製、20ドルくらいか…? あいや…もちろん嬉しいよ?ホントさ。餌やりの時間も分かるしね…」

絵里「ありがとう。大切にするわ」

ミア「そうしてもらえると光栄だね」

 

118:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:35:24.99 ID:f4wekGA6

絵里「ミア、私たちは警官よ」

絵里「政治家とは違う…友情を持ったっていいのよ」

絵里「ウダーチ、チベー。ダスビダーニャ、マヤ、パドルーガ」

ミア「……」

ミア「…Sorry,外国語はさっぱりなんだ」

絵里「…また会いましょう」クス

ミア「そっちも、頑張れよ」ガシッ

   
固い握手を交わした相棒が去っていく後ろ姿を、ミアはいつまでも眺めていた

すると彼女もまた、ゲート前でこちらを振り返ると、立派なソ連式の敬礼で応えた

     

ミア「…またね、パドルーガ」

   
飛び立っていく飛行機を見送りながら、ひとりごちる

次はこっちが迷惑かけに行くのもいいかもしれない、そしたらあいつはどんな顔するのかな

どちらにせよ、次の冬の訪れが楽しみだと、ミアは一人笑いをかみ〇すのだった

~FIN~

 

119:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:40:59.20 ID:f4wekGA6

次回の月火水木金土日曜洋画劇場は

囚われの身となった花帆さんを救い出せ!

これぞ筋肉モリモリ浮かれポンチアクションの決定版!

アーノルド乙宗ッカー主演 コズンドー

ご期待ください

 

120:(おにぎり) 2023/11/03(金) 10:46:11.20 ID:f4wekGA6

劇終です

個人的にコマンドーと並ぶテレビ吹替版の大傑作レッドブルのパロディSSでした

洋画パロSSがもっと増えることを願って

読んでくれた人ありがとうございました

 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1698937146/

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