【SS】よう「ちかちゃん、あれやろう!」ちか「またあ?」【ラブライブ!サンシャイン!!】
千歌「せっせっせーのよいよいよい♪」
~♪
よう「……ちかちゃん、なにそれえ?」
ちか「あっようちゃん! 『みかんの花咲く丘』っておうただよ。しまねえにおしえてもらったんだ」
よう「どんなおうた?」
ちか「みかんとおふねのおうたなのだ!」
よう「みかんとおふねのおうたっ!?」キラキラ
ちか「なのだ!」
よう「よーちゃんにもおしえて!」
ちか「いいよ! ようちゃん、てーだして」
よう「て?」
ちか「こーやってね、ふたりでてをたたきながらうたうの」ポンポン
よう「へえー」
ちか「ちかがおてほんやるから、ようちゃんはまねっこしてね」
よう「りょーかいであります!」
ちか「じゃーいくよー……せっせっせーのよいよいよい♪」
~♪
ザッザッ
「んしょ……着いたー!」
「今年も良い天気!」
「眼下に広がるのはみかん畑と海! 緑と青のコントラスト!」
「いい眺めー!」
「あっ、船だ!」
「小さい頃は曜ちゃん、船を見つけては大はしゃぎしてたよねー」
「ぴょんぴょん跳ねて、手を振って。届くわけないのに」クスクス
「……そうだ、みかん持ってきたんだった」ゴソゴソ
「さて、ここに美味しそうなみかんがふたつあります」
「曜ちゃんには、こっちの大きいほうのみかんを差し上げましょう」スッ
「では、いただきまーす!」
もぐもぐ
「ん~っ!やっぱり渇いたのどには果汁たっぷりのみかんだね」
「ぬるいけど、甘くて美味しいっ」
「この場所を教えてくれたの曜ちゃんだったね」
「ずーっと前の私の誕生日に」
「すっごくいいところがあるんだーって。ふたりっきりでバスに乗って、いずっぱこに乗って」
「あまりに遠くて、私は途中でぐずっちゃったけど」
「そんな私の手を、曜ちゃんが強引に引っ張って」クスクス
「……」
「みかん、1個だけじゃ物足りないかも」
「よーし曜ちゃんの分ももーらい!」ヒョイッ
もぐもぐ
「……なんか、曜ちゃんのはちょっとだけ酸っぱいかも」アハハ
「その日も今日みたいないい天気で。みかん畑も、その先の海も、よーく見えて」
「時間も忘れて、ふたりでこの景色を眺めてたんだよね」
「で、疲れた私はそのまま寝ちゃってさ」
「そしたら曜ちゃん、私のことおぶって帰ってくれて!」
「でも家についたら、曜ちゃんちのお母さんや、街のいろんなひとが集まってて」
「『千歌ちゃんと曜ちゃんがいなくなったー!』って、探し回っていたみたい」
「あまりにおおごとになってるものだから、びっくりしてわんわん泣いたの、覚えてるなあ」クスッ
「……そういえば、あの日はここでも泣いてたんだよね」
「えへへ、誕生日なのに私泣いてばっかり」
「でも――
――
――――
ちか「よぉちゃあん……ちか、もうむりだよぉ」グズッ
よう「がんばって、ちかちゃん! もうちょっとだよ!」グイー
ちか「いやぁあ……」
よう「いーのみせてあげるから!」
ちか「うぅ……もーだめぇぇ」ペタンッ
よう「ちかちゃん?」
ちか「もうむり! だってちか、ようちゃんとちがっていっぱいあるけないもん!」
よう「あとすこしだよ? がんばろ?」
ちか「いーやーだー! かーえーるー!」
よう「そうだちかちゃん、これ!」ゴソゴソ
ちか「……?」グスン
よう「よーちゃんのおうちにあったの、もってきたんだ!」ジャジャーン
ちか「みかんだぁ!」パァァ
よう「とってもあまいの!」
ちか「たべていいの?」
よう「うん! いっしょにたべよ?」
ちか「やったー! ありがとうようちゃん!」ギュー
よう「わわっ! ……げんきでた?」
ちか「でた!」
よう「じゃあ、みかんたべて、ちょっとやすんでからいこっか」
ちか「らじゃー!」
よう「ちかちゃん、ついたよ!」
ちか「ここ?」
よう「ほら、あれみて!」
ちか「……わぁぁぁぁ!」
よう「なんだかわかる?」
ちか「みかんのき!」
よう「あったりー! あそこはね、みかんばたけなの。それから――」
ちか「うみだぁー!」
よう「うん! でね、ほら! おふねもみえるの」
ちか「ほんとだー!」
よう「すぅ……やっほーーーーーーっ!」ブンブン
ちか「わっ!」ビクッ
よう「おーーーーーーーーーいっ!」ピョンピョン
ちか「もう、びっくりしたよお」
よう「えへへ」
よう「ここはね、このまえパパとママといっしょにきたの。いまはみどりだけど、そのときはみかんばたけにおはながいっぱいさいてたんだ」
ちか「そうなんだあ」
よう「でね、なんだかあのおうたみたいだなって」
ちか「あっ!」
よう「ちかちゃんにおしえてもらったあのおうた!」
ちか「ほんとだ!」
よう「でね! ちかちゃんのおたんじょうびに、ちかちゃんといっしょにきたいなあっておもったの!」
ちか「そうだったんだ……ようちゃん、ありがとう!」
よう「えへへ……ごめんね? つかれちゃったよね?」
ちか「ううん! ちか、すっごくうれしい!」
よう「ほんとう?」
ちか「さいっこうのプレゼントだよ!」ダキッ
よう「わっ!」
ちか「ようちゃん~~っ!」ムギューッ
よう「よかったあ。ちかちゃん、きょうはおたんじょうびおめでとう♪」ナデナデ
ちか「えへへぇ……ありがとぉようちゃん」
ちか「おふねさんだねー」
よう「そうだねー。かっこいいなあ」
ちか「おおきくなったら、ようちゃんはあのおふねにのってるのかなあ?」
よう「うん! それでね、ひろーいうみにでてね! とおくのとおくまでいくの!」
ちか「そっかあ!」
よう「ふふんっ♪」
ちか「でもそうしたら、ちか、しばらくようちゃんにあえなくなっちゃうのかな」
よう「うーん、パパみたいにかえってこれないこともあるかも……」
ちか「そっかぁ」
よう「そう、だね」
ちか「……ぐすっ」
よう「ち、ちかちゃんっ?」
ちか「うぅ、うわああああああああん!」
よう「どっ、どうしたのっ??」
ちか「だって、ようちゃんにあえなくっ、なっちゃったらっ、ちか……ちかっ」グスン
よう「ちかちゃん……」
ちか「わああああああああああん!」
よう「あわわわ」アタフタ
ちか「やだよぉ……よぉちゃあん……」
よう「な、なかないで?」ウルウル
ちか「うぅ、ひっく」
よう「……っ! ねえ、ちかちゃん!」グイッ
ちか「ひっく、わっ!?」
よう「きいてっ! すぅー…… 」
よう「よーちゃんはーーーっ!!! ちかちゃんのことがーっ!!! だいすきでありまーーーすっ!!!!!!」
ちか「ふぇっ!?」
よう「おおきくなったらーっ!!! ちかちゃんとけっこんするーっ!!!!!!」
ちか「けっ……ええっ!?」
よう「おふねもちかちゃんといっしょにのるーっ!!! よーちゃんはちかちゃんと! ずっとずーっといっしょにいるーっ!!!!!!」
ちか「ようちゃん///」
よう「はぁっはぁっ……だからね、あんしんして?」ニコッ
ちか「ぐすっ……うん。ちかも、ようちゃんすき」
よう「えへへっ」
よう「もうへいき?」
ちか「うん、もうへいき」
よう「よかったあ」ナデナデ
ちか「さっきの、ぜったいやくそくだよっ? おとなになったら、ちか、ようちゃんのおよめさんね!」
よう「ちかちゃんがおよめさんっ?///」
ちか「って、ようちゃんがゆったんでしょー?」プクー
よう「わわ……そうだね///」
ちか「もー。だからね、そのときはまたいっしょにここに―― 」
ビュゥゥゥゥッ
よう「うわっ」
ちか「んわっ」
よう「うぇっ、ぺっぺっ! くちになんかはいった……」
ちか「んふふっ、ようちゃんへんなのー!」
よう「んもー……」
ちか「あははははっ!」
よう「……ふふっ」
ちか「んー! かぜがきもちいいね!」ノビーッ
よう「はっ!」ソワソワ
ちか「? どーしたのようちゃん?」
よう「ね! ちかちゃん、あれやろう!」
ちか「あれ?」
よう「あのおうた!」
ちか「ああ! ようちゃん、ほんとだいすきだねー」
よう「だめえ?」
ちか「んー……いいよ♪」
よう「えへへ、ありがと。じゃあいくよー」
ちか「よっしゃあ! ようちゃん、こい!」
よう「もーなにそれ」クスクス
ちか「かかってこーい!」
よう「あはははは! ちがうでしょー」
ちか「んふふっ」
よう「ちゃんとやってよー」プクー
ちか「ごめんごめん……じゃあいくよ? せーのっ」
ようちか「「せっせっせーのよいよいよいっ♪」」
ちか「~♪」パチッパチッ
よう「~♪」パチッパチッ
パチッパチッ
パチッ……
――――
――
…ん……ちゃん……
千歌「ようちゃぁ」
千歌「!」ハッ
千歌(……ゆめ、かあ)
千歌(すごく懐かしい夢……だったなあ)
千歌「ふわぁぁ」
千歌「……曜ちゃん――」ムクリ
ごろん
千歌(? ……みかん?)
「千歌ちゃん」
千歌「!?」クルッ
「久しぶり、だね」
千歌「……曜、ちゃん?」
曜「で、あります!」
千歌「……」
曜「ヨーソロー!」ビシッ
千歌「」むにぃ
曜「何してるの?」
千歌「……ゆめらんじゃらいかっへ」
曜「……ふふっ」
千歌「なにわらっへるろはー!」
曜「曜ちゃんは現実でありますっ!」ガバッ
千歌「んわぁ!?」
曜「ほれほれ~~」ぐにぐに
千歌「いふぁい、いふぁいよ、よおひゃん 」
曜「えへへ」
曜「千歌ちゃん、お誕生日おめでとう。それから――」
チュッ
千歌「わっ……///」
曜「お待たせ」ニコッ
千歌「……すっごく待った!」プイッ
曜「……ごめんなさい」
千歌「だめ! チカちゃんはとっても怒ってます! ちゅーくらいじゃあ許さない!」
曜「ええっ?」
千歌「ふんっ」
曜「えええ……」
千歌「」ツーン
曜「うーん……あっ、じゃあ!」
千歌「?」
曜「千歌ちゃんあれやろうよ! あ・れ!」フリフリ
千歌「……」
曜「だめ、かな?」
千歌「……もー曜ちゃんってばぁ。ぜんぜん変わらないね」
曜「えへへ。だって大好きなんだもん。千歌ちゃんの手、あったかくってね。またやりたいなあって」
千歌「お子様だなあ曜ちゃんは」
曜「むぅ、悪いかあ」プクー
千歌「ふふふっ。いいよ、久しぶりにやろっか」
曜「うん! じゃあ、いくよー」
千歌「よっしゃあ! 曜ちゃんかかってこい!」
曜「って千歌ちゃん! 違うでしょー?」
千歌「えへへ、ちょっとやってみたくなったのだー」
曜「お子様だなあ千歌ちゃんは」
千歌「あっ、それ私が言ったやつ!」
曜「仕返しなのだー」
千歌「むぅ」
曜「……ぷっ、あははっ」
千歌「……えへへっ。じゃあ今度こそいくよ?」
曜「うん!」
ちかよう「「せっせっせーのよいよいよい♪」」
おわり
間に合わなかったけど千歌ちゃんお誕生日おめでとう!
引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1501593585/