かのん（はぁ、恋ちゃんの方から告白してきてくれないかなぁ……）恋（ふ、ふ～ん……////）ﾁﾗﾁﾗ
それは隷属の証である。
恋人の間にも明確な力関係は存在する。
そう、恋愛においては
先に好きと言ってしまった方が『敗け』なのである……！
かのん（……）
かのん「はぁ……」
かのん（って言われてもなぁ～……）ｸﾞﾃﾞｰｯ
かのん（だって恋ちゃんって妙にヘタレなとこあるし……普段はあーんなにクールぶってるくせにさぁ）
かのん「はぁ……」
かのん（あーあ、どうにかして恋ちゃんに好きって言わせられればなぁ……）
ﾍﾟﾘﾍﾟﾘ
かのん「……」ｻｸｻｸ
かのん（んー……）
恋「……？」
かのん「……」ｻｸｻｸｻｸ
恋「……」
かのん「……」ｻｸｻｸｻｸｻｸ
恋「……あのっ」
かのん「ん、なあに？」
恋「かのんさん、いったい何を食べているのですか？」
かのん「えっ？」
恋「チョコ……」
かのん「うん。ほら、ピンク色でしょ？」
恋「はぁ……」
かのん「あ、そうだ。恋ちゃんも食べる？」
恋「ふぇっ！？」
かのん「恋ちゃんイチゴ大好物でしょ？半分こしてあげよっか？」
恋「っ………い、いりませんっ！/////」ﾌﾟｲｯ
かのん「えっ？」
かのん「げ、外道って……」
恋「だいたい苺はそのまま食べるから美味しいのですっ。小さな果物の中にたくさんの甘味と少しの酸味とみずみずしさがつまっているから美味しいのですよ」
恋「それをわざわざチョコレートと合わせようだなんて邪道です。苺を冒涜していますっ。私は絶対に認めませんったら認めません！！」ﾌﾟｲｯ!
かのん「ん～、そうかなぁ。こんなに美味しいのに……」ｻｸｻｸ
恋「ダメですっ。由緒正しき葉月家的にNGなのですっ」
かのん「そっかぁ。じゃあ私、全部食べちゃおーっと」ｻｸｯ
恋（ふぇぇ！？）
恋「……」ﾁﾗｯ
かのん（あーあ。そっか、恋ちゃん的にイチゴチョコってNGなのかぁ……）
ｻｸｻｸ
恋「……」ﾁﾗﾁﾗ
かのん（はぁ、だったら作戦また考え直さなくっちゃなぁ……）
ｻｸｻｸｻｸ
恋（……）ﾁﾗﾁﾗﾁﾗﾁﾗ
かのん「んー……」ｻｸｻｸｻｸｻｸ
恋「……」
恋（ぅぅ、ぅぅぅぅ………）
恋「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
かのん「どう、美味しい？」
恋「……」ｺｸｺｸ
かのん「そっか、よかったぁ～！」
恋「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
恋（ぅぅぅぅ………ま、まさか私がお菓子の誘惑に負ける日が来るなんて。はぅぅぅ……）
恋（ですが……こ、このチョコレートはイチゴの酸味とチョコの甘味が程よくマッチしていて、最高ですっ。うぅぅ～♡♡）
恋「♪」ｻｸｻｸ
恋（ん～、幸せです～っ♡）
かのん「えへへ、実はもう一袋あるんだけど……」ﾊﾟﾘｯ
恋（ふぇぇ！？）
かのん「た、食べる……？」
恋「……」
ｺｸｺｸ
恋（うぅぅ、美味しいですっ……♡）
恋「……」
ｻｸｻｸｻｸ
かのん（えへへ。恋ちゃんすっごく美味しそうに食べてくれてる。わざわざコンビニでお菓子買ってきた甲斐があったなぁ～♪）
かのん（恋ちゃんって意外とこういう可愛いところもあるもんね。うんうん、なんかマンマルにご飯あげてるみたいで……）
かのん「……」
かのん（……って違うよ～っ！！）
恋「？」
かのん（タダでお菓子あげてたら意味ないのっ！！恋ちゃんに私のこと好きって言わせなくっちゃ意味ないのーっ！！）ﾎﾟｶﾎﾟｶ
かのん「むーっ……」
恋「？」
恋（かのんさん、どうかしたのでしょうか？）ｻｸｻｸ
かのん「……」ｼﾞｰｯ
恋「……あっ」
恋（お菓子、そろそろ無くなってしまいます……）
恋「……」ｿｰｯ
かのん（！？）
かのん「ス、ストップ！！恋ちゃんっ！！」ﾊﾟｼｯ!
恋「ふぇぇ！？」
かのん「だめっ！」
恋「ふぇぇぇ！！？」
かのん「れ、恋ちゃんお菓子食べ過ぎだもん！！こんなに私のおやつ食べたんだから、対価を支払ってくれなきゃ不公平だもん！！」
恋（えぇぇ！！？か、かのんさんの方から餌付けしてきたのに！？）
かのん「ねえ、恋ちゃんっ！！」
恋（う、うぅぅぅ………）
恋「た、対価ですか……」
かのん「うんっ！そのっ……////」
恋「その……？」
かのん「そ、その～……す、好きって言って欲しいなって//////」
恋（はぁぁぁぁ！！？/////）
そう。恋愛とは常に『好き』と言ってしまった方が敗けなのである
恋（う、うぅぅぅ……////）
かのん「……////」
恋（ぅぅぅ……////）
恋「っ……////い、いやですっ！！////」ﾌﾟｲｯ!!
かのん「え゛！？」
恋「後出しで条件を提示するだなんて卑怯ですっ！！////いいからさっさと残りのイチゴのお菓子、ここに全部出して下さいっ！！」
かのん「えぇぇぇ！！？」
恋「かのんさんが悪いのですっ！！モノで私を釣って、ほいほい言うこと聞かせようだなんて、その考え方が浅ましいですっ！！卑怯です～っ！！////」
かのん「うっ……」
恋「私、危うく騙されかけるところでした！！ですから責任取って持ってるお菓子全部譲って下さいっ！！私にはそこにあるお菓子を全部食べる権利があるのですーっ！！」
かのん「っ、権利って……」
恋「慰謝料ですっ。私の心はふかーく傷がついたのですっ。いいからさっさと私の言う通りにして下さいっ」
かのん「でもっ
恋「ですがかのんさんは私のこと騙して自分のいいように利用しようとしていたのですよね？」
かのん「ぎくぅっ！？」
恋「私はそんな手に引っかかったりなどしないのですっ！！私のことを引っ掛けようとした以上、かのんさんには責任を取る義務がありますっ！！ちゃんと責務を全うして下さい～っ！！////」
かのん「ううっ、うぅぅぅ………」
………
……
…
かのん「……」
恋（ふふっ、やっぱりイチゴのお菓子はすっごく美味しいです～っ♡）
恋「～♪」
かのん「あぁ……」
かのん（……）
かのん（用意してきたお菓子、全部恋ちゃんに奪われちゃったし）
かのん（恋ちゃんに好きって言ってもらう機会逃しちゃったし）
かのん（結局、なぜか私の方がわからせられてるしで……）
かのん（ううっ、もうさんざんだよぉ……）ｼｸｼｸ
恋「……」
ｻｸｻｸ
恋「……うっ」
かのん「？」
恋「こほっ、こほっ……」
かのん「恋ちゃん？どうかしたの？」
恋「いえ、むせてしまったです」
かのん「ふーん……」
恋（少しお水を……）
ｶﾞｻｶﾞｻ
恋「……あっ」
恋（そういえばお昼休みの時間に、水筒は全部飲み切ってしまったのでした）
恋「……」
恋（では購買で……）ｶﾞﾀｯ
かのん「あ、そういえば購買のお茶って今日はもう売り切れてたんじゃなかった？」
恋「ふぇっ！？」
かのん「自販機は業者さんが改修工事中な気がするけど」
恋「ふぇぇぇ！！？」ﾋﾞｸｯ!!
恋（じゃ、じゃあ……）
かのん「？」
恋（う、うぅぅ……）
かのん「……」
かのん（……あ、そっか。恋ちゃんお口の中がぱさぱさなんだ。さっきまでお菓子食べてたから）
恋「ぅぅぅ……」
かのん「え、えっと……れ、恋ちゃん。私のペットボトルのお茶……いる？」
恋（えっ！？）
恋「は、はいっ。ありがとう、ございま……」
かのん「待って！！ストップ恋ちゃんっ！！」
ﾊﾟｼｯ!!
恋「なっ！？」
かのん「……」
かのん（こ、今度こそっ！！）
恋（ふぇぇぇ！！？）
恋（ふ、ふぇぇぇ～っ！！？）
恋「ぅ、ぅぅぅ………」
かのん「……」
恋「うぅぅぅ………っ、ひ、卑怯で
かのん「卑怯じゃないもんっ！！」ﾋﾞｼｯ!!!
恋「ふぇぇぇ！！？」
かのん「お、お茶とお菓子は別問題だもんっ！！私、一言もお茶とセットでお菓子あげるなんて言ってないもんーっ！！恋ちゃんがばくばくお菓子食べちゃうのが悪いんでしょ！！？」
恋「うぅ、うぅぅぅぅ………/////」
かのん「ほら、恋ちゃんお口の中お菓子でパサパサなんでしょ！！？私ちゃーんと知ってるんだからね！！」
恋「っ……////」
かのん「言って！！お茶欲しかったら私のこと好きって言って！！」
恋「ぅぅぅぅ………/////」
かのん「ほーら！！恋ちゃんっ！！？」
恋「っ………/////」
かのん「恋ちゃん！！」
恋「ぅぅぅ/////………す、ｽｷﾃﾞｽｯ//////」
かのん「えっ？」
恋「はい、言いましたーっ！！だからお茶はいただきますっ！！/////」
かのん「あ、ちょっと恋ちゃ
ﾊﾟｷｯ!
恋「んくっ、んくっ……！！/////」
かのん「あっ、あぁぁぁ……」
かのん（あぁぁぁぁ～！！！）
かのん（や、やっちゃった……ってまたまた失敗だよ～っ！！）
かのん（うう～っ！！もーっ！！どうしてこんなに上手くいかないのーっ！！）
恋「♪」
かのん「はぁ……」
かのん（あーあ。せめてさっきの録音とかできてたらなー。せっかくクールな恋ちゃんがデレてくれたチャンスだったのになぁー）
かのん（あーもうっ、私のばかっ。せーっかく餌付け用のお菓子とか色々準備たくさんしてきたのに、なんで私って肝心のところで詰めが甘いんだろ……）
かのん「うぅ……」
恋「……あれ？」
かのん「？」
恋「そう言えばさっき、ペットボトルを開けた時の感触が」
かのん「うん」
恋「や、やけに、軽かったように感じたのですが……」
かのん「あ、うん。だって私がさっきちょっとお茶飲んだからじゃない？」
恋「えぇぇ！！？/////」
かのん「？」
恋「なっ！！？/////そ、それって……////」
かのん「うん」
恋「っ……////だ、唾液交換ってことじゃ……/////」ｶｧｧｯ
かのん「っ！！？///」
かのん（は、はぁぁぁ！！？//////）
かのん「えっ！？だ、だえきっ……/////」
ﾚﾛｫ…♡
かのん「っ/////」
かのん（ふ、ふぇぇぇ………ぇぇぇぇ～！！？////）
かのん（な、何その単語！！？そんなの見たことも聞いたこともないんだけど～！！？/////）
かのん「～～っ！！！？//////」
恋「ぅ、ぅぅぅぅぅぅ………////って破廉恥ですーっ！！！/////」
かのん「はぁぁぁぁ！！？/////」
恋「私に変なもの盛ろうとしないで下さいーっ！！破廉恥ったら破廉恥です～っ！！/////」
かのん「もっ、盛ってないし！！って言うか唾液って言うの生々しいからやめてよっ！！せめて間接キスって言ってよーっ！！////」
恋「キ、キスっ！！！？/////」
ﾝﾁｭｯ…♡
恋「ぅ、ぅぅぅぅぅぅ～っ……！！/////はははははは破廉恥過ぎますーっ！！/////」
かのん「えぇぇぇ！！！？////」
かのん（さっきは恋ちゃん唾液交換とか言ってたのに～！！？////）
恋「私は被害者なのですっ！！全部かのんさんが悪いのですーっ！！////」ﾎﾟｶﾎﾟｶ
かのん「うぇぇぇ！！？////っ、違うもんっ！！恋ちゃんが唾液交換とか最初に言い出したんだも～ん！！////」
恋「違います違います違います～っ！！////かのんさんが私に好きとか言わせようとしなのが原因ですーっ！！私絶対になんにも悪くありませんっ！！/////」
かのん「う、うぅぅぅ～っ！！！////」
恋「むぅぅぅぅ～っ！！////」
かのん「っ……////」
恋「ぅ、ぅぅ……////」
かのん（……////）
恋（……////）
恋「………の、喉が渇いてしまったのでもう一口だけお茶下さいっ/////」
かのん「え゛！？」
かのん「い、いやだよーっ！！絶対恋ちゃん変なことからかってくるじゃ～ん！！ご満悦レズスマイルで私のこと見下してくるくせにーっ！！/////」
恋「んなっ！？ご、ごまっ……/////ってレズ扱いしないで下さ、ごほっ、ごほっ！」
かのん「えっ！？だ、大丈夫、恋ちゃん……？」
恋「ぅぅ……だったらお茶を分けて下さいっ////」
かのん「ええっ！？で、でもっ、私が飲む分が無くなっちゃう……」
恋「だったらかのんさんも一緒にお茶を飲んだら解決ですっ。お返しは明日絶対にするので、今は私に優しくしてくださいっ！！////」
かのん「え゛！？い、一緒にって……////」
ｼﾞｭﾙｯ…♡
かのん（～～～っ//////）
恋「？」
かのん「く、口移しでってこと……？////」
恋「はぇぇ！！？////」
恋（なっ……！！！？/////）
ﾑﾁｭｯ…♡
恋「ぅぅぅぅぅ……は、破廉恥ですーっ！！/////」
かのん「えぇぇぇ！！？////」
恋「口移ししろだなんて私は一言も言っていませんっ！！急にえっちな方向に会話を誘導しないで下さいーっ！！////」
かのん「や、ちがっ//////今のはそのっ
恋「変態ですっ！！やっぱりかのんさんは変態ですっ！！/////破廉恥変態お化けですーっ！！/////」
かのん「んなぁぁぁ！！？////れ、恋ちゃんだけには破廉恥とか一番言われたくないよ～っ！！自分から唾液の話、し出したくせに～っ！！////」
かのん（わ、私はただ恋ちゃんに好きって言って欲しかっただけだも～ん！！/////）
恋「ぅぅ、ぅぅぅぅ～っ！！////」ﾌﾟｸｯ
かのん「むぅぅぅ～っ！！/////」
恋（ぅぅぅぅ////）ｶｧｧｯ
かのん（～～～っ！！/////）ｶｧｧｧｯ
本日の勝敗：両者敗北
クソザコたちの恋愛頭脳戦でした
2人とも可愛すぎか…末永くいちゃついててほしい
定期的に摂取せねば
可愛すぎて悶えそうになったマジ乙
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