彼方「きみがシアワセなら何も望まないよ」【SS】
トントントン
彼方「Cooking, cooking with love~♪」
ジュー
スマホ「ピロン」
彼方「! ……歩夢ちゃんか。見栄えを良くするならまっすぐじゃなくて斜めに盛り付けた方がいいよ、っと」
彼方「ちょうど焼けてきた。ひっくり返してっと」
ジュー
彼方「……お仕事忙しいのかな」
18:45 お仕事終わりそう?>かなた
18:45 今日はきみの好きなハンバーグだよ>かなた
18:46 何時に帰ってこられる?>かなた
彼方「遅いなぁ」
スマホ「――」
彼方「電話しようかな……」
スマホ「――」
彼方「ってメッセ見れないなら意味ないよねぇ」
彼方「ふわぁ……ちょっと寝ちゃおうかな」
zzz…
スマホ「ピロン♪」
彼方「!」ガバッ
歩夢<こんな感じになりました 20:20
歩夢<画像 20:20
彼方「おお、いい感じだねぇ……。ふぅ」
zzz…
彼方「……あさだ」
スマホ「2件」
18:46 何時に帰ってこられる?>かなた
<ごめん 7:22
<上がり3時過ぎだった 7:24
彼方「……」
<上がり3時過ぎだった 7:24
7:47 大変だったね~お疲れ様>かなた
7:47 ご飯はまた今度にしようね>かなた
彼方「……お腹空いたなぁ。温め直すかな」
彼方「うーん、どれにする?」
彼方「迷うねぇ……そうだ、半分こしよっか」
彼方「じゃあタコのペペロンチーノと……え、この前食べた? そうだっけ」
彼方「じゃあボンゴレビアンコとマルゲリータね」
彼方「きたきた♪ よいしょっ……切れにくいねぇ」
彼方「はいどうぞ。いいよいいよ私そんな食べられないし」
彼方「ソースついてるよ……はい」
彼方「美味しかったー。まだ上映まで時間あるけどどうする?」
彼方「また楽器見るの? この前買ったばっかじゃん~」
彼方「じゃあそろそろいこっか。先外出てて」
彼方「ご飯いらないなら連絡してほしいな……」
彼方「え―――」
彼方「ああ、二人とも楽器持ってるじゃん。バンド仲間かな?」
彼方「……今話しかけてもアレだしやめておこう、うん」
彼方「お、璃奈ちゃんからだ」
彼方「行くよ~」送信
彼方「今日は出掛けるね、っと」送信
彼方「ううん、きみが頑張ったからだよ。えらいえらい」
彼方「うん? ……そっかー」
彼方「もちろん! それくらい私に任せて」
彼方「来週金曜だよね? うん、全然間に合うよ」
彼方「大丈夫だって! こういう時のために貯めてあるんだから」
彼方「それじゃ今日は……あ、そっかそうだよね」
彼方「じゃあ明日……おお、嬉しいやら寂しいやら」
彼方「じゃあ来週金曜に家来て」
彼方「私? 私は平日ずっと仕事だよ」
彼方「うーん、見たい映画なかったなぁ……あれ」
彼方「あの服……やっぱり!」
彼方「電話出るかな……あれ」
彼方「一緒に居るの、またあの人だ。確か違うバンドの」
彼方「……ってお仕事の邪魔しちゃダメだよね!」
彼方「そうだお洋服見に……うーん、あんまり無駄遣い出来ないもんなぁ」
彼方「……かえろ」
彼方「美味しい? ふふっ、でしょー?」
彼方「お粗末様でした」
彼方「あーうん、用意してあるよ」
彼方「そういえばさ、この前急に休みになってさ」
彼方「うん、水曜日。うん」
彼方「北口の方でぶらぶらしてたよ」
彼方「うん……うん……」
彼方「実はさ、きみが歩いてるの見たんだよね。どこ行ったの?」
彼方「そうなんだ。うん、うん」
彼方「お願い。本当のことを言って。言わないとお金貸せない」
彼方「……」
彼方「そっか。何もなかったんだね。うん。わかった」
彼方「ごめんね、変なこと言って」
彼方「良いんだよ。きみの為だから」
彼方「それが私の幸せだから」
彼方「はい。失くさないでね、なーんて」
彼方「あ、帰るの? うん、じゃあね」
彼方「バイバイ……」
羽ばたくのを見つめていたいから
いっそ私のことはいいよ
彼方(えっ)
彼方に憑依したあかりん「何しらばっくれてんだ! 浮気してるのわかってるんだぞ!」
彼方に憑依したあかりん「彼方にばっかり払わせてさらに金持ってくってどういうことだよ!」
彼方に憑依したあかりん「お前なんかにやる金は無いんだよ! 早く出てけ!!!」
バタン
彼方「なんで……私はただあの人に幸せになって欲しくて……」
あかりん「それで彼方が不幸になっちゃ駄目なんだよ」
彼方「でも、でも私はあの人が幸せなら、それだけで……」ぽろぽろ
あかりん「もういいんだよ、彼方」
彼方「私は……私は……うえええええん!」ボロボロ
あかりん「なんのなんの」ヨシヨシ
彼方「うん……でもびっくりした。急にあかりちゃんが彼方ちゃんの中に入って来るなんて」
あかりん「私の力じゃないけど……とにかく放って置けなくて」
彼方「あはは、彼方ちゃんダメダメだったねぇ」
あかりん「昔から心配してたんだから」
彼方「ありがとう。お返しに出来ることがあれば何でもするよ」
あかりん「いいよ。私は彼方が幸せなら何も望まないよ」
彼方「……! うん、わかった。彼方ちゃん、幸せになるね」
あかりん「彼方の幸せを望んでる人は私だけじゃないんだよ?」
彼方「うん、忘れない」
涙こぼれても
大丈夫 一人じゃないよ
叶えていこう もっと
I can tell you “We can Fly!”
彼方には幸せになって欲しい
ショートながらも彼方ちゃんの行く末に幸あれと願わせてくれるお話だった
こう返せる明里強すぎる
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1705670587/
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