花帆「さやかちゃん、恋人になったのにそっけないなあ……」さやか「はい……?」【SS】
花帆「えー!? さやかちゃんひどい!」
花帆「結婚の約束までしたのに!」
さやか「け、結婚の約束、ですか!?」
さやか「してない、してないですよ、そんなこと!」
花帆「さやかちゃんの結婚詐欺師!」
さやか「だから、いつわたしが花帆さんと婚約したんですか!?」
花帆「ほら、あの時!」
数日前
花帆「お風呂上がりにマッサージなんて最高だよぉ……」
花帆「いつもありがとうねえ、さやかちゃん」
さやか「それは、よかったです」グイグイ
花帆「あたしねー、さやかちゃんすきー」
さやか「ありがとう、ございます」グイグイ
花帆「さやかちゃんはー?」
さやか「わたしも、好きです、よっ、かほ、さんっ」グイグイ
花帆「やったぁ、両想いだぁ」
さやか「そうです、ねっ」グイグイ
さやか「どこに、ですか?」グイグイ
花帆「どこに? うーん、そう言われると難しいなあ……」
さやか「決めて、ないんですか、まあ、構いませんよ」グイグイ
花帆「わぁい、ありがとうさやかちゃん!」
さやか「どういた、しまして!」グイグイ
花帆「あー、でも本当にさやかちゃんのマッサージは極楽だよぉ……」
花帆「あたしさやかちゃんと結婚するぅ……」
さやか「はいはい、そうですね」グイグイ
花帆「えっ、いいの?」
さやか「いいです、よ」グイグイ
花帆「っていうことがあったじゃん!」
さやか「いやいや、結婚の話はいつもの冗談だと思っていたんです!」
さやか「というかその好きは友達の好きですし、付き合うは買い物か何かかと思っていて──」
花帆「そっかぁ……」シュン
花帆「そうだよね、あたしなんかがさやかちゃんと付き合えるわけないもんね……」
花帆「変なこと言っちゃってごめんね……」
さやか「……」
花帆「さやかちゃんさえ良ければ、明日からはまた普通の友達に戻って──」
さやか「戻りません」
花帆「……。そっか、やっぱりそうだよね」
花帆「嫌だよね、自分のことをそういう目で見てる人と友達なんて……」
さやか「わたしも、その──花帆さんのことが好きなんです!」
さやか「最初はグイグイ絡んでくる変な人だと思っていたんですけど、とても素敵な人だってわかって」
さやか「わたしを引っ張って色々な景色を見せてくれる」
さやか「悩んでいる時にも、力になって支えてくれる」
さやか「そんな花帆さんに惹かれていたんです」
花帆「ごめんね。いいんだよ、さやかちゃん。あたしのことは気にしないで……」
さやか「あー、もう!」ギュッ
花帆「さやか、ちゃん……?」
さやか「だから、恋人になったって聞いて身に覚えがなく戸惑ってしまいましたが、恋人になったのなら友達には戻りたくありません!」
さやか「いつもの天真爛漫で明るい花帆さんも、少し落ち込んでしまった時の花帆さんも大好きなんです!」
さやか「あなたといればきっと楽しい未来が待っていると、そう確信できるんです!」
さやか「あなたが落ち込んだらわたしが支えたい! 楽しい時は一緒に共有したい!」
さやか「だから、ずっと隣にいてください!」
さやか「この気持ちは、日野下花帆! あなたがわたしの胸に花咲かせた気持ちなんです!」
さやか「責任をとってください!」
花帆「さやかちゃん……!」
花帆「あたしのこと、いつも気にかけてくれる優しいさやかちゃんが好き!」
花帆「あたしが変なことしたり言ったりしても、呆れた顔しながら笑ってくれるさやかちゃんが好き!」
花帆「村野さやかのことを、愛してる!」
花帆「でも──」
花帆「あたしなんかでいいの……?」
さやか「……」
さやか「なんか、なんて言わないでください」
さやか「わたしが好きな人をあまり蔑まないでください」
さやか「わたしは、あなたが──日野下花帆がいいんです」
さやか「日野下花帆を、愛しているんです」
花帆「っ!」
さやか「構いません。わたしだってきっと花帆さんに迷惑をかけることもあります」
花帆「恋人になったら、多分好きな気持ちが溢れてめんどくさい絡み方しちゃうよ……?」
さやか「覚悟の上です。わたしだって、負けないくらい花帆さんに愛を伝えます」
花帆「それに──」
さやか「全部大丈夫です!」
さやか「だって、わたしは花帆さんを愛しているから!」
花帆「さやかちゃん……!」
さやか「……いいんですか?」
花帆「……」コクリ
さやか「……」スッ
さやか「……」チュッ
花帆「……。えへへ、ありがとうさやかちゃん」
さやか「い、いえ、花帆さんの頼みだったので/////」
花帆「でも、するならほっぺじゃなくてこっちがよかったな、なんて……」
さやか「そ、それは──」
さやか「その、まだ、恥ずかしいので……/////」
花帆「そっかぁ……」
さやか「えっ!?!?」
花帆「隙あり、もといキスあり! なんちゃってー」エヘヘ
さやか「な、なな、何するんですか! 急に!?」アセアセ
花帆「言ったでしょ? 迷惑かけるしめんどくさい絡み方するよ、って」
花帆「これからも、いっぱいさやかちゃんに迷惑かけちゃうからよろしくね」
さやか「……」
さやか「望むところです」チュッ
花帆「あー! またほっぺにした!」
花帆「なんで唇にしてくれないの!」
さやか「だから、まだ恥ずかしいんです!」
おわり
乙
可愛い可愛い二人のこれからが楽しみで仕方ないのだけれど
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1683185258/
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