千砂都「攻略方法がわかんないんだよねぇ」すみれ「なんの話?」
すみれ「攻略……あ、ゲームとか?何やってるの?」
千砂都「うーん……ギャルゲ?」
すみれ「ギャ……い、意外ね」
千砂都「自分でもそう思うよ、まさか私が……って」
すみれ「ああいうのって面白いの?」
千砂都「面白くもあり、時々苦難もあり……のめり込んじゃう人がいるのもわかるよ」
すみれ「へぇー……で、今は苦戦中と」
すみれ「ネットで調べられるんじゃない?」
千砂都「いやぁ一応調べたんだよ?途中で何やってるんだろって恥ずかしくなっちゃった」
すみれ「まあちょっとオタクっぽいけど別に恥ずかしいことではないと思うわよ」
千砂都「というより、こう……わぁぁぁ!みたいな……ね?」
すみれ「いや、ね?って言われても」
千砂都「どうしたもんかなぁー……」
すみれ「攻略してるのはどんなキャラなの?調べたら出てくる?」
すみれ「はぁ?何よそれ……あ、わかった最近出たゲームってことね?」
千砂都「この世に生まれ落ちてから10年以上経ってるね」
すみれ「いやもう日の目を見ないでしょそれは……」
千砂都「そんなことない!」
すみれ「だって」
千砂都「そんなことないのっ!」
千砂都「すみれちゃんが悪い」
すみれ「悪かったってば、あんたよっぽど好きなのね……」
千砂都「ん、んー?まぁ……好き……えへへ……」テレ
すみれ「なんで今照れる?」
千砂都「まあまあ!えっとなんだっけ、どんなキャラかだっけ?」
すみれ「そうね、特徴とか」
すみれ「あら純朴」
千砂都「スタイル抜群の派手目なギャル系……」
すみれ「設定に無理があるでしょ」
千砂都「だってそうなんだもん!」
すみれ「派手なギャルは野に咲かないのよ」
千砂都「私に言われても困るよ〜!制作スタッフに言ってYO!」
千砂都「んー、最初はダンス上手いなぐらいだったんだけど」
すみれ「ダンス?」
千砂都「あー、えっと……そのキャラの初登場イベント的なのがあって、そこでダンスしてるとこが見られるの」
すみれ「なるほどね」
千砂都「それで学校生活とか部活動を一緒にやって、頑張り屋なとことか知って……い、いいな〜……みたいな」
すみれ「ふーん……ちなみに他のキャラはどんな感じなの?」
千砂都「幼馴染と留学生と生徒会長が出てくるよ」
すみれ「うわ、ギャルゲー!って感じね。詳しくないけど」
千砂都「あははっ、言われてみると確かに」
千砂都「なにって?」
すみれ「え?ほら、属性?とか役割的な……」
千砂都「役割は……」
すみれ「役割は……?」
千砂都「役割は〜〜っ……」
すみれ「ないのね」
千砂都「ない……もう!言わせてよー!」
すみれ「長いのよ!……なんか聞く限りではあんまり魅力感じないわね、そのキャラ」
千砂都「む……役がないからって魅力がないわけじゃないよ?」
千砂都「……怒るよ」
すみれ「ギャラッ……な、なによ冗談じゃない」
千砂都「面倒見がよくて、努力家で、ダンスの特訓にもくだらないお喋りにも付き合ってくれて……すごく優しいんだよ、すみれちゃんは」
すみれ「え?わ、私?私が何よ」
千砂都「……間違えた」
すみれ「間違えた!?」
千砂都「とにかく!私の中ではその子はメインヒロインなんだよ!」
すみれ「そ、そう……クリアできるといいわね」
すみれ「そういえば攻略がどうのって話だったわね。何時間ぐらいやってるの?」
千砂都「合計時間はわからないけど、ほとんど毎日?」
すみれ「毎日!?ずいぶん強敵ね、野に咲く花のくせに」
千砂都「ほんとだよね……ほんとだよ!」
すみれ「なんで二回言ったのよ。それで選択肢っていうのは?」
千砂都「んー……なんかもう言っちゃっていいかな……ほら、留学生がいるって言ったでしょ?」
すみれ「キャラの一人ね」
すみれ「あんたの推しキャラ留学生が好きなんじゃない?」クス
千砂都「…………」
すみれ「ちょ、ちょっと黙らないでよ、そんな主人公そっちのけのギャルゲあるわけないでしょ」
千砂都「うーん……」
すみれ「え……あるの?」
千砂都「……ないといいなぁ」シュン
千砂都「気を引けるなら私も少し意地悪してみようかなーって」
すみれ「えぇ……リスキーじゃない?」
千砂都「だよねぇ……あと結構前だけど既にやっちゃってちょっと後悔してる……」
すみれ「ならやめときなさいよ」
千砂都「やっぱりそうだよねぇ……この選択肢はナシかなぁ」
千砂都「う……幻滅した?」
すみれ「ちょっと笑えるわ」クス
千砂都「誰のせいだと思ってるの〜?」
すみれ「野に咲くギャルでしょ?」
千砂都「そーだよ!」プンスコ
千砂都「……私は真剣だよ?なんてったって実名プレイだし」
すみれ「実名ねぇ……『千砂都、大好き……♡』とか言ってもらえるの?」
千砂都「……、……」
すみれ「……?千砂都?」
千砂都「……ちぃちゃんは、帰ります」ガタ
千砂都「いやー!なんか暑くて走りたい気分なので!らんにんぐもいい〜♪ foo〜♪」ダッ
すみれ「それあんたのじゃないでしょ!」
千砂都「……あの、ね」ピタ
すみれ「……?」
千砂都「明日から、ちょっと攻略の時間増やしてもいいかな?」
千砂都「えへへ、わかった!また明日ね、うぃっすー!」ダッ
すみれ「うぃ、うぃっすー……」
ガラガラッ
すみれ「なんだったのかしら……」
「「「……」」」
すみれ「……そういえば、あんたたち途中からずっと黙ってたけどどうしたの?」クル
かのん「い、いやー……ねぇ?」
かのん「アプローチと牽制を同時にやるの、さすがちぃちゃんだなって……」
すみれ「は?」
可可「…………」
すみれ「あんたはどういう感情よその顔」
可可「ほっといてクダサイ……クゥクゥは今すごくフクザツな気持ちなのデス……」
恋「私はゲームには詳しくないので……」
かのん「恋ちゃんほんとに言ってる?」
恋「え?」
かのん「……なんでもない」
可可「こ、これがこの先続くのデスか……」
すみれ「……??な、なんなのよったらなんなのよ!?」
完
いい発想だなあって感心したよ
みんな同席してる場での会話だとは思わなかったw
乙!
すごくよかった
前作書いてる時にちさすみもアリだなと思ったので書きました、よかったら読んでください
すみれ「演技で大泣きしたらとんでもないことになった」
あれのちさすみめちゃくちゃ良かったからありがたいよ
今回のも素晴らしい乙
次も期待してる
相変わらず会話の自然さとテンポの良さが抜群ですげー読みやすい上に面白かった!今回もありがとう
照れ隠しに走りにいくちぃちゃんらしくて可愛い
明日も続け
ちさすみの可能性を感じた
リアルギャルゲーという発想がスバラシイデス……!
全員で取り合ってギャルゲーして欲しい
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