【SS】栞子「男装したらランジュに惚れられました」
代行ありがとうございました!
かすみ「しず子?突然1年生だけ呼び出してどうしたの?今日は練習休みだったよね?」
璃奈「もしかして1年生だけで秘密の特訓とか?」
栞子「私は同好会に加入したばかりですし、特訓できるのは助かります!」
しずく「ううん、今日みんなを呼んだのは……男装してもらうためだよ!」
3人「「「男装!?」」」
しずく「そう!次やる演劇で恋愛ものをやることになったの!だからその練習をするために男装を……」
璃奈「帰ろっか」
栞子「そうですね」
かすみ「解散解散~」
しずく「ま、待って!まだ話は終わってなくて!」
璃奈「そうだよ、愛さんでもノリノリでやってくれるんじゃないかな」
しずく「そうなんだけど、せつ菜先輩や愛先輩が男装しても、その、胸の大きさから、本当の男とは判断し辛いじゃない?」
栞子「確かに、お二人ともバストは大きい方ですね」
しずく「だから、胸の小さい3人の誰かだったら男装させるのに丁度いいかもと思って!」
かすみ「……」
璃奈「……」
栞子「……」
璃奈「やっぱり帰ろっか」
栞子「そうですね、心外です」
かすみ「かすみんは可愛い乙女だから男装なんて無理ですぅ~」
しずく「ち、違うの!別に馬鹿にしてるつもりはなくて!」
しずく「でも、本当の男の人っぽく見るためには、どうしても胸の小さい人に手伝ってもらいたくて……お願い!!」
かすみ「むむ……なんか癪に障るけど……」
栞子「まあ、しずくさんがそこまで言うなら……」
璃奈「仕方ない、璃奈ちゃんボード『OK!』」
しずく「みんな、ありがとう!」ジーン
しずく「いろいろ教えてくれてありがとう!三人の特徴は把握できたよ!」
栞子「それで、三人の中で誰が男装の適正があるかなんですが……」
かすみ「やっぱりりな子でしょ!この中だといっちば~ん、お胸がちっちゃいもんね~」
璃奈「やっぱり帰りたい」
しずく「確かに璃奈さんの男装もアリだと思うんだよね……でも体が小さすぎて、あまり男に見えないかも……」
璃奈「そうそう、私はとってもか弱い女の子だから、男にはなれない」
栞子「では、体格のバランス的にかすみさんじゃないですか?」
かすみ「ええっ!?」
しずく「う~ん……かすみさんは、顔つきも雰囲気も仕草もあまり男っぽくないから、やっぱり厳しいかも……」
かすみ「だよねぇ~!かすみんもとってもプリティ~な女の子だからっ!」キャピッ
栞子「ええっ!?私ですか!?この中だと胸はまだ大きい方ですよ!?」
かすみ・璃奈「………」
しずく「でも、そこまで大きすぎるわけでもないし、顔つきも男のようにクールにできそうだし、栞子さんの和な雰囲気も役にぴったりなんだよね……!」
栞子「えっ」
しずく「……決まり!男装の適正が一番なのは栞子さんだよ!」
かすみ・璃奈「わー」パチパチパチ
栞子「うう……わかりました!私にその適正があるのなら、やってみます!」
しずく「よし!メイク終わったよ!」
栞子「……///」
かすみ・璃奈「「おお~!!」」
栞子「ど、どうですか……?」
かすみ「すごい!全然しお子じゃないみたい!本当に男に見えるよ!」
璃奈「うん!しかもすごいイケメン!璃奈ちゃんボード『うっとり』」
栞子「あ、ありがとうございます」
しずく「ふふっ、演劇部から男装用メイク道具を借りられて良かったよ!」
しずく「確かに……栞子さん、声はけっこう可愛い方だもんね……」
栞子「そ、そうですか?照れますね……」
璃奈「そういえば、今日はたまたま変声機を持ってきてた……」ガサゴソ
しずく「本当ですか!?」
璃奈「あった!……はい、栞子ちゃん」スッ
栞子「これは……チョーカーじゃないんですか?」
璃奈「うん、これはチョーカー型変声機、私が作った」
かすみ(りな子は阿〇博士なの……?)
璃奈「栞子ちゃん、それ付けて、声を調整して喋ってみて」
栞子「は、はい……」スッ
栞子『ど、どうですか?』
しずく「す、すごい……!!本当に男の人の声!!」
かすみ「しお子すっごいイケボ!これはもうどこからどう見ても男だよ!!」
栞子『ほ、本当ですか!?』
しずく「さすが璃奈さん!」
璃奈「璃奈ちゃんボード『えっへん!』」
しずく「栞子さん!さっそく演劇の練習を始めよう!」
栞子『は、はい!』
ランジュ「?好!3人も、今日は自主練?」
かすみ・璃奈・しずく「あ」
栞子『ランジュ、お疲れ様です』
ランジュ「え!?///」ドキッ
栞子『あ』
ランジュ「……え、ええっと、あ、あなたは……?///」ドキドキ
栞子(そうでした……今の私は男装してる上に、声も変えてるんでした)
ランジュ「あ、アタシのことを、し、知ってるの……?///」ドキドキ
栞子『え!?ええっと……』アタフタ
璃奈「あ、ランジュさん、実はね……」
栞子『!!……ま、待ってください!!』バッ
璃奈「え!?」
文字化けしてしまいました
>ランジュ「?好!3人も、今日は自主練?」
ランジュ「ニーハオ!3人も、今日は自主練?」
栞子『あの、ランジュに私が男装してるなんてバレたら……いろんな人に言いふらされそうなので……』ヒソヒソ
璃奈「え、そう?ランジュさんはそんなことしないと思うけど……」ヒソヒソ
栞子『ランジュに悪気はなくても、口は軽い方だと思うんです……なので、私としては、このまま隠し通したいです!』ヒソヒソ
かすみ「……うん、わかった!ここはしお子に協力するよ!」ヒソヒソ
栞子『ありがとうございます!』ヒソヒソ
ランジュ「あ、あら!かすみの知り合いだったのね!初次見面!」
栞子『は、はじめまして……』
ランジュ「ランジュを知ってるってことは、あなたもスクールアイドルのこと好きなの?」
栞子『は、はい!え、ええっと……かすみさんに、同好会の人たちのこと、教えてもらって……』
ランジュ「あらそうなの!?嬉しいわ!……ねぇ、あなたはなんて名前なの?」モジモジ
栞子『え、ええっと……』
栞子(栞子と言うわけにはいきませんし、何か偽名を考えないと……しおりこ……枝折りこ(しおりこ)……えだおりこ……えだお……これです!)
栞子『枝雄(えだお)といいます!』キリッ
ランジュ「きゃあっ!いい名前ね!……よろしくね、枝雄!」ニコッ
栞子『よ、よろしくおねがいします……』
すごいセンスだな
今からでも名前替えたいので募集します
>>36
そういう意味じゃない
一理ある
枝雄のまま勧めます!
ご協力ありがとうございました!
璃奈(草)
しずく(そうはならないでしょ……)
栞子『あ、あの!今日は一度メイクを落としたいので、ここから逃げるのに協力してもらえますか?』ヒソヒソ
かすみ「え?わ、わかった……!」ヒソヒソ
かすみ「あ、ああっ!私達そろそろ練習始めるから、え、枝雄は、そろそろ……」アセアセ
ランジュ「え……?」
栞子『そ、そうですね!帰ります!では、同好会の皆さん、これで失礼しま……」
ランジュ「!!……それだったらランジュが出口まで送ってあげるわ!!」
栞子『え?』
流用しただけのはずなのに3人とも言いそう
期待
ランジュ「ううん!ここは先輩のランジュに任せておきなさい!」
栞子『あ、その、私は、いや、僕は一人でも大丈夫……』
ランジュ「いいからいいからっ!さ!行きましょう!枝雄!」グイッ
栞子『あ、ちょ、ちょっと!』
バタン
かすみ「引っ張られて行っちゃった……」
しずく「大丈夫かな……栞子さん、いや、枝雄さん……」
璃奈「うまく誤魔化せるといいけど……」
栞子「……」
「あれ?男の子じゃない?」ヒソヒソ
「そんなわけないでしょ、もし女子校に男子がいたら大問題よ」ヒソヒソ
「そもそもお台場に男がいるわけないじゃない」ヒソヒソ
「それもそうね」ヒソヒソ
「どうせ演劇部の誰かがまた男装してるんでしょ?」ヒソヒソ
栞子(どうしましょう……やっぱりこの格好は目立ってしまってます……私が栞子だとバレてなければいいのですが……)
ランジュ「あら枝雄、慣れない場所で緊張してるの?無問題ラ!ランジュが出口までちゃんと送るから!」
栞子『あ、はい……ありがとうございます!ランジュさん、優しいんですね』ニコッ
ランジュ「!!っ………べ、別にこれくらい、普通よ……///」
ランジュ「ね、ねぇ!枝雄はお台場でよく遊んだりするの?」
栞子『え?……ええっと……以前はあまり遊んだりしなかったのですが、最近は同好会のみなさんが誘ってくれて……』
ランジュ「え!?……同好会のみんなって……まさか……!」ズキッ
栞子『あ!……わた……僕の学校の、ええっと、ボランティア同好会?……の友達と一緒に……』アセアセ
ランジュ「あ!……そ、そうよね!アタシったら、あはは……///」
栞子(まずい……これ以上一緒にいるとボロが出ます……)
ランジュ「え?そうなの……?」
栞子『で、では、僕はこれで失礼します!ありがとうございましたっ!』
ランジュ「あっ……」
栞子(よし!……あとはトイレかどこかでメイクを落として……)スッ
ランジュ「ま、待って!」ガシッ
栞子『え!?』
栞子(突然腕を掴まれました……)
ランジュ「あっ……!ご、ごめんなさいっ!!そのっ……!///」
ランジュ(これでお別れだって思ったら、そんなの嫌だって思って、手が勝手に……)
ランジュ(枝雄を一目見た時から、顔が熱いし、胸もドキドキするし……これってもしかして……)ドキドキ
ランジュ(アタシのこの気持ちが何なのか、確かめたい!……だったら!)
ランジュ「い、今からアタシと一緒に遊びに行かない?」
栞子『え……?』
ランジュ「せ、せっかくこうして会えたんだから、あなたと仲良くなりたいのよ!だからアタシと遊びに行きましょ!」
ランジュはそういうとこある
栞子『ご、ごめんなさい、実は僕、これから用事が……』
ランジュ「!!………そう、よね……」シュン
栞子『あ……』
栞子(あのランジュが勇気を出して、見知らぬ人とも仲良くなろうとしているのに、私はそれを妨げるようなことをしていいんでしょうか……)
栞子(……まあ、少し遊びに行くくらいいいですかね、よく考えたらしずくさんの相手役をする演技の練習にもなりますし……)
栞子(バレてしまう危険もありますが……まあ、全然疑われる様子もないですし、大丈夫ですよね……)
ランジュ「ご、ごめんね、枝雄!忙しいのに!じゃあ、アタシはこれで……」
栞子『……わかりました』
ランジュ「え?」
栞子『いきましょう、ランジュさん!』
ランジュ「!!……い、いいの!?」
栞子『はい!僕もランジュさんと仲良くなりたかったです!』
ランジュ「枝雄……///」
栞子『ランジュさん、今日はたくさん遊びましょう!』ニコッ
ランジュ「……きゃあっ!!そうこなくっちゃ!!じゃあランジュのお勧めの場所に連れて行ってあげるわっ!!」
栞子『ありがとうございます!楽しみです!』
ランジュ「ここの梅じゃむせんべいが美味しいのよ!」パリッ
栞子『本当ですね、美味しいです!』パリッ
ランジュ「ね、ねえ!記念に一緒に写真撮りましょうよ!」ソワソワ
栞子『いいですね!』
栞子(初対面の人と積極的に写真を撮ろうとするなんて……変わりましたね、ランジュ)
ランジュ「じゃあ、撮るわね!」スッ
栞子『はい!』ピトッ
ランジュ「!!……え、枝雄!?」ドキッ
栞子『……どうしました?』
ランジュ「う、ううん……なんでもないの……」
栞子『?』
ランジュ(距離が、近すぎないかしら……///)ドキドキ
ランジュ「ここのおみくじではランジュはいっつも大吉よ!」
栞子『そうなんですね』
ランジュ「あ!出てきたわ!きゃあっ!やっぱり大吉よ!」
栞子『さすがはランジュさんですね!では、僕も引きます』スッ
ランジュ「どうだった?」
栞子『あー……僕は凶みたいですね』
ランジュ「あ……だ、大丈夫よ!ええっと、大吉のランジュが一緒にいるんだから!だから枝雄も大吉よ!」
栞子『ふふっ、やっぱりランジュさんは優しいんですね』ニコッ
ランジュ「も、もうっ……!だからこれくらい普通だってば……///」
ランジュ「我要吃了!」
栞子『こ、こんなに食べるんですか!?』
ランジュ「ええ!さあ、たっくさん食べましょう!とっても美味しいわよ!」
栞子『いただきます……!!……美味しいです!』
ランジュ「でしょ!特にランジュのお勧めはこのケーキはこれよ!ほら、食べてみて!ええっと……」
栞子『?』
ランジュ「はい、あ、あ~ん///」
ランジュ(って、アタシったらいったい何やって……そんなの食べてくれるわけ……)
栞子『はむっ』
ランジュ「!?///」ドキッ
栞子『もぐもぐ……これも美味しいです!』ニコッ
ランジュ「そ、それは良かったわっ!さあっ!!もっとたくさん食べましょうっ!!」バタバタ
栞子(ランジュが楽しそうで何よりです)クスッ
ランジュ「ここに虹ヶ咲のグッズが置いてあるの!」
栞子『へぇ~、スクールアイドルのグッズも出てるんですね』
ランジュ「ええ!……きゃあっ!栞子とミアのキーホルダーも増えてるわ!」
栞子『えっ……!?』ガバッ
ランジュ「え、枝雄!?」
栞子(ま、まさか私のグッズも存在しているだなんて……!)
栞子(恥ずかしいですが……活動の成果が出ていると思うと、嬉しいですっ!!)ニコッ
ランジュ(栞子のグッズを、あんなに嬉しそうに見つめて……)ズキッ
ランジュ「枝雄、あなたまさか……」
栞子『え……?』
栞子(ま、まずい!自分のグッズに感動していたら、ランジュにバレてしまいます……!)
栞子『す、スクールアイドルのグッズが増えてることが、その、う、嬉しくて……!』アセアセ
ランジュ「あ!……そ、そうよね!あなたもスクールアイドルが大好きだったものね!」
栞子『は、はいっ!』
ランジュ(アタシったら何、栞子に嫉妬してるのかしら……別に枝雄が誰を推してたっていいじゃない……)シュン
栞子『せっかくだから何か買って帰りましょう!』スッ
栞子(自分で自分のグッズを買うのも、なんだか恥ずかしいですし……やっぱりここは……)スッ
ランジュ「……えっ!?枝雄、それ、ランジュの……!」
栞子『はい!……せっかくだからランジュさんのキーホルダーを買おうと思いまして』ニコッ
ランジュ「っ!!………枝雄……///」ドキッ
栞子(幼馴染がグッズになってるのも、自分のことのように嬉しいですからね)
栞子『今日行った場所、どこも楽しかったです!』
ランジュ「ふふっ!いつか誰かと一緒に行きたいと思って、前もって調べておいたのよ!」
栞子『さすがは、ランジュさんですね!それに……』
ランジュ「え?」
栞子『ランジュさんと一緒だったからこそ、僕もこんなに楽しめたんだと思うんです』
ランジュ「!!……///」
栞子『だから、ありがとうございます、ランジュさん』ニコッ
栞子(昔、ランジュと一緒に遊んでいた時のことを、思い出しました)
栞子(あの頃も、二人一緒だったからこそ、楽しかったんですよね)クスッ
ランジュ「枝雄!」
栞子『?……どうしましたか?』
ランジュ「その、もうちょっとだけ、一緒にいたいわ……」
栞子『え?』
ランジュ(アタシ、やっぱり枝雄のことが……///)
ランジュ「あのねっ!!枝雄っ!!」
栞子「?……はい」
ランジュ「アタシっ……アタシねっ……!!」ドクン ドクン
「嘘っ!?本物!?」
ランジュ「え?」
栞子(!?……もしかして、ランジュのファンの方たちでしょうか)
「横にいるのって……男!?」
「マジ!?もしかして……ランジュちゃんの彼氏ってこと!?」
ザワザワザワ
栞子『!!』
栞子(ま、まずいことになりました…!!)
栞子『くっ……!』
栞子(どうしましょう……このまま誤解されると、私のせいでランジュがスクールアイドルを続けられなくなってしまいます!!)ドクン ドクン
栞子(私の羞恥心から男装を隠していたせいで、ランジュに迷惑を掛けるなんて、そんなことは絶対にあってはいけません!)
栞子(だったら、もう、こうするしかっ……!!)バッ
ランジュ「え、枝雄……?」
栞子『……』バサッ
ランジュ「!?」
栞子(私は、ランジュの前でウィッグとチョーカーを外し、変装の一部を解いた)
ランジュ「え…………?」
栞子「…………」ファサッ
ランジュ「しお……りこ……?」
「栞子ちゃんよ!ランジュちゃんとお出かけしてたんだわ!」
「プレイべートの栞子ちゃんってけっこうボーイッシュなのね!素敵!」
「びっくりした~!てっきり男の人だと思っちゃった~!」
栞子「みなさんこんばんは、三船栞子です」
「きゃー!栞子ちゃんと目が合っちゃったー!」
「栞子ちゃーん!ランジュちゃーん!」
「ランジュちゃんもこっち向いて~!」
栞子(ふう……なんとか誤解は解けましたね……)
ランジュ「……栞子」
栞子「ら、ランジュ……!!」ビクッ
ランジュ「………」
栞子「その、黙っていてすみませんでし…」
パシンッ
栞子「っ……!!」
ランジュ「……」ジワッ
栞子(私は、涙目のランジュに強く頬を引っ叩かれました)
「ランジュちゃんと栞子ちゃんが喧嘩……?」
ザワザワザワ
ランジュ「栞子、アタシのことを……騙したの?」
栞子「……はい」
ランジュ「っ!!……アタシが戸惑ってる様子を見て、おかしかった……?」
栞子「え……?」
ランジュ「アタシのことを馬鹿にできて、楽しかった!?」
栞子「いえ、そういうつもりではなくて……」
ランジュ「……だったらどういうつもりだっていうのよっ!!」
栞子「あ…………」
栞子「ま、待って…」
ランジュ「来ないで!!」
栞子「うっ……」
ランジュ「もう、栞子の顔、見たくない」ポロポロ
栞子「あ……」
栞子(私は、去っていくランジュの背中を前に、立ち尽くすことしかできませんでした)
なに笑っとんねん
何も違わなそう
栞子(私の吐いた嘘でランジュをあそこまで傷つけてしまうとは思っていませんでした…)
栞子(今日ランジュに会ったら、改めて謝罪しないと……)
栞子「お疲れ様です……」ガラガラ
しずく「あっ!栞子さん!昨日は大丈夫でしたか?」
かすみ「何とかバレずに隠し通せた?」
璃奈「璃奈ちゃんボード『ドキドキ』」
栞子「えっと……それが……」
しずく「そんな……男装がバレた上に…」
かすみ「ランジュ先輩がカンカンに怒っちゃったんだ……」
璃奈「あのランジュさんがそんなに怒るなんて……璃奈ちゃんボード『ブルブル』」
栞子「私は、友達に嘘を吐くということを、軽く考えすぎていたのかもしれません」
栞子「大事な友達に、取り返しのつかないことをしてしまいました……」
しずく「ごめんなさい!そもそも私が最初に男装なんて頼んだから……」
かすみ「それを言ったら、かすみんもノリノリで協力しちゃった……ごめん、しお子」
栞子「そんな、皆さんは何も悪くありません!……ランジュに男装を隠そうとした私の過ちで……」
璃奈「ううん、これは協力した私達全員の責任。だから、私達もランジュさんに事情を説明して一緒に謝る」
栞子「璃奈さん……すみません、ありがとうございます」
ランジュ「ニーハオ!」ガラガラ
栞子「ら、ランジュ!!」バッ
しずく「ランジュさん!あの、昨日のことなんですが!」バッ
かすみ「かすみん達、ランジュ先輩に嘘をついてしまいました!」バッ
璃奈「本当にごめんなさい」
ランジュ「三人とも、いったいどうしたのよ?ランジュ、謝られる覚えはないわよ?」
しずく「その!栞子さんを男装させたのは私なんです!」
璃奈「栞子ちゃんの声を変えたのは、私の発明したチョーカーで……」
かすみ「かすみんもいとこだなんて嘘をつきました!ごめんなさい!」
ランジュ「あら!そのことだったら、ランジュはもう気にしてないわ!」
しずく「え……?」
璃奈「ランジュさん?」
かすみ「ええっと……怒って、ないんですか?」
ランジュ「無問題ラ!ランジュ、三人には全然怒ってないわよ?」
しずく「それならいいんですが……」
栞子「ですが、やっぱり傷つけてしまったことは変わりません!改めて謝罪させてください、ランジュ!」
ランジュ「……」
栞子「この度は、嘘を吐いてしまい、申し訳ありませんでした!」
ランジュ「……」
栞子「ええっと、ランジュ……?」
ランジュ「アタシ、もう顔も見たくないって言ったわよね?」
しずく・璃奈・かすみ「!!!」
ランジュ「……じゃあ、今後一切アタシには話しかけないでくれる?」
栞子「っ!!」
璃奈「え……?」
しずく「そ、そんな……!」
かすみ「ら、ランジュ先輩!!さっき怒ってないって!!」
ランジュ「きゃあっ!かすみには全然怒ってないわよ!」ギュッ
かすみ「そうじゃなくって……しお子のことも……」ムギュギュ
栞子「……」
栞子(どうやら私は、完全にランジュに嫌われてしまったようですね……)
余裕そうな顔しやがって
侑「じゃあ次のライブの演出だけど……」
せつ菜「火薬をドドーンと使いましょう!」
ミア「Good!僕のライブにも火薬をたっぷり使いたいかな!」
ランジュ「きゃあっ!ランジュのライブにも使いたいわ!」
栞子「……」
栞子(同好会でのランジュはいつも通りで、それは良かったのですが……もう、私とは二度と話したくないって、ことですよね……)
栞子(それほどまでに、私がランジュを傷つけてしまったのであれば、それはもう、仕方のないことなんですね……)
栞子(幸い、同好会はソロアイドルですし、活動に支障はありません……)
栞子(もう、ずっとこのままでいるしか、ないんですね……)
栞子「え……?」
璃奈「顔色、悪いまま……」ボソッ
栞子「ええっと……」
かすみ「大丈夫だよ、しお子。かすみん達が協力して、絶対仲直りできるように……」ボソッ
栞子「……私の事なら、もう大丈夫ですから、気にしないでください」ニコッ
かすみ「で、でもっ……!」
栞子「すみません、私、少し飲み物を買ってきますね!」スッ
侑「あ、うん!わかった!」
しずく「栞子さん……」
歩夢「…………あ、栞子ちゃん!私も行くよ!」スッ
栞子「えっ……?あ、はい……」
ランジュ「……」
お前がなんとかするんだよ!
歩夢「栞子ちゃん、もう同好会には慣れた?」
栞子「あ、はい……おかげさまで……」
歩夢「ソロアイドルだから、いろいろ大変なことはあるかもしれないけど……お互い支えながら頑張っていこうね!」
栞子「ささえ……あう……」
歩夢「うん!私達同好会はライバルだけど、仲間なんだよ!」ニコッ
栞子「ライバルだけど……仲間……」
歩夢「うんっ!!」
栞子「ありがとうございます、とても心強いです」
歩夢「そうだよ~!心強い仲間がいっぱいで、私もとっても助かってるの!」
栞子「そうですね…………ですが……」
歩夢「ん?」
栞子「私は、もう、支え合うことが出来なくなった人が……いるんです……」
栞子「私が、その人を深く傷つけてしまって、とても嫌われてしまって……」
歩夢「……うん」
栞子「私は、これからもう、その人のライバルでいることも仲間でいることも、できないんです……」ジワァ
歩夢「……」
栞子「私は、その人と一緒にスクールアイドルがやりたかった……!一緒にステージに立ちたかったんです……!」ポロポロ
歩夢「うん……うん……」ナデナデ
栞子「もう一度、仲良くなりたかった……あの頃よりも、もっと仲良くなりたかった……!なのに……っ!」
栞子「私のせいでっ……!もう、一緒に遊ぶことも、話すことすら、できなくなってしまって……っ!」
歩夢「栞子ちゃんは、ランジュちゃんが、本当に大好きなんだね」
栞子「!!……は、はい……ランジュは私の、たった一人の、幼馴染なんですっ……!!」
「っ!!……」ガサッ
歩夢「大丈夫だよ、栞子ちゃん!さっきも言ったように、同好会にはたくさん心強い仲間がいるんだから!」
栞子「歩夢さん……」
歩夢「みんなで一緒に仲直りの方法を考えようよ!」ニコッ
栞子「……は、はいっ!!」
「し、栞子っ!!」ガサッ
栞子「えっ!?」
歩夢「ら、ランジュちゃん!?」
ランジュ「栞子……その……今の話、聞いてたわ……」
栞子「っ!!……ランジュ……その……私は……」
ランジュ「栞子……その、意地になって、ごめんなさい、アタシ、栞子の事がどうしても許せなくて……」
栞子「あ、当たり前です……私はランジュに嘘を吐いたのですから……」
ランジュ「そのことだけど……えっと、その……今度、ら、ランジュと一日デートしてくれたら許してあげるわっ!!」
栞子「え……?」
栞子「……」
ランジュ「い、嫌なのっ!?」
栞子「あ……は、はいっ!!ランジュに許してもらえるなら、なんでもしますっ!!」
ランジュ「や、約束したんだから!じゃあ、アタシは部室に戻るわねっ!!」ササッ
栞子「あっ!ランジュ……!!」
歩夢「良かったね!栞子ちゃん!」ニコッ
栞子「はいっ!!ありがとうございました、歩夢さん!!」ウルウル
歩夢「あはは……私は何も……」
ランジュ「……ふぅ」
ランジュ(私にとっても、栞子は、たった一人の幼馴染だもの……そう簡単に絶交なんて、できないわよね……)
ランジュ「…………枝雄」
ランジュ(拜拜、アタシの初恋……)
続きは明日書きます!
待ってます!
かすみ「仲直りできて良かったね!しお子!」
栞子「ご心配をお掛けしました……」
璃奈「私も安心した。璃奈ちゃんボード『ほっ』」
栞子「ですが、次の休日にランジュを満足させなければ、また嫌われてしまうかもしれません……」
かすみ「ええっ!?そんなことはないと思うけど……」
栞子「そして、ランジュへの謝罪の気持ちを込めて、最大限のおもてなしをしなくては……」
しずく「別にそこまで気負わなくても……」
璃奈「栞子ちゃん自身も楽しめば、きっとランジュさんも楽しんでくれるよ」
栞子「そ、そうですね……すみません……」
しずく「……それはそうと栞子さん、今日の練習後、少し残れる?」
栞子「え?……はい、残れますが……」
しずく「じゃあ、また男装して欲しいな♪」
栞子「……え?」
しずく「だって、結局昨日は練習できなかったんだもん」
璃奈「そういえば、そうだったね……」
栞子「すみません、演劇の練習の事、すっかり忘れていました……」
しずく「というわけで、よろしくね!栞子さん?」
栞子「はい……」
栞子(はぁ……また枝雄にならなくてはいけないのですね……)
栞子(皆さんは帰宅したので、私としずくさんの二人きりになりました)
しずく「じゃあ昨日の続きを始めよう、栞子ちゃん」
栞子『よろしくお願いします』
しずく「……」ジー
栞子『な、なんでしょうか?』
しずく「改めて見ても、栞子さん本当にイケメンだなぁって思って♪」
栞子『や、やめてください……照れてしまいます……』
しずく「ふふっ、ごめんごめん」
しずく(昨日ランジュさんは、この栞子さんと一緒にいたんだよね……いいなぁ、ランジュさん……
……そうだ!)
栞子『え……?顎……クイ……?』キョトン
しずく「ええっと……栞子さん、この写真を見てくれる?」
栞子『ん?これは……しずくさんとせつ菜さん?』
栞子(こ、こんなに顔を近づけて……///)
しずく「この写真のせつ菜さんのように私に迫るの!」
栞子『えええっ!?……これを私がしずくさんに!?』
しずく「じゃあ栞子さん、お願いねっ!」ニコッ
栞子『わ、わかりました……』
しずく(せっかくだし、個人的に楽しんじゃおう♪)
しずく「……」ワクワク
栞子『こ、こう、ですか?』クイッ
しずく「っ!!」
しずく(やばい!!まるで本当に男の人に口説かれてるみたいっ!!愛さんやせつ菜さんもやばかったけど、栞子さん、いや、枝雄さんはもっとやばいっ!!)ゾクゾクッ
しずく「いい!!すごく、いいよっ!!」
栞子『よ、良かったです……」
しずく「じゃあ次は、その体制のまま、私の耳もとで、愛を囁いて?」
しずく「『愛してるよ、しずく』って!」ニコニコ
栞子『ええっ!?役名とかじゃなくて、ですか?』
しずく「いいからいいから♪」
しずく(こんな機会滅多にないからね!)ソワソワ
栞子『じゃ、じゃあ……』スッ
しずく「……♪」ワクワク
栞子『あ、あい……』
ランジュ「WAWAWA忘れ物~♪」ガラガラ
しずく「あ」
栞子『えっ?』
ランジュ「っ……!?」
ランジュ「こ、これって……」
しずく(ま、まずい!!ランジュさん、栞子さんの男装にまた怒って……!!)ゾワッ
しずく「ち、違うんです!ランジュさん!」アセアセ
ランジュ「!!……ち、違うって……?な、何が……?」
しずく「またランジュさんを騙そうとしたとかではないんです!」
ランジュ「…………え?」
しずく「私の演劇の練習の男役として栞子さんに手伝ってもらってたんです!」
ランジュ「…………演劇!?」
ランジュ「え?…………ああ~っ!!そ、そういうことだったのねっ!!それで栞子は昨日、男装してたのね!!」アセアセ
しずく「はい……何度も戸惑わせて、本当にすみません!ランジュさん!」
ランジュ「無問題ラ!事情は分かったし、気にしないで!」
栞子『本当に毎度、申し訳ありません!ランジュ!』
ランジュ「えっ……///」ドキッ
栞子『ランジュ?』
ランジュ「だ、だから、そのことはもういいったら!」プイッ
栞子『あ、はい……』
栞子(やっぱり、まだ怒ってるのでしょうか……)シュン
ランジュ(どうして……栞子に、枝雄の声で話しかけられただけで、こんなにドキドキするのよ……枝雄の正体は栞子だって、もう、わかっているはずなのに……///)
ランジュ(……それだけじゃなくて、さっき栞子としずくを見た時……アタシの胸が、一瞬チクって……アタシったら、いったい何を考えてるのよ……!)
しずく「……」
しずく(ランジュさん……もしかして……)
しずく「あ……そうだね!じゃあまずこの台本の1ページからやっていこうか」
栞子『えっ……』
栞子(では、さっきの顎クイは、いったい……)
ランジュ「……ね、ねぇ!二人の演技、ここで見学しててもいい?」
栞子『え?……それは別に構いませんが……』
しずく「はいっ!ランジュさんにも私の演技の評価をいただけると、助かります!」
ランジュ「ま、任せなさい!」
しずく「じゃあ、栞子さんから台詞を読んでくれる?」
栞子『は、はい!……ええっと』
ランジュ「……///」ポーッ
しずく「……」チラッ
しずく(間違いない……ランジュさんは……男装してる栞子さんのことを……)
しずく「栞子さん、ありがとう!次の劇もこれでバッチリだよ!」
栞子「お役に立てたのなら、良かったです」
ランジュ「ええ!しずくは本当に演技が上手ね!悪いところなんて一つもなかったわ!」
しずく「ありがとうございます!ランジュさん!」
ランジュ(とか言いつつ、ずっと枝雄のことを見ちゃってたわ……本当、アタシったらどうしたのかしら……///)
しずく「……そうだ、次のお休み、栞子さんとランジュさんでお出かけするんですよね?」
ランジュ「え、ええ……そうだけど……」
しずく「栞子さん!その時にまた、男装してみない?」
栞子「……」
ランジュ「……」
栞子・ランジュ「「は!?」」
栞子「いやいやいや!何を言ってるんですか!そんなのダメに決まってます!」
しずく「ランジュさん、嫌なんですか?」
ランジュ「え?」
栞子「当たり前じゃないですか!ランジュだって私の男装なんて、もう見たくもないでしょう?」
ランジュ「え、ええっと……」
ランジュ(また、枝雄と、デートできるのなら……///)
ランジュ「アタシは、男装してくれた方が、いいと、思ってる、けど……」ゴニョゴニョ
栞子「え……嘘ですよね……?」
栞子「ちょ、ちょっと待ってください!男装は絶対ダメなんです!」
ランジュ「ど、どうして……?」
栞子「もし、またランジュのファンの方に見られたら、今度こそランジュの彼氏だって誤解されて……!」
ランジュ「そ、それは……私は別に気にしないから……」
栞子「気にしてください!!」
しずく「それについては、考えがあるの!虹ヶ咲の公式SNSがあるのは知ってるよね?」
栞子「え?……まあ、知ってますけど……それが何か……?」
しずく「出かける前に男装した栞子さん、つまり、枝雄さんの写真をUPしておけばいいんだよ!」
栞子「え?」
しずく「そうすればファンの人に見られても、それは栞子さんだってわかってもらえるでしょ?」
栞子「で、ですが……!」
栞子頑張れ
ランジュ「栞子、ランジュに許してもらえるなら、何でもするって言ったわよね?」
栞子「そ、それは…………」ビクッ
ランジュ「……アタシは、もう一度、男装した栞子と……枝雄とデートがしたいの……」
栞子「え?」
しずく「……」
栞子(ランジュ……?いったい、どうしたんでしょう?なぜ、また私の男装を……)
ランジュ「だめ……?」ジッ
栞子「……」
栞子(何にしても、私は断れる立場じゃなかったですね)
栞子「わかりました、ランジュの為でしたら、男装します」
ランジュ「!!……ありがとう、栞子」
しずく「デートの写真、いっぱい送ってくださいね!」ニコッ
栞子「送りませんよ?」
ランジュ(ごめんね、栞子……でも、また枝雄と一緒に過ごしたら、アタシの気持ちの整理がつくような気がするの……)
クソワロタ
これは惚れる()
しずく「はい!メイク完了!」
栞子「あ、ありがとうございます……お休みの日にまで……」
しずく「ううん!私が提案したことだから!」
栞子「そういえば……どうしてランジュは、私にまた、男装してほしかったんでしょうか……」
しずく「え?」
栞子「私が男装したことに対して、あんなに怒っていたのに……」
しずく「……栞子さんは、どうしてランジュさんが怒ったんだと思う?」
栞子「それは当然、ランジュの事を騙したから……」
しずく「私はそれ以上に、原因は枝雄さんにあると思うの」
栞子「枝雄に……つまり、私の男装が気持ち悪かったとか、ですか……?」
しずく「ううん、逆だよ?栞子さんの男装が、カッコ良すぎたってこと!」
栞子「?」
しずく「演劇の練習で枝雄さんを間近で見たけど、あのカッコよさなら女の子にモテるだろうなって思ったよ」
栞子「も、モテる……!?」
しずく「私は枝雄さんの正体が栞子さんだってわかってたけど、もし知らなかったら惚れてたかも!」ニコッ
栞子「だ、だから、大げさですよ……」テレテレ
しずく「……つまり、ランジュさんも、そんな枝雄さんに惚れちゃってたんじゃないかって思ってね」
栞子「え!?」
栞子「で、ですが……正体が私だってわかった今でも、もう一度あの姿を見たいなんて思うでしょうか?」
しずく「私もそう思ったんだけど……こないだ演劇の練習をしてる枝雄さんを見るランジュさんの目がうっとりしてたのを見ちゃったんだ」
栞子「……!!」
栞子(ランジュが、枝雄の姿に?)
しずく「うん……だから、ランジュさんは枝雄さんと、もう一度デートしたいんじゃないかなって思って、男装を提案したの」
栞子「……そう、だったんですね」
しずく「憶測で余計なことして、ごめんね」
栞子「い、いえ…………あ……私、そろそろ行かないと」
しずく「うん!……行ってらっしゃい、栞子さん」
栞子「行ってきます」
バタン
栞子(ランジュは、枝雄の姿の私を……本当の私よりも気に入ってるってことなんでしょうか……?)
栞子「……」ズキッ
栞子(なんでしょう、この、胸の痛みは……)
遅筆ですみません!
乙です
ちょっと栞子似(?)のイケメン男だからじゃなくて栞子だからこそ惚れていてほしい栞子は
せつない🥲
栞子『ええっと……』
栞子(集合場所は、ここで合っていますよね……?)
ランジュ「對不起!遅れたわ!」スッ
栞子『あ、いえ……私も今来たところで……』
栞子(あれ……?ランジュ、いつもより粧し込んでいるような……)
栞子『ランジュ、今日は一段と可愛いですね』
ランジュ「なっ……///」ドキッ
栞子『え?』
ランジュ「あ、ありがとうっ……///その、栞子も、とても似合ってるわよ?」
栞子『あ……その、ありがとうございます……』
栞子(男装が似合っていると言われるのは、なんだか複雑ですね……)
栞子『なんでしょうか?』
ランジュ「栞子のこと、今日一日、え、枝雄って、呼んでもいい?」モジモジ
栞子『……』
ランジュ「あ……やっぱり、駄目かしら……?』
栞子『いえ……今日はランジュの言うことをなんでも聞くと言いましたし、構いませんよ?』
ランジュ「!!……きゃあっ!!ありがとう、枝雄!!」
栞子『……』
栞子(しずくさんが言ってた通り、ランジュは枝雄である私のことを、特別気に入ってるんですね……)
ランジュ「ここって……」
栞子『しずくさんが侑さん達と来て、楽しかったと聞いていましたので、私も行ってみたかったんです』
ランジュ(そういえばあの時……しずく達とここのスクールアイドル記念館で偶然会ったわね……)
栞子『あの……不満でしたか……?』
ランジュ「ううん!アタシも、ここで誰かと一緒に遊んでみたいと思ってたの!」
栞子『それは良かったです!』
ランジュ(あの時のアタシは一人ぼっちだったけど、今日は枝雄と一緒だものね……///)
栞子『ではさっそく、遊園地を楽しみましょう!』
ランジュ「ええ!」
ガタン ガタン
ランジュ「まずはジェットコースターね!」ワクワク
栞子『は、はい……』ドキドキ
栞子(どうしましょう、思ったより高いです……)
ランジュ「枝雄、どうしたの?」
栞子『い、いえ……何でも……』
栞子(しかし、今の私は枝雄です。ビビッてカッコ悪いところを見せるわけには……)
栞子『あっ……』
ゴオオオオオオオオオオオオ
・・・・・・
ランジュ「きゃあっ!楽しかったわ~!」ルンルン
栞子『そ、そうですね……』ズーン
ランジュ「ねぇねぇ!次はあれに乗らない?」
ランジュ「きゃあっ!!いい眺めね~!!」
栞子(ジェットコースターに続いて……こ、こんな高いところまで……)クラクラ
ランジュ「ん……枝雄?どうしたの?」
栞子『ランジュ……』フラフラ
ギュッ
ランジュ「えっ……!?///」
栞子『すみません、少しの間だけ手を繋いでいてもいいですか……?」
ランジュ「あ、え、ええ……///」ドキドキ
栞子(うう……私ったら、頼りないですね……)
♪~
栞子「ふぅ……」
栞子(ようやく心が落ち着ける場所に来れました……)
ランジュ「……」ジーッ
栞子『……ランジュ?どうしました?』ニコッ
ランジュ「えっ、な、なんでもない……///」
ランジュ(さっき、どうして枝雄は手を握ったのかしら……ドキドキが止まらないじゃない///)ドキドキ
ランジュ「うう……」プルプル
栞子『ランジュ、怖いんですか?』
ランジュ「え?ら、ランジュ、お化けくらいへっちゃらよ!?」
お化け「ばぁ~!」
ランジュ「きゃあああああああ~!!」ダキッ
栞子『あっ…』
ランジュ「え……あ……對不起っ!!……///」
栞子(ランジュがお化けで怖がるなんて、意外でした……でも)
栞子『可愛らしいところも、あるんですね』ニコッ
ランジュ「なっ……か、可愛いだなんて……そんな……///」ボンッ
栞子『ふふっ……』
お化け「………………」(さっさと行ってくれないかな……)
ランジュ「それそれ~!」クルクル
栞子『……』ジーッ
栞子(そういえば昔もよく、ランジュとは二人で遊んでいましたよね……思い出しました……)
ランジュ「ん?どうかしたの?」
栞子『いえ、やっぱりランジュと一緒だと、どこにいても、楽しいなと思いまして!』ニコッ
ランジュ「えっ!?……えっと……///」ドキドキ
ランジュ(も、もう!何なのよ!さ、さっきからドキドキさせられっぱなしだわ……///)
栞子『ん?ランジュ……なんだか顔が赤いような……』
ランジュ「なっ……!なんでもないわよぅ~!」クルクルクルクルクルクル
栞子『え?……あっ……ちょっと……!!』
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
・・・・・・
ランジュ「だ、大丈夫?枝雄……」
栞子『は、はい……』ズーン
栞子(こういうところも、昔のままですね……)
【観覧車】
栞子(そんなこんなで、遊園地を1日中楽しみ続け、あっという間に夕焼けが見えてきました)
ランジュ「今日は本当に楽しかったわ!」
栞子『はい!私もです!』
栞子(一度はランジュを怒らせてしまい、どうなるかと思いましたが……こうやって一緒に遊ぶきっかけになったのなら、良かったです)
ランジュ「あのね、枝雄」
栞子『はい』
ランジュ「今日一日、枝雄として過ごしてくれたおかげで、気持ちの整理がついたわ」
栞子『気持ちの整理……ですか?』
ランジュ「枝雄……あなたに、伝えたいことが、あるの……」
栞子『伝えたい……こと』
ランジュ「アタシ……アタシね……///」ドクン ドクン
栞子『はい……』
ランジュ「枝雄のことが……好き!!」
栞子『?……はい、私も好きですよ』ニコッ
ランジュ「っ……え!?///」
ランジュ「ち、違うのっ!!栞子のことじゃなくてっ!!」
栞子『え……?』
栞子(私のことじゃ……ない……?)
ランジュ「その……アタシ、枝雄と初めて会った時から、好きだったの……一目惚れだったの」
栞子『え……一目惚れ……?』
ランジュ「だから、枝雄のことが、栞子だと知った時、本当にショックだった……アタシの初恋だったから……」
栞子『っ!!……』
栞子(本当にランジュは……枝雄である私に、恋をしていたんですね……)
ランジュ「無問題ラ!そのことだったら、今日でチャラだっていったじゃない?」
栞子『ですが……』
ランジュ「うん、ちゃんとわかってる、枝雄という人間がいないって、あなたは栞子なんだって」
栞子『……』
ランジュ「だからアタシは今日この恋を終わらせて、前に進みたいと思ったの……いつまでも存在しない人を想い続けるわけには、いかないもんね」
栞子『……』
ランジュ「枝雄!最後にあなたとの最高の思い出ができて、良かったわ!」ニコッ
栞子『ランジュ……』
【駅前】
ランジュ「今日はアタシの我儘に付き合ってくれて??ね!」
栞子『いえ……ランジュの為でしたら……』
ランジュ「じゃあ……枝雄としては、本当にお別れね……」
栞子『はい……明日から、私は、栞子です……』
ランジュ「枝雄……拜拜っ!!」チュッ
栞子『っ……!?///』
ランジュ「っ……///」ダッ
栞子(私の頬に軽くキスした後、ランジュは駆けていきました)
栞子『……』
栞子(私では、ランジュの気持ちに、答えられなかったんでしょうか……答えられるわけないですよね……だって……だって私は……)
スチャッ
栞子「枝尾ではなく、栞子なんですから……」
訂正します
>ランジュ「今日はアタシの我儘に付き合ってくれて??ね!」
ランジュ「今日はアタシの我儘に付き合ってくれて謝謝ね!」
>栞子「枝尾ではなく、栞子なんですから……」
栞子「枝雄ではなく、栞子なんですから……」
【数日後/スクールアイドル同好会】
せつ菜「では皆さん、そろそろ休憩にしましょうか!」
栞子「ふぅ……」アセアセ
ランジュ「はい、栞子!お水!」
栞子「あ、ランジュ……」
ランジュ「ん……?」
栞子「……いえ、ありがとうございます!」ニコッ
ランジュ「別客氣!」スッ
栞子(あれから、ランジュは何事もなかったように、すっかり元に戻りました……しかし、私の中では、少し変わったこともありまして……)
侑「栞子ちゃん、頑張ってるね!」
栞子「はいっ!スクールアイドルとして、一つ目標が出来たので、それに向かって頑張ろうかと!」
侑「へぇ~!どんな目標?」
栞子「そうですね……自分自身を……超えることでしょうか?」
侑「え……?」
栞子「あ……はい……」
せつ菜「私も負けませんよ!栞子さんっ!!」
ランジュ「何の話してるの?」
侑「うん、栞子ちゃん最近頑張ってるなって!」
ランジュ「そうね!最近は特にパフォーマンスが上達したんじゃないかしら?」
栞子「……ありがとうございます、でもまだまだですよ」
ランジュ「そう?」
栞子「はい、いつかは私のパフォーマンスで……」スッ
ランジュ「?」
栞子「ランジュのことを惚れさせてみますから」ボソッ
ランジュ「えっ!?……し、栞子……///」ドキッ
栞子「だから……その時まで待っていてくださいね、ランジュ」ニコッ
おしまい
これはぴ
お疲れ様でした
初心なランジュ可愛かった
良かったぞ
また書いてくれよな
素敵なSSをありがとう
っぱ幼馴染よ
しおラン感謝
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