すみれ「恋って……意外とバカ舌よね」恋「はい??」
すみれ「そうね」
恋「わぁ~……!すごいです!まるで海外の美術館みたいです!」
すみれ「そうかもね」
恋「すみれさん!すみれさん!見て下さい!ミラノ風のドリアが、なんとたったの300円!」
すみれ「ふーん」
恋「ん~!それに味もとっても美味しいです~!」モグモグ
すみれ「……」
恋「はい?」
すみれ「その……実はこの前からずーっと気になっていたのだけど」
恋「はい」
すみれ「恋って……意外にバカ舌よね」
恋「……?」
すみれ「自分のこと安売りしすぎじゃない?あなた一応いいとこのお嬢様なのよね?」
恋「ええ。私、こう見えて資産家の娘なのですよ。えっへん!」ドヤァ
すみれ「そういうところよ」
恋「えっ?」
すみれ「Liella!はショービジネスの世界で輝くスターなのよ?イメージ損ねられると、私としても困るんだけど」
恋「はぁ……」モグモグ
恋(ん~、ミラノ風ドリア美味しいです~♪)
すみれ「……」
すみれ(こいつ、食べるのに夢中で私の話ぜんっぜん聞いてないわね……)
恋「立ち振る舞い、ですか?」
すみれ「いつ誰に何を見られてるかなんてわからないから、普段の所作から気を付けなさいってこと」
すみれ「じゃないと……ファンが全員いなくなっても知らないわよ?」
恋「へっ!?」
恋(ふ、ふぇぇぇぇ!!?)
恋「……」
恋(ぅ、ぅぅぅ……)
恋「……」
恋(こ、困りますっ。ファンの方がいなくなってしまうのは困ります)
恋(私、ただでさえ人気が低い方なのですからっ、これ以上ファンの人数が少なくなってしまっては困るのですっ。ぅぅぅぅ……)
恋「はぅぅ……」
恋(いったいどうしたら……)
すみれ『まずはサイゼのご飯なんかで喜ばないこと。価値の低い女だと思われるわよ』
恋『はぁ……』
すみれ『感情をいちいち表に出すのもダメ。いつもクールに。それから身に着けるものは出来るだけブランド品で固めるとか……とにかくあなた、お嬢様なのよ。そこのステレオタイプは崩さないでよね』
恋「……」
恋(なるほど……)
恋(確かに、そっちの方が高貴なお嬢様っぽく見え……)
かのん「あっ、恋ちゃん!」
恋「かのんさん」
かのん「見て見て恋ちゃん!今日ね、私、自分でお弁当作って持ってきたんだ!じゃじゃーん!」
恋「まあ。すごいですね、手作りだなんて」
かのん「でしょでしょ!えへへ、この卵焼きとか自信作なんだ~!食べる?」
恋「い、いいのですか!?」
かのん「うん!はい、あーん!」
恋「あーむっ」
パクッ!
恋(もぐもぐ……)
恋(うぅぅぅ。おいしぃ……)
かのん「どうどう!?美味しい!?」ズイッ
恋「なっ!?」
恋(ぅ、ぅぅぅ……)
恋「お、おい……」
かのん「おい……?」
恋「おい……しくないですっ!!////」
かのん「え゛!?」
かのん「えぇ~!?」
恋「それに卵焼きくらいなら私にだって作れますっ!!いちいちそんなことで自慢なんてしないで下さいっ!!////」プイッ
かのん「そっかぁ、結構自信作だったのになぁ……」
恋「ぅ、ぅぅぅぅ……/////」モグモグ
恋(美味しいですっ……/////)モグモグ
かのん「ん~……」
かのん(何がいけなかったんだろ。恋ちゃんもっとしょっぱい卵焼きの方が好みだったとか……?)
恋「ぅぅ……////」モグモグ
かのん「……」
かのん(むぅ、せっかく恋ちゃんの好みっぽくなるような卵焼き、作って来たつもりだったのに……)
かのん「恋ちゃん!」
恋「今度は何ですか?」
かのん「今日はね、ピーマンの肉詰め作って来たの!じゃじゃーん!」
恋「ふぇっ!?」
かのん「昨日のリベンジだよ!」
恋「ぅ、ぅぅ……」
かのん「食べて食べて!あーん!」
恋「あ、あーんっ……」
パクッ!
恋(もぐもぐ……)
かのん「どう、今度こそ美味しい?」
恋「お、おい……」
恋(美味しい……////)
恋「おいしっ……やっぱり美味しくないですっ!!/////」プイッ
かのん「え゛!!?」
かのん「むぅ~……じゃあこっち!はい!おにぎり!」
恋「ふぇぇぇ!!?」
かのん「これならシンプルだし素材の味が活かされてるでしょ!食べて!!」
恋「ぅ、ぅぅぅぅ……////」
パクッ!
恋(はむはむ……)
かのん「どう?これなら美味しいって
恋「美味しくないですっ!!////」
かのん「ええええっ!!?」
かのん「むぅ~っ……!!じゃあイチゴ!イチゴなら恋ちゃん大好物でしょ!あーんっ!!」
恋「あーんっ」
パクッ!
かのん「どう!?今度こそ美味しいって
恋「美味しくないですーっ!!」
かのん「え゛!?」
恋「高級感が足りてないですっ!!私は一流の果物でないと満足できないのですーっ!!/////」
かのん「むーっ……!!」
かのん「恋ちゃんもしかして誰かに変なこと吹き込まれてる?」
恋「ふぇっ!?」
かのん「私の手料理美味しくないって言え、って言われてるでしょ」
恋「ふぇぇぇ!!?」
かのん「じーっ……」
恋「ぅ、ぅぅ……」
かのん「じーっ……」
恋「ぅぅぅぅぅ……////」
かのん「……」
恋「……/////」
かのん「……」
恋「ぅ、ぅ……嘘をついてるわけでは
かのん「やっぱり恋ちゃん嘘ついてるーっ!!」
恋「ふぇぇぇぇ!!!?////」
かのん「言って!!私、その子に文句言ってくるからっ!!」
恋「ぅ、ぅぅぅ……い、いやですっ/////」
かのん「もしかして名前、言えないの!!?恋ちゃん私の言うこと聞けないの!!?」
恋「ぅぅぅ……////」
かのん「だったら代わりに恋ちゃんに文句言うだけなんだからね!!白状しなかったら恋ちゃんがひどい目に遭うだけなんだからね!!」
恋「ぅ!?ぅ、ぅぅぅ~っ!!/////」
恋(いやですっ!!私がひどい目に遭うなんて絶対いやですーっ!!/////)
かのん「恋ちゃんがお嬢様っぽくないって言われた?すみれちゃんに?」
恋「はい……」
かのん「……なんで?」
恋「それは、私が簡単に色々な物を美味しいって言うから……」
かのん「え?」
恋「だってぇ~!!サイゼリヤに言った時に言われたのですーっ!!ファミリーレストランでいちいちはしゃいでるなんてお嬢様っぽくないって言われたのです~っ!!」
かのん「ま、まあ確かに。恋ちゃんはところどころお嬢様っぽくないなぁとは思うけど……」
恋「ほらやっぱりぃ~っ!!もう絶対浮かれたりなんてしませんっ!!私何があっても絶対に感情を表にしたりなんてしませんーっ!!////」プイッ
かのん「えぇ~?」
恋「う、うぅぅぅ~っ!!!////そもそも私はれっきとしたお母様の娘なのですっ!!箱入り娘なのですっ!!私の言動で大切なお母様や学校のイメージまで損なうようなことがあっては
かのん「いや、誰が何を好きかなんてその人の自由だと思うけど……」
恋「えっ?」
恋「い、いいのですか……?」
かのん「うん。自分の好きの気持ちに、嘘なんてつかない方がいいと思う」
恋「ほ、本当ですか!?」
かのん「うん」
恋「では、私のことを嫌いになったり、人気が低下したりとかもしませんか……?」
かのん「しないよ。ファンの人たちだって絶対わかってくれる」
かのん「本当だよ。ありのままお恋ちゃんが一番可愛いよ」
かのん「だから恋ちゃん、好きなものは好きってちゃんと私に教えて?」
恋「わ、わかりました!では……」
恋「では……!!わ、私がニンニクチョモランマヤサイマシマシアブラカラメオオメを好きになっても全く問題がないということですね!?」
かのん(えっ!?)
かのん「れ、恋ちゃん!?もしかしてその呪文みたいな言葉って……」
恋「最近教えてもらったラーメン店ですっ!スープの刺激と脂っぽさが最高です~!はわぁ~♪」
かのん「えっ!?えぇぇぇ~!!?」
お恋ちゃんで草
千砂都「豚の餌?」
かのん「次郎系ラーメンのこと!!あんなの食べたらブタみたいになる
可可「ぎくっ!?」
かのん「……」
可可「あ、あははは……」
かのん「可可ちゃん!!」
可可「ひぃぃ!!?」
かのん「可可ちゃんでしょ!!恋ちゃんに濃いラーメンの味なんて教え込んじゃったの!!」
可可「はぇぇぇ!!?」
かのん「だめっ!!」
可可「えっ!?」
かのん「だめーっ!!」
可可「あいぇぇ!!?」
かのん「恋ちゃんは味の濃い食べ物食べちゃダメなのーっ!!恋ちゃんの舌は赤ちゃんレベルなんだからーっ!!」
可可「デ、デスが
かのん「赤ちゃんに濃い味付けのもの食べさせちゃダメなの知らないの!!?この先の味覚の形成にも関わるんだからっ
恋「ん~、この背脂ぎたぎた豚骨ラーメンもすっごく美味しいです~♪」
かのん「ってだめっ!!恋ちゃんラーメンばっか食べてちゃだめーっ!!そんなもの好きになっちゃ絶対だめーっ!!」
恋「ふぇっ!!?で、でもっ!!かのんさんさっきは好きなものは好きなままでいいって
かのん「ダメなものはダメなのーっ!!」
恋「ふぇぇぇ!!?////」
恋「ふ、ふぇぇぇ!!?う、うぅぅぅ~っ!!そんなの理不尽ですーっ!!」
かのん「いいの!!恋ちゃんの味の好みはちゃーんと私がお世話しなくちゃだからいいのーっ!!」
恋「いやですっ!!私はれっきとした大人のお嬢様なのですっ!!もう赤ちゃんではないのですーっ!!お世話なんてしないで下さいーっ!!/////」
かのん「むっ……」
恋「ぅぅぅ……////」
かのん「むぅぅぅ~!!」
恋「う、うぅぅぅ~……!!/////」プクッ
結局この後みんなにお世話されることになりました
ʃt(c ´ ᴗ ` ))♪ モグモグ
この値段でこのクオリティは中々やるわよねって
可可ちゃんさぁ……
それはそうとなんとなくあのめんどくさい桜内と曜ちゃんのやつに近いものを感じたんだけどもしかして同じ人?
こういうのでいいんだよこういうので
コメント