ミニナッツ「ナッツ―!ナッツ―!」きな子「あ、捨てCEOっす」
きな子「最後まで責任をもって面倒を見る覚悟のない人には飼ってほしくないっす」
きな子「こんなにかわいいのに」ナデナデ
ミニナッツ「にゃはっ!」
きな子「ふふ」ニコッ
きな子「……飼ってあげたいっすけど、きな子はアパート住みだから飼えないっすね」
きな子「いい人に拾われるんすよ……」ウルウル
ミニナッツ「……?」
きな子「……」ナデナデ
ミニナッツ「にゃはっ!」
きな子「っ! ごめんなさい!」ダッ
ミニナッツ「ナッツ!ナッツ!」
ミニナッツ「ナッツ……」シュン
きな子「あんなにかわいいんだから誰か拾ってくれるっすよね……」
きな子「でも、飼えもしないのに、話しかけちゃうなんてきな子も同罪っす……」
きな子「なでた時、あんなに嬉しそうだったのに、離れた時しゅんってして……」
きな子「きな子があの時話しかけなければ、あんな寂しい思いをさせなくて済んだのに……」
きな子「あ、雨──」
きな子「っ!」ダッ
きな子「ミニCEO!」
ミニナッツ「ナッツ……?」
きな子「きな子はあなたのこと飼うことはできないっすけど、でも──」
きな子「飼ってくれる人が見つかるまで、うちにくるといいっす」スッ
ミニナッツ「ナッツ!」パアアアアアア
ミニナッツ「ナッツ―!」スリスリ
きな子「飼い主が見つかるまでっすよ、ちゃんとわかってるんすか?」ナデナデ
ミニナッツ「ナッツ―!ナッツ―!」
きな子「ほら、体拭くっす」タオルファサッ
ミニナッツ「ナッツ!?」ジタバタ
きな子「もう、何してるんっすか」クスクス
きな子「仕方ないからきな子が拭いてあげるっす」
ミニナッツ「ナッツー!」
きな子「この子人懐っこいっすね」フキフキ
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「今お風呂入れてくるからちょっとだけまってて欲しいっす」
ミニナッツ「!」
ミニナッツ「ナッツー! ナッツー!」タタタタッ
きな子「つ、ついてこなくていいっすよ」アセアセ
きな子「もしかして、きな子がどこかに行っちゃうと思ったんすか?」
ミニナッツ「ナッツ……」ギュッ
きな子「……仕方ないっすね」
きな子「肩、乗っていいっすよ」ヒョイッ
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「うっ、結構重いっす……」
ミニナッツ「っ! ナッツー! ナッツー!」ポカポカ
きな子「わ、悪かったっすー、軽いっす!」
きな子「お風呂は沸いたっすけど、これじゃあなっちゃんが入れないっすね」
きな子「湯船が深くて溺れちゃうっす……」
ミニナッツ「ナッツ?」キョトン
きな子「あ、ナッツーって鳴くからなっちゃんっす」
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「気に入ってくれたみたいでなによりっす」ナデナデ
きな子「でも、お風呂は困ったっすね……」
ミニナッツ「ナッツー!」ユビサシ
きな子「洗面器っすか?」
きな子「確かにちょうどいいサイズっすね」
きな子「ここにお湯を汲んで──」
きな子「なっちゃん専用お風呂っす♪」
ミニナッツ「ナッツ!」
ミニナッツ「!」ササッ
きな子「あ、逃げるなっす!」
ミニナッツ「ナッツー!?」
きな子「捕まえたっす!」
きな子「綺麗にしてあげるからちょっと我慢するっす!」
ミニナッツ「ナッツ……」
きな子「聞き分けのいい子は大好きっすよ」
ミニナッツ「ナッツ……」
きな子「やっぱりお風呂はいいっすねー、極楽っすー」チャプン
ミニナッツ「なっつぅ……」トロン
きな子「なっちゃんもお風呂好きっすか?」
ミニナッツ「ナッツ!」
きな子「お風呂が好きなら身体洗うのにも慣れないとっすね」ニコッ
ミニナッツ「ナッツ……」
きな子「少しずつ慣れていけばいいっすよ」ナデナデ
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「ふふ」
きな子「さて、ご飯にするっす!」
きな子「なっちゃんってなにが好きっすか?」
ミニナッツ「ナッツ!」
きな子「ナッツはないっすね」
きな子「ナットゥーならあるっすけど、なんちってー」テヘッ
ミニナッツ「ナッツ! ナッツ!」キラキラ
きな子「え、納豆好きなんすか?」
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「やっぱり変わった子っすねぇ……」
ミニナッツ「ナッツー!」
きな子「まずはタレをかけて──」
ミニナッツ「ナッツ!」ブッブーデスノ
きな子「えっ」
ミニナッツ「ナッツ!」グルグル
きな子「先に混ぜろって?」
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「こだわりの強い子っすねぇ……」マゼマゼ
納豆は先に混ぜるっと良いってテイルズで知ったな
ミニナッツ「ナッツー!」
ミニナッツ「にゃは!」モグモグ
きな子「いい食べっぷりっすねー」
きな子「おいしいっすか?」ニコニコ
ミニナッツ「ナッツ!」
きな子「それはよかったっす」
きな子「なんだかきな子も、なっちゃんと一緒に食べるといつもより美味しい気がするっす」
ミニナッツ「にゃはっ」
きな子「よく噛んで食べるっすよー」ニコニコ
ミニナッツ「ナッツ!」モグモグ
きな子「うーん、なっちゃんの寝床はどこにするっすかねー……」
ミニナッツ「ナッツ!」ギュッ
きな子「一緒に寝たい?」
ミニナッツ「ナッツ!」
きな子「なっちゃんがそれでいいならいいっすけど」
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「それじゃあ、一緒に寝るっす」
ミニナッツ「ナッツ!」
ミニナッツ「なっつぅ……」ウトウト
きな子「もうお眠っすか?」
きな子「……そっか、外じゃあんまりゆっくり寝れなかったっすよね」
きな子「ゆっくりおやすみっす」ナデナデ
ミニナッツ「なっつぅ……」スヤスヤ
きな子「ふふ、寝顔もかわいいっすね」
きな子「おやすみなさい、なっちゃん」
翌日
きな子「それじゃあ、練習行ってくるからいい子で待ってるっすよ」
ミニナッツ「ナッツー! ナッツー!」ポロポロ
きな子「やっぱりダメみたいっすね……」
きな子「かと言って連れていく訳にも──」
ミニナッツ「……」ウルウル
きな子「……練習中おとなしくできるって約束できるっすか?」
ミニナッツ「ナッツ!」
きな子「なら、ついてきていいっすよ」
ミニナッツ「にゃは!」
かのん「おはよう、きな子ちゃん」
きな子「おはようございます!」
ミニナッツ「ナッツー!」
千砂都「え! なにその子!」
可可「カワイイデスー!」
きな子「捨てられてたから、飼い主が見つかるまで保護しようかと」
きな子「捨てられたのがトラウマになってるみたいで、離れると泣いちゃうんすよ」
すみれ「あー、なるほどね……」
恋「家族を捨てるなんてひどいことをする人がいるんですね……」
きな子「そうっすね」
メイ「さ、ささ、触ってもいいか!?」
ミニナッツ「ナッツ!?」
きな子「怖がってるっすね」
メイ「なんでだよ!」
夏美「いや、明らかに危ない人でしたの」
四季「メイはかわいいものが大好きだから」
メイ「そ、そういうんじゃない! 初めてミニナッツを見たから!」
メイ「いや、悪いけどうちじゃ飼えないな、親がミニナッツアレルギーでさ」
四季「残念ながら私もダメ。危ない薬品とかあるし」
夏美「私の家もダメですの。ペットを飼うのは両親が許してくれませんの」
すみれ「神社にミニナッツはよくないって言われてるからうちはダメだし、可可は賃貸、恋とかのんは他の子飼ってるから危ないわよね」
千砂都「うちも日中面倒みれる人がいないからダメかなあ」
きな子「そうっすか……」
きな子「夏美ちゃんとなっちゃんって似てるから大丈夫かと思ったんすけど……」
夏美「全然似てませんの!」
ミニナッツ「ナッツ!」
すみれ「そっくりったら、そっくりね」
かのん「あ、それいいかも!」
恋「校内にも飼い主募集のポスターを貼ってみましょうか」
きな子「あ、ありがとうっす!」
ミニナッツ「ナッツ!」
可可「飼い主見つかるといいデスね」ナデナデ
夏美「こっちはミニナッツじゃなくてオニナッツですの……」ムスッ
可可「アリェ?」
数日後
きな子(恋先輩から貰い手が見つかったって話がきたけど、どんな人っすかね)
きな子(いい人だといいっすけど……)
恋「あ、きな子さん! こちらの方です!」
「你好」
きな子「に、你好っす……!」
きな子(多分外国の方っす……!)
ミニナッツ「……」
「そちらの子がなっちゃん?」
きな子「そうっす!」
「よろしくね、なっちゃん」スッ
ミニナッツ「……」プイッ
きな子「なっちゃん!」
きな子「き、緊張してるのかもしれないっすね」アセアセ
きな子「普段は人懐っこくていい子なんすけど……」
ミニナッツ「……」ツーン
ミニナッツ「ナッツ」フルフル
ミニナッツ「ナッツー」ギュッ
きな子「……最初に言ったじゃないっすか、飼ってくれる人が見つかるまでって」
ミニナッツ「……」
きな子「ほら、行くっす」
ミニナッツ「……ナッツ」テクテク
「きゃあっ!こっちに歩いてきたわ!」
ミニナッツ「……」チラッ
きな子「……」ウルッ
ミニナッツ「……」ウルウル
ミニナッツ「にゃは!」
きな子「……っ!」ニコッ
ミニナッツ「っ!」ダッ
きな子「とってもいい子なので大切にしてあげてほしいっす」
「ふふ、あなたもこの子が大好きなのね」
「任せなさい、ランジュがこの子をきっと幸せにするから」
きな子「お願い、するっす……!」
「それじゃ、いくわよ。なっちゃん」
ミニナッツ「……」ウルウル
きな子「……」ウルウル
きな子「なっちゃん、幸せになるっすよ!」
ミニナッツ「ナッツー!」
恋「あの方ならきっと大切にしてくれますよ」
きな子「そうっすよね……」
きな子「なっちゃん……」ウルウル
夏美「呼びましたの?」ヒョコッ
きな子「夏美ちゃん……」
夏美「……今日くらいはなっちゃんの代わりになってあげますの」
夏美「だから、元気を出しますの」
きな子「……。遠慮するっす」
夏美「ナッツー!?」
きな子「夏美ちゃんは夏美ちゃんだし、きな子は夏美ちゃんのことも大好きっす」
きな子「だから、代わりとかじゃないっす」
夏美「きな子……」
きな子「そうだ。夏美ちゃん、今日家にきて納豆食べるっすか?」
夏美「唐突ですの」
きな子「なっちゃんのためにいっぱい買っておいたんすけど、余っちゃって」テヘッ
夏美「……そういうことならいただきますの」
きな子「そうと決まれば善はいそげっす!」
夏美「あ、ちょっと! 今から行きますの!?」
恋「ふふ、仲良きことは美しきかな、ですね」ニコニコ
きな子「あ、恋先輩も是非!」
恋「それでは、わたくしもお邪魔しますね」
きな子「他のみんなも呼んじゃうっす!」
夏美「いや、納豆どれだけあるんですの!?」
きな子「30パックくらいあるっす」
夏美「買いすぎですの!」
おわり
コメント