【SS】可可「すみれのオーラ?」すみれ「あるったらある!」かのん「そうかなぁ?」【ラブライブ!スーパースター!!】
ちぃちゃんのポーズがアレにちょっと似てると思ったので
————————-
××『〇〇さん、もうやめて!』
〇〇『…手を放して』
××『もうやめにしましょう。…に戻りましょう?』
〇〇『駄目だよ。私は…を倒さなければならない。もっと強くならなきゃならない』
〇〇『強くなって、…を持って帰らなきゃならないんだ』
——————————–
地区予選終了後
スクールアイドル部 部室
千砂都「オーラを察知できるようになったよ!」
かのん「ちぃちゃん!?いきなりどうしたの?」
千砂都「新しいダンスを練習してたらね、近くの人のオーラを察知する型が開発できたんだ」
恋「さすが千砂都さんですね!」
メイ「オーラって、体から出てるっていうエネルギーみたいなやつか?」
四季「そう。私も証明したいと思ってたけど…生身で観測できるようになるなんて、千砂都先輩はすごい」
きな子「千砂都先輩!やってみてほしいっす」
可可「すみれのオーラを測ってもらいまショウ!きっとtiny auraデス!」
夏美「(プッ)それは面白そうですわ!動画のネタにもなりますの!」
すみれ「…あんたたちねぇ~」
千砂都「前からすみれちゃん、自分のオーラの事で落ち込んだりしてたよね」
千砂都「だから測ってみれば、実際どうなのかハッキリすると思ってさ」
すみれ「いや、その型ってのが本当かも分からないのにそう言われてもねぇ」
すみれ「でも、心配してくれてたってなら嬉しいわ」
千砂都「じゃあやってみるよ、みんな少し離れてちょうだい?」
恋「机と椅子を端に寄せましょう」ガタゴト
可可「部室を広げた甲斐がありマシタ」ガタゴト
千砂都「うん、このくらいあればいいかな?じゃあ…」
千砂都「やんちゃモード…」ピョンクルッ スタッ
千砂都「…発動!」
ドンッ!
8人「「!!??」」
千砂都「破壊殺・羅針…!」ズオオオオ
かのん「何か思ってたのと違う~!」
きな子「はかいさつって…」
メイ「全っ然スクールアイドルっぽくない名前…」
四季「でもあの回転ジャンプからの構え…CDCWの千砂都先輩パートの原型…?」
すみれ「あ、見て?床に雪の結晶の紋様が…」
可可「これは、モシヤ…?」
千砂都「昨年の冬…東京大会で負けた悔しさが、このイメージを生んだ」ゴゴゴ
夏美「えぇ…」
千砂都「……」ギロ
千砂都「お前も丸にならないか?」
夏美「え?」(ならないですわ)
千砂都「丸にならないのなら〇す」
夏美「ナッツゥ!?」
可可「ち、チサト!ナッツが涙目になってマス!」
夏美「(ガクガクガク)」
千砂都「…あ、ごめんね?この型を使うと『もっと強くなるよ』って思いがあふれて、ちょっとだけ厳しい性格になっちゃうんだ」
四季(これが千砂都先輩の、本気のダンス…!)フムフム
きな子(これ以上厳しくなったら死んじゃうっす…)
千砂都「じゃあ目をつぶるから、一人ずつ入ってきてね?」メツムリ
すみれ「これは…何かそれっぽくなってきたわね」ドキドキ
???「じゃあ行きます…(小声)」スッ
千砂都「…羅針に反応」
千砂都「オーラの色は薄い緑青色、優れた体幹から来る安定した動き…四季ちゃんだね」
7人「「おお~!」」
四季「…Great!」
恋「これは驚きです!」
メイ「マジかよこの人ぉ!」
千砂都「お、次が来たね」
千砂都「腹に一物ありの狐じみたオーラ、雪を踏みしめるような地を噛んだ歩法…きな子ちゃん」
きな子「ヒエェ~っす!」
千砂都「次は…日曜日みたいな明るい水色、イチから鍛えたダンス用の足取り…可可ちゃん!」
可可「チサト、スゴイヒトチサト…!」
千砂都「鮮やかな赤、猫のような身のこなし…メイちゃん」
メイ「すっげーぜ!千砂都先輩!」
千砂都「ちょっとヘンなピンク色、ポテポテした歩き方…夏美ちゃん」
夏美「あれ(5話ラスト)は腰が痛かったからですの!あとヘンとは何事ですの!」
千砂都「深い青…って回転しながら入ってきたらバレバレだよ、恋ちゃん!」
恋「まあ!//」
千砂都「ちなみにここまでみんな、街を歩いてる大抵の人より大きくて輝きが強いオーラだよ。さすがLiella!メンバーだね!」
きな子「先輩…!(パアァァ」
千砂都「これで残り2人…って」
千砂都「!?…これは……!」ビリビリ
千砂都(このオーラの大きさ、熱量…まぶた越しでも目を溶かされるような…まるで炎!?)
千砂都(いざ実際に測ってみると、これ程…!)
千砂都「かのん…ちゃん」
かのん「すごいよちぃちゃん!全員正解だよ!」
千砂都「こんなオーラの人、間違えたりしないよ…」
千砂都「暴力的な生命力に満ち溢れ、火山から噴き出す岩漿を彷彿とさせる…ぐつぐつと煮え滾り全てを飲み込もうとするオーラ…」
夏美「なんつー表現ですの…」
可可「それだけかのんのオーラが圧倒的ということなのデス」ドヤ
かのん「やだなぁ可可ちゃん、私は別にそういうのじゃないよ」
かのん「…だけど、こんな技まで身につけたちぃちゃんを見て…負けられないって思った!」ズズ…
千砂都「!オーラがさらに…!?」
きな子「…見えるっす!体の皮にもグサグサ刺さってくるっす…!」
恋「きな子さん…!」
夏美「私には見えませんわ…」目パチパチ
メイ「…何かかのん先輩の周りをゆらゆらと…までは見える…かな」
四季「この雰囲気になったかのん先輩は…まさしくBuddha…!」
かのん「…ところでなんだけど」
夏美「え?」
かのん「1年生のみんな、私が銀〇並木をステージに選んだこと、どう思ってるのかなぁって」
メイ「!?」
かのん「もしかしたら、いきなり走り出した上に『どうしたの』とか言ったりしたの、ちょっと変な先輩だと思ったりしてないかなってさ」
四季「………」タラタラ
きな子(こ、頭を垂れて蹲るべきっすかこれ…!)
かのん「実は2年生になってからね…この『オーラ』って言うの?」
かのん「力が溢れてきて、今までよりもっと沢山のものが見えたり聞こえたりするようになったんだ」
夏美「(ダラダラ)」
かのん「変かなぁ?」
メイ(そんなことを私たちに言われても…)
かのん「そうかな?」
メイ「!?(ギクゥ」
メイ(思考が…また読めるのか?)>>4話
メイ(まずい…)
かのん「何がまずいのかな?」
かのん「言って?すぐに直すから…」ゴゴゴ
きな子(ダメっす、お終いっす!)
夏美(思考は読まれ、否定しても適当に流そうとしてもいつの間にか説得されてしまいますわ!)
四季(やっぱり楽しみにしてた夏合宿を1年生だけでやったこと…ちょっと傷ついていた…?)
メイ(このままじゃ、1年生は解体…!)ガクガク
すみれ「かーのーん!」ビシッ
かのん「(ビクッ)あ痛っ!…あれ?私さっきまで…」
すみれ「あんたねぇ、オーラのせいか知らないけど、最近いろんな人に影響をバラ撒き過ぎなのよ」
すみれ「ちょっと羨ましいけど、あまりそういうこと無自覚でやってると…嫌われるタイプになるかもよ?」ニヤニヤ
かのん「だからすみれちゃん、私はそんな…//」
千砂都「はぁ、相変わらずだねぇ…って」メアケ
千砂都「……」ジー
すみれ「?」
千砂都「す、すみれちゃん!?」
すみれ「何よ、さっきからずっといたわよ。かのんと一緒にあんたの羅針の中に入ったんだから」
千砂都「え…?そんな…」
恋「まさか千砂都さん、すみれさんだけは察知できなかったのですか?」
可可「すみれのオーラが無さすぎて、かのんにかき消されてしまったんデスカネ」
すみれ「言い方!」
千砂都「…すみれちゃん以外、ちょっと離れてくれない?」
7人「「はーい」」ゾロゾロ
千砂都「………」
千砂都「馬鹿…な…」
千砂都「オーラが、無い…!」
7人「「えーーっ!?」」
すみれ「」
千砂都「オーラが無い人間なんて、一度も見たことないよ…」
千砂都「赤ちゃんにすら、薄い闘気があるんだよ?」
夏美(そんなことを私たちに言われましても…)
きな子(ついに闘気とか言い出したっす…)
千砂都「まさか、これがかのんちゃんと私が求めていた『至高の領域』…『無我の境地』なの?」
かのん「そんな目標初めて聞いたんだけど!?」
すみれ「あ、赤ちゃん以下…」ボーゼン
可可「すみれ…」
恋「オーラがどのくらいか測ってみようとしたのに、まさか『無い』なんて…」
メイ「さすがに気の毒だぜ…」
夏美「これでショウビジネスがどうとかお笑いですわ!仕方がないからこの私がすみれ先輩の卒業後も…その、サポートしてあげなくもないですわ!(早口」
きな子「夏美ちゃん?」ゴゴ…
夏美「ちょ…さっそくオーラ?で威圧しないでくださいですの!」
千砂都「すみれちゃん…もしかして何か特別な訓練をしてない?」
千砂都「神社に代々伝わる神楽を一晩中舞い続けるとかさ」
すみれ「あんた、うちの神社を何だと思ってるのよ」
千砂都「家族は?お父さんが病弱で植物みたいだけど熊の首を刎ねたりとか」
すみれ「健康よ!それに熊なんて出ないっての」
千砂都「じゃあ、どうして…」
すみれ「…あ、でも家族っていえば…」
可可「何か思い出したのデスカ?」
かのん「そうだね、やっぱり何かがあるんだよ!」
すみれ「昔、妹…ちみれが熱を出して寝込んだ時、心配でずっと手を握って…そのまま寝落ちしちゃって」
夏美(…優しいですの)
可可(優しいデス)
かのん「………」
すみれ「一晩経ってちみれはすっかり良くなったんだけど、それが偶然神社に伝わる儀式に似てる手のつなぎ方とか体勢だったみたいで」
すみれ「お母さんに、もうやってはダメよって言われたことがあったわ」
千砂都「…ちみれちゃんは、どのくらい悪い状態だったの?」
すみれ「そうねぇ…心拍数は200を超え、さらに体は燃えるように熱く…」
すみれ「体温は39度以上だったって、医者は言っていたわ」
四季「それはかなり重篤な数値…!」
夏美「それが儀式に似てる何かで治ったというんですの…?」
かのん「…全然関係無いんだけどさ」
可可「エ?」
かのん「すみれちゃんの変な儀式好きは、家系のせいだったんだね!」
すみれ「うるさい!」
かのん「本当の儀式は『継いでくれわしの意思をー!!』とか叫んでやるんでしょ?」キャッキャッ
四季「何かかのん先輩、機嫌がいい」
かのん「そ、そうかな?//」
メイ(ツボが分かんない人だな…)
きな子(やっぱり変な先輩っす…)
千砂都「ダンスのために色んな呼吸法を勉強したけど…」
千砂都「チベットの方には深仙脈…何とかっていう『自分のオーラを分け与える技』があるって聞いたことがあるよ」
夏美「…勉強熱心ですわね」
四季「これがLiella!のダンススター…」
恋「それと仮定すると、すみれさんのオーラは全部妹さんに移ってしまったままという事ですか」
メイ「呼吸ってすげーな」
きな子「きな子も北海道で生きていくために、お父さん達から呼吸法を色々教わったっすよ」
夏美「北海道ってすごいですわね」
可可「ヨカレと思ってやったコトが、ちょっと違う結果になるのはすみれらしいデス」
すみれ「ん~…」
すみれ「確かに、子役のショーゥビジネス活動があまり上手く行かなくなったのは、それからだったような…」
すみれ「何かのせいにしちゃいけないんだけどね」ハァ
かのん「じゃあ確かめてみようよ!ちみれちゃんに会ってさ!」
すみれ「え?」
可可「ククもちみれに久しぶりに会いたいデス」
千砂都「だね、せっかくだから行けるとこまで調べてみようよ」
恋「決まりですね!これからすみれさんの神社に行きましょう」
7人「「おー」」
かのん「あ、夕方の店番代わってもらうのありあに連絡しなきゃ」スマスマ
恋「…サヤさんに連絡しておかないと」スマスマ
千砂都「……」
すみれ「…別にいいけど、妹にヘンなこと吹き込まないでよね」フゥ
Liella!コソコソ話
千砂都の技は、これまでの鍛錬と偶然見つけた書物により習得したものです。
書物には迫力ある挿絵が載っていますが、具体的にどのような技なのかよく分からないものも多く、苦労したようです。
すみれの家への帰り道
かのん「ねぇねぇすみれちゃん、妹さんってどんな子なの?」
すれみ「あぁ、会ったことないんだっけか。…あの時も怒って中に引っ込んじゃったしね」
きな子「すみれ先輩と可可先輩が見つめ合って抱き締め合った時っすね?」ニヤニヤ
四季「はっきり覚えてる。とても素敵だった」フフッ
夏美「…お二人ともヘンでしたの」ジト
可可「や、やめるデス…」アワアワ
すみれ「何でその話になるワケ!?」アワアワ
千砂都「後輩に気を遣われ、かのんちゃんを泣かせてキレられ」ニコニコ
恋「それでも、可可さんの帰国を認めぬ情深さ」ウットリ
クゥすみ(生 き 恥 //)
かのん「…ねぇってば!すみれちゃん!」ドゴドゴ
すみれ「ちょっと、体当たりしないでってば!」
可可「ち、ちみれはデスネ、すみれをそのまま小さくしたような感じで、とーーっても可愛いデスヨ!」
夏美「!?」
可可「…ア!可愛いって言ってもデスネ、それは小さいから可愛いっていうか、決してすみれがどうとかではないデス!」アセアセ
すみれ「な、何言ってんのよアンタ!//」
メイ(ヒャーたまんねぇ!)ヨダレ
四季(また一人で興奮してる)カメラパシャパシャ
かのん「…で」
かのん「ちみれちゃんはどんな子なのかな?」ズズズ
すみれ「痛い痛い!何か寒い!分かったから!」ビクンビクン
千砂都「ダメだよかのんちゃん!すみれちゃんは闘気の攻撃を全く防げないんだから!」
すみれ「そ…そうだったのね…!」ハァハァ
きな子「そういえばあの時も、『2年生5人だけで立った方がいいと思うの(キリッ』とか言っておいて、即ビビり倒してたっすもんね」ニヤニヤ
メイ(コイツ何気に根に持ってるよな…)
四季「auraによる攻撃はauraでないと防げない、か」メモメモ
夏美「いや、アレはそういうのが無くても怖かったですわ」
すみれ「…話していい?」
メイ「アッハイ」
すみれ「ちみれは、まぁ…ちょっと変わった子かしら」
可可「変わってるってすみれが言うのデスカ」
すみれ「勉強も運動もできる。あと、…何か人を惹きつけるのよね」
千砂都「…なるほど」
すみれ「別に本人が何かしてるわけじゃないのに、自然と人が集まるの」
きな子「……」(チラッ
かのん「……」
Liella!コソコソ話
現在、Liella!への勧誘が出来るのは澁谷かのんのみとされています。
他の者がメンバーを勧誘する時もありますが、その時は意を察したかのんがその者のオーラをあらかじめ変化させ、勧誘を成功させます。
メイが神懸ったイケメンぶりで四季の勧誘に成功したのも、かのんが事前に手を握りメイのオーラを変化させたことが影響しています。
すみれ「でもねあの子…家ではいつも私にくっついてきて、ある日ね…」
———-
ちみれ(幼)「お姉ちゃんのゆめは、このくにでいちばんギャラクシーなじょゆうになること?」
すみれ(小学生)「そうったらそうよ!」
ちみれ「わたしもおねえちゃんのようになりたい」
すみれ「えっ」
ちみれ「このくにで、にばんめにギャラクシーなじょゆうになる」
———-
すみれ「それからあの子、私が家で歌やダンスの練習してると、教えてほしいってうろちょろするようになって…」
すみれ「『ちかたないわねぇ』って感じでちょっと一緒に練習して、お母さんが記念受験よーってオーディションに連れて行ったら…」
恋「行ったら?」
すみれ「一発で合格」
かのん「!!」
すみれ「同じ歳の頃だった私が何回受けても合格しなかった番組に、ね」
四季「すごい…」
すみれ「ちみれがその番組でぶっつけ本番で披露した決めポーズは、子供心に…息を忘れるほどカッコよかった」
千砂都「そんなに…!」
すみれ「私もあんなお日様みたいな自己表現をしたいって、試行錯誤したけど…」
すみれ「出来たのは後でギャラクシーと名付けた普通のポーズ」ギャラ
かのん「普通…?」
可可「ヤタラ派生があるのは、色々考えたからなのデスネ…」
すみれ「てへギャラとかメリーギャラとか、拾陸くらいの型があるわよ?」フン
メイ「そ、そうか…」
四季「でも…」
夏美「すみれ先輩、かわいそうですの…ちょっとだけ」
きな子「夏美ちゃん…」
すみれ「なぁによ辛気くさい顔して」
メイ「だってよぉ…」
すみれ「それでね?その番組に出たちみれは高評価をもらって、それからもポンポンオーディションに受かったんだけど…」
恋「けど?」
すみれ「やめちゃった」
可可「エェ?」
すみれ「やめたのよ、ショービジネス」
すみれ「そしてその後は、女優になりたいと言わなくなった」
きな子「ど、どうして…?」
すみれ「多分だけど…」
すみれ「ちみれにとって、オーディション会場でまた顔を合わせた前回落ちた子や、本番で自分を見て萎縮してしまった子が泣く姿を見るのが…耐えられなかったんだと思う」
夏美「……」
すみれ「あれだけ話してたショウビジネスの事も口にしなくなったわ」
すみれ「『そのはなしより、お姉ちゃんとすごろくや凧あげがしたい』ってね」
恋「古風な趣味ですね…」
千砂都「テレビゲームじゃなくてよかったね、恋ちゃん」
恋「」
メイ(何も言えねぇ…)
すみれ「ま、今も変わらず元気な子だけど…こんな感じよ」
すみれ「変わった子でしょ?」クスクス
かのん「…悔しくなかったの?」
可可「か、かのん!?」
かのん「自分は夢を叶えられないのに、ちみれちゃんに追い抜かれちゃって…悔しくなかったの?やさぐれなかったの?」
すみれ「…そりゃあ、当時は悔しかったわよ」
すみれ「望む者の下へ望む才能が与えられればどんなに良いだろう、って思ったわ」
夏美「才能……」
すみれ「でも、ちみれは可愛い妹だもの」
すみれ「傷ついて辞めてしまったあの子の分も、グソ…亀の歩みでも進み続けて夢を叶えてみせるってね」
すみれ「Liella!でも、不動のセンターは諦めないったら諦めないわよ、かのぉん!」ギャラ
恋「すみれさん…」
夏美「差は誰が見ても明らかですのに、どうしてこの人は…」ブツブツ
きな子「……」
かのん「あぁ、やっぱり…」
かのん「すみれちゃんだなぁ」ボソ
可可「かのん…」
Liella!コソコソ話
澁谷かのんにはいつもアガリ気絶癖の影がぴたりと張り付き、十何年にもわたり彼女の心を灼き続けましたが、仲間と心を結んだ1年間でついにこれを克服し、自分が強く念じたことを必ず叶えていく覇道が始まりました。
平安名すみれに対しては、初めて会った時から今まで感じた事のない不思議な印象を受けました。
かのんは大事な話をする時、無意識にいつも相手のオーラからその心を大体察する事ができましたが、オーラが無いすみれには対してはそれができず、不意を打たれて気絶監禁させられたり、センター曲を固辞されたり、東京大会を2年生だけで出ると宣言されたりと、ここまで自分の意に反した事をされるのは初めてでした。
しかし、彼女の気持ちを知ろうとするのは楽しく、心を込めて作った名刺で彼女がスカウトに応じた時や、2年生のみの大会出場が彼女の本意でなかったことを知った時はとても喜びました。
かのんは何故すみれの心だけは読み切れないのか、そんな危険な相手ともっと触れ合いたいと感じるのかが今まで分かりませんでしたが、この日の一件で彼女はその理由に気付いていくことになります。
すみれの神社・境内
千砂都「来たのはいいけど、この人数で押しかけて迷惑じゃないかな?」
すみれ「いや、この時間ちみれは境内の掃除をして…って、あ、いた」
ちみれ(巫女服)「~♪」サッサッ
可可「オーイ、ちみれぇ~」フリフリ
ちみれ「!あ、可可さん…て…!?」ジー
千砂都「?」
ちみれ「ちょっと待ってて下さーい!」テテテ
メイ「なんだぁ?引っ込んじゃったぞ?」
恋「話の途中でどこかに行ってしまうところ、すみれさんに似てますね」
千砂都「一日で二回逃走した事もあったからね」
かのん「でもちみれちゃん、すみれちゃんと違ってちゃんと断ったよ?」ケラケラ
すみれ「……」
ちみれ「お待たせしましたー!」テテテ
四季「あ、戻ってきた」
夏美「何かワシャワシャしたのを持ってますの」
恋「あれは…祓い串?」
ちみれ「嵐千砂都さん!」ワシャッ
千砂都「!」
ちみれ「今からあなたの丸を斬る!」ダンッ
かのん「えーーー!?」
きな子「跳んだっす!」
メイ「速えぇ!」
恋「千砂都さん」
千砂都「やんちゃモード発動」
バキン!
ちみれ「あ…」
可可「バカナ…」
四季「振り下ろす祓い串を…」
夏美「側面から殴り折った!?」
千砂都「うぃっす♪」(別れの挨拶)
ビビシッ
ちみれ「~~~ッ」
千砂都「…痛ったーい!」
ちみれ「あれ…?」
すみれ「人の妹に何やってんのよアンタ!」
恋「子供に手を上げるなんて…ふさわしくありませんよ」
かのん「すみれちゃん恋ちゃんのダブルチョップ!」
四季「すみれ先輩は腕…」
きな子「恋先輩は遠慮なんてせず、頸を正確に…!」
メイ「さすがLiella!の二大手刀使い!」オホー
千砂都「いたた…ごめんね?」
千砂都「この型を使うと、どうしても…」
すみれ「…つい手が出ちゃったけど、この子がなぜか攻撃してきたのが悪いわよね」
ちみれ「……」
千砂都「いや…闘気さえあればどんな攻撃でも、『破壊殺・羅針』は探知するんだけどね~」
千砂都「さすがすみれちゃんだよ」
すみれ「それ、褒めてるのかしら」
きな子「?でも、恋先輩の手刀は…」
恋「あなたがちみれさんですね?初めまして」スッ
かのん「結ヶ丘スクールアイドル部、澁谷かのんです!」
ちみれ「あ…はい、その、ごめんなさい」
千砂都「こんなのLiella!じゃよくあることだよ?私は部長の嵐千砂都!うぃっす~♪(出会いの挨拶)」
Liella!コソコソ話
唐可可は嵐千砂都のような察知技はありませんが、意識せず相手のオーラの多寡を見抜く目に優れ、入学早々やさぐれていた澁谷かのんを見出し、全ての始まりであり神の御技に他ならないと称されるユニット「クーカー」(メイ談)を誕生させました。
最初の悪印象とオーラを見る目ゆえに平安名すみれのことは全く評価していませんでしたが、帰国問題をうっかり知られて以降、彼女の感謝の情と優しさにこそばゆさを感じながらも楽しい時間を過ごしていました。
東京大会前にすみれが遂に暴走した時、可可はすみれの情の深さを見誤っていたと悔いましたが、同時に思わず溢れ出た言葉から自分の中で育っていた本心に気付き、その後はすみれを安心させる為だとして、多少の気恥ずかしさを覚えながらも、見える形で彼女へ親愛の情を伝えるようになっていきます。
可可は、たまに何かを求めるようにフラフラとすみれに寄っていく澁谷かのんの意図が測れず、もしかするとすみれにはかのんのような英傑の心を引く何かがあるのではないかと考えるようになりました。
荒唐無稽な話であり、自分で馬鹿馬鹿しいと苦笑しつつも、胸騒ぎは日々強くなっていったのです。
各自、自己紹介終了
すみれ「で?何であんなことしたわけ?」
ちみれ「……」
かのん「もういいじゃないすみれちゃん」
千砂都「そうだよ。もう痛くないし」
恋「さすがの再生力ですね千砂都さん」
千砂都「頸のやつは『別の何か』に変わるんじゃないかってくらい強烈だったけどね」
恋「それは申し訳ありませんでした」ペコ
きな子「だから、何で恋先輩のは…」
ちみれ「あの、実は…!」
9人「「ん?」」
ちみれ「お姉ちゃん、学校から毎日すごく疲れて帰ってきて…」
———-
すみれ『あ~、千砂都の練習きっついわ~』
すみれ『あれはもはや鬼ね、オニ』
すみれ『あの髪の丸でも落とせば、人間だった頃の記憶が戻るのかしらね?(ギャラギャラ』
———-
ちみれ「…って言うから」
すみれ「バ、バカ…!!」
きな子「あっ…」(察知)
ちみれ「お姉ちゃんかわいそうだし、家に早く帰ってきてほしいし、だから…」ウツムキ
可可「ちみれ…」
すみれ「い、いい話よね~!うん!この話はお終いったらお終いよ!」タラタラ
千砂都「すみれちゃん?」
すみれ「ヒィッ!」※屋上顔
メイ(オイオイオイ)
夏美(死にましたわあの人)
恋「…千砂都さん、この件は後で話しましょう?」
かのん「そうだよ。ちみれちゃんも見てるしさ」
千砂都「…分かったよ。それが目的でここに来たわけじゃないしね」
可可「イノチビロイしましたね、すみれ…」
すみれ「(ハァハァ)」
四季「良かった。何とか許されたみたい」ヒソヒソ
きな子「すみれ先輩のあの姿…圧倒的弱者、雑草のようっす」ヒソヒソ
メイ「お前、いつかシメられるぞ…」
かのん「でもすみれちゃん、ちみれちゃんに心配掛けちゃダメだよ?」
すみれ「うぐ…」
かのん「その点私はちゃーんとありあに話してるから(ドヤ)。何の心配も…」
??「お姉ちゃん!」ハァハァ
10人「「!?」」
ありあ「やっぱりここにいた!」ズンズン
かのん「ありあ!?」
メイ「言ってるそばから来たな」
千砂都「ありあちゃん、うぃっす~」
すみれ「外で会うのは珍しいわね、オープンキャンパス以来?」
ありあ「あっ…こ、こんにちは」ペコ
恋「そんな息を切らして…どうしたのですか?」
かのん「まさか、店に何か?」
ありあ「お姉ちゃん…」
10人「ゴクリ…」
ありあ「また店番代われって…何回目だと思ってるの!」キッ
かのん「いっ!?」
ありあ「色々ちょうどいいから、今日は言わせてもらうからね!」
かのん「言わせてもらうって、店番だけじゃないの?それは後で埋め合わせするから…」
ありあ「いーや、お姉ちゃんのような怪物が生まれたせいで、私がどんな目に遭ってきたか…ここで皆に聞いてもらう!」
夏美「怪物って…」
きな子「でも、何か面白そうっすねー」ヒソヒソ
千砂都「そう、これはチャンスだよ」ニョキ
きな子「わっ!?」ビクッ
千砂都「『羅針』で明らかになった、かのんちゃんの周りをも巻き込む凄まじいオーラ…」
恋「同じ血族の者ならば、その秘密が分かるかもしれませんね」
可可「ククの心を一瞬で奪ったかのんのヒミツ…知りたいデス」
かのん「ちょっとみんな、私の話なんかよりすみれちゃん達の方が…」ワタワタ
ちみれ「聞きたい」
すみれ「えっ?」
ちみれ「かのんさんのオーラ?のこと、聞いてみたい」ジー
かのん「………」
きな子「あの子、見えてるっすね…かのん先輩のアレ」
恋「やはり、ちみれさんは…?」
夏美「…何できな子までまたサラッと見えてるんですの」
四季「きな子ちゃん、呼吸の仕方が今までのデータとちょっと違ってる」スマスマ
メイ「今日の事で、何かコツを掴んだのかもしれないな」(感心)
すみれ「いいじゃないかのん。せっかくだから聞いてあげましょうよ」
かのん「…もう知らない!バーカ!勝手にしろってーの!」ベンチドカッ
すみれ「隙あらばベンチね、あんた…」
メイ「口わっる」ヒソヒソ
四季「それ、メイが言う?」ヒソヒソ
夏美「これが噂に聞く『やさぐれかのん』」ヒソヒソ
かのん「すーみーれーちゃーん」ドカドカ
すみれ「地団駄踏まないの。もう…ちかたないわねぇ」スッ
すみれ「ほら、ちみれも来なさい?」
ちみれ「うん」トコトコチョン
可可「か-ち-すでベンチに一緒に座ってるの、絵になりマスネ…」ホー
きな子「まさに『黙っていれば』ってやつっすね」
夏美(髪の色で私も混ざれないかしら)
Liella!コソコソ話
嵐千砂都は自分を生まれ変わらせてくれた澁谷かのんの為だけに、技と心を鍛えてきました。
その根源となっているのは、幼少の頃かのんから無意識に与えられた強力なオーラであり、以降たまにその場にいないかのんの声が聞こえたり、自分の心がかのんに伝わっているのではと感じる事が起きましたが、千砂都は仮に腹の中を探られたとしても気になりませんでした。
かのんを傷つけたり裏切るつもりは一切無かったですし、むしろ、感情を取り繕わずかのんに自分の想いを伝えられることを嬉しく思っていたのです。
しかしその一方、進化を続けるかのんと今の関係をいつまでも続けられるのか、自分もいつまでも成長を続けられるのかという漠然とした不安が常に心の奥にあります。
偶然読むこととなった書物の中から、一番自分に合っているとした鬼の技の習得を始めますが、それは残虐ながら儚く美しい技を通じて、書物には記されていないその鬼の悲劇の過去を感じ取り、心が引き寄せられたからなのでしょう。
千砂都もまた、果て無き強さを求めながらも、帰るべき場所と守るべき人を探し彷徨しているのかもしれません。
千砂都「じゃあありあちゃん、話してくれるかな?」
ありあ「あ、はい…」
可可「ワクワク」
ありあ「お姉ちゃんは、千砂都さんが知っているとおり…昔はちょっと元気で優しくて歌が上手いくらいの、普通の子でした」
ありあ「でも昔…人前で歌えなくなるのを治そうと、善良な医者にかかったことがあったんです」
メイ(善良なんだ)
ありあ「その医者は催眠療法とか、見た事のない植物を煎じた薬を飲ませたりとか、苦心してやってくれたにもかかわらず…」
四季(善良…?)
ありあ「一向に良くならないと腹を立てたお姉ちゃんに…」
———-
かのん(中学生)『いつになったら良くなるの?ねぇ答えて!?(裏声)』
善良な医者『ウ?ェエ!?』
———-
ありあ「って追い出されちゃったんです」
恋「えぇ…」
すみれ「あんた…」
かのん「覚えてないっつーの」ブツブツ
ありあ「けど、その医者の治療は効いていて…それから元からあったお姉ちゃんの人を惹きつける才能…みたいなのが開花したんだなって」
きな子(思い込みが激しい先輩っす…)
四季「でも副作用が(多分)あるわけでもない。才能が開花したのは悪い事ではないのでは?」
ありあ「皆さんはいいですよ…美人だし、華もあるし…」
ありあ「でも、こんなお姉ちゃんがいる家族は…結構大変なんですよ?」
かのん「こんな…」
ありあ「それでも去年までは、人前で歌えなかったトラウマがお姉ちゃんの心を灼き続けたのか…自信を持ち切れないところがあったんですが…」
ありあ「2年生になってから、そのオーラ?がだだ漏れ状態みたいになってしまって」
可可「確かに…」
メイ「私達も、それにやられたんだ…」
夏美「(コクコク)」
千砂都「うん…去年もセンター投票とか生徒会長選とか、かのんちゃんの巨大なオーラの片鱗はあったけど…ここまでではなかった」
すみれ「それ、全部負けてるの私なんだけど」
ちみれ「お姉ちゃん…」
恋「思い返してみると、人が変わったようにも見える成長ですね…」
かのん「恋ちゃんにだけは言われたくない」
可可「デス」
千砂都「恋ちゃんはそれに加えて、記憶喪失の疑いもあるからね」
恋「」
メイ(恋先輩も昔何かあったのかよ…)
きな子(この先輩たち、やたら重い過去を背負いすぎっす)
ありあ「お姉ちゃんがこの状態になってから、うちの店はファンのお客さんや取材が結構な頻度で来るようになり…」
すみれ「意外と繁盛してるのねぇ」
かのん「度を越えてやばい人は(オーラで)出禁にしてるから、パンクするまでは行ってない」ブツブツ
ありあ「お母さんはホクホクだけどやっぱり忙しくて…私受験生なのに、たくさん店を手伝わされるようになってしまったんです…」
ちみれ「かわいそう…」
ありあ「それに学校でも…お姉ちゃんと比べられたりして…」
四季「それは、辛い事…」
メイ「あいつら、すぐそういうの始めるからな」チッ
ありあ「私には、そんな才能無いのに…」ウツムキ
ありあ「そっちの方はお姉ちゃんのせいじゃないって分かってるんだけど、私にとっては、もう呪いのようになってしまって…」
夏美「その気持ち、分かりますわ!」グワッ
ありあ「!?」
きな子「結女のスーパースターにも、いろいろあるんすねぇ…」
かのん「ありあ…」スッ
かのん「そんなに悩んでいたなんて…ごめんね?」
かのん「これからは店番押し付けたりしないし、受験勉強も…可可ちゃんとか恋ちゃんとか呼んで手伝うから…!」
かのん「Liella!のみんなみたいにキラキラできるように、ありあのことも何だって応援する!」
ありあ「お姉ちゃん…」
可可(いつの間にか手伝うことになってるデス)
すみれ(劣等感の呪いは、気の毒だけど自分で何とかするしかないのかしらね…?)
恋「一時はどうなるかと思いましたが、とりあえず場は収まりそうですね」
千砂都「だね、かのんちゃんの秘密も分かったし、これで…」
ありあ「でも!」クワッ
かのん「わっ!?」
ありあ「こんな私を何とかしてくれるって人から、最近助言を受けたんです!」
すみれ「…え?」
メイ「まだ続きがあんのかよ…」
夏美「そんな方法が、あるんですの!?」ギンギン
ありあ「『神職の一族のスタイルのいい美人』を彼女にして自慢しまくれば、劣等感が消えて呪いも和らぐと…!!」
きな子「えー…」
四季「すごいオカルティ…非科学的」
メイ「いや、これオカルトか?」
ありあ「だから…」チラッ
すみれ「へっ?」
ありあ「すみれさん、私とつ…いや、お友達からでも//」クネクネ
かのん「おい」
Liella!コソコソ話
平安名すみれは過去の事件によりすべてのオーラを失い、それ以降は鬱鬱と人生を過ごしてきましたが、オーラが無い彼女を全く気にせずスカウトした澁谷かのん、今まで一顧だにされなかった努力を認めてティアラを贈った唐可可らのお陰で初めて人生に光が差しました。
体裁を気にせず軽口を言い合える関係になったかのんとは対照的に、秘密を知ってしまった可可に対しては時に臆病なまでに気を遣い、気のない態度を取られても彼女と共に学生生活を送れる事を大切にしてきました。
結女を卒業した後は世界に羽ばたいて行くであろうかのんを応援しつつ、可可とは何とか一緒に長閑やかな日常を送れないものかと夢想していますが、ここでも彼女に気を遣い、「あんたと3年間やり切りたい」としか伝えていません。
妹であるちみれに対しては、一時妬みと憎しみで胃の腑を灼くような怨毒の日々を送ったことがありましたが、姉妹に分け隔てなく接した両親のお陰もあってか彼女への愛が勝り、恨みを残すようなことはありませんでした。
かのんの怒りのオーラを直撃されると為す術無く倒れますが、体質によりオーラが体内に残らないので支配を受けることはありません。
ありあ「何よ!なんでも応援するって言ったじゃない!」キッ
かのん「あー聞こえない!大体誰なの?そんな妙に具体的でバーカな助言をしたのは!」
ありあ「『UR』(ハンドルネーム)さんは…言葉遣いも丁寧ですごい親切な人なの!」
ありあ「…ネットゲームで知り合った顔も知らない人だけど」
夏美(暗示に掛かりやす過ぎですわ…)
きな子(怪しい治療で覚醒したり、怪しい助言を信じてアタックしたり…やっぱり同じ血筋なんすねぇ)
ありあ「その人から…チャンスがあれば今日こそ行動する時だって、さっきL〇NEで連絡が来たの!すごくない!?」
かのん「だから…その人のもっと詳しい情報とかさぁ!」
ありあ「それは…」
恋「まぁまぁかのんさん」
かのん「何?」ギラ
恋「誰が言ったかは分かりませんが、あながち間違ってはいないのでは?」
恋「素敵な人と一緒にいたいという思いは、迷いを消し、自分を強くしてくれるものです」
すみれ「素敵って…//」エヘエヘ
可可「調子に乗るなデス。助言?とやらで偶然当てはまっただけデス」
メイ「しっかし、金髪でスタイルのいい巫女ってどっから出てきたんだよ」
恋「ゲームとかではよく出てくるタイプのキャラですから…」
千砂都「そんなイメージの人がありあちゃんにピッタリって思ったんじゃないかな?URって人」
ありあ「やっぱり…そうなんですかね」
ありあ「確かに私、お姉ちゃんと比べて地味ですし…すみれさんみたいな派手派手…じゃなくて華やかな人に影響された方がいいってって思われたのかな…」
千砂都「い、いや…そういう意味じゃないんだよ?」
ちみれ「そう。ありあさんはすごい才能豊かで、みりょく的な人です」ジー
すみれ「ちみれ?」
ありあ「妹さん…」
ちみれ「ありあさんの脳、刺激に対する神経の伝達と血液の流れがとても速い」
ありあ「え?」
ちみれ「記憶力も情報の処理もヒラメキも、勉強を続けていればすごく伸びていくと思います」
ありあ「???」
千砂都「『透き通る世界』…!」
恋「……」コクン
恋「ちみれさんの先ほどの初撃…千砂都さんをお団子ごとバラバラにしないよう手加減したという事ですね」
千砂都「ちょっと悔しいけど、そういう事だね」
ちみれ「!千砂都さんも、見えるの?」
千砂都「いや、私は漠然と感じるだけ。辿り着けてないよ」
ありあ「あのー…」
恋「ありあさん、ちみれさんは生き物の体が透けて見えるんですよ」
夏美「いや、透けるって…」
四季「とても興味がある…!」
すみれ「あんた、家族のケガとか病気に敏感だものねぇ。…そんな事が出来てたなんて」
千砂都「そう。だからちみれちゃんの言う事は全部ホントのこと」
ありあ「私が…私にも…?」
ちみれ「あと、ありあさんの細胞の組成と骨格。少しだけお父さんの割合が多いけど…お姉さんとさほど変わらない」
ちみれ「だから、ありあさんもちゃんと…きれいになる」ボソボソ
メイ「な…謎のお墨付き!」
四季「遺伝子の情報まで見えるなんて…」
可可「そうデス!とりあえず、かのん共々もっとカワイイ服を着まショウ!」キラキラ
千砂都「たまんねぇ~!」
すみれ「ちみれがこんなに人をホメるのは珍しいわね!」
ありあ「そ、そうなんですか?」
すみれ「そうよ(ズイ)。まだ中学生だからあまり気合入れる必要無いけど、ほらこうしてあーして…眼鏡外すわよ」チョイチョイ
ありあ「ああああ////」
かのん「………」
可可「あ、ありあ!ククも手伝いマス!」
夏美「映えるメイクは夏美に任せるですの!」
可可「完成デース!」
夏美「これは学校でもバズり確定ですわ!」
ありあ「………//」モジモジ
千砂都「ありあちゃん、カワイイ!」
恋「素敵です!」
きな子「可愛いっす!」
四季「かわいい…」
メイ「かわ↓いい↑(ネットリ)」
ありあ「お、お姉ちゃん…」オズオズ
かのん「………」
かのん「すっごくかわいいよ、ありあ」ニコ
ありあ「!!」パアァ
すみれ「あんたはかのんの妹なんだから。自信を持ちなさいな」
ありあ「はい!ありがとうございました」
ありあ「じゃあお姉ちゃん、店番行ってくるね!」
かのん「うん。埋め合わせは本当にするから、お願いね」
ありあ「すみれさん…ちみれちゃんもありがとう。またね!」タタタ
10人「「またねー」」ノシ
可可「すっごく嬉しそうに帰っていきマシタね」
千砂都「すぐ調子に乗っちゃうところも、そっくりだよね」クス
すみれ「呪いだ何だ言っても、結局一番はかのんに褒められたかったってことね」
Liella!コソコソ話
葉月恋の家系は代々文武両道かつ資産家として知られていますが、のめり込みや過集中、中高年を待たず発症の可能性がある持病等の深刻な遺伝がありました。
学校の復活に執心する母の姿を見て育った恋は、何の疑問も抱かずそれと同じ道を辿り、最初の文化祭を前に母同様の破滅の危機を迎えましたが、澁谷かのんらの活躍でこれを逃れることができました。
これをきっかけに恋は自身の血の現代における欠点に気付き、傑物と認めた澁谷かのんに生徒達の意思統一を任せる間に父との和解に努め、いちメンバーとしてLiella!に貢献することで、最終的にほとんどの問題の解決に至りました。
安定を手にした恋が次に求めたのは、生涯心が繋がり、自分が先に死んでもその意思を継いでくれるような相手です。
母と理事長との関係に理想を見出し、自分の過去と欠点を知った上で言いたいことをハッキリ言い、周りがどんなに困惑しようとも絶対に自分との約束を破らない人物を恋は欲しています。
遺伝的な素質はメンバーで最も優れており、過集中がハマった時の物事の習熟力も恐ろしいものがあります。
ちみれ「…いいなぁ」
恋「ちみれさん?」
ちみれ「ありあさん、お姉さんに褒められて…すごく嬉しそうだった」
ちみれ「私は…」
すみれ「ちょっちょっと、どうしたっていうのよ!?」
きな子「まさかすみれ先輩…」
夏美「人生が上手くいかないからって、ちみれさんに八つ当たりを…」
すみれ「やってないったらやってない!」
可可「ちょっと待って下サイ!いくらすみれでもそれはありマセンよ」
すみれ「嬉しいけど言い方ぁ…」
千砂都「…ちみれちゃん、気付いていたんだね」
恋「……」
千砂都「自分がお姉さんのオーラを、受け継いだことを」
7人「「!?」」
メイ「そういえば…」
かのん「そんな話だったね…」
四季「じゃあ、千砂都先輩のチベット云々の話は…」
きな子「事実っすか~~!」クルクル
すみれ「そうなの?ちみれ」
ちみれ「うん…」
千砂都「『羅針』で見えるちみれちゃんのオーラ…」
千砂都「全てを焼き尽くす程強烈で鮮烈な、太陽…!」
きな子「かのん先輩並ってことっすか…」ゴクリ
千砂都「焦がれて手を伸ばそうとすれば、もがき苦しむ以外…道はないよ」
恋「それに加えて相手の体を透視する特別な視覚、そしてそれに即応できる身体能力をもお持ちのようです」
千砂都「高熱で苦しんでいる時、『扉』を開けたんだろうね」
夏美「じゃあ、すみれ先輩のその…優しさと偶然が、ちみれさんにチートじみた能力をもたらしたって事ですの?」
恋「普通の人間がここまでの能力を持とうとしたら、寿命に影響しかねません」
千砂都「すみれちゃんのオーラを与えられた事で、この能力を得ながら後遺症無く生還したんだ」
四季「Miracle…!」
きな子「…何か恋先輩、さっきからやたら詳しくないっすか?」ヒソヒソ
メイ「そりゃあ恋先輩だからな、ピアノ上手いし生徒会長だし」ヒソヒソ
きな子「…もういいっす」ハァ
かのん「やっぱりすごいね、すみれちゃん」ニコニコ
可可(またかのんがすごい嬉しそうデス)
千砂都「感覚を閉じる修行をしたわけでもないすみれちゃんのオーラが全く無い事と併せると…」
千砂都「恋ちゃんの仮説どおり、すみれちゃんのオーラは全てちみれちゃんに移っていたんだ」
すみれ「……」
ちみれ「…むかし、熱が出てとても苦しかった時、お姉ちゃんが握ってくれた手から…すごく優しくてあったかいものが流れてきたの」
ちみれ「とっても気分が良くなってそのまま寝ちゃって、目が覚めたら…」
ちみれ「隣で寝ているお姉ちゃんの体が透けて見えた」
すみれ「なんか、恥ずかしいわね//」
可可「スケスケ…!なるほどSUNDAYデス…!」ゴクリ
夏美「透けるのは服くらいでちょうどいいですの、なんて…//」
かのきな「黙って」
ククナッツ「ハイ」
ちみれ「…そして、その時に分かったんです」
ちみれ「お姉ちゃんから光のようなものが消えて…もう湧き出さなくなっているのを」
メイ「おい、さっきから移ったとか言ってるけど…オーラって泉みたいに湧いてくるもんじゃないのかよ!」
メイ「あげたら無くなっちまうってよぉ…」
夏美「私が指圧マッサージしてあげますわ!押せば命の泉湧くですの!」ニギニギ
きな子「夏美ちゃんの知識って、実家のせいか新旧極端っすよね…」
Liella!コソコソ話
桜小路きな子は北海道の自然と動物に囲まれた生活で強靭な足腰と呼吸を身に付けていましたが、運動競技がさほど好きで無かったので、その下地は今まで生かされていませんでした。
澁谷かのんに導かれLiella!に入っていなければ、彼女は死ぬまで自分が強いということを知らなかったでしょう。
なぜか平安名すみれにご執心の鬼塚夏美の気を引きたくも遠慮がちでしたが、今回の件で自分に自信を持ち、生徒会とLiella!二刀流の猪突猛進で行こうと決めたようです。
見た目とは裏腹に頭の回転が早く、未熟なカリスマを地頭の良さと粘り強さで補い目的を果たす、優れた政治家タイプです。
四季「auraは常時生み出され体から溢れているもの。通常ならば」
千砂都「…チベットの呼吸法に伝わるそれは、生命エネルギー全てを捧げる技」
千砂都「都合よく与える量を調節したりは出来ないんだ」
すみれ「ギャラァ!?」
ちみれ「…!」
かのん「じゃあ、すみれちゃんがここでピンピンしてるのは?」
恋「技の失敗…でしょうか」
千砂都「うん…正しい型で行わなかったことが、かえって命まで奪われない結果になった…ってとこかな」
四季「けど、すみれ先輩の体はもう自分が死んだと認識し、auraの生産を止めてしまった…?」
ちみれ「それからお姉ちゃんは、家族以外から関心を持たれなくなって…」
ちみれ「光が消えた体には暗いものが集まり、悪いことばかり起きた」
可可「すみれの運が悪いのは、そういう事だったのデスネ…」
すみれ「エンドレスサーキットのジャンケンではいい勝負してるじゃない!」
きな子(不屈すぎるっすこの人…)
ちみれ「何度もお姉ちゃんにくっついてこの力を返そうとしたけど、ダメだった」
ちみれ「お姉ちゃんが大好きなしょーびじねすで一緒に頑張ろうとしたけど、周りの人たちの良くない感情が透けて見えてしまって…続けられなかった」
夏美「それがショービジネスを辞めた理由…」
ちみれ「お姉ちゃんを不幸にしたのは私なのに、私は何もできなくて…」フルフル
かのん「…ちみれちゃ」
すみれ「あー良かった~!!」
ちみれ「!?」
かのん「…!」
すみれ「良かったって言ってるのよ」
ちみれ「え…?」
すみれ「私のオーラ、どこかに行っちゃったかと思ってたけど…ちゃんと役に立ってたんだもの」
すみれ「ちょっと変わってるけど大事な妹、あんたのとこでね」
ちみれ「でも…」
すみれ「あんた、今の私が不幸に見える?」
ちみれ「……」
すみれ「去年までは確かにくすぶってたかもしれないけど、今はどう?」
千砂都「すみれちゃんは毎日すごく楽しそうだよ!練習もね?」
夏美(あっこれさっきの忘れてないですの)
可可「ウルサイくらい元気デスヨ?すみれは」
恋「私に素敵な笑顔を作る方法を教えてくれました」
かのん「すみれちゃんがいないLiella!は考えられないよ…」
かのん「だから私以外にスカウトなんかされないし…万が一されたとしても、辞めたりなんか、絶対ぜーったいありえないしね?」ズズ…
きな子「またオーラ出てるっす…」
四季「すごい固執…!」
千砂都「ラジオの前に居眠りしてて夢に見るくらいだからね」
すみれ「だからスカウトはされるっての!」
ギャーギャー
ちみれ「あ…」
きな子「この先輩たち、いつもこんなっすよ」
メイ「うるせぇうるせぇ!…でも楽しいなって感じだ」
夏美「こういうの、何て言いましたっけ」
四季「POP TALKING…それとも、全然違う5人が同じ夢に向かって進む様はUnison?」
恋「…ちみれさん、胸を張ってください」
可可「後ろめたいなんて、そんなこと思わないデ」
かのん「すみれちゃんにとって、妹と…あなたと出会えたことが何よりの幸運、そして幸福なんだ」
千砂都「ただ守りたかった…自分の命よりもあなたの命が重かったってこと!」
四季(千砂都先輩が言うと…)
きな子(説得力がすごいっす…)
ちみれ「うぅ…」ポロポロ
すみれ「本当にごめんなさい。あんたがこんなに苦しんでいたのに気付いてあげられなくて」
すみれ「人が悲しんだりしてるのは分かる方だと思ってるんだけどね…」
可可(それは対象が自分以外の時だけデス)
夏美(自分の事だけはグソクムシ並に鈍感ですの)
すみれ「でも、これからは苦しんでるヒマなんてないわよ?」
ちみれ「…?」
すみれ「あんたは…今まであんたの気も知らず楽しみまくってた私に、追い付かなきゃいけないんだから」
すみれ「私が羨ましさで…吐き気がして腹が立って顳?が軋んで…もがき苦しんで消し炭になるくらい、幸せになってみせなさい?」
ちみれ「お姉ちゃん…!!」ギュッ
ちみれ「お姉ちゃんお姉ちゃん…わぁあ~ん!」エグエグ
すみれ「……」ナデナデグスン
メイ「クッソ…最っ高だ…!」グスン
きな子「この人いっつも、泣くか泣かせてるかしてるっすね…」グスン
夏美「人騒がせなグッソクムシ先輩ですの…!」グスン
四季「これは…汗」グスン
可可「すみれは何でいつもいつも…ククをこんな気持ちにさせるのデスカ?」グスン
恋「良かったですね…千砂都さん?」グスン
千砂都「そうだね…」グスン
かのん「……………」グスン
Liella!コソコソ話
米女メイは共感力の高い優しい少女で、それ故に共同体における軋轢に人一倍苦しんできましたが、その共感力を察した澁谷かのんから注入されたオーラを素直に受け入れ、若菜四季との和解とLiella!加入を果たすことができました。
Liella!への愛はとても深く、声も大きいので1年生の中心人物と思われがちですが、メイ本人は桜小路きな子こそが次代のリーダーだと評価しています。
メイは努力型で根性があり、自分たちをLiella!へ導いたきな子を尊敬していますが、余計に回る頭でたまに毒を吐くのは何とかしてほしいと思っています。
幸せを拗らせた四季から永遠の命を手に入れて一緒に生きようと言われた時、一笑に付すことなく「生まれ変わったらまた一緒になれる」と過去一番のねっとりイケボで答え、これを聞いた四季は涙を流して喜んだそうです。
続きます
5分くらい後…
千砂都「えー、では…何か色々上手くいったということで、今度こそ解散しよう!」
恋「明日も朝練ですからね?」
5人「はーい」ゾロゾロ
すみれ「今日はありがとう。大っ感謝ギャラクシー(捌ノ型)よ!」ギャラ
ちみれ「…ありがとうございました」グスン
かのん「……」
すみれ「なぁにかのん、みんな行っちゃうわよ」
かのん「すみれちゃん、今までこの気持ちが何なのか分からなかったけど…今日ハッキリしたんだ」
ギュッ
かのん「くぬぬぬぬ…!」ギュギュッ
すみれ「何よ手なんか握って…」
ちみれ「これは…」
ドクン ドクン
すみれ「ガ」「アッ」「ア」「ア」
ちみれ「お姉ちゃん!」
すみれ「痛い痛い!何か血が熱い!細胞壊れるぅ!」ガハッ
かのん「やっぱりダメか~」パッ
すみれ「???」ゴフッゲホッ
かのん「いっぱい想いを込めたんだけど、入らなかったみたい」
すみれ「想いって…殺意?」
かのん「すみれちゃんにもっと幸せになって欲しいって、思いっきりオーラを込めたんだけどね」
すみれ「…幸せどころか、死に至らしめられるとこだったんだけど」
ちみれ「ただ込めるだけでは、お姉ちゃんにオーラは戻らない」
ちみれ「枯れたお花に水をやるようなもの…なのかな」シュン
すみれ「かのん、冗談でもやめなさいったらやめなさい」
すみれ「上手く行っちゃって、私みたいにオーラが戻らなくなったらどうすんのよ!」
かのん「そうかな?私のオーラは多分枯れたりしないよ」
すみれ「すごい自信ね」
かのん「あと、そうなっちゃってもいいかな~ってね」ニコ
かのん「オーラ貧民の生活でも、あなたとならば~♪ってやつ?」
すみれ「はぁ?」
かのん「すみれちゃんは自分の事を犠牲にしてもいいくらい、ちみれちゃんを大切に想っていたから…オーラが受け継がれたんだよね?」
ちみれ「……」
かのん「私はそんな優しいすみれちゃんの事が大好き。だから、今度は私の想いですみれちゃんを満たしてあげたい」
かのん「それが今日ハッキリした、私の気持ちなんだ」
すみれ「かのん…」
ちみれ「だ、ダメです!」バッ
すみれ「?」
ちみれ「お姉ちゃんと一緒に幸せになるのは、私…」ジッ
かのん「………」ジッ
可可「あぇ?かのんがまだ残って何かやってマス!」
夏美「こうしちゃいられませんわ!」
ワイワイ
かのん「ちみれちゃん」
ちみれ「……」
かのん「ちみれちゃんが一番好きで一緒に居たいのがすみれちゃんでも…」
かのん「今のすみれちゃんはLiella!が一番の居場所で…スクールアイドルとして輝くのが一番の目標なんだ」
ちみれ「…分かってます」
すみれ「あ、あんた!」
かのん「だから…」ウデカラメ
すみれ「わわっ」
かのん「奪いに来てよ!将来…スクールアイドルになってさ?」
かのん「大人のショービジネスと違って、悪い感情は(あんまり)漂ってない…みんな自分の夢と学校のために一生懸命頑張ってる」
すみれ(結女は他の学校よりちょっとアレなとこあるけどね)
かのん「お姉ちゃんと同じ大好きに、ちみれちゃんもまたチャレンジしてみようよ!」
すみれ「かのん…」
ちみれ「…お姉ちゃん」
すみれ「?」
ちみれ「私、お姉ちゃんからこんな力をもらって…でもどうすればいいか悩んでたけど…」
ちみれ「今日かのんさんと出会って、わかった…!」
かのん「うん」ニコニコ
ちみれ「私は…この人を倒すために生まれてきたんだって」
Liella!コソコソ話
若菜四季は初めて飼ったクワガタムシを自分のミスで死なせてから、「病の克服」「永遠の命」というものを意識するようになりました。
長寿であるカメにも愛着を見せるのはそのためです。
かのんの体質とオーラを薄々感じ取っており、スクールアイドル活動と平行して研究を行っていました。
今の日々が幸せすぎて、不死の薬を開発したらメイにも飲ませてずっと一緒に生きたいという少女じみた夢を加速させていきましたが、それに対するメイの言葉で思い直しました。
今回の件があってからは、先輩たちとすぐ仲良くなってしまうメイを奪われないため、とりあえず強大な相手のオーラを弱める薬の開発を始めたそうです。
すみれ「な、何でそうなるのったらそうなるの!?」
すみれ「二人で頑張ろうね!って終わるとこじゃないの!?」アワアワ
かのん「…ホントにすみれちゃんはダメだね~」ハァ
ちみれ「おいたわしや、です」(信じられないものを見た目)
すみれ「????」オロオロ
ちみれ「私、もう一回…歌とダンスの練習する」
ちみれ「かのんさんたちがスクールアイドルでどんな記録を作っても、それを超えてみせる」
すみれ「あんた…」
恋「では、高校は是非とも結ヶ丘に!」ズァッ
ちみれ「わっ!」
恋「将来私が理事長になる(であろう)結ヶ丘で、共に光を掴みましょう!」ギュッ
メイ「恋先輩、たくましいな…」
可可「結ヶ丘でスクールアイドル活動が始まってから、レンレンは物心リャンメンで得しかしてないデスから」
千砂都「最初はあんなだったのにねー♪」
恋「……」
かのん「ちみれちゃん、待ってるよ」ニコ
かのん「私もこれからもっと頑張るし…すみれちゃんのオーラも何とかしてあげたい」
ちみれ「うん」
かのん「だからね、すみれちゃん」ススス
すみれ「わっ!」ビクッ
かのん「いろんな姿勢とか体勢?とか試せば、ちみれちゃんみたいにオーラが渡せるようになるかもしれないから…」
かのん「これからも色々よろしくね、すみれちゃん//」ウワメ
すみれ「えぇえ…?//」
可可「こ、コレハ…!」
夏美「まずいですわ!」
ちみれ「…かのんさん」
かのん「な、何かな?」(今いいとこなのに!)
ちみれ「さっき…ありあさんと比べるために、かのんさんの体を見たんだけど」
かのん「?」
きな子「いきなり何の話っすか…?」
ちみれ「かのんさんの体には咽頭が7つ、脳が5つあるよ」シレッ
かのん「え゛!?」
ちみれ「だから歌が上手だし人格も変わる」
メイ「ん、んなワケ…」
恋「まぁ!それはすごいですね!」ニコニコ
千砂都「通常、調子乗り、やさぐれ、ビビり、イケメン…ってとこかな」ユビオリ
きな子(この先輩たち…)
すみれ「………」マジマジ
かのん「すみれちゃん?そんなに見ないで…//」
すみれ「ば、化け物…鬼の王!」ヒィッ
かのん「は!?」
メイ「マジかこの人?」
千砂都「鬼って私のことだよね…?」
すみれ「わ…私は妹と家に帰るわ!思い出の残る家にね!」ダダッ
ちみれ「うん!」テテッ
ちみれ「…またね、かのんさん!」エヘ
かのん「え…?え…?」ポツン
恋「本当に、帰ってしまいましたね…」
四季「Unbelievable!…臓器という複雑なものを、一個体の保有数をも超えて…!」
メイ「ウソに決まってんだろそんなの…」
夏美「ナイス妹さん!ですわ」フゥ
可可(さっきまでの事があったにシテモ…)
きな子(すみれ先輩、妹の事を信じ過ぎっす…)
千砂都「そっちのスカウトは失敗だね、かのんちゃん?」ニコニコ
かのん「あ…」ワナワナ
可可「ホラかのん、クク達も帰りマスヨ?」ズルズル
かのん「すみれちゃん!すみれちゃん行かないで!」ジタバタ
きな子(とんでもない往生際の悪さっす…)
メイ(Liella!のスターの姿か?これが…)
かのん「私を置いて行かないでエエエエ!!」
Liella!コソコソ話
鬼塚夏美は澁谷かのんのオーラに惹かれてLiella!に入りましたが、自分の金策を見抜く現実感覚を持ちながら、自身の才能を見限ることなく無謀ともいえる夢を追い続ける平安名すみれに興味が移っていきました。
彼女は自分の気持ちを似たような境遇ゆえの共感と捉えており、彼女がかつて夢想していた憧憬の中の「完璧なモデル」の容姿にすみれを重ねている事は自分でも気付いていません。
他の人がすみれに興味を抱く事をいつも疑問に思っており、将来にわたって彼女を支えられるのは自分だけだという自負を勝手に持っています。
これまで虚言を弄し続けてきた事で自分の言葉を振り返るのを嫌う傾向があり、不安な時期に彼女の言葉に導かれたとして慕う桜小路きな子の気持ちには全く気付いていません。
その日の夜・例の公園
千砂都「フッ…フッ…」
千砂都「シイィィイイ…」
恋「やっぱりここにいらっしゃいましたね」テクテク
千砂都「…恋ちゃん」
恋「もう夜は寒い季節です。そろそろ戻りませんか?」
千砂都「去年から、ここで一緒に練習を始めて…」
千砂都「恋ちゃんは『透き通る世界』に入れるようになってたんだね」
恋「ええ。常時というわけではないですが」
千砂都「痣は出てない?」
恋「そこまで無理はしていませんよ」
千砂都「…良かった」フゥ
恋「でもおかげ様で、『遠慮なんてしないチョップ』も高速で出せるようにもなりました」シュシュシュ
千砂都「…ありあちゃんのこと、恋ちゃんだよね?」
恋「………」
千砂都「どうしてあんなことをしたの?」
千砂都「今日はやっと習得できた『羅針』を試すってだけの予定だったよね」
恋「かのんさんの店には何度もお邪魔していますから…」
恋「彼女が誰を見て、どんな悩みを抱いているかというのが…何となく分かりましたので」
恋「すみれさんの家にちょうど良くお邪魔することになり、それを少し後押ししただけのことです」
恋「実際、彼女の役に立つことができました」
千砂都「…で、ほかには?」
恋「……」
千砂都「かのんちゃんでしょ?」
恋「ええ。かのんさんのああいう性格は好かれる要素の一つなのでしょうが…」
恋「この一件でそろそろ自分の気持ちに気付いて、色々決めてもらわないと」
恋「揺らいでしまいますからね、千砂都さんが」
千砂都「だから、私とかのんちゃんはそういうのじゃないって…」
恋「(ジー…)」
千砂都「………」
千砂都「やっぱり…期待みたいなものは、あったのかな…?」
恋「今日だって…私と『一緒』に練習して型を習得したのを、隠す必要はありませんからね」
千砂都「言われてみれば、そうだよね」
千砂都「かのんちゃんのためにここまで出来るようになったのを見て欲しかったし、これからも一緒に居たいって言ってもらいたかった」
恋「それは当然の気持ちだと思いますよ」
千砂都「でも、ありあちゃんとちみれちゃんの事があって…かのんちゃんが選んだのは、すみれちゃんだった」
千砂都「強い弱いどころか、オーラそのものが無い人」
千砂都「何年もの練習で技とオーラを積み上げても、かのんちゃんに選ばれるという目的に対しては…無意味だった」
千砂都「何ともまぁ…惨めで、滑稽で、つまらない話だよ」
恋「…それは、とても素敵な事だと思いますよ」
千砂都「?」
恋「他を圧倒するオーラに満ちたかのんさんと、枯れ木のようなすみれさん」
恋「その事実がはっきり分かったというのに、かのんさんは彼女を微塵も下に見たり、憐れむ気配はなかった…」
千砂都「それどころか、危険を承知で自分の力を与えて救おうとした」
恋「力を持った王は、時としてその権威を維持することだけに固執する生命体になりがちですが…」
恋「かのんさんは、そういう心配は全く無い…とても優しい方です」
千砂都「…そうだね」
千砂都「好きになった自分が誇らしいくらい、優しい人」
恋「……」
千砂都「私ね、昔…恋ちゃんにちょっと似てる子たちにいじめられてたんだ」
恋「前もお話は聞いていましたが…私に似てるって情報、必要ですか?」
千砂都「でも、初対面のかのんちゃんに助けてもらった」
恋「はい…」
千砂都「あの時から、かのんちゃんは変わらない」
千砂都「私にとって最高のヒーローで、スターで…」
千砂都「…幼馴染なんだ」
Liella!コソコソ話
平安名ちみれは聡明な子で、姉のオーラを自分が奪った事実を知られたら憎まれるのではないかと、これまで内心怖れを抱いて生きていました。
しかし、すみれの事を一番愛してもいたので、彼女の私物を欲しがる等のわがままを言ったりして、彼女との絆をいつも確かめていました。
彼女が質量ともに最高のオーラを持つこととなったのは、渡し手のすみれが雑念の一切ない若年者であったこと、渡し手と受け手のオーラの質が似通っており拒否反応を起こさなかったこと、ちみれが死に瀕して扉を開けたことでオーラを受け入れる器が飛躍的に大きくなったこと、以上の原因があります。
今回の件でこれまで苛まれてきた罪悪感から解き放たれた彼女が、その太陽のような表現力で将来スクールアイドルとしてどんな活躍を見せるのか、大いに期待できるところです。
恋「千砂都さん」
千砂都「ま、これからも私のやることは変わらない」
千砂都「他の皆のオーラと実力も分かったし、やっぱり今日は良かったよ」
恋「特にきな子さんは、身体操作はまだ未熟ですが…オーラの理解と使い方に関する才能は素晴らしいものがあります」
千砂都「さすが北海道育ちだよね」
恋「厳しい環境で動物達と一緒に生活することで、生き物のオーラを察知する能力や呼吸が身に付いたのでしょう」
千砂都「かのんちゃんがあの子にこだわっていた理由が、やっと分かったよ」
恋「千砂都さんは…現に現れている実力以外の見切りはやや苦手ですから」
千砂都「とにかく目に見える結果のため、自分を高めることに必死だったからね」
恋「だからと言ってあの時、図書室で偶然見つけた古文書から型を覚えようとするとは思いませんでしたよ」
千砂都「あれで呼吸や闘気の事を知り…一番私に合っていると思った『破壊殺』を通じてオーラを高めようとしたのも、かのんちゃんに並ぶ強さが欲しかったから」
恋「破壊殺…『羅針』『空式』『乱式』『脚式・冠先割、流閃群光、飛遊星千輪』『鬼芯八重芯』『砕式・万葉閃柳』『終式・青銀乱残光』『滅式』、そして『鈴割り』…」
恋「ここでの練習で、これだけの型を習得しましたからね」
千砂都「うん…この型を1曲の中で全て出せれば、かのんちゃんの歌に頼らなくてもどんな相手にも勝ち、ラブライブを制覇できると思った」
千砂都「かのんちゃんに『誰も彼も役には立たなかった』なんて思われないよう、強くなりたかった」
千砂都「でも、勝ちたいと思うばかりに…かのんちゃんと丸とダンス以外全てを捨てた『何か』になりかけた」
千砂都「かのんちゃんのオーラと歌の力は、追い付こうとする私の意識をそれ一色に塗りつぶすくらい強かったんだ」
恋「たまに寝てても『ちぃちゃん!』って呼ぶ声が聞こえるって言ってましたものね」
千砂都「…それを救ってくれたのが、恋ちゃん」
———-
高校1年の冬・東京大会終了後
恋『千砂都さん、もうやめて!』
千砂都『…手を放して』
恋『もうやめにしましょう…たこ焼きカーに戻りましょう』
千砂都『駄目だよ。私はサニパさんを倒さなければならない。もっと強くならなきゃならない』
千砂都『強くなって、優勝旗を持って帰らなきゃならないんだ』
恋『………』
恋『千砂都さんの型…』
恋『鬼と呼ばれた人物が開発したとは思えないくらい、花火のように綺麗ですよね』フフッ
千砂都『…?』
恋『神津島に花火を見に行く話をしたの…覚えていますか?』
恋『スクールアイドル部に入った後…千砂都さんとのささいなお話で私、嬉しいことがたくさんありました』
恋『皆さんと神津島に行けなかった…楽しい思い出も作れず、島で開催された花火大会も見れなかったと惜しむ私に、来年…再来年も見に行けばいいって言ってくれましたよね?』
千砂都『……』
恋『私はあの頃、皆さんに受け入れてもらって嬉しかったですが…不安もありました』
恋『来年も再来年も結ヶ丘とある私の人生…というものが、うまく想像できませんでした』
千砂都『恋ちゃん…』
恋『母もそうだったのでしょう…自分の夢が消えてゆくのを見たくなくて、病に倒れたのです…きっと』
恋『父も心のどこかで諦めているのが分かっていました。私があまりにも意固地すぎて』
千砂都『それは分かるかも』
恋『だけど千砂都さんには私の未来が見えていた…当たり前のことのように』
恋『本当に嬉しかった…』
千砂都『………』
恋『私は千砂都さんがいいんです』
恋『私と……になってくれますか?』
———-
千砂都「いやー…昨年のことなのに、何か懐かしいね」
恋「私は、昨日の事のように覚えていますよ?」
千砂都「…恋ちゃんを志半ばで亡くなった、花さんのようにはしない」
千砂都「改めて言うけど、恋ちゃんに心配掛けない程度に…もっと強くなって、皆を信じて夢を叶える…」
千砂都「そして、これからもあなたを…」
恋「(ジー…)」
千砂都「これからもあなたを…守るyo!//」
恋「まぁ、千砂都さんたら…//」
千砂都「さ、さぁ帰ろう?呼吸が使えるとはいえ…今日はちょっと疲れちゃった」
恋「えぇ。でも千砂都さん…?」
千砂都「ん?」
恋「今年の夏、『誰か』の決定で合宿を分けた結果…」
恋「1年生の皆がすごく頑張った事で私達も遊ぶ空気じゃなくなり…結局花火を見に行けませんでしたよね?」
千砂都「………」
千砂都「あっ…!?」(想起)
恋「あの時はとりあえず同意しましたけど、実は内心穏やかではなかったのですよ?」
千砂都「……」
恋「(ニコニコ)」
千砂都「……………」
千砂都「破壊殺…滅式…!」ズァッ
恋「自分で自分を攻撃しなくていいですから」ギュッ
恋「…来年こそ、一緒に見に行きましょう?」
千砂都「恋ちゃん…」
『部長として許可します』
『ハードル上げていいかもって』
『もちろん、今のままじゃ難しいと思うよ?』
千砂都(私の部長生活は、大切な恋ちゃん達の神経を逆撫でしてばかりのものだったのかもしれない)
恋「さぁ行きましょう…あぁ、親御さん達には連絡しておいてくださいね?」
千砂都「うん!」
千砂都(でも…)
サヤ「お帰りなさいませ、恋様、嵐様」ニコ
チビ「ワン!」(歓迎)
千砂都「お邪魔しますサヤさん、チビ」
千砂都「…そして、恋ちゃん…」
恋「お帰りなさい…なんて、ね//」
千砂都(ここが、この人が…かのんちゃんの夢の果てを見届けた私の…帰る場所になればいいな)
3月・ラブライブ終了後
スクールアイドル部 部室
可可「行ってくるのデース!」
千砂都「気をつけてねー!」
かのん「………」トボトボ
恋「行ってしまいましたね…」
すみれ「えぇ…やっぱり寂しくなるわね」
メイ「しかし、やっぱりかのん先輩はすごかったんだな」
きな子「世界トップクラスの学校から留学を打診されるなんて…」
千砂都「かのんちゃんの実力とオーラが証明されたってことだよ」
夏美「…でも、良かったんですの?」チラッ
すみれ「なによ」
夏美「すみれ先輩が、可可先輩の時のように…また一人で『留学しちゃうのよおぉぉ』って暴走するのを心配してましたの」
四季「それは言い過ぎだけど、すみれ先輩はまた汗を流すかと思ってた」
すみれ「あんた達、私を何だと思ってるのよ…」
可可「かのんはあの時のククとは違いマスよ」
すみれ「これからかのんが行くのは、光り輝く未来への夢の道」
すみれ「だから私は…あの子が夢を全うするその日まで、幸せであるよう…」
すみれ「決してその夢が、理不尽に脅かされることのないよう…」チラ
可可「……」ニコ
すみれ「願うったら願うだけよ」フフ
可可(ククの家族との約束が理不尽というのはどうかと思いますが…)
可可(そう思って必死に戦ってくれたあなたのおかげで、ククは夢を叶えることができました)
可可(そしてククには、新しい夢ができたのですよ?)
可可(結女を卒業しても…そう、小さな家がいい…)
可可(一緒の布団で、あなたの顔を見て…手を繋いで眠りにつきたい…)
可可(…果たして、帰国して結女を卒業するかのんは、それでも気持ちは変わらずすみれを求めるのでしょうか)
可可(だとすれば…この1年はククにとって、次の夢を叶えるための準備運動の期間でもありますね!)
可可(…でも)
可可(かのん…私の華やかな夢を叶えてくれた最初の光…)
可可(できるのなら、あなたと一緒のLiella!の日々が…いつまでも続いて欲しかった…)
可可「………」シンミリ
ドタドタドタ
かのん「ハイ、澁谷でございます!!」扉バーン
8人「…………」
8人「「え!?」」
かのん「し、澁谷でございます!」メソラシ
可可「か…カノン!?」
すみれ「何で戻ってきてるのよアンタ!」
かのん「ひ、久しぶり…」ヘラ
可可「まさか…留学が嫌にナッテ!?」
千砂都「逃げた!!逃げた、恋ちゃん、かのんちゃんが逃げた!!」
恋「逃亡…!」(戦慄)
かのん「いや、これはね…」
すみれ「!?まーたこっちをオーラマシマシで説得するつもりね!」
きな子「その無駄にデカいオーラで何とか結女に残ろうとしても、そうは行かないっす!」
千砂都「世界に歌を響かせるんでしょ!?」
かのん「ち、違…」
四季「かのん先輩用の薬は完成している…メイお願い!」
メイ「南無 阿弥陀仏!(浄土真宗)」ガシッ
かのん「メイちゃん!?何を…モゴゴゴ!」ゴクン
夏美「飲みましたわねかのん先輩、私のレインボーたこ焼きスムージーを!」
きな子「何が入っていたと思いますっすか?」ニヤリ
かのん「…まさか、私のオーラを!?」
かのん「そんなものができるはずは…」
四季「残念、はずれです」
かのん「…ゴブッ」
すみれ「!?…吐いた!!」(たこ焼きを)
可可「よっぽどマズかったんデスね」
恋「薬は4つですよ…」
四季「1年生返り、顔芸化、教祖化阻害、そして…尊厳破壊!」
かのん「!?」
かのん「あ…何か聴こえて…」
-高い~♪高い~♪-
おばさん『シブヤサン?シブヤサン!?』
ママ『ニアッテルワヨ、セイフク!』
音楽科モブ『フツウカノセイフクモカワイイヨネ(苦笑)』
野良猫『ニャーンw』
鬼『ワタシハカノンチャンノウタ、キイテイタイケドナ?』(即立ち去り)
ポニテ『トニカクキョウハカエッテクダサイ、オンガクカノセイトノジャマニナラナイヨウニ』
金髪『ワタシヲダレダトオモッテルノォ!』
-高い~♪高い~♪-
かのん「アキラメナイキモチ…アキラメナイキモチ…」
メイ「何か変顔しながらブツブツ言ってるぞ…」
夏美「薬で入学当時のトラウマが呼び覚まされているようですわね…って」
千砂都「…私があの時、自分でかのんちゃんを…」(タイスタ顔)
恋「…文化祭は音楽科をメインで行う事と決定しました!一人で勝手に決めたんですけどね?」ウフフ
すみれ「…ウワァ~美味しそ~ぅ…」♪リエラジのテーマ
きな子「かのん先輩の呟きで、他の先輩達にもダメージ入ってるんすけど…」
夏美「すみれ先輩、スムージーを顔に塗りたくってますわ(ドン引き)」
四季「お互い傷付け合いながらも想い合い、今のLiella!がある」
四季「私とメイと同じ…//」髪クシャ
メイ「それは違うと思うぞ」
可可「………」
可可「さ、サァかのん?」
可可「アナタの大嫌いな初登校(2回目)がすぐ其処まで来たデスよ」ヤケクソ
かのん「アァ…」
ガラッ
ウィーン「お邪魔します」
夏美「!?」
かのちぃすみれん「「…はっ!」」
メイ「お前は…」
可可「マ、マルガレーテー!」
きな子「制服なんか着て…何の用っすか?」
ウィーン「何でシブヤカノンがDepression状態なのかは知らないけど…」
ウィーン「向こうで色々あって、留学は中止になったわ」
8人「「……は?」」
ウィーン「その報告と謝罪に来たの」
かのん「シブヤデ…ゴザイマス」
可可「そんな…中止だナンテ…」
すみれ「何でったら何でよ!?」
千砂都「何度でも聞くよ?その理由を」ゴゴゴ
恋「流閃群光はウィーンさんが戻ってこれなくなるのでやめてくださいね?」
ウィーン「詳しい事情はこれから話すとして…今回の件はうちの実家も関係しているから、まずは謝らせてもらうわ」
ウィーン「ご迷惑をおかけしまして」ペコ
ウィーン「…日本語これでいいのかしら」
8人「「………」」
かのん「わ…私のLiella!への想いは不滅…永遠だから…」ナミダメ
千砂都「………」ゴゴゴゴ
かのん「………」ドキドキ
千砂都「ま、事情があるならしょうがないか」パッ
千砂都「明日からまた練習だよ?もちろんかのんちゃんも!」
かのん「…ちぃちゃん!」パアァ
恋「今年こそ、皆で花火を見に行きましょうね?」
きな子「これからも猪突猛進っす!」
メイ「フン!…かのん先輩は戻ってくると思ってたぜ!」ズビ
四季「これからも、かのん先輩で…永遠の命の研究ができる…!」
夏美「これから配信スッタァートしますの!これは再生数期待できますの!」
ワイワイ
可可「…どうやら、この騒がしい日々はまだまだ続くようデス」
可可「ネ…すみれ?」クスクス
すみれ「もう…ちかたないわねぇ!」クスクス
かのん「みんな…」
8人「「おかえり」」
かのん「…ただいま」ニコ
ラブライブ!スーパースター!! 3期に続く…
おわり
完結です
ありがとうございました
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1673177962/
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