かすみ「アリバイ」【SS】
侑「へ~また現れたんだ!」
かすみ「なんですか?」
愛「かすかす?」
かすみ「はい、かすかすじゃないです。かすみんです。次言ったらさようならです」
愛「正体不明、神出鬼没のヒーローニジガサキ仮面。どこの誰か分からないけど、困ってる人の前に現れて助けてくれるんだって」
しずく「ニュースにも出てましてよね」
かすみ「正体不明のニジガサキ仮面って…ニジガサキって言ってるし…てか語呂悪…」
かすみ「意外と身近に居たりして。せつ菜先輩とかじゃないんですか?正体隠すの好きですもんね?」
せつ菜「ゴホッ…ゲホッ…」
かすみ「めっちゃ動揺してる…」
せつ菜「ち、違います。そんな…私がそんな…違いますよ~」
かすみ「………そうですか」
かすみ「そうなんですか?」
しずく「声が男性なんだって」
かすみ「ボイスチェンジャーとか使ってるんじゃないの?りな子なら作れそうだよね」
璃奈「そ、そんなの作れない。璃奈ちゃんボードあせあせ」
かすみ「あせあせって…」
かすみ「めっちゃ棒読みですよ?」
しずく「そう言えば昨日頂いたケーキが冷蔵庫に入ってましたね」
侑「食べる?」
愛「食べるなら皆んな呼ばなきゃだね」
かすみ「しず子?どうしたの?」
しずく「ない…」
かすみ「え?」
しずく「ケーキが全部…無くなってる…」
果林「急になに?」
ランジュ「何かあったの?」
彼方「貰ったケーキが無くなっちゃったんだって」
栞子「誰かが食べたと言う事ですか?」
かすみ「その通りです。まず、話を整理します。土曜の夕方にライブのお礼にと貰ったケーキを食べずに冷蔵庫にしまいましたね」
歩夢「うん。それは覚えてるよ」
愛「今日食べたかもしれないじゃん」
エマ「ん~でも、朝は練習あったり、授業も普通にあったし」
侑「昼も皆んなで集まってたもんね」
かすみ「でしょ?でしょ?と言う事は必然的に犯行は日曜日に行われたと見るべきです」
愛「そうかなぁ?」
愛「え?」
かすみ「昨日何してました?アリバイはありますか?」
愛「ちょっと待ってよ。愛さんを疑ってるの?」
かすみ「疑ってる訳ではありません。アリバイがあるかを聞いてるだけです」
栞子「それを疑ってると言うのでは?」
愛「昨日はお姉ちゃんと一緒に買い物に行ってたよ」
愛「証拠って…」
ランジュ「証拠ならあるわよ」
愛「え?」
かすみ「なぜランジュ先輩が?」
ランジュ「昨日たまたま愛を見掛けたのよ」
愛「じゃあ声掛けてよ」
歩夢「甘えてた…」
彼方「ぜひ目に焼き付けたかったぜ」
かすみ「ランジュ先輩って気を遣えたんですね」
しずく「そこ気になるんだ」
ランジュ「普段の愛とは別人だったわよ」
愛「いや…それは…」カァァァァ
かすみ「凄い。愛先輩が顔真っ赤に。一体どんな甘え方してたんだろう」
歩夢「愛ちゃんのこんな姿なかなか見れないね」
愛「……って言うかランジュは何してたのさ?」
愛「買い物?何を買ってたの?」
ランジュ「それは…言えない…」
かすみ「何でですか?」
ランジュ「それは…」
ランジュ(言える訳ないわ。友達と仲良くなる方法が書いてある本を買ってたなんて…)
かすみ「なんでランジュ先輩まで赤くなってるですか?」
侑「まあでも、愛ちゃんを見掛けたって事は本当みたいだし。それがアリバイなんじゃない?」
ランジュ「そ、そうよ!それにほら!アレもみたわよ!なんだっけ?ニジガサキライダー」
せつ菜「ニジガサキ仮面です!!!」
ランジュ「え?」
せつ菜「え?」
璃奈「犬だよ」
ランジュ「え?」
璃奈「あっ……犬ってネットニュースに書いてあった」
ランジュ「あれ犬だったのね。どおりでデカいと思ったわ」
歩夢「猫と犬間違えたんだ…」
栞子「ランジュが普段どう言う目で動物を見てるのか気になりますね」
かすみ「証拠はあるんですか?証拠!」
ランジュ「写真を撮ったわ」
かすみ「ニジガサキ仮面の?」
かすみ「どうしたんですか?」
せつ菜「いえ…」
ランジュ「ほら!これが証拠の写真よ」
侑「確かに。ニジガサキ仮面だ」
かすみ「これがそうなんですか?格好悪くないですか?」
かすみ「なんでせつ菜先輩がムキになるんですか?」
せつ菜「いや…それは…だって…正義の味方に失礼じゃないですか。うん、失礼です」
かすみ「そ、そうですか?」
せつ菜「そうです!」
かすみ「ま、まあ良いです。愛先輩とランジュ先輩はアリバイありとしましょう」
愛「良かった」
ランジュ「当然よ」
かすみ「何?しず子はかすみんを疑ってるの?」
しずく「かすみさんだって皆んなを疑ってるし」
かすみ「かすみんは昨日は補習でそれどころじゃなかったんだから」
しずく「補習?」
璃奈「まさか…また赤点…」
愛「けどさ、補習って事は学校に来たって事でしょ?それって怪しくない?」
かすみ「なっ!!?かすみんが犯人だと言いたいんですか?」
愛「怪しいねって言ってるだけだよ」
かすみ「ぐぬぬ…違いますよ!かすみんはちゃんと真っ直ぐ帰りましたから」
果林「はあ…仕方ないわね」
愛「カリン?」
果林「かすみちゃんにはアリバイがちゃんとあるわ」
果林「昨日、かすみちゃんが部室にも寄らず真っ直ぐ帰る所を目撃してるわ、私」
かすみ「え?そうなんですか?」
果林「そうね。見てたわよ」
侑「それって果林さんも校舎の中に居たって事?」
愛「カリンは何をしてたのさ?」
愛「あっ…そうなんだ」
歩夢「意外…」
かすみ「え?果林先輩も勉強出来ないの?」
果林「出来ないんじゃないわ。やらなかっただけよ」
かすみ「な、なるほど…」
栞子「それってダメじゃないですか」
果林「ふふっ」
愛「いや…ふふっじゃなくて…」
かすみ「て、て言うか、しず子は昨日何してたの?」
かすみ「え?言えないの?」
しずく「えっと…」
かすみ「何してたの?」
しずく「その…」
侑「まあまあ…その辺にしとこう」
侑「え…それは…えっと…」
歩夢「………」
愛「歩夢?どうした?」
歩夢「え?いや…」
かすみ「歩夢先輩は何してました?」
歩夢「あ…えっと…」
侑「………」
かすみ「侑先輩?」
侑(言えない…歩夢の誘いを断ってしずくちゃんと二人で買い物してたなんて。しかも…歩夢にサプライズでプレゼントを買ってたなんて…言えない)
かすみ「歩夢先輩も侑先輩もどうしちゃったんですか?」
かすみ「しず子も変だし。三人とも昨日なにしてたの?」
しずく(侑先輩と二人で歩夢さんへのプレゼントを選んでたなんて言えないし…歩夢さんが尾行してるのに気が付いてたなんて絶対に言えない…アリバイになるとしても言えない…)
かすみ「三人ともなんか変ですね。凄い怪しい…」
ミア「ふっ…くだらないな」
かすみ「むっ。ミア子、大人しいと思ったら…くだらないって何?」
かすみ「とか言って犯人だからそんな事言うんじゃないの?」
ミア「はあ?ボクが犯人?知らなかったな、かすみはジョークが苦手なんだね。ボクがそんなくだらない真似する訳ないだろ」
かすみ「どうかな?昨日、ミア子はどこで何してたのかな?」
ミア「何で言わなきゃいけないの?」
かすみ「言えないの?」
かすみ「じゃあ、犯人って事でいいね?」
ミア「何でそうなるのさ?話が飛躍し過ぎだろ」
かすみ「だって、そこまで頑なに言わないなんておかしいじゃん」
ランジュ「確かにそこまで頑なだと怪しいわね」
ミア「くっ…ランジュまで」
かすみ「何をしてたか言わないと~犯人になっちゃうよ~」
愛「普段、ミアちにはやられてばかりだからね」
かすみ「ほれほれ~犯人って事で良いのかな?」
ミア「くっ…昨日は一日中ダウンしてたんだよ」
かすみ「ダウン?」
ランジュ「具合が悪かったの?」
ミア「…そうだよ」
かすみ「風邪?風邪引いてたってこと?」
ミア「………重いんだよ、ボクは」
かすみ「あ~……」
しずく「デリカシーないですね。かすみさん」
彼方「謝ろっか」
かすみ「え…あっ…ごめん」
ミア「………別に」
かすみ「………えっと、で、栞子は昨日何してたの?」
かすみ「待って。朝から始めるの?」
栞子「違いました?」
かすみ「いや…って言うか朝食をしお子が作るの?しお子の家ってお手伝いさんとかいるんじゃないの?」
栞子「そうですね。お手伝いさんのお手伝いをさせて頂いてるというか…」
愛「うわっ…超偉い」
かすみ「ま、まあいいや。続けて」
栞子「朝食を食べ終わったら授業の予習と復習をして、それから稽古…」
かすみ「あ、もう良いよ」
栞子「良いのですか?」
かすみ「もう胃もたれしそうだから」
かすみ「しお子って天然?」
栞子「天然とは?」
かすみ「そう言う所」
栞子「へ?」
彼方「まあでも今のはかすみちゃんの例えも悪いよ」
かすみ「そんな事ありませんよ。さて、エマ先輩!」
エマ「え?」
エマ「うん」
かすみ「あ、してたんですか」
エマ「昨日はお出かけしてたんだけど」
かすみ「あっ、話し始めるんですか」
エマ「お散歩してたら知らないおじさんに声を掛けられて」
かすみ「なんか…怖い話が始まろうとしてるんですけど…」
侑「怖い話と言うか…危険そうな…」
かすみ「怖い怖い怖い怖い怖い」
せつ菜「ダメですよ。ついて行っちゃ」
エマ「それからずっと宇宙人と交信して…」
かすみ「交信して?」
エマ「気が付いたら家に居たの」
かすみ「………どう言う話?」
かすみ「色んな意味で大丈夫じゃないです。アウトです」
果林「なんで何事もなかったかの様に話せるのよ…」
エマ「えへへ。本当だね」
栞子「凄い他人事の様に…」
しずく「確かに」
かすみ「で、一応聞いておきますがせつ菜先輩は何してたんですか?」
せつ菜「え、わ、私ですか?」
かすみ「順番なんだから聞かれるの分かってたでしょ!」
せつ菜「えっと…」
かすみ「どうしたんですか?」
せつ菜(でも、言わないとアリバイが…私が白状すれば協力者の璃奈さんも無実が証明される)
歩夢「凄い葛藤してるね」
かすみ「正体バレてるのに」
かすみ「ちなみに助けたワンちゃんはどうしたんですか?」
せつ菜「私達で保護してます」
璃奈「あっ」
せつ菜「え?」
かすみ「アリバイありですね」
かすみ「まだしらを切るつもりですか?」
侑「かすみちゃん」
かすみ「なんですか?」
侑「これ以上は野暮だよ」
かすみ「や、野暮?かすみんが野暮?」
彼方「そうだよ。かすみちゃん。いや、ここは敢えてかすかすと呼ばせて貰おう」
かすみ「いや、かすみんでお願いします。かすみんのどこが野暮なんですか?」
侑「正義の味方を困らせる様な事をしてるからだよ」
かすみ「くっ…分かりました。これ以上は言いません。で、彼方先輩は昨日なにしてたんですか?」
彼方「彼方ちゃんは昨日も部室でスヤピしてたよ」
かすみ「…………え?」
侑「部室で?」
彼方「うん。だから、この部室に入って来た子も知ってるよ」
かすみ「え?ちょっと待って下さい。それってどう言う事ですか?」
かすみ「え?今、犬の鳴き声しました?」
しずく「うん。確かにしたね」
せつ菜「あっ…」
「ワンワワーン」
歩夢「あっ、ワンちゃんが居る…」
侑「え?どこ?」
歩夢「ほら!あそこの…椅子の下に」
せつ菜「あちゃあ…」
璃奈「バレちゃった…」
せつ菜「えっと…そう言う事です。全部かすみさんのおっしゃる通りです」
彼方「ごめんね、せつ菜ちゃん。隠し通すつもりだったんだけど…出て来ちゃってたから」
せつ菜「良いんです。元より嘘を吐こうとした私がいけないんですから」
かすみ「え?ちょっと待って下さい。彼方先輩は知ってたって事ですか?」
彼方「うん。全部知ってたよ」
侑「ごめん、かすみちゃん。実は私も知ってたんだ」
かすみ「え?侑先輩も?」
かすみ「そうだったんですか。え、まさか他にも知ってる人がいたり…」
栞子「私も知ってましたよ」
せつ菜「生徒会長ですから。許可は取らないと」
果林「ちなみに私も補習の後に部室に立ち寄ったから知ってたわ」
かすみ「なっ…じゃあ、知らないフリをしてたって事ですか?今までの全部演技?」
侑「ごめんね。でも、歩夢とかしずくちゃんは知らなかったから」
かすみ「そ、そうなの?」
しずく「うん。かすみちゃんと同じだよ」
歩夢「ビックリだよ」
かすみ「え、怖っ。今までの演技とか超怖いんですけど」
愛「いっぱい食わされたね」
ランジュ「ランジュも演技とは思わなかったわ」
「ワンワンワーン」
かすみ「あっ、でもこの子可愛い…」
せつ菜「でしょう」
かすみ「可愛いけど…ダメだよ~ケーキを一人で食べたりしちゃあ」
せつ菜「え?」
かすみ「え?」
せつ菜「ケーキは与えてませんよ」
かすみ「え?今の流れだとこの子がケーキを食べた犯人みたいな事じゃないんですか?」
かすみ「そうなんですか?え、だって彼方先輩…」
彼方「ケーキを食べた犯人は知らないよ」
かすみ「えぇ… 知って流れだったじゃないですか」
彼方「でも、彼方ちゃんは食べてないし~それはせつ菜ちゃん達も知ってるもんね?」
せつ菜「そうですね」
かすみ「え~じゃあ、いよいよケーキは誰が食べたの?」
かすみ「だから違いますって。アリバイあったでしょ!それに彼方先輩だって部室に居たんだから」
しずく「実は元々ケーキなんて貰ってなかったりして」
かすみ「な、なにそれ?」
しずく「私達全員、集団催眠的なものに掛かってたり」
かすみ「な、な、何言ってんの?」
しずく「冗談だよ」
かすみ「怖いこと言わないでよ」
かすみ「え…でも…」
せつ菜「ケーキの話は練習後にしましょう」
エマ「そうだね~」
かすみ「え~なんか納得出来ないんですけど」
しずく「まあまあ」
璃奈「落ち着いて」
かすみ「むぅ」
愛「ほら、行くよ~かすかす」
かすみ「かすみんです。分かりましたよ」
ガチャ バタン
犬「ガルルルル…ワンワンワン」
宇宙人B「/a@dg@g@pagap#pj,jptm」むしゃむしゃ
宇宙人C「#apmpmtb@stjp_(mv」むしゃむしゃ
部室で寝てた彼方も食われてAが彼方に彼方になりかわってるってことか
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1674475444/
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