歩夢「『飛行機の中で見てね!!』?」
アニガサキ時空、他媒体ネタもあり
かすみ「侑先輩、カメラの準備そろそろですか?……え゛ぇ!?もう撮ってる!?早く言ってくださいよぉ!」
しずく「かすみさん、この前もそれやってたよね……」
璃奈「えー……こほん、歩夢さん、たった今侑さんから話を振られたから、正直、あんまり話す事考えられてないんだけど……とにかく、ロンドンでも頑張って。璃奈ちゃんボード、『むんっ!』」
しずく「歩夢さん、まだまだ歩夢さんに着てもらいたい衣装も、演じてもらいたい役もたくさんあるんです!だから二週間と言わず一週間で帰って来て下さい!……というのは冗談ですが」
しずく「でも、その後ユニットを組んでからも、歩夢さんはいつも……お恥ずかしながら、暴走しちゃった時も、笑顔で話を聞いてくださいますよね?それが、私にとってとっても嬉しいんです」
しずく「たとえロンドンで言葉の壁があったとしても、そんな歩夢さんの包容力ならきっと気持ちを通じ合わせられるって信じてます!」
璃奈「こんな事言ってるけどかすみちゃん、来週の練習メニュー表に歩夢さんがいないのに気づいた時、とっても寂しそうな顔してた」
かすみ「りな子!余計な事言わないで!!」
璃奈「歩夢さん、私の初めてのライブの前に部屋まで来てくれた時、私のこと頑張り屋さん、って言ってくれたよね。あの時、とっても嬉しかった」
璃奈「今度挑戦するバーチャルでの配信もそう。歩夢さんも興味あるって言ってたよね?」
璃奈「帰ってきたら、二人で並んで配信したいな。モデル作って待ってるから」
璃奈「……あ、栞子ちゃん」
栞子「ええ、引継ぎの準備の関係で色々と……おや、侑さん?」
しずく「歩夢さんがロンドンに行く前に、同好会みんなでメッセージ動画を送ろうって」
栞子「なるほど、かすみさんから急いで!、とだけメッセージが来たので何かと思ったのですが」
栞子「……私からは、とにかく無事に帰って来てください、という所です」
璃奈「……応援メッセージってそういうものじゃないとは思うけど、歩夢さんなら喜んでくれそう」
栞子「そうでしょうか……そうしたら歩夢さん、日本に帰ってきたら、もっと私にスクールアイドルの先輩として、もっと色んなことを教えていただけませんか?」
かすみ「そんなのでいいの?いつも通りじゃん」
栞子「それ自体は間違っていなかったと思います。本当に素晴らしいステージでした……でも正直に言えば、少し、羨ましくなっちゃったんです」
栞子「あのステージが素晴らしかった分だけ、やっぱり誘われたときに、出ますと言えば良かったのかなって、あの日のキラキラしていた歩夢さんと皆さんを見て思ったんです」
しずく「栞子さん……」
栞子「……ある意味、これも皆さんの言う仲間でライバル、ということなんでしょうね」
栞子「だから歩夢さん、これからもご教示の程をよろしくお願いします!」
璃奈「……栞子ちゃんらしいね」
かすみ「そんなことないもん!しず子こそ目ちょっと赤いよ!」
しずく「ち、違うよ!もう!」
かすみ「あ゛ーもうこんなつもりじゃなかったのに!全部しお子のせい!」
栞子「わ、私のせいですか?」
かすみ「こほん……同好会の部長してひとこと言わせて貰えれば、みーんながソロ活動をしてる今の同好会が良いなって最初に思えたのは、歩夢センパイのおかげです!」
かすみ「まぁ、その中でもかすみんが一番飛びっきりにカワイイのは変わりはないんですけど……」
かすみ「なんというか……『カワイイ』、にはカワイイか、カワイくないか、だけじゃなくて、『カワイイ』にも種類があるって、歩夢センパイに教えてもらったんです」
かすみ「……うーん、なんだかこうして改めて言うのと恥ずかしいですね……」
しずく「かすみさん、良かったね、普段歩夢さんに中々言えないコト、伝えられる機会が出来て」
かすみ「しず子まで!……あーもう……歩夢センパイ、二週間の間くらいで、こっちの事は心配しないでくださいね!」
かふみ「こっちはこっちで、元気にやりますから……」グズッグズッ
かすみ「全然、平気なんですからねっ……!それでは!!」ダッ
璃奈「あっ……出て行っちゃった」
栞子「ファーストライブの練習できっと猶予はないでしょうし、そろそろ他のみなさんの分も部室に呼んで撮らないといけませんよね」
璃奈「じゃあ私たちの分はこの辺で……歩夢さん、頑張って。璃奈ちゃんボード、『ファイト!』」
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愛「やっほー歩夢!もしかして今空の上だったりする?」
愛「ゆうゆが急にメッセージ撮る!なんて言うからビックリしたけど……せっかくの留学だもん、スタートダッシュで少しでも楽しい気分になってから行ってもらいたいしね!」
愛「愛さんからは、そうだなぁ……お土産、楽しみにしてる!」
愛「……せっつー、そんな『直球で頼むんですか……』みたいな顔しないで!」
愛「帰ってきたらお帰りパーティーしよ!その時に色々話聞かせてね!普段歩夢が作ってる料理に負けないくらいのご馳走、用意しとくからさ」
愛「量はもちろん、ドーンとね!ロンドンだけに!」
プルプル
ランジュ「見てせつ菜!侑ったらカメラがぶれないように必死に耐えているわ!」
せつ菜「声が入らないように口を抑えてもいますね……健気です……」
ランジュ「そうね……歩夢!ロンドンまでファンの子に会いに行くって聞いた時、すっごく良い事だと思ったわ!」
ランジュ「そんなの、ファンからしたら嬉しいに決まってるもの!ランジュだったらきっと歩夢を見た瞬間に飛びついちゃうわ!」
ランジュ「でも……歩夢もある意味、ランジュと一緒の立場になるわけね」
ランジュ「……飛び込んだ先ではたった一人。ランジュは失敗がないように、念入りに準備をしたわ……それと覚悟も」
ランジュ「歩夢は、たくさんの人が支えてくれるから自分もスクールアイドルでいられるって、初めて会った時、ランジュに言ってくれたのを覚えているわ」
ランジュ「逆に言えば、一人っきりで歩夢はスクールアイドルとしての自分を示す事が出来るのかしら」
ランジュ「その覚悟はある?」
ランジュ「……不好意思、ごめんなさい!もっと言い方ってものがあるわよね、良くないわ!」
せつ菜「……ランジュさん、歩夢さんには伝わってると思いますよ!ランジュさんの言いたいことも、優しさも」
ランジュ「謝謝、せつ菜……決して歩夢には出来ないとか、そう思っている訳じゃないの」
ランジュ「スクールアイドルを愛する気持ちは、海を越えてもちゃんと伝わる。歩夢たちに憧れて、今こうして同好会にいるランジュが一番の証明よ!」
ランジュ「だからそうね……無問題ラ!」
せつ菜「はい!」
せつ菜「歩夢さん、まず何よりも海外までスクールアイドルの魅力を伝えに行くという目標自体、私は尊敬します!」
せつ菜「『優木せつ菜』の目標は、大好きを世界中に溢れさせること。スクールアイドルとしては歩夢さんより先輩なのに、なんだか一歩先を越されてしまったような気もしてしまいますね」
せつ菜「第二回スクールアイドルフェスティバルと文化祭の合同開催の時、そしてもっと前に……私が優木せつ菜を諦めかけた時も」
せつ菜「歩夢さんがスクールアイドルを始めてくれていなければ、また皆さんと同好会で一緒に活動は出来ていなかったでしょう」
せつ菜「だから……歩夢さんは、私にとってヒーローなんですよ!きっとロンドンのファンの方も救ってしまうんだろうって信じています!」
せつ菜「始まったのなら……」
せつ菜「……いえ、みなまで言う必要はないですね」
せつ菜「ふふっ、勝手ですけど、なんだか私と歩夢さんだけの合言葉、って感じがして私は好きです!」
ランジュ「せつ菜ずるい!私も歩夢との合言葉が欲しいわ!」
愛「そしたらさぁ、二年生でお互いに合言葉とかあっても良いかもね!」
ランジュ「二年生でお泊まり会するのはどうかしら!他のみんなには秘密で決めましょう!」
愛「それ、ランジュがお泊まり会したいだけでしょ!」
ランジュ「なによぅ……別にいいでしょ!」
せつ菜「決まりです!歩夢さん、帰ってきたら五人でお泊まり会、しましょうね!……それでは!!」
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明日か明後日に続き書きます
次で終わる予定です
移動しながらなんでまたIDころころ変わると思います
エマ「彼方ちゃーん、そろそろ起きて―?」
ミア「彼方、ほんとによく寝るな……」
果林「その内起きるわよ、さ、始めましょ?」
エマ「そうだねぇ~……歩夢ちゃん、まとまった期間海外に行くのは初めてだよね?」
エマ「私もね、スイスから一人で日本に来た時はやっぱり不安だったよ」
エマ「逆に言えば、こうしてみんなと居られるようになるまでは寂しい時もあったんだ」
エマ「だから、侑ちゃんのビデオレターを撮るってアイデアはとっても良いなって思ったの!」
エマ「最初の不安や寂しさをちょっとでも和らげられたら」
エマ「後は……一つ経験でアドバイスをするなら、留学先の学校の近くで、迷ったフリをしていればきっと親切な人が声を掛けてくれると思うよ!」
果林「……エマ、いつの誰の話をしてるのよ」
エマ「えへへ……じゃあ次はミアちゃん?」
ミア「後、歩夢はどうせ、自分以上にそこで呑気にカメラを構えてるベイビーちゃんの方を心配してるんだろ?」
ミア「少なくとも、音楽科の課題に関しては面倒見てやるからそこは大丈夫。ま、普段から侑の方が頼ってくるからいつも通りかもしれないけどね」
ミア「面倒を見る代わり……そうだ、帰ってきたらまた歩夢の作った弁当が食べたいな」
ミア「give and takeだ、いいだろ?」
彼方「……んも~ミアちゃんたら美味しいご飯なら彼方ちゃんがいくらでも作ってあげるのに」
ミア「……彼方、起きてたのかよ」
彼方「ふわぁ~……彼方ちゃんはもう歩夢ちゃんに十分お節介をしたので、話すことはないのです」
果林「はぁ……じゃあ私かしら」
果林「歩夢、覚えているかしら?私とあなたが初めて会った時のこと」
果林「ガラスの前で自己紹介の練習をしていたわね。あの時は私なりにアドバイスを送ったつもりだけど、改めて、今の歩夢にも」
果林「背筋を伸ばして、堂々としていること。今のあなたにはその資格があるわ」
果林「私は、あなたがあのガラスの前でスクールアイドルの第一歩を踏み出す瞬間から、ずっとあなたのことを観て、応援してきたつもり……大袈裟に言ってしまえば、歩夢の二人目のファンは私」
果林「ふふっ……一人目は、私が言うまでもないと思うし、奪うつもりもないわよ?」
果林「……改めて言うまでもないけど、私と、私たちとあなたは、仲間でライバルよ」
果林「ロンドンの子が同好会のライブを見て、歩夢に宛ててメールを送って来た、この時点で正直ちょっぴり悔しいわ。私宛てだったらもっと良かったのにってね!」
果林「……私からはこんな所。彼方、ほんとに言うことないの?」
彼方「う~ん、そうだねぇ……じゃあちょっとだけ」
彼方「多分だけど、みんなはみんななりの言葉で歩夢ちゃんの背中を押すエールを送ってくれたんじゃないかな~?」
彼方「……もし、ロンドンで上手く事が進まなかったとしても、怖がらないで帰ってきて」
彼方「彼方ちゃんも含め、みんなが歩夢ちゃんなら大丈夫って思ってる。でも、それはプレッシャーじゃないって分かって欲しいんだ」
彼方「二週間の留学で何か大きな出来事があったとしても、そうじゃなくても、歩夢ちゃんは歩夢ちゃんだから」
彼方「みんなが歩夢ちゃんの事、大好きなのは今もこれからも変わらないよ。だからどんな事があっても、同好会に安心して戻ってきてね?」
エマ「彼方ちゃん”が“、ひざ枕をする方なの!?」
ミア「……驚きすぎだろ」
果林「いや、彼方から申し出るなんてかなり珍しいわね。彼方的には最大級のご褒美のつもりじゃないかしら」
ミア「そんな大袈裟な……」
ミア「What!?そんな訳ないだろ!」
エマ「ミアちゃん、その後は私のひざ枕もどう?」
ミア「どうして対抗するんだ!?」
果林「……」
ミア「ちょっと羨ましそうにするなよ!……侑もだ!!わ、エマ離せ、ボクを彼方の所に連れて行くな!……とりあえずカメラは止めろー!!」
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侑「……よいしょっ、と。カメラはここでいいかな」
侑「……歩夢、どうだったかな?もし、ロンドンに着く前に不安だったとしたら、これで元気出してくれると嬉しいな!」
侑「いやぁ……でもあの時、ラブライブに出るみんなにエールを送った時に、歩夢から留学の話を聞いた時はほんとに驚いたよ!」
侑「メールの話も後から聞いたし、あの時は流れも何もなかったから、いきなり!?って感じ!」
侑「そんな風に前に進める歩夢がそばに居てくれたから、私も今こうしてるわけで……えへへ、こうやって話すと恥ずかしくなってくるね」
侑「なんの話だっけ……そう、スクールアイドルみんなを応援した時。あのタイミングで歩夢から切り出されたからなおさら、歩夢にだってエールを贈りたいって思ったんだ!」
侑「歩夢だって、これから挑戦する、前に進むスクールアイドルなんだから!」
侑「じゃ、そろそろ……向こうで歩夢のファンの子に会ったら、写真送ってね!いってら、うわぁ!?」
ガララッ
栞子「やっぱり居ましたね」
果林「みーんな侑が一人で最後に締めるつもりだって思ってたわよ?」
ランジュ「だって私たちを撮ってる時、あんなに自分の声が入らないようにしてたんだもの」
しずく「それだったら、侑先輩が最後の最後で大詰めを担当するんだろうなぁ、って」
ミア「まったく、本当に単純だよ」
侑「いやぁ~……返す言葉もございません」
愛「それもそうだけど、足りなかったよねー、あれを邪魔するだけの……勇気が!侑だけに!」
侑「ぷはっ!あっははははは!」
せつ菜「愛さん!『ゆうき』はむしろ私の方ですよ!!」
かすみ「せつ菜センパイも余計なこと言わないでくださいよ!侑センパイの笑いが止まんなくて締められなくなります!!……ここは部長としてかすみんが」
エマ「今こそ、間を取ってまさに留学真っ最中の私が!」
侑「わー待って待って!それだったらみんなで言おう!!」
侑「いくよ、せーの!」
『いってらっしゃい!!』
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ピンポーン
「We will be landing at Heathrow Airport in about 20minutes.」
「The local time is…」
歩夢(みんな、ありがとう)
歩夢(……いってきます!)
おわり
OVA楽しみ
ova前に振り返りができた感ある
たった2週間。とは言えども当人たちにしてみればされど2週間なんですよね。
人が変わる、変えるキッカケを得るには充分すぎる期間です。ましてや海外。何か想定外のことが起こるのではないか。人が消えるのなんて一瞬ですから。不安の種は尽きません。(そう考えるとエマさんミアちゃんランジュってすごく『生きてる』なぁと思ったり)
ですがこのSSを読んで、歩夢ちゃんに向けた同好会の言葉。その一つ一つが12色の虹となって、歩夢ちゃんの未来を明るく照らし、無事導いてくれる。そう確信しました!
OVAでも元気な13人の姿がより一層見たくなりました!!!!!!!!
素晴らしいSSをありがとうございました!!!!!!!!!!!!!
メンバーの解像度むっちゃ高かったわ
果林さんが歩夢のファン2号っていう解釈すごく好き
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