歩夢「あ、栞子ちゃんだ。おは…えっ!?」【SS】
歩夢「」
栞子「歩夢さん?」
歩夢「…はっ」
歩夢「あ、栞子ちゃん、ごめんね」
栞子「体調がよくないのなら…」
歩夢「ううん、大丈夫!」
栞子「そうですか…無理はなさらないでくださいね」
歩夢「うん、ありがとう」
栞子「あ…見られてましたか…お恥ずかしい」
栞子「ランジュがどうしてもと言うものでつい」
栞子「いえ、流された私も悪いのですが…」
歩夢「栞子ちゃんとランジュちゃんってそういう関係なの?」
栞子「そういう…とは?」
歩夢「その…さっきしてたことを、いつもしてるような」
栞子「はい、そうですけど…」
歩夢「そんな…」
栞子「私とランジュのことは周知のことだと思ってましたが…」
歩夢「聞いてないよぉ」
栞子「そうですか。すみません」
栞子「では、改めて」
栞子「私とランジュは家同士の付き合いがあったため、小さいときから遊んでいた、幼馴染の関係です」
栞子「ランジュが香港に行っていた時期は少し疎遠になっていましたが、今は元通りに」
栞子「いえ、むしろ前より近くなったかもしれません」
栞子「はい?」
歩夢「え?」
栞子「…」
歩夢「…」
歩夢「栞子ちゃんとランジュちゃんは恋人関係…なんだよね?」
栞子「いえ、違いますが」
歩夢「んん?」
栞子「なぜそんな答えになるんでしょうか?」
歩夢「さっき栞子ちゃんとランジュちゃんがキスをしてたように見えたんだけど…」
栞子「はい…そうですね」
栞子「歩夢さんに見られているとは迂闊でした」
栞子「もっと場所を選ばなくてはいけませんね」
歩夢「だよね、間違ってなかったよね…」
栞子「はい」
歩夢「つまり恋人同士ってことじゃないの?」
栞子「はい?」
歩夢「ん~…?」
栞子「私とランジュは別に恋愛関係にはありませんが…」
栞子「まさか。そんなわけないじゃないですか」
栞子「ランジュが相手だからですよ」
歩夢「ん~…やっぱりランジュちゃんが特別な相手ってことだよね?」
栞子「はい、そうですね」
栞子「先ほど言った通り、普通に幼馴染ですよ」
歩夢「ごめん…わからなくなってきた」
栞子「私何か変なこと言ってますか?」
歩夢「変というか…うーん…?」
栞子「そうでしょうか?」
歩夢「うん。正直そういう経験には疎いと思ってたけど…」
栞子「そういう、とは?」
歩夢「ほら、さっきのキス…」
歩夢「私は、その、まだしたことないから…」
栞子「そうなのですか?」
歩夢「え…」
歩夢「何言ってるの!?私とあの子はそんな関係じゃないし」
栞子「え、お2人は幼馴染ですよね?」
歩夢「そうだよ。ただの幼馴染だよ」
栞子「だとしたらキスくらいしませんか?」
歩夢「…え?」
歩夢「いやいや、しないよ!」
栞子「え?」
歩夢「ただの幼馴染って言ったじゃん!」
歩夢「…はい?」
歩夢「ん~…?」
歩夢「あれ…?」
栞子「何か私の発言に変なところありましたか?」
歩夢「えっと…」
歩夢「あれ、私がおかしい?」
栞子「何がですか?」
栞子「さっきの…というと、幼馴染とはキスをするというところですか?」
歩夢「そう、それ」
栞子「それが何か?」
歩夢「栞子ちゃんは幼馴染とキスをするのが普通だと思ってるの?」
栞子「はい」
栞子「…違うのですか?」
栞子「え…!」
栞子「そんな…」
歩夢「少なくとも私とあの子はしたことないし、友達からも聞いたことない…かな」
栞子「では私がランジュとしていたことは…」
歩夢「幼馴染としてはちょっと…」
歩夢「ううん、だいぶ進んだ関係かな…って」
歩夢「あ、待って!」
歩夢「ごめん、私も全部の幼馴染のことを知ってるわけじゃないから」
歩夢「中にはそういう幼馴染の関係があってもいいかも…」
歩夢「いいのかな…?」
歩夢「ううん、栞子ちゃんとランジュちゃんで合意の上でしてるんでしょ?」
歩夢「さっき私に見られて恥ずかしがってたから、人前ですることじゃないとは思ってるんだし」
栞子「はい、人目は気にするようにと姉さんに言われましたから」
歩夢「じゃあ、2人の関係に私が外から何か言うのは違うんじゃないかと思う」
歩夢「ごめんね。気にしないで」
栞子「そうですか…ありがとうございます」
歩夢「え?うーん…」
歩夢「したいとはあんまり…」
歩夢「もちろん、あの子のことは好きだし、もし求められたら流されちゃうかもしれないけど…」
歩夢「やっぱりファーストキスは…その、恋愛的に好きな人としたいって言うか…」
栞子「幼馴染とのキスはファーストキスにならないでしょう?」
歩夢「え?」
栞子「それは恋人同士のキスを差すので、幼馴染同士のキスはカウントしないのではないですか?」
歩夢「幼馴染と恋人で違うの?」
栞子「違いますよ!」
栞子「恋人同士のキスは…その…舌を入れる、いわゆるフレンチキスでしょう?」
歩夢「あぁ…そういうこと…」
歩夢「うーん…一般的にはバードキスでもどっちでもファーストキスになるんじゃないかな?」
栞子「では私のファーストキスはすでに…」
歩夢「あ、でもそういうのは本人の意識の問題だから」
歩夢「例えばほら、事故で唇がぶつかっちゃったときはカウントしないとか」
歩夢「栞子ちゃんがランジュちゃんとのキスをファーストキスにカウントしなければ、まだってことなんだよ」
栞子「そうですか…それならよかったです」
栞子「何か言いましたか?」
歩夢「ううん、何でもない!」
歩夢「あ、えっと、栞子ちゃん…」
栞子「はい」
歩夢「その…ファーストキスって、だれかとする予定あったりするの?」
栞子「いえ、今のところは…」
歩夢「そう…」
歩夢「わ、私もないよ」
栞子「そうですか、よかったです…」
歩夢「よかった?」
栞子「あ、すみません!なんでもありません!」
歩夢「…」
栞子「…」
栞子「はい…」
歩夢「ほら、そろそろホームルームの時間になっちゃうし…」
栞子「そう、ですね…」
栞子「では、また放課後に、お会いしましょう」
歩夢「うん…またね…」
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1675088950/
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