【SS】マドカ「え? 生徒会長はルリカでしょう?」【スクールアイドルミュージカル】
アイドル部 部室
アンズ「おつかれさま」ガラッ
ルリカ「あっ! アンズちゃんっ!」
アンズ「あらルリカ」
ルリカ「今日もダンスを教えて欲しいであります!」敬礼
アンズ「ふふっ、もう同じ部活の仲間なんだからそんな言い方しなくていいわよ」
ルリカ「えへへ、つい」
レナ「私たちもです」
ヒカル「でもまあなんとかなるもんだな」
サヤカ「うん、もっと堅苦しくなるかと身構えてたけどね」
ユズハ「ちょ、ちょっと! トアちゃん何やってるの?!」
トア「え? 暑いから扇いでるんですけど」
ユズハ「そそそ、そんな、スカートを扇ぐなんてお行儀が悪いです!」
トア「そうですか~? 女子しかいないからいいじゃないですか~?」バッサバッサ
ユズハ「さささサヤカさん? 何をしてるんですか?!」
サヤカ「暑いからスカート扇風機してるだけだよ?」ブゥーン
ユズハ「中が見えてしまうじゃないですかっ!? なんて破廉恥な! ああ、目眩が……」バタリ
ユキノ「だっ、大丈夫ですかっ? ユズハ先輩っ?」
ユズハ「う~ん……」
ルリカ「あはは……」
レナ「それにしても旧椿咲花の建屋は古くてクーラーが付いてないのは問題だと思うんです。暑くてクラクラします」
ヒカル「そうかな?」
トア「慣れてる人はいいかもしれませんけど今時ありえないですよ」
マーヤ「まあ120年の伝統があるからねぇ……」
アンズ「うん……あんまりお金無さそうだけど」
レナ「掛け合うにしてもどうやって掛け合います?」
ミスズ「普通だったら生徒会からとか……」
ユキノ「あの、そう言えば…… この学校の生徒会ってどうなってるんでしたっけ?」
一同「……」
アンズ「そう言えば」
ミスズ「そこから決めていかなきゃいけないってわけね」
トア「生徒会長はやっぱりアンズ先輩ですよね」
アンズ「え?」
サヤカ「確かにまとめる力は有るからね」
ルリカ「へ?」
マーヤ「確かにずっと学年1位で頭良いからね」
ユズハ「私もルリカちゃんが良いと思います!」
ヒカル「うわっ、急に起きてきた」
ユズハヒカルマーヤユキノ「……」
アンズ「ちょっとみんな落ち着いて」
ルリカ「そーだよ、そんな睨み合わないで。せっかく同じ学校になったんだから……」
ミスズ「キョウカ理事長!」
マドカ「ほんとに、若いって羨ましいわ」
ユズハ「マドカ理事長も」
マドカ「いえいえ、キョウカの手際の良さには驚いたわ」
キョウマド「ウフフフフ」
キョウカ「なあに、ミスズ」
ミスズ「この椿滝桜の生徒会なんですけど……」
キョウカ「ああ、忙しくて忘れていたわ。アンズを生徒会長にして生徒会を発足させようと思ってたの」
マドカ「え? 生徒会長はルリカでしょう?」
キョウマド「……」
トア「うん……」
キョウカ「知名度を考えれば生徒会長は当然アンズです」
マドカ「いえいえ、ここは伝統有る椿咲花のルリカであるべきです。親の贔屓目に見ても頭も良いですし」
キョウカ「なによアンズだって賢いわよ」
ルリカ「ママ落ち着いて?」
マドカ「またそうやって上から見下して!」
キョウカ「やっぱりあなたって嫌なやつね!」
ユズハ「お、落ち着いてください」
ヒカル「そ、そーだ! ここは公平にバスケ対決で決めない? なんて……」
一同「……」シーン
ヒカル「はは、やっぱおかしいよね、スポーツで決めるなんて…はは……」
マドカ「おほほ…」
サヤカ「なんか笑いあってるぞ」
ユキノ「怖いです……」
マドカ「ええ、スポーツで決着をつけるのも文武両道を旨とする本校の方針に合ってますし」
トア「え? じゃあ本当にバスケで生徒会長を?」
キョウカ「いいえ、ここはバレーボールで決着をつけるべきです」
マドカ「バレーは女子高生の青春ですからね」
キョウカ「その必要はないわ」
ヒカル「え?」
マドカ「6人づつよ、私たちを入れて」
一同「え、ええええええええ!!」
マドカ「ええ、これでも昔は鳴らしてたのよ」
アンズ「お母さん冗談よね?」
キョウカ「いいえ、いつかは決着をつけなければならないと思っていたわ」
キョウカ「あんたこそ、まず痩せないとウェア着れないんじゃない?」
キョウマド「……」バチバチバチ
ミスズ「こ、これはえらいことになった……」
地頭はアンズ、単純な学力ならルリカのイメージしてるわ
椿滝桜女学院高等学校
体育館
私学連盟委員A「えー、只今より椿滝桜女学院高等学校の生徒会長を決めるバレーボールの試合を行います」
委員B「我々関西私学連盟が立会人を努めさせていただくことになりましたのでよろしくお願いします」
委員B「キョウカ理事長とマドカ理事長は学生時代にバレーボールでもライバル。成績は3勝3敗となってますから因縁に決着をつけるといったところでしょうか」
委員A「両陣営、生徒を差し置いて理事長が一番気合い入ってますな」
委員B「ブルマ姿というのが時代を感じさせますねえ」
マドカ「あなた達! 今日は滝桜の連中に伝統の重さを教えてやりなさい!」
ユズハヒカルマーヤユキノ「おー…….」
ルリカ「ママその格好恥ずかしいよ……」
マドカ「何言ってるの! バレーといえばブルマです!」
ユキノ「理事長ステキ♡」
ヒカル「ルリカだけにしとけって言っただろ……」
マーヤ「ユズハちゃん何やってるの……?」
ユズハ「準備運動です」
キョウカ「良いわねあなた達! 今日こそは椿咲花の連中を叩き潰して誰がこの学校の主導権を持っているか教えてやりなさい! 芸能コーース!」
ミスズレナサヤカトア「ファイト、おー……」
アンズ「お母さん、別に私は生徒会長にならなくてもいいから……」
キョウカ「そんなことはどうでもよろしい!」
ミスズ「もはや理事長の代理戦争ね……」
委員B「旧滝桜のサーブで試合開始です」
サヤカ「いくぞ」サーブ
\ソーレ!/
ルリカ「大丈夫?! ユズハちゃん!」
委員A 「旧滝桜、サービスエースで1点先制です」
ユズハ「うん、ごめんなさい、レシーブ失敗して……」
マドカ「おのれ、キョウカめ。狙ってきたわね」
キョウカ「その調子よ。作戦通り、ユズハを集中的に狙いなさい」
サヤカ「は、はい」
ミスズ「確かに相手の弱点を突くのは効果的だけど……」
トア「教育的に問題ある気がするっす」
…
…
…
キョウカ「ふんっ!」サーブ
ユズハ「ぐえ」ベシー
キョウカ「おっしゃあ!」
委員A「旧滝桜またもサービスエースです」
委員B「椿咲花のウイークポイントである皇選手を徹底的に狙っていますね。これで8対2で旧滝桜優勢です」
委員A「おっと旧椿咲花陣営たまらずここでタイムアウトです」
旧椿咲花陣営
ユズハ「みんなごめんなさい。私が足を引っ張って……」
ルリカ「大丈夫だよ」
マーヤ「ここから取り返そう」
マドカ「天草さんが皇さんをカバーして。皇さんは前衛の時にブロックに専念しなさい」
ヒカル「はい」
ユズハ「は、はい」
キョウカ「とおっ」サーブ
\ソーレ!/
ヒカル「なんの!」レシーブ
ルリカ「ママ!」トス
マドカ「うおおお!」アタック
マドカ「よしっ!」
委員A「旧椿咲花得点。8対3です」
ユキノ「ナイスアタックです!」
マドカ「この調子で行くわよ!」
委員B「次は皇選手のサーブですね」
ユズハ「えいっ」ポテ……
委員B「痛いサーブミスですね…」
ルリカ「ユズハちゃんドンマイ!」
ユズハ「ごめんルリカちゃん…」
…
…
…
委員A「10対4で依然旧滝桜優勢。旧椿咲花のサーブです」
ルリカ「えいっ」サーブ
\ソーレ!/
トア「きゃっ」レシーブ
アンズ「レナ!」トス
サヤカ「私がっ!」
レナ「え? ちょっと!」
サヤカ「それっ」アタック
ユズハ「う、うわあああああ」ブロック
サヤカ「えっ?」ボトッ
委員B「高身長を生かす作戦に出ましたね」
ヒカル「ユズハ!ナイスブロック!」
ユズハ「う、うん、ありがとう」
マドカ「その調子、全員で点を取りに行くのよ」
旧椿咲花「おー!」
アンズ「はい」
サヤカ「は、はい」
…
…
…
そして……
委員A「旧滝桜24、旧椿咲花23。いよいよマッチポイントです」
キョウカ「ハァハァ」
マドカ「フゥフゥ」
トア「もう限界です~」
アンズ「これで決めるから頑張って」
ミスズ「頼むわよアンズ」
アンズ「えいっ」サーブ
\ソーレ!/
委員A「おっと皇選手、顔面レシーブです!」
委員B「ボールは大きくコート外に、これで終わりでしょうか?」
委員A「おっと椿(ル)選手、コート外のボールを追いかけます」
マドカ「ルリカ危ない!」
ルリカ「届けっ!」レシーブ
ゴチーン!☆
委員A「倒れて動いていない様ですが大丈夫でしょうか!?」
ルリカ「……」
マドカ「ルリカ!」
ユズハ「ルリカちゃん!」
アンズ「ルリカ!」
…
…
…
ルリカ「私を見つけてー!」ガバッ
ユズハ「あ、ルリカちゃん!」
マドカ「ルリカ!」
ルリカ「ユズハちゃん? ママ?」
ルリカ「どうしたのユズハちゃん? 泣いたりして」
アンズ「憶えてないの? ルリカ?」
ルリカ「あ、アンズちゃんも、みんなも。私また居眠りしちゃった?」
ルリカ「そういえばバレーをしてた気がする…… そうだ、試合はどうなったの?!」
ヒカル「ルリカがボールを返して同点になったところで試合中止。引き分けだよ」
マドカ「ごめんね、ルリカ。私たちが熱くなってしまって」
キョウカ「つい昔を思い出して…」
ルリカ「ううん。そうだ、じゃあ生徒会長はどうなるの?」
キョウカ「ルリカとアンズの2人でやってもらうことにしたわ。理事長が2人いるんだから生徒会長が2人いてもおかしくないでしょう?」
ヒカル「そうかなぁ…..」
ルリカ「うん! アンズちゃんと一緒なら大丈夫だよ!」
握手
パチパチパチパチ
ユズハ「良かったねルリカちゃん」
ヒカル「滝桜のみんなもアイドルにしておくには惜しいくらいだったよ」
あはははははは
マーヤ「みんな一層仲良しになったね、良き!」
ミスズ「これで一件落着ね」
キョウカ「チームワーク。そしてスポーツの素晴らしさを」
ミスズ「ん?」
アンズ「え?」
マドカ「椿滝桜女学院高等学校 スポーツコース バレーボール部を設立することにしたの」
ルリカ「へぇ……」
ユズハ「えっ!」
キョウカ「アンズ達も、ここにいる全員が部員よ」
ミスズ「そんな! 私たちはアイドル部ですけど!?」
キョウカ「やっぱり女子高生はバレーをすべきです」
マドカ「目標は全国大会優勝!」
ミスズ「マジですか」
サヤカ「私も受けたい講義有るから……」
ユキノ「ケンミンの焼きビーフン買ってくるように言われてるので……」
レナ「歌の練習に……」
マーヤ「さんちかのアニメイトに行かなきゃ……」
マドカ「これから早速練習よ皇さん。ご両親にも話しておいたから」
ユズハ「ええっ!」
ユズハ「し、しつれいしますー!」ドタバタ
マドカ「あ、待ちなさーい!」ドタバタ
サヤカ「みんな逃げろー!」
一同「ワー!」ドタバタドタバタ
キョウカ「こらーっ、練習しなさい!♬」
終
マドキョウがいい味だしてる
ミュージカルみんな良いキャラしてるわ
ミュージカルSSの供給ありがとう
扇風機(ユズハ)あるじゃんを虐めだと思ってしまって申し訳ない
観劇してきてよかったわ
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