【SS】ミア「ブケショハットって言うのはどんな帽子なんだい?」 栞子「……」【ラブライブ!虹ヶ咲】
栞子「……ぷっ、あはははは!」
栞子「いえ、武家諸法度は Hat ではなく法度、つまり法律です。あはは……」
ミア「なっ、Shit! ボクとしたことが!///」
ランジュ「ランジュは知ってたわよ」
ミア「ランジュは同じ漢字圏なんだからunfairだよ」
ミア「他の科目ならperfectさ。でもJapanese historyだけは正直手強いよ」
ランジュ「日本の歴史は複雑でランジュもよくわからないわ」
ミア「大体この武家諸法度ってのは教科書に載るほど重要な事なのかい?」
栞子「暗記するだけの単語になっている現実はありますが、権力争いばかりしてきた日本において約260年も徳川幕府体制を維持したと考えると重要な法律と言えますね」
ミア「ふーん、興味出てきた。どんな法律なんだい?」
ミア「そのゴセイBicycleっていうのは活かした自転車なのかい?」
ランジュ「武家ってそういうことね」
栞子「内容は簡単に言うと次の13か条です。
・武士らしく文武弓馬を嗜むこと。
・飲む、打つ、買うはほどほどに。
・犯罪者を自分の藩に隠さないこと。
・反逆者や殺人犯は追い出すこと。
・他の藩の人を自分の藩に住まわせないこと。
・城を修復する時は申し出ること。新築は禁止。
・隣国で謀反を企てる者がいたら申し出ること。
・勝手に結婚しないこと。
・参勤交代の規則を守ること。
・身分にあった格好をすること。
・身分の低いものは輿に乗せないこと。
・倹約すること。
・能力のあるものを登用すること」
栞子「はい。ですがこの重要性を理解するには時代背景の理解が必要です」
ランジュ「どんな時代だったのかしら?」
栞子「15世紀室町時代は室町幕府の体制下で武士が日本各地を治めていました。しかし各地の武士の権力が強まり、独立して自分で自分の国を治めるようになりました。戦国時代です」
ミア「Chaosだ……」
ランジュ「聞いたことあるわ」
栞子「しかし徳川家康も安心はできませんでした。なぜなら武士は”仲間でライバル”だからです」
ミア「仲間でライバル? スクールアイドルと同じじゃないか?!」
栞子「確かにスクールアイドルで例えるとわかりやすいかもしれません。
スクールアイドルは武士、
ユニットは大名家、
スクールアイドル同好会は日本と言ったところでしょうか」
ランジュ「きゃあ!ランジュも武士なのね!」
ミア「子犬ちゃんがかい?」
栞子「同好会内には他にDiverDiva、A・ZU・NA、R3BIRTHと言う大名家があります。ですがメンバーが4人いるQU4RTZは最大勢力なので、みんな渋々QU4RTZに従うことにしました。これが江戸幕府の体制です」
ランジュ「部長のかすみは中須幕府の将軍、ということね」
栞子「その通りです」
栞子「はい、主従関係や同盟を結んだとしても武士はあくまでソロ。状況を見て簡単に寝返ります」
ミア「2nd seasonはまさに戦国時代だったね」
しずく・果林・愛「「「へっくしょん!」」」
彼方「大丈夫~? 花粉症?」
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ランジュ「2人+3人=5人! 最大勢力になるわ!」
栞子「そうです。他にも例えばミアさんが璃奈さんと結婚して引き抜けばR3BIRTHが4人になって最大勢力になります」
ミア「なんてことだ!」
ランジュ「勝手な結婚や築城を禁止しているのはその為なのね」
栞子「そうです。1635年の改定からは条項を増やして、大名が同盟を結ぶことも、勝手に戦うことも禁止しています」
ミア「なるほど。家康はgeniusだ……」
栞子「実際には家康のブレーンだった金地院崇伝というお坊さんが起草したと言われています。ただ家康自身も、織田信長と豊臣秀吉が世襲に失敗したのを見て色々考えたのかもしれません」
栞子「法に従わせるには強制力が必要です。武家諸法度発布直後は多くの大名が違反して罰せられました。これは、石高(取れる米の量) = 人数 = 軍事力という方程式が成り立っていた為、多くの領地を持っていた徳川家に他の大名は逆らえなかったのです」
ミア「uh-huh.」
ランジュ「清もアヘン戦争で少数の英国人に負けてしまったわ」
ミア「強制力の無い法は無力……」
栞子「結局最後は薩長同盟などの武家諸法度違反が発生しても幕府は罰することができなくなってしまいます。そして薩長土を中心に新政府軍が結成され諸藩は次々に寝返り、幕府は倒されてしまいます」
栞子「もちろん武家諸法度だけのせいで江戸幕府が続いたわけでも終わったわけでもありません。他にもいろんな要因があります。それでも教科書に載るくらいの意味はあったのではないでしょうか」
ランジュ「私たちも今はユニットを組んでるけどライバルでもある。いつか戦う時が来るかもね」
栞子「望むところですランジュ」
ミア「yeah」
栞子「エマさん、どうされたのですか?」
エマ「うん、日本史を勉強してたんだけど、ブケショハットってどんな山小屋なのかなあ?」
栞子・ランジュ・ミア「……プッ、あははははははは」
ミア「Hut じゃなくて法度、つまり法律さ。エマも子熊ちゃんだなあ」ヤレヤレ
エマ「え~? そうなんだ~」
ミア「ボクが教えてあげるよ」
栞子(さっき知った受け売りなのにあんな得意げに。やっぱりミアさんは年相応に可愛いところがありますね……)ニヤニヤ
おしまい
乙です
ラブライブで学ぶ日本史出したら売れそう
歴史ってこんなに面白いのにどうして子供の頃楽しめなかったんだろう
学校の授業もこんぐらいわかりやすかったらよかったなぁ
流石しお子