【SS】メイ「やべえ!マンマル逃がしちまった!」【ラブライブ!スーパースター!!】
カランカラン
かのん母「あら、いらっしゃい」
メイ「あ、こんにちは……待ち合わせで……」
かのん母「かのんから聞いてるわよー。ごめんなさいね、かのん買い出しに行っててまだ帰ってないのよ。他の子たちもまだみたい」
メイ「あ、いえ、すいません私が早く来すぎたんで」
メイ(楽しみすぎて集合時間の40分前に来ちまった。かのん先輩のお母さんと二人っきりは緊張するー!)
かのん母「いいのよ。とりあえず座ってて。カフェオレで良いかしら?」
メイ「あ、ありがとうございます」
メイ(あ、って言いすぎだろ私!落ち着け!)
かのん母「はい、お待たせしました」
コトッ
メイ「あ、すいません、あっ」
メイ(あって言うなって!)
かのん母「来てもらったところ悪いんだけど、私もちょっと用事があって出かけないといけないのよ。今日はお店はお休みで、スクールアイドルのみんな以外はお客さん来ないから安心してね」
メイ「あ、そうなんですか、はいわかりました」
かのん母「じゃ、行ってきます」
カランカラン
メイ「行っちゃった……でもまあ一人で待ってる方が気楽だから良かったか」
ゴクッ
メイ「カフェオレうめー」
メイ「ふう、一人は落ち着くなー」
マンマル「……」ジッ
メイ「っ!?」ビクッ
メイ「視線を感じると思ったらコイツか!」
マンマル「……」
メイ「そういえばマンマルもいるんだった。気配を消されてたから忘れてた」
マンマル「……」
メイ「よく見ると、中々可愛いな……」
マンマル「……」
メイ「今のうちにちょっと触っても良いかな?良いよな」ウズウズ
メイ「ほら、おいでー」
マンマル「……」
メイ「来ないならこっちから行っちゃうぞー」
マンマル「……」
メイ「さ、触るぞー」オソルオソル
サワッ
マンマル「……」
メイ「よしよ~し」
ナデナデ
メイ「うぉぉぉぉぉ(小声)」
メイ「結構さわり心地良い~」
ナデナデ
メイ「癖になる感触だ……」
メイ「撫でることができる、となると」
メイ「匂いも嗅ぎてぇ!ていうか吸いてぇ!」
マンマル「……」
メイ「い、良いよな?ちょっと顔を近づけるだけだもんな」
メイ「す、吸うぞマンマル」
キョロキョロ
メイ「誰も居ないな、見られてないな」
メイ「いや、待て。こういうのは油断して顔をマンマルにくっつけた瞬間……」
メイ「店の扉が開いてみんなが入ってきて見られるんだ。どうせそんなパターンだ」
メイ「私は油断しないぞ。先に店の扉を開けてっと」
カランカラン
メイ「右よし、左よし」キョロキョロ
メイ「よし、外にも誰もいない!吸うチャンス!うぉぉぉぉぉ(小声)」
メイ「行くぞ!」
ガバッ
メイ「すぅうううううう」スゥゥゥ
マンマル「……ホッ! 」
バザバサバサ!
メイ「えっ」
バサバサバサバサ……
メイ「……」
メイ「……扉、開けっぱなしだった」
メイ「……」
メイ「あっ、あっ、あっ」
メイ「やべえ!マンマル逃しちまった!」
メイ「やべえやべえやべえやべえ……!」
アセアセ
メイ「どうする、どうしよ!?」
キョロキョロ
メイ「さ、探すか!?今追いかければ間に合うかもっ」
ダッ
メイ「……だめだ!!全然どこに飛んでいったかわからねえ!」
メイ「じゃあもうかのん先輩に電話して……」
メイ「でも、何て説明すんだこれ」
モワモワ
メイ『扉を開けっぱなしにしえマンマルを吸おうとしたら逃げられた』
かのん『は?メイちゃん嫌い』
モワモワ
メイ「ぎゃーーー!!嫌だ!!こんなん、かのん先輩に嫌われるに決まってるだろ!」
メイ「集合時間まではあと30分くらいか……早いやつなら来てもおかしくない時間だ」
メイ「時間はない、すぐ考えろメイ考えろメイ」
メイ「そ、そうだ!四季にこっそり頼んでなんかマンマルのDNA解析して位置を特定するすごい装置とか作って貰うか?!」
メイ「これは良いアイディアだ。四季ならきっとみんなに秘密にしといてくれる、たぶん!」
メイ「どこかに羽とか落ちてないか!?DNA解析に必要なはず……」
ガサガサ
メイ「でも、四季にはからかわれるよな……」
モワモワ
四季『こっそりマンマルを吸ってるメイ、可愛い』
メイ『う、うるせー!///』
モワモワ
メイ「い、いや、恥ずかしいけど他のみんなに軽蔑されるよりはマシだ!」
メイ「羽、羽……」
メイ「くそっ! 無駄に清掃が行き届いてて羽の一本も落ちてねえ!」
メイ「いや待て、さっきマンマルを撫でた私の手に成分が残ってるんじゃ?」
メイ「」クンクン
メイ「よ、よし。少しだけ鳥臭いぞ!この手を解析すれば四季ならきっと!」
メイ「やったぁ! 勝った!」
恋「何に勝ったのですか?」
メイ「おわぁぁぁぁぁ!?」ビクッ
メイ「れ、恋先輩!? いつの間に!?」
恋「今ですよ? お店の扉が開放されていましたので」
メイ「あ、そう……」
恋「まだメイさんだけのようですね。かのんさんのお母様もいらっしゃらないのですか?」キョロキョロ
メイ「かのん先輩は買い出しで、先輩のお母さんは用事があるって出かけたから……」
恋「そうでしたか」
メイ(くそー!来るのが早えよ恋先輩!)
恋「それにしても、このお店……普段と何かが違うような気がします」キョロキョロ
メイ「うっえ!? いやー、そうかなぁ?」
メイ(やべえ、恋先輩気付かないでくれ!)
恋「何かが足りないような……」
メイ「いやー、すべてが満ち足りてると思うけど」
恋「ところでメイさん」ジッ
メイ「え!?」ビク
メイ(うがぁぁぁ!?バレたか!??)
恋「さっき、勝った!と言っていましたよね。教えてください」
メイ「えっ、あっ、あっ、えっと……」
恋「何のゲームをやっていたのですか!?」
メイ「えっ」
メイ(よ、よし。なんかわからんけど勘違いしてくれてる! ここはゲームの話題で誤魔化そう!)
メイ「いやーえっと、なんか昔、四季とやったゲームで勝ったことを突然思い出して嬉しくなったんだ」
恋「そうなのですね! 四季さんとはどんなゲームで対戦していたんですか?」
メイ「あーまあ、色々……スマブラとか……」
恋「良いですね!Switchですか?」
メイ「う、うん」
恋「今度、わたくしとも対戦しましょう!」
メイ「いやーでも恋先輩、超強そうだし」
恋「そんなことありません! Switchはあまりやり込めてないので……」
メイ(よし、雑談に持っていけたぞ! あとは私の手の成分を四季に渡せば……)
恋「Switchと言えば、メイさんどうぶつの森はやってますか?」
メイ「一応ある。流行ってたし。最近はやってないけど……」
恋「フクロウ可愛いですよね」
メイ「!?」
メイ(まさか気付いた!? いやでもどうぶつの森の話だよな? たまたまだよな?)
メイ「うーん、ちょっとしか触れてないからよく覚えてないかな……」
メイ(とにかく思い出さないように話題を変えろ!)
メイ「そんなことより、恋先輩! スマブラいつやる?」
恋「メイさんやる気ですね! 私はいつでも構いませんよ!」
メイ「よ、よーし!負けないぞー……ははは」
恋「明日はどうですか? オンラインでも構いませんがやはり家で一緒にやったほうが楽しいですし」
メイ「また恋先輩の家、行っていいのか?」
恋「ええ、もちろんです。正々堂々勝負しましょう。手加減はしませんよ?」
スッ
メイ「望むところだ」
スッ
ガシッ
メイ「あっ」
メイ(やべええええ! ついつい握手しちまった! 私の右手のマンマル成分が! 恋先輩との握手で消えたかも!)
メイ(でも両手で撫でたから左手は無事だ! 左手は死守するぞ!)
メイ(ていうか四季はまだかよー! 四季が来る前にみんな来ちゃったらやばいだろうが! 四季早く来い!)
恋「楽しみですね! 他の皆さんも予定が空いてたら誘いましょう」ワクワク
メイ(ワクワクしてる恋先輩可愛いな……てみとれてる場合か! 恋先輩はなんとか誤魔化せたが人数が増えれば増えるほどバレる確率あがるんだよ! 四季早く来い!)
カランカラン
メイ(誰か来た! 頼む四季であってくれ四季であれ)
千砂都「ういっすー!」
メイ「」
恋「千砂都さん、おはようございます」
千砂都「ういっすー! まだ恋ちゃんとメイちゃんだけかな? 早いね!」
メイ「う、うっす」
メイ(やべえええー! かのん先輩の次くらいにマンマルと親しそうな先輩が来ちまった!)
メイ(い、いや、でも千砂都先輩にだってすぐにはバレないはず! 頑張ればなんとか乗り切れ……)
千砂都「あれ? マンマルがいないね」
メイ(1秒でバレたわ)
恋「そう言われれば確かに。先程の違和感はこれでしたか」
メイ「あっ、えっと」
千砂都「かのんちゃんはたぶん買い出しか何かだと思うけど、この時間にマンマルが居ないのは珍しいね~」
千砂都「お散歩かな?」
メイ(ど、ど、どうする……いやもうどうするも何も誤魔化すの無理だろ。正直に……)
メイ「あ、あの……」
恋「メイさん、どうしました?」
メイ「恋先輩、千砂都先輩……ごめんなさい」
メイ「実は……」
千砂都「えーっ! マンマルが逃げた?」
メイ「ごめんなさい! 私、私……バレるのが怖くて……恋先輩を騙した……」
メイ「私は自分勝手で最低な奴だ……」
恋「そうですね。ミスをしたのなら早めに伝えるべきです。今後はちゃんと言ってくださいね?」
メイ「はい……」
恋「ですが、逃げずにちゃんと認めたのは偉いですよ。さあ、みんなで解決方法を考えましょう!」
メイ「恋先輩……!」
千砂都「うん。うじうじするよりもマンマルのために動いたほうが良いね。とりあえずかのんちゃんには私が連絡しとくよ」
恋「全員に連絡しても混乱するでしょうから、かのんさん以外の皆さんには来てから順に説明しましょう」
メイ「わかった!」
メイ(さすが千砂都先輩と恋先輩だ! 頼りになる! 言って良かった。なんか気が楽になったぞ!)
千砂都「あ、メイちゃん」
メイ「?」
千砂都「かのんちゃんも家族のみんなもすごくショックを受けると思うから。それはちゃんと自覚しといてね」
メイ「あ、はい……」
スマホ
千砂都「もしもしかのんちゃん? うん、買い出し終わった?」
千砂都「悪いんだけど急いで帰って来てくれる? うん、帰ったら話すよ。じゃあ気をつけてね」
ピッ
千砂都「今話したらかのんちゃん焦って信号無視して車に轢かれたりしそうだから、とりあえず帰ってくるように言ったよ」
恋「良い判断だと思います」
メイ(そうだよな……私は……かのん先輩や家族にとって大事なマンマルを逃したんだ)
メイ(何が気持ちが楽になった、だよ! 馬鹿野郎!)
カランカラン
可可「お待たせデス! そこでみんなと会ったから一緒に来まシタ!」
すみれ「集合時間にはまだ早いでしょ、別に待たせてないわよ」
きな子「おはようっす~!」
夏美「おつかれさまですのー!」
千砂都「みんなういっすー!」
四季「メイ、そんな深刻な顔してどうしたの」
メイ「えっ!? いやちょっと……今から説明するよ」
恋「かのんさん以外はお揃いのようですね」
メイ「みんな聞いてくれ。実は私のせいで……」
みんな「ええーっ!? マンマルが」
かのん「逃げ出した?」
ドサドサドサ
千砂都「かのんちゃん!」
すみれ「ちょっと、せっかく買ってきた食材落としてるわよ」
かのん「そんなのどうでもいい。マンマルが逃げたってどういうこと! ねえ!」
ツカツカ
かのん「メイちゃん、マンマルはどこ?」
メイ「かのん先輩……ごめんなさい!」
かのん「謝って欲しいんじゃなくて。マンマルはどこに行ったのって聞いてるんだけど」
メイ「それは……」
かのん「ねえ答えて!」キッ
千砂都「はい、かのんちゃんストーップ」サッ
かのん「ちいちゃん……だってマンマルが」
千砂都「私だって心配だよ? だからってメイちゃんを怯えさせる必要ある?」
かのん「あ……」
メイ「う……うぅ」ポロポロ
千砂都「とりあえずかのんちゃんの部屋いこっか。頭冷やそうね」
かのん「うん……」
千砂都「恋ちゃんも一緒に来て説明してくれる?」
恋「ええ、もちろんです」
すみれ「私たちも行くわよ」
可可「そうデス。メイメイのことは1年生に任せましょう」
千砂都「そうだね。みんなお願い」
きな子「わかったっす」
すみれ「かのん、拾った食材はここに置いておくからね」
スタスタ
きな子「メイちゃん、先輩たちはみんな行ったっすよ」
夏美「そんな弱々しい姿、らしくないんですの」
四季「メイはちゃんと謝った。さっきのはかのん先輩が大人げない」
メイ「うぅ……ひっぐ、そんなこと……私が悪いんだから怒られて当然だ」グスッ
夏美「誰にだって失敗はありますの! 失敗をチャンスに変えられるものこそがマニーを手にするんですの!」
きな子「きな子たちはメイちゃんの味方っすよ! そばにいるっすからね!」
メイ「お前らぁ……うあぁん……」グスッ ポロポロ
四季「メイ……よしよし」ナデナデ
メイ「ぐすっ、ありがとな。落ち着いたよ」ゴシゴシ
夏美「それは良かったですの。これからどうするんですの?」
メイ「許してもらえるかはわからないけど、とにかく探す。四季、私の手に残ってる成分を解析してなんとかならないか?」
四季「とりあえず採取はするけど。正直、探知できるかどうかは自信ない」
四季「でも、メイに頼られたからやれるだけやってみたい。採取が完了したら私は化学室に行く」
メイ「頼む!」
四季「採取完了。行ってくる」
メイ「四季ありがとな!」
夏美「こう、帰巣本能的なものであっさり帰ってきたりはしませんの?」
きな子「ふくろうには無理だと思うっす。飛び出してすぐの、超近距離なら戻ってくることはあるかもだけど。
遠距離から自力で帰ってこれるるのは伝書鳩みたいに訓練された一部の鳥だけっす」
夏美「そうですの……でしたら私はSNSを駆使して捜索のお願いを拡散して目撃情報を調べますの!」
きな子「きな子は風下に向かって探しに出てみるっす。マンマルは小型だから風に逆らって飛んでは行かないと思うっす」
メイ「夏美もきな子もありがとう! 私もきな子と一緒に探しに出る!」
すみれ「1年たちは探しに出るみたいね。外を見てたら四季と、少し間をおいてメイときな子が飛び出していったわ」
恋「夏美さんはどうするのでしょう」
可可「見てくだサイ! ナッツがSNSでみんなに呼びかけていマス!」
すみれ「なるほどね。そういうの得意だものねあの子」
かのん「ねえ、すみれちゃん。メイちゃんの様子どうだった?」
すみれ「真剣そうな顔してたわよ」
かのん「泣いてなかった?」
すみれ「もう……気になるなら本人に電話でもしなさいよ」
かのん「だ、だって……あんなこと言っちゃって傷つけちゃって……なんて言えばいいかわかんないよ」
千砂都「大事なマンマルが居なくなっちゃったんだから、ちょっと動揺するのは仕方ないよ」
かのん「ちぃちゃん! じゃあ私も早くマンマル探しに行かせてよ!」
千砂都「うーん、今のかのんちゃんが街に出たら危ないと思うなあ」
可可「そうデス! 行動力があるのはかのんの良いところデス。でも今のかのんはとてもコワイです」
かのん「この顔は生まれつきだよ」
恋「ですがみんなでここにいても時間を浪費するばかり。わたくしは学校に行って部活で集まっている生徒に捜索の協力を呼びかけてみますね」
かのん「生徒会長がそんなことして良いの?」
恋「強制するわけじゃありませんから。それにもし理事長に怒られてもわたくしが勝手にやったこと。かのんさんにはご迷惑はかけません」
かのん「恋ちゃん……」
可可「ククはマンマルの捜索ポスター作りマス! かのん、ここで一緒に作りまショウ! マンマルの絵を描いてくだサイ!」
かのん「そういうイラストは可可ちゃんのほうが上手いよ」
可可「それは違いマス。マンマルを一番知ってるかのんが描くのが1番良いデス!」
かのん「そ、そお? じゃあ手伝わせてもらおうかな」
すみれ「やるわね可可。上手いことかのんを落ち着かせたわ」
千砂都「だね。じゃあ私も外に探しに行こうかな。かのんちゃんと家族のみんなの次くらいにはマンマルに好かれてる自信あるしね!」
すみれ「ま、私もじっとしてられないし一緒に行くわ。可可、かのんのこと任せたわよ!」
可可「もちろんデス!」
タッタッタ
メイ「マンマル……! マンマル!」
きな子「メイちゃんストップ! ストップっす!」
メイ「なんだ? マンマルいたか!?」
きな子「ううん。そうじゃないっすけど。もう風下に向かってずいぶん走ってきたっす」
きな子「コノハズクは夜行性だし、体力的にもこの時間ならこの辺りまでが限界のはずっす」
メイ「そ、そうか。でも見回しながら探してきたけどいなかったってことは……誰か悪い奴に攫われたのか!?」
きな子「落ち着いて。次は草むらとか生け垣だとかを探してみるっす。マンマルだってかのん先輩の家が好きだったっす。驚いて飛び出しただけだから、今は怯えてどこかに隠れているかもしれないっす」
メイ「わかった! まずはこの草むらからだな!」ガサガサガサ
きな子「メイちゃん! そんな強引に入ったら怪我するっすよ!」
メイ「そんなこと気にしてられるか! あ、こっちの庭にも茂みがあるな」ガサガサガサ
メイ「ごめんくださーい! 庭を見せてくれませんか!」ピンポーン
きな子「あの人見知りのメイちゃんが……! きな子もあっちの公園を見てくるっす!」
ジャーン
可可「ポスター完成しまシタ! かのんの協力のおかげデス!」
かのん「マンマルのイラスト以外はほとんど可可ちゃんが作ってくれたじゃん」
可可「そんなことないデス! じゃあククはポスターをたっくさん印刷する準備しマス、かのんはみんなと探しに行ってくだサイ!」
かのん「え、いいの?」
可可「かのんはもうちゃんと落ち着いてマス。顔も怖くない。大丈夫デス!」
かのん「ありがとう可可ちゃん!」
カランカラン
かのん「とりあえず外には出てみたけど、みんなはどこを探してるのかな。まずは連絡したほうが良いよね」
ヌッ
四季「かのん先輩」
かのん「四季ちゃん!? どうしたの?」
四季「急ごしらえだけど、メイに付着していたDNAを解析してマンマル探知装置を作っ」
かのん「マジで!? これでマンマル見つかるの?」
四季「落ち着いてください。細かい位置を特定するのは無理。ただ、この装置から半径3キロ以内にマンマルが居れば反応する。私の技術ではこれが限界」
かのん「充分だよありがとう! 早速使ってみてよ!」
四季「スイッチオン」
ピコーン ピコーン
四季「反応あり」
かのん「四季ちゃん……」ジーン
かのん「じゃあここから3キロ以内にマンマルがいるんだね! 早速みんなに連絡しよう!」
恋「かのんさん!」
チビ「ワンワン!」
かのん「恋ちゃん! と、チビちゃんも!?」
恋「学校で生徒の皆さんに協力をお願いした後、わたくしにも何かできないかと考えまして。チビに匂いを辿ってもらう作戦を思いついたのです!」
かのん「恋ちゃん……」ジーン
かのん「ありがとう……! そこまでマンマルのために! 早速ウチでマンマルの匂い嗅いでいって!」
恋「お邪魔しますね」
千砂都「かのんちゃーん!」
かのん「ちぃちゃん!?」
千砂都「ペットショップに行ってマンマルの好きな食べ物を買ってきたよ! これ持って一緒に探そう?」
かのん「ちぃちゃん……!」ジーン
すみれ「かのん!」
かのん「すみれちゃん!」
すみれ「可可からポスターのデータが送られてきたから、ウチの神社の氏子の業者にお願いして大量に印刷してきたわ!」ドッサリ
可可「でかしマシタよ! すみれ!」
すみれ「当然でしょ」
かのん「可可ちゃん、すみれちゃん……!」ジーン
夏美「かのん先輩!」
かのん「夏美ちゃん!」
夏美「SNSで色々と情報を探しましたが、目撃情報がありませんでしたの」
かのん「そうなんだ……」シュン
夏美「落ち込んではいけませんの! 目撃情報がないということは逆に言えば、近くに隠れている可能性が高いということですの! だからかのん先輩の家まで戻ってきましたのー!」
かのん「夏美ちゃん……!」ジーン
メイ「はあ、はあ」フラフラ
きな子「メイちゃん、大丈夫っすか」
かのん「メイちゃん、きな子ちゃん!」
きな子「風下からマンマルの隠れてそうなところを探してたっすけど、見つからずに気付いたらかのん先輩の家まで戻ってきちゃったっす……」
メイ「かのん先輩、ごめんなさい!」
かのん「メイちゃん、きな子ちゃん……」ジーン
かのん「ふたりともそんなボロボロになるまで探してくれてありがとう……! それに謝るのは私の方だよメイちゃん」
メイ「え?」
かのん「怒ったりして本当にごめんね。私が普段からもっとマンマルが逃げないように繋いだりしておけばよかったんだよ。だから私のせい。メイちゃんは悪くないよ」
メイ「かのん先輩……」
かのん「それに、みんなの情報を総合するとマンマルはこの近くにいそうな感じだし! みんなも集まったし、いったんウチの店内に戻って話そう? みんな疲れたでしょ、何か飲んでいってよ」
カランカラン
チビ「ワンワン!」
恋「こらチビ、落ち着きなさい」
かのん「恋ちゃんどうしたの?」
恋「チビにマンマルのとまり木の匂いを嗅がせたのですが、この場で吠えるだけで全然移動しようとしないのです」
チビ「ワンワン!」
恋「お役に立てずすいません」
かのん「良いんだよ。気持ちだけでも嬉しいよ」
メイ「……くそっ、逃げた瞬間に私がもっと追いかけてれば……!」
かのん「大丈夫だよメイちゃん。もし、万が一マンマルがこのまま見つからなかったとしても、マンマルは野生の中でのびのびと生きていくよ。だからそうやって自分を責めないで」
メイ「かのん先輩……」
きな子「……」
きな子(この都会のど真ん中で、自力で餌を獲ったこともないマンマルが生きられるのはたぶん数日程度っす。かのん先輩もきっとわかってるはずなのに……)
チビ「ワンワンワン!」
恋「す、すいません。うるさいですよね。外に出しますね」
トントントン
ありあ「お姉ちゃ~ん? なんかすごい騒がしいけどどうしたの?」
かのん「ありあ居たの? っていうか……!」
かのん「ありあの腕に!!!」
マンマル「……」
かのん「マンマル!!!!」
みんな「えーーーーーっ!!!!???」
かのん「マンマル、マンマル……! 本物だ!」ギューッ スリスリ
千砂都「ありあちゃんが見つけてくれたの?」
ありあ「見つけたっていうか……2階の私の部屋で寝てたら窓からマンマルが飛び込んできたから。下に戻そうと思ったけど眠かったからそのままマンマルと一緒に寝ちゃってた」
メイ「そ、それって何時頃だ?」
ありあ「えーと9時頃だったと思いますけど」
メイ「私がマンマルを逃しちゃった時間だ!」
メイ(確かにかのん先輩のお母さんは妹さんは外出してるとは一言も言ってないな。それによく考えたら戸締まりもせず私だけ残して外出するわけないし……最初から妹さんが家に居たからか)
千砂都「そっかー。飛び出してそのまま2階に飛び込んだんだ。さすがマンマル!」
きな子「外を探しても見つからないわけっすね」
恋「そういうことでしたか。チビがここで吠えていたのは正しかったのですね。叱ってごめんなさい」
チビ「ワン!」
かのん「もー! ありあったら、早く言ってよ!」スリスリ
ありあ「こんなみんなで探してたなんて知らなかったもん」
可可「とにかく良かったデス!」
すみれ「今回は良かったけど、2階の窓が開いていなかったら危なかったわよ」
かのん「そうだね。マンマルにもしものことがないように、お母さんとも話し合って今後はちゃんと対策するよ。メイちゃんのおかげでウチの問題点がわかったからね」
かのん「メイちゃん、ありがとう!」
メイ「かのん先輩。こちらこそありがとう。こんな私を許してくれて」
四季「メイ…・・仲直り出来て良かった」ウルウル
夏美「にゃは~終わってみればこの騒ぎも少し楽しかったですの!」
チビ「ワンワンワン!」
恋「もう良いですよチビ」
かのん「あの……チビはマンマルを獲物だと思ってるみたいっす」
マンマル「!?」
バサバサバサ
かのん「マンマル! 逃げないでーっ!」
おわり
>>90
最後の最後でミスった!
訂正
チビ「ワンワンワン!」
恋「もう良いですよチビ」
きな子「あの……チビはマンマルを獲物だと思ってるみたいっす」
マンマル「!?」
バサバサバサ
かのん「マンマル! 逃げないでーっ!」
おわり
終わりです。読んでくれてありがとうございました!
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1677457915/