【SS】日曜桜坂劇場「ときめきさがし」[字][解][デ]最近ときめき欠乏症の先輩。新しいときめきを求めて同好会のみんなと色々試してみるものの…【ラブライブ!虹ヶ咲】
部室
あなた「う~ん……」
しずく「先輩、なにか悩み事ですか?」
あなた「えっ、私なんか悩んでるように見える?」
しずく「はい」
あなた「おかしいなぁ、気づかれないようにしてたんだけど……」
しずく「隠してるつもりだったんですね、あれで……」
あなた「ま、いっか」
しずく「…………」
あなた「…………」
しずく「……あの」
あなた「ん?」
しずく「今の流れだと私に悩みを相談するのがお約束じゃないですか?」
あなた「そうなの?」
しずく「そうですよ」
あなた「そうなんだ……」
しずく「…………」
あなた「でもしずくちゃんも困るだろうし気にしなくていいよ」
しずく「いえ気になりますよ」
あなた「ほんと大丈夫だからさ! 個人的な悩みだし私だけモヤモヤしてればいいんだよ」
しずく「このままじゃ私もモヤモヤしたままなんです」
あなた「お、じゃあ私たちモヤモヤ仲間だね! あはは」
しずく「モヤモヤするのは嫌ですよっ。話してください!」
あなた「え~? ほっといてくれていいんだけどなぁ……」
しずく「じゃあ先輩は私が悩んでいたら放っておくんですか?」
あなた「それはほっとけないよ!」
しずく「ですよね。つまりはそういうことです」
あなた「なるほど……」
しずく「では聞かせてください、先輩のお悩みを」
あなた「……あれっ、なんか私丸め込まれてない?」
しずく「先輩」
あなた「あ、はい……実は最近、ときめきが足りてないんだよね」
しずく「ときめき、ですか?」
あなた「うん……なんかこう、物足りないっていうか……いわゆるときめき欠乏症なの」
しずく「そんなの初めて聞きましたけど……」
あなた「まあとにかくそういうわけなんだよ。どう? モヤモヤはなくなった?」
しずく「さっきのモヤモヤはなくなりましたが別のモヤモヤが発生しましたね」
あなた「アジャパー……」
しずく「そのときめき欠乏症とやらはどうしたら治るものなんですか?」
あなた「うーん……新しいときめきを感じれば、よくなるような気がしないでもないかな?」
しずく「なかなか手強そうですね……」
あなた「そうなんだよねー……」
しずく「…………」
あなた「…………」
しずく「……例えばですけど」
あなた「ん~?」
しずく「私と付き合ってみる、というのはどうでしょう?」
あなた「え、どつきあう?」
しずく「違います! もう、先輩はいつもいつも……」
あなた「?」
しずく「はぁ……」
あなた「ねぇ、しずくちゃん」
しずく「なんですか?」
あなた「呼んでみただけ~」
しずく「……そうですか」
しずく(なんだか今の恋人みたいだったなぁ……)
しずく「ふふっ」
あなた「あ、笑ってる」
しずく「今ちょっとときめきがあったので」
あなた「えっ、ずるい!」
しずく「ずるくありませんよ」
ガラッ
歩夢「あっ、ふたりとももう来てたんだ」
あなた「歩夢ちゃんやっほー」
しずく「先輩、歩夢さんにも相談に乗ってもらったらどうですか?」
あなた「あー、せっかくだしそうしよっかな」
歩夢「……? なにか困ってることでもあるの?」
あなた「実は私、ときめき欠乏症になっちゃってね」
歩夢「ときめき欠乏症?」
しずく「どうやら先輩のときめき分が不足しているそうなんです」
あなた「お願い! 力を貸して!」
歩夢「もちろんいいけど、私はなにをすれば……」
あなた「歩夢ちゃんは最近なにかときめいたことってない?」
歩夢「う~ん……毎朝あなたの顔を見るとときめく、かなぁ……なんて」
あなた「え、なんで?」
歩夢「なんでって……それは、えっと……うぅ///」
あなた「??」
せつ菜「話は聞かせてもらいました!」バーン!
しずく「あ、せつ菜さん」
せつ菜「私と一緒にこのアニメを見て、ときめきをたくさん浴びましょう!」
視聴覚室
せつ菜「く~! 何度見てもたまりません! この熱い友情!!」
せつ菜「なんだか私たち同好会みたいじゃないですか!?!?」
しずく(せつ菜さんアニメ見ながらずっと喋ってるなぁ……)
せつ菜「やはりこのアニメの素晴らしいところは――」
しずく(あっ、ちょっとエ チなシーン……)
歩夢(ちょっとエ チなシーンだ……)
あなた(わぁちょっとエ チなシーンだよ……)チラッ
せつ菜「ぁ……///」
あなた「おっ」
~間~
せつ菜「どうでしたか? ときめきは感じてもらえましたか?」
あなた「うん、せつ菜ちゃんにちょっと」
せつ菜「はい?」
あなた「でもまだときめきは足りてないみたい……」
しずく「困りましたね……」
歩夢「うぅ、幼馴染なのにどうしてあげればいいのかわからないなんて……」
あなた「もう前みたいにはときめけないのかなー?」
せつ菜「諦めてはいけません! 私たちはお役に立てませんでしたが、頼れる仲間はまだいるじゃないですか!」
あなた「……そうだね! 私、行ってくるよ!」
ガラッ
タッタッタッ……
歩夢「廊下は走っちゃダメだよー!」
しずく「……あ、私お手洗いに行ってきますね」
廊下
あなた「さてと、まずは――」
しずく「先輩!」
あなた「あれっ、しずくちゃんなんでいるの?」
しずく「乗りかかった船ですから、最後までお付き合いしたいんです」
あなた「そっかー」
………………
…………
……
果林「ときめき欠乏症ねぇ……」
愛「こういうことって今までにもあったりしたの?」
あなた「ううん。スクールアイドルに出会ってからはもうずっとときめきっぱなしで」
しずく「なにか先輩がときめきを取り戻すいいアイデアはありませんか?」
果林「そうね……じゃあ動物を見に行くのはどうかしら? ほら、パンダとか……」
あなた「パンダは可愛いと思うけど、ときめくかっていうとどうかなぁ」
果林「そう……」シュン
しずく「愛さんはどうですか?」
愛「……よしっ、ここは愛さんが一肌脱ぐよ!」
家庭科室
ジュウゥゥ……
愛「最っ高においしいもんじゃを食べれば、きっと君もときめくはず!」
果林「それならパンダでときめいたっていいじゃない……」
しずく「まあまあ果林さん」
あなた「…………」
しずく「先輩? どうかしましたか?」
あなた「こんなときに言うことじゃないんだけどさ……もんじゃ焼きってゲロみたいだよね」
しずく「……なんてこと言うんですか先輩」
果林「そうよっ、愛の目の前で……」
愛「いや……正直愛さんも思ったことあるよ」
しずく「えぇ……その発言は大丈夫なんですか?」
愛「でもさ、しもつかれのほうがゲロっぽくない?」
あなた「う~ん、どっこいどっこいでしょ」
果林「あなたたち今からこれを食べるってこと忘れてないわよね?」
一同「…………」
~間~
愛「えっと……どう? もんじゃでときめいた?」
あなた「美味しかったけど、やっぱりこれは正解じゃなかったみたい」
愛「ダメかぁ……」
果林「ま、そう簡単にはいかないものよね」
あなた「けどふたりともありがとう! 私、頑張ってときめきを見つけるよ!」
しずく「では行きましょうか、先輩」
ランジュ「だったらお肉を食べるのが一番ね! ステーキがいいわ!」
あなた「私もんじゃ食べたばっかりでお腹空いてないんだけど……」
ミア「なに言ってるんだよランジュ、食べるならハンバーガーだろ」
しずく「ミアさん話聞いてた?」
栞子「ランジュもミアさんも、自分が食べたいだけでしょう……」
ランジュ「でもお肉は絶対にときめくわ!」
ミア「ベイビーちゃんはハンバーガーのほうが好きに決まってるよ」
あなた「できれば食べ物から離れてほしいかなー……」
栞子「ここは私に任せてください。なにかいい手があるはずです」
しずく「頼もしいね、栞子さん」
栞子「ときめき……新しい、ときめき……」
あなた「……あっ」
しずく「なにか思いつきましたか?」
あなた「うん。栞子ちゃん、ちょっといいかな?」
栞子「はい」
~間~
栞子「……あの、これで本当にときめくんですか?」
あなた「ん~……正直よくわかんなくなってきたかも」
ミア「……これちょっと気持ち悪いな」
しずく「なんだかお歯黒みたいですよね……」
ランジュ「やっぱりお肉を食べたほうが良かったんじゃない?」
あなた「……あ、ダメだ。八重歯に大量の青のりはっつけるのは違うよ、これ」
しずく「違いましたか……」
栞子「できればもっと早く気がついてほしかったです……」
あなた「ごめんね栞子ちゃん。お詫びに余った青のりは全部食べていいからね」
栞子「えっ、いりません」
あなた「じゃあ私は次のときめきを探しに行くね!」タッタッタッ……
しずく「私も失礼します!」タッタッタッ……
ミア「行っちゃったよ……」
ランジュ「ねぇ栞子、せっかくだから全部の歯に青のり貼り付けてみない?」
栞子「嫌ですよ」
璃奈「事情はわかった。ここは私の出番……璃奈ちゃんボード『キリリッ』」
あなた「なにかいい方法があるの?」
璃奈「うん。あなたが最高のときめきを感じられる特製ドリンクを作ってくる」
彼方「それはやめたほうがいいんじゃないかな!」
しずく「いつになくしゃっきりしてますね彼方さん」
かすみ「かすみんも彼方先輩に賛成ですっ!!」
あなた「おっ、かすみちゃんまで」
璃奈「うぅ……ドリンク、作りたかったのに……璃奈ちゃんボード『しゅん』」
エマ「う~ん、困ったねぇ……」
あなた「んん? 私ひらめいたかもっ」
しずく「なんですか?」
あなた「エマさんの膝枕で寝たらときめく気がするな!」
エマ「本当? じゃあおいで~」ポンポン
しずく「いえ、たぶん違うと思います。先輩、考え直しましょう」
あなた「でもやってみないとわからないよ」
彼方「エマちゃんのお膝枕は気持ちいいよ~」
かすみ「かすみんのお膝も空いてますよ、先輩っ!」
しずく「だったら私の膝枕をどうぞ!」
あなた「いや、ここはやっぱりエマさんで。よいしょっと……」ゴロン
しずく「ああっ!」
エマ「よしよし……」
あなた「すぅ……」スヤスヤ
かすみ「えっ!? 先輩もう寝ちゃったんですか!?」
彼方「おお~、さすがエマちゃん」
璃奈「この早さ……どちらかというと気絶」
しずく「せんぱぁい……」
~間~
あなた「ん~、すっきりしたぁ~」
かすみ「先輩ちょっとお疲れなんじゃないですか?」
エマ「わたしの膝でよかったらいつでも貸すからね」
あなた「ありがとうエマさん」
しずく「それでときめきはどうだったんですか?」
あなた「あーときめきね。そうだなぁ……寝ててよくわかんなかったかも」
彼方「わかんなかったかぁ~……」
璃奈「よかったら今度は特製ドリンク、試してみて」
あなた「じゃあいざとなったらお願いするね」
部室
あなた「結局新しいときめきは見つからなかったなぁ……」
しずく「そうですね……」
あなた「なんかごめんね、ここまで付き合わせちゃって」
しずく「いえ……」
あなた「ときめき欠乏症のことは私一人でなんとかするよ」
しずく「……先輩」
あなた「ん?」
しずく「やっぱり私、先輩の力になりたいんです」
あなた「でも……」
しずく「もう一度提案させてください。私とお付き合いしてみませんか?」
あなた「えぇどつき――」
しずく「それはもういいですから!」
あなた「あ、ごめんなさい……」
しずく「そのごめんなさいはなんですか? 付き合えないってことですか?」
あなた「いやいや……」
しずく「では私とお付き合いしてくれると」
あなた「うーん? あれっ」
しずく「恋をすればきっと先輩だってときめくはずですよ。私がそうであるように」
あなた「え、なに、しずくちゃん恋してるの!? 誰に?」
しずく「わからないんですか!?」
あなた「う、うん……」
しずく「はあ……なら教えてあげます。私が恋してるのは……」スッ
チュッ
しずく「あなたですよ、先輩」
あなた「へ……?」
しずく「どうですか? 今のはさすがにときめいたんじゃありませんか?」
あなた「ん……えっと、どうだろ?」
しずく「むぅ……」
あなた「あっ、だけどなんか、青春の味がした……気がする」
………………
…………
……
1ヶ月後
しずく「先輩、最近ときめきのほうはどうですか?」
あなた「う~ん……いい感じっぽいかもしれない、感じ?」
しずく「なんだかはっきりしませんね……」
あなた「はっきりしないっていうのはいいものだよ」
しずく「どうしてですか?」
あなた「だってそのほうが人生は面白いからね」
しずく「そういうものですか」
あなた「そういうものですよー」
しずく「正直なところ彼女としては複雑ですが……」
あなた「でも私こうしてしずくちゃんといると、なんとなーく幸せだよ?」
しずく「……まあ、今はそれでよしとしましょう。ただし――」
しずく「いつかは『なんとなーく』なんて言えないくらい、私のことを好きにさせちゃいますからねっ」
パタン
――――――
――――
――
虹ヶ咲学園・階段
パタン
しずく「ふう……今回も素敵なお話が書けたかな」
演劇部部長「しずく」
しずく「あっ、部長。お疲れ様です」
演劇部部長「それ、また書いてたんだ」
しずく「……はい」
演劇部部長「私にも見せてくれない?」
しずく「それは……できません」
演劇部部長「そう……だったらもう書くのはやめたほうがいいよ」
しずく「どうしてですか?」
演劇部部長「……忠告はしたからね。それじゃ」スタスタ……
しずく「…………」
この物語はフィクションです♡
来週のこの時間は前田佳織里主演「GUI GUI ノムカー」をお送りします。
お粗末さまでした。
【前回の日曜桜坂劇場】
日曜桜坂劇場「刑事オードリー」[字][解][デ]死を呼ぶ嘘スキャンダル記事!人気アイドルに秘密あり…疑惑の八重歯と魅惑のセクシー姉さん
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あなしず最高や!
絶滅危惧種のあなたちゃんだ囲め保護しろ
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1678627801/