【SS】曜「正しい」 千歌「愛の末路」【ラブライブ!サンシャイン!!】

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【SS】曜「正しい」 千歌「愛の末路」【ラブライブ!サンシャイン!!】

1:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:15:11.90 ID:ZyeY6Ihb

曜「……なに、これ…」

バッと開いた雑誌のページに載っていたのは、

私と千歌ちゃんが、愛し合っている写真だった。

 

2:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:18:21.50 ID:ZyeY6Ihb

ーーーー

スクールアイドルを始めて一年が経とうとする今、私はコンビニに来ていた。

雑誌のコーナーに行き、いつも読んでいる漫画雑誌を取ろうと手を伸ばした時。

曜「……?」

斜め上にある、一つの雑誌が目に入って、動きが止まる。

 

3:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:21:42.46 ID:ZyeY6Ihb

腕の方向を変え、そちらの雑誌の方に手を伸ばし、

厚みないそれを掴み、乱暴に顔の近くに持ってくる。

曜「……..は?」

その表紙に書いてある字をよく見ると。

“スクールアイドル、メンバーとの熱愛発覚”と、確かに書かれていた。

 

4:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:25:41.31 ID:ZyeY6Ihb

赤い字で書かれたその文章に、鼓動が早くなるのを感じる。

震える手で勢いよくページを開くと、そこには

恐れていたモノが写っていた。

曜「……なに、これ…」

 

6:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:30:40.52 ID:ZyeY6Ihb

薄っぺらいページにでかでかと載せられているその写真は、

紛れもなく、私と千歌ちゃんが路地裏で唇を重ね、指を絡めている様子を写していた。

曜「…..う、そ…だ…」

ふらつく脚に力を込め、なんとか立った状態を保つ。

千歌ちゃんは知っているのだろうか。

そう考えた瞬間、私は千歌ちゃんの家の方向へ走り出していた。

 

8:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:37:09.99 ID:ZyeY6Ihb

ーーーーー

曜「…ち、かちゃん…」

千歌ちゃんの家の近くまで着き、走っていた為乱れた息を整えながら進むと、千歌ちゃんの家が見えた。

家の方へ駆けて行く私の耳に、騒がしい声が聞こえた。

明らかにその声は、千歌ちゃんの家の方から聞こえた。

 

12:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:45:29.26 ID:ZyeY6Ihb

人と人がぶつかるような音に混じる声に耳を澄ませると、聞こえてきたのは。

「高海千歌さん!今回の騒動、ずばり本当なんでしょうか?」

「あの写真は一体…!」

「渡辺曜さんとのお付き合いは…」

疑問と期待の入り混じった、汚い声。

この大群…はマスコミ?

曜「…あの、すいません。」

千歌ちゃんの家の玄関の前で群がるマスコミに声をかけ、道を作ろうとすると、

マスコミ達の無数の目線は、私に向けられた。

途端、その汚い声が私に投げかけられる。

「渡辺曜さん!!」

 

13:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 18:53:52.93 ID:ZyeY6Ihb

「どうして高海千歌さんの家に?」

「渡辺曜さん!今回のーー」

「同じグループの他のメンバーにもーー」

さっきと似たような言葉が私の耳に響く。

ふと、その人数に押し潰されそうになる私の腕を引く感覚。

目をやると、そこには

梨子「曜…ちゃん…っ」

梨子ちゃんの姿があった。

 

14:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:02:51.06 ID:ZyeY6Ihb

私が梨子ちゃんの存在に気づくとすぐに、マスコミ達もその存在に気づき、梨子ちゃんの方にマイクを向ける。

梨子「曜ちゃんっ!」

梨子ちゃんは私の腕を掴み、走り出した。

曜「り、梨子ちゃん…っ」

梨子ちゃんは何も言わず、マスコミから逃げるように真っ直ぐ私を引っ張って走って、

たまに道を曲がったり後ろを確認したりして、千歌ちゃんの家からかなり遠くなった所で足を止めた。

 

16:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:17:52.67 ID:ZyeY6Ihb

曜「はぁ…はぁ…梨子ちゃ、ん…」

きっと梨子ちゃんも事情を知っているだろう。

私のせいでこんなことになって、相当怒っているのだろうと覚悟して目線を上げると、

梨子「っ…よかった、曜ちゃん…落ち込んで、自 〇とかしちゃってるかと、思った…」

安堵の表情を浮かべ、私の手をぎゅっと握る梨子ちゃん。

曜「うぇえっ?」

梨子ちゃんの口から出た言葉に驚いて、素っ頓狂な声が出る。

私が…自…〇……!?

曜「いや…、ご、め…梨子ちゃ…」

梨子「大丈夫だよ。曜ちゃんと千歌ちゃんが付き合ってるのは、何となく察してた…」

曜「えぇっ…!?……気持ち悪くないの?」

梨子「当たり前だよ。そんなことより…」

優しい目をしてにこにことしている梨子ちゃんを見てさすが…、と思っていると、

梨子ちゃんの表情が一気に変わり、真剣な瞳で見つめてくる。

梨子「……これからどう、するの?」

 

17:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:23:47.14 ID:ZyeY6Ihb

曜「…..これから…」

そうだ。私と千歌ちゃんのこんな噂が出た以上、スクールアイドルを続けていけるはずがない。

梨子「曜ちゃん、私は、曜ちゃんと千歌ちゃんが決めたことなら…それでいいから…」

私の手を握る梨子ちゃんの手の力が強くなる。

梨子「だから…どうするか、決めて」

どうすれば、いいんだろう。

 

18:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:29:20.98 ID:ZyeY6Ihb

あれから梨子ちゃんと離れ、お互い自分の家に帰った。

ベッドに飛び込む。

曜「……千歌ちゃんは、どうするんだろう」

ごろんと寝返りを打つと、時計が目に入った。

もうすっかり深夜だ。

…もう今日は寝よう。

明日、みんなと会って考えよう。

そんなことを考えながら、眠りについた。

 

20:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:39:27.53 ID:ZyeY6Ihb

ーーーーー

朝。

昨日の夜は、眠れるはずも無く。

重い足取りで学校に向かう。

校門の前まで来ると、昨日聞こえたあの汚い声が聞こえた。

まさか。

ザワザワ、ザワザワ。

予想が的中した。

昨日の人達は、私達の学校にまで来ていた。

 

21:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:54:24.10 ID:ZyeY6Ihb

曜「……っ」

今度は見つからないように、校門を通らず学校の裏に回り、柵を飛び越えて学校に入った。

騒がしい廊下を走り抜け、部室に直行する。

曜「み…んなっ…..!」

部室のドアを開けると、皆がそろっていた。

善子「曜…!」

花丸「よ、曜ちゃん…大丈夫だったずら?」

ルビィ「曜さん…!」

皆が私に駆け寄ってくる。

 

22:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 19:59:01.35 ID:ZyeY6Ihb

私を心配してくれる皆の姿を見て激しい罪悪感に駆られたので、咄嗟に頭を下げて謝った。

曜「…ぁ…み、みんな、ごめん…っ私のせいで…」

ちら、と皆の方を見上げると。

ダイヤ「……曜さん」

ダイヤちゃんが、私の目線に合わせて屈んでいた。

 

24:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:06:04.21 ID:ZyeY6Ihb

曜「……っだ、ダイヤ…ちゃ」

ダイヤ「っ…!」

パシンッ。

皮膚と皮膚が重なる乾いた音が響く。

その衝撃に、私は倒れこむ。

いや、この衝撃は…

曜「っ…!ご、ごめ…..なさ…」

私は、ダイヤちゃんに頬を叩かれたのか。

 

26:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:17:43.37 ID:ZyeY6Ihb

ダイヤ「…..曜さん、普段の行動には気をつけて下さいと言いましたよね」

曜「……ごめ….」

じわじわと、目に涙が溜まっていくのを感じる。

果南「っだ、ダイヤ…!」

梨子「ダイヤさん…!曜ちゃんは悪くないんです…!」

果南ちゃんと梨子ちゃんがダイヤちゃんの、私の顔の上で震える手を抑える。

ダイヤ「…分かってます….分かってます…..!!」

そんな私達を、どうすればいいのかと涙目で見つめる、善子ちゃんと花丸ちゃんとルビィちゃん。

すると、今まで黙っていた鞠莉ちゃんが口を開いた。

鞠莉「…曜と千歌には、謝罪会見を行ってもらう」

 

28:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:26:44.72 ID:ZyeY6Ihb

曜「…っえ?」

鞠莉ちゃんから発せられた言葉に、皆が驚いて鞠莉ちゃんの方を見る。

鞠莉「明後日、私が用意した場所でね。いろんな人には許可とってあるから。」

曜「ちょ、ちょっとまって、聞いてない……」

私が言い切る前に、鞠莉ちゃんは冷たい目をして叫んだ。

鞠莉「私は本気でスクールアイドルを続けたい!!」

すっかり静まり返った部室に、鞠莉ちゃんの声が響く。

善子「…っ、で、でも…謝罪会見まで…する必要…..」

鞠莉「あるわよ。そうでもしないと、曜の誠意は伝わらないでしょう?」

 

29:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:30:30.30 ID:ZyeY6Ihb

鞠莉「……とにかく、いろいろと準備はしておいてね」

鞠莉ちゃんが部室から出ていくのと一緒に、果南ちゃんとダイヤちゃんも出て行った。

ルビィ「….っ、ひっく、ぅ…..」

花丸「ルビィちゃ…っ」

善子「……っ」

梨子「…曜ちゃん…」

曜「……..千歌ちゃんは…?」

梨子「…千歌ちゃん、今日は休む…って…」

……

…千歌ちゃん………

ーーーーー

 

30:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:33:43.65 ID:ZyeY6Ihb

夜。

ベッドに飛び込み、枕に顔を埋める。

曜「……千歌ちゃん…」

小さく呟く。

もし千歌ちゃんが、スクールアイドルをやめるなんて言ったなら。

私はーーー

「曜ちゃん」

……

千歌ちゃんの声?

 

31:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:36:32.42 ID:ZyeY6Ihb

曜「ち、千歌ちゃんっ…!?」

細く聞こえた声に、私は起き上がって窓のカーテンを開け、その声の正体を探す。

千歌「曜ちゃん!」

窓の下の方を見ると、そこには。

曜「…千歌…ちゃ……」

千歌「曜ちゃんっ!」

千歌ちゃんがいた。

 

32:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:41:47.12 ID:ZyeY6Ihb

私は急いで階段を駆け下り、玄関を出て、窓の方を見ている千歌ちゃんの方へ走る。

曜「千歌ちゃん…っ?」

千歌「…..曜ちゃん….」

夜の明かりに照らされた千歌ちゃんの瞳は、とても柔らかく微笑んでいて、

すごく綺麗だった。

千歌「…..ごめんね、曜ちゃん」

曜「ぁ…あ、れは千歌ちゃんが悪いんじゃないよ…っ!」

ぎゅっと千歌ちゃんの肩を掴む。

千歌「…曜ちゃん、わたしね」

千歌ちゃんは、私の耳元で、囁いた。

 

34:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:42:36.11 ID:ZyeY6Ihb

曜「………え…」

千歌「…..どう、かな……」

ーーーーー

 

35:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:45:31.06 ID:ZyeY6Ihb

ーーーーー

曜「っ、ぁ…あ、千歌ちゃ…」

千歌「よう、ちゃ…っ!すき、曜ちゃ…」

曜「ちかちゃん…っ、私も、すき…っ」

千歌「…っもう、忘れられなくなるくらい…っ、激しく、して…?」

曜「千歌、ちゃ…っ!」

これが、私達の最後。

ーーーーー

 

36:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:49:16.36 ID:ZyeY6Ihb

朝。

眩しい日の光が差す。

千歌「あさだよ、曜ちゃん」

曜「…ん…..起きてたんだ…千歌ちゃん」

千歌「えへへ」

目をこすり、千歌ちゃんは笑った。

曜「この旅館、すごい綺麗だよね」

千歌「ほんとほんと。昨日の夜、突然来たのに、優しく迎えてくれるし」

顔を合わせて笑う。

ああ、幸せだなぁ。

 

37:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:54:08.54 ID:ZyeY6Ihb

曜「朝ごはんは…いっか。服来たらすぐ行こう、千歌ちゃん」

千歌「うん。急がないと、ね」

重い体をゆっくり起こすと、千歌ちゃんに頭を撫でられた。

えへへ、とまた顔を合わせて笑う。

曜「千歌ちゃん、急いで急いで」

スタスタと、早歩きで道を進む。

千歌「…..まっ、て曜ちゃん…」

 

39:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:55:58.84 ID:ZyeY6Ihb

曜「大丈夫?疲れた?」

千歌「……ちがう、の」

下を向いて、動かない千歌ちゃん。

曜「……やっぱり、怖いよね?」

千歌「……..」

曜「一緒に、しのう、なんて」

 

40:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 20:59:39.18 ID:ZyeY6Ihb

千歌「……ごめんね、チカが言ったことなのに」

曜「…大丈夫…。わたしも、そうだから」

そっと優しく、千歌ちゃんの頭を撫でる。

千歌「…..あと、怖いってだけじゃない…」

曜「……うん」

千歌「….ほんとに、これでいいんだよね」

曜「…..そんなこと、わからないよ。でも…」

千歌ちゃんのおでこにキスをする。

曜「いっしょなら…大丈夫…でしょ」

千歌「….うん…っ」

 

41:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 21:02:38.30 ID:ZyeY6Ihb

曜「…..さ、行こう…」

千歌「うんっ…」

手を繋いで歩き出す。

これが、私達が決めたこと。

『明後日の謝罪会見までに、2人でかけおちしたいの』

『そしたら、2人で….空に行こうよ』

ーーーーー

 

42:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 21:04:31.65 ID:ZyeY6Ihb

ーーーーー

千歌「曜ちゃん、好き、愛してる」

曜「…ふふっ。私も、だよ…」

千歌「曜ちゃん……」

曜「……抱き合って、いたいな」

千歌「…うん。」

ぎゅっ。

曜「えへへ、気持ちいいな…」

 

45:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 21:08:25.65 ID:ZyeY6Ihb

千歌「そうだね…」

曜「これで、ほんとに〇ねるのかな…」

千歌「だいじょーぶ…こうやってこれを置いておけば、一酸化炭素中毒になるって…」

曜「そっ、か…」

千歌「…曜ちゃん…」

曜「千歌、ちゃん…」

千歌「ふふ…」

曜「へへへっ」

「すき」

ーーーーー

 

47:(かぶらずし) 2018/02/02(金) 21:11:21.55 ID:ZyeY6Ihb

………

幸せかどうかなんて知らない。

これで良かったかなんて分からない。

ただ、これが、

禁断の関係の私達の

正しい愛の末路

 

46:(庭) 2018/02/02(金) 21:09:01.43 ID:I1ewC1bW

やめろーーーッ!

 

48:(笑) 2018/02/02(金) 21:13:15.70 ID:fjs3dIKK

えぇ..

 

50:(しうまい) 2018/02/02(金) 21:16:42.89 ID:D7yYo8Q8

おつおつ
ダイマリの二人もめっちゃ辛そう…

 

51:(わたあめ) 2018/02/02(金) 21:16:53.93 ID:jPS8GUUe

おつ
つらいけど良かった

 

52:(もんじゃ) 2018/02/02(金) 21:16:54.25 ID:G2fyili8

謝罪会見言い出した鞠莉ちゃん病みそう

 

56:(庭) 2018/02/02(金) 22:10:45.34 ID:mxbUK7nq

えぇ……なんでバットエンドよ

記者A「ようちかの勝利だ!」
記者B「『熱愛発覚にファン大歓喜!!』……と。これは部数稼げるぞ……!」

千歌「あれ……なんか、受け入れられてる?」
曜「みたいだね……」

的な
ファン祝福の上でライブは大成功ハッピーエンドを迎えるのを期待してたのに

 

58:(もんじゃ) 2018/02/02(金) 22:12:00.41 ID:34Jbrc21

>>56
本当はこれ

 

57:(もんじゃ) 2018/02/02(金) 22:11:40.84 ID:8rl5fG1a

記者全員レズやぞ

 

60:(プーアル茶) 2018/02/03(土) 02:14:21.67 ID:p0zf9E1u

辛い…けどたまにこういうのも読みたくなってくる
読んだあとは急いで甘々なのを探しに行くんだけどねw

 

62:(やわらか銀行) 2018/02/03(土) 08:18:03.74 ID:cjPWhQVE

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引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1517562911/

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