【SS】善子「ルビィ、百合営業をするのよ」【ラブライブ!サンシャイン!!】
善子「最近の人気の伸び悩みもこれで解決できるかもしれないわ」
善子「百合営業、アイドルに詳しいルビィならどんなことかわかるよね?」
ルビィ「うん、百合営業がどういうものなのかはわかるけど……」
ルビィ「これでルビィのことを見てくれる人が増えるのかな?」
善子「絶対とは言えないけど、きっと効果はあるはずよ」
ルビィ「よ~し、そういうことならルビィ百合営業始めます」
善子「そうこなくっちゃ、それでルビィの相手なんだけど……」
ルビィ「ヨハネちゃんありがとう! ルビィ、マルちゃんを誘いに行くね!」
善子「ちょっと待って! どうしてそこでマルちゃんが出てくるの?」
ルビィ「え? だってルビィと一番仲がいいっていうとマルちゃんだから」
善子「そうね、Aqoursでルビィと仲がいいのは誰とメンバーに聞けば十中八九マルちゃんと答えられるでしょうね」
ルビィ「だったら……」
善子「だからこそダメなのよ」
ルビィ「どういうことなの?」
善子「いい? ルビィとマルちゃんは仲良しで広報活動で一緒にいるところがよく写ってるの」
善子「だからファンの間でも二人の仲がいいのは周知の事実」
善子「営業のつもりの内容もいつも通りのことと認識されて効果がない可能性があるわ」
ルビィ「そうなの?」
善子「そうなの、だからここは今まであまり一緒にいたことのない人と組むのが正解」
ルビィ「そうなると2人の秘密教えてあげるのコーナーで一緒になった人は候補から外れるってこと?」
善子「そういうこと、ルビィは誰と一緒にやったんだっけ?」
ルビィ「え~と、お姉ちゃん、曜ちゃん、果南さんの3人、だったはず」
善子「そうなると千歌ちゃん、梨子ちゃん、鞠莉さん、それと私が候補ね」
ルビィ「この中からルビィの相手になってくれる人を選ぶんだね?」
善子「そうなんだけど、いきなり百合営業の相手になってくださいなんて言われたら困っちゃうと思うし」
善子「ここは一つ、私がルビィのパートナーになってあげる」
ルビィ「ヨハネちゃんが?」
善子「そうよ、私が相手じゃ不満なの?」
ルビィ「そんなことはないよ、だけどどうして?」
善子「ルビィは憶えてる? 私との勝負の話」
ルビィ「勝負? どっちの方が人気のアイドルになれるかってやつだよね?」
善子「そう、妹アイドルと小悪魔アイドルの対決よ」
善子「一時期はルビィがリードしていたこともあったのに、今では結構な差がついちゃったでしょ?」
善子「簡単にクリアできるゲームもそれはそれで楽しいけど、やっぱりライバルは強力じゃないとね」
ルビィ「ごめんなさい……不甲斐ない相手で」
善子「もうっ! そこは負けるもんかってやる気を出すところじゃない」
ルビィ「でも……」
善子「……まあいいわ、だから助け舟、完全にルビィに鞍替えされるのはちょーっと困るけど」
善子「私のリトルデーモン達に少しでもルビィの魅力を知ってもらうの」
ルビィ「ヨハネちゃんにとっては損しかしないのにいいの?」
善子「いいの、ゲームを面白くするために必要なことなんだから」
善子「それに対決以前に仲間だもの、ルビィのことを沢山の人に見てもらえるようになって欲しいじゃない」ボソッ
ルビィ「ヨハネちゃん、そこまでルビィのこと考えてくれてたんだ……」
善子「……もうっ! ルビィったらそこは聞こえないフリをするところ!」
ルビィ「そ、そうなの?」
善子「そうなの! カッコつかないじゃない」
善子「コホン、そういうことだから百合営業でルビィの人気をあげましょう作戦スタートよ!」
ルビィ「お、おー」
善子「声が小さい! もう一度!」
ルビィ「おー!」
善子「作戦その一、ヨハネとリトルデーモンよ」
ルビィ「ルビィ、こういう衣装を着るの初めて」
善子「ちょっといい? ここをこうして……」グイグイ
ルビィ「ひゃあっ! 」
善子「これで……よし! うっすらとだけど谷間ができたわ」
ルビィ「わぁ! ルビィのちっちゃな胸が膨らんだみたい!」
善子「この衣装は胸元を大胆にアピールしていかないとダメよ」
ルビィ「ちょっと恥ずかしいけど、勉強になります!」
善子「ルビィにはこの寄せて上げてのテクニックを伝授してもいいんだけど……」
ルビィ「ほんとうに!?」
善子「うーん、だけどルビィに求められてるのはボインよりもペターンなのかも」
ルビィ「そんなぁ……うわーん! ルビィだって大きくなりたいのに」
「あのー」
善子「ん?」
花丸「えっと、マルはなんの用で呼ばれたんですか?」
善子「そうそう、これから小芝居をするからマルちゃんにはその写真を撮ってほしいの」
花丸「うん、わかりました」
ルビィ「ゴメンね、手伝ってもらって」
花丸「ううん、ルビィちゃんのためならなんだってするよ」
ルビィ「ありがとう、マルちゃん」
善子「シチュエーションはヨハネに憧れを抱くかわいいリトルデーモン、これでいくわ」
ルビィ「はい!」
善子「それじゃあ、スタートよ!」
よしルビ「キャッキャ」
花丸「……」パシャパシャ
花丸(う~ん……)
善子「作戦その二、宣戦布告」
善子「妹アイドルと小悪魔アイドルの対決の始まり、あの時のやり取りを再現して公開するの」
ルビィ「あれからもう随分経つよね、懐かしいなぁ」
善子「私達の対決のことを知らせれば注目度アップ、目が離せなくなるはずなんだから」
ルビィ「そうなるといいんだけど……」
善子「その自信のなさまであの時に戻っちゃダメよ、ハイいちご牛乳」
ルビィ「ありがとう、コレ飲んでる途中でヨハネちゃんに取られちゃったんだよね」
善子「そうだったっけ?」
ルビィ「そうだよ、ヨハネちゃんったらいきなりルビィから奪っていっちゃったんだから」
善子「堕天使は過去には囚われないのよ、だから覚えてないわ」
ルビィ「もう、都合いいんだから」
善子「そろそろ撮影始めましょう、マルちゃんお願い」
花丸「うん」
よしルビ「キャッキャ」
花丸「……」パシャパシャ
花丸(なんだろう……)
善子「作戦その三、いい子と悪い子」
善子「最後はマリア像の掃除を巡っていい子ちゃんのルビィとそうじゃない私の凸凹コンビなところを見せちゃうの」
ルビィ「凸凹でいいの?」
善子「正反対だけど息が合う、そういうところがウケるものなの」
花丸(ヨハネちゃんも悪い子なんかじゃないけど言うと否定すると思うから黙っておきます)
ルビィ「だけどヨハネちゃんもいい子だよ? 今もこうしてルビィの為に……」
善子「だっ、堕天使のヨハネがいい子なわけないじゃない! これはいずれルビィをカンパニーに引き込む為の作戦なんだから!」
ルビィ「そうなの!?」
花丸(やっぱり、だけどあんなこと真っ直ぐに言えるルビィちゃんの方がよりいい子かな)
ルビィ「最後の撮影もバッチリ決めようね、マルちゃんお願い」
花丸「任せて、ルビィちゃん」
よしルビ「キャッキャ」
花丸(……)パシャパシャ
花丸(どうにもわざとらしさを感じる……)
善子「これで必要な写真は全部撮れたわ、マルちゃんも手伝ってくれてありがとうね」
ルビィ「ありがとうマルちゃん、おかげで助かったよ」
花丸「ルビィちゃんが喜んでくれるならマルも嬉しいよ、だけど……」
ルビィ「どうかしたの?」
花丸「ううん、なんでもない、きっとマルの考えすぎだから」
花丸「そろそろ掃除の時間だからマルは戻るね」
ルビィ「うん、また後でね」
ルビィ「ヨハネちゃん、ルビィ達も掃除始めよう?」
善子「えー? さっきやったからいいんじゃない?」
ルビィ「それは掃除してるフリだけだから、ホラ始めるよ」
花丸「……」コソッ
ダイタイゲンカンホールノマリアゾウナンテ
ドウセダレモソンナニコマカクミテナイシ
花丸(今ならわざとらしさもないから)パシャパシャ
花丸(うん、いい感じ)クスッ
善子「あれから一週間、どれだけ効果があったのか楽しみね」カタカタ
ルビィ「ドキドキする」
善子「さあ、どうかしら?」タンッ
ルビィ「あっ!」
善子「これは……」
ルビィ「……特に反響はないね」
善子「そんなはずは……」
ルビィ「やっぱりそう簡単に人気が上がるなんてわけないよね」
善子「まだよ、きっとこれじゃ足りないの」
ルビィ「えっと、足りないって?」
善子「もっと踏み込んだものが必要なのよ」
ルビィ「踏み込むっていうとどんなの?」
善子「…………キス」
善子「私とルビィがキスしてる写真、とか……」
ルビィ「キッ、キキキ、キスぅ!?」
善子「そっ、そうよ! キス、したらきっと今度こそ」
ルビィ「だけどルビィ、キスなんてしたことないし……」
善子「私だって、でもこれもルビィの為だからやるしかないじゃない」
ルビィ「ルビィはそこまでしなくても……」
善子「そういうわけにもいかないの、ルビィの面倒みるって決めたんだから」
ルビィ「ヨハネちゃん、一度落ち着こう? そこまでしてもらうようなことじゃないよ……」
善子「だって私達のやったことが無意味だったなんて納得いかないじゃない……」
善子「今度こそ絶対効果あるから、だからホラ、私を信じて、ね?」
ルビィ「え~っと、う~んと、うん……わかった」
ルビィ「ヨハネちゃんを信じてルビィのファーストキスを捧げます」
善子「そうこなくっちゃ」
善子(……だけどこのチョロさ、将来悪い人間に騙されないか心配)
善子「それじゃあ、目を瞑って」
ルビィ「ん……」スッ
善子「……」ドキッ
善子(ルビィってばやるじゃない、こんな大人びた表情もできるのね、不覚にも少しときめいちゃった)
善子(このギャップを見せられたらコロッといっちゃう人もいるわ、後で教えてあげましょ)
善子「いくわよ」クイッ
ルビィ「……」フルフル
善子(震えてる、当たり前よね初めて、しかもこんな形で失うんだもの)
善子(……ヤバ、初めてって意識したらこっちまで緊張してきちゃった)フルフル
善子(ルビィに情けないところは見せられない、一気にいくのよ)キッ
ガチャッ
よしルビ「っ!?」ビクッ
花丸「ヨハネちゃん、そこまでです」
善子「マルちゃん」
ダイヤ「生徒会長として、そしてルビィの姉としてこれ以上は見過ごせないわ」
ルビィ「お姉ちゃんも」
ダイヤ「話はマルちゃんから聞いているわ、百合営業、だったわね」
善子「はい」
ダイヤ「ルビィの為に行動してくれているのは嬉しいけれど、これは少しやり過ぎよ」
善子「でも、こうでもしないと人気が……」
ダイヤ「そこなんだけどね、ルビィ?」
ルビィ「はい?」
ダイヤ「あなたはヨハネちゃんにおんぶに抱っこ、それでいいのかしら?」
ルビィ「えっと……」
ダイヤ「あなた自身が人気向上の為に行動していること、何もないでしょ?」
ルビィ「はい……」
ダイヤ「お姉ちゃんはね、何も助けを求めるなとまでは言わないわ」
ダイヤ「だけどまずは自分の力だけでやってみてほしいの」
ルビィ「うん」
ダイヤ「ヨハネちゃん」
善子「はい」
ダイヤ「そういう訳だからしばらくはルビィのことは見守るだけにしてもらえる?」
善子「わかったわ、あ~あ、いい作戦だと思ったのに」
ダイヤ「ふふっ」
善子「なに?」
ダイヤ「いえ、マルちゃんに二人の写真を見せてもらったのだけど、あれでは効果がないのも当然よ」
ダイヤ「はっきり言ってしまうとわざとらしい、それを見ている人も感じ取ったのね」
善子「えーっ!?」
ルビィ「もしかしてマルちゃんが何か言いかけてたのって?」
花丸「うん、マルもぎこちないなって感じてて……」
ダイヤ「それと……これを見て」カタカタ
ルビィ「あれ? 2人の秘密教えてあげるのコーナー、あの日のルビィとヨハネちゃんだ」
花丸「実は戻ったフリをしてこっそり撮ってたんだ」
ダイヤ「ほら、寄せられたコメント」
善子「なになに……こちらは自然体な二人といった感じでいいですね、こういった写真をもっと見たいです」
ルビィ「他にも同じようなコメントがたくさん」
ダイヤ「ね、こちらはの意味、わかるよね?」
善子「はぁ……悔しいけど私達のものと比べられてるじゃない」
ダイヤ「まあ、これもいい経験だと思うことね」
善子「もうっ! やんなっちゃう!」
ダイヤ「ふふっ、さて、そろそろ帰りましょうか」
善子「はぁ……」
善子(絶対イケると思ってたのに空回りしてただけなんてショックすぎ)
善子(振り回しただけでルビィにも悪いことしちゃったな……)
善子「んー? ルビィといえば何か忘れてるような?」
善子「あっ! そうだ!」
善子(たまには大人びた表情をして普段とのギャップを見せるといいと思うわ、と送信)カチカチ
善子(これは釘を刺される前に気付いたことだからセーフ、よね?)
善子(あの時、人間を魅了する側のヨハネを魅了させかけたルビィの表情)
善子(アレはルビィにとって強力な武器になるわ、効果的に使いこなせたらきっと……)
善子「それにしても今すぐ倒せる相手を敢えて強くなるまで見逃すなんて」
善子「これってゲームや漫画の悪役そのものよね、まあヨハネは強くなったルビィを倒しちゃうんだけど」
善子「あれ? これってもしかしてフラグ? ってそんなわけないか」
善子「ルビィ、貴女が私と肩を並べる日が来るのを待ってるからね」
ルビィ「はぁ……」
ルビィ(あまり気にしてないように装ってはみたけど、やっぱりショックだな)
ルビィ(せっかくヨハネちゃんが善意で協力してくれたのに……)
ルビィ(ヨハネちゃん、責任感じて落ち込んでないといいんだけど)ブーブー
ルビィ(メール? ヨハネちゃんからだ)
ルビィ「……」ヨミヨミ
ルビィ(ギャップを見せる、か)
ルビィ(ありがとうヨハネちゃん、この助言も活かしてルビィなりの人気向上作戦を考えます)
ルビィ(ヨハネちゃんと肩を並べる、ううん、ヨハネちゃんを追い越しちゃうようなすごい作戦!)
ルビィ(待っててね、必ずヨハネちゃんに追い付き追い越しちゃうから)
ルビィ「目指すは下克上! ルビィ、頑張ります!」
おしまい
乙
よしルビもっと流行れ
おつ
めっちゃよかったよ!
G’s愛を感じた、乙
乙乙 超良かった!
引用元: undefined
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