【SS】すみれ「メンバーを一人ずつ納屋に連れ込んで〇〇してみた」【ラブライブ!スーパースター!!】
かのすみ
すみれ(クゥクゥに言われてスクールアイドルの勉強をしていたら、面白いブログを見つけた)
スマホ『スクールアイドルには、科学では解明できない能力を持つ者がいる』
スマホ『「天候を変える」「紙飛行機を超長距離飛ばす」「映りの良い場所に虹を掛ける」「健康体を保ったままでの著しい大食」「鉄棒を素手で折損させる怪力」等が観測されている』
スマホ『また、本年度注目の東京大会参加予定グループである…』
すみれ(嘘…?あの子にもって…)
すみれ(私も何かそういう能力あれば…)
すみれ(そうすればあの子に…)
-神社の境内-
参拝女子A「なにこの写真、かわいい!」チラッ
参拝女子B「もう、勝手に見ないでってば~」
キャッキャッ
すみれ(掃除中)「何か去年を思い出すわねぇ…」チラチラ
すみれ「あの子にグソクムシ動画を見られて、何とか忘れさせるためにとりあえず動かなくしようとして…」
すみれ「後で知ったけどあの子気絶癖があって、ちょっと睨んだらすぐキュウッってなっちゃって」クス
すみれ「こんな感じで相手を見ながら…」ジッ
すみれ「髪が逆立つくらい気合を入れて、怖い顔でぇ…!」髪ザワザワ
女子A「…?」ピクッ
女子B「あの巫女さん、何?」クルッ
すみれ「あっ」
すみれ(見つかったったら見つかっちゃったのよ!これは恥ずかしい…//)
女子A「」パタリ
女子B「」パタリ
すみれ「ギャラアァァァ!?」
すみれ「だ、大丈夫?」タタタ
女子AB「「……」」
すみれ(完全に気絶してる…!)
すみれ(もしかしてこれ、私の能力ってやつ?)
すみれ(かのんが気絶しやすいのと関係なく、実は私が念じた相手を気絶させられるってこと!?)
すみれ「こ…これはすごいわ!ギャラクシー!!」ビシッ
ちみれ「お、お姉ちゃん…?」フルフル
すみれ「あ」
女子AB「」
すみれ(この後、救急車を呼ぶ騒ぎになった)
すみれ(そして傍から見れば私は関係ないはずなのに、ちみれが泣いたのでとりあえず親にめちゃめちゃ怒られた)
-その日の夜・すみれの部屋-
すみれ「まさか、私にこんな能力があったなんて…」
すみれ「病院まで付いていったから、あの子達に後遺症とか無いことも分かったし」ホッ
すみれ「この能力を使いこなせるようになれば、あの子に…」モンモン
—–
すみれ『私ね、人をパタリさせる能力があるったらあるのよ』エヘン
かのん『すごーい!さすが私がスカウトしたすみれちゃんだよ!』
すみれ『ここまで来るのに時間は掛かったけど、やっと告白する自信がついたわ』
かのん『えっ…?』
すみれ『好きよかのん…付き合ってちょうだい//』
かのん『…うん、実は私も……させる能力があるんだ』
すみれ『かのんなら、そうだと思ってたわ』
かのん『だから、同じ能力持ちの恋人ができるなんて…嬉しいよ//』
—–
すみれ「なーんてね//」エヘエヘ
すみれ「で、振り付けじゃない手繋ぎとか…」
すみれ「それでこっそり買い物デートしちゃったりとか…」
すみれ「自分で恋愛禁止って言っちゃったけど、このくらいならいいわよね…?」
すみれ「よーし、この能力の解明…始めるったら始めるわよ!」フン
-翌日(月曜日)・学校の廊下-
すみれ(考えてみればこの能力、竹下通りとかで実験したら大騒ぎになるわよね?)
すみれ(かといってうちで参拝客を気絶させまくったら、人が来なくなっちゃうし…)
恋「ゴセェンフノウエェ~♪」テクテク
すみれ(…あ、ちょうどいいところに!)
すみれ「ねぇ恋、ちょっとお願いがあるんだけど」ヨビトメ
恋「どうしました?」
すみれ「今日の練習が終わったら、少しうちに寄ってくれないかしら」
恋「…すみれさんのお宅に?」
すみれ(気絶させる実験なんて言ったらさすがに引かれちゃうから…)
すみれ(それっぽい理由を付けて、メンバーに協力してもらうことにするったらするわ)
すみれ(もちろんかのんに知られないよう…)
すみれ(証拠も残さず、こうやって直接神社に呼び出して…ね!)
かのん「……」ヒョコ
かのん(すみれちゃん恋ちゃん、何話してるんだろう…)
-例の納屋(元かのん監禁場所)・午後8時-
すみれ「練習が遅くなってしまったけど、今から恋が来てくれる…はず」
—–
すみれ『神社に秘伝の集中力を増大させる瞑想法があって、本当に使えるものならLiella!はよりパワーアップすると思うの』
すみれ『正直何が起きるか分からないところもあるから、心も体も強い恋に実験の手伝いをお願いしたいのよ』
すみれ『家族にバレたり学校で噂になると困るから、練習終わりに他のメンバーにも内緒でうちの納屋に来てくれないかしら』
—–
すみれ(って頼んだら、目をキラキラさせてOKしてくれた)
すみれ(家族にも、「ここを部活の練習場に数日掛けて改造したいし手伝ってくれる子も来る」って説明したから、踏み込まれる事もない)ウン
すみれ「さて…」
すみれ「恋が来たら、かのんを縛ったこの椅子に座ってもらって…」ペシペシ
すみれ「目を瞑らせて、私が指示したりパワーみたいなのを送る雰囲気にして能力を試すつもりだけど…」
すみれ「…あっ」
すみれ「(今回は)縛ったりしないから、気絶するといずれ椅子から倒れたりして危ないかも…」
すみれ「瞑想って事にしてるから、いきなり横になれる場所に座ってもらうのも変だし」
すみれ「ええと…すぐ抱えて移動させられるように、隣に布団を敷いて…?」
すみれ「いや、板張りに敷いた布団に寝かすって失礼かしら」ムゥ
すみれ「確かこっちに折り畳みベッドが…あった」ガタガタ
すみれ「これを椅子の横にセットして…」ガチャンガチャン
すみれ「折り畳みマット…これをまず敷く」パタパタ
すみれ「で、母屋から持ってきた綺麗な…って重い」ウンショ
すみれ「敷き布団を敷いて…」ポフッ
すみれ「シーツを敷いて…」スパッ
すみれ「枕を置いて…」ポフッ
すみれ「…ちょっと寒いし、掛け布団もあった方がいいわね」ポフッ
すみれ「で、カバーを掛ける」シュッ
すみれ「あとそうだ、よだれとか出たら拭いてあげないと」
すみれ「ティッシュを横の机の上に置いて…」トン
すみれ「さらに机に雰囲気を出すためのアロマを置いて、焚く」カチャッ
すみれ「…うん、いい香り」スンスン
すみれ「で、雰囲気作りその二として…蛍光灯じゃなくテーブルランプを灯りにして」ボヤァ
すみれ「ティッシュを捨てるくず籠を床に置いて」コトッ
すみれ「最後に外から見られないように、カーテンを閉める」シャッ
すみれ「後は計測のためタイマーアプリを開いておいて…」スマスマ
すみれ「これで完璧ったら完璧ね」フー
【Case1】葉月恋
恋「お邪魔します」ガラガラ
すみれ「いらっしゃい恋。こんなところに呼び出してごめんなさいね?」
恋「それはいいのですが…」キョロキョロ
恋「こ、この部屋は一体…?//」
すみれ(いきなりすごい怪しまれてる…何でったら何で!?)
すみれ「こ、これはね?瞑想の効果を高める家具の配置というか…」ワタワタ
恋「…そういう事だったのですね」
すみれ「え?」
恋「偽計を用いて拐取するなんて、すみれさんらしくありませんね」クス
すみれ(かいしゅ…?)
恋「手口とこの簡素な設備から見て、わたくしが初めてとかそのような相手ではないのでしょうけど…」
すみれ「いや、それは本当に…」
恋「わたくしとしては吝かではなく…実は以前から興味もありましたので、むしろ嬉しく思います//」
すみれ「そ、そこまで言ってもらうと緊張するわね」
恋「では…」トコトコ
すみれ「あ、ベッドじゃなくてこっち、椅子よ」ペシペシ
恋「あ、そうなのですか…!?」
すみれ「そうよ。このベッドはえぇと…いざという時用というか?」
すみれ(自分で言っといて何だけど、なにが「いざ」なのよ…?)
恋「すみれさんのやり方は、椅子を使う…」
恋「そして具合が良くないのなら、通常の方法に移行するという事ですね?」
すみれ「そ、そうよ」
恋「知識と違うのでさらに緊張してしまいますが…すみれさんにお任せします!」グッ
すみれ(瞑想の事、知ってるの…?)
すみれ(予習でもしてきたのかしら…さすが恋ったら恋ね)カンシン
すみれ「大丈夫よ。私に任せておきなさい…?」ニコ
恋「…はい//」ストン
すみれ「じゃあ、目を瞑って…」
恋「……」メツムリ
すみれ(恋の前まで移動して…)スリアシ
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
恋「んんっ…」ピクッ
すみれ(能力、「入った」!…この感覚ね)
すみれ(後はパタリするのを待つだけ…!)
・・・
すみれ「あれ?」
恋「すみれさん…?」ドキドキ
すみれ(…何で気絶しないの!?)
-同時刻・神社前の道路-
チビ「わんわん!」グイグイ
サヤ「チビ、stayと言ってるでしょう!?どこに行くの?」ズルズル
サヤ(チビが散歩中にこうなるなんて珍しいわね…って、ここは確か…)
チビ「わんわん」スチャ
サヤ「神社の…納屋?」
サヤ「平安名様の家に寄り道すると電話で聞いていましたが…もしやお嬢様に何かが?」
サヤ「失礼します」ガラガラッ
すみれ「!?」クルッ
恋「…サヤさん?」パチッ
サヤ「……」キョロキョロ
サヤ「…平安名様、これはどういった状況でしょうか」ジロ
チビ「わんわん♪」
すみれ(マズいったらマズいわ!「夜に二人で変な儀式をしてる」って疑われちゃう!?)
すみれ「こ、これはですねサヤさん?」ワタワタ
サヤ「お嬢様も大切なお身体なのですから、夜にホイホイとこのような…」
すみれ「……!」グッ
サヤ「……」
サヤ「」カクン
チビ「わんっ」ポフッ
恋「サヤさん!?」ガタッ
すみれ「…静かにっ!」ビシッ
恋「はいっ」ピーン
すみれ(き、効いたァ~!)
すみれ(振り返った時、とっさにサヤさんにも能力発動しておいて良かったぁ…)ドキドキ
恋「すみれさん、これは一体…?」アワアワ
恋「何が……」
恋「」カクリ
すみれ(こっちも効いてたァ~!)
チビ「わんわん」パタパタ
すみれ「チビ、乗せてくれたサヤさん…このままベッドに寝かすからこっちに来て?」チョイチョイ
チビ「わん♪」ノシノシ
すみれ「よいしょっと…!」ネカセ
チビ「わんっ」フー
すみれ「ありがと、チビ…」ザワザワ
チビ「わん…」
チビ「」パタリ
すみれ「とりあえず何とかなった…?」ホッ
すみれ「後は恋をベッドに寝かせてあげないとね」
-翌日(火曜日)・学校の教室-
すみれ(昨日はどうなるかと思ったけど、無事目的を達成できたわ)
すみれ(だいたい30分で気絶から目覚めた2人に、「瞑想法が暴走してしまった」と説明したら納得してもらえたようだった)
すみれ(ベッドの隣に恋がいたサヤさんは何故か上機嫌で…)
すみれ(恋は何故か恥ずかしそうに顔を伏せたままだったから、そもそも2人とも上の空状態みたいだったけどね)
すみれ「よし、今日もやるったらやるわ」ガタッ
すみれ(一人で歩いてるメンバーを探しに、廊下を探索するわよ!)スタスタ
かのん「……?」チラ
【Case2】米女メイ
メイ「お邪魔しまーす」ガラガラ
すみれ「いらっしゃいメイ。こんなところに呼び出してごめんなさいね?」
メイ「それは別に…って、何だここぉ!?」ギョッ
すみれ(ま、また怪しまれてる…?)
すみれ「これはね?瞑想の効果を高めると言われる家具の配置で…」ワタワタ
メイ「そっか…私達高校生だし、何たってスクールアイドルだし…」
メイ「やっぱこういうの、あったんだな…//」エヘヘ
すみれ「…?」
メイ「それにしても…見た目の割にあんま興味無さそうだったすみれ先輩が、こんな慣れた感じだなんてな…」
メイ「もしかしたら、他の先輩たちもぉ…?//」オッホー
すみれ「…メイ?」
メイ「いや、まずは目の前の事に集中しろ…!」キリッ
メイ「すみれ先輩が初めての相手なんて、とんでもない幸運だぞ…」
すみれ(そりゃあ、こんな儀式を持ち掛ける人はいないわよね)
メイ「でも私はあいつと…いや、まずあいつがどう思ってるか分からないし…」ブツブツ
メイ「そう、あいつが『me too♡』って言ってくれた時に備えて、ここでキッチリ経験しておくべきだよな…!」ブツブツ
メイ「何か私がその…する側になりそうな気がするし//」ブツブツ
メイ「これがバレたら毒〇されるかもしれないけど、すみれ先輩なら秘密を守ってくれるだろうしな…」ブツブツ
すみれ「メイ、いつまで突っ立ってブツブツ言ってるの?まず中に…」
メイ「いんだよ何分でもぉ!」クワッ
すみれ「ヒィッ!」ビクッ
メイ「あ、ゴメンなすみれ先輩…!」アワアワ
すみれ「別にいいわ…じっくり考えていいのよ?」ニコ
メイ「…そう、これはあいつの為でもあるんだ。決して私の欲だけの為じゃないんだ」ウンウン
すみれ(ずいぶん悩むのねぇ…)
メイ「…分かったよすみれ先輩、覚悟決めたぜ」キリッ
すみれ「そ、そう」ホッ
すみれ「じゃあそこの椅子に…」
メイ「まず緊張をほぐすって事か…?」ストン
メイ「それともスクールアイドルだから教室っていうイメージぃ?//」
すみれ「……?」
すみれ「じ、じゃあ目を瞑って…」
メイ「お、おう…」メツムリ
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
メイ「はひっ//」ピクッ
すみれ(…入った!)
・・・
・・・・・・
すみれ「あれ?」
メイ「すみれ先輩…随分焦らすんだな//」モジモジ
すみれ(…またこのパターン!?)
-翌日(水曜日)・学校の教室-
すみれ(昨日も能力が効くまでちょっと掛かったけど、うまくいったわ)
すみれ(起きたメイに瞑想法の暴走だって説明したら、「そ、そうだよな」って納得してくれた)
すみれ(頭ポリポリしながら苦笑いしてた…失敗したって設定だから責任を感じさせちゃったかな)
すみれ(気絶から覚めたあと何かの効果があるのなら、本当の事を説明できるんだけどね…)ハァ
すみれ(でも、実験を続ければ新しい発見があるかもしれない…!)
すみれ「今日もやるったらやるわよ」ガタッ
すみれ(誰か一人で歩いてないかな~)スタスタ
かのん「………」ジー
【Case3】嵐千砂都
千砂都「うぃっす~♪」ガラガラ
すみれ「いらっしゃい千砂都。こんなところに呼び出してごめんなさいね?」
千砂都「それはいいけど…」キョロキョロ
千砂都「うーん…?」
すみれ(やっぱり警戒されてる?…上手く行かないわねぇ)
千砂都「…そう来たかぁ~」
すみれ「え?」
千砂都「まさか私とはねぇ…//」
すみれ(ここで、成功率ここまで100パーセントの説得を…!)
すみれ「これは、瞑想の効果を」
千砂都「ちょっと静かにしてね?すみれちゃん」
すみれ「はい」(怖い)
千砂都「すみれちゃんは、これでいいの?」
すみれ「え?」
千砂都「あの子じゃなくていいの?」
すみれ(かのん以外全員試すつもりだけど…この千砂都に能力が効くかどうかはやっぱり気になるわね)
すみれ「誰がとかじゃなく、千砂都にしたいのよ」ジッ
千砂都「…こんな部屋を作っておいてよく言うよ」メソラシ
すみれ「……」
すみれ(やっぱりこの部屋ヘンなのかしら…結構考えたんだけどな)グヌヌ
千砂都「ま、今までこの部屋で何をしてきたかは聞かないでおくよ」
すみれ「そ、そう」ホッ
千砂都「分かりやすい反応だね」
すみれ「んぐ…」
千砂都「でも、少しホッとした」
千砂都「すみれちゃんもこういう事に興味があって…しかも色々やってたんだなぁって」
すみれ「……」
千砂都「私もこれからどうなるか分からないけど、もし求められるような事があれば全力で応えてあげたいんだ」
千砂都「だから、相手がすみれちゃんだっていうのも併せて…これはいい機会だと思ってる」
すみれ「私も同じ。満足するまでやり続けるつもりよ?」
すみれ(千砂都もダンスの上達とそれを教えるため、色んな呼吸法や身体操法を勉強してるって言ってたものね)
すみれ(私の事を認めてくれてるんだなってのも、嬉しいったら嬉しい♪)
すみれ(でもホント…頑張り屋でいい子ね)フフッ
千砂都「私、かのんちゃんと会う前はホントに引っ込み思案で…」
千砂都「情けないけど…今でも新しい事に挑戦するの、すごい勇気を使ってるんだ」
千砂都「だから、実は今も…」
すみれ(声がちょっと震えてる…。安心させてあげないと)
すみれ「大丈夫ったら大丈夫よ。私でも出来るようになってきてるんだから」
すみれ「努力家の千砂都なら、きっと私より上手になるわ」ニコ
千砂都「…ありがとうすみれちゃん」
千砂都「私、もっと強くなるよ」ハレヤカ
すみれ「期待してるわ?」
千砂都「じゃあ、お願いしようかな//」
すみれ「勇気を出してくれてありがとう、千砂都」
千砂都「でも…」
すみれ「…?」
千砂都「みんなには、ないしょだよ…?//」
すみれ「……ッ」ドキッ
すみれ(何、今の感覚…?)
すみれ(こんな表情の千砂都初めて見るから、何か…)
すみれ(いや…せっかくやる気になってくれたんだから、早くしないと…!)ブンブン
すみれ「勿論よ。じゃあ、そこの椅子に座って?」
千砂都「椅子なんだ…私こんなだから、体痛くならなきゃいいな?」オズオズ
すみれ「優しくするから心配しないで?」ニコリ
千砂都「うん…//」トコトコチョン
すみれ「目を瞑って…」
千砂都「……」ギュッ
すみれ(震えながら手も握って…早く楽にしてあげないと)
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
千砂都「…ひっ」ピクッ
すみれ(…入った!)
・・・
・・・・・・
千砂都「すみれちゃん、いじわる…しないでほしいな?」
すみれ「ご、ごめんなさいね?まだコツが掴めないところがあって…」
すみれ(…この遅延、何か法則がある?)
-翌日(木曜日)・学校の教室-
すみれ(昨日も無事終わってよかった)
すみれ(起きた千砂都に瞑想法の暴走だって説明したら、顔がタコみたいな真っ赤になって…何度も忘れてくれって言われちゃった)
すみれ(スキを見せたがらない子だから、気絶しちゃったのがそんなに恥ずかしかったのね…)
すみれ(せめてこの能力を理解できるようにならないと、申し訳ないわ)ハァ
すみれ「今日も…」ガタッ
すみれ「エンカウント待ちするったらするわよ」スタスタ
かのん「……」トコトコ
かのん「ねぇちぃちゃん」
千砂都「………」ボー
かのん「ちぃちゃんってば」チョンチョン
千砂都「はひッ!」ビクッ
かのん「ボーっとしちゃって…何かあった?」
千砂都「…何もないよ?どうしたのかのんちゃん」
かのん「最近すみれちゃん、休み時間いっつも一人で出ていくけど…何か知らない?」
千砂都「す、すみれちゃん~?」
かのん「うん」
千砂都「うーん…何してるかは知らないけど、放っておいていいんじゃないかな」
かのん「……」
千砂都「すみれちゃんってたまに変わったこと考えて一人で動いてるから…あまり気にする必要ないよ?」
千砂都「…かのんちゃんは」
かのん「そうなんだ…」
【Case4】桜小路きな子
きな子「こんばんわっす~」ガラガラ
すみれ「いらっしゃいきな子。こんなところに呼び出してごめんなさいね?」
きな子「お気になさらず…っす…?」キョロキョロ
きな子「えっ嘘っ!?//」
すみれ「は?」
きな子「これってアレっすよね…?」
きな子「牧場とかじゃないオシャレな都会の…えー…かぶきちょう!かぶきちょうの人もよくやってるって噂のアレっすよね?」
すみれ(歌舞伎町の人が瞑想…?)
すみれ(まぁ、ああいう商売の人ならメンタルコントロールのためにそういうのやってるかもしれないし…話を合わせておこ)
すみれ「そうよ。大きな声じゃ言えないけど、歌舞伎町の人もヒルズ族の人もこういうのをコッソリやって…ギャラクシーな商売人になっているのよ」フフン
きな子「さすがすみれ先輩っす!都会でオトナの女っす!」
すみれ(どうやら、この子は上手く行きそうね)フゥ
きな子「という事は…後はきな子次第っすね~…」スン
すみれ「えっ?」
すみれ(悩むとこあった…?)
きな子「もちろん先輩なら申し分ないんすけど、初めては…」チラチラ
きな子「それに、万が一って事もあるっすよね…?」
すみれ「じ、事故が起きても私がちゃんとケアするったらするわよ」ベッドポンポン
きな子「そんな急かさないで欲しいっす//」
すみれ「…ごめんなさい」
きな子「…あ!」
すみれ「え?」
きな子「そうっすよね、牛とかヤギとかそもそも…じゃないんだから」ボソボソ
きな子「起きるわけ無かったっすね!」ウンウン
すみれ(???)
きな子「ちょっとドキドキしすぎて頭こんがらがって…申し訳なかったっす先輩」
すみれ「いいのよ。落ち着いてくれてよかったわ」ホッ
すみれ(キョドるとよく分からない例え使うわねぇこの子)
きな子「じゃあお願いするっす!」ゾイ
すみれ「ええ。まず、椅子に座って?」
きな子「椅子っすか!?もしかして牛のアレみたいに…?」ギョッ
きな子「きな子、どうにかなっちゃうかも…//」モジモジ
すみれ「北海道の牛が何をやるか知らないけど、それよりはちゃんと優しくするわよ」
きな子「っす♡…まず普通に座っていいんすね//」チョコン
すみれ「目を瞑って…?」
きな子「はいっす」メツムリ
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
きな子「…す」ピクッ
すみれ(…入った!)
・・・
すみれ(やっぱり、時間が掛かる…)
きな子「大事なこと、言い忘れてたっす…」
すみれ「…何?」
きな子「自分はこんな事しておいて、ただのわがままなんっすけど…」
きな子「なつ…ちゃんには、こういう事…し…」
きな子「きな子のおねが…」ジワ…
すみれ(この子、泣いて…?)ドキッ
きな子「」カクリ
すみれ(またこの感覚…)バクバク
-翌日(金曜日)・学校の教室-
すみれ(起きたきな子にいつもの説明をしたら、割とあっけらかんとした感じだった)
すみれ(飛び飛びだったから、気絶する前に何を言ったか聞いてみたけど覚えてないらしい)
すみれ(私の雰囲気作りが悪いのか、思いもよらない反応ばかりされてちょっと自信無くすけど…ここまできたらやり切るしかないわ)
すみれ「今日も…」ガタッ
すみれ「廊下を練り歩くったら練り歩くわよ」スタスタ
かのん「……」ガタッ
可可「かのぉん、ちょっとこのコトワザの意味を教えてくだサイ!」チョイチョイ
かのん「う、うん…」ストン
【Case5】若菜四季
四季「お邪魔します」ガラガラ
すみれ「いらっしゃい四季。こんなところに呼び出してごめんなさいね?」
四季「大丈夫です、けど…」キョロキョロ
四季「sudden death…!」ヘナヘナ
すみれ「ど、どうしたの!?大丈夫!?」ダキッ
四季「っ…!っ…!//」プシュー
すみれ(恋の家でもそうだったけど、すごいのぼせるのねこの子!)
すみれ(でも、何に…?)
すみれ(えーと、この子がこうなるのは大抵メイの事だから…)
すみれ(「後で瞑想の実験なんかに付き合ったのを知られたら、からかわれると思った」…これね)ウンウン
すみれ(ならば…!)
すみれ「実はねぇこれ、メイも挑戦してるのよ」ニヤリ
四季「…!!」キッ
すみれ「ギャ!?」
四季「どういう事ですか…!」ワナワナ
すみれ(逆効果ぁ!?…でもここから方向転換は出来ないったら出来ない!)
すみれ「えぇと、もちろん私が誘ったのよ?メイは最初すっごく悩んでたわ!」
四季「……」
すみれ「でもしばらく悩んで、決意してくれた」
すみれ「よく聞こえなかったけど『me too』とか呟いてたから、多分あなたの為にもと思ったのよ」ニコリ
四季「メイが…私のために?」
すみれ「えぇ。まだ大っぴらにできないけど、この良さが分かったらあなたにも是非してみようって考えたんだと思うわ」
四季「メイ…」ジーン
すみれ「あの子優しいから、ね?」
四季「…すみれ先輩、離れてください」
すみれ「え、えぇ」スッ
四季「ちょっとお時間いただきます」ゴソッ
すみれ(タブレット?)
四季「………」パタタタタタタ
知ったか『×××を通じて愛情を伝えることは、一部の人にとっては自然な方法であるかもしれませんが、他の人にとってはそうでないかもしれません。何よりも大切なことは、相手があなたの気持ちや行動を受け入れることができるかどうかを確認することです。そのため、相手であるメイとのコミュニケーションを通じて、彼女がどのような気持ちであるかを知ることが重要です』
四季「…気持ちは分かっている。先輩が教えてくれたから」ブツブツ
知ったか『最終的には、あなた自身が納得し、メイとの関係にとってプラスになると感じることを選択することが大切です。あなたが経験を積むことが重要だと感じる場合は、別の方法で初めての経験を得ることもできます。例えば、〇〇〇や■■■を通じて自分自身を知り、△△について学ぶことができます』
四季「〇〇〇や■■■より…」チラッ
すみれ「…?」
四季「すみれ先輩の方が、私も…//」
すみれ(何調べてるんだろう…)
すみれ(そこまで警戒するなら無理強いはしたくないから、正直な事も言っておこうかしら)
すみれ「言い忘れてたけど…メイは上手く行かなかったわ」
四季「!?」
四季「上手く行かなかった…つまり未遂だった?」ジッ
すみれ「目的を達成できなかったんだから、残念だけどそうなるわね」
すみれ「私はそれなりに経験してるけど、やっぱり上手く行かない時もあるったらあるわ」ヤレヤレ
四季「やはり…難しいという事ですね」ゴクリ
すみれ「だから、あなたも無理に挑戦することはないわよ。四季」
四季「……」
四季「自分がこんな性格だとは知らなかった…けど決心がついた」
すみれ「うん?」
四季「難しいのなら…私が覚える。今日ここでどんな事になっても」
四季「そして、今度は私がメイの手を引く」キッ
すみれ(この子、こんな強い目をするのね…メイが羨ましくなるくらい)
すみれ「分かったわ。でも失敗しても四季のせいじゃないから安心して?」
四季「……」コクコク
すみれ「じゃあ、まず座って?」
四季「…はい」ストン
すみれ「目を瞑って…」
四季「……」ギュッ
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
四季「…ん、はぁっ」ピクッ
すみれ(…入った!)
・・・
・・・・・・
四季「すみれ先輩、はやく…緊張でまた…//」プシュシュー
すみれ「大丈夫よ、ここまでは順調だから…」
すみれ(とりあえず、この子めちゃくちゃかわいいわね)ドキドキ
-翌週(月曜日)・学校の教室-
すみれ(Liella!に入ってとにかくトライ&エラーな性格になったと思ってた四季にも、かなり警戒されてしまったわね)
すみれ(起きた四季にいつもの説明をしたら、しばらく布団を被って「誰にも言わないで//」って繰り返してた…悪い事しちゃったわ)
すみれ(でも…もう今日はスッキリした感じでメイにも接してて、よかった)ホッ
すみれ(さて、次だけど…先に難しい方をやった方がいいわね)
すみれ「今日はホシを徹底マークして…」ガタッ
すみれ「一人でいるところを狙う方針で行くわ」スタスタ
かのん「もう…!」ガタッ
可可「かのん?」
千砂都「かのんちゃん、気持ちは分かるけど…」シュバッ
千砂都「分かるからこそ、すみれちゃんの事はそっとしておいて欲しいな」
かのん「どういう事?」
千砂都「少なくともかのんちゃんにとって、悪い事じゃないと思うからね」
つづきます
【Case6】鬼塚夏美
夏美「お邪魔しますですの」ガラガラ
すみれ「いらっしゃい夏美。こんなところに呼び出してごめんなさいね?」
夏美「お気になさらずですの~」キョロキョロ
夏美「って こ れ は」ビクッ
すみれ「…?」
夏美「……」ズカズカ
すみれ「ど、どうしたのよ…いきなり入ってきて」
夏美「部屋を検めさせていただきますわ」
すみれ「えっ!?」
夏美「どうせ…どうせドッキリで、カメラとか仕込んでるんでしょう!?」キッ
すみれ(やっぱり難敵ねぇこの子)
すみれ(でもこんなに怒るなんて…あまり好かれてないのかな私)ウヌヌ
夏美「…」ガサゴソ
夏美「……」ガサゴソ
夏美「………」ガサゴソ
夏美「無い…」
すみれ「隠し撮りなんてするわけないでしょ?」
夏美「だって…」
すみれ「ま、かのんと違って私は信用無いんでしょうけど」
夏美「!?…いや、そうでは無いんですの!」
夏美「ただ…」
すみれ「ただ?」
夏美「よかった、って…」ポツリ
すみれ「そ、そう…」ドキ
すみれ(予想してた雰囲気と違うわね…)
すみれ(何かこっちまで緊張してきた)
夏美「で、どうすればいいんですの…?」ソワソワ
すみれ「あ、じゃあそこの椅子に座って」
夏美「…最初は立ったままがいいですの」
すみれ「え?」
夏美「ただでさえ背が違うんですから//」ウワメ
すみれ(こ、これは予想外かつ謎の要求…)
すみれ(椅子がすぐそこだから、立ったままなんて余計危ないわ)
夏美「…すみれ先輩?」
すみれ(…こうなったら)
すみれ「じゃあこれ、どけるわね?」ガタガタ
すみれ(椅子をベッドから遠ざければいい…そして)ツカツカ
夏美「あわわ…//」
すみれ(ここまで接近すれば、パタリしてもすぐ抱えられる…!)
夏美「……//」メツムリ
すみれ(勝手に目をつぶった!?)
すみれ(…っ、何かわからんがくらいなさいッ!)
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
夏美「…ナツッ」ピクッ
すみれ(…入った!)
・・・
夏美「…やっぱり」パチッ
すみれ「!?!?」ギョッ
夏美「言っておきたい事がありますの」
すみれ「な、何?」
すみれ(近い…って私がやったんだけど//)
夏美「すみれ先輩がこういう事をやってて…さらに私をその一人として選んだって事」
夏美「正直ショックでしたわ」
すみれ「…う」
すみれ(先輩が瞑想法とか言い出した挙句にこれだからね…引かれてもしょうがないか)シュン
夏美「私、『これ』だけは…一足飛びで一番になりたかったですの」
夏美「でも今は…そうじゃなくても、これが切っ掛けになるならいいかなって思ってますわ」
すみれ「…最初は出遅れたとしても、進み続ければいい結果を得られる時が来るわよ」ニコ
すみれ(こんな怪しい儀式も自分を高めるため…ラブライブで勝つために受け入れるなんて、この子…)ジーン
夏美「…そういう事言うんですのね」プクッ
すみれ「期待してるわよ、夏美?」
すみれ(…って、感心してる場合じゃない!)
すみれ(能力が効くの、さらに遅くなってない!?)
夏美「すごく癪に障りますけど…こうしてもらえるなら…」
夏美「いま…は…」
夏美「」カクリ
すみれ「…っと!」ダキッ
すみれ(効いてた…)ホッ
すみれ「よいしょっと」ネカセ
夏美「…ん」スヤピ
すみれ「私のように、最初に望んだ夢とは違う形になるかもしれないけど…」
すみれ「あなたならいつか、その時に見ている夢を叶えることができるでしょうね」ナデナデ
-翌日(火曜日)・学校の教室-
すみれ(朝から夏美に詰められまくって疲れたわ…)
すみれ(起きたあの子に事情を説明した時は無言ダッシュで帰っちゃったのに、今日になったらこれだもの)
すみれ(あの子の話を聞いてどう思ったかって一言一言確認されて…素直に感心しただけよって答えたら何とか引き下がってくれた)
すみれ(そんなに私に侮られるのが気に入らないのかしらねぇ…)フゥ
すみれ(まぁ、どうあれ難所も超えたことだし…)ガタッ
すみれ(最後の一人、行きますか)スタスタ
すみれ「ねぇクゥクゥ、ちょっとお願いがあるんだけど」
可可「何デスカすみれ?」
すみれ「前から相談してた衣装の事、時間掛かるから今日うちでやるのはどうかしら」
可可「すみれの家で?」
かのん(前の席)「……」
すみれ「夕食も作るから、お願い?」
可可「…しょーがないデスねえ、ご飯はククの好物でお願いシマスよ?」ワクワク
すみれ「決まりったら決まりね?練習終わったら待ってるから」
可可「はいデス!」
すみれ(衣装担当同士だから、こっそり誘う必要も無くてやっぱり楽ね)
すみれ(あの日私が暴走してしまった事件以降、クゥクゥとはさらに仲良くなることができた…)
すみれ(雨降って何とやら…この子の協力も得て、友情も恋も進〇ゼミみたいに成就させてみせるわ!)ウキウキ
すみれ「~♪」ドクショ
可可「~♪」スマスマ
かのん(前の席)「ぅ………」ジワ
千砂都(かのんちゃん、すみれちゃんなら大丈夫だから…)チラチラ
千砂都(…たぶん)
【Case7】唐可可
可可「メイソウの練習のため納屋に移動すると言うからついて来てみれば…」
可可「何デスかコレは」ハァ
すみれ「…そんなに変かしら、この部屋?」
可可「すみれは鈍感グソクムシだから分からないでしょうが…」
可可「皆が見たらドキっとしてしまうでショウね」
すみれ「えぇ…」ガッカリ
可可「で、本当はナニをするつもりなんデスか?」
すみれ「えっ?だから瞑想の…」
可可「………」ジトー
すみれ「…うぐ」
すみれ「実はね…」
—–
可可「気絶させる能力の実験デスか…」フムフム
すみれ「こんな事話しても、誰にも信じてもらえないと思って…」
可可「他のヒトは分かりませんが、ククは信じマスよ?」
すみれ「クゥクゥ…?」
可可「スクールアイドルを志すヒトのエネルギーはスゴイの熱量デスからね」ウンウン
すみれ「…ありがとう」ジーン
可可「デハ、やってみて下サイ」スタスタチョコン
すみれ「…えぇ」
すみれ(こんなにすんなり行くなんて…)
すみれ(ここに呼んだ皆にも本当の目的を話していれば、あんなにドタバタしなかったのかしらね)
すみれ「目を瞑って…」
可可「……」メツムリ
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
可可「んくっ」ピクッ
すみれ「…入ったわよ、クゥクゥ」
可可「すみれ」パチッ
すみれ「…なぁに?」
可可「ソモソモ、バカにされたとしても…こんなコソコソやる話では無かったハズデス」
可可「なぜヒトリヒトリ、バレないように連れ込んだのデスか?」
すみれ「……う」
すみれ(「ドヤ顔で告白する為、かのんにだけは内緒にしたかったから」なんて言えるわけないったらないわ)
可可「ここまで実験したのは、レンレン、メイメイ、チサト、キナキナ、シッキー、ナッツ…」ユビオリユビオリ
可可「……」
可可「この話はもういいデス、すみれ」
すみれ「あ、…うん」ホッ
可可「あらかじめ説明されてたからかもしれマセンが…」
可可「実際に受けて見て、ククにはこの能力の秘密が何となく分かりマシタよ」
すみれ「えぇっ!?」
可可「すみれが気になっていたのは、時間デスよね?」
すみれ(この子、何ったら何なの…?)
可可「もしククがパタリしなかったら、それは…」
すみれ「それは…?」ググッ
可可「……ここまでデスか」フフッ
すみれ「ちょっとクゥクゥ…!」
可可「」カクリ
すみれ「………!」
-30分後-
可可「…あぇ?」パチッ
すみれ「おはようクゥクゥ」
可可「ベッドにいるという事は…クク、パタリしたのデスね?」
すみれ「そうよ」
可可「そうデスか…」ムクリ
すみれ「で、パタリする前に言ってた事は…」
可可「…」ストン
可可「……」靴ハキハキ
可可「………」服サスサス
可可「…………」ゴソッ
すみれ(…手鏡?)
可可「……………」チラッチラッ
すみれ「大丈夫よ。よだれとか付いてないから」
すみれ「ちゃーんと見守ってたからね」ドヤ
可可「…そう」
すみれ「で、パタリする前に言ってた事は…」
可可「…すみれなんかには教えてやらないデス」フフッ
すみれ「えぇ、何でぇ?」
可可「ククは…運命というものを信じてマス」
すみれ「え?」
可可「だからククから話す事はありマセンし、この件ですみれが思うようにやった結果がどうなろうと受け入れマス」
可可「それも運命だと思いマスから…」
すみれ「いや、そんな大げさな…」
可可「しかし、最初にククに相談していれば、みんなが混乱するコトは無かったデショウに…」
すみれ「や、それはクゥクゥならこうなってもちゃんと話を聞いてくれそうだったから…最初に楽な道を選びたくなかったのよ」
可可「…いつもいつも、ホントウに困ったヒトデスね?」クス
すみれ「……!」ドキ
可可「デハ、ククは帰りマスね…」ガラガラ
すみれ(ありがとうクゥクゥ…)
すみれ(でも、ここまでやった実験の結果といえば…)
翌日(水曜日)・学校の教室
すみれ「そう…ちゃんと把握しないと自分の能力だって自信を持って言えないんだけど」ブツブツ
すみれ「結果は…」スマスマ
[パタリに至るまでの秒数]
03秒 一般人
05秒 犬
05秒 初期かのん
10秒 サヤさん
20秒 きな子
21秒 四季
24秒 メイ
25秒 千砂都
27秒 恋
40秒 夏美
55秒 クゥクゥ
すみれ「この時差、どう判断しろって言うの…?」ハァ
すみれ(私の事を知ってる順に効きづらい…?にしては夏美クゥクゥが突出しすぎてる…)
すみれ(能力に対する生まれつきの抵抗力順…?にしては皆と一般人との差が大きすぎる…)
すみれ(能力を使う私サイドから考察すると…)
すみれ(私が親しみを感じる順?…にしては1年生の中で夏美だけ高いってのはちょっと違和感)
すみれ(あの子ったら、とにかく私を困らせるわね…?)クス
すみれ(……)
すみれ(…やめよ)スン
すみれ(すっかりのぼせてたけど、考えてみれば気絶させる能力なんかであの子が喜ぶかって言うと…)
すみれ(何かヘンに希望を持っただけ、余計落ち込むわね…)ハァ
すみれ(もう能力の事は忘れて、これからは普通に生活するったらするわ…!)
かのん「……」スタスタチラチラ
すみれ「……」ノートカキカキ
かのん「…はぁ」ストン
可可「かのん、休み時間の度に出て行って…お腹の調子でも悪いのデスか?」
かのん「大丈夫だよ可可ちゃん。曲作りの気分転換っていうか…」
可可「そうデスか」
かのん「…可可ちゃんこそ、今日ちょっとテンション低い?」
可可「日本のコトワザ、勉強になると思いマシて…ボットウしていマシタ」パラパラ
かのん「へー。例えばなに?」
可可「……」
可可「『アブハチトラズ』…デスかね」
-翌日(木曜日)・学校の教室-
すみれ「ここのダンスなんだけど、こうした方が…」
千砂都「うん。四季ちゃんにも相談してみよう!」
恋(廊下)「(ニコニコ)」
かのん「……」チラチラ
-翌日(金曜日)・学校の教室-
すみれ「クゥクゥ、パンばっかりだと栄養バランスが悪いわよ?」
可可「余計なお世話デス」
すみれ「ほら…お弁当もう一つ作ってきたから、食べましょう?」
可可「…その言葉を待ってたのデス!」パアァ
恋(廊下)「(ニコニコ)」
かのん(前の席)「………」
-その日の放課後・学校の廊下-
すみれ(日直当番でちょっと遅くなっちゃったわね)
すみれ(早く練習に行かないったら行かないと)タタタ
グイッ
すみれ「…っと!?」
すみれ「て、かのん?何でここに…」
かのん「来て」(低音)
すみれ「ちょっとどこに…って痛いったら痛い!」ズルズル
生徒会室(空)
ダァン!(壁ドン)
すみれ「…かのん!?」
かのん「…すみれちゃん、やっぱり怒ってる?」
すみれ「え?」
かのん「前に屋上で、すみれちゃんにあんな事言っちゃって…」
すみれ「…?」
かのん「すみれちゃんは可可ちゃんのためにやった事なのに、皆の前であんなに言われたから…私の事嫌いになった?」
すみれ「そんな事無いわよ!あれば私が勝手に悩んで…」ワタワタ
かのん「じゃあ何で私だけ無視するの…?」ジワ
すみれ「無視って…いつそんな事したのよ」
かのん「先週から、皆に声かけてたでしょ…!」
すみれ「!?」
すみれ(…なんでバレてるの?)
かのん「私、待ってたんだよ?私にも声かけてくれるって…」
かのん「すみれちゃんと二人で何かできるんだなって…」
かのん「なのに、私だけ…」グスグス
すみれ「……!」
ダァン!(壁ドン返し)
かのん「あ…」タジ
すみれ「誤解させちゃってごめんなさい」
すみれ「でも、私がかのんを嫌いになるなんてありえないったらありえないわ」
かのん「でも…」
すみれ「今回かのんを傷付けた事についても、全部私が悪い」
すみれ「だから、決着をつけさせて…?」キリッ
かのん「えっ?」
すみれ「今日の夜…午後7時に、〇〇公園の高台に来てちょうだい」
すみれ(そう…噂に振り回されてないで、直接確認すれば良かったのよ)
すみれ「詳しい事は、そこで話すから…ね?」
かのん「う…うん//」
すみれ(かのんに「能力」があるかどうかをね…!)
-公園の高台・午後7時-
すみれ「やっぱり夜になると寒くなってきたわね…」
すみれ「でもおかげで日がすっかり落ちてるから、はっきり確認できるはず…!」
かのん「お、おまたせ…」タタッ
すみれ「私も今着いたところよ…って!?」
すみれ(髪色に合わせたスカートコーデ?髪型もわざわざ三つ編みにして…)
すみれ(あ、ミニスカートのリボン可愛い…じゃなくて!)
すみれ「どうしたの?その格好…」
かのん「どうしたのって…すみれちゃんは制服のままなんだね」ジト
すみれ「えぇと…?」
すみれ(よく分かんないけど、とりあえず可愛いのは間違いないから…)
すみれ「かのんに早く会いたくて、着替える時間ももったいなくて急いで来ちゃったわ」
すみれ「…すごく可愛いわよ、ガーリーなかのんも」ニコ
かのん「可可ちゃんときな子ちゃんが選んでくれたんだ…//」モジモジ
すみれ(うまくフォローできたみたいね)
すみれ(最近何か他の子と感覚がズレてる気がしてたけど、そうでもなかったみたい)ホッ
かのん「で、お話っていうのは…?」
すみれ「ここ、夜になると星がよく見えるわよね…」
かのん「うん…」
すみれ「この場所で、かのんにお願いしたい事があって…」
かのん「うん…」
すみれ「見せてくれないかしら…隕石」
かのん「うん…」
かのん「………いんせき?」
すみれ「そう、かのんが降らせる事ができるって噂の…隕石よ」
すみれ(「澁谷かのんには隕石を降らせる能力がある(レア度UR)」と、あのブログに書いてあった)
すみれ(かのんの最初のステージで流れ星の目撃情報があり、それ以降のステージでも結構な数の証言が寄せられているみたいなんだけど…)
すみれ(もしかしたらクゥクゥの能力かもしれないし、そもそも偶然なのかもしれない…)
すみれ(だから、ここで実際に落としてもらえばいいのよ…!)
かのん「もしかして、用事っていうのは…それ?」
すみれ「そうよ。ここなら隕石が落ちたらよく見えるでしょう?」
かのん「………」ビキビキ
すみれ「ねぇお願いよかのん」
すみれ「本当に隕石を落とせるなら、ギャラクシーに素敵な事でしょう?」
かのん「……」
すみれ「どうしても見てみたいのよ」キラキラ
かのん「……」フゥ
かのん「すみれちゃんて本当にアレだよね…」
すみれ「……?」
かのん「でも、……」ボソ
すみれ「…見せてくれるの?」
かのん「どうしよっかな~」ニヤニヤ
すみれ「そんな事言わないで、お願いよかのぉん…!」オネダリ
かのん「…300円」
すみれ「え?」
かのん「だいたい1回300円くらい掛かる」
すみれ「え??」
かのん「11連発だとちょっとお得だよ?」
すみれ「どんな能力なのよそれ!?」
かのん「どうする?すみれちゃん」ニヤニヤ
すみれ「ぐぬぬ…」チャリン
かのん「毎度あり~♪」
かのん「…行けるかな?」ブツブツ
かのん「うん、まだ心に熱が残ってるから…」ブツブツ
すみれ「…?」
かのん「じゃあ、行くよ?」
すみれ「……」ゴクリ
かのん「出会いは一期一会…」チラッ
すみれ「…?」
かのん「大切にしなきゃだよね…!」ブワッ
ミ
すみれ「…あっ?」
かのん「…ちゃんと見た?」
すみれ「何かあっちの方にチラッと…」
かのん「もう!ちゃんと見てってば!」プンスコ
すみれ「もう1回、もう1回お願い!」
かのん「え~…?」
かのん「燃え尽きないと大変な事になるから、大きさとか角度とか結構気を遣うんだよ?これ」
すみれ「ほら600円!2回分払うから!!」ズイッ
かのん「…しょうがないなぁ」クス
かのん「2回目だから、演出はカットでいくよ」
すみれ(カットできるんだ…)
かのん「あの建物の真上あたりに流すから、今度こそ見ててよね?」ユビサシ
すみれ「…分かったわ」
かのん「えいっ」ブワッ
ミ☆
ミ☆
すみれ「あぁっ!?」
すみれ「2個!はっきり見えた!!」
かのん「フフン」ドヤ
すみれ「すごいったらすごい!やっぱりかのんはすごいわ!!」キャイキャイ
かのん「…//」テレテレ
すみれ「……」ハァハァ
すみれ「………」スン
すみれ(かのんの能力、本当にあった…)
すみれ(しかも隕石の個数大きさ角度まで決められるって…もう人間兵器レベルよね…?)
すみれ(誰かのよく分からない気絶させる能力なんかとは大違い…)
すみれ(やっぱり私じゃ…)
かのん「…すみれちゃん?」
かのん「………」
かのん「もしかして…」ポソッ
かのん「ねぇすみれちゃん」
すみれ「…なに?」
かのん「このまま帰っちゃう?」
すみれ「あ…、わざわざありがとうね?その辺のお店でお茶でも夕食でもおごるったらおごるわ」
かのん「ここからなら私の家より神社の方が近いし…」
かのん「どうせならすみれちゃんの家に寄りたいかも?って」
すみれ「私の家…?」
かのん「ダメ…かな?」
すみれ「……っ」
すみれ「いいわよ、かのん…」
かのん「ありがと」ニコ
すみれ(せっかく来てるくれるのなら…試させてちょうだい、かのん…)
すみれ(こんな私の能力でも、どうか最後…役に立って?)
【Last Case】澁谷かのん
-例の納屋-
かのん「…は?」(低音)
すみれ「え?」
すみれ(いきなりドン引きされてるんだけど…!?)
かのん「もしかして、私以外の皆もここに呼んだの?」
すみれ「…そうよ」
かのん「何をしに?」
すみれ「能力持ちのかのんだから言うけど、実は私も『気絶させる能力』があってね…」
かのん「気絶って…」ププッ
すみれ「この能力をモノにするために、そこの椅子で瞑想の実験するって言って協力してもらってたの」
かのん「みんな何をしたか話してくれなかったのは、そういう事だったんだ…」ナットク
かのん「ねぇすみれちゃん。みんなこの部屋を見て、何を想像したと思う?」
すみれ「え?…思ってたより怪しい儀式をされるって思ったんじゃ」
かのん「えぇ…」ジト
すみれ「…何か、おかしいの?」オズオズ
かのん「多分みんなね…エ チな事をされるって思ったんだよ?」ヒソヒソ
すみれ「…工ッッ?」
すみれ「えぇーーーーー!?」////
かのん「…本当に分かんないでやってたんだ」
かのん「呆れた」ハァ
すみれ「だだだだって!私たち高校生だし!女の子同士だし!」
かのん「そうかなぁ?かわいくて一生懸命な子たちとこういう部活やってれば、興味も出てくると思うけど」シレッ
すみれ「私、今までショービジネスの練習ばっかりで友達もいなくて…」
すみれ「そんな事を誰かと話したことも、自分がって想像したことも…」
かのん「その格好で足組んだり飛んだり跳ねたりしてるから、もしかしてと思ってたけど…」ジロジロ
すみれ「『その格好』って、普通にしてるだけなんだけど…」マゴマゴ
かのん「いいなーすみれちゃんは。そういう天然な性格でさ?」
すみれ「…同じような事をクゥクゥにも言われたわ」
かのん「でしょ?」
すみれ「でも私、本当にそんな気は無くて…」
かのん「そんな気は無いままちょっとズレた説明をして、何人この椅子に座ってくれたのかな?」ペシペシ
すみれ「クゥクゥには本当の事を話したから、それ以外の…6人」
かのん「6人!?全員OKしたって事!?」ギョッ
すみれ「確かに…みんなちょっと様子がいつもと違う感じだったけど…」
かのん「1日1人ずつ、一夜限りの関係を持ち掛けたと勘違いさせて…6人が同意したと」
すみれ「言い方…」
かのん「すみれちゃんってモテるなぁ~?」
すみれ「………」
かのん「…サイテー」ジト
すみれ「う…」ガクリ
かのん「ま、事情はだいたい分かったから…」ウンウン
かのん「すみれちゃんの能力の事、教えてよ」
すみれ(怒って帰っちゃうかと思ったけど、よかったぁ…)ホッ
すみれ「相手を見て念じればパタリといくんだけど、効くまでの時間にこんな感じで個人差があってね…?」スマスマ
かのん「ふーん…」ジッ
すみれ「この法則が分かればあなたに、もっと自信を持ってその…接する事ができるかなって思ったの」
かのん「ふーん……」
すみれ「それでね?最後かのんに試させてもらえないかなぁって…」オズオズ
かのん「いいよ」ケロッ
すみれ「…え?」
かのん「どんな感じか私も知りたいから、試してみてよ」ストン
すみれ「ありがとう…」
すみれ(あなたのお陰で、たぶん色々決着がつく…!)
すみれ(パタリするまでの時間が「私への好感度」に比例している…)
すみれ(一昨日分析した時は、あまりに都合のいい解釈なのと…実際の私への態度との差が大きい子がいたから除いたけど…)
すみれ(やっぱりその仮説に期待したいって気持ちはある)
かのん「気絶させる能力って、やっぱりあの時の顔でやるんでしょ?」
すみれ「他のやり方が分からないから、同じようにやってるわ」
かのん「今見たら吹き出しちゃいそうだから、目をつぶっておくね」クス
かのん「はい、どうぞ」メツムリ
すみれ「………」
すみれ(あと、今日のこの子…)
すみれ(こんなにオシャレして来たり、家に行きたいって言い出したり…)
すみれ(もしかして、かのんも私の事をって…希望が出てきた)
すみれ(だからこそ、これで確認したい…!)
すみれ(ギャラアァァァァ…!)ザワザワ
かのん「……」ピクッ
すみれ(…入った!)
すみれ(前にかのんが気絶するまでの時間は、約5秒…!)
すみれ(それをどこまで超えてくるか…お願い!)
かのん「パタリ」カクリ
すみれ「………え?」
かのん「……」
すみれ「タイマーは…8秒」
すみれ「そんな…」フルフル
すみれ(1年以上一緒にいて、3秒しか伸ばせなかったっていうの…?)
すみれ(いや、やっぱり好感度が影響してるって解釈が違う?)
すみれ(……)
すみれ(…もういいか)
すみれ(どっちにしたって、告白する勇気を得る機会は失われたんだから…)
すみれ(他の子たちに恥ずかしい思いをさせてまでやってきたのに…ごめんなさい…)
すみれ(………)
すみれ(…でもあの子たち、メンバーにそういう事考えたりしてたんだ…)モンモン
すみれ(思い返してみると…あの表情や言葉、ちょっと…//)ドキドキ
すみれ(ひょっとして、私もかのんに対してそういう思いが…?)
すみれ(いや、私が望んでいたのは…そういうのじゃない!)ブンブン
すみれ(だってかのんよ?こんなスレンダーな子…)チラッ
かのん「……」
すみれ(すぐ折れる枯れ木みたいな華奢な体…)
かのん「……」
すみれ(…あ)
すみれ(でもこの子、意外と下の方は…)チラッ↓
かのん「……」
すみれ(うっ…)ゴク
すみれ(今日は特にミニスカートがヒラヒラして、余計に…)
かのん「ぅ…ん」モゾ
すみれ「~~~ッ!!」
すみれ「 ಡ ಡ 」
すみれ「っは…!」バクバクバク
すみれ(分かって、しまった…あの子達の感情)
すみれ(そして、私の欲望…)
すみれ(私、かのんとそういう事もしたかったんだ…)ボーゼン
すみれ(…でも、それが叶う事はない)
すみれ(こんな欲があるって分かった以上、余計告白なんか出来ない…)
すみれ「う…」ジワ
かのん「……」
すみれ(ならせめて、パタリしている間に…)チラッ
すみれ「キスくらいなら…最後にいいわよね?」ポソ
すみれ「……」ジリ
すみれ「ごめん、かのん…」ソッ
…ガッシ!(合掌捻り)
すみれ「ムォガ!?!?!?」
かのん「……」パチリ
かのん「見~ちゃった~!」
すみれ「…ムァノォン!?」
かのん「開けてたんだ、薄目」ニヤニヤ
すみれ(何で!?能力が効くまでの時間は十分…)
かのん「…chu」
すみれ「~~~~!!」
かのん「プハッ」
かのん「また奪っちゃったね…//」ペロリ
すみれ「か、かのん…何を…」アトズサリ
かのん「何をって…こうしたかったんでしょ?すみれちゃん」
すみれ「う……」
すみれ「」コクン
かのん「公園のすみれちゃんの様子を見て、今日で決めたいって思ってたから…」
かのん「このヘンな能力に賭けてみて、良かったよ」フゥ
すみれ「でもあんた、どうして…」
かのん「今、何秒経ってるかな?」
すみれ「あ…えーと」スマスマ
かのん「もう2分以上経ってるでしょ?」
すみれ「…その通りよ。そしてまだ続いてる…」
かのん「受けてみて分かったけど、この能力はすみれちゃんを好きな人ほど効くまでの時間が長くなる」
すみれ「そうだったんだ…」
かのん「可可ちゃんも超えて、私が優勝だね」ニコ
すみれ「//////」
かのん「ていうか、多分この能力は私には効かないかなぁ」
すみれ「えっ?」
かのん「これはすみれちゃんの敵を無力化する能力だから、相手が好意的なほど効きづらくなっていって…」
かのん「そして最後には、全く効かなくなる」
すみれ「それって…」ゴクリ
かのん「すみれちゃんになら、心の底から何をされてもいいって思ってる人にはね」ニコリ
すみれ「…ありがとうかのん」
すみれ「傷付きやすくて意外とやさぐれだけど、皆のために頑張るあなたが好き」
すみれ「私をとらえて離さないその目も声も…あなたの全部が大好きよ、かのん」
かのん「……//」
かのん「…私も、すみれちゃんが好きだよ」
かのん「ちょっとズレてて空回ったりするけど、いつも一生懸命で…私にとって一番綺麗で可愛くて優しいすみれちゃんが大好き」
かのすみ「……」ミツメアイ
ライト『……』ボンヤリ
アロマ『……』イイニオイ
かのすみ「………」チラッ
ベッド『……』
かのすみ「…………//」コクン
ベッド『ギ…シッ…』
かのすみ(音が工 い…//)
すみれ「センター争いから能力のカッコよさまで、結局かのんにはやられっ放しだったわね」
すみれ「せめてこれだけは…初めてだけど頑張ってみるわ」
かのん「そんな事ないよ?」
かのん「私を好きなように…その気になれば気絶だってさせられちゃうのは、すみれちゃんだけだから」
すみれ「気絶って、私の能力は今のかのんには…」
かのん「だって、こうしてるだけでもう頭真っ白になりかけてて…」
かのん「始まったら…どう…なっちゃんだろうって…」
すみれ「かのん…」ギュッ
かのん「………」メツムリ
かのん「こんな幸せなんて…これは明日ニュースになっちゃうかな?」
すみれ「あんたまさか、これまでバラすつもり…?」ギョッ
かのん「そうじゃなくて…」
かのん「ま、たぶん見れないから説明してもしょうがないし…いっか」
すみれ「…?」
ミ☆
ミ☆ ミ☆
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆
すみれ(その夜…全く予測されていなかった流星群が東京を中心に見られ、翌日のニュースを賑わす事になった)
すみれ(かのんの能力は「出会いに感謝した時」に自動で発動するもので、それに気付いてから何とか手動で制御出来るようにしたらしい)
すみれ(なので300円は混乱する私を見てニヤニヤしたかっただけだど、いたずらっぽく笑いながら説明してくれた)
すみれ(改めて私との出会いに沢山の感謝を表してくれたかのんに、私も精一杯応えていきたいと思うったら思う)
すみれ(でも、そんな素敵な流星を…その夜私たちが見ることはなかった)
すみれ(愛しい人の全てを、余さず目に焼き付けようとしていたから…)
-翌日(土曜日)の朝・すみれの通学路-
すみれ「あぁ、朝日が眩しいったら眩しいわ」ハレヤカ
すみれ「9時からの合同自主練、体ダルいからサボりたかったけど…」
すみれ「2人して休んだら怪しまれるものね」
すみれ「かのん、帰りがちょっと遅くなったのもそうだけど…多分今日は出てこないだろうし//」
すみれ(あの日の最後、かのんは本当に気絶してしまった)
すみれ(「飛んじゃうって思ってたら本当に飛んで行っちゃった」「この思い出を歌にして残す」とか言ってたけど、恥ずかしいからやめて欲しいわ//)
すみれ「…って考え事してるうちに学校に着いちゃったわ」
すみれ「いずれ皆にも謝りたいけど、今日はとりあえず様子見で…」ガラガラ
可千恋きメ四夏「「じーーーーっ…」」
かのん「す、すみれちゃんおはよう//」モジモジ
すみれ「」
すみれ(何で出て来てるのこの子ぉ?…もしかして私と同じ事考えてた!?)
すみれ(でも2人の事は内緒にするって口止めしてるし、ここは平静を装って…)
可可「かのんの様子がちょっと変なのデスけど…」ジト
夏美「すみれ先輩、心当たりはありませんの?」ジト
かのん「…そんな事ないってば//」モジモジ
すみれ(態度に出すぎて、口止めした意味が無いったら無い!?)
すみれ(でも何とか、話題を別の方向に…!)
すみれ「き、今日はいい天気だけど肌寒いから…実は体調崩してたりとか?」
可千恋きメ四夏「「……」」
すみれ「だから大事を取って、かのんは今から帰った方が…!」メクバセ
かのん「…あっ」サッシ
かのん「確かに、ちょっと体が重いから今日は帰ろっかな~…」
すみれ「そうよ!これから東京大会に向けた大事な時期なんだから…」
かのん「あっ」
すみれ「何よ!」
かのん「それを言うならすみれちゃんも帰ろうよ。疲れてるでしょ?」
すみれ「…あんたねぇ~!!」ガタッ
かのん「なっ何!?いきなりDVって、すみれちゃんひどくない!?」ドタバタ
可千恋きメ四夏「「じーーーーっ…」」
すみれ「あ」
—–
すみれ「すいませんでした」ドゲザ
可可「…そんな事だろうと思ってマシタよ」ハァ
千砂都「お互い気持ちに正直になるきっかけになればって応援してたけど…」
千砂都「最後までやっちゃうなんて聞いてなかったな~」ビキビキ
すみれ「だって、私も最初はそんな気は…」オタオタ
メイ「あ?」
すみれ「すいませんでした」
かのん「あのさ」
恋「何ですかかのんさん」
かのん「皆を混乱させた件ですみれちゃんが土下座するのは当然だけど、責められるような事はしてないよ私たち」
きな子「…確かにそうかもしれないっすね」
四季「me too…。2人が愛を確かめられたのはむしろgood news」
かのん「あ~なんかイライラしてきた…恥ずかしいけどもう付き合ってるって公開しちゃおっかな」スマスマ
すみれ「ダメったらダメぇ~~!」
かのん「何ですみれちゃんがダメって言うの?」ギロ
恋「かのんさん、決してお二人の仲を責めてるわけではないのです」ワタワタ
夏美「私の調べでは、Liella!はいわゆるガチ恋ファンも相当な数いるのですわ」アワアワ
可可「この事実がオオヤケになって心無いヒトタチから良くない騒がれ方をされた時、傷付くのはかのんなのデスよ?」
かのん「……」ウヌヌ
すみれ(…私は?)
千砂都「…そうだね。この機会に自分たちもって考えてたのに、いざそうなったら怒るっていうのはダメだったね」
メイ「悪いすみれ先輩…。憧れのスクールアイドルがってファン目線になっちまってつい…」ペコ
すみれ「気にしなくていいわよ。むしろあなた達の反応でLiella!を応援してくれてる人の気持ちも分かったし…ね、かのん?」
かのん「…うん。ゴメンねみんな」ペコ
きな子「じゃあこれからは秘密にしつつ、みんなでお二人を応援するっすよ!」
可千恋メ四「「おーーっ!」」
かのすみ「みんな…」ジーン
夏美「…」
きな子「なに一人だけ微妙な表情してるんすか?夏美ちゃん」ニジリ
夏美「べ…別になんでもないですわ?」プイッ
きな子「ふーん…?」
きな子「すみれ先輩、今度あの部屋を貸してくれないっすか?」
すみれ「…は?」
きな子「今回の事で自分のドキドキの正体がハッキリしたから、自由に挑戦する事にしたっす!」
きな子「というわけで夏美ちゃん、一緒に行こ?」ギュッ
夏美「な…何で私ですの!?」
きな子「待つだけなんて青春の無駄遣いっす!きな子なら今すぐあらゆるEyeをあげちゃうっすよ♡」
夏美「あわわ…//」
きな子「やりたいなって思ったらやろう!やろう!やればいいっす!!」ギューッ
千砂都「そういう事なら、私も貸してほしいかな?すみれちゃんの部屋」
すみれ「何で!?」
千砂都「あの時パタリさせられてから…ちょーっと変な癖に目覚めちゃったっていうか…//」
恋「分かります!」ズイ
かのん「恋ちゃん!?」
恋「こう…抵抗虚しく意識を手放していく感覚、目が覚めてすみれさんが見守ってくれていた時の圧倒的安堵…」
千砂都「そう!普段部長として結構気を張ってるから、あの全てから解放される感じ…ハマっちゃった//」
恋「じゃあ一緒にあの部屋に行って…またトリコになっちゃいましょうか♡//」
千砂都「…うん♡」
きな子「すみれ先輩の能力、責任感が強いお二人にぶっ刺さったみたいっすね」
すみれ「あんた達…」
メイ「じゃあ私たちも頼む、すみれ先輩」キリッ
すみれ「!?!?」
メイ「先輩達がうまく言ったって聞いてさ…私も勇気を出さなきゃって思ったんだ」
四季「…メイ?」
メイ「お互い未経験って壁があるけど、私が打ち砕いてやるよ…!」ギュッ
四季「…!?」プシュー
かのん「大丈夫だよ。きっと上手く行くし…目の前がバァーってなって、すごいよ?//」
四季「…私も、真っ赤に染まってみたい…//」フラフラ
メイ「当たり前だけどいい場所があそこ位しか無くてさ…いいよな?」
すみれ「『いいよな?』じゃないわよ!」
すみれ「あんた達、人ん家の納屋を何だと思ってるわけ?」
8人「「……」」
すみれ「そんないかがわしい事に貸せないったら貸せないわ!//」
可可「昨日イカガワシイ事に使ったのはすみれデスよね?」
すみれ「…あ」
かのん「これは反論できないね、すみれちゃん」クスクス
千砂都「…よし!」
千砂都「部長命令で、すみれちゃんはこれから…『部屋長』だよ!」
すみれ「え゛ぇ゛っ!?」
恋「生徒会長として、認めます」キリッ
かのん「部屋長…」ププッ
みんな「「へーやー長!へーやー長!」」ヤンヤヤンヤ
すみれ「な゛あぁぁぁやめてえぇぇぇぇぇ!!//」ジタジタ
千砂都「じゃあこれから、部屋長のとこに下見に行こう!」
恋「決まりですね!」
かきメ四「「おーーっ!」」
可可「…あ、ククはやる事があるので後で行きマスね」
すみれ「何かあるの?手伝うったら手伝うわよ」フゥフゥ
可可「部屋長がいないとあの部屋に入れないじゃないデスか」
すみれ「…そういえば」
可可「さっさと行く、デス」
かのん「じゃあ、先に行ってるね可可ちゃん」
きな子「夏美ちゃんも行くっすよ?」グイグイ
夏美「ちょ、ちょっと…//」ズルズル
すみれ「……」チラチラ
千砂都「またね~可可ちゃん」ガラガラ
・・・
・・・・・・
可可「……」ポツン
可可「昨夜の流れ星で、何が起きたかは察してマシタよ…」ポツリ
可可「かのんの能力は星を喚ぶ…」
可可「ククと同じだったのデスね?」クス
可可「まぁ、オメデトウを伝えてくれるかのんの星に比べて、ククのはちょっとイジワルみたいデスが…」
—–
-だいたい2年前・中国上海-
可可(14歳)『ア、流れ星…!』
可可『日本に行かせてください…』
可可『そして…一緒にスクールアイドルができる、運命の人に逢わせてください…!』ギュッ
・・・
・・・・・・
☆『その願い、叶えてあげましょう…』
可可『エっ!?』
☆『ただし…』
—–
可可(そのお星様?が話したように聞こえた声、最後は聞き取れマセンでしたが…)
可可(日本に来てから、身をもって知ることになりマシタ)
可可(入学した学校でククが深く絶望すると、昼でも赤い星が輝き…「願ったあの日」に戻ってしまう)
可可(「あの日」以降の思い出や知識は全てモヤがかかってしまうので、何となくの記憶を頼りに違う学校を選び、親の説得や受験勉強をする日々の繰り返し…)
可可(おかげで、結局体力作りも満足にできマセンでした)クス
可可(学校の実力、部員の不和、大会での敗北…これまで何人と会い、悲しい思い出が作られてきたか、正確な数は分からない…)
可可(「今回も失敗した」という苦い痛みだけが残る中、ひたすら別の学校を選び続け…ワラにもすがる思いで新設校の結ヶ丘に入学し、そこでかのんと出会った)
可可(かのんと会えてからは、ククがどんなに落ち込んでも赤い星が輝くことはなかった)
可可(だからククは、かのんが運命の人だと決めマシタし…出来る事なら愛し愛されたいと思うようになった)
可可(でもすみれが現れて、色々ドタバタした挙句にククの大切なヒトに居座ってからは…)
可可(ミノホドシラズにも、どちらからでも愛を囁かれたら受け入れようなんて…夢見るようになりマシた)
可可(その結果がこれデス…)
可可(おそらく、すみれのヘンな能力の境界は…1分)
可可(ククはそれを超えられず、かのんは超えた…)
可可(今の時点の、取り繕いようのない想いの強さで敵わなかったのだから…悔いはありマセン)
可可(それに、2人が結ばれたと知っても…あの赤い星は現れなかった)
可可(真っ先に大好きな人達の幸せを喜ぶ事ができたのが、今のククにとっては一番の誇りデス…!)フン
・・・
可可(…けど)
可可(一緒に奇跡を起こした運命の人と、一緒に居て一番楽しい人が同時に遠くなったように感じてしまうのは…寂しくないといえばウソデスね)
可可(デモ、これもお星様が決めた筋道というのなら…従うマデ)
可可(ククは今も、夢にまで見たスクールアイドルができているのデスカラ…!)グッ
可可「…さて、気持ちの整理も済んだし、行きマスか」ガラガラ
・・・
・・・・・・
可可「あ、いたデス…って?」
かのん「くぁwせdrftgyふじこlp」ギャース
可可「…かのん!?」タタタ
きな子「あ、可可先輩!」
可可「イッタイ何が起きたのデスか?」
四季「可可先輩が皆に内緒で悩んでいるかもと、すみれ先輩が言い出した」
夏美「かのん先輩が何でそんな事分かるのって聞いたら…」
恋「あの子が悩んでるのは大体分かるわよ、と」
可可「エェ…//」
かのん「私がずーーっとすみれちゃんの事で悩んでたの分からなかったのに、あんまりなんじゃない!?」
すみれ「いや、私が得意なのは主に悲しみとか戸惑い方向の感情で…」ワタワタ
かのん「私が悲しんでなかったって言うの!?」ジワ
すみれ「悲しみって言っても色々あってね?かのんみたいなのは経験不足でちょっと…」
夏美「ホントそっち系は鈍感ですわよね~」ジト
メイ「だいたい今回の件だって、すみれ先輩の感覚が他の人とズレ過ぎてて起きた事だしな…」
恋「繊細なかのんさんのお相手として、ふさわしくないですね」キリッ
千砂都「そうだよ」
かのん「サイテー!甲斐性なし!!連れ込み系スクールアイドル!!!」
すみれ「…言わせておけば!あんたは少し黙ってなさい!!」ザワザワ
・・・
すみれ「あ、かのんには効かないんだったわコレ」アチャー
きな子「困ったら能力で解決しようとする女の人って…」ドンビキ
夏美「…あまりにもカッコ悪いですわ」ドンビキ
かのん「もうアッタマ来た!やっぱ公開してやるんだから!!」スマスマ
すみメイ「「それはやめてー!!」」ガシッ
四季「かのん先輩、中々にheavy…!」
ワーギャー
可可「…前言撤回デス」ボソ
可可「あんなマヌケなヒトと一緒にいると、ククの運命のヒトまでおかしくなってしまう…」
可可「お星様が、ククにそんな未来を示すハズがありマセン」
可可「いや、もしそれが決まった未来なのだとシテモ…」
可可「そんな運命なんて、チャラデェス!」バッ
ミ★
可可「…アッ!?」
千砂都「今の見た!?昼なのに流れ星…!」ユビサシ
恋「えぇ…真っ赤な星が、最後大きく輝いて…」パチクリ
夏美「…消えた」ホゥ
可可「みんなにも見えたのデスか…!?」
四季「はっきりと。流星の最期があれほどよく見えるのは珍しい」
可可「星の最期…」
可可「ククの心のチカラが、『あの時』を上回ったというコトデスか…?」
きな子「…可可先輩?」
可可「いつもいつも、ククの心どころか…受け入れた運命までシッチャカメッチャカにして…」
可可「…それもこれも、ぜーんぶ、すみれのせいデス!」
可可「これからは、ホントにククの好きなようにやりマスよー!!」パアァ
すみれ「……」チラッ
すみれ「そのやかましいくらいの元気、それでこそクゥクゥったらクゥクゥよ?」ニコリ
可可「……」ニッ
可可「まずはグソクムシには過ぎた相手とのオツキアイに、モノモウスデス!!」ズイッ
すみれ「…何でったら何でよーー!?」
かのん「今のすみれちゃんには『最低ですビンタ』やってもいいよ?可可ちゃん一緒にやろ!」グルグル
可可「ハイデス!」グッパッ
可可(未来も…愛されたい人も、ぜーんぶ自分の力で手に入れてやるデス)
可可(ククがこれから航海する空に、もう赤いアナタはいない…)
可可「サヨナラ、お星様!デス!!」グッ
すみれ「ギャラアアアア!?」
可可(そしてこれからもよろしく…)
可可(かのん!すみれ…!!)
おわり
完結です
ありがとうございました
壮大だった
乙です
乙です超おもしろかった
クゥすみも好きだからとてもしんどい
でも良かった、乙
可可のあと5秒が心にくる…
本筋もだけどいろんなネタ拾ってて面白かった
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1680427729/
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