すみれ「あんたってほんと…」メイ「うるせえうるせえうるせえ!!」
メイ「そうなんだよ。バレンタイン、ちょっといいもの貰っちゃってさ。ホワイトデーになにか返してやりてーんだよな。なにがいいかな?」
夏美「四季の好みなんてメイが一番知ってますの。好きなものを渡せばいいですの。」
メイ「それがぜんぜんわからねーんだよなぁ。普段欲しい物とか言わないからさ。」
きな子「チョコはもうバレンタインであげたんすよね。」
メイ「ああ。そんないいもの貰えると思ってなかったからそれなりのやつにしちまったんだよな。だからチョコ以外でなにかないかな?」
メイ「お、なんだ!?」
夏美「コスメですの!今どきのTOKYOのJKでコスメ貰って嬉しくない人なんていませんの!」
きな子「たしかに四季ちゃん、あんなにきれいなかおしてるのにすっぴんなんすよね。」
メイ「なるほど……。あいつ喜ぶかなぁ。」
夏美「喜ぶこと間違いないですの!そうと決まれば、エルチューブのインフルエンサーおすすめの超高級コスメを買って……」
メイ「いや、超高級とかやめてくれ!高校生だぞ!」
メイ「ぜってーやらねーからな!」
きな子「コスメ買うなら手伝うっす!まずはマルキューでヒルズ族……」
メイ「こっちも頼りにならなさそうだな……。先輩に聞いてみるかぁ。」
きな子「コスメに詳しそうな先輩といえば……」
夏美「あの人ですの!」
すみれ「それで、私に白羽の矢が立ったったら立ったのね。」
メイ「よく噛まずに今の言えたな……。いや、そういうわけで、おすすめのコスメ教えてもらえないか!?」
すみれ「私に目をつけたのは正解よ!いいわ!私がギャラクシーコスメを教えてあげるわ!」
メイ(なんか急に不安になってきたな……)
メイ(やべー、遅刻しそうじゃねぇか。すみれ先輩、待ってっかな。)
メイ「あ、すみれ先輩!すまねえ、遅くな
すみれ「あら、メイ。おはよう。」
メイ「!!」
メイ(はわぁーーー!なんだこの人!モノクロで統一したシックなファッション!黒の帽子もすげえ似合ってる!芸能人かよ!?)
すみれ「どうしたの?」
メイ「いえ、なんでもない……です。」
メイ「……なんか変か?……ですか?」
すみれ「いえ、白のシンプルなトップスにデニム生地のパンツ。リュックも含めてボーイッシュなデザインで素敵だと思って。」
メイ(はぁぁぁぁ!!芸能人に私服褒められた!朝がんばって選んだ私!よくやった!!いや落ち着け!いつも通りを装うんだ!)
メイ「先輩もすごく素敵です……ぞ!」
すみれ「なんか別の赤いキャラクターみたいになってるわよ。さ、とりあえず行きましょ。」
唐突にムックになってて草
すみれ「四季に似合うコスメ、ちょっと考えてみたんだけど。」
メイ(冷静に考えたらこれ……)
すみれ「あの子、元の顔がいいから、ナチュラルな感じがいいと思うのよね。」
メイ(どうみてもデートじゃねえか!!あのLiella!の平安名すみれと!!)
すみれ「ブルーベースの肌によく合うファンデとチークがあるブランドが……メイ?」
メイ(やばい。昨日までぜんぜん意識してなかったのに。緊張しすぎて手汗がやばい!!)
メイ(あー、喉の乾きが!額に汗が!落ち着け!落ち着けわた
すみれ「メイ!」手ギュ
メイ「ひゃわーーーーー!!」
すみれ「ギャラクシーーー!?びっくりした!」
メイ「すみま……すまねぇ、ぼーっとしてた!」
すみれ「この平安名すみれのコスメ講義を聞き逃すなんて、なかなかなご身分になったわね!まあいいわ。店はこっちよ。」
メイ「は、はひ!」
通行人JK1「あ、あれってLiella!の米女メイちゃんじゃない?ぜったいそうだよ!」
通行人JK2「ほんとだ!メイちゃん、かわいいねー!」
メイ「かわっ!?うるせえうるせえうるせえ!」
通行人JK1「わー!うるせえ頂きました~!」
通行人JK3「米女メイいるの?」
通行人JK4「あれ、ほんとだ!」
すみれ「……これ以上騒がれたらまずいわね。逃げるわよ!」手ギュ
メイ「!?」
メイ(ちょ!手汗がやばいんだって!)
すみれ「なんとか撒いたわね。」
メイ「ヒュー…ヒュー…」
メイ(喉が、乾きすぎて、痛い。)
すみれ「でも…すごいわね。Liella!に入ってまだ一年も経ってないのに、みんなに気づいてもらえる。努力してきた成果だと思うわ。」
メイ「そ、そうかな。あ…ありがとう。」
すみれ「……………」
メイ「………すみれ先輩?」
すみれ「………正直、少し羨ましいわ。あんたには、みんなに気づいてもらえるだけのオーラがある。私には…それがない。先輩面してても、結局追い抜かれちゃうのよね。」
メイ「……!そんなことない!!」
メイ「すみれ先輩は、ステージでちゃんと輝いてる!私のスクールアイドルオタ友達にも、先輩のガチファンはたくさんいる!それになにより!!」
すみれ「…………」
メイ「私が尊敬する平安名すみれを、馬鹿にしないでくれ!!」
すみれ「…………。メイ………。そうね、私が自分を信じないなんて、だめよね。ありがとう。」
メイ「いや、その、熱くなってごめん……。」
すみれ「あんたってほんと……」
メイ「……?」
すみれ「……ふふっ。なんでもないわ。行きましょ。」
ここ熱すぎ
メイなら本気でこう言ってくれそう
メイ「いやー、あの値段でこんなに満足できる買い物ができるなんて!すみれ先輩、マジですげえよ!」
すみれ「褒めても何も出ないわよ。プレゼント、喜んで貰えるといいわね。」
メイ「本当にありがとう!渡すのが楽しみだぜ!」
すみれ「……よかった。………何も出ないって言ったばっかりだけど、これ、あげるわ。」
メイ「……?口紅?」
メイ「……私に?あ、ありがとう。」
すみれ「…………えっと、東京大会決勝の前のこと、お詫びしたかったの。酷いことをしてしまったから。」
メイ「ああ、気にしなくていいのに。あんなこと本心では思ってないって、みんなわかってるから。」
メイ「ありがとう!大切に使うよ!」
メイ(推しのアイドルにプレゼント貰えるとか!昇天しそう……)
すみれ「……あんたはね、かわいいんじゃないのよ。」
メイ「………へ?」
メイ「────────────!!!!???//////うああ、うう、う、うるせえうるせえうるせえ!!ちょ、急に褒めるなんて反則だぞ!//////」
すみれ「ふふふ、いや、前言撤回するわ。真っ赤なあんたの顔、最高にかわいいわよ。」
メイ「──────────(昇天)」
メイ(帰りの記憶はまったくないけど、どうやら無事プレゼントは買えたらしい。)
メイ「ということで、四季、ハッピーホワイトデー。」
四季「私に……コスメ?」
メイ「おう、すみれ先輩に選んでもらったから、使いたくなかったら捨てずに私にく
四季「毎日使う。メイ、化粧の仕方を教えて。」
メイ「お、おう。喜んでもらえたみたいでなにより。」
四季「メイがいろいろ考えてくれた。それだけで最高の幸せ。」
四季「………?メイ、いつもと雰囲気が違う。」
メイ「?……ああ、口紅つけてみたんだ。すみれ先輩に選んでもらってさ。」
四季「!?……すみれ先輩に…!?」
メイ「なんでも、異性と思って選んだから絶対似合うって自信満々だったんだよな。」
夏美「異性と思って!?」
夏美「……きな子は知らなくて良いですの。異性に口紅をあげる意味なんて。」
四季「その意味を、すみれ先輩が知らないわけがない。」
メイ「なんだってんだ!?何かあるのかよ!?」
四季(まずい。完全にノーマークだった。うかうかしていられない……。)
夏美「すみれ先輩……やり手ですの。」
終わり
あのソフマップの画像から絶対相性いいと思っていたので、すんなり話ができて楽しかったです
スクールアイドルに対する愛にあふれるメイちゃんはすみれのいいところ見つけるの絶対上手だと思います
乙です
素晴らしかった
ガチやん
おは可可orナッツ
意外と雰囲気が合う2人で良いし互いの特色によって欲しいものを与え合える相性の良さあるよね…
すみメイをありがとう
なんとなく感じていた良さを文章化してくれてありがとう
しっくりきた
素晴らしかった
あのルージュすごくいいですよね
今回の話じゃなかったとしても、メイちゃんの魅力が余すところなく表現された最高の文章だと思います
でも今の子は唇にのせる色物全般リップって呼ぶやで
>>46
人によるし少なくともメイちゃんは「ルージュ(口紅)」ってLLDで言ってるので指摘するようなことではない
珍しいすみメイで助かったわ乙
またこういうの書いてくれるとたすかる
……勝てるかもしれない
社交性の高さ故か何でもこなせる器用さ故か…
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