しずく「あれ…なんだか急に眠く……むにゃ……」 侑(よし!)
しずく「んー」
侑「どうかした?」
しずく「いえ、なんでも」
侑「…肩こりでしょ」
しずく「…はい」
侑「しずくちゃん最近休みなしで頑張ってるもんね」
しずく「いえいえ」
侑「ううん、心配になるくらいだよ 肩だけじゃなくて腰とか脚も辛いでしょ」
しずく「正直に言うとちょっと痛いです…」
侑「でしょ?ちゃんと休まなきゃだめだよ?」
しずく「スクールアイドルも演劇部も発表が近付いてますし、ここが踏ん張りどころです!」
侑「そうだけど…」
侑「しずくちゃん……わかった しずくちゃんがそういうならわたしはもう何も言わないよ」
しずく「すみません」
侑「ううん!でも、ここ痛いなとかあったらちゃんと言ってね?わたしはみんなのサポートをするためにいるからさ!」
しずく「はい!」
───────
侑「とは言ったものの、やっぱりしずくちゃん疲れて見えるよ…」
侑「でも、しつこく言ったらしずくちゃんだって嫌な気持ちになるよね……どうしよう……」
侑「……そうだ!」
侑「ふっふっふ 上手く言ったみたいだね」
侑「かすみちゃんが、しずくちゃんは頑固~!って言ってたのは本当だったのかも」
侑「…なんて言ったらしずくちゃん怒っちゃいそうだけど」
侑「…しずくちゃん、頑張るのはいいことだけど、無理はだめなんだよ?」ナデナデ
侑「なので、今回はしずくちゃんが寝ている間にしずくちゃんの疲れを癒すためのマッサージをします」
侑「結構本とか借りて読んできたから自信ありだよ!」ワキワキ
侑「1番凝ってそうだったからね 入念にマッサージしていくよ」モミモミ
侑「んん、しずくちゃん凝りすぎだよ~」
侑「…本当に頑張ってたんだね」モミモミ
侑「でもこんなに凝るまで放置はだめだよ~」モミモミ
侑「…」モミモミ
侑「…細いなぁ しずくちゃんって体力あるし、兼部もしてるから、何となくがっちりしてる印象あったけど」
侑「やっぱり女の子なんだよねぇ…」モミモミ
侑「…なおさら無理しちゃだめじゃん!」モミモミ
侑「もー、しずくちゃん?」モミモミ
侑「…なんだかお母さんの肩たたきしてた小学生の頃を思い出すなぁ…」ポンポン
侑「そういえばお母さん、毎回お小遣いくれたなぁ…そのお金で食べるアイスは美味しかったね」ポンポン
侑「あ、別にしずくちゃんにお金ちょうだいって言ってるわけじゃないからね?」ポンポン
侑「わたしはしずくちゃんの笑顔が見れればそれで十分だよ」ポンポン
侑「…ふう」
侑「これで肩はおしまい 初心者だけど、凝りは解せたと思うよ…多分」
侑「ソファーに移動させないと」ダキッ
侑「…ふん!……ふあっ!!」
侑「…持ち上がらない!そりゃパワフルなしずくちゃんをわたしが持ち上げられるわけないじゃん!」
侑「…いや、わたしは諦めないよ しずくちゃんを癒すって決めたのはわたしなんだから」
侑「なるべくしずくちゃんに負担をかけないように…体の全ての力を解き放って…」
フン!!ンン!!!フーーーーン!!!!!!
………
侑「なんとか……っ…ソファーに…っはあ!…しずくちゃんを……っ…寝転がらせることに成功したよ…」
侑「ダンスも演劇も腰を使うこと多いからね ここも入念にマッサージするよ」グイッ
しずく「…ふっ……」
侑「おっと…しずくちゃんを起こしちゃったら意味無いからね 起こさないように慎重に…」グイ
しずく「…すや……」
侑「心做しかしずくちゃんも気持ち良さそう!わたし頑張っちゃうもんね!」グイグイ
侑「本当にこんなに細い体でパワフルだよね わたしも見習わないと」グイグイ
侑「…さて、腰はここら辺にするとして……」
侑「……おしり…」
侑「おしりは……」
侑「…同意がないから今回はなし!」
侑「あとは脚のマッサージだね」
侑「引き締まってるけど柔らかさもあるような見た目」
侑「なんだか勝手に触れてしまっていいのかわからなくなってきちゃった…」
侑「…でも、ダンスは脚に負担かかるし、しっかりマッサージしないと!」
侑「失礼するね!」モミッ
侑「…」モミ
侑「…」
侑「…すごい、手が吸い付いていくような感じがする…」
侑「すべすべだしもちもちだし、だけど引き締まってる…」
侑「わたしの脚とは大違いだ」
侑「わたしも運動したらこんな美脚になるのかなぁ」モミモミ
───
侑「さてと、最後は足」
侑「わたしね、足つぼマッサージ好きだからこれには自信があるんだよ」
侑「そーい」グニィ
しずく「…っ…」ビクッ
侑「あっ…ふぅ…危なかったぁ……あんまりちゃんと足つぼ押しちゃうと起きちゃうよね」
侑「優しくやらないと」グニグニ
しずく「……んん…」パチ
侑「あ、しずくちゃん起きた?」
しずく「…ゆう…せんぱい?」
侑「しずくちゃん、部室でいきなり寝ちゃったんだよ?」
しずく「そうですか…我ながらお恥ずかしいです…」
侑「たまにはしっかり休むんだよ?」
しずく「…そうします……」
侑「うむ!それじゃ、わたし帰り支度するから、しずくちゃんは顔でも洗っておいで」
しずく「もうそんな時間なんですか?」
侑「うん でも大丈夫だよ 鍵も持ってるし」
しずく「なるほど…ではわたしは顔を洗いに行ってきますね」
侑「待ってるね~」
ガララッ
バタン
──────
璃奈「しずくちゃん」
しずく「うん?」
璃奈「侑さんと何かあった?」
しずく「え?特に何もないけど」
璃奈「…侑さんがね、ぐっすり寝れるものはないかわたしに聞いてきたの」
しずく「うん」
璃奈「それで、あるにはあるけど何に使うのか聞いたら、しずくちゃんを寝かせてる間にマッサージで疲れを癒したいって言ってた」
しずく「侑先輩…」
璃奈「多分、しずくちゃんにも疲れてないか聞いてきたんだよね?でも、しずくちゃんが大丈夫だよって言ったから、ある意味強行突破しようとしてきたんだと思う」
しずく「うん…わたし大丈夫って言ったよ」
璃奈「…しずくちゃん、最近頑張りすぎ それは侑さんだけじゃなくて他のみんなもそう思ってるよ」
しずく「やっぱりそうなのかな…」
璃奈「…侑さんのお言葉に甘えてみたら?」
璃奈「うん それがいいと思う」
しずく「でも、どうするの?侑先輩に睡眠薬でも渡すの?」
璃奈「まさか そんなことしなくても、しずくちゃんの演技力と侑さんに甘えたいって気持ちがあれば十分」
しずく「え?」
璃奈「侑さんには、粉タイプの優しい睡眠導入剤と偽って、駄菓子屋で売ってるコーラ味の粉を渡した」
しずく「ええ…」
璃奈「水に溶かして使ってねって だから、侑さんがおもむろに水持ってきたよ~って言ってくるはず」
璃奈「そしたらそのコーラ風味の水を飲んで、5分後くらいに寝たフリをすればいい」
しずく「なるほど…」
璃奈「しずくちゃんなら寝たフリも得意でしょ?…あとは、侑さんに身を委ねてゆっくりしてね」
しずく「わかった!」
─────────
しずく「だって侑先輩、あんなに丁寧にマッサージしてくれたんだもん」
しずく「…寝たフリのつもりが、最後の方は本当に寝ちゃってたし…」
しずく「…」
しずく「ありがとうございます、侑先輩」
しずく「今度のライブと演劇、いつも以上に気合い入れて頑張りますね」
しずく「それが終わったら……2人でスイーツ食べに行きましょうね!」
ありがとう
ありがとう
ゆうしずすこなんだ
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