【SSコンペ】【つづこず】『雨の降る夜に』【ラブライブ!蓮ノ空】
SSコンペ参加作品です。
梢と綴理のお話。Link!Like!ラブライブ! 第八話のネタバレを含みます。
工 描写も少しあるので、苦手な方はご注意ください。
梢「つづりのいえにとまることになりました、と……これでいいのよ、ね?」
悪戦苦闘しながら、なんとかスマートフォンで花帆さんに文を送って。
梢「ふぅ……」
綴理に借りたシャツを着て、ふかふかのソファに座る。
その綴理は湯浴み中。
『友だちと一緒に家のお風呂に入るのが夢だったんだけど』なんて言って。
寮のお風呂では一緒に入ったのだから、別に抵抗などはないのだけれど。
……もう一度、入ってあげればよかったかしら。
そんな風に、綴理は自分の気持ちを口に出すようになってきたのだと、一緒に居て気が付いた。
それは綴理が”先輩”になったからで。
私の方も”センパイ”になって変わってきたことも、あるのかもしれない。
―――撫子祭のライブを四人で行うため。
花帆さんの提案で、『足並みが揃うまでくっついている』ことになって。
『お互いのことを、もっと知るために』
『お互いのことを、もっともっと好きになるために』
それこそ、朝から晩まで綴理と一緒にいたのよね。
例えば……。
○○○
梢「……ほら綴理、おはよう、もう朝よ」
綴理「んー…………ぐー」
村野さんから託された鍵で綴理の部屋に入って。
二年生になっても、朝弱いのは変わっていないみたい。
……寝ている顔も、芸術品のように綺麗。
そのまま起きないのではないかと錯覚させるような静謐さで。
だけれど、託された以上、しっかり勤めを果たしませんとね!
意を決してゆさゆさと揺さぶって。
梢「綴理、ほら綴理、起きないと」
綴理「ぐー………」
梢「ぐーって口で言っているのなら起きているのでしょう? ほら、起きて」
ばさぁっと布団を引き剥がすと、縮こまっている綴理の全身が現れた。
綴理「ん~……こず、きびしい」
梢「はいはい、厳しくて悪うございました」
綴理「……くんくん。いい匂い」
梢「……。ええ、綴理の好きなリリー・ミュゲを用意してあるから。……起きて、一緒に飲みましょう?」
綴理「んーーーーーー。……おはよう、こず」
梢「ふふ、おはよう、綴理」
ぼーっとした顔で挨拶する綴理には、流石に芸術品の要素はなくて。
それが何故かおかしくて。つい、少し顔が綻んでしまった。
綴理「こず、楽しそう?」
梢「……どうかしら。さ、椅子に座って」
綴理「ありがとう、こず。……この紅茶、久しぶり」
梢「……そうね」
ラブライブ!予選の後。
クラブで二人きりになってしまった私達。
それぞれのソロ練習の合間、よく綴理に振舞っていた。
リリー・ミュゲ。鈴蘭の紅茶。
花言葉は、『幸せの再来』。
……花帆さんや村野さんがクラブに入ってきてからは、二人きりで紅茶を飲むことはなくなっていた。
綴理「おいしい」
梢「そう……嬉しい、わ」
ゆっくり紅茶を飲む綴理の横顔はとても綺麗で。
……正直、悪い気分ではなかった。
○○○
女生徒A「わ……見て、乙宗さんと夕霧さんよ」
女生徒B「相変わらず綺麗でお似合い……」
女生徒C「復縁されたのかしら……」
ずんずんと廊下を進む私にぴったりとくっつく綴理。
これは何を言われても仕方ないわよね……。
教室に入り、椅子をくっつけてぴったり隣にくっつく綴理。
クラスの皆さんの視線が、自然と集まる。
女生徒D「乙宗さん……?」
梢「え、ええと、気にしないでくださると嬉しいわ」
綴理「そう。こずとくっついてるだけ」
女生徒D「は、はあ……わかりましたわ」
付近の生徒になんとか無理矢理微笑んで、なんでもないと告げて。
予鈴が鳴り、教卓に着いた先生がこちらを二度見返して。
先生「乙宗さん、夕霧さん……?」
梢「授業に迷惑はかけないと誓います。始めて頂けるでしょうか」
綴理「こくこく」
先生「そ、そう……? 乙宗さんがそう言うのなら……じゅ、授業を始めますね」
ふぅ……なんとかなったわね。
幸いにして授業は数学。
綴理も真面目に受けている。
―――綴理は、答えを求める。
答えが確実に出る数学が得意で。
破天荒に見えて約束は必ず守るし、私との関係が何故こうなったのかも理解できているのでしょうね。
だから、あの予選の後、私の提案を了承してくれた。
きっと、解決方法が無いという答えを理解して。
『二人では駄目だけど、四人でなら』
そして現在、綴理はそう言った。
綴理から見て、これが解決方法足りうると判断できたのだろう。
私だって……。
ちら、と傍らを盗み見る。
真剣に授業を受けている綴理。
その横顔は、とても綺麗で。
その姿に吸い込まれてしまいそう。
綴理「どうしたの、こず。茹でたての蟹みたいだよ? 具合でも悪い?」
梢「……いいえ、大丈夫よ。集中しましょうね」
―――半ば自分に言い聞かせるようにして。
○○○
一緒にモーニングティーを過ごして。
一緒に登校して。
一緒に授業を受けて。
一緒にお昼ご飯を食べて。
一緒にお手洗いに行って同じ個室まで来た綴理を注意して。
一緒に練習をして転んで。
一緒に寮のお風呂に入って。
一緒に夜ご飯を食べて。
一緒にお祭りの屋台を手伝って。
―――そうして今。
一緒に綴理の家のベッドに入っている。
長いひとつの枕を共にして。
今日は楽しかったね、と綴理が言った。
そうね、楽しかったわ、と私が言った。
本当に。
綴理と一緒に居て、純粋に楽しかった。
きっとこの先、何度も反芻してしまうくらいに。
―――綴理がずっと言いたかったこと。
『ボクも頑張るから。こずにばっかり、任せないで』
『ただボクがこずを支えてあげたい……支えてあげられるよ、って言いたかった』
綴理の気持ち。
綴理の想い。
それがずっとわからなかった私。
綴理が想いを込めて、しっかりと口にしてくれた。
心の中で凝り固まっていた何かが、ゆっくりと溶けていくのを感じたわ。
……だから、思い切って、近づいてみたの。
アザレアの花のような瞳。
横からではなく正面から見つめたのは、いつ以来かしら。
綴理も近づいてきて、私の手を取った。
冷たく、繊細で、綺麗な指。
『……ねぇ、こず。なにか、隠してることとかない?』
『こずは、あんまり自分が思ってることとか、言ってくれないから』
『ボクから言ってあげないと』
胸を、鋭く刺された。
綴理がここまで私をしっかり見ていたなんて、知らなかった。
気が付きもしなかった。
ラブライブの話をしなくなったことも、しっかりと認識していた。
『綴理。あなたが下手なのは説明じゃない。
自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを想像すること、両方よ』
―――どちらも、きち とできるようになったのね。
『少なくともわたくしはもう少し、あなたの気持ちを知りたかった。
あなただって、私にして欲しいことがあったんじゃない?』
私が綴理に言ったその言葉。
それを、こんなにもまっずぐに、伝えてくれた。
なら、私も……。
梢「頼りにしているわ、綴理」
綴理「ん」
他校のスクールアイドルから貰った手紙。
……ラブライブ。
悩みは、尽きないけれど。
綴理が、私を支えてくれるのだ。
なら、今は……。
繋いだ手を離さないように、ぎゅっと握った。
綴理「……こず?」
梢「……雨」
綴理「うん?」
梢「朝になったら、やむかしらね」
綴理「……うん」
目を瞑り、外の雨音だけが寝室に響いて。
梢「……わたくしね、雨の止む瞬間が好きなの」
綴理「知ってる」
梢「そうね……そうだったわね」
綴理「……こず?」
梢「……」
目を開き、もう一度、手を握り返して。
再び目を開けた綴理が、私の目を覗き込む。
梢「……ええと」
綴理「うん」
梢「だから、その……」
綴理「うん」
梢「雨が止むところを、一緒に見れたらな、って」
綴理「……いいよ」
梢「だから、朝まで……って、綴理?」
綴理「分かってる、と、思う」
手を握ったまま、身体を引き寄せられて。
ぎゅっと、抱き締められた。
梢「……ありがとう」
綴理「うん」
綴理の瞳がすぐ傍にあって。
綴理の静かな吐息が、私にかかる。
目を閉じて、そっと、顎をあげて。
……柔らかな感触が、口にあたる。
梢「んっ……」
綴理「ん……」
唇が触れ合う。
胸の鼓動が綴理に聴こえてしまいそうなくらい、大きく鐘を打っている。
綴理「こず、もっと」
梢「あ……え?」
アザレアの瞳が、妖しく輝いて。
今度は綴理が求めるように、唇を近づけて。
綴理「ん……ちゅ……」
梢「ちゅ……ん……」
唇と唇が絡み合い。
そして、ちろ、と綴理の舌がこちらに侵入してきた。
吃驚して目を見開くと、心配するような、懇願するような視線。
もう……。
私も迎えるように、舌を触れさせる。
ふるふると身体を震わせる綴理。
もう、可愛いんだから。
梢「ちゅ……れろ……」
舌と舌を絡み合わせ、綴理の舌の表面を舐めて。
舌で包むように、横から、裏側も舐める。
あなたからこちらに入ってきたのよ。
そう簡単に帰してあげないんだから。
絡みとるように舌を舌でつかまえて。
梢「ちゅぱ……ちゅぷ……」
綴理の瞳が、とろんと蕩けたようになって。
舐めるたびに身体をびくんと震わせて。
綴理「ぷはぁ……はぁ……はぁ……」
梢「ふぅ……ふぅ……」
綴理「こずのこれ、すき」
白い肌を紅潮させ始めた綴理が、嬉しそうに笑う。
梢「もう……今度は、支えてくれるのでしょう? わたくしもその……あまえたい、のだけれど」
綴理「わかった、頑張る」
綴理はそういうと、掛け布団をめくり、私に覆いかぶさるように上になって。
綴理「……こずを気持ちよくさせてあげたい。どこがいい?」
梢「そ、そんなストレートに聞かれても……」
綴理「じゃあ、ここ?」
綴理のシャツに包まれた胸の辺りをそっと触られて。
梢「あっ……。そう、ね。いいかもしれないわ」
恥ずかしさを隠すため横を向いて。
綴理「ん。じゃあ脱がすね」
引き千切ったりせず、ボタンをひとつひとつ丁寧に外していく綴理。
……待っている間、とても恥ずかしいのだけれど。
綴理「おまたせ。……こずのお い、おっきいね」
梢「そ、そう?」
綴理「うん。去年より、おおきくなった。あ……去年のことは言っちゃいけないんだった」
梢「……いいから、綴理」
耐えられなくて、身体をもじもじと捩って。
綴理「あ、ごめん。いくね」
綴理の繊細な指が、シャツを開いて直接私の胸に触れる。
梢「ふぁ……」
綴理「わ……すごい。もちもちで、指が吸い付くみたい」
梢「つ、綴理、実況しなくていいから!」
綴理「配信の練習。……配信、する?」
梢「しません!……あっ!」
綴理「もみもみ」
綴理の指が、しなやかに私の胸を揉んでいく。
綴理「あっ、こず、乳 固くなってきた」
梢「だから、ひゃうっ!?」
顔を近づけて、先端を舐め始める綴理。
梢「待って、待って綴理、気持ち良すぎて」
綴理「だめ。待たない」
綴理の舌の感覚が、直接響いてくる。
梢「ふぁっ……ああっ……♡」
綴理「こずの音色、澄んできたね」
梢「つづり、つづりっ……♡」
綴理「もっと聴きたい。こず、もっと」
琴を奏でるように。
―――綴理の指が、私を奏でていく。
梢「ふぅ、ふぅ……あっ!? つづり!?」
綴理「ぢゅーーーー」
梢「ダメ、首筋は痕が残ってしまうわ!」
綴理「ぢゅーーーー」
梢「ああっ、だめ、だめだったらっ……ああっ!! ♡」
首筋を強く吸われ。
乳房を強く揉まれ。
乳 を舌で上下左右に舐められ。
指で順番に乳 を弾かれ。
梢「もう、もうだめ、だめ、つづりっ! つづりっっ!!♡」
綴理「いいよ、支えるから。こず、ボクがいっしょにいるから」
梢「つづりっ、つづりっっ!!! ああああぁぁぁああああっっっっ!!!!♡ ♡ ♡」
○○○
綴理「ふぅ……ふぅ……これで、何回目だっけ」
梢「はぁ……はぁ…………確認して、どうするの。……もう四回目よ」
綴理「そうか、すごいね、こず」
梢「もう……どっちがよ」
お互いに全力で奏で合って。
互いに服を身に着けずに、重なったまま微睡んでいる。
綴理「……こず」
梢「なあに、綴理」
綴理「外、見て」
梢「あっ……」
雨が弱くなっている。
小鳥の囀りも聴こえてきた。
脱がされたシャツを肩に羽織って、窓へ近づいていく。
空を見ると、雲の切れ間から、光が差し込んでくる。
隣に、綴理が立って。
梢「……わたくしね、雨の止む瞬間が好き」
綴理「うん。ボクも、好きなんだ」
梢「そう……一緒ね」
隣に立つ綴理に微笑んで。
梢「今日のことは、ふたりだけの秘密ね」
綴理「秘密?」
梢「ええ」
綴理は首を傾げると、ちょんちょんとチョーカーを指した。
綴理「……使う?」
梢「あっ……!! もう、だからダメと言ったわよね!?」
綴理「ふふ、秘密秘密~」
梢「もう……ふふ」
―――わたくしね、雨の止む瞬間が好き。
おしまい。
つづこず良いですわね
乙
素晴らしかった
あまりにも素晴らしいのだけれど
こういうのを待ってたんだ俺は…
つづこずありだと思うのだけれど
あなたは最高です!
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1686739345/
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