ちさと「えっと、リレーの練習……」クソガキ「はぁ?なんでショーガイシャの言う事なんか聞かなくっちゃいけねーんだよ」
男子A「いいねいいねー!」
男子B「やろーやろー!」
ちさと(9)「ダ、ダメだよっ!放課後は、まずみんなでリレーの練習するって」
クソガキ「あ?」
ちさと「ぴぃぃ!?」
クソガキ「なんで俺たちがショーガイシャの命令なんか聞かなくっちゃいけねーんだよ。放課後くらい誰が何しようが勝手だろ」
ちさと「ででででもっ!う、運動会近いからっ、みんなで一緒に練習しないと」
ちさと「じゃ、じゃないっとっ、か、勝てなっ……」
クソガキ「……」
ちさと(ふ、ふぇぇぇぇ………)ウルウル
クソガキ「んだよ。言いたいことあんだったらはっきり言えよ」
ちさと「ぴぇぇ!!?」
ちさと(う、うぅぅぅ………)
千砂都(男の子と話すのは、正直言うと、ちょっぴり苦手でした)
千砂都(私は小さいころから体が小さく、力も弱かったので、何をやっても男の子には敵いませんでした)
千砂都(女の子でもかのんちゃんみたいに成長の早い子は、体育の授業で男の子まさりの活躍とかしちゃうんだけど……私なんててんでダメ。もともと他の人と競うのとかは得意じゃなかったし、教室ではいつも隅っこの方で一人遊びとかしてる子だったし)
千砂都(だから周りの子たちに比べて、成長がどうも遅いみたいで……あぁ、これってやっぱり、二月生まれの宿命なのかも)
ちさと「え、えっとぉ……」
クソガキ「あぁ?どけよ、しょーがいしゃ!」
ちさと(ふぇっ!?う、うぅぅ……)
クソガキ「どけよ!」
ちさと「ぇぅぅぅ……」ウルル
ちさと(で、でも、練習、しないと。じゃないと……)グルグル
クソガキ「おい。ボール取れねーだろ」
ちさと「じゃ、じゃあ……きょ、今日だけっ。明日からっ……」ウルル
パシッ!
クソガキ「へっ、やりぃ!おい、お前ら!校庭しゅーごーな
かのん「こらぁぁぁ~!!!!」ダーッ!!
クソガキ「なっ!?」
ちさと(か、かのんちゃん!!?)
かのん「ちょっと!またちぃちゃんのことイジメてたでしょ!!」
クソガキ「あ?ショーガイシャがボール渡さねーのが悪いんだろ」
かのん「あっ!!こ、このっ……!!」
クソガキ「んだよ」
かのん「ちぃちゃんはショーガイシャじゃない!!」
クソガキ「は?どう考えてもショーガイシャだろ。知ってるか?こいつ、休み時間に自由帳に変な絵描いて遊んでるんだぜ~!」
男子A「ウケる~!」
男子B「まるがいじ~!まるがいじ~!」
かのん「ぐぬぬぬぬ~~!!またそうやってちぃちゃんのことバカにして!!」
ちさと「ふぇ……」ウルウル
クソガキ「四年にもなって教室で泣くとか。ウケるw」
かのん「うっさい!!あ~~もうっ!!あったまきた!!今すぐちぃちゃんに謝って!!」パシッ!!
男子A「ちょっ!?返せよ!!ボール!!」
かのん「イヤだ!!先にちぃちゃんに謝って!!」
ちさと「ふぇっ……」ウルウル
クソガキ「なんでショーガイシャなんかに謝らなくっちゃいけないんだよ」
かのん「そうやってちぃちゃんのことバカにするからでしょ!!?いい加減にしないと先生に言いつけるからね!!」
男子C「で、出たー!!女子とくゆーの『先生に言うぞ』攻撃ー!!」
男子D「禁止カードだろそれー!」
男子E「ズル~っ!!」
クソガキ「というかお前もいちいち俺らに突っかかって来るんじゃねえよ。尻だけデカいくせに」
かのん「なっ!!?/////」
男子B「澁谷ケツでかのんー!」
かのん「う、うっさい!!/////おしりの大きさは今関係ないで
男子C「へっ、もっらいー!」パシッ!
かのん「あっ、こら!!」
クソガキ「やりぃ!おい、校庭いこーぜ~!!」
ワァァァァー!
かのん「ちょっ、こらぁ!!待てぇ~!!」
ダァァァーッ!!
かのん「ぐぬぬぬぬぬぬ~~~!!」
ちさと「……」
ちさと「……」
かのん「ごめんねちぃちゃん。ウチのクラスの男子、バカばっかりで」ナデナデ
ちさと「う、ううん。私は大丈夫だよ?でも……」
かのん「?」
ちさと「……リレーの練習、みんなで出来なくなっちゃった」
かのん「だからさ。運動会の練習は私たち女子だけで
ちさと「ダメっ!」
かのん「えっ?」
ちさと「だ、だめだよ!みんな一緒じゃなきゃダメなんだよ!」
ちさと「同じクラスなんだもん。男の子女の子関係ないって、先生だって言ってた。それに、かのんちゃんだって、前に……」
かのん「?」
………
……
…
かのん『ちぃちゃん!今年もおんなじクラスになれたね!』
ちさと『うん!えへへ。今日から四年生~』
かのん『高学年だね、私たち!』
ちさと『うん!』
かのん『でさでさ!ちぃちゃん知ってる?リレーあるの!』
ちさと『りれー……?』
かのん『運動会!高学年だから今年からみーんなでリレーあるんだよ!運動会の最後の種目!』
ちさと『へ~……』
かのん『絶対みんなで、優勝しようね!ちぃちゃん!』
ちさと『うん!』
ちさと「か、かのんちゃん言ってたもん!四年生になったから、新しいクラスで!絶対みんなで優勝したいって!」
かのん「……」
ちさと「ゆ、優勝するためには……み、みんなで力!合わせなくっちゃいけないの!だって、隣のクラスの子たち、朝も、お昼も、みんなで集まって練習してる……」
ちさと「だ、だから……」グスン
かのん「ちぃちゃん……」
ちさと「ふ、ふぇぇぇ……」
ウルウルウル
ちさと「うぅぅ、かのんちゃん……どうしよ、このままじゃ私たち、絶対勝てないよぉ……」
かのん「……」
かのん「ん!」ビシン!
クソガキ「は?」
かのん「これ、読んで!」
クソガキ「んだよ」ペラリ
クソガキ(……)
【果たし状】
クソガキ「あぁ?」
クソガキ「……なんで俺らが嵐なんかに謝らなくっちゃいけねーんだよ」
男子たち「そーだそーだ!」
かのん「あんたたちがちぃちゃんのこと泣かせたりするからでしょ!!?」
クソガキ「嵐が勝手に泣くのがわりーんだろ。よわっちぃくせに」
男子たち「そーだそーだ!」
かのん「な、なんですって!!?ちぃちゃんは弱くなんかない!!」
クソガキ「よわっちぃだろ。教室で泣いてる時点で」
男子たち「そーだそーだそーだ!」
かのん「くっ、ぐぬぬぬぬぬ~~!!」
かのん「はぁぁ!!?」
女の子「そ、そうだよ、かのんちゃん。男の子とケンカなんてやめようよ……」
かのん「やめない!!ちぃちゃんに謝ってもらうまでぜぇ~ったいにやめない!!」
クソガキ「ふーん……」
かのん「運動会の練習も、あんたたち全員参加してもらうんだからね!!」
クソガキ「……じゃあもし俺たちが勝ったらお前は一生俺たちに逆らったりしないんだな?」
かのん「えっ!?」
かのん「ちょっ!!?な、なんでちぃちゃんがそんなことしなくっちゃいけないわけ!!?バッカじゃないの!!?/////」
クソガキ「なんで嵐が話に出てくるんだよ」
かのん「え゛!!?////」
クソガキ「お前がやるに決まってるだろ。バカ澁谷」
かのん「はぁぁぁぁぁ!!?/////」
男子A「そーだそーだ!」
男子B「ヘンタイ澁谷~!」
男子C「デカいのはおしりだけにしとけ~!」
かのん(っ、~~っ!!!//////)プルプル
クソガキ「話は終わりか?んじゃ、今日の放課後も~」
かのん「やるっ!!」
クソガキ「えっ?」
かのん「勝負は来週!!リレー対決!!首洗って待っとけっ!!」ペチン
クソガキ「いてっ」
かのん「ふんっ!!!」
スタスタスタ
クソガキ「……」ポカーン
女子A「か、かのんちゃん……」
女子B「だ、大丈夫?男の子とリレー対決なんて……」
かのん「大丈夫!だってこっちには作戦があるもん!」
かのん「ねっ、ちぃちゃん?」
ちさと「うん!あのねあのね!リレーには『テイク・オーバー・ゾーン』っていうのがあって~」
女子A「てーくおーばーそーん……?」
ちさと「うん!グラウンドの一周がこんな感じでしょ?」
カキカキ
ちさと「ほら!こうすれば足が速い人が長く走れて、遅い人が短く走れるんだよ!」
女子A「なるほど……」
女子B「嵐さん、すごーい!」
ちさと「えへへ~♪」テレテレ
ちさと(こうして、私たち女子チームは、男の子たちがサッカーで遊んでいる間に、作戦をもとに一生懸命練習しました)
ちさと「よーい、どん!」
ダッ!
男子A「いけいけ男子ー!」
男子B「女子なんかに負けんなー!」
女子A「女子も頑張ってー!」
かのん「……」
女子B「……なんか思ってたより差、開いてなくない?」
かのん「え゛!!!?」
男子A「へへーん!あったり前だろ!男の方がはえーんだから!」
女子B「ど、どうしよ。かのんちゃん……」
女子C「このままじゃ私たち負けちゃうよ~!」
かのん「え、えっと……大丈夫!だってこっちにはアンカーのちぃちゃんがついてるもん!」
かのん「ねっ!!?」
ちさと(え!!!?)
女子B「ほんとに!?」
女子C「嵐さん、すごーい!」
ちさと(むむむむむむ無理だよ~っ!私そんなにすごくないも~ん!!)
ちさと(た、助けてよっ、かのんちゃ……)
かのん「よし、行ってこいっ!」ドン!
ちさと「ふぇぇぇ!!?」
かのん「大丈夫!ちぃちゃんなら絶対に勝てる!」
ちさと(うぅぅ、そんなこと言われてもぉ……)
クソガキ「……なんだ。女子のアンカー、嵐なのか」
ちさと「えっ?あ、うん……」
クソガキ「ふーん。余裕だな」
ちさと「あ、うん、その………○○くんが、男子のアンカー?」
クソガキ「あぁ。俺が一番、男子の中ではえーから」
ちさと「そ、そっか。頑張ってね……」
クソガキ「……言っとくけど澁谷がどうなろうと俺には関係ないからな。手加減なんてしねーぞ」
クソガキ「あいつと罰ゲームかけた勝負してるんだよ。ぜってー負けねーからな」
ちさと「えっ!?」
男子D「はぁっ、はぁっ」
クソガキ「おい!おせーぞ!早く——
ダッ!
クソガキ「っ!!」ダダッ!!
ちさと「……」
かのん「ちぃちゃんなら勝てるよ!頑張って!」
ちさと「……」
ちさと(……かのんちゃん、応援してくれてるんだ)
ちさと(信じてくれてるんだ。私のこと)
ちさと(なら、私は……)
ちさと「……」
ちさと(絶対負けない。勝つんだ!)
女子D「お願いっ!嵐さん!」
ちさと「うん!」パシッ!
ちさと(負けない!負けたくない!)
ちさと(体が小さくても、力が弱くても、でも!諦めたくない!)
ちさと(だって、かのんちゃんが信じてくれるから!)
ちさと(だから!)
かのん「頑張って!!ちぃちゃ~ん!!!」
ちさと(むぅぅぅぅ~っ!!)
ダダダッ!!
クソガキ「なっ!?」
クソガキ(あ、嵐って、こんなに足、速———
バビューン!!
女子A「ゴール!」
ちさと「はぁ、はぁ、はぁ……」
かのん「うん!これもちぃちゃんの作戦と練習のおかげ
ちさと「かのんちゃーん!!」
ムギュッ!
かのん「わあっ!?」
ちさと「私、やったよ!逆転できたよ!かのんちゃんのおかげで!」ピョンピョン
かのん「うん!ちぃちゃんすっごくカッコよかったよ!」ナデナデ
ちさと「えへへ~♪嬉しい!」
かのん「で、それはそれとして……」
クソガキ「……んだよ」
クソガキ「ちっ、はいはい。すみませんでし……」
ちさと「でも男の子もすっごく速かったよ!ねっ!」ギュ!
クソガキ「へ!!?////」
かのん「ちぃちゃん!?」
ちさと「○○くんすっごく速くてびっくりしちゃった!一緒に運動会、優勝目指して頑張ろうね!ねっ!」
クソガキ「お、おぅ……/////」
かのん「……」ポカーン
ちさと「うん!だってみんなで力合わせないと運動会で優勝できないもん♪」
かのん「……」
男子たち「……」
かのん「はぁ……だってさ。ちぃちゃんがいいって言うなら今回だけ特別に許してあげるけど……でも!次ちぃちゃんのことイジメたら今度は絶対に許さないから!」
かのん「あと明日から朝みんなでリレーの練習するから!ちゃんと遅れないで学校来なさいよね!ばぁぁぁ~~~か!!」アッカンベー
ちさと「♪」
クソガキ「……」
男子たち「……」ポカーン
クソガキ(……)
クソガキ「………髪下ろした嵐って、案外思ってたより可愛いんだな」
男子たち(は?????)
ちさと(見事、運動会でも優勝することが出来ました)
ちさと(男の子と話すのはまだちょっとだけ苦手だなって思っちゃうけど)
ちさと(でも……いつまでも苦手なんて言ってるわけにもいかないよね。成長しなきゃ、なんだもん!)
かのん「ちょっと男子!!」
クソガキ「今度はなんだよ」
かのん「真面目に歌って!!男子の方からぜんっぜん声聞こえてこないんだけど!!」
男子A「でもー、下手な歌声だと澁谷さん怒るじゃないですかー」
男子B「俺たちー、みんなのためを思ってわざと歌わないでおいてあげてるんですよー」
男子C「うっわー、俺たちってマジ優しー」
かのん「うっさい!!バッカじゃないの!?次またつべこべ変なこと言うようだったら
ちさと「だめっ!」
かのん「ちぃちゃん!?」
かのん「でも」
ちさと「男子も!ちゃんと歌って!ねっ?」
クソガキ「……」
ちさと「ねっ!」
男子A「でもー」
男子B「澁谷さんが怒るからー」
かのん「それはあんたたちが変なことばっか言ってるからでしょ!?」
男子C「んだよ、俺たちが悪いって
クソガキ「あーはいはい。嵐がそこまで言うなら歌ってやるよ。仕方ねえな」
かのん「えっ!?」
男子たち(は?????)
男子たち「……」
かのん「はぁ……じゃあ、続きからやるよー」
~♪
ちさと「……」
ちさと(かのんちゃんは昔から、男の子相手でも物怖じせずに自分の意見が言えて凄いなぁって思います)
ちさと(私は昔から体も小さく、力も弱くて、かのんちゃんに守ってもらいっぱなしでした)
ちさと(だから男の子はまだちょっぴり怖くても、私もいつかかのんちゃんみたいに、誰かを守れる人になりたい。それが今の私の精一杯の願い)
ちさと(一歩一歩進んだ先に、未来の私は、どんな風に成長してるんだろ……?)
かのん「ちょっと男子!今誰か大声で思いっきり音外してたでしょ!!誰!!?」
クソガキ「なっ!?う、うっせえな!!慣れてねえんだから仕方ねえだろ!!?/////」
ちさと(……なんて。未来の自分を想像したって、まだなーんにもわかんないよね)
ちさと(9)(でも、絶対。今の自分よりは大きくなっていると信じて!もーっともっと、頑張ります!)
もっと強くなるよなちぃちゃんでした
助かります!
めっちゃ刺さったドストライクで好き
乙
すみれんの影に隠れてるけど他の部位が貧相な中ケツだけデカいよ
中の人準拠好き
男子高校生になったクソガキがちぃちゃんと再会したときの反応や如何に
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