愛「『攻略してほしい女がいる』……?」璃奈『無理なら絶対に返信しないように』6 果林編

ラブライブ

愛「『攻略してほしい女がいる』……?」璃奈『無理なら絶対に返信しないように』#6 果林編

293: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2021/01/26(火) 23:15:49.30 ID:uJPYcDZi
皆様レスありがとうございます。遅くなりましたが、果林編投下していきます。

294: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/26(火) 23:22:27.21 ID:9ekwruu4
※※※果林編※※※

※※※

遥「お邪魔します……!」

彼方「いつでも大歓迎だよ~」ダキッ

遥「ふふっ」

愛「今日は、どうしたの?」

遥「実は――」

「大事なお話がありまして」

果林「……あなたは?」

姫乃「始めまして。藤黄学園スクールアイドル部の、綾小路姫乃と申します」

しずく「藤黄って……」

姫乃「突然ですが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の皆さん」

姫乃「私達と一緒に、ライブに出ませんか?」

「「「ええー!?」」」

295: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/26(火) 23:38:10.31 ID:9ekwruu4

かすみ「ダイバーフェス?」

果林「毎年お台場で行われている、音楽イベントよね」

遥「はい! 色んなジャンルのミュージシャンが参加するんですよ!」

姫乃「今年はスクールアイドル枠に、藤黄学園と東雲学院が呼ばれたんですけど」

姫乃「遥さんと相談して、虹ヶ咲学園の皆さんを推薦させていただいたんです」

彼方「遥ちゃーんありがと~!」ダキッ

遥「えへへ」

しずく「でもどうして、綾小路さんが?」

姫乃「ふふっ。この間の合同演劇祭で、あなたの歌を聞いたのがキッカケです」

しずく「!」

姫乃「皆さんがどんなライブをするのか、見たくなったんです」

姫乃「特に、朝香果林さんは雑誌でよく拝見していましたし。人気の読者モデルがスクールアイドルをするなんて、すっごく魅力的じゃないですか」

果林「……」

296: 名無しで叶える物語(とばーがー) 2021/01/26(火) 23:38:18.53 ID:qRg2STPa
続きキテル

297: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/26(火) 23:51:19.77 ID:9ekwruu4
かすみ「こここ、これって、すっごくお客さん来るんですよね!?」

遥「はい! 3千人くらい」

かすみ「3千!? ひょええー!」

かすみ「出ましょうよ! こんなおっきなライブに出るチャンスなんて、そうそう無いですよ!」

遥「でも、一つだけ問題があって……」

かすみ「ほえ?」

遥「私たちスクールアイドルが披露できるのは、全部で3曲だけなんです」

遥「東雲と藤黄はグループなので問題はないんですけど……」

遥「虹ヶ咲の皆さんはソロアイドルですから……」

侑「9人で、9曲……?」

遥「なので、お誘いするか迷ったんですけど……」

姫乃「でも、出来たばかりの同好会にとっては、悪い話ではないですよね?」

璃奈「それは……」

しずく「たしかに」

果林「……」ジッ

姫乃「ふふっ」ニコッ

299: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/01/27(水) 00:30:38.75 ID:PwMDgq1x
>>297
これほんとに解決してるか…?
しわ寄せ来そうで怖い

298: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 00:11:20.23 ID:QgPMidoB

侑「どうしたもんかな……」

果林「あれこれ考えるだけ無駄よ」

果林「今回のステージに立てるのは、この中の一人だけ……誰が出るか決めましょうよ」

「「「……」」」

歩夢「く、くじ引きとかどうかな?」

エマ「そ、それが良いかも」

果林「互いに遠慮し合った結果運頼み。そんなので良いわけ?」

せつ菜「……ですが私たちは」

果林「衝突を怖がるのはわかるけど、それが足かせになるなら意味ないわ」

せつ菜「……っ」

果林「それで本当に、ソロアイドルとして成長したと言えるの?」

果林「遥ちゃんはともかく、綾小路さんは、厚意だけで私たちを誘ったわけじゃないでしょうね」

彼方「え?」

璃奈「そうなの?」

果林「いずれにしても、今回は同好会が試されるライブになる」

果林「だから、本気でそれに立ち向かえるメンバーを選ぶべきよ」

「「「……」」」

果林「……今日は帰るわね」ツカツカ

エマ「果林ちゃん……」

300: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 00:51:02.67 ID:QgPMidoB
※※※

もんじゃ宮下

遥「そんなことになってたんですね……」

遥「ごめんなさい。私が虹ヶ咲の皆さんを推薦しようって言ったから……」

愛「良いんだよ。まあ、全員ソロでやるって決めたのはアタシたちだしね。いつかこういう事が起こるのは皆わかってたっしょ」

遥「……はい」

ガラガラ

遥「! いらっしゃいませ!」

遥「……!」

遥「姫乃さん!?」

301: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 01:05:34.14 ID:QgPMidoB
姫乃「こんにちは。この間、遥さんがここでアルバイトをしていると言っていたので」

姫乃「来ちゃいました」ニコッ

愛「おお! 今日部室に来てた子じゃん!」

姫乃「宮下愛さんですね? 先程は練習中にお邪魔してしまい、申し訳ありませんでした」ペコリ

姫乃「ダイバーフェスの件、どのようになりましたか?」

愛「ああそれは、かすかすしずしずで……」

姫乃「……なるほど。流石朝香さん、適切な判断です」

愛「うん、まあそれはそうなんだけどね。誰が出るかどうやって決めるんだろうなーって」

姫乃「それは、皆さんで話し合えば自ずと答えが出るんじゃないでしょうか?」

姫乃「……ああ、そうでした。折角来たので、チーズもんじゃをお願いします。遥さん曰くイチオシらしいので」

愛「おっけー! ハルちゃん! 是非ハルちゃんが焼いたの食べてもらお!」

遥「はい!」

302: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 01:22:55.38 ID:QgPMidoB

姫乃「ごちそうさまでした」

遥「どう、ですか……?」

姫乃「はい。お聞きしていた通り、大変美味しかったです」フキフキ

遥「あ、ありがとうございます!」

姫乃「そういえば、ゲーマーズにもスクールアイドルのグッズが入荷されたらしいですよ」

愛「スクールアイドルのグッズ?」

遥「それなりに有名になると、グッズを作ってもらえることがあるんです。うちわとかタオルとか……」

愛「へー。それなりに有名になると……つまりそれって」

姫乃「はい。部の者の話では、東雲学院と藤黄学園のグッズもあるとか。遥さんのグッズも見かけたと話していましたよ」

遥「ほ、本当ですか!?」

姫乃「ふふっ、嬉しそうですね」

遥「それはもちろん。スクールアイドルをやっている女の子なら一度は憧れますから……」

303: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 01:56:54.41 ID:QgPMidoB
愛「ハルちゃんのグッズかあ。愛さんもお店に並んでるの見てみたいな~」

遥「恥ずかしいです……」

愛「でも、ハルちゃんも早くこの目で見たい! って顔してるよ?」

遥「そ……それは、そうですけど……」

愛「よし決めた、今日はバイトおしまい! あとはお母さんたちに任せた! 今から見に行こ!」

遥「ええー!?」

※※※

ゲーマーズ

遥「わあ……! わあ!」タッタッタッ

愛「あはは、ハルちゃんすっごい喜んでる」

姫乃「ふふっ、連れてきて良かったですね」ニコニコ

愛「微笑ましいね。ていうかさ、姫乃のグッズもあるよね?」

姫乃「はい。ありがたいですね」

304: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 01:58:49.40 ID:QgPMidoB
愛「もっと喜びなよ~」

姫乃「もちろん嬉しいですよ? でも、この程度ではまだまだ私の尊敬する方には敵いませんから……」

愛「お? 姫乃、恋してる顔だね?」

姫乃「……わかりますか?」

愛「そりゃあ耳まで染めてたらね」ニヤニヤ

愛「その人は幸せだねー、こんな可愛い子に好かれてるなんて」

姫乃「そ、そうでしょうか?」

愛「うんうん。告白とかしないの?」

姫乃「私ではまだ無理ですよ。きっと相手にもされません」

愛「そんなことないって! こういう時私のともだ……」

愛(……友達)

姫乃「?」

愛「……友達なら、こう言うと思う」

愛「始まったのなら貫くのみですっ! ってね」

姫乃「何か、カッコいいですね」

愛「愛さんもそう思う」

姫乃「告白……してみましょうか……」

愛「うんうん! 応援してるよ!」

「あら? あなたたちも来てたの?」

305: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 02:23:02.86 ID:QgPMidoB
姫乃「!?」クルッ

愛「お~、カリンに歩夢にゆうゆ! どしたの? 3人とも、こういうとこ来るタイプだっけ?」

侑「最近、ここでもスクールアイドルのグッズを取り扱い始めたって聞いて」

歩夢「だから、せつ菜ちゃんに連れてきてもらったの」

果林「私は偶々近くで会って、成り行きでね」

愛「せっつーもいるんだ?」

歩夢「うん、お目当ての物が見つかったみたいで、今はレジにいるよ」

果林「それより……」

果林「綾小路さん? 何故あなたまで」

姫乃「あ、あの……えっと」モジモジ

愛「?」

愛「……愛さんたちも同じような感じ! 藤黄と東雲のグッズがあるって聞いて、姫乃に連れてきてもらったんだ!」

侑「そうだったんだ!」

侑「……! ホントだ、遥ちゃんのも、綾小路さんのもある! すごい……」

侑「えへへ、1つずつ欲しいけど、本人たちが目の前にいると買いづらいね」

歩夢「……」

306: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 02:30:48.42 ID:QgPMidoB
姫乃「ふふっ、気にしなくても良いんですよ」

侑「うーん、じゃあ買いだあ!」ガサッ

せつ菜「お待たせしましたー」

せつ菜「!」

せつ菜「皆さんもいらしてたんですね!」

侑「うん、私たちと同じ目的らしいよ」

せつ菜「そうだったんですか!」

果林「ねえ、あなたのグッズはないの?」

せつ菜「え?」

せつ菜「……無いですよ……ちょっと、悔しいですけどね」ニガワライ

愛(……あったら買うのに)

せつ菜「いつか私たちも、ここに並べるようになりたいです」

歩夢「それはちょっと恥ずかしいけど……憧れるなあ」

侑「歩夢のが出たら、私が最初に買いに来るからね!」

歩夢「もう、侑ちゃんったら……」テレッ

愛(……ほう?)

307: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 02:56:55.39 ID:QgPMidoB
※※※

店前

果林「私、そろそろ行かなきゃ」

歩夢「用事あったんですか?」

せつ菜「引き留めてしまって、すみません」

果林「いいのよ。……時間通りに、着くといいけど……」スマホトリダシー

侑「ここから遠いんですか?」

果林「そんなことはないはずなんだけど……」

果林「何だか、分かりにくい場所にあって……。どこだか、わかる?」スマホミセー

「「「ダンススクール……?」」」

歩夢「もう着いてますよ?」ユビサシ

果林「……!」

せつ菜「気づいて無かったんですか?」

歩夢「地図を見ても分からないなんて……」

侑「もしかして、方向音痴?」

果林「わ、悪い?」

愛「可愛いとこもあるじゃん!」

果林「うぅっ」

姫乃(……)

308: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 04:02:53.34 ID:QgPMidoB
せつ菜「ダンス、習ってるんですか?」

果林「たまたま仕事でここの先生に会ってね?」

侑「流石果林さん!」

せつ菜「そうですね。影で努力してるなんて、尊敬します!」

遥「カッコいいです!」

果林「……」

果林「努力しなきゃ、ライバルに勝てないからね」

果林「……あなたたちのことよ」

「「「!」」」

果林「なんて言うか、手を抜けないのよ。折角部活に入ったんだから、楽しみたいって気持ちもあるんだけど……」

果林「だから、昨日は言い過ぎたかもしれないわ。ごめんなさい」

せつ菜「……謝らないでください!」

果林「……!」

侑「果林さんは正しかったと思います」

歩夢「私たちはソロアイドルだもんね」

せつ菜「ええ。お互い切磋琢磨していかなくては、成長できません!」

愛「うんうん!」

309: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 05:15:17.29 ID:QgPMidoB
せつ菜「……それなのに私は、また皆さんに迷惑かけたくなくて、遠慮してました……」

侑「多分、同好会の皆もね」

せつ菜「ちゃんと言っていただいて、ありがとうございました!」ペコリ

果林「……ふふっ、生真面目ね」

侑「へへ、果林さんもだよね!」

果林「え?」

侑「何だかんだ言って世話好きだし!」

歩夢「そうかも」ニコッ

果林「そうかしら……」ポッ

せつ菜「まだ少し、時間ありますか?」

果林「ええ?」

せつ菜「誰がダイバーフェスのステージに立つか、皆で相談しませんか?」

「「「え!?」」」

歩夢「今決めるの?」

せつ菜「はい! 果林さんの本気は、全員に届いているはずですから!」

せつ菜「私たち同好会が次のステップに進むために、必要なことだと思うんです!」

せつ菜「……どうでしょう?」

姫乃「お待ち下さい」

310: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 06:01:49.15 ID:QgPMidoB
遥「……姫乃さん?」

せつ菜「どうしたんですか?」

姫乃「仮にこれから相談して決めた場合、誰がステージに立つことになりそうですか?」

侑「完成度で言ったら、せつ菜ちゃんかかすみちゃんが有力かな……?」

歩夢「この話が来るキッカケになったしずくちゃんもあり得るし……」

愛「既に大勢の前でライブを経験したりなりーやカナちゃんも任せられそうだよね」

果林「フェスの客層を考えると、愛が一番盛り上げてくれそうだけど」

せつ菜「しかし、歩夢さんやエマさんも、最近ぐんぐん成長してきてますよね」

姫乃「……」

姫乃「やはり、意見が割れるようですね」

侑「う、うん……」

311: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 06:17:08.93 ID:QgPMidoB
姫乃「お言葉ですが、このまま大した時間も確保できていない状態で決めるのはいかがなものでしょうか?」

姫乃「私は、確実にステージを成功に導きたい」

姫乃「藤黄学園に東雲学院、それに虹ヶ咲学園はお互いにライバルですが……」

姫乃「ダイバーフェスは、興味が無いという人たちにも、スクールアイドルを好きになってもらえるチャンスなのです」

姫乃「そういった意味で言えば、今回私たちは一つのチームでもあります」

せつ菜「……! なるほど」

姫乃「もちろん、部外者の私がとやかく言うべきではないと思っています。皆さんが決めたライブの方式には反対しません。……ただ」

姫乃「もう少し、じっくり考えても良いのではないでしょうか?」

果林「一理あるわね」

侑「スクールアイドルを好きになってもらえるチャンス……。確かにきちんと準備して望みたい」

歩夢「推薦してくれた遥ちゃんたちのためにも、失敗は許されないもんね……」

愛「……」

愛(姫乃ちゃん、私たちのこと思ってくれてるんだなあ。すごい真剣な表情だったもん)

せつ菜「では、今日は一旦解散として、また明日の部活でしっかり話し合いましょう」

愛「そうだねー」

歩夢「ちゃんと皆が納得出来る結論を出さなきゃ」

侑「じゃあ、私LINEグループに書いとくね」

果林「よろしく」

姫乃「……」ホッ

遥(……姫乃、さん?)

312: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 06:38:22.25 ID:QgPMidoB
※※※

愛「あれ? エマっち一人?」

エマ「うん、今日は皆用事があるらしくて、30分くらい遅れてくるんだって~」

愛「珍しいこともあるんだねー」

愛(思えばエマっちと二人きりって、かなり久しぶりかも。何故か妙に緊張するなー……。話題話題……)

愛「ね、ねえエマっち」

エマ「なあに?」

愛「折角女の子が二人きりなんだし、恋バナでもしよっか?」

エマ「それは素敵な提案だね! 私、友達と恋バナするのに憧れてたんだ~!」

愛「また不思議な憧れを抱いてんね」アハハ

エマ「愛ちゃんは、好きな子いるの?」

愛「ん~。話振っといてなんだけど、実ははっきりとはいなくて……」

エマ「はっきりとはいないってことは、ぼんやりとはいるんだね!」

愛「ええ……」

愛「まあ、そうなるのかな?」

エマ「だれだれ~?」

愛(今更だけど、この短い期間で何人とも恋愛してきてるって異常なんだよね……)

愛(半分演技とはいえ、全員ドキドキしなかったって言うと嘘になる。アタシはちゃんと皆のこと好きだったし、ある程度ドキドキもしてた)

愛(でも、一番ドキドキしたのは――)

愛「せっつー……かな?」

313: 名無しで叶える物語(SB-Android) 2021/01/27(水) 07:36:22.63 ID:xz/cr/nP
続きが来てました!!!!

314: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 08:12:04.23 ID:QgPMidoB
エマ「……!」

エマ「グランデ!」オメメキラキラ

愛「?」

エマ「素晴らしいってことだよ! そっかそっか~! 私、応援してるからね!」ニギッ

愛「えっと、好きっていうか、尊敬してるっていうか……」カァ

エマ「うふふ、愛ちゃん可愛い」

愛「……」

愛「そういうエマっちはどうなの?」

エマ「果林ちゃん!」

愛「即答だね……」

エマ「うん! 大好きなの~!」

愛「……そっか」

――――
――

エマ「私、さっきから、愛ちゃんを見てると心がぽかぽかするんだ。でも、いつもよりちょっと熱すぎるかも……って」

――
――――

愛「……」

315: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 08:13:04.97 ID:QgPMidoB
エマ「どうしたの?」

愛「な、何でも無いよ! カリンのどういうとこが好きなの?」

エマ「えっとね~、いつもは冷静なお姉さんっぽく振る舞ってるんだけど、実は片付けが出来なくて、方向音痴で、子どもっぽいところ! とっても可愛いんだよ~!」

愛(ああ、何かわかる気がする)

愛「へえ、カリンにそんな一面が」

エマ「うん! 学校では中々見られないレアなカリンちゃんなんだ!」

エマ「それに、私のワガママも聞いてくれるし!」

愛「甘えたい欲と甘えられたい欲が両方満たせるのね……」

エマ「そうなんだよ~! 大好き過ぎて、私の最初のライブは果林ちゃん一人の前でやったくらい!」

愛(……)

愛「最初は大好きな人一人の前で……ね」

エマ「そうそう! 今でもあの時のドキドキは忘れられないよ~」

愛(私との記憶は、カリンに置き換わってるってことだよね。分かってはいたけど、こうして面と向かって話されると、結構キツいなぁ……)

エマ「愛ちゃん?」

愛「ああ、ごめんごめん! エマっちがあまりにも楽しそうに話すからさ!」

316: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 08:14:39.80 ID:QgPMidoB
愛「まだ告白とかはしてないの?」

エマ「実は、まだなんだ~……。今はまだ片思いを楽しみたいというか」

愛「あー、何かそういう時ってあるよね」

愛(分からない。愛さんだったらすぐ行動しちゃうなあ)

愛(……)

愛(いや、せっつーはちょっと気になってるだけだから……)

317: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 08:16:31.65 ID:QgPMidoB
※※※

果林「……?」

果林「待ち伏せなんて感心しないわね。今日は一体何の用かしら?」

「待ち伏せだなんて人聞きの悪い。朝香さんはスクールアイドル、私はそのファン。出待ちと言ってください」

果林「あら、あなた私のファンだったの? まさか、強大なライバルがファンだったなんて光栄だわ。綾小路さん」

姫乃「姫乃とお呼びください。あなたとは親しくなりたいんですよ?」

果林「なら、あなたも私のこと、名前で呼んで良いわよ?」

姫乃「え! 良いんですか!?」(ふふっ、あなたがそれを望むのであれば)

果林「!?」

姫乃(……)

姫乃(……?)

姫乃(……!!!)

姫乃(心の中と言葉が逆になってしまいました!)

318: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 08:18:21.96 ID:QgPMidoB
果林「!? あなた、そんなテンションだったかしら?」

姫乃「……。えっと……」

姫乃「ほ、本当にファンなんです……。朝香さんが載ってる雑誌は全部揃えてるくらい……」

果林「あ、ありがとう?」

姫乃「……もうちょっと」

果林「?」

姫乃「もうちょっと、大人でカッコいいキャラでいたかったです……」

果林「……っぷ」

果林「あはははは! 何よそれ!」ケタケタ

姫乃「う、うぅっ」

果林「じゃあなに? 今までのあなたは全部演技だったの?」

姫乃「……はい」

姫乃「憧れの朝香さんを前に、本当はすっごく緊張してて……。正直、かなり頑張ってました……」

果林「果林」

姫乃「?」

果林「名前で呼びなさいって言ったでしょ?」

姫乃「果林……さん」

果林「うん。よろしくね、姫乃」

姫乃「……」カァ

姫乃「……!」クビブンブン

姫乃「あの! 果林さん!」

果林「なにかしら?」

姫乃「その、あの……」

姫乃「好きですっ!」

姫乃「私と、付き合ってくださいっ!」

果林「……」

319: 名無しで叶える物語(あら) 2021/01/27(水) 08:27:04.21 ID:aA++lBJK
前から読んでて、自分だけ記憶を保持する愛さんもすごく辛いなと思ってたけど、想像以上にキツそう。それが愛さんにとっての隙間なのかな

320: 名無しで叶える物語(うめぼし) 2021/01/27(水) 08:40:13.27 ID:EUnaGYtJ
自分しか覚えてないっていうと全然関係ないのわかってるけどリーディングシュタイナー思い出した

322: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/01/27(水) 14:47:44.83 ID:/96E6a6P
元ネタの主人公の場合、元々演技と割り切っていたのと基本的に接点が無いことでその辺の問題は無かったしな…

なお、記憶保持者がいて、しかもそのために本命を振らなくちゃならなくなった模様

324: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 22:35:44.39 ID:QgPMidoB
レスありがとうございます。ネタバレになりそうなので内容に関するレスは返せませんが、大変励みになります。

325: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 22:37:13.49 ID:QgPMidoB
※※※

翌日学校中庭

愛「そ、それで、カリンはOKしちゃったの!?」

果林「まあ、姫乃は一生懸命で可愛いし、スクールアイドルのことも色々と教えてくれるから」

愛「へ、へえ……」

愛(嘘でしょ!? 昨日の今日でこんなことってあるの!?)

愛(いや、それよりも……)

愛「このこと、エマっちには……」

果林「まだ話してないわよ?」

愛「そ、そうなんだ」ホッ

果林「?」

果林「どうしてエマが出てくるのよ」

愛「あ、いや、その……」

愛(説明すれば、確実にエマっちの好意について触れることになっちゃう……)

愛「カ、カリンとエマっちはすごい仲良いじゃん? だからやっぱりそういうのは、一番最初にエマっちに教えるのかなって思っただけ!」アセアセ

果林「……そう」

果林「そういえば、前にもここであなたとエマの話をしたわね……」

愛「!」

326: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 22:48:51.19 ID:QgPMidoB
愛「!」

愛「覚えて……るの?」

果林「つい最近のことじゃない? 愛がエマと仲良くなりたいから色々教えてくれって……」

愛(そうか! りなりーが記憶をいじるのはあくまでその後の生活に齟齬が出ない範囲! あの時のカリンとの会話では、何も影響が出ないと判断したんだ!)

愛「そんなこともあったよねー!」

愛「……話は戻るけど、姫乃と付き合ってることは、今はまだ同好会の皆には隠しておいた方がいいかも」

果林「何故?」

愛「昨日の今日で付き合ったなんて、皆びっくりするの思うし、軽いノリで付き合うのに否定的な意見を持つ子もいるかもしれない」

愛「それに、今は皆、ダイバーフェスに集中したいと思うんだ」

果林「……それもそうね。ありがとう愛、最初に話したのがあなたで良かったわ」

愛「愛さんこそ、話してもらえて嬉しかったよ」

果林「そう」ニコッ

果林「……ところで」

愛「?」

果林「ここから三年生の教室への戻り方、もう一回だけ教えてもらっても良いかしら?」

愛「ええ……」

327: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 22:58:35.60 ID:QgPMidoB
放課後

侑「というわけで、話し合い後の厳正なる部員投票の結果、ダイバーフェスに出演するのは……」

侑「果林さんです!」

ワーワーパチパチ

侑「驚くほど僅差だったよ!」

せつ菜「果林さん! おめでとうございます!」

果林「ありがとう、同好会の代表に恥じないパフォーマンスをするわ」

かすみ「果林先輩なら、納得できちゃいますね……」

歩夢「すごい情熱がありましたもんね!」

エマ「果林ちゃんおめでと~!」

果林「皆、ありがとう」

果林「……」

328: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/27(水) 23:25:41.22 ID:QgPMidoB
※※※

数日後天王寺家

愛「おーっすりなりー!」

璃奈「愛さん」

愛「ダイバーフェスの話が来たときはどうなることかと思ったけど、最近の同好会は平和だねえ」

璃奈「……そうでもない」

愛「?」

璃奈「ここ数日で、急に心の隙間が大きくなったメンバーがいる」

愛「え?」

愛(誰だろ? まだ攻略して無いのはカリン・歩夢・ゆうゆくらい……。でもこの3人は悩んでいるようには……)

愛(……! そういえば、かすかすの記憶を消した時のりなりーが、同じ子にまた隙間が出来ることもあるって言い方をしていたような……)

愛「だ、誰?」

璃奈「――果林さん」

愛「……え?」

329: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 00:52:14.22 ID:8QgYxEkt
※※※

愛「よりにもよって、カリンか……」トボトボ

愛(これって、未だかつてない修羅場だよね。エマっちはカリンのこと大好きだし、カリンには既に姫乃という恋人がいる……)

愛(そこに割って入ろうとするなんて、愛さんの業が深すぎない……?)

果林「あら、丁度良かったわ」

愛「カリン?」

果林「愛に用があったのよ」

愛「なになに、また道でも聞きたいの?」

果林「ええ。ただ今回は、恋の道について。恋愛相談がしたいの」

愛「……は!?」

愛「なるほどね、姫乃が好きなのは、大人でカッコいいカリンなんだ」

果林「ええ。だから、あの子といるとちょっと息苦しくて……」

果林「ずっと甘えてきて可愛いし、今度のライブの特訓だって熱心に付き合ってくれてるわ。でも」

果林「常に完璧な私を求められるのって、中々辛いものね」

愛「……」

330: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 01:54:46.19 ID:8QgYxEkt
愛(つまり、果林の心の隙間が拡がった原因は姫乃……)

愛(単純に恋人が出来るだけじゃ、隙間は埋まらないんだ。それどころか、拡がる可能性もあるだなんて……)

愛「姫乃は、本当に完璧なカリンだけを求めてるのかな?」

果林「どういうこと?」

愛「ありのままのカリンを見せたって良いんじゃない? 時折弱いところを見せられるのって、愛さんなら結構きゅんとするけど」

果林「……」

愛「?」

果林「私はあの子にとって憧れの存在なの。あの子の夢を壊したくない。それに」

果林「怖いのよ。あの子の期待を込めた言葉が、羨望の目が。それを向ける対象を失った時、あの子は私をどう思うのかしら」

愛「カリン……」

愛(きっと、姫乃はそんな子じゃないと思うんだけど……。この二人が上手くいくようにすれば、カリンの心の隙間は埋まるかもしれない……でも)

愛(エマっちは、どうするの?)

愛(……もしもの時は、もう一度……!)

331: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 01:55:50.22 ID:8QgYxEkt
愛「でもこのままじゃ、長続きしないよ?」

果林「それは、わかってるのだけど……」

愛「姫乃は良い子だし、きっとカリンが心配しているようなことにはならないと思うけど……」

果林「……そうかしら」

愛「とにかく、一回弱いところも見せてみたらどうかな? 恋人なんでしょ?」

果林「……そうね、考えてみるわ」

332: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:06:52.93 ID:8QgYxEkt
※※※

ライブ当日

『東雲学院→藤黄学園→虹ヶ咲学園』

果林「……」

姫乃「どうしたんですか、果林さん?」

果林「姫乃。……ちょっと、緊張しちゃってね」

姫乃「果林さんでも緊張するんですね。意外です」

果林「……」

果林「そうなの……。だから」

姫乃「大丈夫ですよ! 果林さんは何でも完璧なんですから!」

果林「……え、ええ」

姫乃「今日のライブ、楽しみにしています」

果林「……ありがとう」

(会場内から聞こえる大歓声)

果林「……」ゴクリ

345: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 03:18:33.50 ID:8QgYxEkt
すみません、>>332>>333の間にこれが入ります。

※※※

しずく「遅いですね、果林さん」

璃奈「もうすぐ出番なのに……」

エマ「スマホは置きっぱなしだし……」

侑「まさか、迷子?」

かすみ「えぇ? 子どもじゃあるまいし、そんなはずあるわけ……」

侑・歩夢・せつ菜「「「あるかも」」」

かすみ「あるんですか!?」

エマ「探さなきゃ!」

愛「……ここは、手分けして探そう。そっちの方が早く見つかると思う」

せつ菜「そうですね! 行きましょう!」

タッタッタッ

※※※

333: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:35:19.89 ID:8QgYxEkt
※※※

愛「……!」

愛「カリン!」タッタッタッ

愛(良かった! 私が最初に見つけられたみたい!)

愛「どうしちゃったの?」

果林「ああ、愛……」

果林「……」

果林「ビビってるだけよ」

果林「我ながら、情けないったらないわね。こんな土壇場で、プレッシャー感じちゃうなんて……」

果林「ほんと、みっともない。あんな偉そうなこと言ったのに」

果林「……ごめんなさい」

愛「……姫乃は?」

果林「……やっぱり、ダメだった。あの子はきっと、弱い私を許さない……」

愛「そっか……」

334: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:46:12.55 ID:8QgYxEkt
愛(……かすみんのこともあったし、アタシ萎縮してた。そのツケが今の状況だとしたら……)

愛「果林はさ、姫乃のこと好きになれそう?」

愛(今、アタシは最低なことをしようとしている)

果林「……」

果林「正直、自信はないわ」

愛(でも、ここでライブが出来なかったら、カリンだけじゃない……同好会の皆が!)

愛さんは(だから……)

愛「……アタシなら、カリンにそんな思いさせないのにな」

果林「!?」

果林「あなた……何を」

愛「愛さんなら、カリンの良いところは沢山知ってるし、弱いところも愛してあげられるよ?」

335: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:47:20.38 ID:8QgYxEkt
果林「……」

愛「ねえ、カリン。恋愛なんて、我慢してするもんじゃないよ?」

果林「……でも」

愛「カリンは方向音痴なところも可愛い。意外と勉強が苦手なところも可愛い。本当は臆病なところも、こういう時に緊張しちゃうのも、愛さんはとっても愛おしいと思う」

果林「愛……」

愛「怖かったよね、辛かったよね。でももう大丈夫。アタシが、カリンの全てを肯定してあげるから」ナデナデ

果林「……」

愛「……姫乃に悪いと思ってるの?」

果林「……うん」

愛「カリンは悪くないよ。そんな優しいカリンも、愛さんは大好き」

果林「……そう、なのかしら」

336: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:50:30.30 ID:8QgYxEkt
愛「うん。だから、もうそんな顔しないで」

愛「どんなカリンも好きだけど、やっぱり女の子は笑顔が一番可愛いでしょ?」

果林「……うん」

果林「ありがとう愛。少し、落ち着いたわ」

愛「あはは、役に立てて良かった。ほら、顔上げて?」

果林「ええ」スッ

果林「……!」

チュッ

愛「えへへ、何その顔。もしかして、まだ姫乃とちゅーもしてなかった?」

果林「……」

愛「今のカリン、世界一可愛いよ」ニコッ

愛「……どう? ライブは出来そう?」

果林「……っかい」

愛「?」

果林「その……」

果林「もう一回してくれたら、頑張れるかも」

愛「……ん」

チュッ

愛「キスは何回でもしてあげるけどさ。愛さんはカリンに頑張って欲しいわけじゃないよ?」

果林「?」

愛「もう、頑張らなくて良いの。どんな失敗をしても、アタシが包み込んであげるから」

愛「失敗を恐れないで、自分の好きな通りにやってみて?」

果林「……うん!」

愛「よし! じゃあ皆のところに戻ろっか!」ニギッ

果林「ええ」

337: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:51:47.32 ID:8QgYxEkt
※※※

ライブ後

姫乃「果林さん、やっぱりあなたは最高です!」

果林「ありがとう。姫野が一生懸命練習に付き合ってくれたおかげよ」

姫乃「……!」パァ

果林「私、ずっと完璧でいることを心がけてきた。足りないものがあれば努力してすぐに埋めてきた」

姫乃「はい! それが、私の憧れている果林さんです!」キラキラ

果林「……うん。私もそれが、私が朝香果林であるための条件だと自分を鼓舞してきたわ」

姫乃「素敵だと思います!」

果林「ふふっ、ありがとう」

果林「私はね、これからも自分に正直に、私らしく生きていきたいと思うの」

姫乃「……?」

姫乃「果林、さん?」

果林「だからね姫乃。本当に短い間だったけれど……」

果林「――別れましょう?」

338: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:52:48.67 ID:8QgYxEkt
姫乃「……!?」

果林「私と付き合ってくれてありがとう。告白された時は、とっても嬉しかったわ」

姫乃「じゃあ、どうして!?」

果林「あなたに非はない。私はあなたを本当に可愛いと思っていたし、魅力的な子だと今でも思ってるわ」

果林「だけどね、私はあなたの前では本当の私ではいられないの。どうしても無理をしてしまう」

姫乃「……果林さん?」

果林「こんな形で申し訳ないけど、これが私の気持ちよ。それじゃあ」クルッ

姫乃「待ってください!」

果林「……」スタスタ

姫乃「どうして……どうしてぇ……」

339: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:55:43.45 ID:8QgYxEkt
※※※

璃奈「お疲れ様」

愛「……うん」

璃奈「大丈夫?」

愛「う、うん……! 今回の件で、やっぱり私がやらなきゃいけないんだなって思い知った、かな?」

璃奈「……」

璃奈「……そう」

璃奈「愛さんは、強いね」

愛「そんなんじゃないよ。ただアタシは、誰かが落ち込んでるのをほっとけないだけ……」

愛「……!」

愛「姫乃はどうなったの!?」

璃奈「今のところ、心に隙間が出来た様子はない。会いに行ってみたら?」

愛「うん!」ダッ

璃奈「愛さん……。じゃあどうして、あの時私を一人にしたの?」

340: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:57:00.63 ID:8QgYxEkt
※※※

愛「姫乃ー!」ダッ

姫乃「あら、宮下さん。藤黄学園に何かご用ですか?」

愛「ああいや、藤黄に用事がある訳じゃないんだけど……」

姫乃「?」

愛「その、ライブお疲れ様ってのと、あの、えっと……」

姫乃「……ふふっ、大体分かりました。あなたが心配しているようなことにはなっていないので、ご安心ください」

愛「?」

姫乃「果林さんの件でいらしたんですよね?」

愛「……わかるの?」

姫乃「ええ。あなたが私に向ける心配そうな眼差し。私が心配されるような出来事と言えば、最近では果林さんに振られたことくらいしかないですもの」

愛「……平気なの?」

姫乃「当然振られた時はもう死にたくなる思いでしたよ。でも――」

341: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:58:14.57 ID:8QgYxEkt
――――
――

姫乃が振られた直後

姫乃「確か、果林さんはこちらの方に……」

姫乃「……!」サッ

果林「……っ」

果林「緊張したぁ……!」ダキッ

エマ「よくできたね~。よしよ~し」ナデナデ

姫乃(あれは……エマさん?)

果林「正直、本当に直前までライブなんて出来る状態じゃなかったのよ。手足も震えて、頭の中が真っ白だった」

姫乃(果林さん……)

342: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 02:59:24.06 ID:8QgYxEkt
果林「でも、エマが『失敗しても良い』、『頑張るな』って言ってくれて、リラックスできたわ」

エマ「うふふ、役に立てたなら良かった」ニコニコ

エマ「果林ちゃんはそういうとこも含めて素敵なんだから。自分らしくしていれば良いんだよ」

エマ「時には甘えることも忘れずにね?」

果林「……ええ」

姫乃(あんな果林さん、初めて見た。エマさんの前だと、あんなに子どもっぽく……)

姫乃(……私は、果林さんをきちんと見てあげられていなかったようですね)

姫乃(エマさんはあんなに信頼されて、ちゃんと本当の果林さんを大事にしている……)

姫乃(……悔しいですけど、完敗です)

――
――――

343: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 03:06:12.33 ID:8QgYxEkt
姫乃「もちろん、果林さんを諦めたわけではありません」

姫乃「ただ、私はまだ果林さんの……いえ、誰かを愛せる器ではなかった」

姫乃「もっと私自身が成長して、相手の全てを受け入れられるようにならなくては。相手が、私に全てを見せてくれるような人間にならなくては。そう、思いました」

愛「姫乃……!」

姫乃「いつか、絶対にもう一度果林さんに告白します。そして、今度はちゃんと好きになってもらいます!」

愛「そっか! 応援してるからね!」

姫乃「はい!」

果林編 完

344: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 03:09:28.92 ID:8QgYxEkt
果林編完結です。
話の流れとしては
一章 かすみ編~ハルカカナタ編
二章 しずく編~果林編
のイメージなので、次から最終章入ります。

346: 名無しで叶える物語(光) 2021/01/28(木) 03:44:27.93 ID:HB5HMDqI
乙です!流れ的に姫乃はどうなったの台詞の前が愛なのは誤字かな?
りなりーが不穏な事言ってるのが気になる…

347: 名無しで叶える物語(とうふ) 2021/01/28(木) 04:04:40.80 ID:8QgYxEkt
>>346
レスありがとうございます。
そこは果林を攻略したことによって、姫乃に何か影響が出たんじゃないかと愛さんが気付いた場面なので、愛さんで合ってますね。

348: 名無しで叶える物語(あら) 2021/01/28(木) 07:47:47.83 ID:niBFyRj7
同じ出来事でも、さっぱりした前向きな性格だと隙間ができにくかったり
できても大きくなりにくい感じなのかな。溜め込むタイプだとその逆で

349: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/01/28(木) 10:33:42.03 ID:G0A1dfwp
愛さん頑張れ

350: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2021/01/28(木) 18:51:53.07 ID:nwsDVSGU
原作でも確か無かったNTR展開だ
まあ憧れは理解から一番ほど遠い感情ってセリフがあるくらいだしね

バディ枠のりなりーが”ラスボス”なのかな?
ゆうぽむは愛さんが落としたら間違いなくどっちかの隙間が広がるよなぁ

https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1610789572/

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