【SS】四季「Done.押した物の何かが反転するボタン」かのん「わぁ」【ラブライブ!スーパースター!!】

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【短編小説】四季譜 秋の朝   #shorts  #小説  #短編小説

【SS】四季「Done.押した物の何かが反転するボタン」かのん「わぁ」【ラブライブ!スーパースター!!】

2:(もんじゃ) 2023/07/30(日) 23:41:30.99 ID:+R7PvttP

四季「早速だけど、かのん先輩にも試して欲しい」

かのん「いいの?」

四季「データは多い方が助かる」

かのん「そっかぁ、それじゃあポチっとな」ポチ

かのん「……」

四季「……」

かのん「アレ、私なんか変わったかな……?」

四季「……前髪」

かのん「前髪……?」サワサワ

かのん「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」

四季「noisy……」

かのん「前髪! 前髪が反転してるーっ! 戻って! 戻って!」グイッ、クイッ

 

3:(もんじゃ) 2023/07/30(日) 23:45:37.98 ID:+R7PvttP

四季「落ち着いてください、それくらいは──」

かのん「この形がお気に入りなんだもん! この跳ね方が私って感じなんだから戻したいよー!」グイッ、クイックイッ

かのん「戻゛ん゛な゛い゛よ゛ぉ゛~!!!」ビェェェ

四季「だから落ち着いて、これは5分経てば効果は戻ります。それと、押した人がもう一回押せば──」

かのん「え゛え゛い゛っ!」ポチー

四季「戻り……ましたね」

かのん「良かったぁ~……おかえり、私の前髪ちゃん……」

四季「別に切れてたわけじゃないのに……」

かのん「ところで、四季ちゃん自身は既にボタン押したの?」

四季「押しました。私は髪色が真っ赤になって、メイとお揃いみたいだった……けど、5分で切れると思うと寂しいから直ぐに押して元に戻しました」

かのん「そっかぁ……四季ちゃんの毛の色って、丁度メイちゃんと真反対みたいな感じだもんねぇ」

四季「Yes.出会った時には運命を感じた」

かのん(髪色が反対の人と出会うだけで運命感じちゃうなら、金髪の人とかと出会っても運命感じちゃうんじゃないかなー……すみれちゃんとか)

 

6:(もんじゃ) 2023/07/30(日) 23:49:45.16 ID:+R7PvttP

「おい、かのん先輩の叫び声が聞こえたけどどうしたんだ?」ガチャッ

四季「あ、メイ」

メイ「おう四季、かのん先輩と二人っきりだったのか?」

四季「Yes.新しく作った発明品を試して貰ってた」

メイ「ふーん……で、かのん先輩が絶叫してたけど、何が起きたんだソレ」

四季「かのん先輩の前髪の向きが反転した」

かのん「一時はどうなるかと思ったよ……この前髪の跳ね方がお気に入りだからさ、手でやっても戻んなかったし」

メイ「あ? なんじゃそりゃ、どういうボタンだよ……」

四季「押した物や人の何かが反転するボタン。メイ……じゃあ、その手に持ってる雑誌借りるね」

メイ「え、あ、ちょ、オイ! それさっき買ったばっかの──」

四季「こうやって、雑誌でボタンを押してみると」ポチ

メイ「っ、お、え……えええっ!? お、お、おい四季! これ全部鏡文字になってんじゃねーかよ!」

 

8:(もんじゃ) 2023/07/30(日) 23:56:06.88 ID:+R7PvttP

四季「反転した。でもNoProblem、五分経つかもう一回ボタンを押せば元に戻る」

メイ「もう一回だ? なら!」ポチッ

四季「あっ、待ってメイ」

メイ「あ!?」

四季「押すのは『このボタンの効果で反転した物』じゃないとダメ。だから、戻すなら雑誌で押さないと」ポチ

メイ「戻った……って、私は今どうなってんだ!? 何が反転したんだ!?」

四季「……oh」

メイ「おい四季! いったい何がどうなって──あり?」

四季「体の向きそのものが反転してる。まるでヌケサク」

メイ「ぎゃあああああ!? なんっじゃこりゃ! お、おい四季! すぐボタン寄越せ! こんなの誰かに見られでもしたら──」

かのん「私が見てるんだけどなー……うわ、傍から見るとすっごいグロいね」

メイ「あああああっ! かのん先輩のお目汚しになってんじゃねーか! さっさと寄越せ!」バッ、ポチッ

四季「戻った」

メイ「ふー……っぶねぇ、お前マジふざけんなよ四季……」グッ、ギロッ

四季「どこまで反転するかは私にもわからないボタンだから仕方がない、発明にはそういうのが付き物」

メイ「だからってなぁ! いきなり人を……!」

四季「そもそも私の説明を聞かず、勝手にボタンを押したのはメイ。こういうものには元に戻す機能が付き物なのに、勝手に慌てたメイが悪い」

かのん「そうかな?」

 

9:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 00:05:45.81 ID:aRDGNE5o

四季「……」

かのん「誰だって、普通にあり得ないことが起きたら慌ててどうにかしたいと思っちゃうよ。
私だって、さっき前髪がいきなり反転したから慌てちゃったし、それが大切な物とかなら冷静じゃいられないと思うな」

四季「あ……」

メイ「この雑誌、四季や私のことも書いてある奴で……初めて、私たちが『Liella!の追加メンバー』じゃなくて個人のスクールアイドルとしてまとめられた奴だったんだよ」

四季「……ごめん、メイ……私の身勝手に巻き込んで……もっと、ちゃんと説明してから確認を取れば良かった……ごめんなさい……」ショボン

メイ「……別に、元に戻ったからもういいよ。先輩たちやきな子とか、一年には同じことすんなよ」

かのん「え、夏美ちゃんには?」

メイ「アイツは1回くらい私と同じ目に遭っちまえ……」メラメラメラメラ

かのん「ヒィィィ……」

四季「メイ、こないだ夏美ちゃんにからかわれて少し根に持ってる」

メイ「アレはからかいとかそういう次元じゃねえんだっつの……」ゴゴゴゴゴ

かのん「えぇ……何があったの……?」

四季「メイがお台場でやってたお祭りライブを見て、号泣してるのを指さして笑った」

かのん「可可ちゃんとメイちゃんにやったらダメな奴だよね……うん、私も一回、可可ちゃんに似たような事しちゃってマジギレされたから……」

四季「人は自分の『大好き』を楽しんでるところを馬鹿にされるとトサカに来やすい、誰だってそう」

かのん「そうかな?」

四季「そうです」

 

10:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 00:12:02.16 ID:aRDGNE5o

「こんにちはデスー」ガチャッ

かのん「可可ちゃん!」

四季「丁度良かった。押す人が変わればどんな効果が現れるかもまた変わるかもしれない」

可可「? シキシキ、それは何デスか?」

四季「押した人や物の何かが反転するボタン。どこまで効果があるかの実験中です」

可可「面白そうデスね!」

四季「可可先輩も試しにどうぞ、一応今のところ危険性はないです」

メイ(狼顧の相みてーなことになっても、私の体何も異常なかったもんな……)

可可「じゃー押すデス! リャァッ!」ポチー

四季「ワクワク」

 

13:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 00:24:22.81 ID:aRDGNE5o

可可「ん~? 何も変わってないデス」キョロキョロ、プラプラ

四季「気付いていないだけで、必ず何か変化はあるハズ。私もかのん先輩もメイも体に変化はでました」

可可「ん~……やっぱり体に違和感はないデス。もしかしたラ、体以外に変化がでたかもデス!」

かのん「もしかして、学力とか、体力とか?」

可可「試しにやってみるです! 腕立て~!」グググ

可可「全然変わってないデス……」チーン

メイ「じゃあ、いったい何が変わったってんだ……?」

可可「ふぅ……取り敢えず、こんな時はブラックコーヒーでも飲んで落ち着くデス……」

四季「……ん? ブラックコーヒー?」

かのん「あれっ、可可ちゃんってそんなに苦いの好きだっけ?」

可可「何を言うデスか、かのん。ククは苦いの大好物デス。かのんが喫茶店で出してくれたコーヒーの味、今でも忘れてないデスよ」

かのん「えぇっ……? あの時出したのって、ココアだったような……」

メイ「……可可先輩。一応聞くんスけど、コレって食べます?」

可可「チョコレート? いらないデス。ククは甘いもの食べれないデスよ」

四季「ビンゴ……多分可可先輩の反転してるものは食の好み」

かのん「記憶まで改ざんしてない?」

四季「好みは記憶から出来るもの……きっと、好みが変わったことで記憶もおかしくなったのかもしれないです」

メイ「マジかよ……」

四季「まぁ、コレは5分間放っておいても何も問題はないかも」

メイ「ないのかよ」

可可「ぷはーっ、ニガワタルシミミ……」

かのん「ホントに飲んでる……っていうか、いつ買ったんだろう」

メイ「ホントだ、そういやいつもブラックコーヒーなんて買ってないのに、なんで鞄に……?」

四季「……そういえば、最近すみれ先輩が眠そうにしてることが多かった」

メイ「あー、そういうことか」

かのん「差し入れ用だったんだね……自分で飲んじゃってるけど」

 

15:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 00:31:03.56 ID:aRDGNE5o

四季「それにしても、体に及ぼす変化は味の好みみたいな脳に影響するものまで出てる……もしかすると、知能指数とかも反転するかもしれない」

メイ「怖えな、それって恋先輩みたいな人が押したら突然バカになったりするワケだろ?」

四季「yes.アッパラパーな恋先輩は流石に見たくない……」

かのん「ははっ、でも好みが反転するなら恋ちゃんのゲーム好きが治ったりして……」

四季「あの好き具合が反転したら、多分持っているゲーム機をその場で叩き壊しちゃうかもしれない」

メイ「戻った後が地獄だな、ソレ」

かのん「ここにも戻った後が地獄な人が一名いらっしゃるけど……」

四季「もう遅い、仕方ない……」

「うぃっすー!」ガチャッ

かのん「あ、ちいちゃん! うぃっすー」

千砂都「ん。まだ揃ってるのはこんだけかぁ……ん? 可可ちゃん、ブラックコーヒー飲んでるの? 苦いの好きだったっけ?」

可可「ククはずっとブラックコーヒー好きデスよ!」

千砂都「んー……?」

かのん「ちょっとワケありなんだ、こっち来て」チョイチョイ

千砂都「何々?」

四季「コレの影響で、今可可先輩は味の好みが反転してる」

千砂都「ほぉ~……これは中々のマル具合……じゃなくて、コレは四季ちゃんの発明?」

四季「yes.押した物や人の何かが反転するボタン」

千砂都「なるほどぉ……かのんちゃんたちはどうなったの?」

かのん「私は前髪が……」

メイ「……私は、雑誌の文字が」

千砂都「はへ~……でも、その様子を見る限りすぐに戻ったりする感じかな?」

四季「ご明察。五分経過か、押した物や人がもう一度押せば元に戻る」

千砂都「そうなんだ。それじゃあ、私も遠慮なく押してみちゃうYO!」ポチー

四季「即決」

 

18:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 00:45:13.83 ID:aRDGNE5o

千砂都「……ん? 私は何が変わったのかな……?」

かのん「うーん……何も変わってないように見えるけど……」

メイ「可可先輩みてーに、何か好みが変わったとかそういう感じか?」

四季「なら調べる、千砂都先輩。試しにダンスしてみて」

千砂都「ダンス? いいよ! よっ、はっ、ほっ!」シュバッ、シュッ、バッ

かのん「流石、凄いキレ!」

四季「ダンスは苦手になったりしてない……不明」

メイ「んー、じゃあ。好きな食べ物は?」

千砂都「たこ焼きと桃! あのマルがいいんだよ!」

かのん「好きな言葉は?」

千砂都「早起きは三文の徳、笑う門には福来る!」

メイ「……合ってる」

かのん「中々わかんないね……」

千砂都「うーん、ごめんね四季ちゃん。なんだか力になれなかったみたいで」

四季「NoProblem.今はわからないから推理も出来ないだけ、実験の駆け出しだからこそ仕方ないです」

メイ「それじゃあ、他の人たちにも押して貰えばどれだけ出来るかとかもわかって推察しやすそうだな!」

四季「まぁ、そんなことをしてたら5分経って元に戻るけど」

千砂都「あはは、じゃあわからないならわからないでいっか」

四季「ん。それに、五分経ってからでももう一回ボタンを押せばまた別の効果は現れる」

かのん「四季ちゃんは2回押したの?」

四季「Yes.一回目のトライは髪色、二回目のトライでは利き手が変わった」

かのん「そうなんだぁ……完全ランダムなんだね」

四季「だから、かのん先輩やメイもまた押せばランダムで別のものが反転するかもしれない」

メイ「そうなのか……じゃあ、この目とかも変えられんのか……?」

四季「目の形に、対になる物なんてないと思うから無理かも……それに、目の色が反転するかもしれない。赤と黒の目とか」

メイ「……やめとくわ」

四季「それでいい。それに、メイの目は可愛いから変えちゃダメ」

メイ「バッ、おまっ……! 可愛いとか言うな!」

四季「事実」

メイ「それでもだ~っ!」

 

19:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 00:52:34.91 ID:aRDGNE5o

かのん「そういえば、可可ちゃんがボタン押してからそろそろ5分だね」

四季「Time limit……」

メイ「く、可可先輩……!」

可可「ふぅ、あと一口なのが惜しいデスが、せっかくなので飲み切っちゃいマスー」ゴキュッ

可可「……~ッ! ぶはっ! に、ニッガァァァ~ッ! ニガいデス~! げほっ、げほっ……」

かのん「わぁっ、大惨事! 床がコーヒーまみれに……」

千砂都「わわわ、ど、どうしよどうしよ! こ、こんな時は……えぇと……」

メイ「お、落ち着け先輩たち! 濡れ雑巾で急いで拭けばそんなにシミになんねーハズだ!」

四季「水道まで遠い。なら」パキュッ、ビチャビチャ

メイ「お、おい四季?」

四季「飲み水だけど……Time is money.雑巾だけならあったから、コレで拭く」

千砂都「わ、わぁ……頼りになるね、四季ちゃん!」

かのん「……」

可可「ヒー、ヒー……」ンベッ

メイ「あ、可可先輩! 私のチョコ食ってください! 口直しに!」スッ

可可「た、助かりマス……く~っ、生き返りマス~……!」パク、パクパク、パァクゥクゥ

かのん「……四季ちゃん、もしかしたらちぃちゃんの反転した要素わかっちゃったかも」

四季「Realy?」

かのん「うん。ちょっと見てて」

 

21:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 01:02:46.20 ID:aRDGNE5o

かのん「ね、ちぃちゃん! まだ早いけど、今日の練習メニューはどうしよっか!」

千砂都「え、えーと……そうだね、えぇっと……い、いつものにする? でも、変化をつけた方がいいかな、それとも……」ウーン

四季「……変」

かのん「きっと、リーダーシップが反転したんだと思う。なんか、急に頼りがいみたいなのが消えた気がして……」

千砂都「え、か、かのんちゃん……わ、私、頼りない……?」ズーン

かのん「あぁっ、い、いやそういうわけじゃなくて……ほら、ボタンで反転しただけだから! いつものちいちゃんはすっごい頼れるから! ほら、ちいちゃん部長は有能です! 復唱っ!」

四季・メイ「ちぃちゃん部長は有能です」

千砂都「言わされたのを聞いても嬉しくないYO……」ショボーン

四季「千砂都先輩、ボタン押して。すぐに戻る」

千砂都「うん……」ポチー

四季「……まさか、リーダーシップの有無まで反転するとは思わなかった」

メイ「味の好みとかよりも衝撃だぜ……」

可可「ククの味の好みもそうでしたが、自分で気付かないように変化してるっていうのは怖いデスね」

四季「でも、まだ優しい方かもしれない……人の感情や好みまで反転してしまう効果があるなら、もっと危ない効果を引き出す可能性もある……」

メイ「危ない効果? なんだよ、ソレ」

四季「……まず、前提として私はメイが好き」

メイ「ぶはっ……お、おまっ……!」

四季「その状態の私がボタンを押したら、好きが反転してメイが大嫌いになるかもしれない」

かのん「そうかな? 好きの反対は無関心だと思うんだ」

四季「あくまで可能性。無関心になるかどうかはまだ不明」

かのん「そっかぁ……」

四季「脱線した、話を戻すと……私がメイのことを大嫌いになったら、私はメイに酷いことをするかもしれない」

メイ「オイ四季、嫌いな人に酷いことするのかよ……」

四季「嫌いな人だと、何かをされたと思ってする仕返しも酷くなるかもしれない。夏美ちゃんの時みたいに済まさないかも」

千砂都「そっかぁ……それじゃあ、このボタンを押すときは慎重にならないとだね」

四季「Yes……だから、次から押すときは一応押した人が暴れ出したりしないように、メイや千砂都先輩が抑える側に回ってくれると嬉しい」

メイ「実験そのものは続けんのかよ」

四季「こればかりは続けたい……科学部の性」

かのん「凄い性だね……」

 

25:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 01:15:10.77 ID:aRDGNE5o

千砂都「……ところで思ったんだけど、これって体にも変化が起きるんだよね?」

四季「yes.現にかのん先輩や私には起きました」

千砂都「なら、もしかしたら胸やお尻のサイズとかも、変わったりするの?」チラッ

かのん「あ、あぁ~、それだよね。それは確かに気になるよね~」チラッ

四季「……それは、危険かも」

メイ「危険? 胸や尻がデカくなることが危険なのかよ?」

四季「そうじゃない……反転するボタンだけど、どう反転するのかが不明」

かのん「どう、って?」

四季「例えば、数字は1~9までならそれぞれ5を中心に対になる数字がある」

千砂都「1と9、2と8、3と7、4と6、だよね」

四季「もしそれが反転するんだとしたら……例えば、胸のサイズが84cmの人が使ったりすると」

メイ「26cmになる可能性があるのか……もはや抉れてんじゃねえか」

四季「単に1の位と10の位が入れ替わるだけかもしれないけれど……それでも、人によっては凄いことになる」

かのん「あぁ~、じゃあ、78cmくらいの子とかなら初めて意味のある反転になるんだね」

四季「……と言っても、たった5分でなくなる上にこんな道具に頼っての豊胸は最初から意味も何もないと思います」

メイ「バッ、おい四季……!」

かのん「あ、あはは……意味のない豊胸……か」

千砂都「は、ははははは……スクールアイドルでも、一回くらいはこういう夢って見て見たいんだけどね……」グスッ

四季「……! だ、大丈夫です。今度、スリーサイズが可変できるボタンを作ってみます……」

かのん「ホント!?」

四季「い、yes……」

四季(どうやって作ればいいの……そんなの……)

 

26:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 01:31:43.14 ID:aRDGNE5o

「……」ガチャッ

かのん「あっ、マルガレーテちゃん!」

マルガレーテ「部室に集まってると思えば、ダラダラ雑談。暇なの?」

メイ「っ、オイ。練習前だからそれくらい──」

四季「……」ツカツカ

メイ「っ、四季?」

四季「マルガレーテちゃん。このボタン、押してみて」

マルガレーテ「何よ、コレ」

四季「私の発明。私は科学部も兼部してるから、スクールアイドル部の活動時間の合間でも科学部の実績作りのための実験が必要」

マルガレーテ「それが? 私となんの関係があるのよ」

四季「発明品のテスターが多ければ、データも沢山取れる。だからマルガレーテちゃんにも協力して欲しい」

マルガレーテ「ふん、まぁいいわよ。若菜四季、それじゃあそのボタンを渡して」

四季「はい、どうぞ」

マルガレーテ「押せばいいのよね」ポチッ

四季「どうなるかな。押したら一応返して」

マルガレーテ「はい」スッ

 

28:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 01:33:08.24 ID:aRDGNE5o

メイ「で、何が変わったんだ?」

マルガレーテ「……? 変わった、って?」

四季「このボタンは、押した物や人の何かが反転するボタン。今はマルガレーテちゃんの何かが変わってると思う」

マルガレーテ「……? 特に、何も変わってないと思いますよ?」

かのん「!? えっ……」

可可「マルマルが……!」

千砂都「敬語で話してる……!?」

マルガレーテ「えっ、と? 皆さん、どうかしたんですか? 私、何か変ですか?」

四季「変じゃない……けれど、興味深い状態」

メイ「まさか、態度が軟化……いや、反転してるのか?」ヒソヒソ

かのん「そうだと思う……私たちに敬語のけの字もなかったマルガレーテちゃんが、なんだか恋ちゃんみたいだし」ヒソヒソ

千砂都「これはビックリだよ……口がまん丸になるくらい開くとこだった」ヒソヒソ

可可「なんだか新鮮デスが、戻った後が怖いかもデス……クク、同じユニットだから心配デス……」ヒソヒソ

マルガレーテ「あのぅ、皆さんはなんの話をコソコソしてるんですか?」

可可「ひ、ヒミツデス! 上級生には上級生だけのお話もあったりするんデス!」

マルガレーテ「そうなんですね。1年生の私では、まだその輪には入れないみたいで残念です……」

四季「……面白い」クスッ

メイ「こればっかりは、五分放置で良さそうだな。おいマルガレーテ、せっかくだからスクールアイドルの話しようぜ、雑誌あるし」スッ

マルガレーテ「スクールアイドルの話ですか。いいですね、次のラブライブに出る時の研究にもなりますし、私はまだまだスクールアイドルのことをあんまり知らないですし、勉強になります!」

メイ「だろ? ほら、じゃあまずは……」

 

29:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 01:46:27.48 ID:aRDGNE5o

────

メイ「それで、この聖地お台場で~」

マルガレーテ「なるほど……ラブライブに出る以外にも、スクールアイドルとしての活動は…………」

メイ「ん? おいマルガレーテ、どうし……あっ、もう五分経ったのか」

マルガレーテ「なっ、あっ……え……」カァァァァァ

四季「……顔、真っ赤」スッ、シャーッ

マルガレーテ「っ! 若菜四季! 米女メイ! 今のは忘れなさい! 所詮、そのボタンが作った幻想! 本当の私は……!」

四季「……でも、反転してたのは態度だけ」

かのん「さっきまで、メイちゃんのスクールアイドル講座はキチンと聞いてたよね」

千砂都「じゃあマルガレーテちゃん、本当は色んなスクールアイドルの研究とかして、私たちと仲良くしたかったんじゃ……!」

マルガレーテ「嵐千砂都ぉぉぉ~……! それ以上言うと……!」ゴゴゴゴゴ

千砂都「わぁっ、怖っ……わ、わかったよ。大丈夫、すみれちゃんとかには言わないから……」

可可「無問題デスよ、マルマル。ククも凄い苦い思いをしましたから」

マルガレーテ「……」フンッ

メイ「……『わぁっ、こういう形のスクールアイドルもいるんですね』」(裏声)

マルガレーテ「米女メイィィィ~ッ!」ダッ、シュバッ、ブンッ、スカッ

メイ「おわっ、ととっ……!」ダッ、スッ、シュバッ、ヒョイッ

四季「……noisy」

 

39:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 10:55:46.45 ID:aRDGNE5o

「騒がしいですよ、他の部活動の迷惑にならないようにしてください」ガチャッ

かのん「あ、恋ちゃん! ちょっとマルガレーテちゃんが……」

恋「お二人とも、何をしているのですか」

マルガレーテ「葉月恋……! べ、別にただ米女メイが……」

メイ「私が~?」ニタッ

マルガレーテ「っ、な、なんでもない! ただの気まぐれよ!」プイッ

恋「気まぐれ……そんなことでドタバタと騒いでは、他の階に迷惑になってしまいます。
私たちの練習がある程度音の立つ物であるのは周知されていますが、無暗に騒いでいいものではありません」キッ

マルガレーテ「っ……わ、悪かったわよ……」

メイ「あー、私もなんかごめんな? ちょっとからかいすぎた」

四季「丸く収まった……流石恋先輩」

千砂都「よっ、安心安全の生徒会長!」ヒュー

恋「そ、それほどでも……」テレテレ

かのん「いやいやぁ、副会長の私じゃ収められなかったよ~流石流石~」スリスリ

可可「やっぱりレンレンは皆のモハンテキセートです! カレスコのまとめ役にこれ以上ないほど相応しいデス!」キラキラ

恋「そ、そうですか~! そ、そこまで言われますと……うふふ」ニコニコ

四季(チョロすぎる、メイでもここまで簡単にデレない)

可可(チョロいレンレンの反応で遊ぶのは楽しいデスね)

マルガレーテ「ステージの上に立つ人が褒められなれてなくてどうするのよ……」ボソッ

メイ「黙ってろ、そこが恋先輩のいいとこなんだよ」ヒソヒソ、ゴンッ

マルガレーテ「いたっ……」

恋「マルガレーテさん? どうしたんですか?」

マルガレーテ「なっ、なんでもないわ。ただちょっと頭をぶつけただけよ」プイッ

恋「そうですか。怪我はないですか?」

マルガレーテ「あったら立ってないわよ」フンッ

恋「なら良かったです、マルガレーテさんの体に傷がつかなくて」ニコッ

マルガレーテ「っ、あ、そ、そう!」カァァァァァ

かのん(同レベルのチョロさがいた)

千砂都(大切に扱われたことがあんまりなかったんだねぇ……)ホロリ

 

40:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 11:08:36.32 ID:aRDGNE5o

恋「ところで、すみれさんたちはまだなんですね」

メイ「あぁ、そういやきな子も夏美もまだ来てねーな。冬毬となんか話があるとか言ってたけど」

四季「じゃあ、丁度いい。恋先輩にこれを試して貰いたい」

恋「こちらは?」

四季「押すと、押した人や物の何かが反転するボタン。完全ランダムだから、ゲーム性は高い」

恋「ゲームですか。それならちょっと押して見たくなってきましたね……」ウズウズ

四季「なら押して欲しい。どれくらいの変化が出るかを知りたい」スッ

恋「えー、それでは……あ、ぽちっとな」ポチー

かのん「センス古っ……!」

千砂都「そんなヤッターマンみたいな……」

四季「……何か、変わりました?」

恋「別に、何も……」キョロキョロ

メイ「おいおいおい、また千砂都先輩みてーにパッと見じゃわかんねー奴か……面倒だな」

恋「うぅ……お役に立てずに、すみません……」

四季「NoProblem.これまでなんだかんだボタンの効果は出ていた、だから調べればきっとわかります。
それに、パッと見でわからないくらいのことなら、ボタンの出来ることが想定を超えていたことになるから、大きな収穫」

可可「レンレン、一応聞きマス。好きな食べ物は?」

恋「いちごです」

マルガレーテ「歌ってみてよ」

恋「歌ですか?」

マルガレーテ「出来ないの?」

恋「いえ、問題なく歌えます! 透き通る空~」ラ~

マルガレーテ(うっ、上手い……澁谷かのんにも匹敵するわね……)

マルガレーテ「……まぁ、まぁまぁね」フンッ

千砂都(絶対『上手い』って思ってるよね……)

 

41:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 11:26:30.03 ID:aRDGNE5o

かのん「うーん……それじゃあ、一体何が反転したんだろう」

千砂都「意外と、脱いでみたらわかったりして」

四季「可能性はある。恋先輩、せっかくだから着替えてみて」

恋「え、えぇっ!? 私一人でですか!?」

かのん「いや、そろそろ皆集まるだろうから私たちも一緒に着替えるよ、それなら大丈夫でしょ?」

恋「そ、そうですか……では……」ヌギッ

千砂都「……」ジーッ、ヌギッ

マルガレーテ「……」ジロジロ

メイ「きゃー……」チラチラ

恋「……なんだか、私のこと凄く見てませんか?」

四季「当然見てます、何がどうなったかを確認するためにも」ジーッ

恋「そっ、そんなにも重要なのですか!?」

四季「重要」

かのん「そうかな?」

四季「そうです」

恋「うぅ、そう見られていては全員で着替えていても恥ずかしいですよぉ……」ヌギヌギ、チャクチャク

四季「私は観察のために制服姿のまま。あとでメイに視姦されながら着替えるのでおあいこです」

メイ「しねーよ!!! きな子たちと着替えりゃいいだろお前は!」

恋「はい……着替え終わりましたが、どうですか?」

四季「何も変わってないと思う……着替え方が反転した、ってワケでもないみたい」

恋「そうですか……はぁ……」

グゥ~ッ

 

42:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 13:17:45.32 ID:aRDGNE5o

可可「? 誰デスか、放課後になったばかりなのにお腹鳴らしたのは」

メイ「? 私じゃねーぞ、部室来るまでに一応チョコ食べたし」

かのん「私でもないよ、いつも通りだし」

四季「私はお昼休みの後にご飯を食べた、お腹は空いてない」

恋「あの……私です、なんだか悩んでいたらお腹が空いてしまって」

千砂都「恋ちゃん、お昼食べてないの?」

恋「いえ、朝も昼もちゃんといつも通り食べていて、今日は体育の授業もなかったので特別お腹が減るようなこともないのですが……というか、この時間帯はいつもお腹が減ることはないハズです」

四季「……なるほど、なら今反転したのは多分恋先輩の空腹度合い」

メイ「マジかよ、そんなもんまで反転すんのか……でも、どう反転したんだ? 空腹度合いとかって、数字で表すようなもんだろ?」

四季「数字の反転がわからなくても、例えば82とかならとにかくお腹が空いたのはこのボタンの効果としか考えられない」

かのん「じゃあ、どうする?」

恋「せっかくお腹が空いたからには、何か食べたいですが……どうしましょうか」

千砂都「あ、私カルボナーラパン持ってるよ! きな子ちゃんが『お昼貰いすぎで食べられないっす~……』って廊下で悩んでたから貰っちゃったんだ。食べる?」

恋「食べます!」

千砂都「どーぞ」スッ

恋「いただきますっ」パクッ、ムシャムシャ

かのん「もしかしたら、って思ってたけどこういう風にもなるんだね」

四季「可能性はどんどん上がってきた……早くきな子ちゃんたちにも押して貰いたい」

恋「美味しいです~……」トローン

 

50:(茸) 2023/07/31(月) 19:24:35.86 ID:DtmyKUcg

>>42
これ5分経って元の空腹度+パンで100超えちゃったらどうなるんだ

 

51:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 19:26:26.34 ID:aRDGNE5o

>>50
眠くなる

 

58:(茸) 2023/07/31(月) 22:35:18.95 ID:DtmyKUcg

>>51
かわいい

 

52:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 20:24:39.68 ID:aRDGNE5o

きな子「おはようっす~!」ガチャッ

四季「噂をすれば来た」

きな子「ん? きな子の噂してたんっすか?」

メイ「おう。お前にコレ押させたらどうなるかってな」

きな子「なんっすかそれ」

四季「私が新しく作ったボタン。押した物や人の何かを反転させる」

きな子「相変わらずあれこれ作るっすね~……確か、前は押した人の乳 が敏感になるボタンだったっすよね」

四季「うん。あれはメイに握り潰されちゃったけど、中々良いデータが取れた……」

メイ「あぁいうのは二度と作んなよな……」

かのん「何それ知らない」

千砂都「2年生だけの間であった出来事みたいだね……」

可可「そんなボタンがあるならククも欲しいデス……日本で買ったウスイ本みたいなことが出来るかもデス」

恋(カルボナーラパン美味しいです)

マルガレーテ「桜小路きな子。あなたも押してみなさいよ、コレ」

きな子「ええっ、私も押さなきゃダメっすか? 反転するってちょっと怖いっすよ~」

マルガレーテ「出来ないの? 私は押したわよ」ドヤッ

かのん「私たちもやったんだからさ、せっかくだし押してみてよ」

きな子「うぅ~……な、ならしょうがないっすね~……」ポチッ

 

54:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 20:40:15.59 ID:aRDGNE5o

四季「どう? 何か変わった?」

きな子「ん~……特に、何か変わった感じはないっすね~」

四季「そう……なら、探すまで」

きな子「え、えぇっ?」

四季「きな子ちゃんは同級生だから、ちょっと手加減しない」ポチ

ウィーン、ガシャンッ

きな子「ええーっ!? な、ななななんっすかー!?」

可可「工 ドージンとかでよく見る機械デス! ククも国にいた頃、見たことありマス!」

四季「この体の隅々を調べる機械で、きな子ちゃんの体を調べ尽くす」

千砂都「ほどほどにねー?」

かのん「いや、あれは程々も何もない気がするんだけど……四季ちゃん、あんまり可哀想なことしないでね……?」

四季「NoProblem.敏感な人でもちょっと絶頂する程度」ポチポチ

ウィーン、ウィーン

きな子「や、やっす! こ、来ないでくださいっす!」

ウィーン

マルガレーテ「覚悟を決めなさいよ、桜小路きな子。後輩の私だってやったのよ? それとも、出来ないの?」

 

55:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 20:44:47.13 ID:aRDGNE5o

きな子「出来ないっていうか……嫌っすーーーっ!」ブンッ、ズバァァァンッ

ガシャーンッ、メキャァッ、ドカァンッ

四季「!?」

メイ「な、なんだ!? 突然機械がひしゃげてぶっ壊れたぞ!」

可可「アイヤー……破片飛んできたデス……イテテ」

千砂都「大丈夫? 血は出てないみたいだけど……」

かのん「今の、きな子ちゃんがやったの……? ナニコレ……」

恋「まるでドラゴンボールみたいですね……! きな子さん、もう一回出来ますか!?」

きな子「え、えぇっ……は、はいっす! じゃ、じゃあ……」

四季「ちょっと、待っ」

きな子「はーーーっ!」ブンッ

ドガッシャァァァンッ

四季「oh.no……木端微塵……」

マルガレーテ「部室には傷一つない……何よ、その力」

四季「…………おそらく、反転したのはきな子ちゃんの優しさとか、包容力みたいなもの……慈愛の心が、破壊の力に反転した」

 

56:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 20:44:55.60 ID:aRDGNE5o

メイ「……おいきな子、こっち向いてみ」

きな子「?」

メイ「くらえっ! ペンライト開封した後に出るゴミっ!」ブンッ

きな子「わひゃっ!」ブン、ビシュンッ

メイ「うわ、マジか……黒こげだ……」

四季「シャレにならない……きな子ちゃん。このボタンを慎重に押して」

きな子「は、はいっす……」ポチー

かのん「これで戻ったのかな?」

千砂都「試してみよっか。きな子ちゃん、これ消してみて」

きな子「カルボナーラパンのゴミっすか? わかったっす! はーっ! やーっ!」

シーン

マルガレーテ「出来ないの?」

きな子「出来ないみたいっす……」

かのん「そうかな? 意外とやろうと思えばまだ出来るんじゃない?」

きな子「そう言われても出来ないもんは出来ないっす」

可可「そもそも優しいキナキナに物を壊させるのは可哀想デス」

四季「発明品を壊された私は可哀想じゃないんですか」

メイ「自業自得だろバカ」ゴンッ

四季「痛い……」

 

61:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 23:11:41.41 ID:aRDGNE5o

恋「……っぷ、ん……んー……」フワフワ

かのん「あ、そう言えば恋ちゃんがボタン押してから5分経ったんだね」

恋「なんだか……ふわぁ……」

千砂都「眠くなっちゃったの? なんで急に……」

可可「またゲームのやりすぎデスか? レンレン!」

恋「ちが、います……ゲームは……昨日、触れても……」クラクラ

四季「……反転してた満腹中枢度が、元に戻った。
なら、今の恋先輩は腹八分目の所に、Volumeのあるカルボナーラパンを食べたことになる」

メイ「えぇとつまり……アレか、こないだ四季が言ってた血糖値フィーバーって奴か?」

四季「血糖値スパイク。炭水化物に炭水化物を挟んで、カ口リーも高いカルボナーラパンならこういう事も起きかねない」

メイ「おいおい、大丈夫なのかよ……」

四季「多分大丈夫。日頃からしてるおデブさんならマズいけど、今日たまたま一回くらいなら何ともない」

恋「ん~ふにゃぁ……」ガクッ

きな子「ね、寝っちゃったっす! どうするんすか?」

 

62:(もんじゃ) 2023/07/31(月) 23:12:13.01 ID:aRDGNE5o

かのん「んー……寝かせてあげよっか。恋ちゃん、普段から生徒会のお仕事とかも頑張ってくれてるんだし」

千砂都「そうだね。じゃあ、今日は個人練習にしよっか。丁度、皆それぞれ課題があるワケだし」

可可「そうしまショウ! たまには一人も良いデス!」

マルガレーテ「前と変わらないわね……」ボソッ

きな子「あ、あのー……きな子はマルガレーテちゃんと一緒に練習してもいいっすか? ちょっと、教わりたいこともあるっすから」

千砂都「うん。私はいいと思うよ、マルガレーテちゃんが良ければ、だけど……」チラ

マルガレーテ「っ……別に、いいわよ。桜小路きな子、あなたたち不甲斐ない2年生に私が色々教えてあげるわ」

きな子「助かるっす! じゃあ、お願いするっす~」

メイ「……きなマルか」ボソッ

四季「ナマモノはギルティ」ゴン

メイ「ってーな!」

四季「ただのスキンシップ」

メイ「いや、スキンシップでこんな強く殴るかこのやろーっ!」

かのん「わぁぁ、恋ちゃんが寝苦しくなっちゃうから静かに……!」

四季メイ「あっ……ごめんなさい……」

「はぁ~、外まで聞こえてきましたの。全く騒々しいですの」ガチャ

「意味もなく騒ぐのにエネルギーを使うのは非効率。もっと効率的な時間とエネルギーの配分をすべき。スケジュールは大切」ツカツカ

かのん「夏美ちゃん、冬毬ちゃん。ごめんね、うるさくって……でも、今恋ちゃん寝てるから二人も静かにね」

夏美「わかりましたの、なら今日はいったん動画撮影はお休みですの」

冬毬「この寝顔を配信するのは……」

夏美「後が怖いからNGですの」

 

68:(もんじゃ) 2023/08/02(水) 12:58:59.85 ID:J2G2bAAY

夏美「さ、練習のために着替えますの」ヌギッ

四季「あ、その前に」スッ

夏美「なんですの?」

四季「せっかくだから、私の実験にも付き合って欲しい」

夏美「ボタン? 発明したから効果を試させてってことですのー?」

四季「Yes.他の皆にはもう試したから、夏美ちゃんと冬毬ちゃんに試して貰いたい」

夏美「どんなボタンなんですのー?」

四季「……押した人や物の何かが反転するボタン」

夏美「ほーん……面白そうなボタンですの」

冬毬「……不可解。何故、このようになんの役にも立たないであろうボタンを作ったのですか? 実績を作るのなら、もっと便利な物を作ってからスクールアイドル活動などにも役立てるべきでしょう」

四季「科学部は、何かの役に立つための物を作るだけの部活じゃない。根底は人を笑顔にするための物だから」

夏美「まぁ、四季のトンチキ発明ぶりはいつものことですの。正直、固有性ならこういうトンチキな物の方がありますから、下手な便利グッズの下位互換を作るよりかは立派ですの」ポチー

 

69:(もんじゃ) 2023/08/02(水) 13:38:01.56 ID:J2G2bAAY

四季「どう? 何か変化は──」

夏美「……? 別に、何も変わってないですの」(低音)

メイ「おい、声どうしたんだよ。急に低くなったぞ」

夏美「!? え、えぇっ、私、なんか妙なことになってますの!? と、というか……なんだか体に違和感が……」

四季「っ──せいっ」スパパパァンッ

かのん「ほぎゃぁっ!」ドサッ

千砂都「マァッ!」ドサッ

可可「ネハァッ!」ドサッ

恋「スヤピィッ」スヤスヤ

マルガレーテ「コ゜ッ!」ドサッ

きな子「え、ええっ!? 皆突然倒れたっす!?」

四季「安心して、ただ目を隠すために睡眠薬を塗った冷えピタを投げつけただけ」

メイ「一歩間違えたらただの兵器じゃねーか」

四季「でも仕方ない、夏美ちゃんの名誉のため」

メイ「あ? そりゃどういう……」

冬毬「あ、姉者……? なんか、体つきが変わってる……!」

夏美「ど、どういうことですの……? 胸がしぼんで、ちょっぴり体がゴツくなった気がしますの……」

四季「こういうこと」ズルルゥン

夏美「ナッツー!? な、ななな、なんなのですのこれはーっ!?」

四季「……おち──あだっ」スパコォンッ

メイ「馬鹿! 仮にもスクールアイドルがんなこと言うな!」

きな子「きゃーっ! で、デカいっす……! いったいどういう事なんっすかー!?」

冬毬「あっ、あ、あ、あ、姉者が……兄者に……」ガタガタガタガタ

夏美「あっ、あっあっ……なんだか皆に見られて大きく……」ビンッ

四季「夏美ちゃんが反転したのは性別。夏美ちゃんが夏男くんになった」

夏美「ええ~っ!? それじゃまずいですの~っ!」

 

72:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 11:09:19.08 ID:0QMNCzNb

夏美「四季! どうにかして戻す方法はないんですの!?」

四季「ある。ボタンをもう一度押すか、五分待つ」

夏美「なら今すぐボタンをこっちに寄越すですの! こんなの五分もぶら下げてるとか耐えられませんの!」

四季「……よいしょっ」スクッ

夏美「ん? なんで棚の一番高いところに置くんですの?」

四季「いや、ここなら手が届かさなさそうだと思って」

夏美「四季―っ!? な、なんでですの!?」

メイ「おい四季、なんで急に夏美に厳しくすんだよ。戻してやりゃいいだろ」

冬毬「そうです、あ、兄──姉者が、このような理不尽な仕打ちを受けるのにはディスアグリーです!」

きな子「そうっすそうっす! いくら夏美ちゃんだったとしても可哀想っす!」

四季「……夏美ちゃん、この間の件のこと覚えてる?」

夏美「へ? こ、この間……?」

四季「お台場のお祭りに行った時のこと」

夏美「お台場……あっ……」

四季「私、それについてちょっぴり怒ってる」

メイ「四季、お前そんなことのために……?」

四季「”そんなこと”でも、私にとっては大事。大好きな人の、感動を笑われたのは……イライラする」

夏美「……ごめん、なさい……ですの……」ボソッ

四季「向く方向、間違ってないかな」

夏美「っ……! メイ! あの時、指さして笑って、写真まで撮って……ごめんなさいですのっ!」ペコッ

メイ「……いいよ。お前がそんな体にされて泣いてるの見て、正直イライラとかもう吹っ飛んだからさ。泣くのやめろよ。ホラ、四季」

四季「……」ポイッ

冬毬「わわっ」パシッ

夏美「四季にも……ごめんなさいですの」ペコ

四季「……うん。いいよ、これでスッキリした」

冬毬「あ、姉者」スッ

夏美「あっ、ありがとうですの」ポチッ

 

73:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 11:15:37.44 ID:0QMNCzNb

夏美「わぁっ……戻ったですの~! 胸があって、撫で肩で、あんなものももうついてないですの~!」ピョンッピョンッ

四季「パ  脱げたまま跳び跳ねないで」

夏美「ナッツーッ! わ、忘れてたですの……」ハキハキ

きな子「ふぅ、何はともあれ丸く収まって良かったっす~……」

四季「じゃあ、次は冬毬ちゃん」

冬毬「えっ、私も……?」

四季「当然。皆押した」

冬毬「でも、流石にあんなものを見た後だと……」

メイ「安心しろって。ヤバかったらすぐ戻させてやるから」

きな子「そうっす、それにきな子たちも色々凄いことになってたっすから」

メイ(まぁ、一番ヤバかったのって私か夏美だろうけどさ……)

夏美「冬毬。反転するとは言っても所詮ランダムですの、私はたまたま運が悪かっただけですが、冬毬ならいい結果を引き当てられると信じてますの」

冬毬「姉者……! なら、やってみます……私も、引き当ててみます……!」ポチーッ

 

74:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 11:23:59.24 ID:0QMNCzNb

四季「どう、何か変わっ──Wow」

冬毬「きゃぁっ!?」ビシュンッ

夏美「なんですの!?」

冬毬「なっ、な、何が……!」

メイ「てっ、天井に立ってやがる!?」

きな子「なのにスカートが捲れたりしてないっす! スゲーっす、ニチアサヒーローみたいっす!」

夏美「冬毬! 降りてこれませんの!?」

冬毬「えっ、えぇっ……それが、出来ないです……! えいっ、えいっ……」ピョンッピョンッ

きな子「ジャンプしてるのに、天井の方に吸い寄せられてるっす……どういうことっすか?」

四季「……冬毬ちゃんに出た効果は、重力の反転。だと思う」

メイ「重力が反転? そしたら無重力になったりするんじゃねえか?」

四季「多分、”重力”が反転したらそうなんだろうけど……重力の向きが変わったんだと思う」

メイ「向きか……だから、冬毬からしたら天井が床になってるのか」

きな子「……あれ? じゃあ、今冬毬ちゃんが外に出たらどうなっちゃうんっすか!?」

四季「宇宙まで勝手に飛んで行く」

夏美「シャレにならないですの!」

 

76:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 17:43:17.85 ID:0QMNCzNb

夏美「早くボタンを冬毬に渡すですの!」

四季「……届かない」

メイ「腕伸ばせバカヤロー!」

四季「んー……」グググ

きな子「頑張るっすー! ほら、きな子が持ち上げてあげるっすから!」グイッ

冬毬「うっ、くっ……」グググ、スッ、ポチッ

四季「押せた」

冬毬「──きゃぁっ!」ビュンッ

夏美「冬毬っ!」バッ

ドターンッ

冬毬「っつ……? あれ、あまり痛くない……」

夏美「あいたた……冬毬? 怪我はありませんの?」

冬毬「っ、姉者!? だ、大丈夫ですか!?」

夏美「私は平気ですの……冬毬こそ、どこか捻ったりはしてませんの?」

冬毬「わ、私も大丈夫……ごめんなさい、姉者……迷惑をかけてしまいました」

夏美「これくらいどうってことないですの。千砂都先輩の本物の鬼同然な折檻に比べれば、こんなもの──」

「誰が鬼同然だって?」

 

77:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 17:59:53.21 ID:0QMNCzNb

夏美「え──」

千砂都「ねぇ、夏美ちゃん。今の言葉ちょーっと詳しく聞かせてくれるかな?」

夏美「えっ、あっ、ひぇっ、にゃっ、にゃんで起きてるんですの……?」

四季「さっき二人が派手に転んだから、その騒音だと思う。その証拠にさっきまで爆睡してた恋先輩も起き始めてる」

きな子「あ、皆起き始めたっす」

千砂都「ねぇ、夏美ちゃん。ちょっとお話しよっか」

夏美「ごっ、ごごごごごごご誤解ですの! 寝起きだからきっと聞き間違えてしまっただけですのー! ね、冬毬!?」

冬毬「……それは、わからない」プイ

夏美「と、冬毬ーっ!? いやーっ! 嫌ですのーっ! お話と称した地獄みたいな問答と練習メニューの増加は嫌ですのー! そんなことされたら腰が木端微塵に砕け散るんですのーー!!!」

四季「……ちょっぴり可哀想」

メイ「おう……けど、まぁ、失言した夏美も夏美だしな……」

きな子「しょうがないっす。きな子だって、千砂都先輩のことを言う時はいつもすごーくこっそりするように心がけてるっすから。対策しない夏美ちゃんが悪いっす」

メイ「お前後でどうなっても知らねえぞ」

千砂都「へぇ~、きな子ちゃんも私のこと陰でコソコソ何か言ってるんだ」ニコッ

きな子「言うんじゃなかったっす」

四季「愚かさん……」

冬毬「これは私もカバー不能。よって推奨されるのは先に練習を始めること……」

夏美「冬毬! お姉ちゃんを見捨てないで欲しいですの! 今生のお願いですの!」

冬毬「不可……流石に部長を相手には逆らえない」

きな子「まっ、マルガレーテちゃん! きな子のことも助けて欲しいっす! 今日一緒に練習するって約束したじゃないっすかー!」

マルガレーテ「別に、あなたがどこかに行くなら私は澁谷かのんとでも練習するわ」プイッ

きな子「そ゛ん゛な゛ぁ゛~!」

千砂都「さ、二人とも行こっか!」ズリズリ

2人「だっ、誰か助けて~!(ですの)」

バァン!

「あぁもう、あんたらうるっさいわね! 下の階まで聞こえて来たわよ! 部室で何騒いでんのよ!」

 

78:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 18:04:49.36 ID:0QMNCzNb

かのん「ん……あっ、すみれちゃん!」ガバッ

すみれ「まったくもう、なんなのよったらなんなのよ。下の階まで聞こえるくらいぎゃーぎゃー騒いで……」

千砂都「あ、あはは……ごめんね、すみれちゃん。ちょっと今から言い聞かせるから」

すみれ「やめなさいよ、そういうの。ほら、きな子も夏美も立つ」グイッ

きな子「はうっ」

夏美「にょっ」

すみれ「大方、あんたら何か余計な事言ったんでしょうけど……千砂都はあんたらのためを思って厳しくしてくれてたりするのよ。
率いる側としての苦労とかそう言うのもあってこその厳しさ、だから不満を言うとかそういうのだけじゃなくて、ちょっとは千砂都の気持ちにもなってみなさい」

きな子「……っす」

夏美「も、申し訳ないですの……」

千砂都「……ううん、私もちょっと短気だったね。ごめん、きな子ちゃん、夏美ちゃん」ペコッ

すみれ「これで丸く収まったかしら?」

メイ「スゲーぜすみれ先輩、来て一瞬で状況を把握してから問題を解決しやがった……!」

四季「流石すみれ先輩」

すみれ「褒めても何も出ないわよ」フンッ

四季「じゃあこっちが出す。すみれ先輩、コレ押してみて」

すみれ「? 何よ、コレ」

四季「私の実験道具。科学部の成果のためにもテストデータを収集中」

すみれ「ふーん……まぁ、いいわ。流石に命の危険が訪れたりするようなもんじゃないんでしょ? 押すわ」ポチッ

四季「どうなる……」

 

79:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 22:16:18.46 ID:0QMNCzNb

可可「ふにゃぁ……朝デスか……ん? すみれ、おはよーデス」

すみれ「何よあんた、寝てたの──ん?」

可可「ん、どーしたんデスかすみれ」

すみれ「え、だ、誰……?」

可可「誰? 失礼な、ククはククデスよ。すみれ、頭でも打ったんデスか」

すみれ「そ、そうじゃなくて! 可可! アンタの後ろにいる人よ! さっきまでいなかったハズよね!? そ、それになんか距離近すぎない!?」

可可「後ろ? 後ろにはかのんしかいまセンよ?」

すみれ「いやなんの冗談よったらなんの冗談よ!」

メイ「……すみれ先輩、さっきから何言ってんだ?」

夏美「幻覚でも見てるんですの?」

きな子「暑いっすからねー……熱中症かもしれないっす」

メイ「おいおい、そりゃ深刻だな……すみれせんぱ──」

四季「いや、多分……ボタンの効果」

夏美「ボタンの効果? ボタンですみれ先輩が錯乱してるんですの?」

四季「おそらくだけど、すみれ先輩が反転したのは霊感……だと思う」

メイ「霊感ん?」

四季「幽霊って非科学的存在のことは信じたくないけれど、おそらくはそう。古来より現代科学では説明が出来ない、幽霊を見て来た人が沢山いる」

メイ「するてぇっと……普段のすみれ先輩には霊感がない、もしくは薄いってことだよな」

四季「そう。そのボタンで反転したことが原因か、すみれ先輩は幽霊が見えてることになる」

メイ「はぇ~……部室に今何人くらいいるんだろうな」

四季「わからない。けど、少なくとも可可先輩の後ろに幽霊がいるのは確か」

メイ「……それ、守護霊って奴じゃね?」

四季「じゃあ少なくとも11人はいる計算になる」

きな子「多いっすね……」

 

81:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 22:34:00.03 ID:0QMNCzNb

すみれ視点

かのん「もー、すみれちゃんってばどうしたの? さっきからなんか変だよ?」

後ろにいる小さい女性『あはは、もしかして私たちのこと見えてる~?』

すみれ「こ、今度はかのんにも!? だ、誰ったら誰なのよ!?」

後ろにいる小さい女性『5分きりみたいだから教えな~い』

すみれ「ど、どういうことなのよーっ!」

千砂都「すみれちゃん、大丈夫?」

すみれ「ひっ!」

千砂都「顔青いよ? 大丈夫?」

後ろにいるピンクの謎の生き物『ぽよ! マル!』

すみれ「な、なにその丸っこい変なの……!」

千砂都「へ、変なの……!? え、えぇっ!?」ガーン

すみれ「い、いるじゃないそこに変なの!」ユビサシー

千砂都「わ、私の髪……そ、そんなに変、だったかなぁ……」グスッ

かのん「ち、ちぃちゃん!? ちょっとすみれちゃん! 今のはあんまりだよ!」

すみれ「い、いやだって……! 本当に丸っこい変なのがいたのよ!」

恋「落ち着いてください! かのんさん、すみれさん! きっと疲労と暑さで幻覚が──」

すみれ「え、あっ、ウチの制服着てる……え、もしかして恋のお母さん?」

花『ふふっ』シーッ

すみれ「えっ、あっ、え、えー……」

恋「お母さま……?」クルッ

かのん「すみれちゃん、何言ってるの……?」

すみれ「え、いや、だって、今……恋の後ろに……」

恋「……すみれさん、やはりあなたは幻覚を見てるようです」

 

84:(もんじゃ) 2023/08/03(木) 22:48:26.51 ID:0QMNCzNb

すみれ「げ、幻覚……? 私、そんなに疲れ溜まるようなことしてたかしら……?」

恋「そうでなければ、私たちに見えないようなものがすみれさんにだけ見えてたりはしないでしょう」

すみれ「そう、なのかしら……」

可可「そうデス、すみれは今日休むべきデス」

すみれ「いや、私だけ休むワケいかないわよ! この通りピンピンしてるったらピンピンしてるわ!」

後ろにいる女性『無問題ラ! すみれ、あなたは疲れても何もいないわよ!』

すみれ「そ、そーよそーよ! 私は疲れてなんかいないわ! なんてたって、ショーーーーーッビジネスの世界で鍛えられてきた体力があるんだから!」

可可「グソクムシ」

すみれ「グソクムシ言うなァァァッ!」

メイ「あ、あのさ、すみれ先輩」

すみれ「っ、メイ。どうしたの? ユニット関連の相談?」

メイ「あ、あぁ、そうなんだけどさ……その……」

すみれ「何よ、歯切れが悪そ──っ!?」

メイ「ん? どうしたんだよ、先輩」

すみれ「い、いや、なんでもないわ。なんでもないったらないわ、うん。なんでもないわ」

ライフル銃を持ったギャル『そうだよ、幽霊のことはなるべく話しちゃあいけないんだよ』

すみれ(喋ったら仲間入り確定じゃないの……流石に享年17歳は嫌ったら嫌なのよ……!)ガタガタ

すみれ「そ、それで? 何を相談したいのかしら?」

メイ「いやぁ、ほら。今日ダンスのフリ確認出来ないっすかって……」

すみれ「ダンスのフリね? 問題ないわよ、そうよね、かのん!」

かのん「うーん、そうかな?」

すみれ「なんでよ!」

かのん「いや、ほら、今ちぃちゃんが泣いちゃってて……」

すみれ「あああ……ち、千砂都? その……さっきは取り乱しちゃってて、千砂都の髪を指さしてたワケじゃないのよ。
私、千砂都のその髪型結構好きなのよ? ほ、ほら。こないだ上げた自撮りは千砂都の髪と揃えて見たのよ! ほら!」スッ

千砂都「ぐすっ……うっ……ほ、ホント? ホントに変じゃない……?」

すみれ「変なんかじゃないわよ! もしアンタのこと指さして変だって言う奴がいるなら教えなさいよ! 私がヒップドロップくらわしてやるわ!」

かのん「ギャラク尻ヒップドロップ……」ボソッ

すみれ「か゛の゛ん゛~~~!?」

後ろにいる女性『これはかのんちゃんが悪いね』

 

85:(もんじゃ) 2023/08/04(金) 00:04:50.44 ID:SHHp6cjc

すみれ「ったく……ん」チラッ

四季「……あと2分くらい、か」ボソッ

すみれ「あ、そう言えば……四季。さっきあなたが私に押させたボタンってなんなのよ?」

四季「あー……押した人や物の何かがランダムで反転するボタン。効果時間は5分」

すみれ「へー……そうなの。こんな小さいのにそんなこと出来るのね。凄いじゃない」

後ろにいるサイコパスっぽそうな男『そうだろそうだろ? 何せこの天才物理化学者様が守護霊についてるからな!』イエーイ!

すみれ(……後ろのトレンチコート着た男は気にしないでおいた方がいいわね)

きな子「で、今のすみれ先輩は──むがっ」

四季「言わない方がいい」ガシッ

すみれ「えぇ……なんなのよ? 気になるから言いなさいったら言いなさいよ」

四季「ナイショ」グググ

きな子(苦しいっす~!)ジタバタ

後ろにいる女子中学生『世の中には知らない方がいいこともあるやんね、あ、当然ウチを見たこともナイショでお願いっ』

すみれ「……」コクコク

マルガレーテ「……ん」ムクリ

すみれ「あら、マルガレーテ。今起きたのかしら」

マルガレーテ「平安名すみれ……あなたも今来たのね、随分な重役出勤じゃない」

すみれ「あいにくだけど、私優等生だからあちこちから『手伝って』って頼まれるのよ」

マルガレーテ「へぇ……でも、部室に集まる時間までに終わらせるなんて出来ないの?」

すみれ「あんな量頼まれて時間内に終わらせるのは流石に無理よ、まぁキチンと終わらせるの事態は出来るけど」

後ろにいる眠そうな人『あ~、また喧嘩してるねぇ……せっかく気持ちよくすやぴしてたんだから、仲良くしないとぉ』

すみれ(どっかで見たことあるような幽霊ね……よく見ると、可可の方にいたのと同じ制服だわ……)

 

86:(もんじゃ) 2023/08/04(金) 00:34:53.45 ID:SHHp6cjc

すみれ(せっかくだから、他の子の後ろにもいないか見てやるったら見てやるわ)クルッ

夏美「? どうかしたんですの?」

すみれ「いや、別にどうもないわよ。ただ全員いるか見て回ってるだけよ」

後ろにいる眉毛の繋がった警官『なんだ、わしのことが見えてるのか? ん~?』チラチラ

すみれ「……ねぇ、冬毬」

冬毬「ん、どうしましたか」

すみれ「アンタ、夏美のこと時々頑丈とか思ったりする?」

冬毬「……まぁ、思います。かなり」

すみれ「……そ、納得したわ」

後ろにいるアマゾネス「頑丈なのは良いことだ。タスクへの支障が出にくい」

すみれ(想像通りの幽霊ばっかじゃないの……あれ、そう言えば……私の後ろにもいるのかしら?)チラ

髑髏のジャケットを着たチンピラ『あん? 俺のことようやく見えるようになったか。ま、大方ボタンの影響だろうが……忘れんじゃねえぞ、すみれ。グソクムシはいつかお前に応えてくれるハズだ、俺の相棒のグソク──』シュンッ

すみれ「……ん? あれ?」

四季「……すみれ先輩がボタンを押してから5分経った」

すみれ「……あぁ、そういうことね。四季」

四季「もしかして、わかりました?」

すみれ「そうよね。反転したのは私の霊感度合、ってとこかしら」

四季「exactly、まさにその通り。良く見抜きましたね」

すみれ「伊達にショービジネスの世界で生きてないわよ」キリッ

 

87:(もんじゃ) 2023/08/04(金) 00:45:30.44 ID:SHHp6cjc

四季「……これで全員分のデータが取れた。協力感謝」

メイ「……取ったからにはキチンと役立てろよな、私だって恥ずかしい思いしたんだし」

四季「うん。ちゃんと、大切に使う。ありがとう、メイ」ギュッ

メイ「だぁぁ、抱き着いてくんな暑苦しい! ほら、さっさと着替えて練習の準備しやがれ!」

四季「メイ、照れてて可愛い……」キュンッ

きな子「四季ちゃんも顔真っ赤っすよー」

夏美「にゃはっ、このお互いの照れ顔はカメラに収めないと損ですの~」

冬毬「同感。この二人の組み合わせは視聴者からの好感が高い、もっと発信していくべき」

メイ「いや、撮んじゃねーっ!」

マルガレーテ「ふんっ、どうせ撮るなら私にしなさいよ。それとも、恐れ多くて出来ないの?」

夏美「炎上してるから需要がないだけですの」

マルガレーテ「なっ! 鬼塚夏美! 取り消しなさい~っ!」ダッ

 

 

88:(もんじゃ) 2023/08/04(金) 00:48:51.47 ID:SHHp6cjc

──そうして、私の作ったボタンの記録はここでおしまい。
 あとは、喧嘩し始めた後輩メンバーを千砂都先輩と恋先輩がなだめて、いつも通りの練習へと入った。
 そう……いつも通りの、日常に戻っただけ。
 だけど、このボタンで得たデータは大きな収穫になって、私の科学部の実績作りには大いに役立ちそう。

四季「……私の方の報告は、以上」

『わかった。それじゃあ、私が作ったボタンの方の報告をするね』

────

『……以上、同好会に起きた出来事。なんだかんだ、楽しかった。でも、今度はもっと楽しい発明をしてみせる。今回の騒動で起きたデータは後で送信しておくね』

四季「Thanks.私も、メイや先輩たちに試したボタンのデータを報告書付きにして送る」

『うん。お願い……それと、今度の日曜日、合同研究出来るかな?』

四季「OK……その日は予定を開けておく」

『うん。じゃあよろしく、四季ちゃん』

四季「よろしく。璃奈ちゃん」

おしまい

 

91:(茸) 2023/08/04(金) 09:08:07.57 ID:ArMxxE8t

たすかる

 

92:(しうまい) 2023/08/04(金) 22:03:26.46 ID:rO0YnlMP

面白かったおつ

 

引用元: https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1690727510/

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