梢「ねえ綴理、あなた去年は週2回だったのに、今年は毎朝起こされてるわよね」綴理「……」
さやか「ほら、綴理先輩…部室に着きましたよ。ちゃんと起きてください」
綴理「うん……」
さやか「もう…あと廊下で寄りかかられると恥ずかしいですから!やめてくださいって毎日言ってるのに……!」
綴理「ごめん、さやがあったかいから…つい……」
さやか「なっ、も、もう9月ですよ!先輩だって暑いでしょう?」
綴理「ぎゅー」
さやか「恥ずかしいだけじゃありません、私が持っているお弁当が崩れますよ?そうしたら先輩のお昼ご飯もありませんよ」
綴理「む。それは……困る」
さやか「そうでしょう、そうでしょう」
梢「……」
さやか「今日のメインはお昼のお楽しみです」
綴理「え〜」
さやか「ふふ、気になりますか?」
綴理「うーん、気になるけど。さやが秘密にしたいなら聞かない」
さやか「良いんですか?」
綴理「うん。さやが作ってくれたなら全部おいしいから」
さやか「……そ、そうですか」
梢「……」
梢(今日の紅茶はなんだか甘いわね)
梢(おかしいわ、最近は砂糖を入れてないのだけれど)
綴理「んー?」
さやか「ほら、着替えるから離れてください」
綴理「……すやぁ」
さやか「寝たふりしないで!」
綴理「すや…さや…すや……」
さやか「もうっ!!」
梢「……コホン」
さやか「あ、梢先輩……!おはようございます。お騒がせして申し訳ありません」
梢「い、いえ…良いのよ、いや良くはないのだけれど」
さやか「?梢先輩はいつも存在感のある方ですよ?」
梢「そう……安心したわ……」
さやか「あ、もうこんな時間…私達は着替えますので、それでは……!」
綴理「ばいばい」
梢「ええ……」
梢「それで、花帆さんはいつになったら来るのかしら……?」
花帆「ふえ〜やっと授業終わったよぉ……」
さやか「最後の方、寝ていましたよね?」
花帆「あはは…いや、今日すごい眠くって、朝も起きれなくて……」
さやか「また梢先輩に怒られますよ」
花帆「もう怒られたよ……!今日は練習前にランニング追加なんだよ!?」
さやか「頑張ってくださいね」
花帆「あっ、さやかちゃんも付き合ってよ!一緒にお喋りしながら走ろうよ!!」
さやか「えぇ?いや、私は綴理先輩を迎えに行かないと」
花帆「良いから良いから!」グイッ
さやか「ちょ、ちょっと…待ってください〜!」
綴理「こず怒ってる……ボク、さや達が走ってる横でアリを見てることにする…」
梢「待ちなさい」ガシッ
綴理「ぐっ、首が」
梢「丁度あなたに聞きたい事があるのよね、綴理」
綴理「え?」
梢「とりあえず部室…いえ、ここで良いわ」
綴理「教室でいいの?」
梢「部室で話してさやかさんに聞かれたらあなたも困るでしょうし……」
綴理「困る?ボクはさやに聞かれて困ること無いよ、多分」
梢「あるでしょう、今朝のことよ」
綴理「けさ?」
綴理「うん。そうだよ?」
梢「起こしてもらった後に部室に来るまで、いえ、来てからもずっとさやかさん相手にぐだぐだしているでしょう?」
綴理「うん。ぐだぐだしてる」
梢「ちょっとは申し訳なさそうにしてくれないかしら……」
綴理「それで、こずは何が言いたいの?」
梢「……去年」
綴理「去年」
梢「私があなたを起こしに行ったことが、何回かあったじゃない?」
綴理「うん……」
梢「確かにあなたの寝起きは良くなかったし、全然支度はしないし、色々大変だったわ」
綴理「ボク今さら怒られるの?」
梢「でも、私気づいてしまったの。毎日じゃなかったわよね」
綴理「えっと?」
梢「だからね…私が起こしに行ったりモーニングコールしなくても起きてきた日も結構あったわよね」
綴理「ああ、……うん」
綴理「……」
梢「……」
綴理「ええっと…つまりこずは」
梢「ええ、私はね綴理。それなのに、あなたが毎日毎日さやかさん相手にぐだぐだぐだぐだしているのが不思議でならないのよ」
梢「で、どうなの?」
綴理「……実は、去年はめぐにも頼んでたんだ。シフト制」
梢「慈に聞いたら頼まれた事は無いって言ってたわよ」
綴理「ごめんなさい」
梢「正直に言いなさい」
綴理「うーん……そもそも、こずは一つ勘違いしてる」
梢「何を?」
綴理「ボクが朝起きるのが苦手なのは本当。得意だったことはこれまで一度もない」
梢「自慢げに言わないで欲しいのだけれど」
梢「……ほら」
綴理「うーん…でも、なんでって聞かれると困る……こずに分かるように説明できない……」
梢「そんなに複雑な理由なの?」
綴理「複雑ではないけど、当たり前過ぎるんだ」
梢「?」
綴理「さや」
梢「え、さやかさん?どこ?」
綴理「どうしたのこず?さやは今いないよ?」
梢「…落ち着くのよ乙宗梢……」
綴理「だからね。ボクが去年より起きない理由はさや」
綴理「えっ、無理」
梢「綴理」
綴理「むしろこんな簡単なことを質問されるなんて…こずにも分からないことがあるんだね」
梢「なにかしら、急に腹が立ってきたのだけれど」
綴理「そっか…でも、こずはさやにお世話されたことがないから。仕方ない」
梢「はい?」
綴理「こずはまだ、さやの可愛さを全然知らないってことだよ」
梢「ん……?」
ノロケストラssだ
梢「は?……ええ、まあ。真面目で可愛らしいわね」
綴理「朝からさやに起こしてもらうのに、すぐ起きちゃうなんてもったいないと思うんだ」
梢「つ、綴理……?」
綴理「わかった、最初から説明する」
梢「……聞かない方が良かった気がするわ」
〜〜〜
トントン
さやか『先輩、綴理先輩?さやかです、朝ですよ?……入りますね』ガチャ
さやか『ああもう、またお布団被って……』
綴理『すやぁ……』
梢「起きてるじゃない」
綴理「ん?」
梢「もうこの時点で起きてるじゃない!寝てるのにさやかさんの言葉が聴こえているわけないでしょう?」
綴理「……朝の廊下だから、最初の方のさやは小声なんだよ。かわいいよね」
梢「お願いだから会話をして」
梢「そ、そう……」
綴理「この後『綴理せんぱーい』って3回呼んでくれる。それでダメだと2段階目に移行する」
さやか『もう、お布団取りますからね!さあ、目を開けてください』バッ
綴理『ん…むにゃむにゃ…』
綴理「さやがちょっと困った顔で見下ろしてるんだ。かわいいよね」
梢(もう目が開いている事には突っ込まないわよ)
さやか『ほら、カーテン開けますから。日の光を浴びて目を覚ましてください!』シャーッ
綴理『まぶしい』
綴理「夏服になってからのさやはお日様よりまぶしいよ」
梢「そう……」
梢「へえ、そうなの。ふーん」
綴理「む、こず。あんまりピンと来てない」
梢「何も言いたくないだけよ」
綴理「仕方ない。分かりやすいようにこず達の曲で例えるね」
梢「えっ?要らないわ」
綴理「うーん、えっと……ここまでのさやの動きが『今度は私がヒロイン』くらいまでかな」
梢「例えが分かりづらすぎる……」
綴理「ここまでの2段階目で起きることもたまーにあるけど、大体は次の段階で起きる」
梢「まだあるの?」
梢「いい加減私達の曲を解放して。あと最近の花帆さんは私の紅茶とお茶請けのパンを食べることもあるわ」
綴理「ふーん、まあ花帆の話はいっか」
梢「ふーっ、落ち着くのよ梢…」
綴理「トントン、って包丁の音といい匂いがしてくると、ボクは何だか幸せな気分で起きられるんだ」
梢「これって高校生同士の話よね、そうよね」
綴理「さやはここまで起きないと怒るけど、でも出て行ったりご飯作ってくれなくなったりはしないんだ。優しいんだよ」
梢「というか…さやかさんの作業量が朝から既におかしいのだけれど」
綴理「ボクは朝からおいしいさやのフルコースで大満足。起きない理由、分かった?」
綴理「それは普通に忘れるからだ」
梢「安心したわ!喜ぶことではないのに!」
綴理「……もしさやがお弁当作ってくれなかったら、お昼は食べないかもしれないけど」
梢「やめて、これ以上私の中のあなたのイメージを破壊しないで」
綴理「待って、やっぱり今のなし。自分のせいでボクがお昼を食べなかったらさやが泣いてしまう」
梢「とにかく…もう理由はよく分かったわ…聞いた私が間違いだったわ……」
綴理「こず、どうしたの?お腹痛い?」
梢「胃と頭が痛いわよ」
綴理「それは大変だ。さやのお粥食べる?」
梢「悪化するわよ……!」
綴理「うん?行っちゃった……」
梢「……」
梢(なんだかとっても疲れたわ……親友の新たな一面を知ってしまった……)ガラッ
梢「あら、花帆さんはいないのね……」
さやか「梢先輩?」
梢「さ、さやかさん!?」
さやか「そんなに驚かれるとびっくりしますが……」
梢「ごめんなさい、つい反射で……」
さやか「?」
梢「ねえさやかさん、あなた綴理のお世話していて辛くない?」
さやか「は、はい?」
運営はさやかちゃんの綴理先輩お目覚め体験ASMRを発売すべき
さやか「ありがとうございます…?でも、わたしは大丈夫ですよ。綴理先輩、いつもお礼言ってくださいますし」
梢「そ、そう……」
梢(どうする…綴理の日々の所業について話した方が良いのかしら?さやかさんの負担も減るでしょうし)
さやか「でも、どうしてそんなことを?」
梢「……」
さやか「梢先輩?」
梢(いえ、流石にさっきの話を勝手にバラすのは忍びないわね…)
さやか「──梢先輩!」
梢「はっ」
さやか「もしかして……」
さやか「もしかして、また綴理先輩のお世話をしたくなったとか……!?」
梢「無いわ」
さやか「じゃあ、綴理先輩が梢先輩の方が良いっておっしゃってるとか……」
梢「安心してさやかさん?それはね、無いの。本当に無いの」
さやか「そうですか……?でも、本当に大丈夫なんですよ。綴理先輩の隣にいられるだけでわたしは嬉しいので」
梢「さ、さやかさん……」
梢「さやかさんが良い子すぎて、あれから黙っている罪悪感に押し潰されそうなの」
慈「……」
梢「ちょっと慈、聞いているの?」
慈「聞いてるけど…え、なんで私に話したの?」
梢「だからね、私は罪悪感で」
慈「いや、私だって綴理のそんな裏話聞きたくなかったんだけど…今割と困ってるんだけど?」
梢「私はね、もう大事なことは1人で色々抱え込まないって決めたのよ」
慈「良い感じに言うな」
ノロケストラ共依存概念
慈「あの綴理がね…ある意味成長なんじゃない?」
梢「だめよ慈、そうやって本来と異なる態度を取るのは良くないわ」
花帆「お疲れ様です!あれ、2人だけですか?」
梢「お疲れ様。ええ、私達だけよ」
花帆「梢センパイ!今朝のクッキーとっても美味しかったです!」
梢「ありがとう花帆さん。作った甲斐があったわ」
花帆「でも梢センパイはお菓子も作れてすごいなぁ…毎日種類が違うんだもん、びっくりしちゃいます」
梢「ええ、去年も毎日作って振る舞っていたようなものだったから」
慈「……」
バカップルしかおらん
慈「…ねぇ梢、私去年そんなお菓子もらった記憶ない」
梢「そういえば花帆さん、新しい機械さんが最近上手く写真を撮らせてくれないの」
花帆「え?梢センパイにはその機種は早かったんですね」
梢「それはどういう意味かしら」
慈「……」
花帆「じゃあ後で教えてあげますから、お部屋に行きますね!」
梢「ごめんなさいね、お願いするわ」
慈「…こ、梢……」
花帆さん結構辛辣でダメだった
慈「それは…それは信じて良いんだよね!?」
梢「当たり前じゃない、私は綴理とは違って自然体なのだけれど」
慈「う、」
慈「うわーん!もう何も信じらんないよー!るりちゃーん!!!」
おしまい。
1年組が気づいてたら高度なイチャつきすぎる…
2年生よりなんとかする力がある
絡んだのが2期からのDDですらかなり濃厚だし二人組ユニットはやはりヤバい
そりゃ 1年生がバブみ発動するよねしょうがない
るりめぐもついでに…
そして他ユニ1、2年生も大なり小なりパヤパヤしてて最高
これほんと浮かれポンチすぎて好き
さやかちゃんの水色のきらめきに脳みそ焼かれてんじゃん
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