【SS】冬毬「マルガレーテ・クロニクル」【ラブライブ!スーパースター!!】
マルガレーテ「知らないし、知りたくもないわ」
冬毬「ソーセージは腸に肉を詰めたものの総称です」
マルガレーテ「興味ないって言ってるでしょ」
冬毬「ウインナーはその名のとおりウィーン風で、比較的小型のものを指す分類です。また一つ賢くなりましたね」
マルガレーテ「つまり何が言いたいの」
冬毬「私の方が長身です。覚えやすいでしょう?」
マルガレーテ「わけわからないんだけど」
マルガレーテ「それはそうよ。日本人に緑茶を説明するようなものね」
冬毬「そう、ウインナーを入れたコーヒーです」
マルガレーテ「待って待ってそれ本気?それとも冬毬なりのジョークのつもり?」
冬毬「それを確かめるために、今日はかのん先輩のお店に行きましょう」
マルガレーテ「なんでそうなるのよ」
マルガレーテ「最近の雑な名前いじりなんなの」
冬毬「お互いにメリットのある関係を意味する言葉です。和製英語だと思われがちですが、実は英語のフレーズです」
マルガレーテ「で、今度は何を言いたいの」
冬毬「マルガレーテと一緒にいたいということです」
マルガレーテ「あなたもなかなか素直じゃないのね」
マルガレーテ「まあ、色々あったから。初めは目をつけられているのかと思ったわ」
冬毬「マルだから」
マルガレーテ「何か言った?」
冬毬「いえ。それが今ではすっかり千砂都先輩のたこ焼きの虜です」
マルガレーテ「悪い?いいでしょ別に、千砂都先輩のたこ焼きは絶品なんだから」
冬毬「同意です。はい、あーん」
マルガレーテ「自分で食べるわよ」
マルガレーテ「不思議な習慣よね」
冬毬「私たちの場合、まるまりになるのでしょうか」
マルガレーテ「…いえ、それはやめましょう」
冬毬「なぜです?」
マルガレーテ「デースでずらぁな気配がするからよ」
冬毬「はぁ、ではどうします?」
マルガレーテ「…とまマル、とか」
冬毬「はまる」
マルガレーテ「ん?」
冬毬「丸まる」
マルガレーテ「なによ」
冬毬「お気になさらず。集まる」
マルガレーテ「なんなの」
冬毬「当てはまる」
マルガレーテ「はいはい」
マルガレーテ「さっき言った」
冬毬「先ほどのは動詞、今のは名詞です」
マルガレーテ「日本語って面倒ね」
可可「マルマル!」千砂都「まるー!」
マルガレーテ「ほら、変なことするから先輩たちが来ちゃったじゃない!ちょ、やめて、撫でないでったら!」
冬毬「とまマル…」
冬毬「知っています。食べたことはありませんが」
マルガレーテ「この季節限定のメニューなんだって」
冬毬「なるほど、購買意欲をインセンティブするのですね」
マルガレーテ「かのん曰く、美味しいみたい」
冬毬「トマトとハンバーグ、どちらもかのん先輩の好きなものですからね」
マルガレーテ「…」
夏美「はい、うまトマおふたつ、お待たせですの」
冬毬「お手間をおかけしてすみません、姉者」
夏美「慣れているのでノープロブレムですの」
マルガレーテ「あの、代金は」
夏美「可愛い妹と後輩からお金は頂けませんの」
冬毬「姉者…!」
マルガレーテ「先輩…!」
夏美「ふっ、お姉ちゃんはクールに去るですの」
冬毬「感謝いたします姉者。また家で」
マルガレーテ「また練習で」
マルガレーテ「そうね。わ、すごいスパイシー」
冬毬「はい。にんにくの香りが食欲を刺激します」
マルガレーテ「独特な容器ね、二段になってる。これ、どうやって食べるの?」
冬毬「セパレート式なので、ご飯とおかずとして食べてもいいですし、ご飯に乗せて丼にすることもできます」
マルガレーテ「じゃあ丼にするわ」
冬毬・マルガレーテ「「いただきます」」
冬毬・マルガレーテ「ご馳走様でした」
冬毬「美味しかったですね」
マルガレーテ「ええ。濃い味付けだったけど、夏にはもってこいかも」
冬毬「はい、夏場には体力が必要ですから。あ、お弁当がついてますよ」
マルガレーテ「何言ってるの、お弁当なら今食べたでしょ」
冬毬「ここですよ。ひょいっと」
マルガレーテ「あっ」
冬毬「ほらありました。あむっ」
マルガレーテ「ちょ、な、なんなの!?」
冬毬「ほっぺたについたご飯のことを、俗にお弁当というのです」
冬毬「なにがです?」
マルガレーテ「その、他の人についているお弁当?を指で取って食べるということは」
冬毬「まあ、そうですね」
マルガレーテ「誰にでもやるの?」
冬毬「誰にでもはやりません。心許せる仲の良い相手にだけです」
マルガレーテ「ああ、そう」
冬毬「どうして嬉しそうなんです?」
マルガレーテ「ふふん、さあね」
マルガレーテ「家電売り場?」
冬毬「はい。昨夜、姉者が用紙を切らしてしまったと言っていましたので」
マルガレーテ「あの名刺の紙って、家電売り場に売ってるんだ」
冬毬「リサーチしたところ、そうみたいです。コピー用紙と同じカテゴリなのでしょう。姉者はもっぱらネット通販のようですが」
マルガレーテ「あなた、二言目には姉者姉者ね」
冬毬「はい。それが何か?」
冬毬「憧れています。がむしゃらに頑張る姉者の姿を、一番近くで見続けてきましたので」
マルガレーテ「ふぅん」
冬毬「マルガレーテにもお姉さんがいるでしょう」
マルガレーテ「まあ、ね」
冬毬「…適切ではない話題でしたか?」
マルガレーテ「別に、冬毬のせいじゃないわ」
冬毬「…」
冬毬「マルガレーテ、千砂都先輩のたこ焼きを買ってきました」
マルガレーテ「!」
冬毬「一緒に食べたくて。いかがです?」
マルガレーテ「断る理由が無いわ」
冬毬「なによりです。あの、昨日のことですが」
冬毬「っ」
マルガレーテ「なにを気にしているのかわからないけど、そういうのはやめて」
冬毬「…」
マルガレーテ「…私は気にしていないから、冬毬も気にする必要はない。それだけよ」
冬毬「マルガレーテ…」
マルガレーテ「ほら、早く食べましょう。一緒に食べるために買ってきてくれたんでしょ」
冬毬「…はいっ」
冬毬「たこ焼きを頬張るマルガレーテはいつも幸せそうです」
マルガレーテ「もぐもぐ。ほいひいんらもの」
冬毬「ふふっ」
マルガレーテ「ふぅ。ねぇ」
冬毬「なんでしょう」
冬毬「人にしてほしいときは、まずは自分からですよ」
マルガレーテ「面倒ね。ん?」
冬毬「なんです?」
マルガレーテ「もしかして、前にあーんしてきたのってむぐっ!?」
冬毬「失礼、あーん、と言うのを忘れていました」
冬毬「あらかじめ冷ましておいたから問題ありません。ちょうど良い温度だったでしょう?」
マルガレーテ「むぅ…そのなんでもお見通しって表情、いつか崩してみせるわ」
冬毬「…」
マルガレーテ「…なによ、じっと見て」
冬毬「…あーんは」
マルガレーテ「ん?」
冬毬「…いえ、なんでも、むぐっ」
冬毬「もぐもぐ…ずるいです」
マルガレーテ「ずるい?」
冬毬「フェアではありません、不意打ちなんて」
マルガレーテ「どの口が言うのよ」
冬毬「むぅ…」
冬毬「いえ、百歩譲ってイーブンというところでしょう」
マルガレーテ「それ、負け惜しみって言うのよ」
冬毬「そちらこそ…と言いたいところですが、今回は私の負けかもしれません」
マルガレーテ「あっさりと引き下がるなんて、随分と素直じゃない」
冬毬「正直に言えば、想定外でしたので。ですが、次は私が勝ちますので、お楽しみに」
冬毬はそう言って私を真っ直ぐに見据えた。こういうときにいつも以上に真面目な表情をするのは、冬毬なりの照れ隠しだということを私は知っている。
マルガレーテ「言うわね。望むところよ、冬毬」
私もいつも以上に不敵な笑みで答えた。お互いの感情がシンクロしたような、不思議な心地よさに満たされていた。
終わり
この二人の呼び方はいくつかありますが、個人的にとまマル呼びが好きなので採用しています。
ありがとうございました。
乙乙
花田先生じゃこの二人は扱いきれず💩にされちゃうだろうしとまマルはスパスタ3期の敗北者じゃけえ😭
とまマル派だったけどキャストが言ってたとまルガもアリかなと思い始めてる
乙
グッジョブ!
本スレから
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1692210879/808
808 名無しで叶える物語 2023/09/06(水) 16:41:01.71 ID:tAwGULlud
>>807
ざっと調べたけどオーストリア(ハンガリー人)は日本と同じ苗字名前の順番らしい故にマルガレーテ呼びが自然になる
訂正あったら訂正してくれ
コメント