【SS】せつ菜「スクールアイドルは恋愛禁止です!」侑「え?でも歩夢に告白されたら付き合うよね?」【ラブライブ!虹ヶ咲】
せつ菜「……はい?」
侑「恋愛禁止と歩夢と付き合えるなら歩夢を選ぶよね?普通に」
せつ菜「え、選びませんよ?私はスクールアイドル一筋ですから」
侑「えー?告白だよ?あの歩夢に!」
せつ菜「あの歩夢さんですよね……え?告白されたんですか?」
侑「されてないけど」
せつ菜「まさか…告白した側ですか?」
侑「……まだだけど」
せつ菜「スクールアイドルは恋愛禁止ですよ!」
侑「わ、私はスクールアイドルじゃないもん!」
せつ菜「歩夢さんはスクールアイドルです!」
侑「その以前に幼馴染だし!」
せつ菜「スクールアイドルとマネージャーがお付き合いなど明らかにSNSでニュースになってしまいます!」
侑「バレなきゃ大丈夫だって!恋愛禁止なんて守ってる人いないよ!」
せつ菜「いるに決まっています!現に私がそうです!」
侑「でもしずくちゃんに告白されたら付き合うよね?」
せつ菜「な、何故しずくさんが」
侑「歩夢歩夢言ってた私が言うのもなんだけど、しずくちゃんから告白されたら即返事しちゃうと思うね」
せつ菜「……そうですか」
侑「ドラマチックなんだろうなぁ…しずくちゃんの告白シチュエーション……」
せつ菜「………いいじゃないですか。しずくさんのことは」
侑「もう、なんでそんなに話を終わらせようとするの……え?告白されたの?」
せつ菜「……」
侑「……え?振ったの?」
せつ菜「………はい」
侑「……」
侑「あの時しずくちゃんを泣かせた犯人見つけたーーーー!!!」
せつ菜「こ、声が大き過ぎます!!!」
侑「せつ菜ちゃんに言われたくないよ!」
せつ菜「私が泣かせたみたいに言わないでください!」
侑「いやいや、なに普通にスクールアイドル取ってるの!?実際泣いてたし!理由聞いてもはぐらかされたし!」
せつ菜「もういいじゃないですか!随分前のことです!」
侑「えっと…A・ZU・NAとか気まずくないの?」
せつ菜「大丈夫です、普通です。ちょっと目を合わせてくれないぐらいです」
侑「全然普通じゃないよ!歩夢その空気肌で感じ取ってるって!」
せつ菜「もういいじゃないですか!私と彼女の問題なので踏み込むのは禁止します!」
侑「うわぁ……歩夢に話しておこ。恋愛禁止守るとこうなるんだよって」
せつ菜「ちょ、ちょっと待ってください!話聞いてました!?」
侑「聞いてたけど!けどせつ菜ちゃんがそんなにスクールアイドルバカなんて知らなかったよ!」
せつ菜「わ、私が悪いと言うんですか!」
侑「悪い!めっちゃ悪い!っていうかしずくちゃんに告白されたという事実が憎たらしい!」
せつ菜「半分八つ当たりじゃないですか!」
侑「しずくちゃんに告白されたら普通振らないんだよ!?私だったら歩夢諦めてOKするよ!」
せつ菜「え?」
侑「今のは無ーーーーし!!口が滑った!!」
せつ菜「と、とにかく!私はスクールアイドルですので恋愛は禁止です!」
侑「デートとかした?告白される前に」
せつ菜「……デートではありませんが、映画見に行って水族館に行きレストランで食事しました」
侑「デートじゃん」
せつ菜「デート…なんですか?しずくさんとは映画はよく観に行きますし、食事もそのついでに…」
侑「デートじゃん!しずくちゃんがせつ菜ちゃんに好意を持ってたらそれはもうデートだよ!」
せつ菜「わ、私はいつものように遊びに行ったつもりだったんです!………確かにいつもより積極的に腕を絡めて来たりお揃いのアクセサリーを買ったりしてましたが」
侑「え!?なんで振った相手との惚気話してるの!?」
せつ菜「侑さんが聞いてきたんじゃないですか!」
侑「せつ菜ちゃん怖い!」
せつ菜「違います!というかまだ話は終わってません!」
侑「なんの話!?私はデートしたかしてないか聞いただけだけど!」
せつ菜「水族館ではイルカのショーを見たんですけど、私達は近くの席だったので水しぶきが結構かかってしまって……ふふ、お洒落したのに台無しですねなんて笑い合ったりして」
侑「待って、ちょっと待って!バッドエンドなんじゃないの!?この後しずくちゃん振られるんでしょ!?」
せつ菜「そ、それは……そうですけど……その、スクールアイドルは恋愛禁止なので……」
侑「分かったよ恋愛禁止は!聞き飽きたよ!」
せつ菜「むぐぐ……」
侑「普通は振った人との思い出話とかしないんだよ?」
せつ菜「…すみません、確かにそうですね」
侑「しずくちゃんはせつ菜ちゃんの恋人じゃないんだから。もしかしたら今は他に大事な人がいるかもしれないし」
せつ菜「……し、しずくさんは、そんなに軽い人だとは思いませんが」
侑「ふーん、私が話振ったら口が軽くなっちゃって。あっ、実は未練がタラタラだったり」
せつ菜「………決めました。ちょっと行ってきます」
侑「え?どこ?」
せつ菜「しずくさんに告白してきます!」
侑「ヤバいヤバいヤバい」
せつ菜「侑さんのおかげで、自分の気持ちに気付けたかもしれません」
侑「遅すぎない?え、待って。ちょっと、せつ菜ちゃん落ち着こう?」
せつ菜「善は急げ、です!」
侑「早まらないで!振った人に逆に告白しに行くってアリなの!?なんだそれ!」
せつ菜「なんなんですか!さっきから私の背中を押してくれていたんじゃないんですか!?」
侑「ポジティブだね!私はしずくちゃんを振った事を後悔しろって怨念を送ってただけだけど!」
せつ菜「完全に八つ当たりじゃないですか!」
侑「え?恋愛禁止は?しつこく言ってたのに」
せつ菜「…私もしずくさんもスクールアイドルの前に1人の女の子ですから」
侑「まさか……しずくちゃんをつい振っちゃった事に対するただの言い訳だったんじゃ……」
せつ菜「侑さんさっき言ってたじゃないですか。しずくんに告白されて普通は振らないと」
侑「あぁ、うん。言ったね」
せつ菜「それと同じで、優木せつ菜に告白されて振る人はいないのではないかと」
侑(な、なんだと………)
せつ菜「振られた相手からまさかの告白……これも侑さんの言っていたドラマチックな告白シチュエーションではないのでしょうか」
侑「自惚れてない!?しずくちゃんに失礼だよ!?名前も間違えるし!」
せつ菜「自惚れではありません。そして噛んだだけです」
侑「やめといた方がいいって…しずくちゃんの気持ち考えよ?」
せつ菜「私の気持ちはどうなるんですか!」
侑「なんでずっとせつ菜ちゃんの優先順位の方が高いの!?わがまますぎる!」
せつ菜「…というより、もうしずくさんにメッセージ送ってしまいました」
侑「ああっ!」
せつ菜「……気持ちを伝えに行ってきます」
侑「分かったよ……頑張ってとは言わないけど」
せつ菜「き、緊張しますね。しずくさんもこうだったのでしょうか……」
侑「そうだったと思うよ」
~~
~
せつ菜「しずくさんはまだ来てませんね……先に着けてよかったです」
しずく「せつ菜さん?」
せつ菜「ひゃあっ!あ、しずくさん!」
しずく「驚かせてしまいましたか?ふふ、こんにちは」
せつ菜「こ、こんにちは……急に呼び出してすみません」
しずく「大丈夫ですよ。何かご用ですか?こんな人気の無い場所で…」
せつ菜「その、大事な話があって呼びました…」
しずく「大事な…?」
せつ菜(伝えるんです…気持ちを……あの時の謝罪も含めて……)
しずく「……そういえば、こうやってせつ菜さんと2人きりなのって久しぶりですね。最近はなかったので」
せつ菜「え?ええ、そうですね……そうですね!また面白そうな映画を見に行きましょう!」
しずく「わぁ~…嬉しいです。作品に対して造詣が深いせつ菜さんと映画を見るの、楽しいですから」
せつ菜「本当ですか!ではまた行きましょう!そして考察や感想を延べあったりして!」
しずく「ふふ、いいですね。あ、もしかして!ここへ呼んだのはお出掛けの約束をする為だったんですか?」
せつ菜「ち、違います!!違うんです!!」
しずく「は、はいっ…!」
せつ菜「……しずくさんは今、その、付き合ってる人とかはいらっしゃいますか…?」
しずく「……え?…え?」
せつ菜「…突然すみません、こんなこと聞いて」
しずく「いえ、いませんよ…」
せつ菜「…あ、あの!でしたら!すみません、今から私は勝手で最低なことを言います!」
しずく「……っ」
せつ菜「しずくさん、ずっと好きでした!私と付き合ってください!」
しずく「……」
せつ菜「……」
しずく「………ごめんなさい」
せつ菜(あ……)
しずく「……そうお返事を貰ったあの日から、私の心はずっと上の空でした」
せつ菜「…え?」
しずく「練習やお稽古にも身が入らなくて……毎日毎日、昨日の事のように頭の中で繰り返してしまうんです。そして気付きました…これが失恋なんだって」
せつ菜「……」
しずく「…思い切って忘れようと思いましたし、強がってこれも演劇の上達への経験の1つだなんて思ったりもしました。でも…無理だった」
せつ菜「…しずくさん」
しずく「本当は分かってたんです…振られることは。せつ菜さんはスクールアイドルに一途ですし、私とそういう気がないってことも」
せつ菜(そんなことは……)
しずく「……でも体は正直で、せつ菜さんと大好きなものに触れる時間が楽しかったから。せつ菜と一緒にいる時間が愛おしかったから……この先一緒に隣で歩んでいたいと思ったから……私は…あの時…」
せつ菜「……っ」
しずく「だから、先程せつ菜さんからの告白に頭が追い付かなくて……私、夢を見てるんじゃないかって…」
せつ菜「…夢では、ありませんよ」
しずく「本当に…?夢じゃないですか?醒めたりしませんか…?」
せつ菜「しませんよ、安心してください。ほら、ちゃんと触れられていますよ?体温も感じますか?」
しずく「はい…!」
せつ菜「………すみません、あの時の私は勇気がありませんでした。しずくさんから告白を受けた時、すっごく嬉しい気持ちと…不安な気持ちが同時に湧いてきました」
しずく「……」
せつ菜「もちろんスクールアイドル活動のことや学校のこと…しずくさんと友人以上の関係になるという変化に私はついていけるのか。なにより、あなたを幸せに出来るのか……」
しずく「そんな…こと…」
せつ菜「わ、私は恋愛など初めてだったので…どうしたらいいか悩んでしまって。目の前の返事を待っている人を置き去りにして、勝手にマイナスに考え込んで……」
しずく「…」
せつ菜「私にはしずくさんは相応しくないんだと決めてしまって。そんなこと、しずくさんと考えていけばいいのに………私から出た言葉はごめんなさい、でした」
しずく「そうだったんですか…」
せつ菜「でも!後悔しているんです!あそこではいと返事を出来ていたら、なんて何度あの後考えたか。しずくさんに気持ちを伝えられて気付きました…私も好きです…」
しずく「…!」
せつ菜「……一度閉じてしまった物語ですが、私のわがままでもう少しだけ続けさせて貰ってもいいですか?……閉じていただいても構いません…」
しずく「……ふふ、ズルいこと言うんですね。せつ菜さん、夢じゃないというのなら、もう1度聞かせてください」
せつ菜「は、はい!…しずくさん、私はあなたが好きです。私と付き合ってくれませんか?」
しずく「はい、よろしくお願いします」
せつ菜「……えへへ、少し遠回りをしてしまいましたね」
しずく「大丈夫ですよ、せつ菜さんとなら。寄り道でも回り道でも」
せつ菜「なら今日な寄り道して帰りましょう!」
しずく「ふふ、早速デートのお誘いですか?」
せつ菜「そうです!」
ーー
ー
せつ菜「彼女ができました!!!!!」
侑「素直におめでとう」
せつ菜「まるで第2の人生がスタートしたような気分です!」
侑「いや~、上手く行くとは思わなかったなぁ」
せつ菜「当然です!両想いですから!!」
侑「やっぱり頑張れって言わなくて正解だったみたい」
せつ菜「しずくさんを想えばなんでもできます!」
侑「キスはしたの?」
せつ菜「……」
侑「デートはしたの?」
せつ菜「見てください!この前クレープを食べに行ったんですが、その時のしずくさんが食べているのを撮った写真です!超絶可愛くないですか!?」
侑「うわあ~!めっちゃときめく~!ねぇねぇ、AirDropで送って送って!」
せつ菜「仕方ありませんね、どうぞ!」
侑「ありがとう!あっ、きたきた………おお、ツーショットばっかり…」
せつ菜「今度しずくさんの家に泊まって、鎌倉観光デートをする予定です」
侑「そうなんだ。いってらっしゃい」
せつ菜「お金を貯めていろんなアニメの聖地へも一緒に行きたいですね…」
侑「う、羨ましい…」
せつ菜「そういえば、侑さん。歩夢さんとはどうなったんですか?」
侑「まだなにも」
せつ菜「告白は?」
侑「…まだだけど」
せつ菜「応援していますよ!頑張ってください!」
侑(逆に言われた…!)
せつ菜「あ、そろそろ時間ですね。この後しずくさんと本屋さんに行くので、私はこれで失礼します」
侑「え?あ、うん。また明日ね」
せつ菜「また明日!」
侑「……」
侑『歩夢?この後時間ある?』
歩夢『あるよー?どうしたの?』
侑『学園の体育館の裏の方に来て欲しいんだけど』
歩夢『体育館の裏?うん分かった何時頃に行けばいい?』
侑『5分後くらいに……』
歩夢『早くない?なら一緒に行こうよ』
侑『私が先に着いてるから歩夢は後から来て!』
歩夢『んー…なにか隠し事してる?』
侑『してない!けど…』
歩夢『けど?』
侑「……」
『伝えたいことがあるの!』
侑「………送信!」
おしまい
告白されたら~とか言ってた侑ちゃんが告白するのな
乙
しずせついいね
しずせつは幸せになるべき
これjΣミイ˶º ᴗº˶リがMVPだな
jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ👍
最後侑ちゃんから行くのがいいね
素晴らしい
乙女なしずくちゃん可愛かった
しずくや歩夢サイドの話も読んでみたいね
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1692609385/
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