【SS】千歌「トイレのおっ いさん」【ラブライブ!サンシャイン!!】

ラブライブ
高海千歌と桜内梨子 sexの初体験

【SS】千歌「トイレのおっ いさん」【ラブライブ!サンシャイン!!】

1:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:39:51.19 ID:o5jxJXRK

ラブライブ!サンシャイン!!のSSです

40レスくらいになると思います

よろしくお願いします

 

2:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:40:47.13 ID:o5jxJXRK

千歌「これは友達に聞いた話なんだけどね」

千歌「その子ね、放課後の教室に一人残ってテスト勉強をしてたんだって」

千歌「誰もいない教室ってすごーく静かなんだってさ。テスト期間で部活も休みだから、普段は聴こえる吹奏楽部の演奏や運動部の掛け声なんかも聞こえないの。こち、こち、っていう時計の音を聴いているうちに、その子なんだかおトイレに行きたくなっちゃって」

千歌「ちょうど勉強にもキリがついたから筆箱や参考書をカバンにしまって、廊下へ出たの」

千歌「最近めっきり日の入りが早くなったよね。外はもうほとんど真っ暗になっていて、教室の灯りを消して戸を閉めると、薄暗ーい廊下に一人っきりで放り出されたみたいだったって」

 

3:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:44:46.55 ID:o5jxJXRK

千歌「当たり前だけどさ、廊下って教室よりも広いじゃない?それまで教室に一人きりだったのが、廊下に一人きりになって」

千歌「今この学校には、ううん、もしかしたらこの世界には自分一人しかいないんじゃないかなって気がしてくるんだよね」

千歌「廊下の端にあるトイレまでの距離もすごく遠く感じられて」

千歌「トイレがあるのは階段と反対側だったから余計にそう思ったのかな。それで二階じゃなく、一階のトイレに行くことにしたの」

千歌「教室の前の窓ってこんなに大きかったかな。床の木目ってこんな模様だったっけ。あんな所に消火栓はあったかしら」

千歌「そんなことを考えながら廊下を抜けて、早足で階段を踏んで一階に降りてきたの」

 

4:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:45:56.48 ID:o5jxJXRK

千歌「とりあえず降りてきたけど、結局一階も二階と同じくらい暗かったのね。もういいや、って暗い窓に挟まれた廊下をトイレまで歩いて行ったの」

千歌「入口をくぐってすぐ、あれ?って思ったんだって」

千歌「一階のトイレって個室が四つあるでしょ。梨子ちゃんはまだ行ったことないかな。入口から一個、二個、三個、って個室が続いていて、一番奥の個室には掃除で使うモップやバケツが入ってるの」

千歌「誰もいないと思ってトイレに入るとね、四つある扉が全部閉まってたんだって」

千歌「一番奥の扉は掃除の時間以外は開けられないように金色の小さい南京錠で鍵がかかってるんだけど、それ以外の扉は誰も使ってないなら開いてるはずなんだよね」

 

5:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:48:36.12 ID:o5jxJXRK

千歌「ちょっと変だな~って思ったけど、その子もおトイレ我慢してたから、深く考えず一番手前の扉にノックしたの」

千歌「コン、コン……」

千歌「……返事がないの。あれ~、変だな~、って思って。今度は二番目の扉にノックしてみたの」

千歌「コンコン……」

千歌「やっぱり、返事がないんだ。故障してるのかなぁ、三つ目も開いてなかったら二階まで戻るのかぁ、嫌だなぁ、なんて思いながら、三つ目の扉を叩いたの」

千歌「コンコンコン……」

千歌「……ここも駄目かぁ、と思った次の瞬間」

『お  い……』

 

6:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:52:53.09 ID:o5jxJXRK

千歌「お  い、って。苦しそうな低~い声で、確かにそう聴こえたんだって」

千歌「その子もすっかり油断してたのね、多分故障なんだろうなぁって。そこに突然『お  い』だよ?一気に鳥肌が立ってその子、何が何だか分からないまま転がるようにトイレから逃げ出したの」

千歌「もうおしっこなんて引っ込んじゃったって。……それ以来、一階トイレの三番目の個室には『お  いさん』が出るっていうウワサが出来たんだよ……」

曜「……」

梨子「……」

千歌「……」

曜「……え?おしまい?」

千歌「うんおしまい。怖かったでしょー?」

梨子「怖いといえば怖いけど……えぇ、何?この話」

 

7:(八つ橋) 2023/09/26(火) 12:58:28.97 ID:o5jxJXRK

千歌「浦の星女学院の七不思議だよ!」

梨子「七不思議って……あと六つもこんな話があるの?」

千歌「何言ってるの梨子ちゃん、七不思議を全部知っちゃうと……呪われちゃうんだよお~……!」

梨子「呪いなんてそんな……え、曜ちゃんは知ってるの?あと五つ?の不思議」

曜「知らない……ていうかトイレのやつも初耳だよ」

梨子「ええ?!」

千歌「それはそうだよ~!私が昨日聞いた話なんだから」

曜「よくある怪談のフォーマットとかじゃなく、ホントに聞いた話だったんだ」

梨子「ということは、その、トイレのお……パイさんは実在するってこと?」

 

8:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:00:19.94 ID:o5jxJXRK

千歌「そう!トイレのお  いさんは本当にいるの!奇跡も、怪談も、あるんだよ!」

曜「救いはないのかな?」

梨子「私こういうの現実的に考えて怖くなっちゃうなぁ」

曜「どういうこと?」

梨子「常識的に考えて、よ?そのトイレにはうちの生徒が入っていて、ノックに対してお、お……」

千歌「お  いね」

梨子「そういう卑猥な言葉を返してきたってことなのよ?それって怖くない?日常会話に猥語を使うような人がこの学校に居るなんて」

千歌「そーお?普通じゃない、お  いくらい」

曜「千歌ちゃん……」

 

9:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:01:50.92 ID:o5jxJXRK

ダイヤ「貴方たち、公衆の面前で一体なんて会話をしてますの……」

千歌「あ、ダイヤさん。おはよー」

ダイヤ「はい、おはようございます。……全く、よろしいですか?私たちはスクールアイドルとして市民の皆さんに浦の星の魅力をお伝えすべく清く正しい振る舞いを……」

鞠莉「んもー!ダイヤってば固いよぉ!」

果南「硬度10だねぇ」

 

10:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:04:21.05 ID:o5jxJXRK

曜「あれー、果南ちゃん早いね、珍しー!」

果南「おいおい、高校三年生だよ、私。テスト期間くらい勉強しとかないと卒業危ないの」

鞠莉「果南は出席もギリギリだしテスト落とすとホントにヤバイよね~。期末で赤点とか取っちゃったら……」

果南「留年ですね」

果南 鞠莉「wwwwww」

ダイヤ「笑いごとじゃありませんわよ……来年からは静真高校と統合になるんですから。留年した者が混ざっていては浦の星の面目が立ちませんわ!」

 

11:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:06:15.30 ID:o5jxJXRK

鞠莉「ところで、なんでお  いの話してたの?サイズにお悩みなら手伝ってあげましょうか?」ワキワキ

千歌「いやいや!そうじゃなくって~……」

~从c^ヮ^§ カクカクチカチカ~

果南「ふーん、妙なこともあるもんだねぇ」

曜「果南ちゃんは聞いたことある?トイレのお  いさん」

果南「知らないなぁ……ダイヤはどう?」

ダイヤ「そんな生徒がいたらトイレの前で待ち構えて風紀粛清ですわ」

梨子「鞠莉さんは?」

鞠莉「……知らな~い」

梨子「……?」

 

12:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:10:11.40 ID:o5jxJXRK

千歌「三年生が知らないってことはやっぱり」

善子「昏き者どもの仕業ね」

千歌「うわぁ!ビックリした!」

善子「学び舎という感情の坩堝に置き捨てられ忘れ去られた負の念はやがて魑魅魍魎へとその姿を変じ、此岸に暮らす者の生気を食らいに現れるのです……」

千歌「坩堝ってなんて読むの?」

花丸「るつぼ、ずらよ千歌ちゃん」

ルビィ「おはようございまーす」

 

13:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:12:29.31 ID:o5jxJXRK

~从`•ヮ•§ ハザマ~

善子「ふーん、トイレの花子さんみたいな話ね」

ルビィ「ととッとトイレの花子さン゛ゅょ゛ぇ連_√﹀╲_/!??」

曜「文字化けみたくなっちゃった」

千歌「違うよ!トイレのお  いさん!」

花丸「この学校に妖怪はいないと思うずらよ」モグモグ

善子「どうしてよ」フトルワヨ

花丸「なんとなく、ずら~」ムグムグリ

善子「なんとなくって」

果南「お寺の子がそう言うならそうなんじゃない?」

 

14:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:15:08.07 ID:o5jxJXRK

ダイヤ「ということはやはり、我が校の生徒の中に風紀紊乱の担い手が……!?」

千歌「花丸ちゃん」

花丸「ぶんらん、ずら」

善子「そのトイレのお……仮にOさんとしましょ。そのOさんって一年生なんじゃない?」

曜「どうしてそう思うの?」

善子「だってOさんが出たのって一階のトイレなんでしょ?一階のトイレを一番使うのって、同じ一階に教室がある一年生なんじゃない?」

ルビィ「くぁwせdrftgyふじこlp」

花丸「よしよし」ナデシコ

千歌「早計だよ、善子ちゃん……早慶上智だよ!」

曜「なんだか褒めてるみたいだね」

 

15:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:17:44.77 ID:o5jxJXRK

善子「な、何が早計だって言うのよ」

千歌「一階のトイレを使うのは一年生だけじゃあないんだよ。一階には職員室とか応接室みたいな、生徒以外が使う部屋が全部固まってるんだよ」

善子「フッ……何を言い出すかと思えば、早計はあなたの方だったようね」

千歌「!?」

善子「お忘れかしら?職員室の横には専用のトイレがあって、先生たちはそこを使うのよ」

千歌「ガーン!」

善子「そして……鞠莉!」

鞠莉「what!?」

 

16:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:19:59.96 ID:o5jxJXRK

善子「その、千歌の友達がOさんに会ったという日。その日に来客はあったかしら?」

千歌「えっとね、先週の金曜日のことだよ」

鞠莉「いいえ、無かったはずよ」

善子「これでハッキリしたわね。先生は職員室横のトイレを使う。来客も無かった。つまりトイレのOさんは一年生の誰かなのよ!」

千歌「ガガーン!!」

ルビィ「ピビャー!!」

 

17:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:21:27.10 ID:o5jxJXRK

善子「フッ……ぐぅの音も出ないようね」

果南「ガガーン、とは言ってるけどね」

千歌「感動した……感動したよ善子ちゃん!関関同立だよ!名探偵誕生だよ!」

善子「だからヨハネよっ!」

 

18:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:25:44.90 ID:o5jxJXRK

梨子「いや、普通に二年生や三年生の可能性もあるんじゃないの?」

善子「えっ」

曜「そもそも千歌ちゃんの同級生、っていうか私や梨子ちゃんの同級生でもあるわけだけど、その子だって二年生だよね」

千歌「あ、そっかあ」

梨子「うちの学校って二年生は二階に、三年生は三階に教室があるじゃない。一年生が三階にあるトイレを使うことはあんまり無いかもしれないけど、三年生や二年生が下校前に一階のトイレへ寄って行くことは十分有り得ると思うわ」

 

19:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:29:34.08 ID:o5jxJXRK

ダイヤ「つまり……」

曜「ふりだし、ってことだね」

千歌「暗礁だ〜!タイタニックだ〜!」

果南「タイタニック号がぶつかったのって氷山じゃなかったっけ」

千歌「えんだ~!」

ダイヤ「それはボディガードですわよ」

 

20:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:31:26.08 ID:o5jxJXRK

鞠莉「みつかりっこなさそうだし、もういいんじゃなーい?」

花丸「手がかりならある……と、思うずら」

千歌「ほんと?教えて教えてっ!」

花丸「えっとね、千歌ちゃんのお友達が通った時、一階の廊下は二階と同じくらい暗かった、って言ってたよね」

千歌「うん、そうだよ」

花丸「それはつまり、一年生の教室も電気が消えていた、一年生が皆帰っちゃってた、ということなんじゃないかな」

曜「ということは」

ルビィ「一年生の中にOさんはいないってことだね!」

善子「水を得た魚、とはこのことね」

 

22:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:35:05.50 ID:o5jxJXRK

梨子「でも待って。一年生の教室を最後に出た子がトイレに向かった、って可能性もあるわよね?」

花丸「そうだね。だから、それを確かめに行こうと思うんだ」

~从`•ヮ•§ ショクインシツナノダ~

洋子「ああ、憶えてるよ」

花丸「その子は、教室の鍵を返しに来た後、すぐに帰りましたか?」

洋子「ポケモンみるんです~って言ってたし、自転車押して校門出てくのがみえたからそのまま帰ったと思うよ」

花丸「そうですか、ありがとうございました」

 

23:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:39:13.73 ID:o5jxJXRK

果南「どうやら、トイレのOさんは一年生じゃないみたいだね」

ダイヤ「そして同じことが三年生に対しても言えます」

曜「どうして?」

ダイヤ「三年生の教室を最後に出たのが、他ならぬ私だからです」

ダイヤ「あれはまだ日が落ち切っていない頃だったかしら。最後に教室を出た者が施錠し、鍵を職員室へ持って行くという決まりに従い、私が職員室へ鍵を返しに行きました」

千歌「へー、そうなんだ」

ダイヤ「”そうなんだ”……?」ピク

千歌「あ゛いや!その子は!私の友達は!鍵を返しに行くって知らなかったんだな、って!」

曜「お手洗いに行きたくて忘れてたのかもしれないね!」ヨーフォロー!

ダイヤ「まったく……」

 

25:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:42:01.39 ID:o5jxJXRK

善子「ちょっと待ってよ。二年生でも一年生でも、三年生でもないっていうなら、トイレのOさんって一体どこの誰なの?」

ルビィ「先生……は、職員室のトイレを使うんだよね」

曜「三年生の教室と一年生の教室は閉まってて、二年生の教室には誰もいなかったんだよね」

果南「先に教室を出た誰かが何十分もトイレに籠ってたとか?」

花丸「うーん……もう一つ、検討できる可能性があると思うんだ」

梨子「それって?」

 

26:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:44:12.48 ID:o5jxJXRK

花丸「なんて云ったらいいかな……えっとね、校内にはまだ生徒が残っていた、と思うんだよ」

善子「残ってた、ってどこに居たのよ。さっき曜が言ったみたいに、教室に人は残ってなかったんでしょ」

梨子「テスト期間だから部活動もお休みで美術室や音楽室も閉まってるし……」

ルビィ「あ、図書室とか!」

花丸「ううん、司書の先生が夕方で帰っちゃうから、図書室はもう閉まってたと思うよ」

ルビィ「ぅゆ……そっかぁ」

 

27:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:48:05.87 ID:o5jxJXRK

鞠莉「渡り廊下とか、校庭はどう?」

果南「この時期もう真っ暗だよ?なんでわざわざそんなとこで……」

鞠莉「満天の星空の下、小鳥たちは二人だけの世界で愛を囁き合うのでーす!」

梨子「……!!」

曜「梨子ちゃん、顔、顔」

 

28:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:52:26.51 ID:o5jxJXRK

善子「ちょっとズラ丸、もったいぶってないでさっさと言いなさいよ。あんたが思いついた可能性って何なの?」

花丸「うん、つまりね」

花丸「トイレのOさんには、教室や部室以外にも自由に出入りすることが出来る場所があったんだ……と思うずら」

曜「学校の中にあって……」

梨子「教室でも、部活動に使う部屋でもない……!それって」

千歌「わかったあ!」

 

29:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:54:29.93 ID:o5jxJXRK

千歌「生徒会室だ!」

善子「ということは、トイレのOさんの正体って……」

ルビィ「お姉ぃちゃん!?」

ダイヤ「ブッブー!ですわ!!」

ルビィ「ピや゛ぁ!」

ダイヤ「どうして私がそのようないかがわしい真似をしなければなりませんの!」

善子「でも、確かにダイヤになら可能よね」

千歌「生徒会の仕事で、遅くまで残ってることあるもんねぇ」

 

30:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:56:50.93 ID:o5jxJXRK

ダイヤ「た、確かに私は生徒会長として生徒会室への自由な出入りを許可されていますし、そのための合鍵も預かっていますが……」

善子「やっぱりそうよ!ダイヤが犯人だったのね!」

梨子「犯人って、別に何か悪いことをしたわけじゃ……」

ダイヤ「違います、違いますわー!私じゃありませんー!」

千歌「ダイヤさんよ……全部吐いて、楽になっちまおうや……」

曜「すっかり、人情派の刑事さんだね」

千歌「テスト期間中も活動してるのなんて生徒会くらいなんだからよぉ~」

果南「でも、動機がわかんないよね。なんでダイヤがそんなことするわけ?」

 

31:(八つ橋) 2023/09/26(火) 13:59:51.60 ID:o5jxJXRK

善子「クックック……きっと生徒会長としての重責に苛まれたのね。規範を守れない下級生や留年飛び込み一歩手前の同級生に手を焼きながら、溜まり積もっていく仕事に追われる日々」

千歌「きはん、ってなーに?」

果南「や、大丈夫だって。ちゃんと勉強してるって」

善子「行き場を求め彷徨し、屈折した鬱憤はやがて理性という固く重い扉の瓦解へと……」

花丸「やめるずら」ペシ

善子「ぅえ」

 

32:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:02:10.01 ID:o5jxJXRK

花丸「もう一人、いるよね。自由に出入りすることが出来る部屋を持っている人が」

果南「……あぁ、なるほど」

ダイヤ「……そういえば、そうですわね」

花丸「生徒会室と同じく学校の中にあって、教室でも部室でもない場所を使うことが出来る存在」

花丸「学校職員でありながら、職員室のトイレではなく生徒用のトイレを使う存在」

花丸「トイレのOさんの正体は……浦の星女学院理事長。つまり」

鞠莉「…………」

花丸「鞠莉さんずら」

 

33:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:06:18.55 ID:o5jxJXRK

千歌「なんだ~鞠莉ちゃんだったのかあ」

善子「まぁ、鞠莉ならさもありなん、って感じね」

鞠莉「……あの~、誰か理由を訊いてほしいのだけれど……」

千歌「や~、だって……ねえ?」

善子「鞠莉だし……」

千歌「言うかな、って。お  いの一つや二つ」

 

34:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:10:11.28 ID:o5jxJXRK

鞠莉「驚くほど信用がありません……」

ダイヤ「ご自分の胸に手を当てて考えてごらんなさいな」

果南「人の胸にばっかり手を当ててた結果がこれだよ」

梨子「鞠莉さん、どうして……?」

鞠莉「梨子……!」

梨子「どうして、最初に千歌ちゃんの話を聞いた時に自分だって名乗り出なかったんですか?」

鞠莉「oh……そっちの理由ですか~」

 

35:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:12:51.28 ID:o5jxJXRK

鞠莉「だってダイヤったらフーキシュクセー!なんて言ってるんだもん。ハーイ私でーす!なんて言ったらアイアンヘッドされそうじゃない」

ダイヤ「当然ですわ。言葉の乱れは心の乱れと云いますし、一つの綻びがやがて蟻の一穴となり大きな……」

鞠莉「それに私、言ってないよ。『お  い』なんて」

ダイヤ「ですから私たちは言葉の一つ一つに……え?」

鞠莉「そりゃー、ダイヤの成長を揉んで確かめたり、後ろからいきなり曜の胸揉んだり、果南に抱きついて揉みしだいたりしたけどさ~」

曜「あったねえ……」アハハ

果南「やっぱり訴えようかな」

 

36:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:19:35.05 ID:o5jxJXRK

鞠莉「扉の向こうの誰とも分からない人にいきなり『お  い』なんて言わないわよー!」

梨子「ということは、トイレに入ってたのは事実なんですね?」

鞠莉「この際言っちゃうけど、ほとんど花丸の推理通りよ。理事長室でちょっと書類を片付けて帰ろうとしたんだけど……」

曜「けど?」

鞠莉「そこでひどいstomach ache……腹痛に襲われてね」

善子「それでトイレに駆け込んだ、ってわけね」

花丸「理事長室があるのも同じ一階だもんね」

ルビィ「お腹が痛くてトイレに、ってあんまり大きな声で言いたくないよね……」

 

37:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:23:12.99 ID:o5jxJXRK

鞠莉「それで、しばらくしたら誰か入ってきたのよ」

千歌「きっと私の友達だね」

鞠莉「その子はどうやら扉を順番にノックしていってるみたいだったのね」

鞠莉「他の個室も閉まってたんだったかしらー?なんて考えてるうちに、私の入ってる個室の扉がコンコンコン、ってノックされたの」

ダイヤ「それで、鞠莉さんは何と返事したんですか?」

鞠莉「うん、私もまだ出られそうになかったから、こう返したの」

鞠莉「『Occupied』って」

 

38:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:29:04.13 ID:o5jxJXRK

千歌「……え?お  い?」

善子「やっぱり言ってない?」

梨子「あー……」

ダイヤ「そういうことでしたのね……」

千歌「あれ、梨子ちゃん?ダイヤさん?なんで納得してるの?」

曜「occupiedって”占拠された”とか”有人の”みたいな意味だっけ?」

ルビィ「曜さんすごい……!」

曜「深海の有人探査艇なんかを英語でHOV、Human Occupied Vehicle、って云うんだよ、確か」

花丸「さすが船乗りさんずら~」

曜「まだ志望、だけどね」ヨーソロー!

 

39:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:34:50.28 ID:o5jxJXRK

ダイヤ「曜さんのおっしゃる通り、occupyは空間の使用を意味する言葉。occupiedはその過去分詞形ですわね」

梨子「英語圏だと、ノックを返したり、yes、I’m in hereなんかと同じように”入ってます”の意味で使われるのよね」

千歌「梨子ちゃん詳しいね~」

梨子「……一般教養よ」

鞠莉「千歌っちの話を聞いてすぐ分かったわ。これ、私やーん……ってね」

ダイヤ「それならそうと……」

鞠莉「だって~……ダイヤったらスマートホーンブンブンだったんだもーん。私ってば信用無いみたいだし~?正直に話してもメタルクローされそうじゃない」

曜「根に持ってるね~」

善子「根に持ってるわね」

ダイヤ「おバカさんですね……悪気があったのでなければ私は怒ったりしませんわ」

 

40:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:38:40.82 ID:o5jxJXRK

鞠莉「……!」

ダイヤ「それよりも鞠莉さん、もうお体の具合はよろしくて?あまりお一人で根を詰めないでくださいね。朝夕は冷え込む季節です。皆さん集まっていることですし、温かいお茶でも入れましょうか」

鞠莉「ダイヤ~~!!」ハグッワシワシワシ

ダイヤ「……」

ダイヤ「鞠莉さんッッ!!!!」

~ノξソ>👅^ハ6 テヘペロ!~

果南「やれやれだね」

果南(……そういえば、鞠莉が使ってた以外の個室って、なんで閉まってたんだろ)

果南(……まーいいか。きっと故障か何かでしょ)

 

42:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:41:49.96 ID:o5jxJXRK

~ノcノ,,・o・,,ノレ ホウカゴズラ~

???「ねぇ、聴こえる?」

???「……」

???「そろそろ、元の場所に帰ろう?」

???「…ム…ポム……」

花丸「うん、そうなの。ここ、もうすぐ無くなっちゃうんだ」

???「テ……ヨー……」

花丸「ごめんね、マルたちも頑張ったんだけど……」

花丸「あとちょっと、届かなかったの」

 

43:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:43:49.15 ID:o5jxJXRK

花丸「…………」

???「チャン……」

???「ナイヨー……」

花丸「……そうだね。笑顔で」

花丸「明日の、ちょっと楽しいことを考えるずら」

花丸「幸運はまず笑うことから、だよね」

花丸「……なーんて、文学的なことを言ってみたりして」

 

44:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:45:42.90 ID:o5jxJXRK

花丸「マルのお話は、まだまだ続くけれど」

花丸「今日はここまでずら」

花丸「また今度も、笑って会えますように」

花丸「それじゃ」

 

45:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:51:34.90 ID:o5jxJXRK

⎛(cV„^ ᴗ ^V⎞@cメ*^ ᴗ ^„ リ

花丸「おやすみなさん♪」

~おしまい~

 

46:(八つ橋) 2023/09/26(火) 14:56:31.04 ID:o5jxJXRK

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました

お  いとoccupiedの聴き間違い、という一発ネタのつもりで書き始めたのですが、気づいたら想像の何倍も文量が増えてミステリみたいになっちゃってました

初投稿なので緊張しましたが、やっぱり物語を書くのって楽しいですね

 

48:(八つ橋) 2023/09/26(火) 15:17:44.41 ID:o5jxJXRK

⎛(cV„^ ᴗ ^V⎞@cメ*^ ᴗ ^„ リ ←この子たちは別の時空からやって来て、たまたま空いていた隣同士の物件に住み着いただけの思念体というか、生霊みたいな存在です

物が変じたオバケでも、噂話に語られる妖怪のような存在でもなく、また大した危害も加えないため、花丸ちゃんも容認していました

ルビィちゃんにとっては大差ないかもしれませんが(笑)

 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1695699591/

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