ヒーロー様のお出まし【SS】

梢「という訳でね、今朝の花帆さんの愛らしさといったら」ﾆｺﾆｺﾆｺ

慈「特大のノロケ来ちゃったよ。浮かれコッズめ」

綴理「こずがヒーローの役だったんだね」

梢「ええ。花帆さんの夢の中の私、花丸ね」

慈「何ていうか、聞いてるとヒーローっていうかゴリr」

綴理「めぐ、だめ」

慈「」ﾓｺﾞｺﾞ

綴理「こずがヒーロー…きっとかっこいいしつよそう」

梢「あらあら…まあまあ…綴理ったら」ﾆｯｺﾆｯｺ

梢「…！この高揚感！『降りて』来たわ…！」

慈「うわっ」

梢「綴理！慈！失礼するわね！こうしてはいられないわ！今なら最高の曲が書けそうよ！」ｽﾀﾀﾀﾀﾀ

綴理「行っちゃった」

慈「こうやって浮かれ放題な曲が生まれてるとか応援してくれる皆には見せられないよねぇ」

綴理「ヒーロー、いいなあ。楽しそう」

慈「ええ？綴理？」

綴理「めぐ、ボク決めた。皆でヒーローになる曲を作りたい」

瑠璃乃「かっけー！映画みたいな夢いいじゃん！」ｷｬｯｷｬｯ

さやか「素手でですか…」

花帆「あたしね、たまにテロリストが学校に攻めてきたらって想像するんだけど、やっぱり梢センパイが居てくれたら安心だよねっ」

瑠璃乃「う゛んう゛ん、よくあるよねぇ」

さやか「つ、ツッコミが追いつかないってこういう事なんですね」

瑠璃乃「まあまあ、授業中ちょろっとそんな妄想して暇つぶししちゃう事、さやかちゃんもあるっしょ？」

さやか「授業中にですか！？」

花帆「ちょっと残念なのは、せっかくの夢なんだからあたしも活躍したかったな！梢センパイとコンビを組んでね！えいっえいっ」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

瑠璃乃「いいねいいね！ルリとめぐちゃんは銃撃戦で活躍しちゃうぜ！こんな風にﾄﾞｩﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙｯ」

さやか「もう、お二人とも…」ｿﾜｿﾜ

瑠璃乃「おおー！いいね花帆ちゃん！それアリだよ！ルリわくわくして来た！」

さやか「なるほど、曲や衣装のモチーフに…斬新な着想ですね。例えば戦隊もの？でしたっけ？チームで戦うヒーロー作品のような雰囲気でしょうか？」

瑠璃乃「あ、そういう系？アクション映画みたいなの考えてたけどそっちもいいね！」

花帆「かっこ良くて元気の出る曲が作れそう！」

さやか「あ…」ｶｱｱｱｱｯ

瑠璃乃「？」

花帆「どしたのさやかちゃん？」

さやか(この間お休みの日にたまたま見たら面白かった事とは関係ありません！ありませんとも！)

瑠璃乃「例えばねー、まずこう、先輩チームがクールに引っ張ってくれる訳ですな」

花帆「うんうん！その後に続くあたしたち！全員にそれぞれ見せ場が作れたらいいなあ」

さやか「…」

さやか「…」ﾋﾟｰﾝ

さやか「瑠璃乃さん、ナイスです」ｸﾞｯ

さやか「スーパー戦隊は赤がリーダー。センターは綴理先輩で決まりですね！」

瑠璃乃「お゛お゛！？どしたの？？」

さやか「花帆さん、残念ですがお約束ですから…センター、いえリーダーは綴理先輩で決まりです」

瑠璃乃(あっ)🔋

花帆「確かに綴理先輩すっごく強そうだよ！天才的で華麗な動きしそうだけど！でもねっ梢センパイだって」

さやか「一部の隙も無駄も無い洗練された身のこなし！綴理先輩は強そう、じゃなく強いんです！」

瑠璃乃「お゛、落ち着いて2人とも！」

花帆「むむむ！異議ありだよっ！梢センパイは部長だもん！リーダーは梢センパイ！！」

さやか「むむっ…ここは譲れませんよ、花帆さん」

瑠璃乃(ベリーヒートアップ！！)

瑠璃乃「あ゛！ル、ルリ思ったんだけどさ！ダブルセンターってどうだろ？2人で力を合わせて曲の」

花帆「瑠璃乃ちゃん！瑠璃乃ちゃんはどう思う！？」

瑠璃乃(ぜ、全然聞いてねー！)

さやか「瑠璃乃さんの意見を是非聞かせてください」

瑠璃乃(たす…けて…めぐちゃん…)🪫

綴理「ふむふむ…」ｶｷｶｷ

綴理「歌詞半分だけど書けたよ。ボクとこずは2人で1人のスクールアイドル」

慈「2人で罪でも数える気？他の皆は？」

綴理「よく考えたら、皆をあぶない目に遭わせるのはだめ。こずが戦うならボクも一緒。そして皆を守るんだ」ｸﾞｯ

慈「そ、そういう事ね…それ曲になる？大丈夫そ？」

綴理「ありがと、大丈夫。続きがんばるぞー」

さやか「綴理先輩！」ﾀﾀﾀ

綴理「あ、さや」

………

さやか「そういう訳でリーダーには綴理先輩が最も相応しいです。長年愛されてきたシリーズを曲と衣装のモチーフとして採用するのはスクールアイドルとしても斬新なものが生まれると思いますし、大抵赤と青のヒーローは唯一無二の相棒として固い絆で結ばれ」

慈「さやかちゃんも仕上がっちゃった」

綴理「さや…気持ちはすごく嬉しい。でも、だめなんだ。戦うのはボクとこずだけでいい」

さやか「」

さやか「え…？」

綴理「さやも、めぐも、かほも、るりも、絶対危ない目に遭わせられない。皆ボクたちが守るから。だからね、」

さやか「…私を」

さやか「私を…あなたの隣に立たせて貰えないんですか？綴理先輩…」

綴理「…さや…」

慈「これ曲の話だよ？？？？？」

慈「修羅場になってるやろがい！！！」

つづさや「あっ」

………

梢「そしてしたためた詩がこちら。読んでくれるかしら、花帆さん」ｽﾞｯｼﾘ

花帆「わあっこんなにたくさん！センパイありがとうございます♡♡♡」

慈「こっちはこっちで仕上がってるし…よしよし、ルリちゃん。私が付いてるからね」

ぼっちハウス「セン…キュー…」ｺﾋｭｰｺﾋｭｰ

梢「書いている内に気分が乗って来て、一曲には収まらないボリュームになってしまったの。曲のメインになる部分を決めようと思うのだけど、是非花帆さんの意見を聞かせてくれるかしら」

花帆「分かりました！ふんふん、ふんふん…」

慈(読むの早っ)

花帆「選べません…！」

花帆「この詩、とっても素敵でどこか削るなんて考えられないです！」

慈「全部読んだん？」

梢「花帆さん…！」

花帆「梢センパイっ」

梢「私が間違っていたわね。この詩篇を劇にするというのはどうかしら。そう、壮大な…これは叙事詩であり花帆さんと私が共に歩み…手を取り合っ」

慈「そっかそっか。5年後くらいに読み返してみたらいいと思うよ」

瑠璃乃「お゛、お゛う…どうかなあ…」ﾌｯｶﾂ

綴理「さや、見て。ヒーローのおはなしは止めにして、新しく歌詞を書いたんだ。ボクとさやの歌詞だよ」

さやか「綴理先輩…！」

綴理「ボクの隣はさやじゃないと」

めぐルリ(ほっ)

慈「もー、まとまったのはいいけど皆こっちに丸投げしちゃってさっ」

瑠璃乃「まあまあ、みらぱ流ヒーローショーで皆に楽しんでもらうの、ルリやってみたい！めぐちゃんは？」

慈「んー…」

慈「まあね？ルリちゃんと私なら？皆を夢中にさせちゃうとびっきり楽しくてカッコいい曲とか？作れるに決まってるけどね」

瑠璃乃「めぐちゃんもやってみたかったんだね！」

慈「ちーがーうーもん！」

そして「ノンフィクションヒーローショー」が誕生した。

おわり