きな子「どうもっす!鬼塚商店っす!いつもありがとうっす!」第2話
──
~かすみの店・開店前~
ガラガラッ
きな子「おはようございますっす!鬼塚商店っす!!」
かすみ「あ、きな子おはよう~」
きな子「今から品物運ぶっす」
かすみ「よろしく頼みますよぅ~」ニコニコ
きな子「・・・・・・よっこいしょ」ズシッ
きな子(かすみさんのお店は毎日納品数が多いから大変っす・・・・・・)
ドサッ
きな子「ふうっ・・・」
きな子「昨日の夜にかのん先輩のお店でお会いして以来っすね!」ニコニコ
千砂都「・・・・・・・・・あ、うん。おはよう」ヨロッ
きな子「??」
きな子「千砂都先輩??どうかしたっすか??随分と顔が赤いみたいっす」
千砂都「な、何でもないから・・・・・・」フラッ
きな子「大丈夫っすか・・・・・・?」
きな子「あ、そういえば!かのん先輩の試作ラーメン、なかなかの出来だったっす!」
きな子「もう一息で商品化できるレベルに行きそうな感じだったっす!!」
千砂都「ふーん・・・・・・」
きな子「きな子も塩ラーメンに合う材料をおすすめして、新メニュー開発に協力しようと思ってるっす!!」ニコッ
千砂都「・・・・・・・・・・・・」イラッ
千砂都「きな子ちゃん、ウチは毎朝の仕込み量が多くて大変なの!かのんちゃんの店の話なんかどうでもいいから!」
きな子「ひいっ!ごめんなさいっす!!」ビクッ
千砂都「うっ・・・」ズキッ
きな子「どうしたっすか?頭痛いんすか??」
千砂都「こ、こんなのすぐ治るから・・・・・・」フラッ
きな子「・・・・・・」スンスンッ
きな子(千砂都先輩・・・酒臭いっす・・・・・・二日酔いなんじゃ・・・・・・)
かすみ「────ちぃ子~!豚の仕込みある程度終わったら麺箱を厨房に運んでおいて~!」
千砂都「は、はい!!」
千砂都「・・・・・・」イラッ
千砂都「きな子ちゃんはかのんちゃんの何なわけ??」ギロッ
きな子「ひいっ!た、ただの後輩っす!!」ビクッ
千砂都「後輩・・・・・・ね」
きな子(千砂都先輩、二日酔いだからなのか分からないっすが、めちゃくちゃ機嫌悪いっす・・・・・・きな子、何か失礼なことでも言っちゃったかなぁ・・・・・・)
きな子「と、とりあえず急いで残りの品物トラックから下ろすっす!」
千砂都「・・・・・・・・・・・・」チッ
きな子(ふええええっ・・・怖いっす~!!)
──
きな子「では、今日の分も全部納品完了っす。ありがとうございましたっす」
かすみ「毎日ありがとね~」
きな子「では、失礼しますっす」ペコッ
バタンッ
かすみ「・・・・・・あれ?ちぃ子、豚の仕込みまだ終わってないの??いつもより随分と遅いんじゃない?」
千砂都「す、すみません」
かすみ「うーん・・・・・・豚のロールがいつものように完璧な丸になってないな~・・・・・・」
千砂都「えっ!?あ・・・・・・ホントだ!!」アタフタ
千砂都「もう一度巻き直しますっ!」
かすみ「今日はもうこのままで煮込むから他の仕込み始めてよ」ハァッ
千砂都「す、すみません・・・・・・」シュン
Prrrrr・・・(着信音)
かすみ「電話だ、こんな時間に何だろ・・・・・・」
ガチャッ
かすみ「はぁ~い☆りんちゃんラーメンお台場店、店主の中須かすみでございますよぉ~♪」
かすみ「・・・・・・え??はいっ??バイト希望??」
かすみ「ウチは今募集してないけどぉ・・・まぁ、人手足りないといえば足りないんだよねぇ」ウーン
かすみ「・・・・・・そういうことなら~、とりあえず履歴書書いて面接に来てみてくださ~いっ!」
ガチャッ
かすみ「ちぃ子~、アルバイトしたいって子から電話来たよ」
千砂都「そうなんすか??」
かすみ「最近、2人だけだと限界感じることもあるし~、1人雇っちゃおっか~??」
千砂都「ですね、たまにキツイ時もありますしね」ハハハ
かすみ「バイト希望か~、どんな子かなぁ??」
──
~近江弁当店~
Prrrrr・・・(着信音)
侑「うわっ!また注文の電話だ~!!」
侑「はい!近江弁当店です!!」
侑「・・・・・・え~・・・はい。唐揚げ弁当2つとヒレカツ弁当が3つですね」カキカキ
侑「すみません、今日は予約注文が多いもので12:30までには何とか・・・・・・はい。よろしくお願い致します」
ガチャッ
侑「彼方さーん!また予約入ったけど大丈夫??」
彼方「うーん・・・別にこなせる仕事量だけど、材料がねぇ・・・・・・」
ガラガラッ・・・
遥「お姉ちゃんおはよう!」
彼方「あ、遥ちゃ~ん」ニコッ
遥「昨日追加注文貰った業務用漬物も一緒に持って来たよ!」
彼方「ありがと~!助かるよぉ~」
侑「────はいっ!近江弁当店ですっ・・・・・・」
遥「お姉ちゃん、最近は随分と繁盛しているみたいだね」
遥「お姉ちゃんから貰う食材の注文数が以前よりかなり多くなってるし」
彼方「おかげさまでね~。でも、侑ちゃんと2人きりだから回すのが大変になって来たかもねぇ」
侑「彼方さ~ん!また会社関係の大口注文来ちゃったけど大丈夫??断った方いいかな??」
彼方「う~ん・・・揚げ物系なら受けてもいいよぉ~」
侑「りょうか~い!」
侑「────お待たせしました!ご注文お尋ねしますね・・・・・・」
彼方「最近は近所の会社関係からまとまったお弁当の注文も入るようになったんだぁ」
遥「凄いね!お姉ちゃんのお弁当美味しいから認められたということだよ!」
彼方「この調子だと、遥ちゃんの会社からたくさん仕入れないとやっていけなくなるね」
遥「バンバン注文入れてね!私が配達しに来るから!!」ニコッ
侑「彼方さん!はい、伝票!!」ピラッ
彼方「お!侑ちゃん、あいよ~!」
侑「最初は色々な種類の弁当頼まれたんだけど、事情説明して唐揚げ弁当10個に統一して貰ったよ」
彼方「おお~!さすが侑ちゃ~ん!!」
侑「唐揚げ弁当の美味しさ語ったら電話口の人が理解してくれたみたいでさぁ~」
彼方「やるねぇ~侑ちゃん!さすが彼方ちゃんの相棒だよぉ~」ニコニコ
遥「・・・・・・・・・・・・」
彼方「これは鶏肉の仕入れ増やさないとダメかもね~」
彼方「ね?遥ちゃん??」
遥「ん??ああ、そうだね!!・・・・・・バンバン注文してね!私が配達するから」ハハハ
彼方「はいよ!」カキカキ
遥「では、ありがとうございました!!」ペコッ
バタンッ
侑「あれ?遥ちゃん帰っちゃいました??」
彼方「うん。帰ったよぉ」
侑「小袋醤油の追加もお願いしようかと思ったんだけど・・・・・・あとでFAX注文すればいいか!」
彼方「そうだねぇ」
彼方「よぉし!12時までに注文分作り終えるぞぉ~!!」
侑「頑張りましょう!彼方さん!!」
お姉ちゃんの助けを無駄にしない!と頑張って勉強していいとこ入って家計への貢献は自分の方が大きい自負あるけど、距離が近くて一緒の時間が長くて直接自分の手で助けてるのは侑ちゃんの方なんだね……
遥「侑ちゃんの方が大事なの!?」
あかん、血の海やんか
──
~夕方・鬼塚商店~
ザッ ザッ・・・
きな子「ふうっ・・・」
きな子(1人で倉庫の掃除は大変っす・・・・・・)
きな子(・・・・・・さて、伝票の整理は終わってるっすし、今日はもう上がるっす)
きな子「う~んっ・・・・・・」
きな子(明日は休みっす・・・・・・今週もきな子は頑張ったっす・・・・・・)
きな子(さて、戸締りはオッケーっすね・・・・・・)
きな子「お疲れ様でしたっす!!」
きな子「・・・・・・あっ!」
きな子(あぶないっす!会社の電話を留守電に切り替えるの忘れるところだったっす・・・・・・)
ピッ
きな子「これでバッチリっす」
きな子(今度こそ帰るっす・・・・・・)
ガラガラッ・・・バタンッ
カチッ
きな子(裏口の施錠もオッケーっす・・・・・・)
きな子(明日の休みは何するっすかね~・・・・・・)
──
テク テク テク・・・
きな子「・・・・・・・・・・・・」
きな子(今日の夜ご飯も近江弁当店さんで買って行くっすかね・・・・・・)
テク テク テク・・・
きな子「あっ!」
きな子(そうっす!先月見つけた安くて美味い焼き鳥屋に行ってみるっす!!)
きな子(たまに休みの前の晩くらい、外で一杯やってもバチはあたらないっす・・・・・・)
きな子(マスターもいい人だったっすし・・・・・・)
きな子(・・・・・・確か、こっちの裏通りにあったはずっす)
テク テク テク・・・
──
テク テク テク・・・
きな子(え~っと・・・・・・)キョロキョロ
きな子「!!」
きな子(あったっす!!ここの焼き鳥屋っす!!)
ガラッ・・・
カランカラン・・・
きな子「こんばんわっす~・・・・・・」
マスター「いらっしゃ~い」ニコッ
ガヤガヤ・・・・・・
きな子「1人っすけど、いいっすか??」
マスター「いいわよ?カウンターの空いてる席にかけてくれる?」
きな子「あ、はいっす!ありがとうございますっす」ガタッ
マスター「あら?もしかして、先月来てくれた子よね??」
きな子「あ、はいっす!覚えていて貰えて光栄っす」ニコッ
マスター「うふふっ!一度来てくれたお客さんはちゃんと覚えているものよ」ニコッ
きな子「恐縮っす」アハハ
マスター「とりあえず、何飲む??」
きな子「じゃあ、生でお願いするっす」
マスター「うふっ!ありがとね」ニコッ
きな子「・・・・・・」キョロキョロ
きな子(やはり、小さな焼き鳥屋だから、常連さんが客層のメインといった感じっすね・・・・・・)
マスター「はいっ!お待たせ!」ドンッ
きな子「あ、どうもっす」
きな子「じゃあ、いただくっす・・・・・・」
マスター「・・・・・・あ、待って!仕事帰りで明日休みなんでしょ??」ニコッ
きな子「え??まぁ、そうっすけど」
マスター「今日は土曜日だもんね!乾杯しましょっ!私はお水だけど」ニコッ
きな子「え??あ、はいっす」スッ
マスター「乾杯~!」スッ
カキンッ
マスター「1週間お疲れ様」ニコッ
きな子「きょ、恐縮っす・・・・・・」テレッ
きな子「んぐっ・・・んぐっ・・・」グビグビ・・・
きな子(なんというか、温かみがあるマスターっすね・・・・・・)グビグビ・・・
きな子「ぷはあっ!」ドンッ
マスター「随分と一気に飲んだわね!」ウフフ
マスター「そのジョッキ、空けちゃって??もう一杯入れるから」ニコッ
きな子「・・・あ、はいっす!!」
きな子「んぐっ・・・んぐっ・・・」グビッ
きな子(・・・・・・いやぁ、凄い気配りっす・・・・・・商売上手っす)グビグビッ
きな子「ふうっ・・・」ドンッ
マスター「はい、生ね」スッ
きな子「あ、ありがとうございますっす!」
マスター「空いたジョッキくれる??」
きな子「あ、はいっす・・・・・・」スッ
マスター「ありがとね!」ウフッ
マスター「は~い!・・・・・・って、まだ飲むの??そんなに酔っ払っちゃって大丈夫??」
「────かああ゛あ゛っ!!・・・・・・た、頼んだもんも出てこねーのか!この店はっ!!」
マスター「はいはい、ちょっと待っててね」ヤレヤレ
きな子「・・・・・・・・・・・・」ジーッ
きな子(あはは・・・・・・常連さんなんすかね・・・・・・)
マスター「ごめんなさいね、あの子ウチの常連さんなんだけど、いつもはあんなになるまで飲まないんだけどなぁ」ハァッ
きな子「気にしないんで大丈夫っす」アハハ
マスター「そういえば、あなたお名前なんだったかしら??」
きな子「あ、桜小路きな子っす!!」
マスター「きな子ちゃんね、可愛い名前だわ」ニコッ
きな子「い、いえ!そんなことないっす・・・・・・」
マスター「それに桜・・・・・・奇遇だわ」ニッコリ
きな子「??」
マスター「うふふっ!・・・きな子ちゃん、焼き鳥の注文どうする?」ニコッ
きな子「えっ??あ・・・・・・じゃあ、とりあえず・・・・・・ももとねぎまと・・・・・・皮もお願いするっす」
マスター「はーい、これから焼くから待っててね」ニコッ
きな子「はいっす!」
きな子「んぐっ・・・んぐっ・・・」ゴクッ ゴクッ
きな子「ふうっ・・・」
────ガヤガヤ・・・
きな子「・・・・・・」キョロキョロ
きな子(結構良い雰囲気のお店っすね・・・・・・)
「────ま、ますたぁ・・・・・・も、もう一杯ぃ・・・・・・」
マスター「・・・・・・ええ!?もうそろそろやめておいた方いいんじゃないの??」
「────けっっ!さ、酒も出てこねーのか!この焼き鳥屋はっ!!」バンッ
マスター「はいはい、酔いすぎ酔いすぎ!そんなんで帰れるの?泊まってく??」
「────お、お゛お゛お、追い出すってか!!と、とんでもねー店だなぁおいいっ・・・・・・けっっ!!」
マスター「そんなベロベロに酔ってるのにもう一杯飲んだら確実に潰れるわよ?」ハアッ
「────へっ!酒も出ねー店なんかこっちから出願い下げだっ!!」フラッ
ガタッ
マスター「あ、危ない!そんなにフラフラで大丈夫??」
「────けっ!どいつもこいつも!!・・・・・・マスターまでも私の敵かよぉっ!!レズみてーなツラしやがって・・・」ヘロヘロ・・・
マスター「はいはい、レズでいいからまた今度ね」ニッコリ
「────に、ににに・・・二度と来るかよ!あばよっ!」ヨロッ
マスター「あ、危ないっ!」
ドンガラガッシャーン
「いてて・・・・・・」
きな子「だ、大丈夫っすか??立てるっすか??」ダッ
「ら、らいじょうらよ・・・・・・」ベロンベロン・・・
きな子「・・・・・・ん??あれ?・・・・・・もしかして、ランジュさんのお店でお会いした同業の??」
マスター「遥ちゃーん!今日の分はツケね~!!」
遥「・・・・・・あ、あばよっ!」
ガラッ・・・バタンッ
きな子「・・・・・・・・・・・・」キョトン
マスター「おまたせ、注文の焼き鳥ね」スッ
きな子「・・・・・・あ、ありがとうっす」
マスター「あの子、いつもは可愛くていい子なんだけどなぁ・・・、なんだか最近は嫌な事が多いみたいで・・・・・・」
きな子「みんな何かしら悩みはあるっす」
マスター「そうよねぇ」
きな子「はむっ・・・もぐもぐ・・・・・・」
きな子「うんっ、美味しいっす!」ニコッ
マスター「ありがと!」ニコッ
マスター「テイクアウトもやってるから、持ち帰りたい時はいつでも言ってね」ニコッ
──
きな子「ふうっ・・・・・・お腹いっぱいっす・・・・・・」ゲフッ
マスター「あら?もう帰るのかしら??」
きな子「はいっす、おあいそお願いするっす」
マスター「はい、伝票ね」ピラッ
きな子「・・・・・・あれ?随分と安くないっすか??」
マスター「いいのいいの!今日はサービスするからまた来てね」ニコッ
きな子「あ、ありがとうございますっす!!」
きな子「じゃあ、コレで」スッ
マスター「お釣りちょっと待ってね・・・・・・」ガサッ
マスター「はい、お釣り!」ギュッ
きな子「お、おおっ・・・べ、別に手を握らなくてもお金落とさないっすよ・・・・・・」
マスター「うふふっ」ニコッ
きな子「では、ごちそうさまでしたっす」ペコッ
マスター「また来てね」
──
テク テク テク・・・
きな子(ふぅ~・・・、ちょっと飲み過ぎたっすかね・・・・・・)
きな子(コンビニでお水でも買って飲んだ方良いかもしれないっす・・・・・・)フラッ
「────ぐがーーーぐがーーーー」Zzz
きな子「!?」ビクッ
きな子「ええっ!?さっきの人っす!!」
きな子「な、なんでこんなところで寝ているっすか??大丈夫っすか??」
遥「ぐがーーーーぐがーーーー」Zzz
きな子(酔い潰れたせいっすね・・・・・・)
きな子(け、警察呼ぶっすか??・・・・・・いや、起こして水でも飲ませた方が・・・・・・)キョロキョロ
きな子(・・・・・・いや、きな子のアパートの近くっす・・・仮にも面識のある人を放っておけないっす・・・・・・)
きな子「大丈夫っすか??おんぶするっすよ??」グイッ
遥「ううっ・・・・・・」
きな子「よっこいしょっ・・・・・・」ググッ
きな子(さて、アパートまでこの人をおんぶしていくっす・・・・・・)ズシッ
きな子「もう少しの辛抱っすからね~・・・・・・」ヨロッ
遥「ぐがーーー」Zzz
きな子「ううっ・・・・・・」フラッ
──
~翌朝・きな子の部屋~
きな子「んんっ・・・・・・」パチッ
きな子(朝っすか・・・・・・)ムクッ
遥「申し訳ありませんでしたっ!!!」m(_ _)m
きな子「ひえっ!?」ビクッ
きな子「そ、そういえば・・・・・・酔い潰れていた遥さんを背負って連れ帰って来たんだったっす」
遥「ど、どうして私はここにいるのでしょうか・・・・・・」オロオロ
きな子「焼き鳥屋で足もとがフラフラになるくらい飲んだからだと思うっすが、路上に倒れて泥酔していたところをきな子が保護させてもらったんすよ」
遥「えええっ・・・・・・そ、そうだったんですか・・・・・・」シュン
遥「実は昨夜・・・・・・焼き鳥屋さんでヤケ酒していて、途中から記憶がないんです・・・・・・」
きな子「あの様子ならそうなってもおかしくないっすね・・・・・・」アハハ
遥「そうだ!!焼き鳥屋さんの支払いどうなったんだろう??・・・・・・ま、まさか・・・立て替えて下さったんですか??」
きな子「いや、マスターがツケって言ってたっす」
遥「そ、そうでしたか・・・・・・早いうちに払いにいかないと・・・・・・」
遥「と、ところで・・・・・・ランジュさんのお店でお会いした同業の方ですよね??鬼塚商店さんの・・・・・・」
きな子「桜小路きな子っす。・・・・・・東雲物産の近江遥さんっすよね?」
遥「はい・・・・・・」
きな子「この界隈では最大手食品卸である東雲物産さんの社員さんがヤケ酒するなんて、やはり大きい会社は人間関係が大変なんっすかね??」
遥「いえ・・・・・・そうではないんです・・・・・・」
きな子「きな子で良ければ聞くっすよ?」
遥「あ・・・・・・えーと・・・・・・その~・・・・・・」
きな子「言いたくない時は無理に言わなくてもいいっす」
遥「・・・・・・・・・・・・」
遥「実は、私のお姉ちゃんが自営で弁当屋をやっていまして・・・・・・その・・・あの・・・・・・」ウジウジ
きな子「弁当屋さんっすか~ 凄いっす!」
遥「その、私のお姉ちゃんを・・・・・・お姉ちゃんの仕事を外から支えてあげられるようになりたいから今の会社で働いているんですが・・・・・・」
遥「私・・・・・・昔からお姉ちゃんのことが大好きで・・・・・・お姉ちゃんの弁当屋へのサポートも私が1番でありたいと思っていて・・・・・・だけど・・・・・・」
遥「お姉ちゃんの仕事を手伝ってくれている、お姉ちゃんの後輩さんが・・・・・・何ていうか・・・・・・その・・・・・・」モジモジ
きな子「その弁当屋さんって、近江弁当店さんっすよね?きな子もよく買いに行くっす」
遥「あ・・・お姉ちゃんのお店、ご存知でしたか・・・・・・」
きな子「店主の彼方さんのお弁当はホント美味いっすし、店頭で接客してる侑さんも凄く良い人で素敵な弁当店だと思うっす」
遥「は、はい・・・・・・そうですよね・・・・・・私も凄いと思ってます・・・・・・」
遥「でも・・・・・・侑さんのお姉ちゃんへのフォローが素晴らしくて・・・・・・お姉ちゃんも侑さんを頼りにしていて・・・・・・私なんか・・・・・・」
遥「何の役にも立ててないなと思えてきて・・・・・・」ウルッ
きな子「そうだったっすか・・・・・・」
遥「ううっ・・・・・・ぐずっ・・・」シクシク
きな子「あああっ!な、泣かないでくださいっす!!」
遥「う゛うううっ・・・・・・」シクシク
きな子「はい、ティッシュっす。泣き止んでくださいっす」スッ
遥「ず、ずびばぜん・・・・・・」グズッ
遥「そ、そうでしょうか・・・・・・」
きな子「はい、大丈夫っす!!」ニコッ
遥「・・・・・・・・・・・・」
きな子「まずは、焼き鳥屋さんにツケを払うっす」
遥「そ、そうですよね・・・・・・」
遥「一度しか面識がないのに助けて頂いてありがとうございました。その上、愚痴まで聞いてもらってしまって・・・・・・」ペコッ
きな子「いえいえ、当然のことをしたまでっす」
きな子「そうだ、シャワー使うっすか?さっぱりするっすよ?」
遥「えっ??・・・・・・いえ、このまま失礼して家に帰りますんで」
きな子「そうっすか、では気をつけてお帰りくださいっす」
遥「このお礼はまた今度何かしらの形でさせてください」
きな子「そんなのいらないっすよ」ハハハ
遥「では、ありがとうございました」ペコッ
きな子「いえいえっす」
バタンッ
きな子(遥さん、ランジュさんのお店でお会いした時は、東雲物産の優秀な社員さんって感じで頼もしい人なのかと感じたっすが、やはり人には色々な悩みがあるもんっすね・・・・・・)
介抱し慣れてる感あるわ
マスター内さんかな
女優さんはきな子が部屋で飯食いながらテレビ見てた時のだと予想
──
~かすみの店・営業中~
千砂都「次の方ニンニクいれますか~?」
客「ヤサイ少なめアブラカラメで」
千砂都「はーい・・・・・・」モサッ・・・ドロッ・・・
千砂都「はい、お待ち~」ドンッ
千砂都「隣の方は~??」
客「全マシでお願いします」
千砂都「はい、全マシね・・・・・・」モサッ モサッ・・・
千砂都「はい、どうぞ~」ドンッ
千砂都「後ろの方、食券見せてくださーい!!」フリフリ
千砂都「え~と・・・・・・小、小・・・小、大・・・小・・・」
千砂都「はーい、ありがとうございま~す」
千砂都「(ふうっ・・・・・・店主、休日とはいえいつもよりお客多いですね)」ヒソヒソ
かすみ「(うん、今日の分の仕込み、足りないかもしれないよ?ちぃ子)」ヒソヒソ
千砂都「(ですよね・・・・・・ちょっと、外待ちの人数見て来ますね)」ヒソヒソ
かすみ「うん、よろしく」
バタンッ
かすみ(えーっと・・・次のロットわ~・・・・・・1800g・・・・・・)ガサッ
かすみ(・・・・・・あれれ??麺、これしか打ってなかったっけ??)
バタンッ
千砂都「(店主、外に並んでるお客さん30人くらいです)」ヒソヒソ
かすみ「(そっか・・・・・・ちぃ子、行列最後の人に宣告頼んで来て・・・・・・今日はそれでお店閉めるから)」ヒソヒソ
千砂都「(分かりました・・・)」ヒソヒソ
バタンッ
客「ごちそうさまでした」ドンッ
かすみ「あ、ありがとうございましたぁ~」
──
~かすみの店・閉店後~
ガラガラッ・・・ピシャンッ
千砂都「店主、入り口閉めました」
かすみ「ちぃ子お疲れ~」
千砂都「今日は閉店がかなり早まってしまいましたね」
かすみ「今日は仕込みの当てが外れちゃったねぇ」トホホ
千砂都「まぁでもいいですよ、ただでさえ週末は行列が長くなって近隣にも迷惑かけてしまいますし」
かすみ「ちぃ子~、今日は夜の部もこのまま休みにしようか?」
千砂都「え?店主がいいなら私は全然構いませんけど」
かすみ「じゃあ決まり~!!」ニコッ
千砂都「店主、何か予定でもあるんですか??」
かすみ「べ、別に何もないですよぉ~?もともと夜も営業するつもりだったしね」
千砂都「私はどうしようかなぁ・・・・・・」ウーン
かすみ「また昨日みたいに二日酔いで仕事に支障が出るようなことはダメですよぉ??」ニヤリ
千砂都「あはは・・・昨日はホントすみませんでした」
──
~かのんの店・夕方~
かのん「よし、夜営業の準備はオッケー」
かのん「今日はたくさんお客さんが入りますように!」パンパンッ
かのん「・・・・・・・・・・・・」
かのん「よし、神棚拝んだし頑張るぞ~!」
ガラガラッ
かのん「ん?誰か来た??」クルッ
千砂都「かのんちゃん?夜営業開店前の忙しい時にごめんね」
かのん「ちぃちゃん!ちょうど今準備終えたところだし大丈夫だよ」ニコッ
千砂都「そっか、それならよかった」ハハハ
かのん「どうしたの?今日はちぃちゃんのお店営業日だよね?」
千砂都「昼の部の来客がかなり多くて仕込み切らしちゃってさ、店主の判断で早仕舞いして夜の部も休みになったんだ」
かのん「そうなんだ!私の店では考えられないような出来事だから羨ましいよ」
千砂都「だから今日はかのんちゃんのお店の夜の部の1番客になりたくて来てみたんだよね」
かのん「そうなんだ!ありがとね、ちぃちゃん」ニコッ
千砂都「開店何時からだっけ??」
かのん「あと15分後だよ」
千砂都「よし!じゃあ私、外で開店待ちしてる!」
かのん「ええっ!?いいよいいよ~!」アタフタ
かのん「私の店は行列なんか出来たこともないし、夜の部は開けてもすぐお客さん来たりしないし、ちぃちゃんはここで待っててもいいよ?」
千砂都「いや、逆に私が外待ちすることで歩行者に待ちが出来るようなお店なのかと思って貰えるかもしれないでしょ?」
かのん「う~ん・・・それはそうだけど~・・・・・・」
千砂都「いいからいいから!私、かのんちゃんの役に立ちたいし!!」ニコッ
かのん「じゃあ、ちぃちゃんのお言葉に甘えよっかなぁ」
千砂都「うんうん!それでいいよ!かのんちゃんが暖簾出したら1番乗りで入店するね」ニコッ
かのん「ごめんね、ちぃちゃん。今日のラーメンは奢るから」
千砂都「だめだめ!!」ムッ
千砂都「ラーメン代もちゃんと私が払う!!」
かのん「ははは・・・・・・ちぃちゃん、何から何まで悪いね」
千砂都「いいって、いいって!・・・・・・じゃ、外で待ってるから」
かのん「はーい」
バタンッ
──
ガラガラッ
かのん「ちぃちゃんお待たせ~、開店時間だよ」
千砂都「あ、かのんちゃん待ってたよ」ニコッ
かのん「さ、入って入って!」
千砂都「お邪魔しま~す」
バタンッ
千砂都「カウンター座っていい?」
かのん「あ、うん!お好きな席にどうぞ~」
ガタッ
かのん「ご注文は??」
千砂都「え~っと・・・・・・って、まだ醤油ラーメンしかないんだったよね」
かのん「うん、ごめんね。麺の盛りと追加トッピングがあれば選んでね」
千砂都「じゃあ、普通盛でお願い!」
かのん「あいよ~!ご注文ありがとうございます!!」
千砂都「そういえば、新メニューはまだ出来ないの?」
かのん「・・・・・・あ、うん。もう少し手を加えて納得できる味になったら出すつもり」
千砂都「そうなんだ」
かのん「きな子ちゃんがいい材料すすめてくれるみたいだからそれを待ってるんだ」
千砂都「ふーん」
かのん「・・・・・・よし、麺茹でるよ~」バシャッ
かのん「ふふふ~ん・・・・・・」
千砂都「・・・・・・・・・・・・」
かのん「・・・・・・うち細麺だから茹で時間短くてすぐ出来るからもう少し待っててね」
千砂都「・・・・・・あ、うん」
────グツグツグツグツ・・・
かのん「よしっ・・・・・・」ザッ ザッ・・・
かのん「・・・・・・・・・・・・はいっ!おまち~!!」ドンッ
千砂都「ありがとう、かのんちゃん」
千砂都「いただきまーす」パキッ
千砂都「どれどれ、スープから・・・・・・ズズッ・・・」
千砂都「・・・・・・うんっ!鶏ガラと魚介かな?さっぱりとしていておいしいね!」
かのん「ありがと!」
千砂都「はむっ・・・・・・ズゾゾゾゾッ」ズルズル
千砂都「んむんむ・・・・・・」モグモグ
千砂都「うんっ!たまに細麺食べると新鮮だなぁ~」
かのん「ちぃちゃんのお店のラーメンは極太麺だもんね」ハハハ
ガラガラッ
かのん「あ、いらっしゃいませ~!!」
千砂都「・・・・・・あ、お客さん入って来たね」
かのん「────ご注文は~?」
客「────大盛り、チャーシュー増しで」
かのん「────ありがとうございます!」
かのん「ちぃちゃん、ゆっくり食べててね」
千砂都「あ、うん」
かのん「・・・・・・大盛り、大盛りっと」ガサゴソ
かのん「よっ!」ドボンッ
────グツグツグツグツ
千砂都「・・・・・・・・・・・・」
ガラガラッ・・・
かのん「あ、いらっしゃいませ~!!」
千砂都「んん?結構お客さん入って来たんじゃない??」
かのん「みたいだね、いつもの夜営業はほとんどお客さん入らないんだけどね」アハハ
ガラガラッ・・・
客「こんばんは~、6人ですけど入れますか??」
かのん「あ、はい!!テーブル席使ってください!!」アタフタ
千砂都「かのんちゃん大丈夫??1人で回せる??」
かのん「・・・・・・あ、うん!前もこういうことあったから何とかなるよ」アタフタ
客「────注文お願いしまーす!!」
かのん「あ、はーい!!お待ちくださーい!!」
千砂都「・・・・・・・・・・・・」
千砂都「かのんちゃん、ごちそうさま」ドンッ
かのん「あ、ちぃちゃんありがとね。丼置いてていいよ、私片付けるから」
千砂都「お金も置いとく・・・・・・」ジャラッ
かのん「うん!ありがとう」
千砂都「じゃ、また」
バタンッ
客「────おーい!注文早く聞いてくれない??」
かのん「はっ!?すみません!!ただいま~!!」アタフタ
──ガラガラッ
かのん(んんっ??裏口??誰だろ??)
千砂都「────かのんちゃん、ここにかけてあるエプロン借りるよ」ガサッ
かのん「ち、ちぃちゃん??」
千砂都「よしっ」キュッ
かのん「ちぃちゃん!?、帰ったんじゃないの!?」
千砂都「フロアは私がやるから、かのんちゃんは厨房に専念していいよ」
かのん「ええ~!?」
千砂都「お客さんお待たせしました~!ご注文お尋ねしまーす」
千砂都「・・・・・・・・・・・・はい、普通盛ですね・・・トッピングは?・・・はい!お待ち下さい!」
かのん「ちぃちゃん・・・・・・」
千砂都「かのんちゃん、オーダー!!伝票、ここに貼っておくといい??」
かのん「あ、うん!ありがとう!」
千砂都「さっきの団体さんの注文も取ってくるね」
かのん「ごめんね・・・・・・助けて貰っちゃって」
千砂都「いいっていいって!」ニコッ
──ガラガラッ
千砂都「あ、いらっしゃいませ~!!」
かのん「やばっ!お客さんがかなり増えてきた~!!」
──
テク テク テク・・・
きな子(今日の夜ご飯は何がいいか悩むっす・・・・・・でも、家帰って自炊するのも何だか億劫っす・・・・・・)
テク テク テク・・・
きな子(・・・・・・あ、そうっす!ちょうどこの辺りにはかのん先輩の店があるっす!)
きな子(かのん先輩のお店で頂いて行くっす!!)
テク テク テク・・・
きな子(・・・・・・んん?かのん先輩のお店の前に何人かいるようっすね)
きな子(・・・・・・うわっ!外待ちが出来てるっす!!)
きな子(かのん先輩のお店はまだ新しいお店っすが、味は確かなので口コミで広まればお客さんが増えるのも納得っす・・・・・・)
きな子(さて、きな子も並ぶっす・・・・・・)
きな子「ふうっ・・・・・・」
きな子「・・・・・・」チラッ
きな子(おおっ・・・・・・店内は満席っすね・・・・・・かのん先輩、ワンオペで大変なんじゃないっすかね・・・・・・)
「すみません、このラーメン屋さんに並んでるのですか?」
きな子「!!」ビクッ
きな子「あ、はい!そうっす」
「じゃあ私も並びますね」
きな子「どうぞっす・・・・・・って、あれれ??」
「・・・・・・ん?・・・あっ!!き、きな子さん!?」
きな子「は、遥さんじゃないっすか!!」
遥「あはは・・・これは奇遇ですね。昨夜は大変お世話になりました」
きな子「どうしてこのお店へ来たんすか??」
遥「さっき、営業開始する前に焼き鳥リリィさんにツケを払いに行って来たんですけど、その時にマスターからラーメンが美味しいお店ということで教えて貰ったんです」
きな子「焼き鳥リリィ??・・・・ああ、そういえばそういう店名だったっすね。あの焼き鳥屋さん」
遥「そうです。そしてマスターが新しいお店だけど味も良いし店主も魅力的だと言ってました」
きな子「このラーメン屋さん、きな子の先輩のお店なんすが、味も店主の人柄も間違いないっす!!」フンスッ
遥「きな子さんもそう言うならば来て良かったです」ニコッ
──
かのん「────よっっ!!」ドンッ
かのん「はいっ!ちぃちゃん!カウンター2番さんと3番さんのラーメン出来たよ!!」
千砂都「了解!!すぐ運ぶね!!」
客「ごちそうさま」
千砂都「・・・・・・あ、ありがとうございます!!お会計ですね」
千砂都「先にラーメン運ばせて貰いますので少々お待ち下さい」
かのん「ちぃちゃん、それなら会計は私するよ」ガタッ
千砂都「うん、お願い!」
かのん「お待たせしました!・・・・・・えーと、850円になりまーす」ピッピッ
かのん「はい!千円お預かりで150円のお返しで~す」スッ
かのん「ありがとうございました~」ニコニコ
千砂都「かのんちゃん、2、3番の片付けオッケーだよ。外のお客さん入れるね」
かのん「うん、お願い」
ガチャッ
千砂都「次の方、何名様ですか~??」
きな子「あ、2人っす」
千砂都「じゃあどうぞ~」
きな子「ありがとうございますっす・・・・・・って、千砂都先輩じゃないっすか!?」
千砂都「あれ??きな子ちゃん??」
きな子「ど、どうしたんすか??」
千砂都「今日は早仕舞いしたからかのんちゃんのお店手伝ってるんだよね」
きな子「そうだったんすか~!それならこの混雑でもお店回せるっすね!」
千砂都「まぁ、とりあえず入ってよ」
きな子「はいっす」
遥「失礼します」
バタンッ
千砂都「カウンターの空いているところに座ってね」
きな子「はいっす」
ガタッ
遥「今の人が店主さんですか??」
きな子「いえ、今の人もきな子の先輩なんすが、普段は別のラーメン屋で働いてる人っす」
遥「そうなんですね」
きな子「店主は厨房にいる人っすよ」
遥「ああ、あの人が店主さんてしたか」
千砂都「はい、お冷ね」トンッ
千砂都「注文どうする??」
遥「何がおすすめですか??」
きな子「このお店は今のところ醤油味しかないっす」
千砂都「なので麺量と追加トッピングの有無だけ決めて貰えばオッケーです!」
遥「じゃあ、・・・・・・普通盛に煮卵トッピングで」
きな子「きな子も同じでお願いしますっす」
千砂都「え~っ・・・・・・」カキカキ
千砂都「普通盛・・・・・・2つ・・・と、煮卵も2つ・・・・・・」カキカキ
千砂都「はい、お待ちくださーい!」
千砂都「かのんちゃん、オーダー!!」ピラッ
かのん「────はーい!!」
遥「まだ新しいお店とはいえ、一つのメニューに絞って出している辺りに店主のこだわりを感じますね」
きな子「っすね、かのん先輩らしいと言えばらしいっす」
きな子「このお店はウチが主に食材卸してるんすよ」
遥「そうなんですか、鬼塚商店さんのお客さんなんですね」
きな子「実は新メニューの為の材料の提案も近日中にするんすよ。きな子がかのん先輩の為に厳選するっす」ニコニコ
遥「へぇ~、きな子さんも頑張っているんですね」
きな子「遥さんが勤める東雲物産さんみたいな大きな卸売会社じゃないっすが、まぁ何とかやって行けてるっす」
遥「はぁ、私も頑張らないとなぁ・・・・・・」
きな子「遥さんなら大丈夫っすよ」ニコッ
千砂都「はい、普通盛り2丁お待ち~!」ドンッ
きな子「ありがとうございますっす!」
遥「うわぁ~、美味しそうですね~」
きな子「遥さん、箸っす」スッ
遥「あ、すみません」
きな子「では、味わっていただくっす」
遥「いただきます!!」
──
遥「ぷふぅ・・・ごちそうさまでした~!」
きな子「かのん先輩のラーメンはいかがだったっすか?」ニコッ
遥「気が利いたことは言えないけど、美味しいですね」
きな子「それなら良かったっす」
遥「店主さんの腕の良さももちろんだと思いますが、こんな質の良いチャーシュー使ってこの金額で出すなんて利益出るんですかね?」
遥「それに、かえしの醤油もこのような味に仕立てるのにどうやっているのやら・・・・・・私の会社で扱っている醤油だとこんな良い味になる商品あったかな・・・・・・」
きな子「まぁ、高級な品物はあまり扱ってないっすが、安くて質が良いものを厳選して卸しているっす」
遥「そうなんですか・・・・・・」
きな子「まぁ、それをここまで美味しいもの仕上げるかのん先輩が1番凄いんすけどね」
遥「・・・・・・今日、このお店に来れて良かったです。勉強になりました」
きな子「遥さんは真面目っすね~」アハハ
遥「それより、食べ終えたので待っているお客さんの迷惑にならないうちに出ましょうか」
きな子「そうっすね」ガタッ
きな子「かのん先輩、千砂都先輩、きな子帰りますっす」
千砂都「あ、ありがとね~!」
遥「きな子さん、ここは私が払います」
きな子「いや、いいっすよ!ラーメンくらい自分で払うっす」
遥「いいからいいから!・・・・・・おいくらですか??」
千砂都「はい、1900円です!」
遥「2000円からお願いします」ピラッ
千砂都「はい、お釣りね」スッ
きな子「なんだか悪いっすね~」
遥「いえいえ、まだまだ借りを返さないといけないですから。こんなのお返しのまだ一部です」
かのん「────きな子ちゃん、ありがとね!!」
きな子「あっ!かのん先輩ごちそうさまでしたっす!」
かのん「────また来てね~!」
きな子「はいっす!」
遥「じゃあ出ましょうか」
きな子「そうっすね」
バタンッ
店の描写も楽しい
スクールアイドル卒業後の夕食ラーメン率の高さ
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