【SS】かすみ「納車ツーリングですか！？」
【SS】しずく「へぇっ！？電話！？今からかすみさんに……？」
この二つの続き的なのです。次から始めます。
かすみ「うん！帰ったら連絡するね！」ﾌﾘﾌﾘ
しずく「おやすみなさい、かすみさん。」ﾌﾘﾌﾘ
しずく（かすみさん、本当にバイク好きなんだな。そういやこの前……）
ﾌﾞｰﾝ……
かすみ「すっごく楽しかったよ！しず子も免許取ればいいじゃん！」
しずく「うーん、私はここが、かすみさんの後ろが好きだからいいかな。」ｷﾞｭｯ
かすみ「ええっ……しず子ってば、仕方ないなあ～」ﾆﾍﾗ～
～回想終わり～
しずく（とは言ってたけど……私もバイクに乗ったらかすみさん、喜んでくれるかな……？）
しずく（誰かに相談してみようかな。こっそり免許取って、かすみさんをびっくりさせちゃったりして……！！）ﾊﾟｱｧ
かすみ（うぅ寒い……しず子がくれたマフラーで首元は暖かいけど……バイト代入ったらグリップヒーター買おっかな。）
ﾌﾞｰ……ｳｩﾝ……
かすみ（……あれ？アクセルが……？）ｸｲｸｲ
ﾌﾞﾛﾛﾛ……ﾌﾟｽｯ……
かすみ（げっ、ガソリンなくなったじゃないですか。とりあえず、リザーブに切り替えてスタンドまで……）
グリップヒーター
その名の通り、電気の力でグリップが暖かくなる。欲しい。
リザーブ
バイクは一部車両において、ガス欠になったとき、フューエルコックをリザーブに切り替えることで走行を続けることができる。給油後コックを元に戻さないと知らぬ間に本当のガス欠になり痛い目に合う（フラグ）。昨今では殆どの車種で燃料計が普及したためこうした機構も見なくなった。
かすみ「いまお財布ピンチだし1000円分にしとこう……」ﾋﾟｯﾋﾟｯ
「お客様、当店のカードはお持ちでは無いですか？キーホルダーもあって大変便利でして……」
かすみ「あぁ……結構です……って、しお子！？何してるの！？」
栞子「何って、アルバイトですが……。ところでカードは……」
かすみ「いいよ……面倒くさいし……」
栞子「ティッシュが5箱も貰えますよ？」
かすみ「いや、バイクでどうやって持って帰るの！？ていうか、実家住んでるからそんなに要らないし！」
かすみ「人の話聞いてた？って、箱開けちゃったし……」
栞子「あぁ、これは私が持って帰ります。姉に買ってこいと言われていたんです。」
かすみ「えぇ……。とにかくかすみんに構ってないで真面目に仕事しなよ。」
栞子「仕事ならしてるではありませんか。かすみさんがケチケチ1000円分ずつ給油しなくていいようにカードをオススメしています。」ｼｵｯ
かすみ「八重歯引っこ抜くよ？あ、もうすぐ9時のドラマが始まる時間だ、早く帰らないと。じゃあね、しお子。お仕事頑張ってね！」ﾌﾘﾌﾘ
栞子「お気をつけて。」ﾌﾘﾌﾘ
ｷｭﾙｷｭﾙ……ﾌﾞｰﾝ……
かすみ「あ～、寒かった！！ただいま～、可愛いかすみんが帰りましたよ～」
かすみ「そうだ、しず子にLINEしないと。いま……帰ったよ……っと。」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
かすみ「あれ、メッセージ着てる。侑先輩……？うそ……！？」ｶﾞﾀｯ
侑：バイク買ったよ！！
侑：明日納車だからその後ツーリング行こうよ！！
かすみ「納車ツーリングですか！？行きます、行きます～！！！」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
侑「おーい、かすみちゃーん！！」
かすみ「侑先輩！！すみません、待たせちゃって……！！」
侑「大丈夫だよ！かすみちゃんこそ、今日は来てくれてありがとう！」
かすみ「それは全然！！って、何で今まで言ってくれなかったんですか？？」
侑「えへへ、びっくりさせたくってさ！お店すぐそこだからバイク押して着いてきて！」
かすみ「はーい！！」ﾃｸﾃｸ
［カワサキ特約店ナントカ輪業］
かすみ「カ、カワサキ……」
侑「すいませーん。おじさん、バイク取りに来たよ！！」
バイク屋のオヤジ「お、侑ちゃんいらっしゃい！できてるよ！そっちはお友達？」
侑「はい！高校の後輩です！」
期待
かすみ「いえ、結構です。」ﾊﾞｯｻﾘ
侑「あはは、バッサリだ～。」
オヤジ「侑ちゃんが初めてウチに来たときはびっくりしたなぁ。若い女の子は大体ヤマハかホンダばっかりなのに、髪色までライムグリーンで……」
侑「えへへ～」ﾂｲﾝﾃｸﾙｸﾙ
かすみ「えぇ……それ、カワサキカラーだったんですか……。それで、侑先輩のバイクっていうのはなんなんですか？？ひょっとして、ZX-4Rとか……！？」ﾜｸﾜｸ
侑「やったぁ！！私の愛車！！」
KLX「やあ」
かすみ「……は？」
店員「しっかりローダウンしといてやったから跨ってみな！」
侑「シートも替えてくれたんだね！よいしょ……っと。ほんとだ！！つま先が着くよ！！」ﾁｮﾝﾁｮﾝ
店員「それ、薄くてもケツ痛くなりにくいいいやつだよ。侑ちゃんには特別にサービスしとくよ！あとリアサスとロワリング……」
侑「いや、それが……」
～侑・2回目の教習所～
教官「懲りないね、君……」
侑「あの頃の私とは違いますよ？」ﾁｯﾁｯ
教官「じゃあ、そのバイク起こしてみて。」
侑「はい！」
侑「～～～～！！！」ｳｰｰｰﾝ
侑「……っ！！あぁっ、ダメだぁ！！」ﾍﾁｮﾍﾁｮ
教官「高咲さん、前より弱くなってない？」
侑「そんなぁ！！……やっぱり、私にはバイクは無理なんですか……？」ｳﾙｳﾙ
教官「顔を上げて、高咲さん。」
侑「ええっ……？」
教官「人には何事も得手不得手があるもんだよ。教習はこれ（CB）だけど、実際買うとき、それに合わせたバイクを選んで乗ればいいのさ。」
侑「私にも扱えるバイク、あるんですか……？」
～回想終わり～
店員「あいつまだあのKDX乗ってんのか！相変わらず面倒見のいい奴だな！」
侑「うん！お陰で卒検も一発で合格したよ！」
かすみ「へ、へぇ……」ﾎﾟﾂｰﾝ
店員「おう、何かあったらすぐ持って来いよな！」
侑「はーい！！」ﾌﾘﾌﾘ
かすみ「失礼しまーす。」ﾍﾟｺﾘ
ﾌﾞｰﾝ……
カワサキ
日本二輪4大メーカーの一つ。電車から航空機まで作るメーカーだけにその技術は確かなものだが、二輪ではどこか尖った製品、クセのある製品が多くライト層からは敬遠されがちな一方で熱狂的なファンもかなり多い。
ライムグリーン
カワサキのイメージカラー。西洋では古くから緑は不吉な色とされており、それを敢えて纏うことで挑戦者であるという意味が込められているとか。
KLX230S（侑ちゃんの愛車）
カワサキのオフロードバイクKLX230のローダウンモデル。オフロードバイクの軽量な車体は女の子にも扱いやすい一方、不整地での走破性を高めるための車高の高さがネックになりがちだが、各種調整によりシート高を低くし、足付きが改善されたモデル。
KDX220SR（教官の愛車）
車両重量122㎏は教習車として各種装備が付いたCB400SFの207㎏と比較するまでもなく軽い。これなら侑ちゃんでも起こせる。
侑「さあ、着いたよかすみちゃん！」
かすみ「えぇ……？？って、何ですかこの道！？アスファルトが無いんですけど！？」
侑「かすみちゃーん、早く早く～！！」ﾌﾞｰﾝ
かすみ「えぇっ！？ちょ、ちょっと待ってくださいよ～、侑先輩～！！」ﾌﾞｰﾝ
かすみ「なんでそんな楽しそうなんですか！？うわぁ、かすみんの服ドロドロになっちゃいますよぅ……」ﾌﾞｰﾝ
侑「ほらほら、ここなんか川みたいだよ？」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ
かすみ「最悪だ……」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ
※オフ車乗りは路面が荒れれば荒れるほどテンションが上がります。
侑「さあ、ここが最後の難関だよ、かすみちゃん。」
かすみ「げっ、あんな荒れたところ……侑先輩も初心者なのに超えられるんですか……？」
侑「じゃあ、私が先に行ってみるね。かすみちゃんは見てて！」ﾌﾝｽ
侑「よいしょ……っと。えーいっ！！」ﾌﾞｰﾝ
ｶﾞｯｼｬｰﾝ!!!
かすみ「ゆ、侑先輩！！？大丈夫ですか！！？」
侑「痛てて……コケちゃった……」
かすみ「バイク、起こしますね。あらら、せっかく綺麗なバイクなのに……侑先輩、落ち込まないでください……」ｵﾛｵﾛ
かすみ「えぇ……なんで侑先輩楽しそうなんですか……」
侑「かすみちゃん……。オフロードバイクにとって傷は勲章なんだよ……！！」ｷﾗｷﾗ
かすみ「はぁ……侑先輩がそういうならいいですけど……危ないし押して切り抜けましょう。」
侑「そうだね、手伝うよ、かすみちゃん。」
侑「は～、楽しかった！！かすみちゃん、帰りにご飯食べて帰ろうよ。私がおごるよ！」
かすみ「はい、かすみんお腹ペコペコです～」
侑「じゃあ、行こうか！」ｷｭﾙｷｭﾙ……ﾌﾞｫｫｫ……
かすみ「はーい！」ｷｭﾙｷｭﾙ……
かすみ「……あれ？」ｷｭﾙｷｭﾙ……
かすみ「いえ、ガソリンが……とりあえずリザーブに切り替えて……あれ……？」ｸｲｸｲ……
侑「かすみちゃん……？」
かすみ「ど、どうしよう……本当にガス欠しちゃいました……！！」
かすみ「……あ、そういえば……」
ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀ ﾚｼｰﾄｦｵﾄﾘｸﾀﾞｻｲ……
かすみ「とにかくかすみんに構ってないで真面目に仕事しなよ。」ﾚｼｰﾄｼﾏｲ
栞子「仕事ならしてるではありませんか。かすみさんがケチケチ1000円分ずつ給油しなくていいようにカードをオススメしています。」ｼｵｯ
かすみ「八重歯引っこ抜くよ？あ、もうすぐ9時のドラマが始まる時間だ、早く帰らないと。じゃあね、しお子。お仕事頑張ってね！」ﾌﾘﾌﾘ
栞子「お気をつけて。」ﾌﾘﾌﾘ
ｷｭﾙｷｭﾙ……ﾌﾞｰﾝ……
～回想終わり～
侑「この辺スタンドあるかな……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
かすみ「……。」ｼｮﾝﾎﾞﾘ
侑「あちゃー、街まで戻らないと無いねぇ……」
かすみ「ごめんなさい、かすみんは押していくんで侑先輩は……」
侑「ほら、かすみちゃん。荷物かして？おじさんリアキャリア付けてくれたから結構積めるんだ～」
かすみ「侑先輩……」ｼﾞﾜｯ
侑「ううん、私の方こそこんなとこまで連れてきちゃったし。それにさ……」
かすみ「それに……？」
侑「こういうのって、ちょっとくらいキツイほうが後々思い出になるんだよ。」
かすみ「そんなもんなんですかね……？」
侑「間違いないよ、人生の先輩が言うんだから！」ｴｯﾍﾝ
かすみ「侑先輩……って一歳差じゃないですか！！」
侑「ちぇ～、ちょっと先輩っぽいこと言おうと思ったのにな～」
侑「ううん、私も楽しかったし！またどっか行こうよ。」
かすみ「山奥は無しですからね！」
侑「じゃあね～」ﾌﾘﾌﾘ
かすみ「はい、ありがとうございました！」ﾌﾘﾌﾘ
「あれ？かすみさん？」
かすみ「しず子！？どっか行ってたの？？」
しずく「お芝居の稽古の帰りだよ。かすみさんは侑さんと遊びに行った帰り？」
かすみ「うん！そうだ、しず子。家まで送って行ってあげるよ！」
［ドロドロのタンデムシート］
しずく「やっぱり、今日はいいかな……」ｱﾊﾊ
かすみ「なんで……！？」ｶﾞｰﾝ
おしまい
スズキの話が書けるかは分かりませんが書いたときはよろしくお願いします。
泥んこではしゃぐ侑が可愛かったです。続きも期待しております。
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11177/1703598003/
コメント